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2008年1月28日 (月)

『Radio Ranch』 1940年

 

Radio Ranch』 1940

これは1935年のシリアル、『The Phantom Empire』を70分に再編集したものであります。全12エピソード、245分を約三分の一に縮めてありますので、もう忙しいですよ。次から次へと事件が起こって目が回るかと思いますよ。

 冒頭いきなりカウボーイたちに追っかけられている馬車、何だ、何だ、何が起こっているのだと思う間もなく馬車はカウボーイたちに止められてしまいます。「よし、早速アレを出せ」カウボーイのリーダーらしき人物の命令に従って馬車から降ろされるギター、バンジョー、コントラバスなどの楽器。これを受け取ったカウボーイ達が牧場のステージで一曲披露するという、これは実は観光牧場のショーだったのであります。このショーをそのままラジオで中継しておりまして、これを名づけて「ラジオ・ランチ」というのでありました。

 主要なメンバーを紹介しますとメイン・ボーカルでバンドのリーダー、この映画のヒーローであるジーン・アートレィ(本人)、彼の弟分で素人発明家のフランキー・バクスター(フランキー・ダロ)、その妹ベッツィー(ベッツィー・キング・ロス)、他のメンバーはまあ、おいおいということで(笑)。

 ジーンの歌が終わってマイクの前に出てきたのがフランキーとベッツィー。彼らはサンダー・ライダーズクラブという少年団体?を主宰しているのですが、このクラブの名前の由来をひとくさり喋るのであります。「ある日、僕らは馬を走らせていました。するといきなり雷がなったのです。しかし、空は晴れており雲のひとつもありません。雷にしてはへんだなと思った時、謎の騎馬集団が現れたのです。彼らは金属のマスクを被ってヘンなマントをつけていました。雷の音だと思ったのは彼らだったのです。僕たちは命からがら騎馬集団から逃れました。僕たちは彼らをサンダーライダーズと呼ぶことにしたのです。クラブは彼らから名前を貰いました」

 ちなみにこのサンダーライダーズ・クラブ。申し込みをすると制服の設計図というか図面が送られてきまして、これをママに作ってもらう(笑)という仕組みになっております。

 ともあれ、この「ラジオ・ランチ」とサンダーライダーズクラブは大人気。観光客が遠くから押し寄せる人気スポットになっています。

 ここまではまあ、普通の話なのですが(そ、そうか)、あの謎のライダーたちが実はムー帝国の末裔だったというから驚きます(大笑い)。ムー帝国の末裔が地下2,600フィートに大地底都市ムラニアを構えていたのです。ムラニアの秘密の入り口がラジオ・ランチ近くにあったというものすごい偶然。また、ここでムー帝国末裔のムラニアンが保有すると思われるウラニウムを狙っているビートソン教授(J・フランク・グレンドン)という悪党一味が絡んでくるから話はより一層ややこしくなるのでした。

 このビートソン一党、飛行機でランチにやってきます。みんなは「ついにお客が飛行機でやってくるようになった」と大歓迎。彼らはランチに滞在することになったのでした。その夜、素人発明家のフランキーがベッツィに自分が発明した電波探知機を得意げに披露します。「これはラジオなんかの電波が来たら探知して、どこから放送されているのか教えてくれるんだ」これがですね、水を張った盥に太い針のようなものが浮いているという装置。電波を受信するとこの針がぐるりと回って方向を示してくれるのです。「ほら、針が17度を指した。これはサンフランシスコからの放送だ」大得意のフランキー。しかし次の瞬間、彼は驚きに目を見張ります。針先が水中に沈んで直立してしまったからです。「ええっ、ひょっとしてこれ地下から電波が来ているってこと?」

 フランキー、早速ジーンに御注進。ジーンはさらにビートソン教授に意見を聞くのですが、「そりゃ空電でしょ、磁気のせいですよ」と相手にされません。ここでジーンはやたらに下手糞な人形を取り出して教授に見せるのです。教授、「ややや、これはムラニアンの作った人形に違いない。どこで見つけたのかね、何、サンダー峡谷、是非私を連れて行って下さい」この映画の地名にはなんでもサンダーがつくという・・・(笑)。

 しかし、これは教授のたくらみでした。「奴さえいなくなればラジオ・ランチの人気はがた落ちだ。観光客が来なくなる。そうしたら我々がムーの秘密を独占できるのだ」ということで、彼の命令を受けた部下が先回りしてジーンをライフルで撃ったのです。ばったり落馬するジーン。幸いそれほどの重傷ではなかったのですが馬が逃げてしまったために身動きが取れなくなってしまったのです。「これでは午後の放送に間に合わない、契約をキャンセルされてしまう」と焦るジーン。助けを呼ぶために焚き火を始めます。

 この後、壮麗な地底都市ムラニアがばーんと写りまして女王、ティカ(ドロシー・クリスティ)が「地上の様子を映すのじゃ」と命令します。スクリーンにむやむやと映ったのは焚き火をしているジーン。「彼奴さえいなければラジオ・ランチに人がこない。我々の秘密が守れるのじゃ。奴を捕らえよ」ビートソン教授と同じようなことを言っています(笑)。そして岩山の隠し扉が開いてサンダーライダーズの出撃です。

 その頃ラジオ・ランチではバクスターとベッツィーがサンダーライダーズ・クラブの子供たちの面接をやっております。まあ、ボーイスカウトとか少年仮面ライダー隊みたいなものですか。しかし二人とも戻ってこないジーンにやきもきしています。丁度その時、ジーンの馬だけが帰ってきた。何か起こったのだと直感したフランキーとベッツィーはサンダーライダーズ・クラブの面々を引き連れて彼を救出に向ったのです。二人は焚き火の煙であっという間にジーンを発見。しかし、彼らの背後にはムラニアンの方のサンダーライダーズが迫っていました。こりゃいかんと逃げ出す三人。しかしどうしてもサンダーライダーズを振り切ることができません。そこで彼らは馬を下りてロープで崖を降りることになります。

 ロープに縋って崖をそろそろと降りるジーン、フランキー、ベッツィー。あ、サンダーライダースの馬が地面に固定されていたロープを切っちゃった。「ひゃあああ」そのまま三人は崖底に転落してぐしゃりと潰れてしまいました・・・では映画が終わってしまいますのでなんとか崖にしがみつくことに成功したのです。ここにサンダーライダーズクラブの子供たちがロープを投げてくれてようやく救出成功。ジーンはそのままランチに駆け込んではい、ぎりぎりのところで放送時間に間に合ったのでした。

 ほっとする間もなく起こる次の事件。ね、言った通り忙しいでしょ?銃撃戦ショーでフランキーとベッツィーの父親が射殺されてしまったのです。ショーだから当然、皆空包を使っているに、一体全体こりゃまたどうした訳だとみんなの銃を調べてみますと、なんとジーンのライフルに実包が装填されていた。もちろん、これはビートソンたちの企みなのですがとにかく保安官に調べられることになってしまいます。ジーン大ピンチと思いきや、彼がやったなどとてんから信じていないフランキーの手引きで監禁されていた建物から逃げ出すことに成功します。彼はそのままサンダー峡谷にひっそりと建っている小屋に身を隠したのでした。フランキー、ベッツィーの二人も後から合流。これからどうするのかの鳩首会議を始めます。

父親が死んだというのにまるで悲しがっている様子を見せないフランキーとベッツィー。何か複雑な事情でもあったのでしょうか。

 この様子を例のテレビ装置で見ていた女王ティカ、再び「チャンスじゃ、ジーンを捕らえるのじゃ」ははっと返事をした中尉に「きさま、一度失敗しておる。二度目は許さぬぞ、命がないものと思え!」厳しい女王様でございます。中尉、「誓って彼奴めを捕らえてみせまする」サンダーライダーズを引き連れて出撃します。

 小屋を包囲したサンダーライダーズ。窓からそれを見たジーン、これはヤバイとフランキーとベッツィを物置に隠し、自分は単身小屋に入り込んできた中尉と戦うのです。この時ショックでかんぬきが降りて物置から出られなくなるフランキーとベッツィー。
  

 中尉に必殺のパンチを浴びせるジーン、火が噴出す棒?で応戦する中尉。しかしここで主人公が負ける訳にはいきません。ジーン、ついに中尉をタコ殴りにして失神させることに成功したのでした。ジーンは、物置からフランキーとベッツィーを助け出します。しかしここで他のサンダーライダーズが駆けつけてきた。ジーン、「これはまずい。よし、この男の服を奪って私が変装する。そうするほか助かる道はない」ジーンはムラニアンに化けて小屋から出るとサンダーライダーズに「へへへ、ジーン、逃げちゃった、いやどうも申し訳ない」これでフランキーとベッツィーは助かった。しかしその代償としてジーンはサンダーライダーズに同行せざるを得なくなったのです。そのまま地下都市に入って、エレベーターで降下するジーンとサンダーライダーズ。みんなマスクを取って「はー、やっと美味い空気が吸える」しかしジーンは当然ながらマスクを取れません。それをみたサンダーライダーズが「そうか、ジーンを逃してしまったので恥ずかしくて顔を見せられないのだな」というのがオカシイ。

 ジーンは女王に謁見することになります。もうこうなったらマスクをしたままではいられない。意を決したジーン、「ふふふ、始めまして女王よ、私がジーン・オートレイだ。この顔とくとご覧あれ!」見栄を切ってぱっとマスクを取りますな。おおおと驚くムラニアンたち。女王は微笑んで「ほほう、なんと勇敢な男じゃ、わらわは感心したぞ」しかしそれでジーンの処遇が良くなる筈もありません。「しかし、その勇敢さなど関係ない。そなたはデスチェンバー、死の部屋、で苦痛に満ちた死を遂げるが良い!」

 この死の部屋というのが良く分からないのですが、とにかくスイッチを入れると電撃が走って犠牲者を死に至らしめるらしい。操作するのはムラニアン高官のアルゴー(ウィラー・オークマン)であります。女王は操作パネルについたアルゴーに「もう面倒くさいから一気に20万ボルト行っちゃいなさい」スイッチを入れるとびびびびび、苦悶するジーン。しかし次の瞬間不可解なことが起こります。死の部屋の扉がばたんと開いてジーンが放り出されたのです。しかもその隣の部屋では兵士たちが女王ティカ(ドロシー・クリスティ)に対する反乱を相談していたという凄い偶然(笑)。この反乱の首謀者はどうやらアルゴーのようであります。

 この反乱分子たちに見つかって追い回されるジーン。一度は捕らえられるのでが隙をついて彼らの光線銃を奪い一人をそれで撃ってメクラにしてしまうという・・・。ぎゃあと叫んで倒れる兵士、ジーンは再び逃げ出します。

 さて、その頃地上ではフランキーとベッツィーがジーンを探し回っていました。しかし彼らが見つけたのはジーンではなくビートソン教授一味。彼らは谷底の坑道でウラニウムを発見したらしい。二人が縄梯子を使って降りていき、様子を伺っておりますと「すぐにラジオランチへ戻ってダイナマイトを取ってくるのだ」なんて言っている。その通り彼らは縄梯子で崖の上に登るとあ、縄梯子引き上げてしまいました。真っ青になって「しまった、僕らは閉じ込められてしまったぞ」と叫ぶフランキー。

 ジーンはまだ逃げております。いつもより余計に逃げております。ついに地上への出口を見つけたジーン、しかしサンダーライダーズの一人に追いつかれてしまいました。ジーンはぼかりと殴って彼のマスク、ヘルメットを奪ってしまいます。そのとたん、喉をかきむしりだすサンダーライダー。「空気が、い、息ができない、助けてくれ」ジーン、にやっとして「よし、マスクを返してやるから秘密の扉を開くのだ」これでようやく脱走に成功するジーンです。

 するってぇとムラニアンは地上では息ができないという設定になっているのですな。そうなるとあの小屋でさんざんにぶちのめされた上にマスクを奪われた中尉はとうに死んでいることになってしまいますけど(笑)。

 しかしまだ安心はできません。女王の命により三度サンダーライダーズが出動、ジーンを追いかけ始めたからです。逃げるジーン、途中で狼煙で合図をしていたフランキーとベッツィーを見つけます。縄梯子を降ろして二人を助けたまでは良かったのですが、ここでタイミング悪くビートソン一味が飛行機で戻ってきた。しかもラジオ番組の放送開始まで時間がない。どうやって、牧場へ戻ろうか。はい、決まってます。ビートソン一味の飛行機を奪うのです。ジーンはパイロットをピストルで脅しまんまと離陸させることに成功したのです。

 しかし飛行機でも放送時間に間に合いそうもない、ではどうするか、ここで機械に強いフランキーが大活躍。なんと無線を通じてジーンをラジオに出演させたのです。どういう仕組みか良く分かりませんが(笑)スピーカーから流れてきたラジオランチバンドの演奏に合わせて気持ち良さそうに歌うジーン。これでラジオ放送に間に合わなくなって契約がキャンセルされるという危機が回避されたのです。二度目ですけどね。

 しかしこれで安心とは行きません。ラジオ放送が終わるまで大人しくしていたパイロット(笑)が終了と同時に暴れだしたのです。彼はフランキーが持っていたピストルを奪うと、たった一つだけ積んであったパラシュートで飛び出してしまったのです。ジーン、懸命に飛行機の操縦桿を操りますが、さすがにこれは無理。飛行機は墜落というか不時着してしまうのでした。三人は直前に飛び出したので命は助かったのですが、フランキーとベッツィーはサンダーライダーズに、ジーンはビートソン一味にそれぞれ捕まってしまうのです。

 このピンチを救ったのがジーンの仲間であるマル(チャールス・K・フレンチ)とラブ(ワーマー・リッチモンド)でした。二人はビートソン一味の坑道を発見、見張りをやっつけて囚われていたジーンを見事に救出したのであります。

 後はムラニアに連れ去られたフランキー、ベッツィーを助けなくてはならない。ジーンはマル、ラブを従えさっき脱出してきたばかりの地底都市へ潜入するのです。でもすぐに見つかってサンダーライダーズに追い回されるのが哀れ(笑)。ジーンは捕まって女王の間に引き出されてしまいます。マルとラブはなんとか逃れてロボットが働く工場?に隠れるのでした。二人はここでロボットの胴体や手足を見つけてにやり。そう、この張りぼてを身に着けてロボットに変装するのですなあ。

 しかしここでアルゴー、ついに革命を決意します。あの死の部屋からジーンを逃したのは彼ではないかと女王が考えたからです。この様子をテレビカメラで見ていて愕然となった女王。ジーンはそんな彼女に協力、革命軍をやっつけてフランキーとベッツィーを助けると宣言するのです。ジーンはまだロボットのままの(笑)マルとラブを連れて革命軍がいる場所へ急行します。そして囚われていた二人を助け出して革命軍をやっつけるのです。そのやっつけ方というのが革命軍がいる部屋のドアを閉めて閉じ込めてしまうという・・・(大笑い)。え、革命軍でせいぜい20人くらいしかいないぞ。焦ったアルゴー、この部屋備え付けの光線兵器ディスインテグレーターを作動させ、その扉を溶かそうとしたのですが、これが全然溶けない。アルゴー、怒り狂って出力を最大に上げたのですが、今度はディスインテグレーターが暴走してしまったのです。これで革命軍は全滅してしまうというオソマツって、本当にオソマツですな、これは。ジーンたちはこの間地上へと逃れたのでした。

 革命軍が全滅しても暴走は止まりません。ウィーン、ウィーンと唸りながら膨大な熱エネルギーを発生させるディスインテグレーター、ついには地底都市全体をも溶かし始めます。女王も溶けてる、溶けてる(笑)。最後に地底都市の絵がぐにゃぐにゃとなってここにムラニアは滅び去ったのです。

 後はフランキーのパパを殺したと言う罪を晴らすだけ。ジーンはビートソン教授を捕らえ「やい、お前があのライフルに実包を入れたのだろう」教授はにやりとして「そうさ、わしがやった。しかし、君はどうやってこのことを保安官に証明するのかね。証拠は何もないぞ」ところがこれが大間違い。なんと機械に強いフランキーがムラニアからちょっと失敬してきた部品を使って遠隔テレビカメラを作っていたのです。これを利用して教授の自白を保安官に見せることが出来たのでした。

 これでめでたし、めでたし。ジーンとラジオランチバンドがひとしきり演奏してエンドマーク。

 意外と楽しめた映画だったけど、やっぱり展開が忙しすぎます。ラジオ放送に間に合うように牧場に戻らないと契約キャンセルというネタを2回やっちゃうのもちょっとしつこいですな。

 モノクロ・スタンダード、モノラル音声。画質は普通のレベルなのですが音質はまるで駄目。びーびーじーじーとバックグラウンドノイズが五月蝿く台詞が良く聞き取れません。12枚のディスクに50本の映画を収めたNightmare Worlds 50 Movie Pack CollectionMill Creek EntertainmentのDVD。

           エロの冒険者 
       HOMEPAGE http://homepage3.nifty.com/housei/ 
      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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