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2008年1月31日 (木)

『SF地底からの侵略/無差別襲撃!戦慄の殺人有機ガス』(『They』 1974)

 

『SF地底からの侵略/無差別襲撃!戦慄の殺人有機ガス』(『They』 1974

これはあのビル・レバーン親父がプロデュース、監督はこれが映画デビューの新鋭監督ITOというフレコミなのですが、実はITOというのはビル・レバーンと同一人物。まったくもっていつもながらに無意味なことをしてくださるビル・レバーン親父です。だから映画の出来はというと・・・そりゃ、当然まともな訳がない(笑)。

 冒頭人々が走り回っております。そして倒れていきます。地球が大写しになって画面を覆い尽くしたかと思うとぱっと消えて今度は怪しい光。次にぞんざいな出来の円盤がくるくる。森から赤い煙が出てくるという実にテキトーなオープニングであります。

 場面がぱっと変わってようやく映画の始まり、始まり。ここはカナダの山の中。山小屋経営、ハンティングガイド、パイロットで生計を立てているのがジェイク・スティーブンス(ニック・ホルト)とサラ(デビー・ピック)の兄妹。ジェイクは狩りから戻ってくるなりマキ割をしていた妹に「鹿はおろか、鳥やリスだっていやしねえ」 この三週間、この山小屋には何らかの調査のためにエリック(カール・ワラス)、スタン(ポール・ベンツェン)、アンディ(ロバート・アーキンス)が滞在しておりまして、本日帰ることになっております。ジェイクは山小屋にこもりっきりで町を知らないサラを心配して「なあ、一緒に町へ行かないか。あっちに住んでもいいぞ、そして友達を作ってエリックみたいな男と結婚するんだ。パパが生きていたらきっとそう願ったに違いないよ」しかしサラはけんもほろろ、エリックに好ましい感情は抱いているようですが、それ以上に彼女は町を憎んでいるというのです。

あ、サラが町を憎んでいるという設定はこの後の展開に全然関係ないので速攻で忘れて下さって結構です。

 さて、エリック達三人はサラにさようならを言ってジェイクの飛行機に乗り込みます。ぱーっと飛び上がる飛行機。エリックたちは「あーやっと町に帰ることができる。熱いシャワーに清潔なベッド、そして女だ」なんてはしゃいでおります。ところがまもなく町の空港に着陸するというのに管制所との連絡が取れません。心配になったジェイクが何度も何度も呼びかけますとやっと管制官のサム(アーノルド・ディドリクソン)が応答したのですが、苦しげな声で「着陸するな、戻れ!」驚いたジェイクが訳を聞きますと「人々が蝿のように死んでいる。伝染病だ、俺もやられた、もう駄目だ」

 それでも着陸を強行しようとしたジェイクですが、サムは滑走路の真ん中に立って妨害します。これでついに諦めたジェイク、近くのベア・クリーク・ロッジへ向います。冬季は閉鎖されているロッジなのですがジェイクはここに燃料がストックされていることを思い出したのでした。しかし着陸して格納庫を調べてみると見事にタンクはカラ。がっかりする一行です。この時接近してくる飛行機の音が聞こえてきたので外に出てみると、その飛行機は突然コントロールを失い近くの森へ墜落してしまったのでした。

 どかーんという大きな音が響くだけで実際に飛行機が爆発する訳ではありません。この種の映画で定番の飛行機墜落描写であります。

 ジェイクとエリックは救助に向います。その間アンディとスタンはラウンジの建物に入って自家発電装置を作動させ無線機を試すのですがびびびという音がするだけで通信はできません。そして不可思議な赤い光が現れ二人を驚かせたのです。「あ、あの光はなんだ」息を飲むスタン。アンディは考え深げに「私が思うにはあれは、助監督の若い人が懐中電灯に赤いセロファン被せて照らしているんだ」ってこら、本当のことを言うんじゃない(笑)。一方、ジェイクとエリックは墜落した飛行機を発見するのですが猛火に覆われておりパイロットを救出する術はありませんでした。

 さて、山小屋のサラ。またマキを運んでおります。とその時無線機から怪しい音が。サラがマイクを握って呼びかけますといきなり「キミタチノショザイヲアキラカニセヨ」というロボットみたいな声。思わずぷっと失笑する私に構わず「誰なの、どこから通信しているの」と答えるサラ。謎の声は「ソレハタイシタモンダイデハナイ。ワレワレハワレワレノキカイヲセッチスル」もーなんだか訳が分からない。突如人々を襲った疫病、謎の赤い光、この怪奇な声、一体何が起こっているのというのでしょう。

 ジェイクたちは山小屋へ戻ります。

 唐突にラジオのアナウンサーが出てきて「アメリカ全土で大規模な通信途絶が起こっております。疫病の正体も定かではありません。みなさん、ご注意ください」

 夜になりました。エリックはさらにこの近辺の地図を借りてなにやら検討中。スタンは目をぐるぐるさせながら熱狂的に「あの赤い光も通信も伝染病もみんな空飛ぶ円盤の仕業なのだ」呆れたアンディは「おれ、散歩行ってくるわ」おや、彼は外でなにやら飛行機を弄っているようす。画質が悪くまた夜の場面なので詳しいことがまったく分からないのが残念です(笑)。

 そして再び無線機から聞こえてくる怪奇な声。「ソチラハスティーブンスカ」「そうだ」と答えますといきなり「ゴキゲンイカガデスカ」だって(大笑い)。その後はだんまりでいくら「お前は誰だ、どこから通信しているんだ」と聞いても答えやしねえ。

 そうこうするうちにまた唐突にアナウンサーが登場します。今度はどうやらテレビ番組のようです。アナウンサー、開口一番「空飛ぶ円盤が各地で目撃されております。一部ではこの円盤が伝染病に関係しているという見方もあるようです」それから紹介された二人のゲストがおばさん、ローズマリーとおっさん、ダンカンの二人。この二人、円盤を目撃したというのであります。しかもダンカンに至っては円盤に乗り込み宇宙人たちとおしゃべりまでしたというのです。アナウンサーから「それで宇宙人のみなさんはどの星からやってきたのですか」ダンカン、生真面目な顔で「天王星(ユラナス)じゃと言っておった」ソファーに座ってこのテレビ番組をみていた二人の男女、「わははは、韮澤さんだってこんなこといわないよ」と大笑い。

 円盤はともかく伝染病で人がばたばた死んでいるんだからもっとマジメにやれと思っていたら、突然テレビ局の照明が点滅し始めます。「なんだ、なんだ」と大慌てのスタッフ。同時に二人の男女もソファーの上からぱっと消えてしまいました。やっぱりレバーン親父だからこんな訳の分からないことになる。さすがレバーン親父、期待を裏切らない男ですよ。

 翌日、ジェイク、スタン、サラの三人はライフル片手に外へでてなにやらうろうろしております。あ、スタンが転んだ、でもそれでどうにかなる訳ではなくてまた立ち上がってうろうろ。まったくもってだらだらした演出で、レバーン親父の辞書にはサスペンスなどという文字がないことが分かります。

ジェイク・サラ・スタンがうろうろしていたのは狩りのためだったのですが、冒頭と同じく「鳥やリスさえもいない」状態で獲物を見つけることができません。この間、山小屋に残っていたアンディは倉庫でガソリン満タンのスノーモービルを発見します。「おーい、エリック、いいものがあるぞ」とアンディが戻った直後、また画面に現れる赤い光。

 エリックは相変わらず短波ラジオをいじっております。と、突然音楽が鳴り出したのです。「わあ、まだ生きている人がいるんだ、ばんざーい」と喜ぶエリック。丁度その時戻ってきたサラとスタンを捕まえて「さあ、踊ろう!」別に踊ることはないだろうと思いますけど(笑)。しかしそのうちスタンが余計なことに気がつきます。「この音楽、ずっと同じところを繰り返しているよ、そんなことするラジオ局なんてないよ」たちまちしょんぼりとなるみんな。これは何ですかねえ、無人のラジオ局が自動で放送をしているということなのでしょうかねえ。それでなんで同じ音楽を繰り返しますかねえ、本当に良く分かりませんねえ。

 その夜、痺れを切らしたアンディが山小屋からそっと抜け出てジェイクの飛行機に乗り込みます。他のみんなが気がついて飛び出して来たときにはもう手遅れ。ジェイクは飛行機のエンジンを始動させてそのまま離陸したのです。「よーし、これで文明社会へ戻れるぞ」と歓声を上げるアンディ。しかしその時彼は見ました。コックピットの中で赤い光が点滅するのを。赤い光は複雑に点滅しながらアンディを包み込みます。「ぎゃあああ」とアンディが悲鳴を上げた直後、飛行機は爆発したのでした。

 唐突に場面は変わってここはどこかの町。いい気分でバーから出てきた酔っ払いが道路から噴出す赤い煙を見て立ち尽くします。「わあ、なんだあれは」バーに駆け戻る酔っ払い。あれ、道路をはいずっている男も一人いるぞ。バーの窓からも赤い煙は見えてみんなパニック状態。酔っ払いは喉を抑えて「ううう、き、気分わりい」飲みすぎじゃないのか(笑)。

 どうやらまた別の町が謎のガス・伝染病にやられたという描写らしいのですがねえ。

 山小屋ではもう食料もなくなりそうだ、こうしていても仕方ないので、ジェイクがスノーモービルで助けを呼びにいくことに。「じゃあ、みんな、俺が戻るまで頑張ってくれよ」ジェイク出発します。この後、また無線から聞こえてくる謎の声。やっぱり「ゴキゲンイカガ」とか言ってやがる(笑)。「キミタチノセイカクナバショヲオシエヨ」、「キミタチハナンニンイルノダ」などと聞いてくるのですが、聞いたら聞きっぱなし。スタンが「俺たちゃ、4人いる」と答えても返事もしやがらねえ。そしてまた唐突に場面が変わってアカラサマな発炎筒からでる煙に怯えて逃げ回る人々の姿が。またぱっと場面が変わると今度はスノーモービルで疾走するジェイクの姿。

 ジェイク、延々スノーモービルで走ります。いい加減飽きたところでまたあの赤い光が。ジェイク、スノーモービルの上で意識を失ってしまいます。そしていきなりその姿が消えるという・・・。

 またどこかの町で逃げ惑う人々。今度は思い切り紐で吊るされた空飛ぶ円盤まで登場します。

 ジェイクは戻ってこない。食料はどんどんなくなる。このままでは飢え死にを待つばかりということで残された三人は徒歩で町を目指すことになりました。またえんえん歩く三人。映画の残り時間はあと14分しかないのに(笑)。えんえんと歩いた挙句、やっと野営の準備にかかる三人。ここでスタンがこの騒動を引き起こしている円盤と宇宙人について世にも馬鹿馬鹿しい考えを開陳するのでした。「8,000年前、火星が地球に大接近した。月よりももっと近くなったのだ。火星はその位置に2000年も留まったのだ(ええっ!)。それで電磁波・重力が影響して惑星崩壊の危機にさらされた火星人たちは地球へ移住したんだよ。彼らは進んだ科学で地球を探査して地球の内部に大空洞があることを発見したんだ(ああ、そうですか)。おまけに大空洞の大気は火星のそれに近かった(はあ?)。火星人たちはそれ以来地球の内部に住んでいたのだ。空飛ぶ円盤は宇宙からじゃなくて地球内部からやってきていたのだ」

 夜中にこんなくっだらねーこと聞かされると本当に頭にきます(笑)。いい加減、この種のことには慣れていると思ったのですが、やっぱり、ビル・レバーン親父には勝てません。

 この後、エリック、スタンはマキ拾いへ。これがなかなか戻ってこないものですからサラも野営地を離れて二人を探します。あと映画の残り時間は10分を切ったのに、やっぱりえんえんとさ迷う三人。あ、あれ、サラ、茂みの中で寝ようとしているぞ、なんだ、あと6分しかないのに何のつもりだ。サラ、次の場面では何事もなかったかのようにフツーに歩いております。もうムチャクチャです。

 こうしているうちにばたりと倒れるエリック。何の説明もないけどどうやら死んだらしい。

 この後また唐突に場面が変わってラジオ局のスタジオになります。DJがレコードを掛けながら「皆死んだ、俺が地球でたった一人生き残った人間だ。誰か、何とか言ってくれ」などと叫んでいるという・・・。

 スローモーションで走るサラ。その行く手には微笑んでいるスタン。二人は一緒に歩きます。すると突然二人が裸の少年と少女に変わってしまいました。おまけに雪山が花咲き乱れる草原に!歩いている少年と少女。おしまいってふざけんな、時間と金かえせ、モギリのオバサン人質に取って立てこもるぞ、コノヤロー。公開当時、観客の48パーセントが顔面を怒りで赤くしてこう叫んだそうであります。

 実際、酷いな、これは。クズ揃いのビル・レバーン映画の中でもとびきりだよ。これに比べたらあの『ジャイアント・スパイダー大襲来』だってマトモに見えるよ。

カラー・スタンダード モノラル音声。映画も酷いが画質も酷い。例によって暗い場面で何やっているのかさっぱり分かりません。解像度が低くめりはりがまったくないのも大きなマイナス。音声は標準レベル。音声は聞き取りやすいのですが、こんな映画の台詞まじめにヒアリングしたって仕方ないし(笑)。12枚のディスクに50本の映画を収めたNightmare Worlds 50 Movie Pack CollectionMill Creek EntertainmentのDVD。

           エロの冒険者 
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2008年1月29日 (火)

『Night Fright』 1967年

 

Night Fright』 1967 

               

 宇宙線に動物乗っけて宇宙線の影響を研究していたら突然変異で怪物が出来たぞ、ひーという映画です。しかし肝心の怪物の姿が画質の悪さも手伝ってほとんど分からないのではっきりいってまったく面白くありません。私は慣れているから平気ですが(笑)フツーの人だったら絶対怒りますね、こんなの。

夜の森、車の中でキスしているカップルあり。さあ、盛り上がったところで次行ってみようかと服を脱ぎかけたところでラジオから緊急ニュースが流れます。一時間前ボバートン近くの山中に光る物体が墜落しました。その正体は判然とせず、また落ちた正確な場所も分かりません。万が一に備えて皆さん、用心してください。「そんな万が一って何に用心するのよ」ふっと笑って女の服を脱がせにかかる男。ところがその万が一が車に忍び寄ってきました(笑)。んがーと叫びを上げて襲い掛かったその万が一、二人をぎったんたんのぐっちゃんちゃんにしてしまったのです。

 翌日二組目のカップルが登場。クリス・ジョーダン(ラルフ・ベーカー・ジュニア)とジェーン(ドロシー・デーヴィス)です。二人は森へドライブに出かけます。そして車を降りていちゃいちゃ、まったくこの映画のカップルは森でいちゃつくしか脳がないのかとイラつき始めたところで、ジェーンがカップルの死体を発見。「ぎょえええ、超気持ちわるいー」と叫んだところでオープニングクレジット。

 現場検証にあたったのが本作の主人公であるクロフォード保安官(ジョン・エイガー)と保安官助手のベン(ビル・サーマン)であります。彼らはクロフォードの友人である大学教授のアラン・クレイトン(ロジャー・クレイディ)と「やっぱ落ちたのはロケットだったの、なんで政府の人間が周囲をかぎまわっているんだ」などと話していますって、二人が調べているのは落ちたロケットの方かよ、なんでカップルの死体じゃないんだよ(笑)。この後パトカーの無線でようやくカップルの死体発見を知らされ急行するクロフォードとベンであります。

 カップルの惨状に仰天するベンとクロフォード、男の方はまだ息があったのですが運ばれた病院であえなく死亡。「一体全体、どんな殺人鬼がこんなことをやりやがったんだ」この後、さらにもう一人の助手ウェス(ゲリー・マクレイン)も加わって三人で周囲の森を捜索します。この捜索がまた長いんだ、えんえん森の中歩いているんだ、三分ぐらいずーっとやってるんだ(笑)。ようやくウェスが犯人のものと思しき足跡を発見します。それは非常に巨大で奇妙なことにアリゲーターのそれを思わせる形をしていました。「なんでこんなところにアリゲーターが」と首をかしげる三人。まあ、このまま見ていたって分からないので石膏で足跡の型をとってアランに見せることになります。

 ここでオープンカーを走らせながら大騒ぎをしている若者たちが登場。クリフォードが彼らを止めてどこに行くのかと尋ねますとリーダー格のバワーズ(フランク・ジョリー)という青年が「決まってんじゃーん、森でパーティするんじゃーん」「駄目だ、駄目だ、君らも殺人事件があったことを知っているだろう。危ないから帰りなさい」「俺ら、関係ないじゃーん、放っておいてくれじゃーん」クリフォードは馬鹿な若者のこういう喋り方が大っ嫌い(笑)。激怒して「テメー、つべこべ言ってないでとっとと帰れ、ピストルで穴だらけにするぞ、コノヤロー!」若者達、びっくりして「なんだ、あの保安官、頭おかしいんじゃーん」帰っていきます。

 この若者たち憤懣やるかたならず、町のパーラーで「やっぱりパーティやるじゃーん、湖畔で今夜やるじゃーん、みんな呼ぶんだじゃーん」とっととあの怪物だか何だかにやられてしまえば良いと思います。

 クリフォードは病院によってガールフレンドのジョアン看護婦(キャロル・ギレイ)に「ごめん、今夜のデート、キャンセルして」ジョアンは「分かっている、何か大変なことが起こっているみたいだもんね、一体何者の仕業なの?」クリフォードは首を振ります。「いや、まったく分からん」なんだか頼りない人ですなあ(笑)。

 そしてその夜、無謀なる若者達は湖畔でパーティを開催。ビールを飲みつつゴーゴーを踊るという典型的なアメリカンパーティ。このパーティのことを聞いたクリスとジェーンは「これは危ないわ、保安官に知らせなくちゃ」ということで保安官事務所へ車を走らせます。その保安官事務所ではアランが足跡の石膏標本をためつすがめつして、「ううーむ、なんだかアリゲーターのそれに似ているなあ」思わずクリフォード、「それはもう分かっているから」と思ったとか、思わなかったとか。

 若者たちは湖のそばでゴーゴーを踊っております。これがもうどうかと思うくらい延々踊るのであります。クリフォード保安官はアラン教授と足跡についての話し合い、そんな中家に帰り着いて「はあ、今日も疲れた、発泡酒で一杯やって、お風呂入って寝よう」というジョーン。しかし彼女は妹ダーレーン(ダーレーン・ドルゥ)の置手紙を見つけてしまったのです。その手紙には「お姉さん、私、レックスと一緒にパーティに行って来る。場所は湖よ」ジョーン、がっくりと首を垂れて「なんでそんなアブナイところに行くのよ」彼女はクリフォードに電話をしたのですがあいにく捕まらず、仕方なしに自分自身で妹を迎えにいくことにします。

 若者たちはまだゴーゴーを踊っております。画質が極悪で残像が画面を覆い尽くしております。見ていて頭がくらくらしてきます。

 若者達がぱっと襲われるのかと思えばさにあらず、怪物は森をパトカーで巡回していたベンを襲ったのでした。ウォー、ウォー、荒れ狂う怪物、「わああ」車の窓を破られて叫ぶベン。ウォー、ウォー、怪物はベンを引きずり出してどてぽきぐしゃ。ベン、あっという間に死んでしまいましたとさ。ちなみに夜の場面で画質が死ぬほど悪いですから怪物がどんな姿をしているか判然としません(笑)。

 若者達はまだゴーゴーを踊っております。

 やっとゴーゴーが終わった時、やってきたのがクリスとジェーン。二人はみんなにここは危ないから他所へ行くようにと説得するのですが、ここで悶着起こすのがレックスであります。「俺たちがどこで何やろうと自由じゃーん、だいたいなんでお前らに指図されなきゃならないのじゃーん。俺がのしてやるじゃーん」クリスに殴りかかるのです。しかし、レックス、逆にクリスに殴り倒されてしまいます。涙目になりながらも「ふ、ふん、今日はこのくらいにしてやろうじゃーん」これでみんな呆れてレックスとダーレーンを残して町に帰っちゃいました。ダーリーンはレックスを車に乗せて傷の手当。「この傷、キスしたら治るかしら」とかなんとか言ってやがります(笑)。とんだバカヤロー共です。そんなバカヤロー共の末路は決まってます。怪物に襲われるのです。

 ウォー、ウォー、出現した怪物に仰天して逃げ出す二人。画面が暗くって何をやっているのかさっぱり分かりませんがとにかくレックスがやられたよう。ダーリーンは彼に構わずどんどん走って逃げます。これで偶然、ジューンの車に行き当たるという・・・。最早こういうご都合主義が気になるとかならないとかのレベルではありませんな。ジューンも怪物を見てきゃーきゃーきゃー。二人で逃げます。またさんざん追っかけられてもう駄目かと思われたのですが、今度はクリフォード保安官が現れたという・・・。彼は女二人を車で逃し自分は単身怪物に立ち向かいます。拳銃を乱射するのですが、これがまったく効かず、困った保安官、また走って逃げるのでした。途中追いつかれて投げ飛ばされますが、またすっくと起き上がって逃げるのです。えんえん逃げて逃げて逃げまくる保安官。

 一方湖から町へ戻る途中のクリスとジェーン。ベンのパトカーを見つけます。なんだ、なんだと降りて見つけたのがベンの死体。「うわひゃああ」仰天する二人。と茂みの中から足音が聞こえてきたではありませんか。すわ、怪物かと身構える二人ですが、出てきたのは保安官というお約束。

 ようやくみんな町へ戻ることができました。

 保安官事務所で対策を練るクリフォード、電話で応援を要請し、この地区一帯を封鎖しようとしております。ここに顔を出したのがアラン。「何事だ」と驚く保安官にアランは「言っておかねばならないことがある」人払いを頼みます。保安官はクリス・ジェーン、ジューンを外に出して「それでどういうことなのだ」と尋ねますと「いや、あのロケット、実は秘密の実験だったんだよ」なんですと。「プロジェクト「ノアの箱舟」と言ってつまり宇宙線が生物にどんな影響を与えるを調べるために40数種の動物をロケットに積み込んで発射したのだ。三ヶ月前、我々はそのロケットとのコンタクトを失いそれ以来行方不明になっていたんだよ。それが急に現れ昨日この近辺に着陸したんだ」アランは顔を歪めて「動物たちは突然変異していた。その姿はまったく恐ろしいものだった。中にはもっと大きな動物に食われたと思われる死骸もあった」「それを食った奴がさっき僕を襲ったのだ」クリフォードは呟きます。「これは早急に何とかしないと被害がどんどん大きくなってしまう」

 クリフォードはクリスを呼ぶと「君のパパは建設会社を経営していたね」メモを渡して「これを後で持ってきてくれたまえ」彼らは部下達と政府のエージェント合わせて10人ばかりで出発します。なんと、彼らはジューンを囮にして怪物をおびき出す作戦のようですって、ヒデー(大笑い)。ジューンを一人座らせて待つ保安官達。あと残り残り6分しかないのに延々待ちます。ジェーンとクリスは危ないので車で待機。待ちます、あと5分になりましたけど、まだ待ちます。

 待ちに待った甲斐がありまして、ついに姿を現す怪物。ただしジェーンとクリスを襲ったのですが(笑)。わああと叫んで逃げるジェーンとクリス。ほんと夜の森の中を逃げてばっかりの映画ですよ。二人は保安官達のところへ。みんなライフルを構えます。そして追ってきた怪物、ジューンを見つけてウォー。しかしここで起爆装置のスイッチを叩き込むクリフォード、ダイナマイトが爆発、怪物はばらばらになったのです。クリフォードがクリスに頼んだのはダイナマイトだったのでしたってみんなもう分かってますよね。

 保安官とジューンがキスしてはい、おしまい。

 うーん、やっぱりもうちょっと怪物の姿をはっきり見せて欲しかったなあ。チンケな怪物であることは分かっているけれども(笑)ここまで見えないと欲求不満を感じてしまうのです。

 カラー・スタンダード モノラル音声。画質は最悪、残像が酷く特に若者達がゴーゴーを踊っている場面では絵がぐにゃぐにゃになり見ていると頭が痛くなってくるくらい。音質もノイズが酷く台詞が聞き取りづらいです。12枚のディスクに50本の映画を収めたNightmare Worlds 50 Movie Pack CollectionMill Creek EntertainmentのDVD。

           エロの冒険者 
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『バイオモンスター』(『Bakterion』  『Panic』1976)

 

『バイオモンスター』(『Bakterion』  Panic1976

生物兵器のバクテリアにやられて怪物と化した科学者が人々を襲う。おまけに汚染拡大を恐れた国は暴れ回る科学者を町ごと爆弾で焼き払おうとします。このあらすじだけ見ると本当に面白そうなのですが、まあ、実際は大したことありませんでしたな(笑)。

英国ケントの町ニュートンで政府から依頼されて生物兵器を開発していた製薬会社ケミカル。この実験室で開発中のバクテリアが外部へ流出という事故が起こります。まあ、事故と言ったって二匹のマウスが喧嘩しているだけなんですけどね(笑)。おまけに駆けつけてくる緊急処理部隊の皆さんが何故か消火器を持っていたりなんかして冒頭からトホホ感たっぷり。これは期待できます。

 この事故で行方不明になったのがアダムス教授とモルモット。ケミカル社社長のミルトン(フランコ・レセル)はアダムス教授の同僚である女性科学者ジェーン(ジャネット・アグレン)に博士を探すよう命令します。この頃恋人同士であるベティとルーカスが倉庫らしき場所に止めた車の中でヤッていました(笑)。そこにひたひたと近づいてきた謎の人物、いきなり車の窓ガラスを破り怪力をもってルーカスを引きずり出します。どて、ぽき、ぐしゃ、殺された!ベティは「ヒーッ!」と悲鳴を上げながら半裸で逃げ出したのですが、怪人物に捕まってやっぱり殺されてしまいます。

 さて、ジェーンと共にアダムス教授を捜索することになった大尉カーク(デヴィッド・ワーベック)が登場。彼はケミカル社の実験室でジェーンたちからバクテリアについて説明を受けるのです。「いやあ、アダムス教授は釣りにでも行ったんじゃないですかね。それよりも問題なのは逃げたモルモットですよ。実験中のバクテリアは彼らを巨大化させるんですから。犬くらいの大きさ、いや、ひょっとしたらライオンほどにもなっているかも知れない」釣りに行ってるとか、ライオンくらいに大きくなるだとか、一体何がしたいんだ、この映画は。

 ベティの死体が発見されました。捜査主任のオブライエン警視(ホセ・リファンテ)が現場に到着しますと検死をしていたドクターが「いや、もうこんなの見たことがないわ、警視、ぐちゃぐちゃですよ」だって(笑)。警視が死体を見てみますとなるほどぐちゃぐちゃ。警視、顔をしかめて「一体どんな武器を使ったらこんな風になるんだ」

 ジェーンとカークは車でアダムス教授の別荘へ。本当に釣りに行ったのかどうか確かめようというのです。しかし彼の姿はありません。それどころか天井からボディガードであるマイルスの死体がぶらーん。勿論、こっちもぐちゃぐちゃです。カークはこれをミルトンに報告し、住民に警告しましょうと提言するのですがミルトンは「いや、秘密は守らなければならないのだ」と応じません。この後、家でシャワーを浴びていた女が怪人物に殺されます。また検死したドクターは「あー、これは前の女性と同じですな、血が吸い取られている。それに放射能が検出されたから、やったのはミュータントに間違いありませんな」放射能=ミュータントという発想が嬉しいではないですか(笑)。

 ここで新たな登場人物、軍関係のお偉いさんと思しき人で名前をチャールズと申します。彼は呼びつけた軍の大佐に「うん、バクテリアが拡散したらやばいから三分前にニュートンに対してQ計画を発動するよう指示した」大佐は仰天します。「Q計画ってあれですか、町を丸ごと破壊するって奴じゃないですか、みんな死んじゃうんですよ、止めてください」しかしチャールズは冷たく「命令はすでに下されたのだ、さっさと取り掛かってくれ」と言うばかりです。

 この後ニュートンの町に軍隊がやってきて町を封鎖してしまいます。電話交換所を占拠して外部との連絡をシャットアウト、電源を切ってテレビ放送の受信も不可能なようにしてしまいました。

 カークも別の大佐(笑)に「こりゃ、Q計画の出番ですよ」なんて進言しております。なんだか良く分からない状況です。

 そのカーク、廃工場で部下と共にアダムス教授を探しております。なんでそんなところを探すのか一切説明はありません。不親切です。この時マンホールの蓋がぐらっと動いた!銃を構えたカーク、部下に蓋を開けさせたのですが、中にいたのが巨大モルモットだったという・・・(大爆笑)。しかもこのモルモット、出番はここだけ。な、なんじゃこりゃ。

 えー、アダムス教授、下水を移動して今度は映画館に忍び込みます。この映画館にやたらいちゃついているカップルがいて女の方が「ねえーん、映画館の向かいの店でアイスクリーム買ってきてぇ」「やだよ、映画みたいよ」「買ってきてくれたら、今夜お礼に特別なプレイさせたげるわよ」とか会話していて非常にうっとおしい(笑)。アダムス教授は劇場の大音響で暴れ始めスクリーンを破って客席に飛び込みます。たちまち起こる大パニック。暗闇の中で逃げ惑う観客、えー、ここのところ本当に真っ暗闇なので何がどうなっているのかさっぱり分かりません。いや、酷いね、これは。

 アダムス教授はアイスクリーム女を攫ってチューチュー血を吸ってしまったのです。通報により駆けつけてきた警官隊。先頭にたっていたカークとオブライエンは観客から「電話は使えない、テレビは見られない、仕方ないから映画でも見て暇を潰そうと思ったら怪物がでてくる、一体何が起こっているのだ」という罵声を浴びせられるのでした。勿論、何も説明することはできません。

 この頃ロンドン某所で会議中のチャールズ、首相?に電話しております。「はい、Q計画は明日午前5時に実施されます。1,000人の犠牲で何十万もの人間が救えるのです」

 暴徒と化したニュートンの住民、警察署に投石したりなんかします。オブライエン、苦渋の表情で「なんてことだ、みんな狂ってしまった」ってそりゃ、町を封鎖して何も情報与えないあんたらのせいだよ(笑)。一方ミルトンはどこかへ電話中。「とにかく私の家族をニュートンから避難させてくれ。それが駄目だというなら報道機関に真実をばらしちゃうぞ」この脅しはまったく効かず町をでることができない家族。しぶしぶと家に戻ります。

 アダムスは次にブラウン神父(ユジーノ・ベニート)の教会を襲います。神父は蝋燭を彼の顔に押し付けたりして戦い、子供たちを逃すのですが彼自身は結局やられてしまいました。可哀想に彼の死体はほったらかし。警察も来やしません(笑)。いかに町が混乱の極みにあるとはいえ、これはひどいでしょう。

 暴徒と化した住民は車に乗り込んで封鎖線へ殺到。カークとオブライエンは止めようとするのですが逆にライフルで脅されしまう始末。一台の車が封鎖を突破しようとしてスピードをあげて突っ込もうとします。これを見た軍隊の指揮官「よっしゃ、撃て、当てても構わん」火を吹く機関銃!車はフロントガラスを撃ち抜かれて道路を外れ炎上します。カークによって背中に火がついたかちかち山状態の運転手は助けられるのですが、その直後車は大爆発。こらかなわんと住民達は慌てて車に乗り込み町へ戻るのです。

 カーク、この現場からの帰る車内でオブライエンにQ計画のことを説明します。「信じられん、そんなひどいことを」と呻くオブライエンですが、カーク、あんた、「これはQ計画の出番ですよ」とか言ってなかったか(大笑い)。

 アダムスは下水を使ってミルトンの自宅へ侵入します。ミルトン、ライフルをずどんずどんと発射するのですが彼を止めることはできません。結局彼は家族の目の前で無残に殺されてしまうのでしたってこれ、趣味悪いよ。一方、ケミカル社ではジェーンが解毒薬の抽出に成功します。「よし、あとはアダムスを捕まえればいいんだ」と張り切って車で出かけたカークとオブライエン、ウォー、ウォーとという唸り声を聞いて「アダムスか」と緊張するのですが、これがなんとただの酔っ払いだったという・・・。

 この後ミルトン殺害の連絡を受けて急行する二人。アダムスが地下室から下水に逃げたことが判明したので、無謀にもあとをおうカーク。下水に点々と落ちている血の後をたどるとなぜか劇場に出た。そこで死体を発見するカークですが、しかし、この死体は一体誰のものなんでしょうかねえ(笑)。アダムスがいきなり現れてカークを襲います。上手いタイミングでオブライエン率いる警官隊も到着してピストルを乱射。たまらず下水に逃げ込むアダムスです。

 カークとオブライエン、下水道を封鎖、彼を追い詰めてガスを使ってやっつけようと考えます。ガスの調達はケミカル社から。ジェーン、解毒薬を使えばアダムスを治療できるというのですが、カークはきっぱり首を振って「もう手遅れだ、彼を殺すしかない」

 ついにQ計画が実行に移され離陸する空軍機。これには核ミサイルが積み込まれています。パイロットはこの飛行機をニュートンの近くまで飛ばして脱出、後はオートパイロットで飛行機を墜落させニュートンの町を吹き飛ばすという手はずになっております。「これで問題は解決だ。飛行機の墜落も事故だと言ってしまえば誰も疑わないだろう」ワッハッハと笑うサー・チャールズ。まったく持って悪いやっちゃのう。

 カークとオブライエン、それぞれ部下を伴って下水に入ります。ガスを放出するガス銃でアダムスをやっつけようというのですが、それにしてはガスマスクのひとつも持っていないのは不味いのではないか(笑)。彼らはアダムスを追いかけます。アダムス、追い詰められてついにあの廃工場へ。そうそう、巨大モルモットがいたところですよ!そこのマンホールを上げて外へ出るのです。あの、すいません、マンホール上げてって下水道の出口封鎖したんじゃなかったですか。

 そしてこの廃工場にやってきたのがジェーン。何でこの廃工場にアダムスが来ることを知っていたのかは永遠の謎であります(笑)。彼女は「ジェーンです、教授、解毒薬をもってきました」その声に答えるように現れたアダムス。ぐちゃぐちゃの顔がやっと全部見えた。アダムスはしゃがれ声で「ジェーン、頼む、殺してくれ・・・」と懇願するのです。おお、意外と良い場面じゃないかと思った瞬間、カークとオブライエンがマンホールから出てきて「いつまでもお前の好き勝手にはさせん、正義は必ず勝つ!」と叫んでガス銃放射。アダムス、白煙を上げて倒れ死んでしまいましたとさ。

 カークは急いで軍へ危機が去ったことを連絡します。実にパイロット脱出二分前の時点で命令が変更され、ニュートンの町は救われたのでした。おしまい。

 イタリア・スペイン製作映画の英語吹き替え版。ですから舞台がイギリスなのに英語にまったく訛りがありません(笑)。

 カラー・スタンダード モノラル音声。画質は今ひとつ。暗い場面で何が起こっているのかまったく分かりません。音質は標準レベル。12枚のディスクに50本の映画を収めたNightmare Worlds 50 Movie Pack CollectionMill Creek EntertainmentのDVD。

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2008年1月28日 (月)

『How Awful About Allan』(1970年)

 

How Awful About Allan』(1970年)

アンソニー・パーキンス主演のサスペンス映画。精神的な要因で目が良く見えないという設定とアンソニー・パーキンスの神経症的な演技が見もの。こんなボックスセットに収録されているのがもったいないほどの傑作?であります。

冒頭いきなり火事になる深夜の屋敷。びっくりして飛び起きた主人公アラン(アンソニー・パーキンス)は父親を助けようとしたのですが、すでに遅し。父親は炎に包まれて「アラン、助けて、助けて」と叫びながら悶死。なんとか彼と妹キャサリン(ジュリー・ハリス)は脱出することができたのですが、妹はまだ若い身空なのに顔面に酷い火傷を追ってしまったという・・・。火事の原因が自分であると思い込んだアラン、自責の念のあまり目が見えなくたってしまいました。精神状態もおかしくなって、はい、精神病院へ入院です。

 8ヶ月後、まだぼんやりとしか見えないのですがとにかく退院することになったアラン。医者から「じゃ、元気で、幸運を祈るよ」と言われて送り出された側から患者のおばさんが「あんた、すぐ戻ってくるよ、私には分かるんだ」と叫ぶのが大変にヨロシイ(笑)。

 キャサリンが彼を迎えてくれます。キャサリンの顔には火傷のあとを隠すためか人工の皮膚が貼り付けてあるのがコワい。そして車で懐かしい我が家にご帰還。しかしアランは庭に「貸し部屋あり」という看板が立ててあるのに気がついてムッとします。キャサリンに聞くと「あたしの給料だけじゃどうにもならないの、大学なんて安月給なんだから、間借り人でも置かないとやっていけないの」なんですと(笑)。また部屋の中を歩き回るうちに見慣れない男の写真があるのに気がついたアラン、「これは誰なんだ」キャサリンは非情に寂しそうな顔になって「それはエリックよ、火事の後でおれはアッチで一財産作るんだってオーストラリアに行ってしまったの。もう向こうで誰かと結婚していると思うわ」要するに恋人が火傷のおかげで逃げちゃったと、こういうことですな。

 この後、アランは家に篭り医者に勧められたテープレコーダー療法、考えたことをとにかく録音する、に明け暮れるのでした。

 さて、そうこうするうちに間借り人候補が部屋の下見にやってきます。名前をデニス(ビリー・ボールズ)と言いまして、喉に障害があるためしゃがれ声で囁くようにしか話せません。アランは精神の病のために目がぼんやりとしかみえませんから観客にはこのデニスの人格がはっきり提示されないという上手い仕掛けになっております。

 デニス、すぐに部屋が気に入り借りることになります。キャサリンは「わあ、もう一ヶ月分先払いして貰っちゃったわ」とほくほく顔。しかしその夜掛かってきた電話に出たキャサリン、「ええ、ええ、はい?そ、そうですの」となんだか慌てた様子。アランが尋ねると「デニス、明日から引っ越してくるんですって、最初は今週の土曜日だったのに」何故かこの言葉が気に掛かるアランであります。

 早速引っ越してきたデニス、朝は早くから大学の講義、それが終わってからコーヒースタンドでアルバイトしているので帰ってくるのは夜も遅い時間。アランとはすれ違いでまったく顔を合わせることがありません。段々彼のことが気になってきたアラン、帰宅した彼が階段を上がってくるところを伺おうとするのですが、どうしたことでしょう、ぼんやりと霞んでいる視界の中から「アラン、アラン」と呼び声が聞こえてくるではありませんか。はっとするアランでしたが、電気をつけてみたら誰もいなかったという・・・。あれは怪しい同居人だと思い込むアランです。

 さて、アランのことを非常に気にかけている人がいます。隣人のオリーブ(ジョアン・ハチェット)です。彼女はなにくれとなくやってきてアランを励ましたり、外に出なくちゃだめよ、引篭もりになっちゃうのよと言ったりしてくれます。いささかおせっかいではありますが(笑)次第にアランの気持ちがほぐれてついに彼女の運転する車で町に出かけることになりました。しかしここで変事が発生。本を返すために大学へ寄ったオリーブですが、彼女の帰りを車内で待っていたアランの耳にまた「アラン、アラン」というデニス?の声が聞こえてきたのです。「わあ、ひいいい」恐怖に駆られたアラン、車で逃げようとします。しかし目がぼんやりとしか見えない人ですから当然、ムチャクチャな運転になってさんざん周囲の車を脅かした挙句街灯に突っ込んだのでした。

 デニスの声が聞こえる前、アランは「お前、何をクレイジーなことを言っているんだよ」という学生同士の会話にびくっと反応します。クレイジーという言葉がいけなかったようです(笑)。

 幸い額を打っただけでアランの怪我は大したことがなかったのですが、この事故とまた後日謝罪に訪れたオリーブから「エリックがオーストラリアから戻ってきている」と教えられたことがきっかけになって恐ろしい考えに取り付かれるアラン。彼はテープレコーダー片手に「ハロルド・デニスという人物は存在しない。あれはエリックだ。キャサリンが電話で慌てていたがその翌日にデニスが引っ越してきた。それが証拠だ。彼はこの家を乗っ取ろうと企んでいるのだ」

んな訳ねーだろと思いますが(笑)元来、こういう人なので仕方ありません。

 夕食の席でキャサリンにいろいろ聞くアラン。ハロルドの専攻はなんだとか、あんな事故を起こすようなチガイと一緒に住みたくないんじゃないのとか、エリックが戻ってきてるの知ってる?とか彼から連絡はないのとか、しつこいしつこい。キャサリン、すっかり当惑の態であります。

 しかしその後も続く変事。夜、また自分の名を呼ぶ声を聞いたアラン、部屋から出て階段下を覗きます。するとぼんやりとした彼の視界の中でなにやら蠢く黒い影。影はすーっと階段を上がってきたかと思うと手を伸ばして彼のパジャマの裾を掴んだのです。危うく落とされそうになったアラン、慌てて振り払うと部屋の中に逃げ込んだのでした。そしてテープレコーダーに「奴は僕を殺そうとした、それも事故に見せかけてだ」この辺の不可解さ、実に面白いですなあ。

 これで怯えきったアラン、翌日配達の人に驚いて思わず持っていた包丁を握り締めちゃった。これで手に怪我をしてオリーブに手当てして貰うのですがこの時ついに下宿人のハロルドが自分を殺そうとしているという疑惑を話してしまうのです。彼はオリーブにキャサリンの部屋からハロルドの合鍵を取って来て貰いますって、そんなことしちゃいかんじゃないか(笑)。これでハロルドの部屋に入ってみますと、まあフツーの部屋。中にあった本をめくってみるとハロルドというサインが見つかりました。

 キャサリンは大学での車の事故に続いて包丁で手を切ったアランを大層心配して病院で診察を受けるよう勧めます。「お前はやっぱり僕を病院に戻したいのだな」と叫ぶアラン。その夜は大嵐だったのですが、やけのやんぱちで外へ出るアラン。目玉のような赤い光を見たと思った瞬間、倒れて気を失ってしまうのでした。

 次の場面になるともう家の中でベッドに寝ていますから映画というのは話が早い(笑)。彼は子供時代の悪夢を見ております。お父さんから棒で手のひらぴしぴし打たれるアラン。その姿を見て哄笑するキャサリン、ぱっと場面が変わると今度はお父さんとキャサリンが彼を指差して大笑い。アラン、うなされております。

 ようやく意識を回復したアラン。しかし彼の精神状態は非常に不安定で夢と現実の区別がうまくつけられない様子。彼の名を呼ぶ声がまた聞こえてきて焼け焦げた父の部屋に誘い込まれるアラン。その彼の目の前で部屋が崩れだしたのです。夢かと思いきやドアの外に転がっていたのが焼けた木の破片。するとあれは現実のことだったのか、しかしそんなことが起こる筈もない。やっぱり俺はチガイなのだ。彼はタクシーを呼び自分で病院へ行こうとしたのですが目が良く見えない悲しさ、戸口ですってんころりんと転んでしまいます。それを見たオリーブ、慌てて出てきて彼を助け起こすのですが、その時一人の男が近づいてきて声をかけた。「おー、アランかい?大丈夫、俺、エリック、もっと早く来ようかと思ったんだけど仕事見つけるのが大変でさ」彼の声が非常なしゃがれ声だったもので、もうアランはパニック状態であります。

はて、エリックはアランのことを知っていたのかしら。

 彼は家へ戻りオリーブに今までのことを切々と訴えます。しかしオリーブは信じません。それどころか「アラン、今まで黙っていたけど、もう本当のことを話すわ。下宿人なんていないの、確かに部屋を見に来た人はいた。でもキャサリンは断ったのよ」アラン、愕然とします。そしてオリーブに「出て行け、出て行くんだ」枕や本を投げつけて彼女を追っ払ったのでした。全ては彼の妄想だったのか、訳が分からなくなって自室に鍵を掛けて閉じこもるアラン。キャサリンとオリーブは相談して明日朝一番に電話して病院へ連れていきましょうだって。

 この話を盗み聞きしていたアラン、ならば先手を打って逃げてやると翌朝早朝、服を着替えて出て行こうとしたのですが、またも彼の名を呼ぶ声が。彼は家の中を探し始めます。そして食糧貯蔵庫にぼろきれが隠してあるのを見つけた。なんだ、これ?良く見るために中へアランが入った瞬間、背後からフードを被った怪人物、まあ、その体つきから誰なのかはモロバレですけど(笑)が火のついた蝋燭を投げ込んだ。蝋燭はぼろきれに引火。同時に怪人物は貯蔵庫のドアを閉めアランを閉じ込めてしまったのです。

 アラン、慌てて火を踏みけしってやけに簡単に消えてしまいますが(笑)、貯蔵庫の扉をブチ破って飛び出し怪人物を追いかけます。飛びついて組み伏せフードを剥すアラン。現れた顔はキャサリンでした。この時急にアランの視界が澄み渡ります。どうやら精神的盲目が唐突に治ったようです。勢いづいて彼女の顔面を覆っているカバーを剥すアラン。ああ、なんということでしょう、まったく火傷などないではありませんか。困惑するアランにキャサリンが叫びます。「そう火傷なんてもう治ったんだ。あんたを苦しめるためにカバーをつけていたんだ。あんたはこの世で最も素晴らしい人を殺した、だから復讐なんだ」

 精神病院へ収容されるキャサリンです。ラスト、彼女からの手紙で真相を知るアラン。ハロルドは一度家を見に来て借りることを決めた。しかしその夜電話で彼は「母親が死んだので間借りは止めておきます」これをキャサリンは利用したのです。こうして架空の下宿人を作り上げアランを苦しめ最終的には殺害しようという計画だったというのです。

 今やオリーブと恋人同士になり大学での教職も得て幸せを満喫しているアラン。しかしその時急にまた視界が暗くなって・・・エンドマーク。

 カラー・スタンダード モノラル音声。画質は今ひとつ。色の濁りと残像が酷くアランの視界がぼんやりしているという設定が今ひとつ上手く生きていません。ぼんやりした視界がアランのせいなのか、単に画質が悪いだけなのかとっさに判断できないからであります(笑)。その分音質はクリアー。台詞が本当に聞きやすい。12枚のディスクに50本の映画を収めたNightmare Worlds 50 Movie Pack CollectionMill Creek EntertainmentのDVD。

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『Piranha, Piranha!』(1972年)

 

Piranha, Piranha!』(1972年)

ピラニア、ピラニアというのだからアマゾンの猛魚ピラニアの群れが人間を10人ばかり襲って骨だらけにするというのを想像するじゃありませんか。うわー、そんな映画とても子供に見せられないよう。いえいえ、どうかご安心を。タイトルに反してピラニアが登場するのは1回だけで、人間の骨も何もでてきませんから。その代わり物凄くつまらないですけど(笑)。

冒頭タイトルと共にばーんとピラニアのクローズアップ。それからアマゾンのジャングルで蠢く様々な生き物たちが登場します。豹、猿、そしてアマゾンのジャングルには欠かせない大蛇。そうこうするうちに木から飛び降りた猿、罠に引っかかって罠に閉じ込められちゃった。猿、ウキーウキーと猛り狂いますがもちろん、効果なし。その罠を持ち上げて猿を確認してにやりとする男。この男、この地域で有名なハンターのカリビー(ウィリアム・スミス)と申します。

 ハンターなのだから銃を使えよというツッコミは承っておきましょう。

 この後、空港に到着するジェット旅客機。降りてきたのはアート・グリーン(トム・シムコックス)、テリー(アナ・カプリ)の兄妹であります。カメラウーマンであるテリーのアマゾン撮影旅行にアートがくっついてきたという感じでしょうか。その二人のガイド役がジム・ペンドレイク(ピーター・ブラウン)。苦みばしったなかなか良い男であります。ジムは二人を出迎えて自己紹介。さあ、ホテルへ行きましょうということになるのですが、早くもここで変事発生。警官に追いかけられていた男がスッ転んだのですが、その手から離れたトランクがぱかっ!中からたくさんのダイヤモンドが転がりでてきたのです。周りの人々が一斉にこのダイヤに飛びつく浅ましさよ(笑)。呆然としたアート、ジムに「あ、あれ本物なの」「もちろんっス、ダイヤの採掘場所がありますから」これが後の騒動の元になるのでしょうな。

 ジムは撮影旅行の準備ということで二人を銃砲店へ連れていきいろいろなアウトドア用品を買い込みます。この時護身用のピストルを仕入れようとしたらいきなりテリーが目を吊り上げて「ピストルは駄目!そんなもの持っていかせないわ!」何か訳ありの用です。しかしさすがにジャングルに武器ナシで行くのは恐ろしい。ジム、テリーの目を盗んでこっそりピストルを荷物に紛れ込ませるのでした。この間アートは何をしていたのかと言うとナンパ(笑)。銃砲店にあった双眼鏡を使って南米美人を発見したアート、だっと飛び出ししつこくまとわりつくのです。最初は相手にされなかったのですが、アート、彼女の後を追いながらお菓子屋の店先にあった大きなハート型キャンディをぱっと掴んで彼女にプレゼント。「あらまあ、嬉しい、さすがアメリカの殿方ね」ということでめでたくベッドインとなったのであります。

 えー、こんなことは言いたくありませんが、この人、キャンディのお金払ってませんよ、万引きですよ(笑)。

 翌日、すっきりとしたアート、南米美女のバイクでドライブに出かけます。ジムとテリーは旅行の準備万端整えて二台のバイクと共に彼の帰りを待つのですがこれがなかなか戻ってこない(笑)。やっと帰ってきたと思ったら南米美女の運転するバイクの後でにやにやしている。これを見てテリー、酷く呆れた顔をしております。アートが南米美女に別れを告げ、ようやく出発。三人は二台のバイクに、テリー・ジム、アートの組み合わせでまたがりハイウェイをアメリカン・ニューシネマ風に疾走するのです。

南米美女、この後二度と登場しません。本当に別れちゃうのです。

 疾走するのはいいけれど、これがまたやたらに長いんだ。ようやっと都会を出てアマゾン風の景色になっているところでバイクを降りたから、ここからボートか何かで探検開始すると思ったのですが、単なる休憩だったという・・・。動物がいっぱいいるのにコーフンしたテリー、さっそくカメラを取り出して撮影を始めます。そんな彼女を襲ったのが南米ガラガラヘビ。テリーは「ひーっ」と叫んでひっくり返り助けを求めるのですが、ガラガラヘビ、ただガラガラ言わせているだけで彼女を襲おうとはしません。テリー、もう走って逃げろよ(笑)。彼女の悲鳴を聞いて駆けつけたジムはピストルを取り出してズドン、ズドン。南米ガラガラヘビを射殺してしまいます。これでテリー、「あなたは私の命の恩人よ」と飛びついてくるかと思ったジムですが(笑)あにはからんやテリー、また目を吊り上げて「きいい、何でピストル持ってんのよ、あたし、そんなものいらないって言ったでしょ!」憮然とするジムです。

 この時、アート、ジムに「いやあ、妹が銃を嫌うのには訳があってね、聞きたいかい?」と言うのですが、テリーの態度に怒っていたジム、首をふって「いいっスよ、聞きたくないっスよ」とにべもなく断るのがオカシイ。

 さて、再びバイクで出発です。また夜まで延々と走ってようやくついたのがモーテル、「エル・ミラグロ」ここでシャワーを浴びたり酒を飲んだりして英気を養い明日からの撮影旅行に備えようという寸法です。しかし、ここであの冒頭で猿捕まえていた男が再登場。ジムは彼をみて「あ、君はこの辺で有名なハンターのカリビーじゃないか」アートとテリーはこのカリビーに興味津々。「ダイヤの鉱山ってどこにあるの、俺、ダイヤみたいなあ」これはアート。「ハンターって、動物を殺しちゃうんでしょ、良心は痛まないの」これはテリー。カリビー、両方ともに取り合わず、ビールを飲みながらにやにやするばかり。

 ジム、このカリビーに唐突にバイクレースを申し込みます。「カリビー、君、バイクに興味あるの」「子供の頃に乗ってたさ」「じゃ、明日レースやらない」というこういう流れ。なんでいきなりこんな勝負しかけるかなあ、この映画は(笑)。

 翌日、本当にバイクレースを始めるのですから呆れてしまいます。ヨーイ、ドンでモーテルからスタートしたジムとカリビー、両者のテクニック互いに譲らず抜きつ抜かれつの手に汗握るレース展開です。でもこのレースも長い。サバンナ、牧場、沼地をまたえんえんと走りやがる。最終的にわずかの差でカリビーが勝利したのですが、ええ?9分使っているんですよ、この意味のないレースに(大笑い)。

 レースに勝利したカリビー、「ワハハハハ」とやたら上機嫌になって、ジムたちにダイヤモンド採掘現場を案内しようと言い出したのです。

 カリビー、自分のジープに皆を乗せてダイヤ採掘現場へ。ここからまたも意味のないだらだらとした場面が続きます。川砂をザルで攫ってダイヤを探す人々を延々映し続けるのです。この間、カリビーが小さなダイヤを買ってテリーにプレゼントするのですが主な動きはこれだけ。後はずーっとダイヤの発掘作業を見せるのであります。

 だらだらとダイヤ採掘現場を見学した後は近くのジャングルで動物を撮影するテリー。本当にだらだらした展開で退屈極まりない。ここで極太のアナコンダがずろずろ這い出てきてこのアマ呑んでしまえばいいのにと本気で思うほどです(笑)。この時、怪我した足を川で洗おうとするテリー、これを見てカリビーは真っ青、「何をしているんだ」と駆けつけ彼女を抱きかかえて川から引き離すのです。テリー、顔を真っ赤にして「何するのよ、この野蛮人」と喚き散らすのですが、事情を知ったジムが「この川にはピラニアや電気鰻がいる。うかつに足を踏み入れたらキケンなんだ」と説明したので面目丸つぶれ(笑)。しかし、なんですなあ、映画のタイトルになっているピラニアなのですが、50分も過ぎたあたりでようやく出てくるのですなあ。名前だけですけど(笑)。

 この後さらに近くのインディオ村で撮影続行。遅くなってしまってモーテルに帰れなくなったので一行はやむなくカリビーの自宅に泊まらせてもらうことになります。ボートでカリビーの自宅へ到着すると、テリーが先ほどのピラニア騒動についてカリビーに謝罪。「私が馬鹿だったわ、ごめんなさい、ありがとう」ここまでは良かったのですが、テリー、よしとけばいいのにハンターはいけないという説教をまた始めちゃうのです。「あなたは銃で殺すだけ、私は生命を保存するために写真を撮影するのよ」

 ここで珍しい鳥を見つけたテリー、カリビーへの説教をあっさり忘れて「わあ、あの鳥、珍しい、なんていうの」と夢中で撮影します。ひとしきり撮影したところでカリビー、「もう撮影は終わったかい」「ええ」途端にライフルを構えてカリビーずどん。件の鳥を撃ち落してしまいます。「なんということをするの、あなたという人は」激昂するテリー。カリビーは彼女の抗議にふんと鼻を鳴らしただけ。楽しかるべき撮影旅行が一転して険悪な雰囲気となります。鳥騒動の後、アートはジムにテリーが銃をあれほど嫌う訳を話して聞かせます。まあ、どうせ子供の時に銃の事故でパパ、ママのどちらかが死んだんだろうぐらいに思っていたら、とんでもない、アル中の母親が女にだらしない遊び人であったパパの頭をピストルでぶち抜いたのだそうで。テリーはそれを目撃したというのであります。それ以来テリーは銃恐怖症になり、起きている時は銃を見て怒り、寝たら寝たで両親の悪夢を見るという体になってしまっていたのでした。

 その夜、険悪な雰囲気のまま夕食を食べる4人であります。

 さて、翌朝、ジムとアートはカリビーのボートを借りて「近くを回ってあわよくばダイヤを見つけよう」ということになります。テリーはその間カリビーの自宅近くで撮影することに。カリビーはこれを見て「チャーンス」とにやり。テリーに忍び寄るやいなや、ライフルつけて「ええやろ!させんかい」「ひーっ」テリー、必死で抗うのですが男、それもハンターやっているような屈強な男に敵う訳がありません。あっさりヤラれてしまったのでありました。その後ようやく戻ってきたアートとジム、アートはテーブルに突っ伏しているテリーを一目見て、「そうか、お前、あいつにヤラれたんやな!」と分かるという・・・(笑)。怒り狂ったアート、カリビーを追いかけます。「やい、テメー、カリビー、でてこんかい!」えんえん追いかけます。ジャングルの中を追いかけます。川の近くまで追いかけますって、何時まで追いかけてんねん!「やい、カリビー、いい加減でてこんかい、観客の皆さん飽きてしまうやんけぐっ」いきなり茂みから飛び出してきたカリビー、山刀で彼の腹をぐっさり。死体は川の中へ放り込まれます。その死体に群がるピラニア。ああ、やっと本物が出てきた。でも出番はここだけだったりするのですが(笑)。

 カリビーの魔の手はジムとテリーにも迫ります。必死で逃げる二人はボートを使ってインディアン村にたどり着いたのですが、ここでカリビーに追いつかれてしまいました。あたりはすでにとっぷりと暗くなっています。この暗闇を利用して隠れる二人ですが、カリビーはそうは問屋が許さないじゃなかった降ろさない。「おら、おら、でてこんかい」彼は松明でインディオの草葺の家に次々と火をつけたのです。燃え上がるインディオ村。逃げ惑うインディオたち。なんという地獄絵図でしょうか。

 ジムは隙をみてピストル発射。弾はカリビーの左肩に命中するのですがさすが有名なハンター、まったく効果ありません。彼はジムを引きずりだすと散々にぶちのめしテリーを攫っていってしまったのです。

 翌朝になりました。カリビーはテリーを連れて自宅からどこかへ行こうという様子。ここで昨夜ぼこすこにされたジムがリベンジだとばかりに戦いを挑みます。でもやっぱりぼこすこにされちゃうの。カリビー、倒れたジムのわき腹にどこどこキックを叩きこみます。しかし、この時彼はテリーの存在を完全に忘れていました。はっと気がついた時にはもうすでに遅し。目の前にライフル構えたテリーの姿が。彼女は目から一滴の涙をこぼすなりライフルの引き金を絞ります。ずどん、哀れカリビーは射殺されてしまいました。これでおしまい。

 酷いものですな、こりゃ(笑)。フツーこういうシチュエーションなら偶然凄いダイヤを見つけてこれを独り占めにするために殺すとか、貴重な動物を密猟しているのがアートたちにばれて口封じのために殺すとか、そういう具合になりゃしませんかね。それをだらだらどうでも良い場面を繋いだ挙句、ただのヤリチンの乱暴もの仕業だっていうのですから、見る人怒りますよ、これ。

 カラー・スタンダード、モノラル音声。発色が黄ばんでおり見ていると暗い気分になる不思議な画質。音声はノイズが少なく幾分ヒアリングが楽であります。12枚のディスクに50本の映画を収めたNightmare Worlds 50 Movie Pack CollectionMill Creek EntertainmentのDVD。

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      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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『The Phantom Creeps』(『忍び寄る幽鬼』 1939)

 

The Phantom Creeps』(『忍び寄る幽鬼』 1939

12エピソード265分のSFシリアルを78分に編集した映画版。当然ながら編集されすぎてところどころ意味が分からなくなる場面があります。またとにかくDVDの音質が悪い。始終ザーザーと雑音が入って台詞が聞き取れません。そんな訳で内容が違っていてもそれは私のヒアリング能力のせいではなくひたすらにDVDの低品質によるものなのです。分かりましたか。

 ドクター・ゾルカ(ベラ・ルゴシ)は稀代のマッドサイエンティスト。助手のモンク(ジャック・C・スミス)と共に豪壮な屋敷の実験室で今日も今日とて怪奇な実験に現を抜かしております。「むっふっふ、モンクよ、このコントロール装置を見よ」小型のリモコンを手に取るルゴシ。すると実験室の壁がぱーっと上にスライドしてブサイクなロボットが現れます。ルゴシがスイッチを入れるとぎくしゃくと動き出すブサイクなロボット。「わははは、こいつをコントロールできるのはこの私だけなのだ」

 さて、この時屋敷に車が到着します。夜毎実験に明け暮れている夫を心配したゾルカ夫人アン(ドーラ・クレメント)と元ゾルカの同僚であった科学者フレッド・マロリー(エドウィン・スタンレー)であります。ゾルカはアンを迎えると「おうおう、お前や、心配をかけたね、すまなかったね」そこでやめとけば良いのに自分の研究の結果を見せるルゴシ。彼は小さな円盤状のものを取り出し、リビングの観葉植物の鉢にポンと投げ入れます。そして次に取り出したのが小さな蜘蛛のような物体。これを床におきますとかさかさ足を動かして観葉植物へ一直線。そしてボンと小さな爆発が起こって、ああ、なんということでしょう、観葉植物が見る見るうちに枯れてしまったではありませんか。

 これを人間に仕掛けますといかなる理屈か良く分かりませんが一時的に人間を失神状態にできるのだそうな。この説明を聞いたマロリー、「君、君、君はこれを政府のために使うべきですよ、すぐ報告しましょう」ここで「ウン」と言ってちゃベラ・ルゴシの沽券に関わります。「やなこった。政府がこの発明に対して払う金はどうせ雀の涙なんだから」「しかし、君、君、これがわが国の敵の手に渡ったらどうするのです」ルゴシは凄みのある笑いを浮かべて「敵はたんまり支払ってくれるでしょうなあ」「では私はこのことを報告しなければなりません。それが私の義務です」

 このマロリーの台詞を聞いたルゴシ、何かを決意します。彼はモンクと共に地下の秘密実験室に篭りなにやら画策しているらしい。ええ、どうやらこの間、秘密じゃない方の実験室から機材を持ち出したらしいのですが、例によってばっさりカット。いきなり秘密じゃない方の実験室が空っぽになっております(笑)。ルゴシは重々しく「モンクよ、デヴィジュアライザーを持て」モンクがへへえと頷いてヘンな箱がついたベルトを持ってきます。ルゴシがこれを腰に巻いてスイッチオン!するとあら不思議、ルゴシの体がみるみるうちに透明に!これで脱走しようというのですが、ルゴシったら透明化をといてモンクの運転する車に乗り込むの。まったく透明になった意味がないの(大笑い)。

 さて、ここでいよいよ本作のヒーロー、軍諜報員のキャプテン・ボブ・ウェスト(ロバート・ケント)が登場。彼はマロリー博士の要請を受けて専用プロペラ輸送機で助手のジム(レジス・トーメィ)と共に飛来したのであります。近くに空港らしきものはないのですが、そんなの我らがヒーロー、ウェストには関係ありません。いつの間にか着陸してしまうのです(笑)。飛行機から降り立ったウェストの前に現れたのがタイム誌の美人記者ドリュー(ドロシー・アーノルド)、どこからどうやってウェストの到着を知ったのか分かりませんが、まあ、そんなことはどうでもいいのです。早速突撃取材を敢行するドリューですが、あっさりと「いや、話すことはないから」といなされてしまうのが哀れ。

 ウェストはマロリー、アンと共に屋敷を調べるのですが、実験室はもぬけの殻。前述したように実験器具も持ち去られております。「逃げたな」と確信したウェスト、さっそく電話でルゴシの人相を伝えて緊急手配をかけたのでした。その頃モンクの運転する車で逃走中のルゴシ、ヒッチハイカーを見かけて「モンク、彼を乗せるのだ。きっと後から役に立つ」身代わりにするのだとすぐ分かります(笑)。しかしこれからの展開がヘン。ルゴシたちの車は突然現れた他の車に正面衝突しそうになり運転を誤って両車とも崖下に転落するのです。この事故の時、一瞬助手席のヒッチハイカーが消えてしまうのがオソマツ。編集のミスという奴ですね。その証拠に崖下に転落した車に再びヒッチハイカーの死体が現れるのです。

 ルゴシ、「よし、こいつの死体を身代わりにするのだ」でも、奥さんの目は誤魔化せないでしょと思っていたらさすがはルゴシさん、彼に秘策あり。彼は透明になって屋敷へ戻ると奥さんのバックの中に例のディスクを隠したのです。これで奥さんが失神すれば身元の確認ができなくなるという悪企みであります。しかし、そうは問屋が許さないじゃなかった卸さない、ルゴシの事故の知らせを受けて現場へボブ・ウェストの飛行機で急行することになった奥さん、機内でバックからディスクを発見してしまったのです。「あら、何かしら、ウェストさん」ボブ・ウェスト、これを後から調べようというのでコクピットに置いちゃった。そこに離陸直前に透明ルゴシが放り込んだ蜘蛛がはたはた近寄ってボンッ!パイロットのジムを失神させてしまったのです。

 たちまち急降下する飛行機。ボブは慌てて奥さんにパラシュートをつけようとしたのですが、物入れを開けると出てきたのがドリュー、「何だ、お前は」定石どおり忍び込んでいたのですねえ。ボブは先にこのじゃじゃ馬娘にパラシュートつけて飛行機から放り出します。次に奥さんを、というところで時間切れ。飛行機地上に叩きつけられてぐしゃりと潰れます。当然、ジム、アン、ボブの三人は即死!と思いきやボブは背広に焼け焦げ作っただけでぴんぴんしている。失神したアンとジムを飛行機から運び出すのでした。

 いや、絶対死んでますって、飛行機潰れたんだから(笑)。

 一方車で逃走中のルゴシ、モンクコンビ、降りてきたドリューから飛行機が落ちたことを知って現場へ駆けつけるのです。しかし奥さんは既に死亡。暗い怒りに顔面を歪ませるルゴシ、「くくく、妻を殺されたこの恨み、はらさでおくべきか」って原因はあんたや(大笑い)。まったくもう筋違いの怒りで接骨院へ行け、接骨院へと言いたくなりますな。しかも現場でルゴシ、ボブと遭遇するのですがボブ、まったく彼に気がつかない。ルゴシが逃走前に容貌の特徴であったヒゲをそり落としていること、交通事故で死んだと思われていたことを考えても、これはちょっと諜報部員として間抜けなんじゃないですかねえ。

 ルゴシ死すのニュースは敵国のスパイ組織にもキャッチされます。偽装されたスパイ組織の本部、「国際語学学校」オフィスから指令があちこちに発されたのです。

 さて、ルゴシ、ようやく彼の秘密中の秘密をモンクに明かします。それは彼がアフリカで命がけで採取してきたという「隕石のかけら」 ルゴシは隠し物入れから小さな箱を取り出します。「これは数世紀前にアフリカへ落ちたものだ。この隕石のかけらのスーパーパワーで世界を破壊できるぞ。そしてそのパワーをコントロールできるのは私だけなのだ」あんた、ロボットの時もコントロールが云々って言ってなかったか?

 ルゴシ、モンクに「いいか、絶対勝手にこの箱を持ち出してはいかんぞ」こんな言いつけが守られたためしはありません。案の定、ルゴシの留守中に箱をこっそり取り出したモンク、同時に出てきたメモを読んで見ますと「あそこのスパイはこれに大金を払うと言っていた」なんて書いてある。にやっとしたモンク、スパイに売りつけるために箱を持って逃げ出そうとします。しかしこの時偶然にもというか偶然にもほどがありますが(笑)ボブと失神からさめたジムが屋敷を調べにやってきた。当然鉢合わせとなり捕まってしまうモンクです。

 「よし、こいつを連行して歯を抜いたり目玉をくり抜いて後から塩を詰め込んだり肛門にとげとげのいっぱいついた太い棒をむりやり押し込んだりの苛烈な拷問を加えてルゴシの行方を白状させよう」と車を走らせるのですが、彼の持っていた小箱に目をつけたボブ、「こりゃいったいなんだ」蓋をちょっと開けてみたら、これに反応したのか周囲の送電塔からばちばちと火花が飛び散ります。この大電流にたまらず溶けて倒壊する送電塔。これを避けようとしたボブの車は崖下へ転落って同じやんか。おまけにまたジムが失神しているぞ。モンク、ボブがジムを介抱している隙を狙ってなんとか逃走に成功します。

 こうして苦労の末手に入れた小箱ですが、分析のためにマロリーの研究室へ預けたのがウンのつき。透明になったルゴシにあっさり奪い返されてしまったのです。

まんまと隕石を奪い返されたマロリー博士、ボブ・ウェスト達はついに「これはルゴシが生きているのではないか」と疑い始めたのでした。そのルゴシ、また地下秘密実験室に戻って悪巧み、今度は隕石のガスを利用して失神光線を発明します。まずガスを吸わせて後、光線銃で電撃をびびびと浴びせますと相手が失神してしまうという凄い秘密兵器。そうこうするうちにまたも屋敷を訪れるボブ・ウェスト、ルゴシ、にやりとしてこの失神光線を使って・・・と思いきや例のロボットを出動させるのです。

使えよ、失神光線。せっかく発明したんだから。

 ロボット、ボブ・ウェストに襲い掛かり彼をのしてしまいました。わははと笑うルゴシとモンクですがこの時ジムたちが助けにやってきた。ルゴシ、慌ててロボットを引っ込めて今度こそ失神光線を使おうとするのですが・・・、この隙にモンクが透明ベルト奪って逃げちゃった。ルゴシ、ジムたちをほったらかしにして彼を追いかけます。透明になって「わははは、ルゴシ、今まで散々俺をこき使いやがって、もうそれもおしまいだ」と逃げるモンクに失神光線をびびび。モンクあっさりと倒れ捕まってしまいます。しかし、ルゴシ、「この裏切りものめ」と怒っただけで、そのまま彼を許してしまうのです。こういう場合、裏切り者は秘密兵器の実験台となってそれはそれは惨たらしく殺されるのが当たり前と思うのですがねえ。

 この間、ボブ・ウェストはジムたちの手によってマロリー博士の研究所へ連れて行かれて手当てを受けるのです。

 さて、忘れてはならないのが国際語学学校のオフィスを秘密基地にしている某国のスパイ達。彼らはボスのジャーヴィス(エドワード・ヴァン・スローン)から隕石の探知機を渡されて大喜び。「これでルゴシの居場所を発見できますな!」まあ、何時の間に隕石のことを知ったのだと思いますが(笑)このへんもばっさりカットされているみたいですね。さっそく探知機を使ってルゴシを探すスパイたち。彼らはとあるアパートメントに隠れていた二人を発見。まんまと隕石を奪ってしまうのです。怒り狂ったルゴシ、実験室へ戻って透明ベルトを取ってくるとって、これくらいいつも持ち歩けば良いのですがね、奪還を誓うのでした。

 その頃アメリカ情報部はスパイたちの通信電波をキャッチ。国際語学学校が基地であることを突き止めます。電話で情報を伝えられたボブはさっそくドリューと共に車で急行。スパイたちも車で逃げ出すのですが、その車には透明になったルゴシが密かに乗り込んでいたのです。ここから開始されるカーチェイス。なかなかボブたちの車を振り切れないことに業を煮やしたスパイたち、車から降りて待ち伏せするのですが、あっさり返り討ちにあってボブに捕らえられてしまいましたとさ。

 ボブ、「やい、ジャーヴィス、隕石はどこだ」と激しく追及するのですが、この時透明になったままのルゴシが車を運転して逃げてしまったのです(笑)。

 またまた自宅地下の実験室に戻るルゴシ。しかしボブが陸軍部隊と共に急襲してきます。まあ、陸軍部隊と言ってもたった6人ですが(大笑い)。ルゴシはロボットを出動させて応戦します。ライフルもピストルの弾にも平気なロボット、陸軍部隊危うしかと思われたのですが、重機関銃で「何時までもお前の好き勝手にはさせん、正義は必ず勝つ!」と撃ちますとロボットあっさり大爆発(大爆笑)。な、なんじゃ、こりゃ。ルゴシとモンクはあたふたと逃げ出して空港へ。ここで整備員を殴り倒して複葉機を奪い大空へ飛び立ちます。

 「今こそ我が妻の復讐を果たす時」ルゴシはこう叫んで爆弾を次々と投下。だから奥さんが死んだのはあんたのせいだって。まずツェッペリン飛行船ヒンデンブルク号が大爆発。あの有名なニュースフィルムが流用されます。そして次の目標となったのは海上を航行している輸送船。これも大爆発して、ルゴシは「ワハハハハ、ワハハハハ、毎日こうだとこりゃ泣けてくる」と上機嫌。

 しかし良かったのはここまで。ボブ・ウェストの指揮する戦闘機部隊がルゴシとモンクを包囲します。しかし、ルゴシ、降伏するどころか「よーし、こうなりゃやけだ、モンク、自爆するぞ」だって。モンク、びっくりして、「おれ、そんなのイヤだ、死にたくない」モンクとルゴシ揉みあいとなります。これでコントロールを失った複葉機、そのまま地上へどかーん。

 ラスト、ウェストには勲章、そしてドリューは特ダネ記事を物にして、ハッピーエンドとなるのでした。

 モノクロ・スタンダード、モノラル音声。画質・音質ともにノイズだらけ。前述のようにヒアリングが大変でした。12枚のディスクに50本の映画を収めたNightmare Worlds 50 Movie Pack CollectionMill Creek EntertainmentのDVD。

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『Radio Ranch』 1940年

 

Radio Ranch』 1940

これは1935年のシリアル、『The Phantom Empire』を70分に再編集したものであります。全12エピソード、245分を約三分の一に縮めてありますので、もう忙しいですよ。次から次へと事件が起こって目が回るかと思いますよ。

 冒頭いきなりカウボーイたちに追っかけられている馬車、何だ、何だ、何が起こっているのだと思う間もなく馬車はカウボーイたちに止められてしまいます。「よし、早速アレを出せ」カウボーイのリーダーらしき人物の命令に従って馬車から降ろされるギター、バンジョー、コントラバスなどの楽器。これを受け取ったカウボーイ達が牧場のステージで一曲披露するという、これは実は観光牧場のショーだったのであります。このショーをそのままラジオで中継しておりまして、これを名づけて「ラジオ・ランチ」というのでありました。

 主要なメンバーを紹介しますとメイン・ボーカルでバンドのリーダー、この映画のヒーローであるジーン・アートレィ(本人)、彼の弟分で素人発明家のフランキー・バクスター(フランキー・ダロ)、その妹ベッツィー(ベッツィー・キング・ロス)、他のメンバーはまあ、おいおいということで(笑)。

 ジーンの歌が終わってマイクの前に出てきたのがフランキーとベッツィー。彼らはサンダー・ライダーズクラブという少年団体?を主宰しているのですが、このクラブの名前の由来をひとくさり喋るのであります。「ある日、僕らは馬を走らせていました。するといきなり雷がなったのです。しかし、空は晴れており雲のひとつもありません。雷にしてはへんだなと思った時、謎の騎馬集団が現れたのです。彼らは金属のマスクを被ってヘンなマントをつけていました。雷の音だと思ったのは彼らだったのです。僕たちは命からがら騎馬集団から逃れました。僕たちは彼らをサンダーライダーズと呼ぶことにしたのです。クラブは彼らから名前を貰いました」

 ちなみにこのサンダーライダーズ・クラブ。申し込みをすると制服の設計図というか図面が送られてきまして、これをママに作ってもらう(笑)という仕組みになっております。

 ともあれ、この「ラジオ・ランチ」とサンダーライダーズクラブは大人気。観光客が遠くから押し寄せる人気スポットになっています。

 ここまではまあ、普通の話なのですが(そ、そうか)、あの謎のライダーたちが実はムー帝国の末裔だったというから驚きます(大笑い)。ムー帝国の末裔が地下2,600フィートに大地底都市ムラニアを構えていたのです。ムラニアの秘密の入り口がラジオ・ランチ近くにあったというものすごい偶然。また、ここでムー帝国末裔のムラニアンが保有すると思われるウラニウムを狙っているビートソン教授(J・フランク・グレンドン)という悪党一味が絡んでくるから話はより一層ややこしくなるのでした。

 このビートソン一党、飛行機でランチにやってきます。みんなは「ついにお客が飛行機でやってくるようになった」と大歓迎。彼らはランチに滞在することになったのでした。その夜、素人発明家のフランキーがベッツィに自分が発明した電波探知機を得意げに披露します。「これはラジオなんかの電波が来たら探知して、どこから放送されているのか教えてくれるんだ」これがですね、水を張った盥に太い針のようなものが浮いているという装置。電波を受信するとこの針がぐるりと回って方向を示してくれるのです。「ほら、針が17度を指した。これはサンフランシスコからの放送だ」大得意のフランキー。しかし次の瞬間、彼は驚きに目を見張ります。針先が水中に沈んで直立してしまったからです。「ええっ、ひょっとしてこれ地下から電波が来ているってこと?」

 フランキー、早速ジーンに御注進。ジーンはさらにビートソン教授に意見を聞くのですが、「そりゃ空電でしょ、磁気のせいですよ」と相手にされません。ここでジーンはやたらに下手糞な人形を取り出して教授に見せるのです。教授、「ややや、これはムラニアンの作った人形に違いない。どこで見つけたのかね、何、サンダー峡谷、是非私を連れて行って下さい」この映画の地名にはなんでもサンダーがつくという・・・(笑)。

 しかし、これは教授のたくらみでした。「奴さえいなくなればラジオ・ランチの人気はがた落ちだ。観光客が来なくなる。そうしたら我々がムーの秘密を独占できるのだ」ということで、彼の命令を受けた部下が先回りしてジーンをライフルで撃ったのです。ばったり落馬するジーン。幸いそれほどの重傷ではなかったのですが馬が逃げてしまったために身動きが取れなくなってしまったのです。「これでは午後の放送に間に合わない、契約をキャンセルされてしまう」と焦るジーン。助けを呼ぶために焚き火を始めます。

 この後、壮麗な地底都市ムラニアがばーんと写りまして女王、ティカ(ドロシー・クリスティ)が「地上の様子を映すのじゃ」と命令します。スクリーンにむやむやと映ったのは焚き火をしているジーン。「彼奴さえいなければラジオ・ランチに人がこない。我々の秘密が守れるのじゃ。奴を捕らえよ」ビートソン教授と同じようなことを言っています(笑)。そして岩山の隠し扉が開いてサンダーライダーズの出撃です。

 その頃ラジオ・ランチではバクスターとベッツィーがサンダーライダーズ・クラブの子供たちの面接をやっております。まあ、ボーイスカウトとか少年仮面ライダー隊みたいなものですか。しかし二人とも戻ってこないジーンにやきもきしています。丁度その時、ジーンの馬だけが帰ってきた。何か起こったのだと直感したフランキーとベッツィーはサンダーライダーズ・クラブの面々を引き連れて彼を救出に向ったのです。二人は焚き火の煙であっという間にジーンを発見。しかし、彼らの背後にはムラニアンの方のサンダーライダーズが迫っていました。こりゃいかんと逃げ出す三人。しかしどうしてもサンダーライダーズを振り切ることができません。そこで彼らは馬を下りてロープで崖を降りることになります。

 ロープに縋って崖をそろそろと降りるジーン、フランキー、ベッツィー。あ、サンダーライダースの馬が地面に固定されていたロープを切っちゃった。「ひゃあああ」そのまま三人は崖底に転落してぐしゃりと潰れてしまいました・・・では映画が終わってしまいますのでなんとか崖にしがみつくことに成功したのです。ここにサンダーライダーズクラブの子供たちがロープを投げてくれてようやく救出成功。ジーンはそのままランチに駆け込んではい、ぎりぎりのところで放送時間に間に合ったのでした。

 ほっとする間もなく起こる次の事件。ね、言った通り忙しいでしょ?銃撃戦ショーでフランキーとベッツィーの父親が射殺されてしまったのです。ショーだから当然、皆空包を使っているに、一体全体こりゃまたどうした訳だとみんなの銃を調べてみますと、なんとジーンのライフルに実包が装填されていた。もちろん、これはビートソンたちの企みなのですがとにかく保安官に調べられることになってしまいます。ジーン大ピンチと思いきや、彼がやったなどとてんから信じていないフランキーの手引きで監禁されていた建物から逃げ出すことに成功します。彼はそのままサンダー峡谷にひっそりと建っている小屋に身を隠したのでした。フランキー、ベッツィーの二人も後から合流。これからどうするのかの鳩首会議を始めます。

父親が死んだというのにまるで悲しがっている様子を見せないフランキーとベッツィー。何か複雑な事情でもあったのでしょうか。

 この様子を例のテレビ装置で見ていた女王ティカ、再び「チャンスじゃ、ジーンを捕らえるのじゃ」ははっと返事をした中尉に「きさま、一度失敗しておる。二度目は許さぬぞ、命がないものと思え!」厳しい女王様でございます。中尉、「誓って彼奴めを捕らえてみせまする」サンダーライダーズを引き連れて出撃します。

 小屋を包囲したサンダーライダーズ。窓からそれを見たジーン、これはヤバイとフランキーとベッツィを物置に隠し、自分は単身小屋に入り込んできた中尉と戦うのです。この時ショックでかんぬきが降りて物置から出られなくなるフランキーとベッツィー。
  

 中尉に必殺のパンチを浴びせるジーン、火が噴出す棒?で応戦する中尉。しかしここで主人公が負ける訳にはいきません。ジーン、ついに中尉をタコ殴りにして失神させることに成功したのでした。ジーンは、物置からフランキーとベッツィーを助け出します。しかしここで他のサンダーライダーズが駆けつけてきた。ジーン、「これはまずい。よし、この男の服を奪って私が変装する。そうするほか助かる道はない」ジーンはムラニアンに化けて小屋から出るとサンダーライダーズに「へへへ、ジーン、逃げちゃった、いやどうも申し訳ない」これでフランキーとベッツィーは助かった。しかしその代償としてジーンはサンダーライダーズに同行せざるを得なくなったのです。そのまま地下都市に入って、エレベーターで降下するジーンとサンダーライダーズ。みんなマスクを取って「はー、やっと美味い空気が吸える」しかしジーンは当然ながらマスクを取れません。それをみたサンダーライダーズが「そうか、ジーンを逃してしまったので恥ずかしくて顔を見せられないのだな」というのがオカシイ。

 ジーンは女王に謁見することになります。もうこうなったらマスクをしたままではいられない。意を決したジーン、「ふふふ、始めまして女王よ、私がジーン・オートレイだ。この顔とくとご覧あれ!」見栄を切ってぱっとマスクを取りますな。おおおと驚くムラニアンたち。女王は微笑んで「ほほう、なんと勇敢な男じゃ、わらわは感心したぞ」しかしそれでジーンの処遇が良くなる筈もありません。「しかし、その勇敢さなど関係ない。そなたはデスチェンバー、死の部屋、で苦痛に満ちた死を遂げるが良い!」

 この死の部屋というのが良く分からないのですが、とにかくスイッチを入れると電撃が走って犠牲者を死に至らしめるらしい。操作するのはムラニアン高官のアルゴー(ウィラー・オークマン)であります。女王は操作パネルについたアルゴーに「もう面倒くさいから一気に20万ボルト行っちゃいなさい」スイッチを入れるとびびびびび、苦悶するジーン。しかし次の瞬間不可解なことが起こります。死の部屋の扉がばたんと開いてジーンが放り出されたのです。しかもその隣の部屋では兵士たちが女王ティカ(ドロシー・クリスティ)に対する反乱を相談していたという凄い偶然(笑)。この反乱の首謀者はどうやらアルゴーのようであります。

 この反乱分子たちに見つかって追い回されるジーン。一度は捕らえられるのでが隙をついて彼らの光線銃を奪い一人をそれで撃ってメクラにしてしまうという・・・。ぎゃあと叫んで倒れる兵士、ジーンは再び逃げ出します。

 さて、その頃地上ではフランキーとベッツィーがジーンを探し回っていました。しかし彼らが見つけたのはジーンではなくビートソン教授一味。彼らは谷底の坑道でウラニウムを発見したらしい。二人が縄梯子を使って降りていき、様子を伺っておりますと「すぐにラジオランチへ戻ってダイナマイトを取ってくるのだ」なんて言っている。その通り彼らは縄梯子で崖の上に登るとあ、縄梯子引き上げてしまいました。真っ青になって「しまった、僕らは閉じ込められてしまったぞ」と叫ぶフランキー。

 ジーンはまだ逃げております。いつもより余計に逃げております。ついに地上への出口を見つけたジーン、しかしサンダーライダーズの一人に追いつかれてしまいました。ジーンはぼかりと殴って彼のマスク、ヘルメットを奪ってしまいます。そのとたん、喉をかきむしりだすサンダーライダー。「空気が、い、息ができない、助けてくれ」ジーン、にやっとして「よし、マスクを返してやるから秘密の扉を開くのだ」これでようやく脱走に成功するジーンです。

 するってぇとムラニアンは地上では息ができないという設定になっているのですな。そうなるとあの小屋でさんざんにぶちのめされた上にマスクを奪われた中尉はとうに死んでいることになってしまいますけど(笑)。

 しかしまだ安心はできません。女王の命により三度サンダーライダーズが出動、ジーンを追いかけ始めたからです。逃げるジーン、途中で狼煙で合図をしていたフランキーとベッツィーを見つけます。縄梯子を降ろして二人を助けたまでは良かったのですが、ここでタイミング悪くビートソン一味が飛行機で戻ってきた。しかもラジオ番組の放送開始まで時間がない。どうやって、牧場へ戻ろうか。はい、決まってます。ビートソン一味の飛行機を奪うのです。ジーンはパイロットをピストルで脅しまんまと離陸させることに成功したのです。

 しかし飛行機でも放送時間に間に合いそうもない、ではどうするか、ここで機械に強いフランキーが大活躍。なんと無線を通じてジーンをラジオに出演させたのです。どういう仕組みか良く分かりませんが(笑)スピーカーから流れてきたラジオランチバンドの演奏に合わせて気持ち良さそうに歌うジーン。これでラジオ放送に間に合わなくなって契約がキャンセルされるという危機が回避されたのです。二度目ですけどね。

 しかしこれで安心とは行きません。ラジオ放送が終わるまで大人しくしていたパイロット(笑)が終了と同時に暴れだしたのです。彼はフランキーが持っていたピストルを奪うと、たった一つだけ積んであったパラシュートで飛び出してしまったのです。ジーン、懸命に飛行機の操縦桿を操りますが、さすがにこれは無理。飛行機は墜落というか不時着してしまうのでした。三人は直前に飛び出したので命は助かったのですが、フランキーとベッツィーはサンダーライダーズに、ジーンはビートソン一味にそれぞれ捕まってしまうのです。

 このピンチを救ったのがジーンの仲間であるマル(チャールス・K・フレンチ)とラブ(ワーマー・リッチモンド)でした。二人はビートソン一味の坑道を発見、見張りをやっつけて囚われていたジーンを見事に救出したのであります。

 後はムラニアに連れ去られたフランキー、ベッツィーを助けなくてはならない。ジーンはマル、ラブを従えさっき脱出してきたばかりの地底都市へ潜入するのです。でもすぐに見つかってサンダーライダーズに追い回されるのが哀れ(笑)。ジーンは捕まって女王の間に引き出されてしまいます。マルとラブはなんとか逃れてロボットが働く工場?に隠れるのでした。二人はここでロボットの胴体や手足を見つけてにやり。そう、この張りぼてを身に着けてロボットに変装するのですなあ。

 しかしここでアルゴー、ついに革命を決意します。あの死の部屋からジーンを逃したのは彼ではないかと女王が考えたからです。この様子をテレビカメラで見ていて愕然となった女王。ジーンはそんな彼女に協力、革命軍をやっつけてフランキーとベッツィーを助けると宣言するのです。ジーンはまだロボットのままの(笑)マルとラブを連れて革命軍がいる場所へ急行します。そして囚われていた二人を助け出して革命軍をやっつけるのです。そのやっつけ方というのが革命軍がいる部屋のドアを閉めて閉じ込めてしまうという・・・(大笑い)。え、革命軍でせいぜい20人くらいしかいないぞ。焦ったアルゴー、この部屋備え付けの光線兵器ディスインテグレーターを作動させ、その扉を溶かそうとしたのですが、これが全然溶けない。アルゴー、怒り狂って出力を最大に上げたのですが、今度はディスインテグレーターが暴走してしまったのです。これで革命軍は全滅してしまうというオソマツって、本当にオソマツですな、これは。ジーンたちはこの間地上へと逃れたのでした。

 革命軍が全滅しても暴走は止まりません。ウィーン、ウィーンと唸りながら膨大な熱エネルギーを発生させるディスインテグレーター、ついには地底都市全体をも溶かし始めます。女王も溶けてる、溶けてる(笑)。最後に地底都市の絵がぐにゃぐにゃとなってここにムラニアは滅び去ったのです。

 後はフランキーのパパを殺したと言う罪を晴らすだけ。ジーンはビートソン教授を捕らえ「やい、お前があのライフルに実包を入れたのだろう」教授はにやりとして「そうさ、わしがやった。しかし、君はどうやってこのことを保安官に証明するのかね。証拠は何もないぞ」ところがこれが大間違い。なんと機械に強いフランキーがムラニアからちょっと失敬してきた部品を使って遠隔テレビカメラを作っていたのです。これを利用して教授の自白を保安官に見せることが出来たのでした。

 これでめでたし、めでたし。ジーンとラジオランチバンドがひとしきり演奏してエンドマーク。

 意外と楽しめた映画だったけど、やっぱり展開が忙しすぎます。ラジオ放送に間に合うように牧場に戻らないと契約キャンセルというネタを2回やっちゃうのもちょっとしつこいですな。

 モノクロ・スタンダード、モノラル音声。画質は普通のレベルなのですが音質はまるで駄目。びーびーじーじーとバックグラウンドノイズが五月蝿く台詞が良く聞き取れません。12枚のディスクに50本の映画を収めたNightmare Worlds 50 Movie Pack CollectionMill Creek EntertainmentのDVD。

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『Der Fall X701』(『Frozen Alive』 1964)

 

Der Fall X701』(『Frozen Alive』 1964

 冷凍睡眠と安っぽい夫婦愛というあんまり関係のなさそうな題材を無理やりくっつけてみたらこんなつまらない映画が出来上がりました。つまらないけれども、これも何かの縁でございます。どうかよろしく最後までお付き合いのほどお願い致します。何ですと、そんなつまらない映画はいやだ?やい、やさしくいっているうちに「こちらこそどうぞよろしくお願いします」とでもいいなよ。

舞台はベルリンの「世界衛生機構低温部 ベルリン支部」の建物。実験室で本作の主人公フランク・オーバートン博士(マーク・スティーブンス)と同僚の女性科学者ヘレン・ワイランド博士(マリアンヌ・コッヘ)は本日開催される学会の講演準備に余念がありません。ヘレンが中心となって進めてきた冷凍睡眠プロジェクトの成果を発表する大事な講演で、彼女は今から緊張と興奮に震えております。

 さて、アメリカからはるばるやってきたフランクの妻、ジョアン・オーバートン(デルフィー・ローレンス)、フランクが「いやー、今日奥さんが来るんだよ」と嬉しそうにヘレンに語っていたのにも関わらず、夫と会うより不倫相手のアパートメントに直行したという・・・(笑)。その不倫相手とはトニー・ステイン(ヨアヒム・ハンセン)、ファッション雑誌の記者であります。ヘレン、酒をくいくいやりながら「今日、夫たちの講演に行かなきゃならないの。夫の同僚がね、ヘレンなんとかっていって凄い科学者らしいわ。なんでもチンパンジーを冷凍してまた元に戻したそうよ」

 このチンパンジーという言葉を合図にぱっと映像が学会の会場に変わります。勿論、へレンが講演中。彼女はチンパンジーのスライドを映して、「私たちはチンパンジーを実験体として冷凍睡眠させて3ヶ月経過させたものを通常の状態に復帰させました。この冷凍・復帰のプロセスではいかなるダメージも認められませんでした。肉体、脳、いずれも正常だったのです。いかにして、心臓を素早くストップさせるか、血液を急速に凍らせるか、これがコツでした」そんな実験にコツなんて言葉を使うな(笑)。

 この講演は会場で大うけ。質問コーナーも無難にこなし、意気揚々と演壇を降りるヘレンとフランクです。しかしこの後、世界衛生機構のえらい人、キース教授(ウォルター・リース)から「人体実験はまかりならぬ、たとえ志願者があってもだ」と言い渡されてしまいました。この後、すぐにでも人体実験をやろうと考えていた二人はがっかり。会場で大うけの喜びも半減であります。フランクは会場に来たジョアンをみんなに紹介し、しょんぼりと帰っていったのです。

 しかしその翌日に早くも再開される動物実験。今度はチンパンジーのスージーが実験体となります。この実験を見学したキース、「んん?随分大掛かりな装置で冷やすんだねえ、これはドライアイスじゃ駄目なの?」などという頓珍漢な質問をしてフランクをイラつかせるのでした(笑)。しかし、この後、二人にとって大いなる喜びが待っていたのです。フランクとヘレンを自分のオフィスに招いたキース、「この冷凍技術は医療の発達に大きく寄与する筈だ」と言い、二人がエレクシス・キャロル賞を受賞したことを知らせたのです。これはどうもノーベル医学賞のようなものらしく、名誉もさることながら二人にそれぞれ25,000ドルの賞金が支給されるという大判ぶるまい。

 やっと研究が認められたと歓喜するフランクとヘレンでしたがそうそう良いことばかりは続かない。キースはへレンに「十分な成果を挙げたからこの研究はもう十分だろう。君は新しい分野でまた頑張ってもらいたい」と研究部門の移動を言い渡したのです。「そんな、これからという時なのに」「早すぎます、時間をもっと下さい」と抗議する二人でしたがキースは聞く耳持たず。ついにフランク、切れて「じゃあ、我々が画期的な成果を挙げたらどうします。それでもヘレンを移動させますか」「まー、そうなったら認めるよ」しぶしぶと頷くキース。しかしすぐに「でも人体実験は絶対駄目だよ」こうなったら無理にでも人体実験をしてしまおうというフランクの企み、看破されてしまったようであります。

 自宅へ戻ったフランク、今度はジョアンに悩まされるのでした(笑)。彼女は賞金のことを聞いて大喜びしたのですが、フランクが「これで家買って落ち着こう、子供も作るんだ、名実共に家族になるんだ、ああ、楽しみだなあ」と言い出したとたん、ぶすーっとします。彼女はそんな気がさらさらなくもっともっと遊びたかったのです。しかも彼女はフランクとヘレンの仲を疑ってさえいる様子。フランクは慌てて「いや、そんなことはない。彼女は同僚だ、そんな対象じゃないんだよ」へレン、ぶすーっとしたまま酒をがぶがぶやってます。フランク、さすがに怒って「もういいよ、俺、仕事してくる」実験室に行ってしまいましたとさ。

 この後フランクは実験室でヘレンの顔を意味ありげに見つめます。今にもキスしそうな様子でしたが、今一歩のところで思いとどまったのは科学者の自制心と言う奴か(笑)。一方そんな自制心のかけらもないジョアンは家を飛び出してトニーとナイトクラブにしけこんでいます。黒人のファイヤーダンスを見たり、トニーに急ぎの仕事の電話が掛かってきたり、その間ジョアンが酔っ払いの誘いに乗ってダンスしたり、そういうのがエンエン続くという・・・。電話から戻ってきたトニー、「どうしても今夜中に原稿あげなきゃならない。だから帰るよ」「えー、夜はこれからじゃない、そんなのイヤよ」とブーたれるのですが、クラブに残るわけにも行かず彼の家へついていくのでした。

 一所懸命にタイプライターをうつトニー。手持ち無沙汰のジョアンは「お酒ないのー」とか騒いで彼の仕事を邪魔してばかり。我慢の限界に来た彼はついに「もう帰ってくれ」と彼女を追い出してしまいます。しかし、彼は気がつきませんでした。ジョアンが彼のピストルを持ち出したことに。

 さあ、べろんべろんのぐでんぐでん状態のジョアン、どこへ行くのかと申しますと、なんとこの女は衛生機構のオフィスに乱入したのであります。ヘレンを見つけて「ういー、ひっく、あんた、あたしの夫をどうするつもりなのよ、ひっく」と誠に酔っ払いらしく絡んでいたところにフランクが来て、「このバカ女、とっとと帰るぞ」はい、連れ出されてしまいましたとさ。

 自宅へ連れ戻されたジョアン、ベッドの中で「あの女がね、あなたを、ああ、あなたの女を見る目つき・・・」ぶちぶちぶちぶち言っております(笑)。フランクはうんざり顔で「だから、そんなことはないって言ってるだろ」ここで電話がリーンと鳴ります。フランクが出て「あー、ヘレンか、うん、ジョアンは大丈夫だ、心配かけてすまない」この間、ベッドから起き上がったジョアン、自分のカバンの中を探ります。そしてピストルを取り出して弄び始めるのでした。ところがこのピストルがズドンと暴発。フランク、電話でこの銃声を聞いたヘレンも仰天。幸い、ジョアンに怪我はなかったのですが、フランク怒るまいことか。「お前ね、ピストルなんかどうしたの、さっき、こんなものを研究室に持っていったのか。弾が入ったピストルでヘレンを脅かそうとしただと、ああ、なんてことだ」もう大騒ぎであります。

 しかし、この後妙に仲良くなってしまうのが夫婦というものの不思議さ。真摯に謝り、「あなたを愛しているからなの」とすがり付いてくるジョアンを優しく抱きしめるフランクです。「今まで君をほったらかしにして済まなかった。今の研究をなるべく早く終わらせて君と一緒に過ごそう」「まあ、嬉しい」ええ、こういうことになりましたと(笑)。

 フランクは実験室へ行きヘレンに「私を使って人体実験を行ってくれ」と申し込みます。いかに早く研究を完成させるためとはいえ、「それは危険すぎるわ」と反対するヘレンでしたが、ついに彼の勢いに押し流されてしまいます。「仕方ない、では実験は明日の夜に行います」直接の上司、ハバード教授からも何とか許可を貰うことができました。

「それは危ない」ってお前ら最初から人体実験するつもりだったじゃないか。フランク以外の実験台だったら良かったのか(笑)。

 さて、トニー、ようやく自分のピストルが紛失していることに気がついた。彼はジョアンに電話して、彼女がピストルを持っていることを知るとさっそく引き取りに押しかけたのでした。彼はピストルの弾が当たった跡のあるクッションを見て「一体なんてムチャをするんだ。下手したら僕も刑務所行きになっちゃうんだぞ」ジョアンは平然として、「いいじゃない、大丈夫だったんだから、それにもう弾は入ってないわ。私確かめたんだもの」それがそうではなかったのですなあ。ジョアン、またピストルを手にとって弄び始めます。それでうっかり引き金引いちゃって無いはずの弾丸が発射され、彼女の胸を貫いたのです。なんとピストルの薬室にもう一発弾丸が入っていたという・・・。彼女はピストルの弾倉しかチェックしていなかったのでした。

どうして二回も暴発させますかね、この女は。

 救急車を呼ぶ暇もなく絶命するジョアン。トニーはこれは大変なことになったと青ざめ、卑怯にも自分の指紋を残らず消して家から逃げ出したのであります。そして家政婦によって発見されるジョアンの死体。すわ、殺人事件か、警察の捜査が始まりました。そんなこととは露知らず冷凍睡眠の人体実験が始まります。ヘレンは装置を操り、首尾よくフランクを眠らせることに成功しました。これで後は蘇生の時間を待つだけです。

 この時ハバード教授のオフィスにやってきたのが警視プレントン(ウルフガング・ルクセー)と部下のグラム(ウルフガング・ガンサー)。彼らは強硬にフランクとの面会を主張します。教授、一旦は断るのですが、さすがにプレントンに「彼の奥さんが射殺死体で発見された。我々はフランクを容疑者だと考えている」と言われてはどうしようもありません。急いでヘレンを呼び出します。事情を聞いたヘレンは真っ青。プレントンたちはまたフランクに会わせろと言い出したのですが、ヘレンは首を振って「無理です。だって彼は冷凍睡眠の実験中なのですから」「そんなもん、中止したらいいじゃないか」「いいえ、彼が実験台になっているんです。今彼は研究室で眠っています!」

 警視たちはヘレンの案内で凍り付いているフランクを見学します(笑)。彼らはやっぱりフランクがヘレンを殺して容疑から逃れるために実験台になったのではないかと言うのですが、とにかく、明日の蘇生時まで待つことになったのでした。

 ぱっと時間が飛んで蘇生の時がやってきます。警察に依頼されたカール・マルクハイマー博士(シグルド・ローデ)とプレントンが見守る中ヘレンは蘇生プロセスを開始。この時場面がぱっと変わって大写しになる新聞。その見出しには「科学者の妻、射殺さる。夫は失踪す」とあります。これを読んでいたのがトニーであります。彼はしばらく考えた後意を決して電話に手を伸ばすのでした。

 その間もどんどん蘇生は進められていきます。プレントンはイヤミたっぷりに、「何しろ現場にピストルがありませんでしたからな、やっぱり殺人です。フランクは彼女を殺して実験と称して逃げたのだ」きっとなるヘレン。「彼はそんな人じゃない。何かから本当に逃げたければ薬を飲んで死を選ぶ、そういう人です」全然庇ってないよ、この台詞(笑)。そしてついに意識を取り戻すフランク。「ああ、うう、ヘレン」ヘレンは喜びに顔を輝かせて「フランク、打ち合わせどおり数を数えて」これで脳に障害がないか確認しようというのです。言われたとおりにするフランク。ヘレン、「うん、大丈夫だわ、次のステージに進みます」次のステージとは電気による心臓マッサージ、何か順番が違うような気がしますけれども(笑)。

 どくん、どくんと電気ショックを受けるフランク。しかしどうしたことかヘレン、電気ショックを途中で中断してしまったのです。心拍数・血圧急降下、死に向かってまっしぐらのフランク。ひょっとしたら彼女は警察の手に渡すよりは自分の手で彼を葬り名誉を守ろうとしたのでしょうか。

 とここで実験室の電話が鳴ります。これが警察からの電話で、受けたプレントン警視が「ええ、目撃者が名乗り出たァ?ジョアンの死は暴発による事故ですって」これを聞いたヘレン、急いで電気ショックを再開します。しかしなかなか反応しないフランクの心臓。もう駄目かと思われたのですが、最後の最後でフランクが復活しないと映画が終わりませんからな、ちゃんと生き返ることになっているのです(笑)。

 その一年後、キース教授が報道陣に大威張りで演説しています。「あの一年前のあの時から冷凍睡眠の輝かしき歴史が始まったのであります」フランクもすっかり元気になって、今ではヘレンとよろしくやっているのでしたというハッピーエンド。

いや、最初っからトニーが「拳銃が暴発しました」って警察に連絡すれば済んでいた話なのですが(笑)。

 モノクロ・スタンダード、モノラル音声。画質は割合まともなのですがとにかく音声が酷い。ホワイトノイズが五月蝿くってろくすっぽ台詞が聞き取れやしない。12枚のディスクに50本の映画を収めたNightmare Worlds 50 Movie Pack CollectionMill Creek EntertainmentのDVD。

           エロの冒険者 
       HOMEPAGE http://homepage3.nifty.com/housei/ 
      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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