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2008年1月28日 (月)

『Der Fall X701』(『Frozen Alive』 1964)

 

Der Fall X701』(『Frozen Alive』 1964

 冷凍睡眠と安っぽい夫婦愛というあんまり関係のなさそうな題材を無理やりくっつけてみたらこんなつまらない映画が出来上がりました。つまらないけれども、これも何かの縁でございます。どうかよろしく最後までお付き合いのほどお願い致します。何ですと、そんなつまらない映画はいやだ?やい、やさしくいっているうちに「こちらこそどうぞよろしくお願いします」とでもいいなよ。

舞台はベルリンの「世界衛生機構低温部 ベルリン支部」の建物。実験室で本作の主人公フランク・オーバートン博士(マーク・スティーブンス)と同僚の女性科学者ヘレン・ワイランド博士(マリアンヌ・コッヘ)は本日開催される学会の講演準備に余念がありません。ヘレンが中心となって進めてきた冷凍睡眠プロジェクトの成果を発表する大事な講演で、彼女は今から緊張と興奮に震えております。

 さて、アメリカからはるばるやってきたフランクの妻、ジョアン・オーバートン(デルフィー・ローレンス)、フランクが「いやー、今日奥さんが来るんだよ」と嬉しそうにヘレンに語っていたのにも関わらず、夫と会うより不倫相手のアパートメントに直行したという・・・(笑)。その不倫相手とはトニー・ステイン(ヨアヒム・ハンセン)、ファッション雑誌の記者であります。ヘレン、酒をくいくいやりながら「今日、夫たちの講演に行かなきゃならないの。夫の同僚がね、ヘレンなんとかっていって凄い科学者らしいわ。なんでもチンパンジーを冷凍してまた元に戻したそうよ」

 このチンパンジーという言葉を合図にぱっと映像が学会の会場に変わります。勿論、へレンが講演中。彼女はチンパンジーのスライドを映して、「私たちはチンパンジーを実験体として冷凍睡眠させて3ヶ月経過させたものを通常の状態に復帰させました。この冷凍・復帰のプロセスではいかなるダメージも認められませんでした。肉体、脳、いずれも正常だったのです。いかにして、心臓を素早くストップさせるか、血液を急速に凍らせるか、これがコツでした」そんな実験にコツなんて言葉を使うな(笑)。

 この講演は会場で大うけ。質問コーナーも無難にこなし、意気揚々と演壇を降りるヘレンとフランクです。しかしこの後、世界衛生機構のえらい人、キース教授(ウォルター・リース)から「人体実験はまかりならぬ、たとえ志願者があってもだ」と言い渡されてしまいました。この後、すぐにでも人体実験をやろうと考えていた二人はがっかり。会場で大うけの喜びも半減であります。フランクは会場に来たジョアンをみんなに紹介し、しょんぼりと帰っていったのです。

 しかしその翌日に早くも再開される動物実験。今度はチンパンジーのスージーが実験体となります。この実験を見学したキース、「んん?随分大掛かりな装置で冷やすんだねえ、これはドライアイスじゃ駄目なの?」などという頓珍漢な質問をしてフランクをイラつかせるのでした(笑)。しかし、この後、二人にとって大いなる喜びが待っていたのです。フランクとヘレンを自分のオフィスに招いたキース、「この冷凍技術は医療の発達に大きく寄与する筈だ」と言い、二人がエレクシス・キャロル賞を受賞したことを知らせたのです。これはどうもノーベル医学賞のようなものらしく、名誉もさることながら二人にそれぞれ25,000ドルの賞金が支給されるという大判ぶるまい。

 やっと研究が認められたと歓喜するフランクとヘレンでしたがそうそう良いことばかりは続かない。キースはへレンに「十分な成果を挙げたからこの研究はもう十分だろう。君は新しい分野でまた頑張ってもらいたい」と研究部門の移動を言い渡したのです。「そんな、これからという時なのに」「早すぎます、時間をもっと下さい」と抗議する二人でしたがキースは聞く耳持たず。ついにフランク、切れて「じゃあ、我々が画期的な成果を挙げたらどうします。それでもヘレンを移動させますか」「まー、そうなったら認めるよ」しぶしぶと頷くキース。しかしすぐに「でも人体実験は絶対駄目だよ」こうなったら無理にでも人体実験をしてしまおうというフランクの企み、看破されてしまったようであります。

 自宅へ戻ったフランク、今度はジョアンに悩まされるのでした(笑)。彼女は賞金のことを聞いて大喜びしたのですが、フランクが「これで家買って落ち着こう、子供も作るんだ、名実共に家族になるんだ、ああ、楽しみだなあ」と言い出したとたん、ぶすーっとします。彼女はそんな気がさらさらなくもっともっと遊びたかったのです。しかも彼女はフランクとヘレンの仲を疑ってさえいる様子。フランクは慌てて「いや、そんなことはない。彼女は同僚だ、そんな対象じゃないんだよ」へレン、ぶすーっとしたまま酒をがぶがぶやってます。フランク、さすがに怒って「もういいよ、俺、仕事してくる」実験室に行ってしまいましたとさ。

 この後フランクは実験室でヘレンの顔を意味ありげに見つめます。今にもキスしそうな様子でしたが、今一歩のところで思いとどまったのは科学者の自制心と言う奴か(笑)。一方そんな自制心のかけらもないジョアンは家を飛び出してトニーとナイトクラブにしけこんでいます。黒人のファイヤーダンスを見たり、トニーに急ぎの仕事の電話が掛かってきたり、その間ジョアンが酔っ払いの誘いに乗ってダンスしたり、そういうのがエンエン続くという・・・。電話から戻ってきたトニー、「どうしても今夜中に原稿あげなきゃならない。だから帰るよ」「えー、夜はこれからじゃない、そんなのイヤよ」とブーたれるのですが、クラブに残るわけにも行かず彼の家へついていくのでした。

 一所懸命にタイプライターをうつトニー。手持ち無沙汰のジョアンは「お酒ないのー」とか騒いで彼の仕事を邪魔してばかり。我慢の限界に来た彼はついに「もう帰ってくれ」と彼女を追い出してしまいます。しかし、彼は気がつきませんでした。ジョアンが彼のピストルを持ち出したことに。

 さあ、べろんべろんのぐでんぐでん状態のジョアン、どこへ行くのかと申しますと、なんとこの女は衛生機構のオフィスに乱入したのであります。ヘレンを見つけて「ういー、ひっく、あんた、あたしの夫をどうするつもりなのよ、ひっく」と誠に酔っ払いらしく絡んでいたところにフランクが来て、「このバカ女、とっとと帰るぞ」はい、連れ出されてしまいましたとさ。

 自宅へ連れ戻されたジョアン、ベッドの中で「あの女がね、あなたを、ああ、あなたの女を見る目つき・・・」ぶちぶちぶちぶち言っております(笑)。フランクはうんざり顔で「だから、そんなことはないって言ってるだろ」ここで電話がリーンと鳴ります。フランクが出て「あー、ヘレンか、うん、ジョアンは大丈夫だ、心配かけてすまない」この間、ベッドから起き上がったジョアン、自分のカバンの中を探ります。そしてピストルを取り出して弄び始めるのでした。ところがこのピストルがズドンと暴発。フランク、電話でこの銃声を聞いたヘレンも仰天。幸い、ジョアンに怪我はなかったのですが、フランク怒るまいことか。「お前ね、ピストルなんかどうしたの、さっき、こんなものを研究室に持っていったのか。弾が入ったピストルでヘレンを脅かそうとしただと、ああ、なんてことだ」もう大騒ぎであります。

 しかし、この後妙に仲良くなってしまうのが夫婦というものの不思議さ。真摯に謝り、「あなたを愛しているからなの」とすがり付いてくるジョアンを優しく抱きしめるフランクです。「今まで君をほったらかしにして済まなかった。今の研究をなるべく早く終わらせて君と一緒に過ごそう」「まあ、嬉しい」ええ、こういうことになりましたと(笑)。

 フランクは実験室へ行きヘレンに「私を使って人体実験を行ってくれ」と申し込みます。いかに早く研究を完成させるためとはいえ、「それは危険すぎるわ」と反対するヘレンでしたが、ついに彼の勢いに押し流されてしまいます。「仕方ない、では実験は明日の夜に行います」直接の上司、ハバード教授からも何とか許可を貰うことができました。

「それは危ない」ってお前ら最初から人体実験するつもりだったじゃないか。フランク以外の実験台だったら良かったのか(笑)。

 さて、トニー、ようやく自分のピストルが紛失していることに気がついた。彼はジョアンに電話して、彼女がピストルを持っていることを知るとさっそく引き取りに押しかけたのでした。彼はピストルの弾が当たった跡のあるクッションを見て「一体なんてムチャをするんだ。下手したら僕も刑務所行きになっちゃうんだぞ」ジョアンは平然として、「いいじゃない、大丈夫だったんだから、それにもう弾は入ってないわ。私確かめたんだもの」それがそうではなかったのですなあ。ジョアン、またピストルを手にとって弄び始めます。それでうっかり引き金引いちゃって無いはずの弾丸が発射され、彼女の胸を貫いたのです。なんとピストルの薬室にもう一発弾丸が入っていたという・・・。彼女はピストルの弾倉しかチェックしていなかったのでした。

どうして二回も暴発させますかね、この女は。

 救急車を呼ぶ暇もなく絶命するジョアン。トニーはこれは大変なことになったと青ざめ、卑怯にも自分の指紋を残らず消して家から逃げ出したのであります。そして家政婦によって発見されるジョアンの死体。すわ、殺人事件か、警察の捜査が始まりました。そんなこととは露知らず冷凍睡眠の人体実験が始まります。ヘレンは装置を操り、首尾よくフランクを眠らせることに成功しました。これで後は蘇生の時間を待つだけです。

 この時ハバード教授のオフィスにやってきたのが警視プレントン(ウルフガング・ルクセー)と部下のグラム(ウルフガング・ガンサー)。彼らは強硬にフランクとの面会を主張します。教授、一旦は断るのですが、さすがにプレントンに「彼の奥さんが射殺死体で発見された。我々はフランクを容疑者だと考えている」と言われてはどうしようもありません。急いでヘレンを呼び出します。事情を聞いたヘレンは真っ青。プレントンたちはまたフランクに会わせろと言い出したのですが、ヘレンは首を振って「無理です。だって彼は冷凍睡眠の実験中なのですから」「そんなもん、中止したらいいじゃないか」「いいえ、彼が実験台になっているんです。今彼は研究室で眠っています!」

 警視たちはヘレンの案内で凍り付いているフランクを見学します(笑)。彼らはやっぱりフランクがヘレンを殺して容疑から逃れるために実験台になったのではないかと言うのですが、とにかく、明日の蘇生時まで待つことになったのでした。

 ぱっと時間が飛んで蘇生の時がやってきます。警察に依頼されたカール・マルクハイマー博士(シグルド・ローデ)とプレントンが見守る中ヘレンは蘇生プロセスを開始。この時場面がぱっと変わって大写しになる新聞。その見出しには「科学者の妻、射殺さる。夫は失踪す」とあります。これを読んでいたのがトニーであります。彼はしばらく考えた後意を決して電話に手を伸ばすのでした。

 その間もどんどん蘇生は進められていきます。プレントンはイヤミたっぷりに、「何しろ現場にピストルがありませんでしたからな、やっぱり殺人です。フランクは彼女を殺して実験と称して逃げたのだ」きっとなるヘレン。「彼はそんな人じゃない。何かから本当に逃げたければ薬を飲んで死を選ぶ、そういう人です」全然庇ってないよ、この台詞(笑)。そしてついに意識を取り戻すフランク。「ああ、うう、ヘレン」ヘレンは喜びに顔を輝かせて「フランク、打ち合わせどおり数を数えて」これで脳に障害がないか確認しようというのです。言われたとおりにするフランク。ヘレン、「うん、大丈夫だわ、次のステージに進みます」次のステージとは電気による心臓マッサージ、何か順番が違うような気がしますけれども(笑)。

 どくん、どくんと電気ショックを受けるフランク。しかしどうしたことかヘレン、電気ショックを途中で中断してしまったのです。心拍数・血圧急降下、死に向かってまっしぐらのフランク。ひょっとしたら彼女は警察の手に渡すよりは自分の手で彼を葬り名誉を守ろうとしたのでしょうか。

 とここで実験室の電話が鳴ります。これが警察からの電話で、受けたプレントン警視が「ええ、目撃者が名乗り出たァ?ジョアンの死は暴発による事故ですって」これを聞いたヘレン、急いで電気ショックを再開します。しかしなかなか反応しないフランクの心臓。もう駄目かと思われたのですが、最後の最後でフランクが復活しないと映画が終わりませんからな、ちゃんと生き返ることになっているのです(笑)。

 その一年後、キース教授が報道陣に大威張りで演説しています。「あの一年前のあの時から冷凍睡眠の輝かしき歴史が始まったのであります」フランクもすっかり元気になって、今ではヘレンとよろしくやっているのでしたというハッピーエンド。

いや、最初っからトニーが「拳銃が暴発しました」って警察に連絡すれば済んでいた話なのですが(笑)。

 モノクロ・スタンダード、モノラル音声。画質は割合まともなのですがとにかく音声が酷い。ホワイトノイズが五月蝿くってろくすっぽ台詞が聞き取れやしない。12枚のディスクに50本の映画を収めたNightmare Worlds 50 Movie Pack CollectionMill Creek EntertainmentのDVD。

           エロの冒険者 
       HOMEPAGE http://homepage3.nifty.com/housei/ 
      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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