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2008年3月 3日 (月)

『Creature with the Atom Brain』(1955)

 

Creature with the Atom Brain』(1955

 放射能を使って蘇らせたゾンビを使って復讐を企むギャングの物語。ゾンビは額に手術跡のメイクを施しただけで低予算もろばれですがそれでも面白い。やっぱり人間たるもの時にはこうやって面白いSF映画を見なければなりません。

 
  警告、警告、このDVDのリージョンは1です。したがって日本国内のDVDプレーヤーでは再生できません。警告、警告。

冒頭暗闇の中から心臓の鼓動音を響かせて登場する中年男性。はい、オープニングクレジット。これが終わると山道を走っている車。この車、どうやらカジノらしき建物の前で停止します。このカジノのボスはギャングのヘネシー。部下が彼のオフィスに現れて「ボス、今日の上がりは2万ドルっす。今日も大繁盛でさあ」ほくほく顔のヘネシーは金を受け取り金庫に納めるのでした。

 一方車から中年男性が現れ建物の入り口に向って歩き始めます。ぱっと場面が変わりまして映ったのがどこやらの実験室。背広姿の男がモニターテレビを見ながらマイクで「さあ、歩くのだ、歩くのだ」と中年男性に指示を送っている様子。傍らには白衣を着た科学者がおりましてなにやら機械装置を弄っております。一体彼らはどこの何者なのか。

 中年男性はオフィスに乱入。背広の男がマイクに向って叫びます。「ヘネシー、俺はブキャナンだ。姿かたちは違うが間違いなくブキャナンだ。戻ってきてお前ら皆殺しと言っただろう。約束を果たしに来たぞ」男の口から発せられた言葉を聞いて立ちすくむヘネシー。彼はピストルを乱射しますが中年男性には効きません。彼はヘネシーをがっと掴むと首やら背骨をごきがきばきべきへし折って殺害したのです。悲鳴を聞いて駆けつけてきた部下達もピストルを乱射しますがやはり効果なし。中年男性は頑丈な窓枠をへし折り外へ飛び出します。そのまま車に乗り込んでまんまと逃走したのでした。

 非常に満足げな実験室のブキャナン(ミッチェル・グレンジャー)。しかし白衣の科学者は浮かぬ顔をしております。「なんだ、スティグ博士、不満でもあるのか、私がこの研究のスポンサーになっていることを忘れるな。私の金がなければ今でもあんたは犬や猫を相手に実験するのがせいぜいだったのだぞ」スティグ博士(グレゴリー・ガイ)は首を振って「それは重々承知しておりますとも。でも私はこの研究を人類のために役立たせるつもりだった。危険な作業を彼らに肩代わりさせるつもりだった。でもあなたは逆に人を殺すばかりだ」「ヌハハハハ、これで終わりじゃないぞ、まだまだ殺すぞ、ヌハハハハハ」

 どうやらこのスティグ博士、人間をゾンビ化させる研究に成功したようです。その成果を金の力で意のままにしているのがこのブキャナンという図式らしい。

 さてその一方警察の捜査が開始されます。ヘネシー殺害事件現場に駆けつけてきたのが腕っこきの警察医チェット・ウォーカー博士(リチャード・デニング)。彼は同僚のディブ(S・ジョン・ランナー)と共に現場を調べまして奇妙なものを発見します。犯人は相当量の血を流していたのですが、この血痕が蛍光性のものだったという・・・。同じく窓枠から見つかった指紋も光っております。こりゃ奇妙だというのでサンプルを取って研究室へ持ち帰り調査しますと、この血痕からはヘモグロビンが検出されず明らかに科学的に合成されたものであることが判明したのです。しかもお約束でこの血にガイガーカウンターを近づけると激しい反応を示したのでした。チェットは驚いて「こりゃ、長時間の被曝はアブナイほどの放射能じゃないか」

 ということは犯人は放射能の力で超人的な力を得たモンスター?ということになってしまうのですが、この推論を聞かされた記者たち、「博士、そりゃ何のご冗談で」と薄笑いするだけ。そりゃ、こんな話信じる奴いません。

 しかし、この後さらに奇怪な事実が判明します。指紋を照合した結果、この人物というかモンスターは前科持ちの小悪党ウィラード・ピアース(カール・ディヴィス)であると分かったのですが、なんと24日前に死亡していたという・・・。ますます訳が分からなくなったチェットたち、手がかりを求めてヘネシーが秘書への指示を録音していたテープを聞くことになります。そのテープから聞こえてきた「戻ってきてみんな殺してやると言ったろう」という声にデイブは「むむ、なにやら聞き覚えがあるような・・・」まあ、結局この段階では思い出せないのですが。

 そうこうするうちに第二の殺人が!今度の犠牲者は地方検事のマクグロー(トリストラム・コフィン)でした。彼は外出のためガレージで車に乗り込んだところを第二のモンスターに襲われてやっぱり首や背骨をどてぽきぐしゃ。知らせを受けて駆けつけたチェットがガイガーカウンターを使いますとやっぱり車から強い放射能反応が出たのです。これを見た記者たち、びっくりして「昨日の話、冗談じゃなかったんスか。本当にそんな放射能怪物がいるのですか」おまけにモルグを調べていたデイブの部下から驚くべき報告が入ります。そこから八体の死体が盗まれているというのです。

 さっそくその夜のニュースでこの事件が放送されるのでした。ニュースキャスターは「警察医のチェット・ウォーカー博士は何者かが放射能で死人を蘇らせたと言っています。しかしそれにしてもギャングのヘネシーと地方検事の共通点というのは何なのでしょうか」この放送を見ていたブキャナンとスティグ博士(笑)。ブキャナンは「ウォーカーというのは危険だ。やっつけなくてはならん」と決意します。

 事態の容易ならぬことを知ったウォーカー、署長に頼んで市長(ピア・ウォートキン)、空軍のサウンダース将軍(レーン・シャンドラー)を呼び出して貰います。不審げな二人にファラデーの実験を例にとってゾンビの解説をするチェット。「ほら、切り離した蛙の足に電気を流したらぴくぴく動くでしょ」んー、これはガルバーニの実験では。「同じように死体に放射能を浴びせると生き返るのです」頭を捻る市長と将軍。いや、さすがにこの説明は駄目でしょう(笑)。チェットは将軍に「おたくの飛行機に測定装置をつけて放射能の大元を探してください」実験のことは良く分からなかったけど、こっちなら私の専門だということで将軍、「よし、すぐに手配しよう」

 チェット、ここで自宅に戻って奥さんのジョイス(アンジェラ・スティーブンス)の作ってくれたマーティニを飲んでくつろごうとしたのですが、そうは問屋が許さないじゃなかった卸さない。デイブがあたふたやってきましてヘネシーとマクグローの繋がりが分かったというのです。10年前ぶいぶい言わせていたギャングのブキャナンの部下がヘネシーで、彼は組織を我が物にするためにブキャナンを裏切ったのであります。彼と結託して裁判所に送り込んだのが当時地方検事に就任したばかりのマクグロー。裁判で国外追放を宣告されたブキャナン、激怒して立ち上がり、「俺はきっと戻ってくる。俺をこんな目に会わせた奴を皆殺しにしてやる」と叫んだのだそうな。

 しかもそのブキャナン、追放先であるローマで行方不明になっているそうな。こら、大変だ、チェットはせっかくのマーティニを奥さんに返し警察署にトンボ返り。

 当時の事件に関係していてブキャナンに狙われそうな人物を三人呼び出します。マクグローの次席検事であったレスター・バーニング(ドン・C・ハーベィ)、組織の計理士を務めていたジェイソン・フランコット(エドワード・コーチ)、殺し屋(笑)のドン(ポール・ホフマン)であります。チェットは警護のために彼らに牢屋へ入って貰おうと提案するのですがみんなあっさり断っちゃった。強制はできませんので、仕方なしに自宅で24時間警護するということになります。

 とここでブキャナンの行方を追っていたローマ警察から電報です。「ブキャナンの自宅は実験室に改造されていた。しかし6ヶ月前に破棄されておりその後の足取りは不明。実験室には犬や猫、猿の死体が残されていた。なお、ブキャナンにはドイツ人科学者スティグ博士がいた模様。彼もまた行方不明なり」これを読んだデイブ、暗い顔で「ウウーム、動物実験から始めたのか」だって。

 さて、牢屋入りを断ったレスター。彼の屋敷に警官に化けた第三の怪物=ゾンビが入り込み警護の警官もろともレスターを殺害します。こりゃぐずぐずしちゃいられない。チェットはサウンダース将軍をせっついて空軍による放射能捜索を急がせるのでした。飛んでくるP-80シューティングスターの編隊を実験室の窓から見上げるブキャナン。

捜索は地上でも行われております。たまたま買出しにやってきたステイグ博士、車体の上にアンテナを装備した陸軍の車両が町を行きかっているのを見て驚きバーに飛び込みます。あわててビールを頼んでごまかそうとしたのですが、どうやら陸軍の車両は博士に残留している放射能(?)を探知したらしい。バーの前で車が止まりガイガーカウンターを持った兵隊が降りてきたではありませんか。博士、いよいようろたえて半分も飲んでないビールを「あ、もういいから、勘定して頂戴、おつりいらないよ、じゃあ、ごちそうさま」と裏口から飛び出して逃げたのです。バーテンは「おほ、ビール一杯で10ドル札置いていったよ」とほくほくするのでありますが陸軍の兵隊が「今ここに座っていたお客がいるだろ、何か残していかなかったか」と聞かれしぶしぶ10ドル札を差し出すというギャグ。

 一方、チェットは市病院のケネス博士(ネルソン・ネイ)にステイグ博士のことを聞いております。科学者名鑑(笑)を取り出したケネス博士、「うーん、ウィルヘルム・スティグ 1893年ドイツのスタッガード生まれ。ベルリン大学で1948年に超短波による人体刺激の実験でハーマン賞を受賞しておりますな」チェットは目を白黒させて「その超短波云々というのはどういう技術なんですかね」「よし、同じような実験の記録フィルムがありますのでお見せしましょう」

偶然にもちゃんとこんな実験の記録フィルムがある。こういう心づかいが嬉しいですな(笑)。

 さて、八ミリ映画大会の始まり、始まり。映ったのは可愛らしいワンちゃん。頭から10数本電気コードが伸びている様が愛らしい。この電線に特定周波数の超短波を流して脳を刺激してやりますと、わんわんわん。別の周波数を流すとウーッと唸ります。さらに別の周波数にするととたんに眠ってしまうという・・・。これを見たチェット、「電気の変わりに放射線、そして犬の代わりに人間の死体を使われたとしたら」ケネス博士ははっとして「ひょっとして今起こっている事件はこれに関連があるのですか」

 スティグ博士はどうやら放射能を被曝しすぎておりしきりに手が痛い、痛いと訴えております。もうやめて逃げようと涙目になっているのですが、ブキャナンは「いや、残りの二人、ドンとフランコットを殺すまでは絶対やめないぞ。畜生、あのチェットのやつめ、早いところ始末しておくべきだった」多少ヤケになったブキャナン、次の手に移ります。ゾンビを使って警察署へ電話したのです。「あと2時間のうちに空、地上の捜索をやめろ。さもなければ総攻撃をかけて人々を殺しまくるぞ」あっという間に2時間が経過しまして(笑)ゾンビ軍団の攻撃開始。バスはひっくりこけるわ、列車は脱線するわ、飛行機や発電所が爆発するわ、だいたいゾンビの総数は8人ぐらいしかいないのにどうやったんだ(大笑い)。

 しかし捜索は続行されます。いや、捜索をやめるどころか戒厳令まで発令されちゃった。こら飛んだ薮蛇だあと焦ったブキャナン、戦法を変えてチェットを攫い残り二人の居場所を聞きだそうと考えます。善は急げということで早速警官ゾンビを使ってチェットの車を襲ったのですが、あにはからんや乗っていたのはデイブでした。車に乗っけてあったガイガーカウンター調整のために二人は車を交換していたのです。「なんだ、こいつか」とブキャナンはがっかりしますけれども、「まあ、こいつでも役に立たないことはない」ってんで、スティグ博士と二人でデイブ改造しちゃいました。

 改造デイブはチェットの家へ常日頃彼のことをデイブおじさんと呼んでしたっているチェットの娘ペニー(リンダ・ベネット)、今日が彼女の八歳の誕生日なものですからおじさんがお祝いに来てくれたと勘違い。「私はハリス警部である」というおかしな喋り方も氷のように冷たい手(笑)も気にやしません。ジョイスもまさか彼がゾンビになってブキャナンに操られているとは思わないですからチェットの居場所を聞かれて「あら、郡刑務所よ。ほらギャングに狙われている二人を匿っているとか言ってたわ」これを聞いたデイブ、ペニーに持っていてと預けられた彼女のお大事の人形をずたずたにして(笑)出て行きます。おじさんのこのいじわるに泣き喚くペニー。

 デイブは車で郡刑務所へ乗りつけ隠し持っていたナイフでドンとフランコットをずったんたんのぎったんたんにしてしまいましたとさ。

 凶行を終えて郡刑務所から逃げようとしたデイブ、ここで偶然チェットに会ってしまいます。チェットももちろん、彼がゾンビで今しがた二人を殺してきたなんて知りませんから「おーい、どこに行ってたんだよ、探していたんだぜ」と車に乗り込んでしまいます。デイブ、車をスタートさせたのですが、運転めちゃくちゃ。危うくトラックにぶつかりそうになります。チェットがびっくりして挙げた手がデイブの帽子を飛ばしちゃった。彼はデイブの額の無残な傷跡に気がついて「わあ、デイブ、床屋が下手糞だったのか」ってそんなボケはいりません(笑)。おまけに警察無線が「ドン、フランコット 郡刑務所にて殺害さる。容疑者はデイブ・ハリス警部。ウォーカー警部の車で逃走中」とがなりたてるではありませんか。こらあ、いかん、チェットはデイブをあっさりと見捨てて(笑)車から飛び降ります。デイブの車はそのままどこぞに激突。気を失ったデイブは市病院へ運び込まれます。

 彼の頭蓋内のレントゲン写真を撮影してみたチェットとケネス博士、縦横無尽に頭の中を駆け巡る電線を見て、ウワー、こりゃ凄いと驚いています。どうやらデイブを元に戻すことはできなさそう。そうこうするうちにデイブ、意識を取り戻して立ち上がると窓を破って逃げ出したのでした。チェットは彼がブキャナンたちのアジトに戻ろうとしているのだと直感。彼がパトカーを盗むのを見逃してその後を追うことにしたのです。パトカーを走らせるデイブ。ヘリコプターでその後をおうチェット。彼の指示でパトカー、白バイ、陸軍兵士が出動。

 デイブのパトカーはついにブキャナンたちのアジトである屋敷へ到着したのでした。これでステイグ博士は完全にびびってしまって、「もう駄目だ、逃げられない、降参しよう」ブキャナンはその博士の頭を鉄パイプでばこっ(大爆笑)。彼はマイクを取り上げると「みんな、出動だ、おまわりや兵隊などやっつけてしまえ」ぞろぞろと屋敷から出てくるゾンビ軍団の不気味悪さよ。

 繰り広げられるゾンビ軍団対警察、陸軍の戦い。ゾンビ達はピストルはおろかライフル銃、機関銃、手りゅう弾も意に介しません。しずしずと進んで手に触れるものを片っ端から投げ飛ばしております。たじたじとなる警察、陸軍。しかし、ここでチェットが妙案を思いついた。なおもある種の帰巣本能(笑)に突き動かされて屋敷の窓を破ったデイブの後を追ったのです。彼は中にいたブキャナンに襲い掛かります。くんずほぐれつの取っ組み合いとなったのですが、なんとチェット、ブキャナンに投げ飛ばされて失神しちゃった。しかしああ、なんということでしょう、デイブが代わりにブキャナンに襲い掛かったのです。生前の記憶がどこかに残っていたのでしょうか。ブキャナン、絞め殺されてしまいました。

 ようやく失神からさめたチェット。鉄パイプを取り上げ実験室の装置を片っ端から破壊します。飛び散る火花、巻き起こる白煙、これでついにゾンビ軍団はその活動をストップしたのでした。

 ラストはウォーカー家でのペニーの誕生日パーティ。チェットはデイブおじさんからのプレゼントだと言って新しい人形を彼女に渡します。「うわー、デイブおじさんはどこ、お礼を言わなくちゃ」というペニーにチェットは「デイブおじさんはお仕事でちょっと遠くに行っちゃった。なかなか戻ってこないよ」「だったらこの人形は女の子だけど、デイブって名前にするわ」このあたりでもう私は号泣ですよ(笑)。ペニーがケーキの蝋燭を吹き消したところでエンドマーク。

電極繋がれていた犬、あっという間に改造されたデイブ、さてどっちが可哀想だったでしょう。

モノクロ、スクイーズのワイド収録。画質はさすがHDリマスターで文句のつけようがありません。音声もレベルが高くこんなDVDならわたしゃ10億万枚買いたい。『The Giant Claw』『Creature with the Atom Brain』『Zombies of Mora Tau』『The Werewolf』が収録されたアイコンズ・オブ・ホラー コレクション。ソニーピクチャーズのDVD。 

 エロの冒険者 
       HOMEPAGE http://homepage3.nifty.com/housei/ 
      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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