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2008年3月 4日 (火)

『The Deadly Mantis』 1957年

 

The Deadly Mantis』 1957年(『死の大かまきり』と訳されることがありますが本邦未公開のため正式な邦題ではありません)

 本当に長いことDVD化を待っていた映画。ようやくDVDを手に入れて期待に胸を膨らませて見てみたら…、マア、それほどのことはなかったなと(笑)。巨大カマキリの造形がカッコ良かったからいいじゃないかと自分を無理やり納得させたという。

 警告、警告、このDVDのリージョンは1です。したがって日本国内のDVDプレーヤーでは再生できません。警告、警告。

冒頭ばーんと現れる世界地図。ナレーターが厳かに「ある出来事が予想もつかないような反応を生み出すことがある」すると南極近くの小島で火山が爆発。するってぇとこれがナレーションの通り思いがけない反応を生み出した。南極で爆発した火山がなぜか北極に影響を与え氷山が溶け出したのであります。割れて落ちる巨大な氷塊。この中にああ、あれはカマキリや、馬鹿でかいカマキリや。ここでタイトルがばーんと出ます。物凄くカッコいいです(笑)。

 オープニングクレジットが終了してからえんえんとアメリカの防衛レーダー網、平たく言えばロスケ撃退用、の説明。北極方面に三重のレーダー網が張り巡らされており絶対侵入を許さない体勢になっております。このへんレーダー基地建設のストックフッテージがずうっと使われており極めてお安く仕上がっていると推察されます。

 しかし、このレーダー網にまったく捉えられない敵がいました。ブーンと羽音を立てて飛んできたそれはレーダー監視所に襲い掛かって破壊してしまったのです。連絡が途絶えたことを知ったレーダー基地イーグル1の司令官、パークマン大佐(クレイグ・スチーブンス)。パイザー中佐(ポール・キャンベル)と調査に向ったのですが、そこで目にしたものはムチャクチャになった監視所の残骸と雪原に残された2本の長い溝だけでした。この後イーグル1のレーダーに何者かが反応、直ちにレッドアラートが発令されF-84G戦闘機が迎撃に向います。しかし目標を発見できず。むなしく帰還することになりました。

 しかしほどなくして第二の事件が発生します。飛行中の輸送機が襲われたのです。これを知ったレーダー基地イーグル1の司令官、パークマン大佐。パイザー中佐と調査に向ったのですが、そこで目にしたものはムチャクチャになった輸送機の残骸と雪原に残された2本の長い溝だけでしたってなんだか同じようなことをしておりますなあ(笑)。たったひとつ監視所と違っていたことは残骸から巨大な棘のようなものが見つかったこと。二人はこれを持ち帰りコンナッド(CONAD コンチネンタル・エア・ディフェンス・コマンド)へ報告します。司令官フォード将軍(ドナルド・ランドルフ)はこれをさらにペンタゴンへ送り科学者グループに分析を依頼したのでした。

 しかし米国の名だたる科学者陣を持ってしてもこの棘の正体は分かりません。「そりゃ困りましたなあ」と渋面を見せる将軍に科学者陣のリーダー ガンサー教授(フローレンツ・エイムス)が「ならばワシントンの自然歴史博物館のネドリック・ジャクソン博士に聞いてごらんなさい。どうやらこの棘の正体を調べるには古生物学者の知識が必要なようだ」

 ここでようやく主人公たるジャクソン(ウィリアム・ホッパー)が登場ですよ。その彼にくっついているのは博物館の編集委員マージ(アリックス・タルトン)、こっちはこの映画のヒロイン役であります。ジャクソンはペンタゴンに呼び出され例の棘を見せられます。彼はためつすがめつして「これは骨じゃないですねー。どうも外骨格のような気がするのですが」これを聞いたガンサー教授は「外骨格ってつまり虫のたぐいかね。わしゃゴキブリとかそういうのが大嫌いなんじゃ」どさくさに紛れて関係ないことを言っております(笑)。「嫌いでもその可能性が高いようです。ガンサー教授、この棘から体液とって分析してくれませんか」

 この結果、体液には赤血球が含まれてないことが判明します。これでこの棘は間違いなく巨大な昆虫のものであるということが判明したのです。

 博物館を訪ねたガンサー教授、ジャクソン、マージと共にこの昆虫の正体について激論を戦わせます。「しかしジャクソン君、巨大な昆虫ったって現在の地球にはそんなものはおらんよ」「巨大な昆虫ですよ、そんなの古生代のものに決まってます」そして大胆な仮説を展開するジャクソン。「これはきっと氷漬けになっていたのです。マンモスだって氷漬けになっていたじゃありませんか」「しかし、そのマンモスは死んでいたのだぞ」「いやいや、シベリア人に食われてなければきっとその後マンモスは生き返ったに違いありません!」そういうことはないと思うけれども(笑)。

 それで肝心の正体はというと「羽を持ち棘があってしかも肉食、これはカマキリですな」ということになりました。

 この後三度出現する巨大カマキリ。今度は全身をはっきり現してエスキモー村、ポリティカルコレクトでいくならばイヌイット村、を襲います。

 これは大変、早いところ調査をしなければならないということでイーグル1へ向うことになったジャクソン。マージもちゃっかりカメラウーマンとして同行しております。ところがイーグル1の兵士たち、長いこと女など見ておりませんから、やってきたマージにもう大はしゃぎ。ぴーぴー口笛を鳴らす馬鹿者までいる始末(笑)。

 そんな彼女は放っておいてパークマン大佐と輸送機の残骸を見に行くジャクソン。彼らの飛行機を谷から見上げる大カマキリという図がこれまた大変カッコ良い。その夜兵士達はマージ歓迎のダンスパーティ。レクレーションルームで踊り狂っております。そんな中基地にひたひた近づいてくる大カマキリ。

 大カマキリ、基地の窓から中を覗きます。覗き込んだ部屋の中ではジャクソンが計算尺片手に一心に研究しております。そこへ踊り疲れたマージとパークマン大佐が戻ってきた。窓からドアップで大カマキリの顔が見えているのにみんな全然気がつかず普通に会話しているこの間抜けさよ(大笑い)。ようやくマージが気がついて「ヒーッ」と魂消る悲鳴。これを合図に大カマキリは研究室の屋根を破壊します。命からがら逃げ出すみんな。大佐は直ちにマイクを取って「レッドアラートだ、みんな出撃せよ!」

 隊員たちがライフル銃や機関銃、果ては火炎放射器まで持って大かまきりに立ち向かいます。みんなぞろぞろ出てきた筈なのに実際戦っているのは僅か2名。ちょっとヘンですがまあ、あまり気にしないでください。機関銃、火炎放射を受けた大カマキリ、羽を広げてわっさわっさと飛び立ちます。

 大カマキリはその後海上で漁船を襲撃。船員二人を食べちゃった。その後飛行を続けどうやら北米大陸へ侵入を目論んでいるらしい。ジャクソンは言います。「彼は南下しています。もともとの生息域である南米を目指している。その温かい空気に引き寄せられているのです」そんなカマキリがなぜ北極くんだりで氷漬けになってたかって言うんですよ(笑)。ともあれ米国は大カマキリを警戒せねばならぬ。そこでフォード将軍がラジオ、テレビを通じて米国民に呼びかけたのであります。ひとしきり将軍が喋った後で交代したジャクソン。大カマキリの想像図と例の棘をテレビカメラに見せて「ごらんなさい、このカマキリはC-47より大きいのです。しかもこのカマキリは人ば食います。とにかく不審な飛行物体を見たら通報してください」

 この呼びかけに答えて空を見張る米国の人々。

 しかし実際に大カマキリを発見したのはこれまでの流れにまったく関係ない(笑)空母でした。迎撃命令が下され空母から飛び立つF-9パンサー戦闘機部隊。彼らは眼下を飛行する大カマキリに勇躍ロケット弾攻撃を敢行します。大カマキリはこの攻撃を嫌って降下雲海の中に姿を消すのでした。攻撃の効果を確認することも出来ずむなしく引き返すパンサー部隊。

 大カマキリは姿を消しますが全米各地から上がってくる不審な目撃情報を検証してみるとどうやらひたひたとワシントンに近づいている様子です。そして濃い霧の夜、ついにその姿を現した!大カマキリはまず列車や車を血祭りに。その後沿線バスを襲います。霧の中にぼんやりと浮かび上がる大カマキリのカッコいいこと。この現場に行き当たったのが何故か急速に仲良くなったマージとパークマン大佐。車の中でキスなんかしているという・・・(笑)。最初は単なる事故と思われたのですがマージとパークマンの乗った車が走り去ると例のスキッド跡が残されているという演出が憎い。

このヘンから映画の実質的な主人公はパークマン大佐となります。なんだか必要以上にややこしい映画です。

 大カマキリは首都ワシントンに侵入。なんとよりにもよってワシントンのシンボルとでもいうべきワシントン記念塔に取り付きます。これをやっつけるべく出撃したのがパークマン大佐率いるF-86Fセイバー部隊。と思ったら大カマキリいつの間にか飛び上がってやんの(笑)。フォード将軍の命令で周囲に配置された対空砲が火を噴きます。しかし大カマキリもただ撃たれているばっかりではありません。レーダー電波の下にもぐりこみまた姿を消してしまったのですと思ったら市民に見つかって通報されちゃった。これでようやくパークマン大佐のセイバー部隊対大カマキリの戦いになるという・・・。生意気なこというようですみませんけど、これちょっと段取り悪くありません?

 セイバー部隊はロケット弾攻撃を敢行します。あ、なぜかF86FセイバーがF86Dセイバードックに変わっちゃったぞ(笑)。しかしまったくひるまない大カマキリ。なんとセイバー部隊に向って体当たり。パークマン大佐機は大カマキリと正面衝突してしまったのです。直前になんとか脱出を果たしたパークマンでしたがまたも大カマキリを取り逃がしてしまったのです。大カマキリはその後どうなったのかというと誰にも姿を見られないくらいの早業でニューヨークに行きマンハッタントンネルに潜りこんだのだそうな。いや、空を飛んでいた大カマキリが次の場面ではマンハッタントンネルの中、これはなかなか大胆な編集ですな(笑)。

 それにパークマンとマージは恋仲になったのですから彼の墜落の連絡が入ってきてマージ、真っ青、しかしその後生存が確認されて一安心なんて場面があったとしてもおかしくないのですが。

 さていつの間にかトンネルの中に入っちゃった大カマキリをどうするか。まずフォード将軍は両側をビニールシートで閉鎖させ煙を送り込ませるのです。この煙を目隠しとして毒ガスを持った決死隊を送ろうという計画。この決死隊を率いるのがもちろんパークマン大佐。北極のレーダー基地にいたり戦闘機で戦ったりトンネルに入らされたり本当にいろいろやらされますな。彼を心配そうに送り出すのがマージとジャクソン。しかし、この時点でもう映画は残り10分を切っています。残されているのは大カマキリの最後だけです。だからあんまり心配することはないのです(笑)。

 防護服を着た決死隊、トンネルの中を進みカマキリ発見。直ちに毒ガス弾を投げつけます。二発投げつけたところで大カマキリ、ついに口から涎を垂らしつつ崩れ折れたのでした。

 ラスト、ジャクソン、将軍、マージ、パークマンが大カマキリの死体見物。マージが雑誌の表紙ためにカマキリの写真を撮影しようとします。するとその時カマキリの前足が動いた。マージ、危うし。これに気がついたパークマンが彼女を助けてキス。ジャクソンが「いや、これは単なる筋肉の反応で大カマキリはやっぱり死んでいるんだよ」と言ってキスしている二人の写真を撮影したところでエンドマーク。

最初の雰囲気は物凄くいいのに、主人公がいつの間にか入れ替わったり、盛り上がるべき後半で大カマキリが空を飛んでばっかりだったりと残念なことが多い映画でありました。

 モノクロ・スタンダード モノラル音声。画質はさほどでもなし。黒は沈んでおりますが解像度感がなく細かい部分が潰れてしまっています。音声は上出来。大カマキリの鳴き声がカッコいい!「クラシック・サイファイ・アルティメイト・セットVolume 2」(『The Deadly Mantis』『Dr. Cyclops』『Cult of the Cobra』『The Land Unknown』『The Leech Woman』を収録したボックスセット)。Volume1と同じくお洒落なアウターケースがついた豪華なボックスセット。こんなDVDセットならわたしゃ一兆万枚欲しい。英語字幕つき。ユニバーサルのDVD

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2008年3月 3日 (月)

『Creature with the Atom Brain』(1955)

 

Creature with the Atom Brain』(1955

 放射能を使って蘇らせたゾンビを使って復讐を企むギャングの物語。ゾンビは額に手術跡のメイクを施しただけで低予算もろばれですがそれでも面白い。やっぱり人間たるもの時にはこうやって面白いSF映画を見なければなりません。

 
  警告、警告、このDVDのリージョンは1です。したがって日本国内のDVDプレーヤーでは再生できません。警告、警告。

冒頭暗闇の中から心臓の鼓動音を響かせて登場する中年男性。はい、オープニングクレジット。これが終わると山道を走っている車。この車、どうやらカジノらしき建物の前で停止します。このカジノのボスはギャングのヘネシー。部下が彼のオフィスに現れて「ボス、今日の上がりは2万ドルっす。今日も大繁盛でさあ」ほくほく顔のヘネシーは金を受け取り金庫に納めるのでした。

 一方車から中年男性が現れ建物の入り口に向って歩き始めます。ぱっと場面が変わりまして映ったのがどこやらの実験室。背広姿の男がモニターテレビを見ながらマイクで「さあ、歩くのだ、歩くのだ」と中年男性に指示を送っている様子。傍らには白衣を着た科学者がおりましてなにやら機械装置を弄っております。一体彼らはどこの何者なのか。

 中年男性はオフィスに乱入。背広の男がマイクに向って叫びます。「ヘネシー、俺はブキャナンだ。姿かたちは違うが間違いなくブキャナンだ。戻ってきてお前ら皆殺しと言っただろう。約束を果たしに来たぞ」男の口から発せられた言葉を聞いて立ちすくむヘネシー。彼はピストルを乱射しますが中年男性には効きません。彼はヘネシーをがっと掴むと首やら背骨をごきがきばきべきへし折って殺害したのです。悲鳴を聞いて駆けつけてきた部下達もピストルを乱射しますがやはり効果なし。中年男性は頑丈な窓枠をへし折り外へ飛び出します。そのまま車に乗り込んでまんまと逃走したのでした。

 非常に満足げな実験室のブキャナン(ミッチェル・グレンジャー)。しかし白衣の科学者は浮かぬ顔をしております。「なんだ、スティグ博士、不満でもあるのか、私がこの研究のスポンサーになっていることを忘れるな。私の金がなければ今でもあんたは犬や猫を相手に実験するのがせいぜいだったのだぞ」スティグ博士(グレゴリー・ガイ)は首を振って「それは重々承知しておりますとも。でも私はこの研究を人類のために役立たせるつもりだった。危険な作業を彼らに肩代わりさせるつもりだった。でもあなたは逆に人を殺すばかりだ」「ヌハハハハ、これで終わりじゃないぞ、まだまだ殺すぞ、ヌハハハハハ」

 どうやらこのスティグ博士、人間をゾンビ化させる研究に成功したようです。その成果を金の力で意のままにしているのがこのブキャナンという図式らしい。

 さてその一方警察の捜査が開始されます。ヘネシー殺害事件現場に駆けつけてきたのが腕っこきの警察医チェット・ウォーカー博士(リチャード・デニング)。彼は同僚のディブ(S・ジョン・ランナー)と共に現場を調べまして奇妙なものを発見します。犯人は相当量の血を流していたのですが、この血痕が蛍光性のものだったという・・・。同じく窓枠から見つかった指紋も光っております。こりゃ奇妙だというのでサンプルを取って研究室へ持ち帰り調査しますと、この血痕からはヘモグロビンが検出されず明らかに科学的に合成されたものであることが判明したのです。しかもお約束でこの血にガイガーカウンターを近づけると激しい反応を示したのでした。チェットは驚いて「こりゃ、長時間の被曝はアブナイほどの放射能じゃないか」

 ということは犯人は放射能の力で超人的な力を得たモンスター?ということになってしまうのですが、この推論を聞かされた記者たち、「博士、そりゃ何のご冗談で」と薄笑いするだけ。そりゃ、こんな話信じる奴いません。

 しかし、この後さらに奇怪な事実が判明します。指紋を照合した結果、この人物というかモンスターは前科持ちの小悪党ウィラード・ピアース(カール・ディヴィス)であると分かったのですが、なんと24日前に死亡していたという・・・。ますます訳が分からなくなったチェットたち、手がかりを求めてヘネシーが秘書への指示を録音していたテープを聞くことになります。そのテープから聞こえてきた「戻ってきてみんな殺してやると言ったろう」という声にデイブは「むむ、なにやら聞き覚えがあるような・・・」まあ、結局この段階では思い出せないのですが。

 そうこうするうちに第二の殺人が!今度の犠牲者は地方検事のマクグロー(トリストラム・コフィン)でした。彼は外出のためガレージで車に乗り込んだところを第二のモンスターに襲われてやっぱり首や背骨をどてぽきぐしゃ。知らせを受けて駆けつけたチェットがガイガーカウンターを使いますとやっぱり車から強い放射能反応が出たのです。これを見た記者たち、びっくりして「昨日の話、冗談じゃなかったんスか。本当にそんな放射能怪物がいるのですか」おまけにモルグを調べていたデイブの部下から驚くべき報告が入ります。そこから八体の死体が盗まれているというのです。

 さっそくその夜のニュースでこの事件が放送されるのでした。ニュースキャスターは「警察医のチェット・ウォーカー博士は何者かが放射能で死人を蘇らせたと言っています。しかしそれにしてもギャングのヘネシーと地方検事の共通点というのは何なのでしょうか」この放送を見ていたブキャナンとスティグ博士(笑)。ブキャナンは「ウォーカーというのは危険だ。やっつけなくてはならん」と決意します。

 事態の容易ならぬことを知ったウォーカー、署長に頼んで市長(ピア・ウォートキン)、空軍のサウンダース将軍(レーン・シャンドラー)を呼び出して貰います。不審げな二人にファラデーの実験を例にとってゾンビの解説をするチェット。「ほら、切り離した蛙の足に電気を流したらぴくぴく動くでしょ」んー、これはガルバーニの実験では。「同じように死体に放射能を浴びせると生き返るのです」頭を捻る市長と将軍。いや、さすがにこの説明は駄目でしょう(笑)。チェットは将軍に「おたくの飛行機に測定装置をつけて放射能の大元を探してください」実験のことは良く分からなかったけど、こっちなら私の専門だということで将軍、「よし、すぐに手配しよう」

 チェット、ここで自宅に戻って奥さんのジョイス(アンジェラ・スティーブンス)の作ってくれたマーティニを飲んでくつろごうとしたのですが、そうは問屋が許さないじゃなかった卸さない。デイブがあたふたやってきましてヘネシーとマクグローの繋がりが分かったというのです。10年前ぶいぶい言わせていたギャングのブキャナンの部下がヘネシーで、彼は組織を我が物にするためにブキャナンを裏切ったのであります。彼と結託して裁判所に送り込んだのが当時地方検事に就任したばかりのマクグロー。裁判で国外追放を宣告されたブキャナン、激怒して立ち上がり、「俺はきっと戻ってくる。俺をこんな目に会わせた奴を皆殺しにしてやる」と叫んだのだそうな。

 しかもそのブキャナン、追放先であるローマで行方不明になっているそうな。こら、大変だ、チェットはせっかくのマーティニを奥さんに返し警察署にトンボ返り。

 当時の事件に関係していてブキャナンに狙われそうな人物を三人呼び出します。マクグローの次席検事であったレスター・バーニング(ドン・C・ハーベィ)、組織の計理士を務めていたジェイソン・フランコット(エドワード・コーチ)、殺し屋(笑)のドン(ポール・ホフマン)であります。チェットは警護のために彼らに牢屋へ入って貰おうと提案するのですがみんなあっさり断っちゃった。強制はできませんので、仕方なしに自宅で24時間警護するということになります。

 とここでブキャナンの行方を追っていたローマ警察から電報です。「ブキャナンの自宅は実験室に改造されていた。しかし6ヶ月前に破棄されておりその後の足取りは不明。実験室には犬や猫、猿の死体が残されていた。なお、ブキャナンにはドイツ人科学者スティグ博士がいた模様。彼もまた行方不明なり」これを読んだデイブ、暗い顔で「ウウーム、動物実験から始めたのか」だって。

 さて、牢屋入りを断ったレスター。彼の屋敷に警官に化けた第三の怪物=ゾンビが入り込み警護の警官もろともレスターを殺害します。こりゃぐずぐずしちゃいられない。チェットはサウンダース将軍をせっついて空軍による放射能捜索を急がせるのでした。飛んでくるP-80シューティングスターの編隊を実験室の窓から見上げるブキャナン。

捜索は地上でも行われております。たまたま買出しにやってきたステイグ博士、車体の上にアンテナを装備した陸軍の車両が町を行きかっているのを見て驚きバーに飛び込みます。あわててビールを頼んでごまかそうとしたのですが、どうやら陸軍の車両は博士に残留している放射能(?)を探知したらしい。バーの前で車が止まりガイガーカウンターを持った兵隊が降りてきたではありませんか。博士、いよいようろたえて半分も飲んでないビールを「あ、もういいから、勘定して頂戴、おつりいらないよ、じゃあ、ごちそうさま」と裏口から飛び出して逃げたのです。バーテンは「おほ、ビール一杯で10ドル札置いていったよ」とほくほくするのでありますが陸軍の兵隊が「今ここに座っていたお客がいるだろ、何か残していかなかったか」と聞かれしぶしぶ10ドル札を差し出すというギャグ。

 一方、チェットは市病院のケネス博士(ネルソン・ネイ)にステイグ博士のことを聞いております。科学者名鑑(笑)を取り出したケネス博士、「うーん、ウィルヘルム・スティグ 1893年ドイツのスタッガード生まれ。ベルリン大学で1948年に超短波による人体刺激の実験でハーマン賞を受賞しておりますな」チェットは目を白黒させて「その超短波云々というのはどういう技術なんですかね」「よし、同じような実験の記録フィルムがありますのでお見せしましょう」

偶然にもちゃんとこんな実験の記録フィルムがある。こういう心づかいが嬉しいですな(笑)。

 さて、八ミリ映画大会の始まり、始まり。映ったのは可愛らしいワンちゃん。頭から10数本電気コードが伸びている様が愛らしい。この電線に特定周波数の超短波を流して脳を刺激してやりますと、わんわんわん。別の周波数を流すとウーッと唸ります。さらに別の周波数にするととたんに眠ってしまうという・・・。これを見たチェット、「電気の変わりに放射線、そして犬の代わりに人間の死体を使われたとしたら」ケネス博士ははっとして「ひょっとして今起こっている事件はこれに関連があるのですか」

 スティグ博士はどうやら放射能を被曝しすぎておりしきりに手が痛い、痛いと訴えております。もうやめて逃げようと涙目になっているのですが、ブキャナンは「いや、残りの二人、ドンとフランコットを殺すまでは絶対やめないぞ。畜生、あのチェットのやつめ、早いところ始末しておくべきだった」多少ヤケになったブキャナン、次の手に移ります。ゾンビを使って警察署へ電話したのです。「あと2時間のうちに空、地上の捜索をやめろ。さもなければ総攻撃をかけて人々を殺しまくるぞ」あっという間に2時間が経過しまして(笑)ゾンビ軍団の攻撃開始。バスはひっくりこけるわ、列車は脱線するわ、飛行機や発電所が爆発するわ、だいたいゾンビの総数は8人ぐらいしかいないのにどうやったんだ(大笑い)。

 しかし捜索は続行されます。いや、捜索をやめるどころか戒厳令まで発令されちゃった。こら飛んだ薮蛇だあと焦ったブキャナン、戦法を変えてチェットを攫い残り二人の居場所を聞きだそうと考えます。善は急げということで早速警官ゾンビを使ってチェットの車を襲ったのですが、あにはからんや乗っていたのはデイブでした。車に乗っけてあったガイガーカウンター調整のために二人は車を交換していたのです。「なんだ、こいつか」とブキャナンはがっかりしますけれども、「まあ、こいつでも役に立たないことはない」ってんで、スティグ博士と二人でデイブ改造しちゃいました。

 改造デイブはチェットの家へ常日頃彼のことをデイブおじさんと呼んでしたっているチェットの娘ペニー(リンダ・ベネット)、今日が彼女の八歳の誕生日なものですからおじさんがお祝いに来てくれたと勘違い。「私はハリス警部である」というおかしな喋り方も氷のように冷たい手(笑)も気にやしません。ジョイスもまさか彼がゾンビになってブキャナンに操られているとは思わないですからチェットの居場所を聞かれて「あら、郡刑務所よ。ほらギャングに狙われている二人を匿っているとか言ってたわ」これを聞いたデイブ、ペニーに持っていてと預けられた彼女のお大事の人形をずたずたにして(笑)出て行きます。おじさんのこのいじわるに泣き喚くペニー。

 デイブは車で郡刑務所へ乗りつけ隠し持っていたナイフでドンとフランコットをずったんたんのぎったんたんにしてしまいましたとさ。

 凶行を終えて郡刑務所から逃げようとしたデイブ、ここで偶然チェットに会ってしまいます。チェットももちろん、彼がゾンビで今しがた二人を殺してきたなんて知りませんから「おーい、どこに行ってたんだよ、探していたんだぜ」と車に乗り込んでしまいます。デイブ、車をスタートさせたのですが、運転めちゃくちゃ。危うくトラックにぶつかりそうになります。チェットがびっくりして挙げた手がデイブの帽子を飛ばしちゃった。彼はデイブの額の無残な傷跡に気がついて「わあ、デイブ、床屋が下手糞だったのか」ってそんなボケはいりません(笑)。おまけに警察無線が「ドン、フランコット 郡刑務所にて殺害さる。容疑者はデイブ・ハリス警部。ウォーカー警部の車で逃走中」とがなりたてるではありませんか。こらあ、いかん、チェットはデイブをあっさりと見捨てて(笑)車から飛び降ります。デイブの車はそのままどこぞに激突。気を失ったデイブは市病院へ運び込まれます。

 彼の頭蓋内のレントゲン写真を撮影してみたチェットとケネス博士、縦横無尽に頭の中を駆け巡る電線を見て、ウワー、こりゃ凄いと驚いています。どうやらデイブを元に戻すことはできなさそう。そうこうするうちにデイブ、意識を取り戻して立ち上がると窓を破って逃げ出したのでした。チェットは彼がブキャナンたちのアジトに戻ろうとしているのだと直感。彼がパトカーを盗むのを見逃してその後を追うことにしたのです。パトカーを走らせるデイブ。ヘリコプターでその後をおうチェット。彼の指示でパトカー、白バイ、陸軍兵士が出動。

 デイブのパトカーはついにブキャナンたちのアジトである屋敷へ到着したのでした。これでステイグ博士は完全にびびってしまって、「もう駄目だ、逃げられない、降参しよう」ブキャナンはその博士の頭を鉄パイプでばこっ(大爆笑)。彼はマイクを取り上げると「みんな、出動だ、おまわりや兵隊などやっつけてしまえ」ぞろぞろと屋敷から出てくるゾンビ軍団の不気味悪さよ。

 繰り広げられるゾンビ軍団対警察、陸軍の戦い。ゾンビ達はピストルはおろかライフル銃、機関銃、手りゅう弾も意に介しません。しずしずと進んで手に触れるものを片っ端から投げ飛ばしております。たじたじとなる警察、陸軍。しかし、ここでチェットが妙案を思いついた。なおもある種の帰巣本能(笑)に突き動かされて屋敷の窓を破ったデイブの後を追ったのです。彼は中にいたブキャナンに襲い掛かります。くんずほぐれつの取っ組み合いとなったのですが、なんとチェット、ブキャナンに投げ飛ばされて失神しちゃった。しかしああ、なんということでしょう、デイブが代わりにブキャナンに襲い掛かったのです。生前の記憶がどこかに残っていたのでしょうか。ブキャナン、絞め殺されてしまいました。

 ようやく失神からさめたチェット。鉄パイプを取り上げ実験室の装置を片っ端から破壊します。飛び散る火花、巻き起こる白煙、これでついにゾンビ軍団はその活動をストップしたのでした。

 ラストはウォーカー家でのペニーの誕生日パーティ。チェットはデイブおじさんからのプレゼントだと言って新しい人形を彼女に渡します。「うわー、デイブおじさんはどこ、お礼を言わなくちゃ」というペニーにチェットは「デイブおじさんはお仕事でちょっと遠くに行っちゃった。なかなか戻ってこないよ」「だったらこの人形は女の子だけど、デイブって名前にするわ」このあたりでもう私は号泣ですよ(笑)。ペニーがケーキの蝋燭を吹き消したところでエンドマーク。

電極繋がれていた犬、あっという間に改造されたデイブ、さてどっちが可哀想だったでしょう。

モノクロ、スクイーズのワイド収録。画質はさすがHDリマスターで文句のつけようがありません。音声もレベルが高くこんなDVDならわたしゃ10億万枚買いたい。『The Giant Claw』『Creature with the Atom Brain』『Zombies of Mora Tau』『The Werewolf』が収録されたアイコンズ・オブ・ホラー コレクション。ソニーピクチャーズのDVD。 

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2008年3月 2日 (日)

『ドリラー・キラー マンハッタンの連続猟奇殺人』(『The Driller Killer』  1979)

 

『ドリラー・キラー マンハッタンの連続猟奇殺人』(『The Driller Killer  1979)

冒頭いきなり「この映画はできるだけ大きな音でお楽しみ下さい」という文字。こんながびがびでノイズだらけの音質なのに大きな音で聞いたら耳が悪くなるわっと軽くツッコンでから本編が始まります。

いきなり教会にいる主人公レノ・ミラー(アベル・フェラーラ)、彼は最前列に座ってぶつぶつ何事か呟いている白髪の老人(ジェームズ・オハラ)を興味深そうに観察しております。顔がくっつかんほどに近づいて老人の顔をじっと見ている。ん、なんだ、なんだ、何が起こっているのかと思ったら突然老人がミラーの手を掴んだ。驚いて「ぎゃっ」と叫んだミラー、「おっさん、ホモか、実際かなわんでー」逃げ出します。その彼を追ったのが恋人第一号であるキャロル(キャロライン・マーツ)、「ちょっと待ってよ、あの人、アンタの名前と電話番号書いた紙持ってはったんよ。あの人、あんたのお父さんと違うの?」「んな訳あるかい、ありゃただの浮浪者じゃ」

 たしかに名前と住所の書いた紙を持っていたらお父さんという理屈は分かりませんね(笑)。しかもこの人物の登場はここだけ。伏線でもないの。

 さて、このミラー、売れない画家であります。マンハッタンのアパートメントにアトリエ構え(生意気に)、二人の女、さっきのキャロルとパメラ(ベイビィ・ディ)と同棲中(生意気に)。でもこの人あんまり仕事しません。一応画廊から注文受けて製作中の「バッファロー」の絵があるのですが、これが遅れに遅れております。ミラー、「あと一週間で完成させますねん」「絵の具代が足りまへんわー」とか何かと口実をつけて画廊からお金を借りているのですが、さすがに限界。画廊の主人に「もう一銭も貸せんわ。金が欲しかったら絵を完成させんかい」と怒られてしまったのです。

 また二人の女は有体に言って少し馬鹿。電話代気にせずに全米各地へ長距離電話を掛け捲るものですから、月々の電話代がえらいことに。請求書を見たミラー、かんかんになって「うきいい、もう電話なんかいらへんわー」窓から投げ捨ててしまうという・・・。

 当然家賃も溜まりがち。管理人にやいのやいのと催促されております。とは言ってもミラーにはまったくお金がありません。仕方ないのでキャロルが別れた前夫から送られてきた慰謝料で払っているという有様。あー、やな貧乏暮らしですよう。そんな状況になってもミラーはのほほんとしております。路上で浮浪者を観察したり、アパートメントの屋上から双眼鏡で突然起こった殺人事件を観察したり、ひたすらぼけっとしております。ちなみにこの映画に出てくる浮浪者の人たちはみな本物のようです(笑)。嫌なリアリティがあります。

 さて、ある日アパートメントの一室を借りた男女のグループ。これがイカレバンドのメンバーでそこをスタジオ代わりにして夜昼なくバンドの練習。しかもど下手(笑)。久しぶりに仕事始めたミラーはあっという間にその騒音にノックアウトされて絵筆を放り出してしまいます。この後、部屋でテレビを見るミラー、キャロル、パメラ、「ずどどずぎゃぎゃんぎゅいぎゅいん」のバンド練習、これが延々繰り返されるという…。途中でパメラ、キャロルのレズシャワーなんてサービスシーンが入りますけど、もうこの映画見るのがつらくってつらくって仕方ないです。

 絶え間ない騒音、進まない仕事、これらのストレスであっという間に精神に変調をきたすミラー。素質十分とは言えあまりに簡単に狂いますなー。彼はこれから頻繁に幻覚・幻聴を見るようになります。

 ついにミラー、管理人に文句。「あの下手糞なバンド、なんとかせんかい、昼も夜もずどどずぎゃぎゃんぎゅいぎゅいんやで、こっちの頭どないかなってしまうやないかあほんだら、注意せんかい、注意」しかし管理人は人事のように「それ、わての仕事じゃないもん」いや、仕事だ、仕事だ、五月蝿い入居人に管理人が注意しなくてどうする(笑)。それでもミラーがあんまり怒っているので「分かったわ、一応注意しておくわ」どうせ注意などしやせんのです。このスーダラ管理人は。その代わりといっちゃなんですが唐突に「ミラーはん、あんたこれ持っていきなはれ。わてが皮剥いだウサギや。焼いて食うと美味いで」だからなんでいきなりウサギが出てくるんだよ(大笑い)。

 ミラー驚きもせずそのウサギをもって帰ります。そして自分で捌き始めたのですが、途中で狂気に捕らわれずぶずぶとウサギ肉を包丁で滅多刺し。うーん、なんだろうなあ、これは。相変わらず幻聴・幻覚に悩まされるし、後はいつ人を殺すか時間の問題ですな。

 と思ったら次の場面でもう浮浪者襲っているよ。テレビのCMで見て買ってきたバッテリーに電動ドリル繋いで浮浪者穴だらけにしちゃったよ。

 延々練習をしていたバンド、ようやくあるクラブでデビューすることになりました。彼らからチケット貰っていたのでいそいそと出かけていくパメラとキャロル。一方ミラーは完全にキチガイになっていて、自分が描いている絵「バッファロー」に「やい、何睨んでんねん、生意気抜かしよると口に手を突っ込んで奥歯ァがたがた言わせたるで」と喧嘩売っているという・・・(笑)。しかもそのすぐ後に今度は「あー、あかん、わてえらいこと言うてしもうた、勘弁してくれやー」と謝っております。もう完全にキチガイであります。

 ミラーもバンドのプレイを見に行くのですが「あかん、五月蝿いわ、耳がんがんするわ」とぶつぶつ言ってパメラやキャロルを呆れさせるばかり。と、次の場面になるといきなりドリル持って外にいるという・・・。彼はそのまま地下鉄の駅へ。何のつもりか手持ちカメラになって画面が揺れたり回ったり見づらいったらありません。あ、柱の影に浮浪者が寝ているぞ、これが次の犠牲者になるに違いないと思ったらミラー、何にもせずに外へでてしまうのです。

 今夜は殺人なしか、このまま帰って屁ぇこいて寝るのかと思いきや、ミラー、ぐでんぐでんの酔っ払い浮浪者を発見します。浮浪者は何しろ酔っ払っているものですからこの夜中に電動ドリル持って立っている若者をさして不思議と思わずに「よぉ、なんや兄ちゃん、しけた顔してんなあ、彼女にでもふられたんやな、あはははずぎゃー」ミラーのドリルが浮浪者の腹をえぐります。ばったり倒れて絶命する浮浪者。さあ、次の獲物はどいつだ。ふらふら歩き回るミラー。

 ここで場面はバス停留所へ。一人頭のいかれた若いのが一人いまして、バスを待っている人々の後ろでウハハハハーと笑ったりギャーっと叫んだり。並んでいる人、みんなどん引き。目を合わせない様にしているのがおかしい(笑)。やっとバスが来ました。ほっとした人々が乗り込んで後に残ったのはいかれた若いの一人、「ウハハハハー、誰もいなくなっちゃった、おーい、みんなどこへ行ったげぁー」背中にミラーのドリルが炸裂します。この後ミラーはさらに二人の浮浪者は殺害。大変良い調子であります。

 5人目の犠牲者は寝ていた浮浪者。「うーん、むにゃむにゃ、もう食べられませんよおどひー」背中にミラーのドリルが炸裂。ぴぴぴと痙攣して絶命するうっかり八兵衛みたいな浮浪者。

 さて、翌朝、浮浪者連続殺人事件の新聞記事を読み上げるキャロル。これがどうもカンに触ったらしくミラーが突然怒り出します。「なんだと、このアマー、わいに何か言いたいことあるんかい、いてまうど、この」文字に出来ないような汚い言葉を吐き散らすという・・・。その後宅配ピザとって食事始めるのですが、この時もミラー、突然激怒し、またまた文字にできないような言葉をキャロルに叫ぶのです。これで怒ったキャロル、ばーんと飛び出してしまいます。そして前夫のスティーブンスに電話をするのでした。

 さて、バンドのリーダー、トニーがパメラを探してミラーの部屋にやってきます。彼は部屋中に飾られたミラーの絵を見て「おう、兄ちゃん、わての肖像画も描いてくれや、500ドル出すわ」ミラー、この申し出に飛びつきましてそれから延々と彼の肖像画に取り組むのです。しかしトニーは所詮トニーですからモデルになっている時もまったく落ち着きがない。あっという間に半裸になってギターを弾き出す始末。いやいや、それどころか一心不乱に絵を描いているミラーに丸見えの状態でパメラとヤッたりするのです。

 この時非常階段にいた浮浪者。五月蝿く響くトニーのギターに「眠られへんわ!」と大激怒。酒をぐびぐび煽りながら七転八倒しております。挙句に非常階段上がって窓のところから「ええかげんにせんかい、ぎゅわんぎゅわんすごごごって今一体何時やと思うてんねん」これがどうやらトニーを怒らせたらしい。トニー、突如非常階段に出現。浮浪者の両手を壁に釘付けにして(画質が悪くってどうやって釘付けにしたのか良く分からないのです)ドリルで穴だらけ。

 そうこうするうちにようやくバッファローの絵が完成。いや、私はミラーがこの絵を進めている場面を見てないのですが(笑)、彼はいつの間にか戻ってきたキャロルと共に画廊の主人、ブリックスをアパートメントに招いてバッファローを見て貰ったのであります。しかしなんとしたことか、ブリックス、絵を見るなり「な、なんじゃ、これはただのバッファローやないかい、こんなん買われるかい、お前、アホか、こんなん尻拭きにもならんで」この絵さえ売れれば大金が入って経済的な苦境から抜け出せる、こう信じていたミラーは大ショック。キャロルも絶望して「わて、もうスティーブンスのところへ戻るわ。もうあんたみたいな甲斐性なしはお断りや」止めるミラーを振り切って出ていってしまったのです。

 はい、これでミラーは絶望的に狂ってしまいました。彼は真夜中だというのにブリックスを「見せたいものがありますねん」と電話して呼び出しもちろん、ドリルで穴だらけに。ついでにバンドの練習から戻ってきたパメラも同じく穴だらけに。

 この後、スティーブンスといちゃつくキャロル。ねちっこくキスして「うち、シャワー浴びてくるわ」残されたスティーブンスは台所でお茶の用意なんかしているのですが、はい、出ましたミラー、ドリルでやっぱり彼を穴だらけ。何も知らずにシャワーから出てきたキャロル、「お茶の用意をしておくから」と言っていたスティーブンスの言葉をぜんぜん覚えていないらしくまっすぐ寝室へ(笑)。この時突然画面が真っ赤になります。こ、これはひょっとして電気を消したという表現なのでしょうか。この真っ赤な画面から聞こえてくるキャロルの声、「ねえ、スティーブンス、こっちへ来て」

 はい、エンドマーク。もう訳わからんわ。

 カラー・スタンダード モノラル音声。画質は最悪。とにかく暗いところが丸つぶれで何やっているのかわかりません。ラスト唐突に画面が真っ赤になるのにも驚かされました。音質は前述のごとくがびがびでノイズだらけ。もう堪忍して!国内盤 日本語字幕付。レトロムービーコレクション 有限会社フォワードのDVD

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『ター博士の拷問地下牢』(『Edgar Allan Poe: Dr. Tarr's Torture Dungeon』 1973年)

 

『ター博士の拷問地下牢』(『Edgar Allan Poe: Dr. Tarr's Torture Dungeon』 1973年)

オープニングは森を走る馬車。特殊効果のつもりか白黒反転させて時折画面が赤くなるものですから見づらくって敵いません。そのまま場面は変な男女がいっぱいいる精神病院みたいなところに変わるのですが、やっぱりこの特殊効果のおかげで何が何だか良く分かりません。頭っから見るものを不愉快にさせてくれます(笑)。オープニングクレジットがようやく終わって普通のカラー画面になりました。

 ここから延々続く主人公ガストン(アーサー・ハンセル)のモノローグ。ここはフランス郊外、私の生まれ故郷だ。私の両親は私が幼い時不可解な死を遂げた。それで私は家庭教師に連れられてアメリカへ渡ったのだ。私の父は母の死について彼女の親戚から責め立てられ精神病院に幽閉されたらしい。彼は数年後にそこで死んだ」なんだか良く分からない話ですが、要するに頭のおかしくなった父が母を殺したとかそういうことなのですかね。首を傾げている私に構わずなおもモノローグを続ける主人公。「私はジャーナリストになった。私はメイヤール博士(クラウディオ・ブルック)の精神病院と彼の考案した治療法について取材するためにここへ戻ってきたのだ。私は級友であるジュリアン(マーティン・ラサリー)に博士を紹介してもらうべく同行して貰ったのだ」

 ジュリアンは彼の従姉妹であるブランシェ(モニカ・セルナ)を伴っていたのでこの奇妙な取材行に参加しているのは三人ということになります。

 がらごろと進む馬車。途中道を塞いでいた倒木を御者(ジョージ・べクリス)が怪力を振るってどかしたのでガストンとジュリアンが「おー、凄い力だ」と感心する場面があるのですが、どうもこれは後の展開にまったく関係ないらしい(笑)。そしてようやくメイヤール博士の精神病院に到着しました。しかしなんとしかことか、18世紀のフランス人兵士に扮した患者が門を警備しており、中に入れてくれません。ジュリアンが「おい、僕は博士の友達なんだぞ」と言っても聞く耳持たず。逆にマスケット銃で狙われる始末。押し問答の末、兵士の上司らしき人物が登場、ジュリアンを認めてやっと中へ入れてくれたのでした。

 馬車の中で「最初からこんなことでは先が思いやられるな、やっぱり○チガ○は困る」と呟くガストン。

 さあ、これからメイヤール博士に会って取材させて貰うのだと張り切るガストンでしたが、あいにくなことにブランシェの具合が悪くなってしまいました。ジュリアンは「君、僕の名刺を上げるから一人で行ってくれたまえ」ガストンを降ろすと馬車で引き返してしまうのです。ガストンは憮然としますが今更帰る訳にもいきません。取材をしなければ釜の蓋が開かなくなってしまいます。

 ここでメイヤール博士がようやく登場。彼はガストンが差し出した名刺を見て「おお、ジュリアンのご友人なら私の友人と同じ。歓迎しますぞ」取材申し込みも快くOKが出ましてホッとするガストンであります。博士はガストンにハープを弾いている美しい女性を紹介します。「これは私の姪 ユージーン(エレン・シャーマン)です」ガストン、思いもかけないところで美女に会ったので目を皿のようにして彼女を見つめております(笑)。ユージーンもその視線がまんざらでもないらしく、彼女もまたガストンを見つめ返すという・・・。西川きよし師匠、三枝師匠がいたら「一目あったその日から恋に花咲くこともある。パンチDEデート!」って叫ぶところですよ。

 その後ようやく精神病院内の見学が始まります。メイヤール博士の新療法とは要するに患者に音楽だの、読書だの、運動だのをさせようというもので、大元を作ったのがター博士、それを改定したのがメイヤール博士、協力したのがフェザー教授ということらしい。良く分かりませんが、とりあえず博士の後をついていくガストンです。

 さすがに精神病院だけあってさまざまなタイプの○ガイ○が登場します。水を入れた空き缶に釣り糸を垂れている男あり、思わずガストンが「釣れますか」と尋ねると男は振り向いて「馬鹿言っちゃいけない、こんなところに魚がいる訳ないだろう」 遠くの山をぼんやり見ている患者がいてガストンが思わず「何を見ているのですか」と尋ねるとその患者は「あの山のむこうには山くじらが住んでいて11回湖に泳ぎに行くのです」これを聞いたメイヤール博士、「うむ、君は確実に良くなっている。一週間前はあの山で山くじらと山たこが結婚してパーティが3日続いたなんて非常識なことを言っていたからなあ」首をかしげるガストン。

 定番の精神病院ギャグでございます。

 鶏男だって登場します。クワックワッと鳴きながら博士の与える餌を貪る鶏男。ガストン内心「やっぱり○ガイ○はしょうがないなあ」と思っているという・・(笑)。一方、具合の悪くなったブランシェのせいで引き返したジュリアンたちの馬車ですが、突然現れた兵士達に襲われます。みんな馬車から引きずり降ろされて、あ、ブランシェが服脱がされておっぱい見えた!ジュリアン、ブランシェ、御者の三人は捕まって縛られてしまいます。兵士達は大喜びで酒盛りを開始。この時ジュリアンが隙を見て逃げ出します。両手両足を縛られていますから走ることなどもちろんできず、ぴょんぴょんと飛んで逃げるのです。ひょっとしてこれギャグのつもり?

 依然として続いているメイヤール博士の精神病院ツアー。ついに目玉の地下牢へ入ります。何せタイトルが『拷問地下牢』ですよ、どんな酸鼻な光景が繰り広げられているかと期待するじゃありませんか。おまけに地下牢の入り口には「この門を潜るものは全ての希望を捨てよ」なんて書いてあるんですよ、これで犠牲者に焼き鏝押し付けたり特製ベッドに縛り付けてぎりぎり引き伸ばしたりしてなくちゃウソってなもんですよ。はい、そんなことはまったくありませんでした(大笑い)。貼り付けになって何やら喚いている男とか、牢屋の中で喚いている男女の一群とかそんなつまらないものしかないの。

 ガストン、「これは残酷すぎませんか」って博士に尋ねますが全然残酷じゃないだろ、お前、何言っているんだ。

 そして次はもう出口。まったく本当になんなんだかなあ。

 その出口で待っていたのがユージーンですよ。唐突にジャワの伝統的ダンスを踊り始めるユージーン。ガストン、目が点になってます。見ている私も目が点になってます。なんだ、これは、これも治療の一環という奴か。しかしそれにしてはユージーン、踊りながらメイヤール博士に近づいて、持っていた三角錐の置物?を振り上げて彼に刺そうとしたりするのです。びっくりして彼女を止めるガストン。メイヤール博士は激怒して「ばかもーん、出て行け、出て行け」と叫ぶのでした。これにてようやく精神病院ツアーはオシマイ。

 その夜あてがわれた寝室に引っ込んだガストン。ワインをぐいっと飲みますと何かが入っていたらしく目が回り始めます。そのままばたりとベッドに倒れて寝ちゃうかなと思いきや、「今夜庭に来て」と女の声が聞こえてきたのでした。

 最も、その声にしたがって庭に行くと何かが起こるという訳ではなくてこれは単なる幻聴のよう。その後メイヤール博士が現れて「どんな御用ですか」と聞いたりガストンが精神病院内で体験したことが繰り返されたりします。いつまでも続くかと思われたこの退屈な幻聴・幻覚シーンでしたが(笑)唐突に聞こえてきた女、ユージーニ?の悲鳴で打ち破られたのでした。しかもその後男が「だまれ、叫んでも無駄だ、儀式の用意をするのだ」と叫んでいます。これですっかり正気に戻ったガストン、悲鳴の主を探して病院内をさ迷うこととなります。

 そんな彼の前に「ふはははは」と笑いながら現れたメイヤール博士、「部屋に戻るのだ」ガストンが「なんでユージーニにあんな酷いことをするのだ」と叫びます。いや、酷いことってこの人はユージーニらしい悲鳴を聞いただけなのですがねえ。「彼女は暴れるのだ、これも治療の一環なのだ」「この○ガイ○め!」メイヤールがぱっと右手を挙げますと、患者が二人出てきてガストンを捕まえ部屋へ連れ戻したのでした。メイヤールは彼の背中に向かって「明日はまたダンジョン探検ですぞ。しっかり眠っておきなさい!」

 もー、何が何だかよー分からん。

 ガストン、またあの陰気臭い地下牢に連れて行かれてたまるものかということでシーツを破ってロープを作り窓から脱出します。すぐに兵隊に教われますがこれをタコ殴りにしてやっつけて逃走再開。温室に逃げ込んだのですが、なんとそこでは怪しい坊さんのようなカッコをした患者が裸にひん剥いたユージーニ相手に怪しい儀式をやっているではありませんか。ガストンは何のためらいもなく坊さんに襲い掛かりこれもタコ殴りにしてユージーニを救出したのです。そして偶然にも逃げてきたジュリアンとばったり。まあ、これくらいのご都合主義、こういう映画ばっかり見ている私はまったく平気なんですけどね。

 ついにユージーニの口から事の真相が語られます。メイヤール博士と名乗りこの病院を支配しているのは実はフラゴナールという大悪党。彼は悪魔島という刑務所島に収監されていたのですが、囚人を連れてそこを脱走し、この病院を乗っ取ったというのです。「私の父が本当のメイヤール博士(マックス・カーロゥ)なのよ。今は地下牢に監禁されているわ」

 じゃあ、我らの手で博士を解放し、病院を取り戻そうではないかと張り切ったのはいいのですが、この後あっさりメイヤール、いやフラゴナール率いる狂人軍隊に包囲されて捕まってしまうという・・・。

 ジュリアンは地下牢へ押し込められます。そこで本物のメイヤール博士とご対面。えーっとそう言えばジュリアンの姪や御者はどうなったのでしょう。同じ牢に入れられている筈ですが、その影も形も見えませんねえ(笑)。一方ガストンはフラゴナールに「仲間になれ」などと言われています。彼らの周囲を彩るのはおっぱい丸出しの女達。ガストン、そのたくさんのおっぱいをちらちら見ながら、それでも断固として「馬鹿なことを言うな、断る!」しかしフラゴナールめげません。「んー、だったらいいよ、じゃあ、パーティ始めようか」

 なんでパーティになるのか良く理解できませんが(笑)とにかく大広間にみーんな集まります。中にはガラスケースに入れられた患者もたくさんいて非常に奇妙な光景。フラゴナールは張り切ってガストン、ユージーニを侮辱したり、さらにはメイヤール博士を連れてきて彼女と対面させたりやりたい放題。そのうち調子に乗って「わはははは、我輩の発明した療法を世界に広めるのだ、そして我輩は世界の皇帝になるのだ」ってなれるかっての(笑)。このままいつまでも続くかと思われたフラゴナールの一人芝居でしたがついに転機が訪れます。地下牢でジュリアンが牢番の隙をついて首を絞め鍵を奪ったのです。これで脱走する囚人たち。大広間になだれ込み狂人たちと戦い始めたのです。

 この戦いは「いつまでもお前の好き勝手にはさせん、正義は必ず勝つ!」ということで囚人側の勝利で終わります。しかしあくまでも強気の姿勢を崩さないフラゴナール。「反乱軍め、我輩に逆らったことを後悔するがよい。このままではすまさぬぞぐ」なんと、唐突に出てきたジュリアンの姪、ブランシェがピストル発射して彼を射殺してしまったのでした。おいおい、今まであんたどこにいたんだ(笑)。

 エンディングは森の中を帰っていく馬車。ああ、やっと終わった、これだけ見ていて疲れる映画も久しぶりでしたよ。

 カラー・スタンダード モノラル音声。画質は良くありません。黒が浮いてノイズが多いです。音質は標準クラスか。国内盤 日本語字幕付。レトロムービーコレクション 有限会社フォワードのDVD

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『エド・ウッドの牢獄の罠』(『Jail Bait』 1954年)

 

『エド・ウッドの牢獄の罠』(『Jail Bait』 1954年)

 エド・ウッドの手によるものだとはとても思えぬマトモな映画。だけど、それだからといって面白いってことじゃありませんので勘違いしないようにしてください。

ここはロサンゼルス警察。おりしも姉マリリン・グレーガー(ドローレス・フラー)が保釈金を払って拳銃不法所持で拘留されていた弟ドン(クランシー・マローン)を受けだしたところ。その二人を見ているのが警視正のジョーンズ(ライル・タルボット)と警部補のローレンス(スティーブ・リーブス)。ジョーンズは苦々しげに「やつのおとっつぁんはそりゃ、立派なお人よ。お医者としても腕も良いし、なにより人間が出来ていなさる。ところがその息子はとんだ甚六よ、えりにもえって悪党のヴィック(ティモシー・ファレル)なんぞとつるみやがって、そのうち、何かやらかすにちげえねえ。おう、ローレンス、奴から目を放すんじゃねえぜ」「へい、合点でさあ」

  その警視の見立てどおり、家に帰るなり本の中の切り込みに隠してあった拳銃を取り出すドン。「ちょいとお待ち、ドン、あんたこんな夜中にどこへいこうというんだい」と止めるマリリンを振り切りまして向ったのがある酒場。そこで待っていたのがヴィックであります。「おう、やっと出てきたか、ほれ、これはおめえの取り分だ、受け取ってくんな」ああ、なんということでしょう。ドンはヴィックが押し込み強盗をやらかす間見張りに立っていたのです。その時拳銃を持っていたのを見咎められて不法所持で逮捕されたのであります。

 ここでやってきたのが先ほどの警視正ジョーンズと警部補ローレンスのコンビ。彼らはドンとヴィックの両隣に座って「これはこれはドンとヴィックの旦那じゃねえか、ふふふ、悪巧みの相談かい。まったくおとっぁんはあんなに出来たお人なのにその息子がどうしてこうなっちまうかねえ」とかイヤミたらたら(笑)。そしてジョーンズ、声を荒げて「さあさあ、二人とも帰るんだ、滅多なことしやがったらただじゃおかねえぞ、とっ捕まえて懲役二兆年にしてやるからな」ほうほうの体で酒場から逃げ出すヴィックとドン。

 しかしジョーンズとローレンス、二人が酒場にいることがどうして分かったのでしょうか(笑)。

 ドンはこれでビビッてしまいまして「なあ、ヴィック、おらあいやな予感がするんだ。それに逮捕されて写真も指紋も取られちまったし、今夜の劇場の仕事はやめにしねえか」しかしヴィックは「何トンチキなこと言ってやがんでぇ。これは2万ドルの仕事だ。こんな美味しい獲物をむざむざ逃してなるかってんでぃ」

 悪党二人が狙っているとも知らず劇場ではコットン・チックの床屋漫才「お客さん、クリスマスはどうしますか、彼女としっぽりデートですか」「いやあ、そんなものいないんでねえ、クリスマスは寝正月ですよ」(バカルディ、現さまーずのネタ)でどっかんどっかん受けてます。どうも暢気なものであります。

 一方、グレーガー家ではパパ(ハーバート・ローリンソン)がご帰宅。交通事故でぐしゃぐしゃになった青年の顔を整復手術してきたそうで疲れ切っています。しかし安穏と休むことはできません。マリリンが「ドンが拳銃持って行った」と訴えたからです。がっかりしたパパ、ソファーに座り込み「お上に届けた方がいいかも知れんが心が定まらぬのだ。ああ、せがれの教育を間違えてしまった」

 さて今夜の出し物が終わってお客さんが帰った後の劇場に車で乗り付けるドンとヴィック。大胆にも覆面や手袋なしで拳銃構えて押し込みます。夜警のおじさん マッケンナ(バド・オズボーン)に拳銃を突きつけて「やい、金庫を開けるのだ、開けねえと蜂の巣にしてくれるぞ。間違えて蜜蜂が戻ってくるような体にしてやるぞ」マッケンナ、恐れをなして金庫を開けるのでした。ヴィックとドンは中に入っていた札束をみて「へへへ、お宝は何時見てみたまらねえな」ほくほくしております。

 ところがこの時最悪のタイミングで給料計算のために残業していた女性社長秘書がやってきたのです。びっくりするドン。この隙を狙ったマッケンナ、彼の拳銃を奪おうとしたのですが、逆にドンに射殺されてしまいましたとさ。秘書の方は「ひい、人殺しだよ、だれか助けておくれ」と叫んで逃げ出します。彼女に追いすがったヴィック、後からズドン、ズドン、ばったり倒れる秘書。この時早くもパトカーのサイレンが聞こえてきたので慌てたヴィック、女の生死を確かめずに逃げ出してしまったのです。

 ドンとヴィックは車で逃走します。パトカーに追われますがなんとか巻いて逃げることができました。ホトボリをさますためにそのままヴィックの自宅に篭ることになります。


 さあ、間髪をいれずに始まる警察の捜査。なんと社長秘書は生きていた!この女が早くも翌日にはジョーンズ警視正とローレンス警部補の事情聴取を受けて「はい、警察の旦那さん、下手人はこの二人です」ってドンとヴィックの写真指差しちゃった(大笑い)。だから覆面ぐらいしろっての。「警視正、ドンの奴、やっぱりやりやがった。強盗殺人と殺人未遂だ」警視正はそれに付け加えて「殺された警備員のマッケンナは元警官だ。つまりドンは警官殺しってことにならあな」

 いや、それはちょっと違うんじゃないかなあ(笑)。

 自分のしでかしたことに大ショックを受けたドン、隠れ場所であるヴィックの自宅から逃げ出します。ヴィックは彼が余計なことを言うのではないか、だったら今のうちに捕まえて殺してしまえとブッソウなことを考えて彼の行方を追うのでした。そのドン、さ迷ううちに足が向いたのがパパの病院。「おや、どうしたんだい、珍しいじゃないかえ」と迎えてくれたパパの優しさにぐっとなって「おとっつぁん、おいら、飛んだことをやらかしちまった。人を殺めてしまったんだよ、おまけにヴィックの野郎がおいらを口封じで殺そうとしているんだ」物凄い告白をされてパパ、仰天します。

 パパは涙ながらに「せがれや、こうなったら仕方ない、いさぎよく自首しないかね」「うん、おとっつぁん、そうするよ」この時やってきたのがジョーンズ警視正とローレンス警部のコンビ。たった今「自首するよ」と言ったのにも関わらずドンは慌てまして「おとっつあん、おいらをかくまっておくれ。ここで捕まりたくないんだ。あとできっと自分で警察に行くから後生だよ」パパ、とっとと引渡してしまえば面倒がないのについつい息子への情にほだされまして息子を別室に隠してしまうのでした。そして二人の刑事には「せがれが人を殺めたことは知ってます。でもここにはおりませなんだ。後できっと自首することでしょう」なんて言っちゃうの。パパの言葉を真に受けて帰ってしまうジョーンズとローレンスもなんだかなー。この病院に見張りぐらいつければいいじゃないかなー。

 この後パパと別れて警察へ向うドン。しかし彼を待ち構えていたヴィックが拳銃を突きつけて「やい、おとなしく俺の家にきやがれ」と拉致してしまったのです。

 ドンはヴィックに「おいらもおめえももう逃げられねえ。二人で一緒に自首しようじゃないか」もちろん、ヴィックが同意するはずはありません。「ふん、おまわりを殺めたのはおめえだ。おいらじゃねえ。おいらが撃った女は死んじゃいねえんだ」この時タイミングよくニュースから劇場襲撃事件のニュースが流れます。もうちゃーんと警官殺しがドン、女の殺人未遂がヴィックと放送されてしまうのがおかしい。これでドン、やけになりまして「ヴィック、本当に逃れる道などありはしないのだ。おいらはケリつけるぜ」彼は踵を返して出て行こうとします。ついに切れたヴィック、ドンに向けて拳銃を乱射。ばたりと倒れるドン。

 ヴィックの愛人ロレッタ(セオドア・サーマン)はびっくりして「あんた、こんな仏こさえちまってどうするんだい」にやりとするヴィック。「夜に川に流すのよ。それまでどこかに隠しておくんだ」

 二人は死体をカーテンで仕切られただけのシャワールームに隠します。どうしてそんな分かりやすいところに隠すかねえ(笑)。その後二人はどうやって警察の目を逃れるか相談します。「でもそんなこといったって、あんた、警察はあんたの顔写真を持っているんだよ」これでヴィック、ぴんと閃きます。「顔写真か、そうかおいらの顔を変えてしまえばいいのだ。よし、善は急げだ、ドンのおとっつあんに電話するのだ」えー、皆さん、覚えていらっしゃるでしょうか。ドンのパパは有名な整形外科医だったのです。交通事故でぐしゃぐしゃになった青年の顔を見事整復してみせるほどの腕を持っていたのです。おお、エド・ウッドの映画で初めて伏線がちゃんと機能したぞ!

 ヴィックは電話でドンのパパに自分がドンを捕まえていること。言うとおりにしなければ彼の命がないことを話します。そしてしめくくりに「ええい、つべこべ言わずに今晩7時にきやがれ。そしておいらの顔を手術するのだ!」

 パパは逆らうこともできず、その命令に従うことになってしまいます。彼は助手として娘のマリリンを連れヴィックの家へ。ヴィックは手術が成功したらドンを帰してやるといい、今すぐ始めるのだと要求します。頷いたパパ、医療カバンの中からペンチ、やっとこ、ハサミ、ノコギリ、トンカチを取り出します。これを見てぎょっとするヴィックがおかしい(笑)。一方マリリンはクロロフォルムをしみこませたガーゼでヴィックを麻酔。いい加減な麻酔だ。これをピストル構えて油断なく見張っているロレッタ。

 手術に必要なお湯を調達するためにキッチンに行くパパ。大き目の鍋を探すうちについついシャワールームのカーテンを開けてしまいます。中からどてーっと倒れてくるドンの死体(大笑い)。パパは愕然としますが何も気づかない振りをして死体を元に戻しヴィックの手術に取り掛かったのです。はい、あっという間に手術終了。パパはロレッタに「手術はな、成功したからな、ちゃんと薬を飲ませなさい。ちゃんとしないと命に関わるよ。そうして二週間たったら包帯を外すのでうちにきなさい」

 ここでだいたいオチが分かりましたね。

 ロレッタ、二週間ヴィックを看護します。そしていよいよ今日がその日となりました。ちゃんと約束どおりにパパの家へいく二人。律儀な悪党です。しかし、この時パパはパパであの今ひとつ役に立たないジョーンズとローレンスのコンビを電話で呼び出していたのでした。「一体全体何の用だってんだ」といぶかしむジョーンズであります。

 ヴィックとロレッタ、いよいよ包帯が外されるというのでわくわくどきどきしています。「お前さん、失敗なんかして人三化七になっていたらどうしよう」「その時は医者をぎたぎたにするまでよ」と、この時ジョーンズとローレンスがやってきました。彼らは顔面を包帯で覆われた怪しい男を見て「ややや、貴様、何者だ、名を名乗れ」・・・じゃなかった「おめえ、ヴィックだな、ここで会ったが百年目、大人しくお縄につけぇ!」しかしヴィック、少しも慌てず騒がず、「は、ヴィックですと、そんなコンコンチキは知らねえなあ。おいらは別人だぜ」ロレッタも「警察の旦那、いきなりこの人を罪人呼ばわりして何のつもりだい、訴えるよ」と鉄火な啖呵を切るしまつ。

 おまけにドンのパパすら「旦那方、この人はヴィックではないですよ」と言うではありませんか。憮然とするジョーンズとローレンス。「今、顔をごらんにいれましょう」包帯にハサミを入れます。ちょきちょき、ちょき、ちょきちょき、ちょき。「はい、確かにヴィックではないでしょう」ジョーンズとローレンス、息を飲みます。ヴィックは大得意で「ははは、どうです、おいらはヴィックなんかじゃなかったでしょう」そんな彼を無視していきなり「ちょっと女性秘書のあなた、こっちへ来ておくれでないかい」と叫ぶジョーンズ。え、この人はドンのパパに電話貰って「何の用だろ」と言っていた筈ですがね。なんで目撃者を連れてきていたか分からないですね(笑)。

 走ってきた女性秘書、ヴィックの顔をみるなり「この人です、この人です、警備員を撃ったのはこの人です。間違いなんかありゃしません!」愕然としたヴィック、パパが持っていた手鏡を奪って自分の顔を覗き込み「ギャーッ、おいらの顔がドンになっちまってる!」そう、パパはヴィックの顔をドンそっくりに整形していたのでした。狂乱したヴィックは立ち上がり、「おいらはドンじゃない、ドンじゃない」逃げ出します。そして立ちふさがった警官をピストルで射殺、外に飛び出すのですが、他の警官に撃たれてプールにじゃぼん。彼の死体がぷかーっと浮いたところでエンドマーク。

 演出がとてつもなくタルイということを除けば(笑)ちゃんと映画してます。とてもあのエド・ウッドの映画だとは思えません。

 モノクロ・スタンダード モノラル音声。画質は黒浮きが酷いですが、このレーベルとしては平均的な出来か。音声はノイズが少なく非常に聞きやすいものです。国内盤 日本語字幕付。レトロムービーコレクション 有限会社フォワードのDVD

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『The Doomsday Machine』 1972年

 

The Doomsday Machine』 1972

 最初っから最後までいかがわしさと安っぽさに満ちた地球終末もの映画。ストーリーも訳が分からないし、まったくよくもまあ、こんな映画を作ってしかも公開できたもんですよ。

ここは中国(多分)。犬を連れた警備兵がたった一名という物々しい警戒の中、一人の女スパイが研究所らしき建物に忍び寄ります。この女スパイ、小脇に抱えていた猫を兵の中へぽいっ。わんわん、ふぎゃあ、たちまち巻き起こる犬対猫地球最大の決戦!この隙に乗じて塀を乗り越え見事潜入を果たした女スパイって、お前ら、人をなめとるじゃろう(笑)。女スパイは更衣室で白衣を奪い科学者に変装します。こんなことするなら最初っから白衣で来た方が良かったんじゃないか。

 さらに女スパイはここで働いているらしい仲間と合流、エレベーターに見張りを倒し、立ち入り禁止区域の階へ。立ち入り禁止にしては見張りの一人もいないフロアで、馬鹿でかい鉄の扉を潜ります。その先で彼らを待ち構えていたのは赤い檻に入れられた怪奇な兵器。実はこれは中国が秘密裏に開発したドームズディ・マシーン、何だか分からないけれどもこれに掛かれば地球もイチコロという最終兵器だったのです。女スパイは「檻の鍵は毛主席しか持っていないわ、我々に出来ることはこの存在を世界に知らしめることだけ」女スパイ取り出したカメラでぱちぱち写真を撮り、仲間の助けを借りて通風孔から脱出したのです。

 このフィルムがアメリカに持ち込まれまして科学者たちを集めてスライド上映会(笑)。女スパイ、「これを使うと核の連鎖反応が起こって地球が壊滅します。彼らは51時間後に使うつもりです」って随分急だな、オイ。慌てて同席していた政府の人が大統領にこのことを連絡します。

 ぱっと場面が変わりまして今しも金星探検計画、プロジェクトアストラが実施されようとしているロケット基地。探検隊隊長のカート・メイソン少佐(グラント・ウィリアムス)が記者会見を開いております。金星への飛行コースを説明した後で「では皆さん、何かご質問は?」 記者たち、はいはいはいと手を上げて「探検はどのくらいの期間を予定しているのですか」「行きに4ヶ月、帰りに4ヶ月、金星調査に16ヶ月で合計2年になりますな」「その間ご家族はどうするのですか、二年間放ったらかしですか」「メガマウスの口より大きなお世話です」私もそう思います(笑)。

 そんな中、突然基地に鳴り響く警報音。なんと第一級非常体勢が発令され基地は軍の指揮下に入ることになったのです。「なんだ、なんだ」と驚き騒ぐ隊員たち。そうするうちに政府・軍のオエライさんがやってきて、「あ、君たち、発射がずんと早まったから。それに三人、交代してもらうね」寝耳に水のことで隊員たち、呆然とします。しかも交代要員というのが三名の美女だったからなおさらです。カート少佐は気色ばんで「そんな、女を入れてどうするんです。女性用の部屋がある訳じゃないからプライバシーもへったくれもありません。そんなんで二年の任務をこなせるはずないじゃないですか」「いや、そんな事言っても駄目なの、大人しく彼女達を連れていきなさいっての」オエライさん、ぴしゃりとカートの反撃を封じます。

 ここでこの三人の美女を紹介しておきましょう。生物学者 マリオン・ターナー少佐(ルタ・リー)、ソ連第一等の女性宇宙飛行士で月へ降り立った最初の女性であるジョルジアナ・ブロンスキー(マラ・パワーズ)、コンピュータースペシャリスト ケイティ・カールソン大尉(アン・グラント) あたしたちにはプライベートなんか必要ありませんよ、だって女性宇宙飛行士ですもの、フンてな顔をしております(笑)。

 そして慌しく発射準備が再開されます。とにかく早く発射するために細かなチェックはすっ飛ばしてしまうのが凄い。発射された金星ロケット、大丈夫かと思いますが、何しろわが東宝特撮の『妖星ゴラス』のJX-2鳳号のフッテージを使用しておりますからな、ちゃんと宇宙へ飛び出すのです。しかしこの発射時の加速でペリー船医(ヘンリー・ウィルコクソン)の心臓がおかしくなった。酸素吸入しなければ命が危ないのですが、何しろ第二次加速の時間が迫っており手出しをすることができません。

 しかし、ここにブロンスキーさんあり、彼女は危険を承知でシートから飛び出すと素早く携帯用のタンクを取って酸素マスクをペリーの口にあてがいます。タンクのバルブを緩めると酸素がシューっと思いきや、これがでてこないんだ(笑)。国家的プロジェクトなのになんでこんなボロを使うんだ。慌ててタンクを叩いたりひっくり返したりするブロンスキー。加速の時間は刻々と迫っています。このままだと加速のショックでブロンスキーは放り出されて壁に激突、ぐしゃりと潰れるなんてことになりかねません。あせるブロンスキー、まさに手に汗を握るサスペンスであります。まあ、ぎりぎりのところでちゃんと間に合うようにはなっているのですが。

 その通りちゃんと間に合って席につくブロンスキー、直後に第二次加速が開始され、宇宙船はさらにスピードを上げて金星を目指します。

 このあたりからこの任務についての疑惑を語り始めたのがペリー。「中国が世界を破滅するような兵器を作っているという噂がある。発射直前の乗組員交代なんか、これに関係があるんじゃないか。地球が破滅してもこの宇宙船に女と男が乗っていれば人類が滅亡することもない」なんて言ってます。はい、その通りです。

 もっとも他の隊員たちは暢気なもの。女達が着替えているところにうっかり男性隊員が入っていって「ちょっとノックぐらいしてよ」と叱られたりしております。なんだ、お前ら(笑)。そして狭いところ(宇宙船)に妙齢の男女がいれば出来てしまうのが世の理。カートはターナーと話しているうちにたまらんごとなってキス。ブロンスキーはペリーと仲良くなったのか、「そう言えばソ連の幽霊宇宙船の噂を聞いたよ」「それは、金星探査ロボットシップのイズベスチャよ、無人船なの」「いや、しかし、その幽霊船と時を同じくしてイゴール・ミカーノ博士が失踪したと聞いたが」「馬鹿なこと言わないで、彼は私の宇宙飛行訓練のインストラクターだった、そんな船には乗っていないわ」という会話を交わしております。なにやら意味深ですが、後から金星でそのロボットシップを発見して乗り込んだらイゴール博士とやらの干からびた死体がばーんと出てきたりするのでありましょう。

 この間、時々『妖星ゴラス』の宇宙ステーションや鳳号の映像が挿入されます。まったく話の流れを考えずテキトーに繋いでいるだけ。フッテージ使うならもうちょっと丁寧にやって欲しいものです。

 いい加減退屈してきたところで事件発生。いきなり地球からの通信が途絶えたのです。なんだ、なんだと観測室の望遠鏡で地球を覗いてみますとなんということでしょう、禍々しい光が地球全土で明滅しているではありませんか。そしてまたまた使われる『妖星ゴラス』フッテージ。場面は東京洪水、水没シーンであります。みんなは呆然となって「大変だ、地球で核戦争が起こったぞ!」

 ついに地球が吹っ飛んだ、もう地球と言う星はなくなった、愕然となるクルー達。ケイティなどパニックにかられて暴れだすのでした。面倒ですからクルー全員でタコ殴りにして彼女を失神させベッドに縛り付けます。象でも倒れそうな量の鎮静剤をたっぷりと注射してようやく大人しくなった。女だけじゃない、男のダニー乗組員(ボビー・ヴァン)もショックのあまり硬直してしまいます。やっぱり面倒ですからクルー全員でタコ殴り。その痛みにぎゃああと叫んだダニー乗組員、やっと正気づいたのでした。

 しかし安心してはいられません。砕け散った地球のかけらが隕石となって宇宙船アストラを襲ってきたのです。ぶつかればイチコロ、おまけに隕石から放射線が出ていてこのままだと被曝してしまいます。急遽宇宙船のコースを変えて隕石を回避。放射線は壁にシーツを掛けて(笑)遮蔽することで当座の危機を逃れたのであります。

 ところがこの回避行動で燃料を消費しすぎたため、金星へ着陸することができなくなってしまったのでした。重量オーバーのため降りられるのは人間三人だけ。後の4人は宇宙の藻屑にならなければならないという・・・。この過酷な現実に直面したクルー達が取った行動と言えば、そらもう決まってますがな、男や女のあんなことやこんなことですがな!ダニーはブロンスキー、カートはマリオン、ハインズはケイティをそれぞれ仲良くなるのであります。一人あぶれたペリー、「わしゃ年だからもういいのじゃ」

 さあ、いよいよ金星に着陸する時がやってきた。コンピューターに3人を選ばせるというカークたちに反発するハインズ。ほらみろ、やっぱり選ばれなかったじゃないかということでこうなりゃやけだ、力づくで・・・とブッソウなことを言い出します。これに怯えたケイティはひーっと逃げ出してよりにもよってエアロックに逃げ込みました。後を追っかけたハインズ、何故かケイティの服をびりびりに破きまして「ひひひ、ひひひ、させんかい、ええやろ!」この時ついうっかりボタンを押しちゃいまして壁面ががーっと開いて宇宙に投げ出されてしまいましたとさ(大笑い)。そんなうっかり押しちゃうようなところに開放ボタンつけとくなあ!

 クルー達、宇宙船のモニターで二人を見て「おお、なんてことだ」「ケイティ、ケイティ」と大騒ぎするのですが、モニター画面は真っ黒のままだという・・・。この映画の特撮の下手さ、ここに極まれり、なんでこんなことやっちゃうんだ。

 その後協議して金星へはカート、マリオン、ブロンスキーが降りようということになったのですが、ここでカートが「二人分軽くなったことだし、このままいちかばちか着陸してみよう」と言い出します。みんな席についてブースター噴射シークエンスを開始するのですが、その途端、「あ、ブースター前段の切り離しができねー」という故障が起こった。ダニー、ぱっと立ち上がると「じゃ、僕が修理してきます」 宇宙服をつけて外へ飛び出したのでした。ブースター噴射シークエンスは中止ができません。修理が成功してももはやダニーは戻ってくることができないのです。その彼を放っておけずに後を追ったのがブロンスキー。二人でバールのでっかい奴(大爆笑)でがんがん叩いたり、隙間に入れてこじったりした挙句ついに前段を切り離すことに成功します。ブースターを吹かして減速する宇宙船アストラ。

 取り残された二人、このまま静かに死を待つしかないのかと思われたのですがその時二人の目に飛び込んできたのが宇宙船、「イズベスチャ」でした。皆さん、覚えてますか、映画の前半でペリーとブロンスキーの会話に出てきたソ連のロボット金星探査船ですよ。こりゃええもん見つけた、さっそく乗り込む二人。中に干からびたイゴール博士の死体があったのは私の予想通り。まあ、そんなの当たっても嬉しくともなんともないですけどね(笑)。この宇宙船、さすがロボット探査船だけあって、太陽電池の力で稼動しております。二人はさっそく宇宙船アストラに無線通信。「こちらダニーとブロンスキーです。イズベスチャを見つけて乗り込みました。我々はこれを使って金星に着陸します。データーをお願いします」

 この無線を聞いて大喜びのアストラ・クルー達。さっそくカートはデーターを送ろうとするのですが、なぜかここで無線が途絶します。ダニーとブロンスキー、一生懸命に呼びかけるのですが返答なし。その時不意に聞こえてくる不思議な声。

 「わしゃあ金星の集合意識じゃけん。おまえさんが通信していた相手はもう存在せんとよ、わしゃあ、おまえさんたちが地球をぶっ壊したことを知っちょる。そんなのを金星に着陸はさせんけん。おまえらの旅は始まったばかりじゃけん」

 ゴーっと音がしてロケットのようなものがぱっと光ります。これはそれでも着陸しようとしたイズベスチャがブースター使ったということ?それとも集合意識によってエンジンに点火され他の方向へ発進させられたということ?もしかして爆発したの?まったく訳が分かりません。その後空虚な宇宙空間を延々と映した挙句エンドマーク。な、なんじゃ、こりゃ。

 どんな酷い話でも絵がついていればそれなりに分かるのですが、この映画ったらぱっと光らせたりするだけなの。もう『2001年宇宙の旅』より難解なのであります。

 カラー・スタンダード モノラル音声。映画がトンデモなら画質もトンデモ。細かいところがまったく分かりません。音質は歪んでいて耳が痛くなります。12枚のディスクに50本の映画を収めたNightmare Worlds 50 Movie Pack CollectionMill Creek EntertainmentのDVD。

           エロの冒険者 
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