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2008年1月28日 (月)

『The Phantom Creeps』(『忍び寄る幽鬼』 1939)

 

The Phantom Creeps』(『忍び寄る幽鬼』 1939

12エピソード265分のSFシリアルを78分に編集した映画版。当然ながら編集されすぎてところどころ意味が分からなくなる場面があります。またとにかくDVDの音質が悪い。始終ザーザーと雑音が入って台詞が聞き取れません。そんな訳で内容が違っていてもそれは私のヒアリング能力のせいではなくひたすらにDVDの低品質によるものなのです。分かりましたか。

 ドクター・ゾルカ(ベラ・ルゴシ)は稀代のマッドサイエンティスト。助手のモンク(ジャック・C・スミス)と共に豪壮な屋敷の実験室で今日も今日とて怪奇な実験に現を抜かしております。「むっふっふ、モンクよ、このコントロール装置を見よ」小型のリモコンを手に取るルゴシ。すると実験室の壁がぱーっと上にスライドしてブサイクなロボットが現れます。ルゴシがスイッチを入れるとぎくしゃくと動き出すブサイクなロボット。「わははは、こいつをコントロールできるのはこの私だけなのだ」

 さて、この時屋敷に車が到着します。夜毎実験に明け暮れている夫を心配したゾルカ夫人アン(ドーラ・クレメント)と元ゾルカの同僚であった科学者フレッド・マロリー(エドウィン・スタンレー)であります。ゾルカはアンを迎えると「おうおう、お前や、心配をかけたね、すまなかったね」そこでやめとけば良いのに自分の研究の結果を見せるルゴシ。彼は小さな円盤状のものを取り出し、リビングの観葉植物の鉢にポンと投げ入れます。そして次に取り出したのが小さな蜘蛛のような物体。これを床におきますとかさかさ足を動かして観葉植物へ一直線。そしてボンと小さな爆発が起こって、ああ、なんということでしょう、観葉植物が見る見るうちに枯れてしまったではありませんか。

 これを人間に仕掛けますといかなる理屈か良く分かりませんが一時的に人間を失神状態にできるのだそうな。この説明を聞いたマロリー、「君、君、君はこれを政府のために使うべきですよ、すぐ報告しましょう」ここで「ウン」と言ってちゃベラ・ルゴシの沽券に関わります。「やなこった。政府がこの発明に対して払う金はどうせ雀の涙なんだから」「しかし、君、君、これがわが国の敵の手に渡ったらどうするのです」ルゴシは凄みのある笑いを浮かべて「敵はたんまり支払ってくれるでしょうなあ」「では私はこのことを報告しなければなりません。それが私の義務です」

 このマロリーの台詞を聞いたルゴシ、何かを決意します。彼はモンクと共に地下の秘密実験室に篭りなにやら画策しているらしい。ええ、どうやらこの間、秘密じゃない方の実験室から機材を持ち出したらしいのですが、例によってばっさりカット。いきなり秘密じゃない方の実験室が空っぽになっております(笑)。ルゴシは重々しく「モンクよ、デヴィジュアライザーを持て」モンクがへへえと頷いてヘンな箱がついたベルトを持ってきます。ルゴシがこれを腰に巻いてスイッチオン!するとあら不思議、ルゴシの体がみるみるうちに透明に!これで脱走しようというのですが、ルゴシったら透明化をといてモンクの運転する車に乗り込むの。まったく透明になった意味がないの(大笑い)。

 さて、ここでいよいよ本作のヒーロー、軍諜報員のキャプテン・ボブ・ウェスト(ロバート・ケント)が登場。彼はマロリー博士の要請を受けて専用プロペラ輸送機で助手のジム(レジス・トーメィ)と共に飛来したのであります。近くに空港らしきものはないのですが、そんなの我らがヒーロー、ウェストには関係ありません。いつの間にか着陸してしまうのです(笑)。飛行機から降り立ったウェストの前に現れたのがタイム誌の美人記者ドリュー(ドロシー・アーノルド)、どこからどうやってウェストの到着を知ったのか分かりませんが、まあ、そんなことはどうでもいいのです。早速突撃取材を敢行するドリューですが、あっさりと「いや、話すことはないから」といなされてしまうのが哀れ。

 ウェストはマロリー、アンと共に屋敷を調べるのですが、実験室はもぬけの殻。前述したように実験器具も持ち去られております。「逃げたな」と確信したウェスト、さっそく電話でルゴシの人相を伝えて緊急手配をかけたのでした。その頃モンクの運転する車で逃走中のルゴシ、ヒッチハイカーを見かけて「モンク、彼を乗せるのだ。きっと後から役に立つ」身代わりにするのだとすぐ分かります(笑)。しかしこれからの展開がヘン。ルゴシたちの車は突然現れた他の車に正面衝突しそうになり運転を誤って両車とも崖下に転落するのです。この事故の時、一瞬助手席のヒッチハイカーが消えてしまうのがオソマツ。編集のミスという奴ですね。その証拠に崖下に転落した車に再びヒッチハイカーの死体が現れるのです。

 ルゴシ、「よし、こいつの死体を身代わりにするのだ」でも、奥さんの目は誤魔化せないでしょと思っていたらさすがはルゴシさん、彼に秘策あり。彼は透明になって屋敷へ戻ると奥さんのバックの中に例のディスクを隠したのです。これで奥さんが失神すれば身元の確認ができなくなるという悪企みであります。しかし、そうは問屋が許さないじゃなかった卸さない、ルゴシの事故の知らせを受けて現場へボブ・ウェストの飛行機で急行することになった奥さん、機内でバックからディスクを発見してしまったのです。「あら、何かしら、ウェストさん」ボブ・ウェスト、これを後から調べようというのでコクピットに置いちゃった。そこに離陸直前に透明ルゴシが放り込んだ蜘蛛がはたはた近寄ってボンッ!パイロットのジムを失神させてしまったのです。

 たちまち急降下する飛行機。ボブは慌てて奥さんにパラシュートをつけようとしたのですが、物入れを開けると出てきたのがドリュー、「何だ、お前は」定石どおり忍び込んでいたのですねえ。ボブは先にこのじゃじゃ馬娘にパラシュートつけて飛行機から放り出します。次に奥さんを、というところで時間切れ。飛行機地上に叩きつけられてぐしゃりと潰れます。当然、ジム、アン、ボブの三人は即死!と思いきやボブは背広に焼け焦げ作っただけでぴんぴんしている。失神したアンとジムを飛行機から運び出すのでした。

 いや、絶対死んでますって、飛行機潰れたんだから(笑)。

 一方車で逃走中のルゴシ、モンクコンビ、降りてきたドリューから飛行機が落ちたことを知って現場へ駆けつけるのです。しかし奥さんは既に死亡。暗い怒りに顔面を歪ませるルゴシ、「くくく、妻を殺されたこの恨み、はらさでおくべきか」って原因はあんたや(大笑い)。まったくもう筋違いの怒りで接骨院へ行け、接骨院へと言いたくなりますな。しかも現場でルゴシ、ボブと遭遇するのですがボブ、まったく彼に気がつかない。ルゴシが逃走前に容貌の特徴であったヒゲをそり落としていること、交通事故で死んだと思われていたことを考えても、これはちょっと諜報部員として間抜けなんじゃないですかねえ。

 ルゴシ死すのニュースは敵国のスパイ組織にもキャッチされます。偽装されたスパイ組織の本部、「国際語学学校」オフィスから指令があちこちに発されたのです。

 さて、ルゴシ、ようやく彼の秘密中の秘密をモンクに明かします。それは彼がアフリカで命がけで採取してきたという「隕石のかけら」 ルゴシは隠し物入れから小さな箱を取り出します。「これは数世紀前にアフリカへ落ちたものだ。この隕石のかけらのスーパーパワーで世界を破壊できるぞ。そしてそのパワーをコントロールできるのは私だけなのだ」あんた、ロボットの時もコントロールが云々って言ってなかったか?

 ルゴシ、モンクに「いいか、絶対勝手にこの箱を持ち出してはいかんぞ」こんな言いつけが守られたためしはありません。案の定、ルゴシの留守中に箱をこっそり取り出したモンク、同時に出てきたメモを読んで見ますと「あそこのスパイはこれに大金を払うと言っていた」なんて書いてある。にやっとしたモンク、スパイに売りつけるために箱を持って逃げ出そうとします。しかしこの時偶然にもというか偶然にもほどがありますが(笑)ボブと失神からさめたジムが屋敷を調べにやってきた。当然鉢合わせとなり捕まってしまうモンクです。

 「よし、こいつを連行して歯を抜いたり目玉をくり抜いて後から塩を詰め込んだり肛門にとげとげのいっぱいついた太い棒をむりやり押し込んだりの苛烈な拷問を加えてルゴシの行方を白状させよう」と車を走らせるのですが、彼の持っていた小箱に目をつけたボブ、「こりゃいったいなんだ」蓋をちょっと開けてみたら、これに反応したのか周囲の送電塔からばちばちと火花が飛び散ります。この大電流にたまらず溶けて倒壊する送電塔。これを避けようとしたボブの車は崖下へ転落って同じやんか。おまけにまたジムが失神しているぞ。モンク、ボブがジムを介抱している隙を狙ってなんとか逃走に成功します。

 こうして苦労の末手に入れた小箱ですが、分析のためにマロリーの研究室へ預けたのがウンのつき。透明になったルゴシにあっさり奪い返されてしまったのです。

まんまと隕石を奪い返されたマロリー博士、ボブ・ウェスト達はついに「これはルゴシが生きているのではないか」と疑い始めたのでした。そのルゴシ、また地下秘密実験室に戻って悪巧み、今度は隕石のガスを利用して失神光線を発明します。まずガスを吸わせて後、光線銃で電撃をびびびと浴びせますと相手が失神してしまうという凄い秘密兵器。そうこうするうちにまたも屋敷を訪れるボブ・ウェスト、ルゴシ、にやりとしてこの失神光線を使って・・・と思いきや例のロボットを出動させるのです。

使えよ、失神光線。せっかく発明したんだから。

 ロボット、ボブ・ウェストに襲い掛かり彼をのしてしまいました。わははと笑うルゴシとモンクですがこの時ジムたちが助けにやってきた。ルゴシ、慌ててロボットを引っ込めて今度こそ失神光線を使おうとするのですが・・・、この隙にモンクが透明ベルト奪って逃げちゃった。ルゴシ、ジムたちをほったらかしにして彼を追いかけます。透明になって「わははは、ルゴシ、今まで散々俺をこき使いやがって、もうそれもおしまいだ」と逃げるモンクに失神光線をびびび。モンクあっさりと倒れ捕まってしまいます。しかし、ルゴシ、「この裏切りものめ」と怒っただけで、そのまま彼を許してしまうのです。こういう場合、裏切り者は秘密兵器の実験台となってそれはそれは惨たらしく殺されるのが当たり前と思うのですがねえ。

 この間、ボブ・ウェストはジムたちの手によってマロリー博士の研究所へ連れて行かれて手当てを受けるのです。

 さて、忘れてはならないのが国際語学学校のオフィスを秘密基地にしている某国のスパイ達。彼らはボスのジャーヴィス(エドワード・ヴァン・スローン)から隕石の探知機を渡されて大喜び。「これでルゴシの居場所を発見できますな!」まあ、何時の間に隕石のことを知ったのだと思いますが(笑)このへんもばっさりカットされているみたいですね。さっそく探知機を使ってルゴシを探すスパイたち。彼らはとあるアパートメントに隠れていた二人を発見。まんまと隕石を奪ってしまうのです。怒り狂ったルゴシ、実験室へ戻って透明ベルトを取ってくるとって、これくらいいつも持ち歩けば良いのですがね、奪還を誓うのでした。

 その頃アメリカ情報部はスパイたちの通信電波をキャッチ。国際語学学校が基地であることを突き止めます。電話で情報を伝えられたボブはさっそくドリューと共に車で急行。スパイたちも車で逃げ出すのですが、その車には透明になったルゴシが密かに乗り込んでいたのです。ここから開始されるカーチェイス。なかなかボブたちの車を振り切れないことに業を煮やしたスパイたち、車から降りて待ち伏せするのですが、あっさり返り討ちにあってボブに捕らえられてしまいましたとさ。

 ボブ、「やい、ジャーヴィス、隕石はどこだ」と激しく追及するのですが、この時透明になったままのルゴシが車を運転して逃げてしまったのです(笑)。

 またまた自宅地下の実験室に戻るルゴシ。しかしボブが陸軍部隊と共に急襲してきます。まあ、陸軍部隊と言ってもたった6人ですが(大笑い)。ルゴシはロボットを出動させて応戦します。ライフルもピストルの弾にも平気なロボット、陸軍部隊危うしかと思われたのですが、重機関銃で「何時までもお前の好き勝手にはさせん、正義は必ず勝つ!」と撃ちますとロボットあっさり大爆発(大爆笑)。な、なんじゃ、こりゃ。ルゴシとモンクはあたふたと逃げ出して空港へ。ここで整備員を殴り倒して複葉機を奪い大空へ飛び立ちます。

 「今こそ我が妻の復讐を果たす時」ルゴシはこう叫んで爆弾を次々と投下。だから奥さんが死んだのはあんたのせいだって。まずツェッペリン飛行船ヒンデンブルク号が大爆発。あの有名なニュースフィルムが流用されます。そして次の目標となったのは海上を航行している輸送船。これも大爆発して、ルゴシは「ワハハハハ、ワハハハハ、毎日こうだとこりゃ泣けてくる」と上機嫌。

 しかし良かったのはここまで。ボブ・ウェストの指揮する戦闘機部隊がルゴシとモンクを包囲します。しかし、ルゴシ、降伏するどころか「よーし、こうなりゃやけだ、モンク、自爆するぞ」だって。モンク、びっくりして、「おれ、そんなのイヤだ、死にたくない」モンクとルゴシ揉みあいとなります。これでコントロールを失った複葉機、そのまま地上へどかーん。

 ラスト、ウェストには勲章、そしてドリューは特ダネ記事を物にして、ハッピーエンドとなるのでした。

 モノクロ・スタンダード、モノラル音声。画質・音質ともにノイズだらけ。前述のようにヒアリングが大変でした。12枚のディスクに50本の映画を収めたNightmare Worlds 50 Movie Pack CollectionMill Creek EntertainmentのDVD。

           エロの冒険者 
       HOMEPAGE http://homepage3.nifty.com/housei/ 
      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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