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2008年3月 2日 (日)

『ドリラー・キラー マンハッタンの連続猟奇殺人』(『The Driller Killer』  1979)

 

『ドリラー・キラー マンハッタンの連続猟奇殺人』(『The Driller Killer  1979)

冒頭いきなり「この映画はできるだけ大きな音でお楽しみ下さい」という文字。こんながびがびでノイズだらけの音質なのに大きな音で聞いたら耳が悪くなるわっと軽くツッコンでから本編が始まります。

いきなり教会にいる主人公レノ・ミラー(アベル・フェラーラ)、彼は最前列に座ってぶつぶつ何事か呟いている白髪の老人(ジェームズ・オハラ)を興味深そうに観察しております。顔がくっつかんほどに近づいて老人の顔をじっと見ている。ん、なんだ、なんだ、何が起こっているのかと思ったら突然老人がミラーの手を掴んだ。驚いて「ぎゃっ」と叫んだミラー、「おっさん、ホモか、実際かなわんでー」逃げ出します。その彼を追ったのが恋人第一号であるキャロル(キャロライン・マーツ)、「ちょっと待ってよ、あの人、アンタの名前と電話番号書いた紙持ってはったんよ。あの人、あんたのお父さんと違うの?」「んな訳あるかい、ありゃただの浮浪者じゃ」

 たしかに名前と住所の書いた紙を持っていたらお父さんという理屈は分かりませんね(笑)。しかもこの人物の登場はここだけ。伏線でもないの。

 さて、このミラー、売れない画家であります。マンハッタンのアパートメントにアトリエ構え(生意気に)、二人の女、さっきのキャロルとパメラ(ベイビィ・ディ)と同棲中(生意気に)。でもこの人あんまり仕事しません。一応画廊から注文受けて製作中の「バッファロー」の絵があるのですが、これが遅れに遅れております。ミラー、「あと一週間で完成させますねん」「絵の具代が足りまへんわー」とか何かと口実をつけて画廊からお金を借りているのですが、さすがに限界。画廊の主人に「もう一銭も貸せんわ。金が欲しかったら絵を完成させんかい」と怒られてしまったのです。

 また二人の女は有体に言って少し馬鹿。電話代気にせずに全米各地へ長距離電話を掛け捲るものですから、月々の電話代がえらいことに。請求書を見たミラー、かんかんになって「うきいい、もう電話なんかいらへんわー」窓から投げ捨ててしまうという・・・。

 当然家賃も溜まりがち。管理人にやいのやいのと催促されております。とは言ってもミラーにはまったくお金がありません。仕方ないのでキャロルが別れた前夫から送られてきた慰謝料で払っているという有様。あー、やな貧乏暮らしですよう。そんな状況になってもミラーはのほほんとしております。路上で浮浪者を観察したり、アパートメントの屋上から双眼鏡で突然起こった殺人事件を観察したり、ひたすらぼけっとしております。ちなみにこの映画に出てくる浮浪者の人たちはみな本物のようです(笑)。嫌なリアリティがあります。

 さて、ある日アパートメントの一室を借りた男女のグループ。これがイカレバンドのメンバーでそこをスタジオ代わりにして夜昼なくバンドの練習。しかもど下手(笑)。久しぶりに仕事始めたミラーはあっという間にその騒音にノックアウトされて絵筆を放り出してしまいます。この後、部屋でテレビを見るミラー、キャロル、パメラ、「ずどどずぎゃぎゃんぎゅいぎゅいん」のバンド練習、これが延々繰り返されるという…。途中でパメラ、キャロルのレズシャワーなんてサービスシーンが入りますけど、もうこの映画見るのがつらくってつらくって仕方ないです。

 絶え間ない騒音、進まない仕事、これらのストレスであっという間に精神に変調をきたすミラー。素質十分とは言えあまりに簡単に狂いますなー。彼はこれから頻繁に幻覚・幻聴を見るようになります。

 ついにミラー、管理人に文句。「あの下手糞なバンド、なんとかせんかい、昼も夜もずどどずぎゃぎゃんぎゅいぎゅいんやで、こっちの頭どないかなってしまうやないかあほんだら、注意せんかい、注意」しかし管理人は人事のように「それ、わての仕事じゃないもん」いや、仕事だ、仕事だ、五月蝿い入居人に管理人が注意しなくてどうする(笑)。それでもミラーがあんまり怒っているので「分かったわ、一応注意しておくわ」どうせ注意などしやせんのです。このスーダラ管理人は。その代わりといっちゃなんですが唐突に「ミラーはん、あんたこれ持っていきなはれ。わてが皮剥いだウサギや。焼いて食うと美味いで」だからなんでいきなりウサギが出てくるんだよ(大笑い)。

 ミラー驚きもせずそのウサギをもって帰ります。そして自分で捌き始めたのですが、途中で狂気に捕らわれずぶずぶとウサギ肉を包丁で滅多刺し。うーん、なんだろうなあ、これは。相変わらず幻聴・幻覚に悩まされるし、後はいつ人を殺すか時間の問題ですな。

 と思ったら次の場面でもう浮浪者襲っているよ。テレビのCMで見て買ってきたバッテリーに電動ドリル繋いで浮浪者穴だらけにしちゃったよ。

 延々練習をしていたバンド、ようやくあるクラブでデビューすることになりました。彼らからチケット貰っていたのでいそいそと出かけていくパメラとキャロル。一方ミラーは完全にキチガイになっていて、自分が描いている絵「バッファロー」に「やい、何睨んでんねん、生意気抜かしよると口に手を突っ込んで奥歯ァがたがた言わせたるで」と喧嘩売っているという・・・(笑)。しかもそのすぐ後に今度は「あー、あかん、わてえらいこと言うてしもうた、勘弁してくれやー」と謝っております。もう完全にキチガイであります。

 ミラーもバンドのプレイを見に行くのですが「あかん、五月蝿いわ、耳がんがんするわ」とぶつぶつ言ってパメラやキャロルを呆れさせるばかり。と、次の場面になるといきなりドリル持って外にいるという・・・。彼はそのまま地下鉄の駅へ。何のつもりか手持ちカメラになって画面が揺れたり回ったり見づらいったらありません。あ、柱の影に浮浪者が寝ているぞ、これが次の犠牲者になるに違いないと思ったらミラー、何にもせずに外へでてしまうのです。

 今夜は殺人なしか、このまま帰って屁ぇこいて寝るのかと思いきや、ミラー、ぐでんぐでんの酔っ払い浮浪者を発見します。浮浪者は何しろ酔っ払っているものですからこの夜中に電動ドリル持って立っている若者をさして不思議と思わずに「よぉ、なんや兄ちゃん、しけた顔してんなあ、彼女にでもふられたんやな、あはははずぎゃー」ミラーのドリルが浮浪者の腹をえぐります。ばったり倒れて絶命する浮浪者。さあ、次の獲物はどいつだ。ふらふら歩き回るミラー。

 ここで場面はバス停留所へ。一人頭のいかれた若いのが一人いまして、バスを待っている人々の後ろでウハハハハーと笑ったりギャーっと叫んだり。並んでいる人、みんなどん引き。目を合わせない様にしているのがおかしい(笑)。やっとバスが来ました。ほっとした人々が乗り込んで後に残ったのはいかれた若いの一人、「ウハハハハー、誰もいなくなっちゃった、おーい、みんなどこへ行ったげぁー」背中にミラーのドリルが炸裂します。この後ミラーはさらに二人の浮浪者は殺害。大変良い調子であります。

 5人目の犠牲者は寝ていた浮浪者。「うーん、むにゃむにゃ、もう食べられませんよおどひー」背中にミラーのドリルが炸裂。ぴぴぴと痙攣して絶命するうっかり八兵衛みたいな浮浪者。

 さて、翌朝、浮浪者連続殺人事件の新聞記事を読み上げるキャロル。これがどうもカンに触ったらしくミラーが突然怒り出します。「なんだと、このアマー、わいに何か言いたいことあるんかい、いてまうど、この」文字に出来ないような汚い言葉を吐き散らすという・・・。その後宅配ピザとって食事始めるのですが、この時もミラー、突然激怒し、またまた文字にできないような言葉をキャロルに叫ぶのです。これで怒ったキャロル、ばーんと飛び出してしまいます。そして前夫のスティーブンスに電話をするのでした。

 さて、バンドのリーダー、トニーがパメラを探してミラーの部屋にやってきます。彼は部屋中に飾られたミラーの絵を見て「おう、兄ちゃん、わての肖像画も描いてくれや、500ドル出すわ」ミラー、この申し出に飛びつきましてそれから延々と彼の肖像画に取り組むのです。しかしトニーは所詮トニーですからモデルになっている時もまったく落ち着きがない。あっという間に半裸になってギターを弾き出す始末。いやいや、それどころか一心不乱に絵を描いているミラーに丸見えの状態でパメラとヤッたりするのです。

 この時非常階段にいた浮浪者。五月蝿く響くトニーのギターに「眠られへんわ!」と大激怒。酒をぐびぐび煽りながら七転八倒しております。挙句に非常階段上がって窓のところから「ええかげんにせんかい、ぎゅわんぎゅわんすごごごって今一体何時やと思うてんねん」これがどうやらトニーを怒らせたらしい。トニー、突如非常階段に出現。浮浪者の両手を壁に釘付けにして(画質が悪くってどうやって釘付けにしたのか良く分からないのです)ドリルで穴だらけ。

 そうこうするうちにようやくバッファローの絵が完成。いや、私はミラーがこの絵を進めている場面を見てないのですが(笑)、彼はいつの間にか戻ってきたキャロルと共に画廊の主人、ブリックスをアパートメントに招いてバッファローを見て貰ったのであります。しかしなんとしたことか、ブリックス、絵を見るなり「な、なんじゃ、これはただのバッファローやないかい、こんなん買われるかい、お前、アホか、こんなん尻拭きにもならんで」この絵さえ売れれば大金が入って経済的な苦境から抜け出せる、こう信じていたミラーは大ショック。キャロルも絶望して「わて、もうスティーブンスのところへ戻るわ。もうあんたみたいな甲斐性なしはお断りや」止めるミラーを振り切って出ていってしまったのです。

 はい、これでミラーは絶望的に狂ってしまいました。彼は真夜中だというのにブリックスを「見せたいものがありますねん」と電話して呼び出しもちろん、ドリルで穴だらけに。ついでにバンドの練習から戻ってきたパメラも同じく穴だらけに。

 この後、スティーブンスといちゃつくキャロル。ねちっこくキスして「うち、シャワー浴びてくるわ」残されたスティーブンスは台所でお茶の用意なんかしているのですが、はい、出ましたミラー、ドリルでやっぱり彼を穴だらけ。何も知らずにシャワーから出てきたキャロル、「お茶の用意をしておくから」と言っていたスティーブンスの言葉をぜんぜん覚えていないらしくまっすぐ寝室へ(笑)。この時突然画面が真っ赤になります。こ、これはひょっとして電気を消したという表現なのでしょうか。この真っ赤な画面から聞こえてくるキャロルの声、「ねえ、スティーブンス、こっちへ来て」

 はい、エンドマーク。もう訳わからんわ。

 カラー・スタンダード モノラル音声。画質は最悪。とにかく暗いところが丸つぶれで何やっているのかわかりません。ラスト唐突に画面が真っ赤になるのにも驚かされました。音質は前述のごとくがびがびでノイズだらけ。もう堪忍して!国内盤 日本語字幕付。レトロムービーコレクション 有限会社フォワードのDVD

      エロの冒険者
       HOMEPAGE http://homepage3.nifty.com/housei/
      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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