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2008年1月28日 (月)

『Piranha, Piranha!』(1972年)

 

Piranha, Piranha!』(1972年)

ピラニア、ピラニアというのだからアマゾンの猛魚ピラニアの群れが人間を10人ばかり襲って骨だらけにするというのを想像するじゃありませんか。うわー、そんな映画とても子供に見せられないよう。いえいえ、どうかご安心を。タイトルに反してピラニアが登場するのは1回だけで、人間の骨も何もでてきませんから。その代わり物凄くつまらないですけど(笑)。

冒頭タイトルと共にばーんとピラニアのクローズアップ。それからアマゾンのジャングルで蠢く様々な生き物たちが登場します。豹、猿、そしてアマゾンのジャングルには欠かせない大蛇。そうこうするうちに木から飛び降りた猿、罠に引っかかって罠に閉じ込められちゃった。猿、ウキーウキーと猛り狂いますがもちろん、効果なし。その罠を持ち上げて猿を確認してにやりとする男。この男、この地域で有名なハンターのカリビー(ウィリアム・スミス)と申します。

 ハンターなのだから銃を使えよというツッコミは承っておきましょう。

 この後、空港に到着するジェット旅客機。降りてきたのはアート・グリーン(トム・シムコックス)、テリー(アナ・カプリ)の兄妹であります。カメラウーマンであるテリーのアマゾン撮影旅行にアートがくっついてきたという感じでしょうか。その二人のガイド役がジム・ペンドレイク(ピーター・ブラウン)。苦みばしったなかなか良い男であります。ジムは二人を出迎えて自己紹介。さあ、ホテルへ行きましょうということになるのですが、早くもここで変事発生。警官に追いかけられていた男がスッ転んだのですが、その手から離れたトランクがぱかっ!中からたくさんのダイヤモンドが転がりでてきたのです。周りの人々が一斉にこのダイヤに飛びつく浅ましさよ(笑)。呆然としたアート、ジムに「あ、あれ本物なの」「もちろんっス、ダイヤの採掘場所がありますから」これが後の騒動の元になるのでしょうな。

 ジムは撮影旅行の準備ということで二人を銃砲店へ連れていきいろいろなアウトドア用品を買い込みます。この時護身用のピストルを仕入れようとしたらいきなりテリーが目を吊り上げて「ピストルは駄目!そんなもの持っていかせないわ!」何か訳ありの用です。しかしさすがにジャングルに武器ナシで行くのは恐ろしい。ジム、テリーの目を盗んでこっそりピストルを荷物に紛れ込ませるのでした。この間アートは何をしていたのかと言うとナンパ(笑)。銃砲店にあった双眼鏡を使って南米美人を発見したアート、だっと飛び出ししつこくまとわりつくのです。最初は相手にされなかったのですが、アート、彼女の後を追いながらお菓子屋の店先にあった大きなハート型キャンディをぱっと掴んで彼女にプレゼント。「あらまあ、嬉しい、さすがアメリカの殿方ね」ということでめでたくベッドインとなったのであります。

 えー、こんなことは言いたくありませんが、この人、キャンディのお金払ってませんよ、万引きですよ(笑)。

 翌日、すっきりとしたアート、南米美女のバイクでドライブに出かけます。ジムとテリーは旅行の準備万端整えて二台のバイクと共に彼の帰りを待つのですがこれがなかなか戻ってこない(笑)。やっと帰ってきたと思ったら南米美女の運転するバイクの後でにやにやしている。これを見てテリー、酷く呆れた顔をしております。アートが南米美女に別れを告げ、ようやく出発。三人は二台のバイクに、テリー・ジム、アートの組み合わせでまたがりハイウェイをアメリカン・ニューシネマ風に疾走するのです。

南米美女、この後二度と登場しません。本当に別れちゃうのです。

 疾走するのはいいけれど、これがまたやたらに長いんだ。ようやっと都会を出てアマゾン風の景色になっているところでバイクを降りたから、ここからボートか何かで探検開始すると思ったのですが、単なる休憩だったという・・・。動物がいっぱいいるのにコーフンしたテリー、さっそくカメラを取り出して撮影を始めます。そんな彼女を襲ったのが南米ガラガラヘビ。テリーは「ひーっ」と叫んでひっくり返り助けを求めるのですが、ガラガラヘビ、ただガラガラ言わせているだけで彼女を襲おうとはしません。テリー、もう走って逃げろよ(笑)。彼女の悲鳴を聞いて駆けつけたジムはピストルを取り出してズドン、ズドン。南米ガラガラヘビを射殺してしまいます。これでテリー、「あなたは私の命の恩人よ」と飛びついてくるかと思ったジムですが(笑)あにはからんやテリー、また目を吊り上げて「きいい、何でピストル持ってんのよ、あたし、そんなものいらないって言ったでしょ!」憮然とするジムです。

 この時、アート、ジムに「いやあ、妹が銃を嫌うのには訳があってね、聞きたいかい?」と言うのですが、テリーの態度に怒っていたジム、首をふって「いいっスよ、聞きたくないっスよ」とにべもなく断るのがオカシイ。

 さて、再びバイクで出発です。また夜まで延々と走ってようやくついたのがモーテル、「エル・ミラグロ」ここでシャワーを浴びたり酒を飲んだりして英気を養い明日からの撮影旅行に備えようという寸法です。しかし、ここであの冒頭で猿捕まえていた男が再登場。ジムは彼をみて「あ、君はこの辺で有名なハンターのカリビーじゃないか」アートとテリーはこのカリビーに興味津々。「ダイヤの鉱山ってどこにあるの、俺、ダイヤみたいなあ」これはアート。「ハンターって、動物を殺しちゃうんでしょ、良心は痛まないの」これはテリー。カリビー、両方ともに取り合わず、ビールを飲みながらにやにやするばかり。

 ジム、このカリビーに唐突にバイクレースを申し込みます。「カリビー、君、バイクに興味あるの」「子供の頃に乗ってたさ」「じゃ、明日レースやらない」というこういう流れ。なんでいきなりこんな勝負しかけるかなあ、この映画は(笑)。

 翌日、本当にバイクレースを始めるのですから呆れてしまいます。ヨーイ、ドンでモーテルからスタートしたジムとカリビー、両者のテクニック互いに譲らず抜きつ抜かれつの手に汗握るレース展開です。でもこのレースも長い。サバンナ、牧場、沼地をまたえんえんと走りやがる。最終的にわずかの差でカリビーが勝利したのですが、ええ?9分使っているんですよ、この意味のないレースに(大笑い)。

 レースに勝利したカリビー、「ワハハハハ」とやたら上機嫌になって、ジムたちにダイヤモンド採掘現場を案内しようと言い出したのです。

 カリビー、自分のジープに皆を乗せてダイヤ採掘現場へ。ここからまたも意味のないだらだらとした場面が続きます。川砂をザルで攫ってダイヤを探す人々を延々映し続けるのです。この間、カリビーが小さなダイヤを買ってテリーにプレゼントするのですが主な動きはこれだけ。後はずーっとダイヤの発掘作業を見せるのであります。

 だらだらとダイヤ採掘現場を見学した後は近くのジャングルで動物を撮影するテリー。本当にだらだらした展開で退屈極まりない。ここで極太のアナコンダがずろずろ這い出てきてこのアマ呑んでしまえばいいのにと本気で思うほどです(笑)。この時、怪我した足を川で洗おうとするテリー、これを見てカリビーは真っ青、「何をしているんだ」と駆けつけ彼女を抱きかかえて川から引き離すのです。テリー、顔を真っ赤にして「何するのよ、この野蛮人」と喚き散らすのですが、事情を知ったジムが「この川にはピラニアや電気鰻がいる。うかつに足を踏み入れたらキケンなんだ」と説明したので面目丸つぶれ(笑)。しかし、なんですなあ、映画のタイトルになっているピラニアなのですが、50分も過ぎたあたりでようやく出てくるのですなあ。名前だけですけど(笑)。

 この後さらに近くのインディオ村で撮影続行。遅くなってしまってモーテルに帰れなくなったので一行はやむなくカリビーの自宅に泊まらせてもらうことになります。ボートでカリビーの自宅へ到着すると、テリーが先ほどのピラニア騒動についてカリビーに謝罪。「私が馬鹿だったわ、ごめんなさい、ありがとう」ここまでは良かったのですが、テリー、よしとけばいいのにハンターはいけないという説教をまた始めちゃうのです。「あなたは銃で殺すだけ、私は生命を保存するために写真を撮影するのよ」

 ここで珍しい鳥を見つけたテリー、カリビーへの説教をあっさり忘れて「わあ、あの鳥、珍しい、なんていうの」と夢中で撮影します。ひとしきり撮影したところでカリビー、「もう撮影は終わったかい」「ええ」途端にライフルを構えてカリビーずどん。件の鳥を撃ち落してしまいます。「なんということをするの、あなたという人は」激昂するテリー。カリビーは彼女の抗議にふんと鼻を鳴らしただけ。楽しかるべき撮影旅行が一転して険悪な雰囲気となります。鳥騒動の後、アートはジムにテリーが銃をあれほど嫌う訳を話して聞かせます。まあ、どうせ子供の時に銃の事故でパパ、ママのどちらかが死んだんだろうぐらいに思っていたら、とんでもない、アル中の母親が女にだらしない遊び人であったパパの頭をピストルでぶち抜いたのだそうで。テリーはそれを目撃したというのであります。それ以来テリーは銃恐怖症になり、起きている時は銃を見て怒り、寝たら寝たで両親の悪夢を見るという体になってしまっていたのでした。

 その夜、険悪な雰囲気のまま夕食を食べる4人であります。

 さて、翌朝、ジムとアートはカリビーのボートを借りて「近くを回ってあわよくばダイヤを見つけよう」ということになります。テリーはその間カリビーの自宅近くで撮影することに。カリビーはこれを見て「チャーンス」とにやり。テリーに忍び寄るやいなや、ライフルつけて「ええやろ!させんかい」「ひーっ」テリー、必死で抗うのですが男、それもハンターやっているような屈強な男に敵う訳がありません。あっさりヤラれてしまったのでありました。その後ようやく戻ってきたアートとジム、アートはテーブルに突っ伏しているテリーを一目見て、「そうか、お前、あいつにヤラれたんやな!」と分かるという・・・(笑)。怒り狂ったアート、カリビーを追いかけます。「やい、テメー、カリビー、でてこんかい!」えんえん追いかけます。ジャングルの中を追いかけます。川の近くまで追いかけますって、何時まで追いかけてんねん!「やい、カリビー、いい加減でてこんかい、観客の皆さん飽きてしまうやんけぐっ」いきなり茂みから飛び出してきたカリビー、山刀で彼の腹をぐっさり。死体は川の中へ放り込まれます。その死体に群がるピラニア。ああ、やっと本物が出てきた。でも出番はここだけだったりするのですが(笑)。

 カリビーの魔の手はジムとテリーにも迫ります。必死で逃げる二人はボートを使ってインディアン村にたどり着いたのですが、ここでカリビーに追いつかれてしまいました。あたりはすでにとっぷりと暗くなっています。この暗闇を利用して隠れる二人ですが、カリビーはそうは問屋が許さないじゃなかった降ろさない。「おら、おら、でてこんかい」彼は松明でインディオの草葺の家に次々と火をつけたのです。燃え上がるインディオ村。逃げ惑うインディオたち。なんという地獄絵図でしょうか。

 ジムは隙をみてピストル発射。弾はカリビーの左肩に命中するのですがさすが有名なハンター、まったく効果ありません。彼はジムを引きずりだすと散々にぶちのめしテリーを攫っていってしまったのです。

 翌朝になりました。カリビーはテリーを連れて自宅からどこかへ行こうという様子。ここで昨夜ぼこすこにされたジムがリベンジだとばかりに戦いを挑みます。でもやっぱりぼこすこにされちゃうの。カリビー、倒れたジムのわき腹にどこどこキックを叩きこみます。しかし、この時彼はテリーの存在を完全に忘れていました。はっと気がついた時にはもうすでに遅し。目の前にライフル構えたテリーの姿が。彼女は目から一滴の涙をこぼすなりライフルの引き金を絞ります。ずどん、哀れカリビーは射殺されてしまいました。これでおしまい。

 酷いものですな、こりゃ(笑)。フツーこういうシチュエーションなら偶然凄いダイヤを見つけてこれを独り占めにするために殺すとか、貴重な動物を密猟しているのがアートたちにばれて口封じのために殺すとか、そういう具合になりゃしませんかね。それをだらだらどうでも良い場面を繋いだ挙句、ただのヤリチンの乱暴もの仕業だっていうのですから、見る人怒りますよ、これ。

 カラー・スタンダード、モノラル音声。発色が黄ばんでおり見ていると暗い気分になる不思議な画質。音声はノイズが少なく幾分ヒアリングが楽であります。12枚のディスクに50本の映画を収めたNightmare Worlds 50 Movie Pack CollectionMill Creek EntertainmentのDVD。

           エロの冒険者 
       HOMEPAGE http://homepage3.nifty.com/housei/ 
      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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