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2008年4月 8日 (火)

『サント対外世界からの殺人者』(『Asesinos de Otros Mundos』 『Murderers from Other Worlds』 1973)

 

『サント対外世界からの殺人者』(『Asesinos de Otros Mundos』 『Murderers from Other Worlds』 1973

 36本目のサント映画。今回のサントの敵はなんと宇宙からやってきた怪生物。見かけは大きな布に四人ばかり入ってむにょむにょ動かしているだけみたいだけれども、本当に恐ろしい敵なのです。

このDVDはスペイン語音声のみ、英語音声・英語字幕は収録されておりません。私はまったくスペイン語が分かりませんので、この映画はいつもと違ってどこかの奇特な方が作って下さっているサント映画のストーリー解説サイト(英語)を参考にこのレビューをでっちあげております。だから実際の映画を誤解しているところもあるかも知れませんが、その辺はどうぞ、この事情を鑑みてご容赦くださるようお願いいたします。

 平たく言うと、「文句言うなら風上の方で屁をこくぞ、とっても臭いぞ、コノヤロー」ということでございますね。

警告、警告、このDVDのリージョンは1です。したがってサント映画のくせに日本国内のDVDプレーヤーでは再生できません。警告、警告。

冒頭夜の森で何かに怯えているような男が登場。彼は酷くあせった様子で車に乗り込み急発進。鉄の門を突破するのですが勢い余って立ち木に激突。車は動かなくなってしまいました。血まみれになった男は車から這い出ると今度は走って逃げ出します。しかしいくらも行かないうちに鉄の柵に行く手を阻まれてしまいました。男に何かピューピュー音を立てるものが迫ります。男は恐怖に目を見開き「ぎゃああ」 はい、オープニングクレジット。

 次に襲われたのは事務所らしきところで電話を掛けていたおっさん。さっきの男の時には正体不明だったものがあっさり姿を現します。これが驚いたことにペンキを塗りたくった大きな布に四人ばかり人が入ってむにょむにょ動かしているだけどいう。嘘だと思うかも知れませんが本当なんです。もうそれ以外に見えようがないんです。おっさん、ギャーと悲鳴を上げるなりこの怪物に食われてしまいました。

 第三の犠牲者はベッドで寝ていたおっさん。またペンキを塗りたくった大きな布に四人ばかり人が入ってむにょむにょ動かしている怪物が躍り込んできた!おっさん、目を覚ましてびっくりした演技ですが・・・、その顔は完全に笑ってます。にやにやしてます(大笑い)。おっさんはにやにやしながらピストルで怪物を撃つのですが効果なし。にやにやしながら「ぎゃああ」悲鳴を上げて食われてしまいました。

おっさん、確かに怪物見たら笑っちゃうかも知れないけど、あなたも役者さんなんだからもっとマジメにおやんなさい。

 第四の犠牲者は洗面所で髪を梳かしていたおねえさん。やっぱりペンキを塗りたくった大きな布に四人ばかり人が入ってむにょむにょ動かしている怪物が躍り込んできではい、食われてしまいました。

 警察のオコーナー警部(マルコ・アントニオ・コンパス・ヴィルタ)は当然ながら「こんな怪事件を解決できるのは彼だけだ」と言ってサントを呼び出すのであります。

 あっという間に警察署へ到着したサントにオコーナー警部は犠牲者の写真を見せつつ「もう4人も殺されたんだ、酷いことにみんなからだの一部を切断されているんだよ」「ふむ、惨い話でやんすな」「4人のうち、三人は経済界の大立者なのだが、残りの一人はけちな車泥棒なのだ」サントは大きく頷いて「間違いなく犯罪組織の仕業でさあ」

 この直後、美人秘書が現れて「警部、テレビをご覧下さい!」えー、テレビにこの事件の首謀者マルコス(カルロス・アゴスティ)が映っているという。カルロスは「わははは、おいがマルコスたい。事件はみーんなうちの組織の仕業たい。あんたたち、24時間以内に1千万ドルを金塊で払いやい、そげんせんともっと人が死ぬけんね、わはははは」あっという間に犯人分かっちゃった(笑)。さっきの警部とサントの会話、まったく無駄になってます。

 この脅迫で騒然となる警察署。しかし、オコーナー警部は敢然として言い放ちます。「我々はこんな訳の分からない脅迫に屈することはできん。金は払わん」サント、「旦那、その意気でさあ。24時間ありゃたいがいの悪党は捕縛できるってもんです」ところがみんな何もしないの。テーブルにたくさん資料乗っけたのを見ながらウームとか唸っているだけなの(笑)。これであっという間に24時間過ぎてしまいます。そして時間切れしたとたん、マルコスの言葉通り再び事件が勃発するのでした。

 まずはビルの屋上から死体が降ってきます。これがもう怪物に体液吸われたのかミイラ化しているというイヤな死体。そして次の犠牲者になったのは科学者チャンバーレインとその妻、そして幼い子供でありました。この後マルコス、再びテレビに姿を現して「わはははは、人が死んだろうが、これもおいの言葉ば信じらんかったあんたたちのせいたい。これ以上犠牲者増やしたくなかったらとっとと金ば払わんね、金ば集めるとに48時間の猶予ば与えるけん用意が出来たら飛行機でどこそこあそこへ持ってきんしゃい!」

24時間の期限が切れた後にさらに長い48時間の猶予を与えるのはヘンだと思います(笑)。

 この第二の脅迫にまた「いや、断じて金を払うことはできん」というオコーナーでしたがサントは彼を制して「あっしに考えがあります。旦那、ここはひとつあっしに任せておくんなせえ」このサントの一言で輸送機に金塊が入ったトランクが積まれてマルコスの指定した地点へ向って飛び立ちます。ほどなく飛行場へ降り立つ輸送機。するとほくほく顔のマルコスや部下たちが車に乗って現れたのです。彼らはパイロット2名を縛り上げると機内から金塊を運び出し始めたのです。ああ、このまま金塊は悪漢どもの手に渡ってしまうのでしょうか。いいえ、そんなことはありません。我らがサント、ここにあり。彼は隠れていた荷物の後からぱっと飛び出すと三名の部下をあっという間にボコボコにしたのです。

 そして機外へ飛び出すサント。さすがサント強い、強い、外で見張っていた部下たちもあっという間にやっつけてしまいます。これで残るはマルコスばかりと思いきや、卑怯にも車に飛び乗って逃げようとしているではありませんか。「こら、待ちやがれ、このサントさまが相手だ」サント、車の前に立ちふさがりますががーっ、何のためもなく跳ね飛ばされて失神してしまったのでした(大爆笑)。

 「サント、いい加減目ばさまさんね、いつまでん寝とったら困るったい」マルコスの声で意識を取り戻したサント。彼はいつの間にか高い壁に囲まれた闘技場のようなところにいました。そして一段高くなった王様の椅子みたいなのに腰掛けたマルコスとマシンガンを持った部下たち。マルコスはにやにやしながら「サント、助かりたかったら三人の敵と戦いやい。言うとくばってんがみんな強かぞ」肘置のところについているボタンをぽちっ。すると闘技場の真ん中でどかーんと爆発が起こって現れたのが鉄球と殺陣を持った剣闘士であります。サント、この剣闘士と戦って何とか倒します。すると部下の一人が倒れた剣闘士をマシンガンで射殺するという、ああ、これは酷いなあ。マルコス、「やるやないか、サント、ばってん今度はそう簡単にいかんとよ」また肘置のボタンをぽちっ。どかーん、爆発が起こって現れたのは三叉の銛と投げ網もった剣闘士。サント、「銛と網っておめえは漁師かい」とツッコミながら戦ってなんとか彼も倒すことができました。第三の敵はうわあ、今度は火炎放射器持ってらあ(大笑い)。ぼわー、ぼわーと放射される炎をサント、必死に交わします。危うし、サント、彼の命運ここに極まったかと思いきや、サント、さっきの男が使っていた銛を拾い上げ火炎放射器男に向って投げつけます。見事胸を貫いて崩れ落ちる火炎放射器男。その炎が部下の一人を火達磨に!ひいいい、サント、断末魔の部下からマシンガンを奪いズダダダと乱射。部下たちを全員射殺してしまうのです。マルコスその人も重傷を負ってしまいました。

 マルコス、「サント、ようやってくれたね、ばってん、所詮お前はただの人間たい。おいが本当の敵の正体ば教えちゃる」こうしてサントを秘密の実験室に案内するという。そこにあったのはなんと月の石でありました。これを見た当時のメキシコの人々は「月の石ってそんな人を大阪万博みたいに」と叫んだと伝えられています。マルコスはその石からサンプルを取り顕微鏡でサントに見せるのでした。サント、びっくりして、まあ、覆面レスラーが顕微鏡を覗いているのにもびっくりさせられますが(笑)、「マルコス、こりゃあ微生物じゃねえか」「サント、その微生物は空気に触れると巨大化するとよ、しかもそれは人ば食います。おまけに知性まであるったい」あのペンキを塗りたくった大きな布に四人ばかり人が入ってむにょむにょ動かしている怪物の正体はこれだったのです。マルコスはこの月の石を研究のため借りていたバーンスタイン博士ごと奪ったというのです。そのバーンスタイン博士は今マルコスの元の悪党仲間であったボリス・リカー(ジュアン・ガラード)の人質になっているそうな。そしてそのボリスはこれを使って世界征服を企んでいるのでした。

 この時マルコスの容態が悪くなってきたのでサントは彼のオフィスに行って手当てしようとしています。ところがサント、普段の彼に似つかわしくない重大なミスを犯してしまいます。マルコスがサンプルを取るためにガラス瓶から取り出した月の石をそのままにしていたのです。空気に触れた月の石はぶくぶくと溶け崩れあっという間に第二の怪物へと変身。サントとマルコスを襲ったのでした。サント、「これはいけない」と叫ぶなり今の今まで手当てしていたマルコスを何のためらいもなくほったらかして逃げてしまいます(笑)。残されたマルコス、「サント、いくらおいが悪党でもそれはなかばい、ぎゃあああ」怪物に食われちゃった。

 怪物はサントを追っかけます。サント、走って建物の外へ。そしてどんどんどんどん走って、いつもより余計に走っております、また走って飛行場へ戻り輸送機に乗り込みます。縛られっぱなしのパイロットをそのままにして操縦席につくサント。迫り来る怪物からぎりぎりのタイミングで輸送機を舞い上がらせることに成功したのです。

 サント、操縦席の無線で空港の管制塔にいるオコーナー警部に連絡します。「もしもし、こちらサントでやんす。警部、金塊は無事です。あっしが確保しました」あ、あれ、金塊はマルコスの部下が運び出したまんまになっているのですが(笑)。「敵の正体が分かりやしたぜ、宇宙から来た怪物でやんす。あっしは悪党のリカーに捕らわれているバーンスタイン博士を探しまさあ」

 サントが次に現れたのはバーンスタイン博士の自宅でした。現在ここには娘のカレン(サラ・モンテネグロ)がいるのですが、サントったら二階からいきなり階段降りてくる(笑)。カレンはすぐに「あ、サント」って分かっちゃうから良いけど、これ単なる変質者にしか見えないですよ。サントはカレンにバーンスタイン博士が悪漢の手にあることを説明し、彼を助ける手伝いをしましょうと申し出るのであります。「ええ、是非お願いするわ、サントさん」ということでカレンはとりあえず車で警察署に(多分)向うこととなったのです。しかしここで襲ってきたのがリカーの4人の部下達。無理やり車を止めてカレンを引きずり降ろそうとするのですが、いきなり車のトランクが開いてサントが飛び出してきた!うーん、何もトランクに隠れる必要はないと思うけれども、まあ、サント映画だからいいか。

 サントと部下達は戦いながら近くの公園へと移動。どうも雨上がりで土が湿っているらしく部下達の背広が泥で汚れていくのが迫力(笑)。サントは41の不利を跳ね返しついに彼らを撃退することに成功します。しかも一人を捕らえたという大戦果。すぐに警察で移されオコーナー警部とサントが「やい、バーンスタイン博士の居場所はどこなのだ」と尋問を始めたのですが、男は「わし、そんなのなーんも知らんもんね」何にも喋りません。それじゃ仕方ないってんで留置場に監禁します。

 ここで場面がぱっと変わってはい、出ました、リカーのアジトが。リカー、のっけから「うふふふ」と笑っております。「うふふふ、馬鹿な部下が捕まってしまったが、ほれ、このボタンをポチっと押せば」彼は自分のリストバンドについている赤いボタンを押します。すると留置場の男の首の辺りから白いガスが発生。「ぐわ、むわ、何も喋ってないのにボスひどいですう」男は死んでしまいました。なんとリカーの部下達の首には毒ガス発生装置が仕掛けてあったのです。さらにリカーは部下一人を連れてバーンスタイン博士の屋敷へ赴きカレンを攫ってしまったのです。すぐさまカレンの首にも毒ガス発生装置をつけるこの悪辣さ。サント、早くこの悪党をなんとかしてくれ!

 この時連れて行った部下はサントと公園で死闘を繰り広げた男。背広がどろどろに汚れたままです(大笑い)。もう着替えの一枚も持っていないらしいのです。

 サントとオコーナー警部は留置場の男が死んでいるのを発見します。「警部、首にマイクロカプセルが隠してありやす。リモートコントロールでカプセルからガスを放出させたんですな」これでリカーのアジトの場所が分からなくなったと嘆息するオコーナー警部ですが、ここでサントがいいことを思いついた。「警部、きゃつの靴についている土を分析しやしょう。それでだいたいの場所が分かりますぜ」うーん、こいつの靴にはあの公園の土しかついてないと思うけどなあ(笑)。これでアジトのある場所が分かった。後は現地で探すだけだ。サントはこのことを知らせにバーンスタイン博士の屋敷に行くのですが、中が現れているのを見て「畜生、きゃつら、カレンお嬢を攫いやがった」

 サント、サントカーを駆ってアジトがあるあたりに急行します。野原にサントカーを止めて双眼鏡でぐるりを見渡して「あ、あそこに違いねえ!」だって。どうも簡単に見つかるものであります。

 さて、そのアジトである屋敷の中ではリカーがバーンスタイン博士、あれはサント映画で御馴染みのカルロス・スアレズじゃないか。今回は科学者の役か、ぜんぜん似合わないねえ(笑)、に「やい、カレンを酷い目に会わせたくなかったらあの怪物をコントロールする方法を教えろ」しかしバーンスタイン博士、「いや、知らんのだ。教えない訳じゃなく、私自身にもコントロールする方法など分からないんだ」 役に立たない科学者だなあということで二人を監禁してしまうリカーであります。

 こうなったら自力でやるしかないってんでバーンスタイン博士の研究メモ片手に月の石を調べるリカーと女助手。「ふむふむ、何、石を空気にさらしてはいかんというのか、なるほどねえ」リカーさん、そんなところから始めるんですか(笑)。で、そういう風に書いてあるにも関わらず石をガラスケースから出しちゃう女助手。お前、ボスの言っていること全然聞いてないだろ。

 一方、サント、塀を乗り越えてアジトに侵入します。そしてすぐに見つかって(笑)部下達と戦いになります。やっぱりあの公園で戦っていた部下、背広が汚れております。本当に着替えの一枚も持ってないようです。この騒ぎに気づいたリカー、女助手にあとを任せて応援に。その女助手の背後で月の石がぶくぶくと泡だっているのに彼は気づいていません。はい、あっという間に第三の怪物?が出現、女助手「きゃあひゃあひい」と食われてしまいましたとさ。

 サントは部下達を次々に叩きのめしてしまいます。残ったのはリカー一人。彼は地下の実験室へ逃げ込んだのですが、眼前でもごもご動いている怪物を見て立ち尽くします。ここでサントが追いついて怪物の前で再び死闘が繰り広げられるのでした。ボスを持ち上げてボディスラム!しようとしたサント、どうも投げ落とす場所がなかったようでボスを持ち上げて固まってしまうのがオカシイ。しかもその後ボスをゆっくり床に降ろしている(笑)。怪物、そのボスにのしかかって「げえひいぎゃああ」食われてしまいました。

 サントは鍵を壊して逃げてきたバーンスタイン博士とカレンに合流します。さあ、逃げようとしたのですが、マシンガンを持った部下に囲まれてしまい身動き取れなくなってしまいます。怪物は追っかけてくるし、サント達絶対のピンチかと思われたのですが、ここで第二、第三、第四の怪物が出現。部下達をみーんな食ってしまったのです。再び走って逃げるサント達。後を追う怪物、えー、さっき出現した他の怪物は一瞬で消えてしまったようで追いかけてくるのは一体だけですね(笑)。

 サント達は溶岩地形の中をどんどん走って逃げます。でも怪物もどんどん追いかけてくる。おまけにカレンが足をくじいちゃった。しかしサントたちはその後も延々逃げる。カレンが足をくじいた意味がまったくありません(大笑い)。そして彼らは天然ガスが充満している洞窟を発見。しかも中には川があって流れが外へ続いているようなのです。サントは博士とカレンに「さあ、ここからお逃げなさい、きゃつはあっしがここでやっつけます」博士、カレンは水中へ潜って首尾よく脱出を果たします。そして怪物を待ち構えるサント。むわむわと怪物がやってきたのを見たサント、水に潜って手だけを出して「もうこれ以上お前の好き勝手にはさせん、正義は必ず勝つ」と水中で叫んでライター点火。大爆発が起こって怪物は消滅したのであります。

 三人は川から上がるとサントカーの置いてある場所へ。サントは車に積んであったトランシーバーでオコーナー警部を呼び出し「警部、任務終了でやんす」はい、エンドマーク。

 しかし、残りの怪物は一体どうなったんかいのう。任務終了は早すぎるんじゃないの、サントさん。面白かったけどこのオチはちょっとないと思うよ。

 カラー・スタンダード音声 スペイン語モノラル。画質は解像度に欠けますが発色が鮮烈でサントの赤いマントが映えること。音質もそれなりによろしい。これで英語字幕さえついていればなあ。XenonDVD

             エロの冒険者 
       HOMEPAGE http://homepage3.nifty.com/housei/ 
      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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『House of the Living Dead 』 1973年

 

House of the Living Dead 』 1973

 屋根裏にこもった男が怪しげな実験をして近所の人々に迷惑がられるという、現代で言えば引篭もりの息子が夜中に隣家に忍び込み娘さんの下着を盗んだというようなものでしょうか。現代を予言するような先進性を持った傑作ホラーでありますって、そんな訳ないっての(笑)。

ところは南アフリカ、ケープコロニー、イギリスの名家ブルックリン家の荘園であります。ここでいきなり暴れる猿をかんぶくろに詰め込む黒衣の男あり、ぽんとけりゃ、ウキキーと暴れるてなもので、山寺の和尚さんのアフリカ版というところでしょうか。この黒衣の男を物陰からじっと見ている男あり、さらに馬に乗ったハンサムな男も現れた。黒衣の男は茂みに身を隠し彼をやり過ごします。その後どこへとともなく立ち去るところでタイトルが出ます。

 とりあえず説明しておきますと馬に乗ったハンサムな男が本作の主人公でブルックリン家の若き当主であるマイケルで、黒衣の男を見張っていたのが荘園で働いているシメオン(ビル・フライン)、そして黒衣の男は・・・、まあ、この人についてはおいおい語っていきましょう。

 オープニングクレジットの間、黒衣の男のものらしい怪しい実験室が映ります。これが終わって黒衣の男はぐったりした猿を診療台に縛り付けるとドリルで頭をぐーりぐり(笑)。一方、マイケルの母、当年とって72歳(筆者推定)ですがまだまだ元気、はメイドのアンにマイケルへの手紙を託します。アンは荘園で働いている筈のマイケルへ手紙を届けようとしたのですが、屋敷を出たところで何者かが襲い掛かった!と思いきやこれがシメオンだったという・・・。二人はどうやら恋人同士のようであります。「お、マイケルさまのところへ行くのかい、しかしあの人も大変だね、屋根裏部屋にはキ○ガイがいるしさ」アンはしっと指を口に当てて「そんなこと言っちゃ駄目じゃないの」このキチ○イというのがあの黒衣の男のことなのでしょうか。「じゃあ、今夜のパーティで会おう、楽しみにしてるよ」「分かったわ、あたしも楽しみよ」アン、荘園へ向います。

 ええ、ぱっと時間が飛びまして夜となります。アンとシメオンの言葉通りにぎやかに行われている屋外パーティ。シメオン、会場を抜け出して綺麗に着飾って屋敷を出てきたアンと森の中で合流。いきなり抱きついて、ああっとこれはキスしているのかな、いや、何しろ暗い画面で画質がムチャクチャなものですから何が何だかさっぱり分からんのです(笑)。ですからここからしばらく私の想像を交えて描写していきますのでご了承くださいませ。

 シメオンとアンは熱烈なキス。ぶちゅぶちゅぶちゅちゅちゅー。これで興奮したらしいシメオンがいきなりベルトを外してズボンを下ろしちゃいました。「はあはあ、ええやろ、させんかい」これでびっくりしたアンは「やだっ!」と叫んで逃げ出します。ズボンを下ろしたまま追っかけるシメオン。途中で「ええい、これでは走りにくいのじゃ」と立ち止まってズボンをずり上げたのですが、あ、何者かが彼の頭をぽかりとやって暗がりに引きずりこんでしまったではありませんか。アン、突然姿を消してしまったシメオンを慌てて探すのですが見つかりません。

 その後場面は、またパーティへ戻ります。突然女たちの間で騒ぎが起こったのでこれはてっきりアンが助けを求めにきたのかと思いきや、それは別のメイド、リタが原因でした。彼女が禁じられている黒魔術のお守りを持っていたのが見つかったのです。駆けつけたマイケルに「これはあなた様をお守りする護符でございます」マイケル、少々呆れて「それで私を何から守ろうってんだね」「邪悪な魔術からでございます」この時突如現れた魔術師の老婆が「邪悪なものがくるぞよ」と叫んだのですがマイケル、これを意にも介さず「この地域に最早そんなものは存在しないのだ」彼はリタの手から護符の人形を取り上げると焚き火の中へ放り込んでしまいました。

 リタはパーティが終わった後、こっそりと人形を焚き火の中から取り出します。そして翌朝、半分焦げたそれをマイケルのベッドに吊るすのでした。ところでアンとシメオンはどうなったのでしょうかねえ。

 と思ったら速攻で死体で発見されるシメオン。下男のヤーンから知らされて現場に駆けつけたマイケル、死体を見て「おお、なんてことだ、彼を早く屋敷に運んでやれ」と命じます。恋人を殺された筈のアンは、あれ、あれれ、フツーに屋敷にいて仕事しているぞ。なんて不人情な女なんだ。この後屋根裏部屋のドアをノックするマイケル。「ブレック、開けてくれよ」と頼みますが中から返答はなし。諦めて帰ろうとしたマイケル、床に残された血痕に気がつくのでした。

 このブレック(マーク・バーンズ)というのは彼の弟ですね。どうやら彼があの黒衣の男であったらしい。

 さてその後また新たな混乱の火種が撒かれます。マイケルが母に「あ、僕、マリアンと結婚しますから。彼女、もうすぐここに来ますから」と宣言したのです。アンが届けた手紙はそのマリアンからのものだったらしい。母はこの唐突なる結婚宣言に猛反対。「ブレックのこともあるのに、そんなことは許しませんよ」「ブレックは病気なのです。彼には治療が必要なのだ」「ブレックは家族の一員、生きている限りここに住む権利がある。その権利がないのはマリアンの方だわ」しかし、マイケルは譲りません。「母上がどんなに反対しても僕は彼女と結婚します。今は僕がブルックリンの当主なのですから」
 
 そしてはるばるロンドンよりマリアンがやってきた。彼女は近くの駅でマイケルの迎えを待つことになります。その彼女に同行していたのがコーリンソン博士。彼は同じく医者であったブレックと知り合いでマリアンに彼が馬に蹴られて大怪我を負ってそれ以来人に会わず今でいう引篭もりになったと放します。「ええ、馬に蹴られたんですって」と驚くマリアン。「人の恋路でも邪魔したのかしら」そういうボケはいいから(笑)。またブレックは医者としていささか奇妙な研究に取り組んでいたとか。コーリンソン曰く「人間の肉体と魂を分離させて存在させる研究」だったそうで。

 マリアンは自分の屋敷へ向うコーリンソンと別れ迎えにきたマイケルの馬車に乗り込みます。屋敷へついてさっそく執事のブランド、メイドのリタやアンを紹介するマイケル。だからアン、何で恋人が無残な殺され方をされたというのに平然と仕事してるんだっての(笑)。そして一番の難物、母親に夕食の席で引き合わせますが、もう雰囲気がとげとげしいったらないの。マリアンはいろいろ話をしようと試みるのですが母親はまるで鼻を木でくくったような態度。聞こえてくるドラムの音に「あれはなんですの」とマリアンが聞くのに「黒魔術のドラムよ」とつっけんどんに答えたりします。極めつけはブレックのこと。アンが「ブレックのことを聞きました。私にも何かできることはありませんか」と言ったら母親憤然として「これは家族の問題です」「私だって家族の一員ですよ」「いいえ、まだ、よ!」こんな嫁姑問題、ホラー映画で見たくないよう(大笑い)。辟易したマリアン、早々に寝室へ引っ込みます。

 またマリアンのお付のメイドとなったリタが余計なことをいいくさる。「このへんの人々は超自然的な力を信じています、黒魔術です」とか「え?ブレック様が事故以前に何を研究していたかですって、そんなとても言えませんわ、生き物の魂を集めていたなんて!」って言うとるやないかい(笑)。これですっかり怖くなったマリアン、眠れません。起き上がって寝室の窓から外を眺めていると、たまたま蠢く黒い影を見てしまいます。「あ、あれはブリック」と直感したマリアンです。その黒い影は屋敷に入って階段を上がってきました。その足音が寝室のドアの前で止まって・・・がちゃがちゃ、いきなりドアを開こうとしたではありませんか。マリアン、ひっと叫んでノブに飛びつきなんとか侵入を阻止したのです。静かに立ち去っていく足音。マリアン、こりゃえらいとことに嫁に来てしまったわと思っているという・・・。この後屋敷に響くオルガンの音。

 次の夜、黒衣の人物がまた出現。彼は魔術師の老婆のテント?に忍び込みます。直後響くギャーッという悲鳴。これは彼女が殺されたということでしょうか。

画面が暗くて良く分からないのですが老婆の死体を発見したリナ?他の娘?がぎゃーっと叫んで村は大騒ぎ。その頃屋敷の中をうろうろして飾ってある一族の肖像画を眺めているマリアン、この先には何があるのかしらってんでカーテンをぱっと開けると出たァ、お母様が仁王立ち(笑)。マリアン立ちすくみます。それでも気を取り直して「昨晩、私、見たのです。庭を歩いている人影を。それに誰かがオルガンを弾いているのも聞きました。あれがブレックなのですか」お母様、ますます顔を厳しくして「違います。あの子は外を歩けるほど回復していません。人影とか、オルガンの音とかはあなたの錯覚です」「そんな筈はありませんわ」と言い返そうとしたマリアンですがその時外から大勢の人間がやってくる気配が。

 なんと老婆を殺されて激昂した村の人々が「あの屋根裏にいるキチガ○を殺せ」と押し寄せてきたのです。マイケルとヤーンは彼らを止めようとしますが人々の怒りは簡単には収まりそうもありません。今にも屋敷に突入しそうになったのですが、この時馬の鳴き声がどこからともなく聞こえてきたのです。すると何故か怒り狂った人々はしゅんとなって大人しく引きあげたのでした。この場面、意味が良く分かりませんが、まあとにかく良かった、良かったと胸をなでおろすマイケルたちです。

 で、翌朝、庭でマイケルとひしと抱き合ったマリアンが馬の死骸を発見するという・・・。画質が最悪なのでこの死骸、馬に見えません(笑)。単なる黒い塊です。

 さすがにこれは放っておけないということになり、警邏隊のターナー中尉が屋敷に来訪。シメオン、老婆殺人事件について調べることになります。ターナーはマイケルと母親にブレックとの面会を要請。二人を戸惑わせることになります。しかしその前にとりあえず農園で働いている労働者たちに話を聞いてこようと馬で屋敷を出るターナー。一方、リナは「もう怖くて怖くて仕方ありませんから暇を頂いて実家に帰ります」というリナに「途中で渡して」とコーリンソン先生への手紙を託すのでした。

 農園を進むターナー、その彼の前にあの黒衣の男が現れた。ターナー、馬を降りて彼を捕らえようとしたのですが黒衣の男、懐から刃物を取り出してターナーに向って突進。「グサッ」胸を刺されてしまいました。「うぎゃあああ」と悲鳴を上げるターナー。またしても殺人です。そしてここにこれ以上ない悪いタイミングで通りかかったのがリナ。彼女は殺人の現場を目撃して立ちすくみます。それに気がついた黒衣の男、今度はリナを追いかけた!「ひいいいい」とこれまた悲鳴を上げて逃げるリナ。しかし黒衣の男の手が彼女の洋服の裾をがっちり捕らえた、ああ、リナも殺されてしまうと思いきや洋服がびりり。黒衣の男の手に残ったのは洋服の切れ端だけだったのです。リナ、「ひいいい」と叫び続けながら逃げてコーリンソン先生の屋敷へなんとかたどりつくことができました。しかしこの時彼女はマリアンから預っていた手紙を落としてしまっていたのです。

 彼女の話を聞いたコーリンソン、馬車で現場へ向います。そして周囲を調べたのですが彼女が落としたというマリアンの手紙は見つかりませんでした。そのついでと言っちゃなんですが彼の目に止まったのがブーツからちぎれたと思しきカカトの部分。彼はそれからブルックリンの屋敷へ行ってマリアンに面会します。そして「ここは危険だ、私と一緒にケープタウンに行きましょう」しかしマリアンは首を振り「私はマイケルと婚約した身です。私のいるべき場所はここだけです」

 そのマイケルは何をしていたのかというと警邏隊本部にターナーの死体を運び込んでいました。忠実な部下の死に驚きを隠しきれない警邏隊大佐。マイケルは彼に「あ、ちょっと言い忘れてましたけど、うちの弟、今日の午後死んでますから。だから犯人じゃないっすから、よろしく」だって。ええっ、ブリック死んだの?いくらなんでもこれは唐突すぎる展開じゃない?ひょっとしてこのマイケルは・・・。

 コーリンソンはターナー殺害現場で拾ったカカトをブルックリン家御用達の靴屋へ持ち込んで誰のものか調べて貰ったのです。靴屋のおじさんはニヤッとして「ははは、これはブルックリンのブレックさまのものですなあ。何しろあのお方は馬に蹴られて片足なくしてます。義足ですからカカトのヘリ具合も一味違ってますのですぐ分かりまさあ」コーリンソンはすぐに警邏隊本部へ駆け込んで「ターナーを殺したのはブレックです。え?何?マイケルが彼は死んだと言っていた、そんな馬鹿なちゃんと生きてます。とにかくブルックリン屋敷へ行きましょう」

 二人で屋敷へ急行します。

 さてここからクライマックスに向って急加速。寝ていたマリアン、誰かがオルガンを弾いているのを聞いて置きだします。部屋をでて誰かを確かめようとしたらはい、また突如出現した母親。「まー、またですか、お母様、いい加減脅かすのをやめて貰えません?」マリアンの苦情には耳を貸さず「いいかい、すぐあなたはここから出て行くのです。ごらんなさい、この肖像画の男たちを。ブルックリン家の男たちはみんな発狂して死んでいるのよ。あなた、発狂する男と結婚して子供が生みたいのかえ」いやな家系だなあ(大笑い)。

 マリアン、そんな母親を振り切って階下へ。オルガンを弾いている男の背中に手を掛けて振り向かせようとしたのですが、男の体は力なく崩れ落ちてしまいました。それはなんと血まみれの死体、え、これは誰の死体だ?勘定が合わないぞ。画質も何度も言ったけど最悪だからどんな顔なのだがさっぱり分からんぞ。オルガンは自動演奏なのか。悲鳴を上げて立ち尽くすマリアン。ここで現れたのがはい、黒衣の男、いや、マイケルですよ。マリアン、ぱっと顔を輝かせるのですが、片足を引きずる彼の歩き方をみてみるみる表情を曇らせます。「そ、そんな、あなたは本当は」「ウハハハハ、そうさ、俺はマイケルじゃない。弟のブレックさ」ええ、皆さん言いたいことがあるのは分かりますが、まあ、もう少しの辛抱ですからちょっと我慢していてくださいね。

 馬車を走らせるコーリンソンたち。いつ屋敷に着くのでしょうか。

 「ぬははは」ブレックは哄笑します。「お前のお大事のマイケルは屋根裏部屋で待ってるよ、さあ、行こうじゃないか」彼はマリアンをとっつかまえると無理やり階段を引きずり上げます。ここで母親が「もうやめて、ブレック」と飛びついたのですがこれを邪険に振り払うブレック。母親、二階の渡り廊下からまっさかさまに落ちてはい、死んじゃいましたとさ。「ぬはははは、さあ、邪魔者はいなくなった、さあ、来るのだ、来るのだ」

 馬車を走らせるコーリンソンたち。いつもより余計に走らせております。

 ついに屋根裏部屋に引きずり込まれるマリアン。ここには様々な色に光る壜が実験用具と共に並べられています。「ぬはははは、我輩は大変な科学的成功を成し遂げたのだ。生物から魂を分離させて保存しておくことが出来るようになったのだ。見よ」青い光を放つ壜を指差して「これは猿だ」赤い光を差して「これは犬だ」「猫だ」「鼠だ」動物シリーズが延々続いて、次に「これはなあ、ぬははは、驚くなよ、これは人間のものだ。我輩のことをこのキチ○イと罵りやがった男のものだ。そして最後のこれが」白い光を放つ壜を指差します。「これこそがマイケルの魂よ」なるほどちゃんとマイケルって名札が張ってある(大爆笑)。そして彼は実験室の隅に置いてあった椅子をクルリと回します。どーん、現れたのは無残なるマイケルの死体でした。「我輩は6週間前に奴を殺して入れ替わっていたのだ、ぬはははは」あんまり無理がある話なので英語のヒアリングを間違えたのかと思ったのですが何度聞きなおしてもやっぱり6週間と言ってます(笑)。

コーリンソンたち、まだ馬車を走らせております。

 さらにブレック、「実の兄弟になんてことをするのよ」と喚くマリアンにクロロフォルムアタック!彼女を眠らせます。なんと彼はマリアンの魂を分離させマイケルのそれと融合させようと計画していたのです。「愛の力で史上初の魂の融合が実現する、まったく我輩はなんという天才であろう、ぬはははは」

 大ピンチのマリアンですが、ここでやっとコーリンソンたちが到着します。コーリンソンはブレックの屋根裏部屋へ一直線。彼の出現にうろたえたブレックは火かき棒振り上げて襲い掛かったのですが、彼がぱっとよけたので勢い余って猿の魂が入った壜を壊しちゃったのです。とたんに猿の鳴き声がウキー、ウキー。ブレック、この魂に襲われたようでひいひい言いながら火かき棒振り回して魂の入った壜を次々に壊してしまったのです。解放された魂たち、ワンワン、きゃんきゃん、にゃーにゃー、チューチュー、このキチガイめ、このキチガイめ、と五月蝿いったらありゃしません。ブレック、この魂たちに押し包まれ「うわ、やめてくれ、ぎゃああ」と錯乱。苦しさのあまり部屋から飛び出して二階の渡り廊下からダイブ。先ほど同じような死に方をした母親の死骸の横にごろんと転がったのでした。うわああ、いやなラストだなあ。

 コーリンソンと大佐に付き添われて馬車に乗り込むマリアン。エンドクレジット。

6週間前に兄を殺していたのだから、冒頭からずっと出ていたマイケルはブレックだったのか、いや、それにしちゃ馬にも乗っていたしそんなことはあり得ません。これを上手く説明するためには中盤マイケルとマリアンが馬の死骸を発見したあたりから一瞬にして6週間経過したということにしなくちゃならないのですが(笑)。

カラー・スタンダード 色の滲みと明るさの不足で夜の場面は何が何だか分かりません。台詞が聞き取りやすかった音質だけが唯一の救いですね。12枚のディスクに50本の映画を収めたNightmare Worlds 50 Movie Pack CollectionMill Creek EntertainmentのDVD。

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2008年4月 7日 (月)

『All the Kind Strangers』 1974年

 

All the Kind Strangers』 1974

子供だけの家に誘い込まれた青年が味わう恐怖の体験。あー、こういう小難しい単語が出てこない映画の英語ヒアリングは本当にラクだなあ。特に身構えなくても向こうからぽんぽん頭の中に飛び込んでくるものなあ。まったく私の英語ヒアリング力というのは内弁慶だよ(笑)。

 冒頭カッコいいオープンカーを走らせる男。彼の名前はジミー・ウィラー(ステーシー・キーチ)と言いましてこうして全米各地を回って写真を撮影しているフォトジャーナリストであります。彼があー、どっか良い景色はないかなとフリーウェイを外れて田舎道に入り込みますととぼとぼ重たそうな荷物を持って歩いている男の子がいる。不憫に思った彼が車を止めて「どこまで行くの」と尋ねますと男の子は「家に帰るの、あと1マイルくらい先かな」これを聞いたジミー、根が親切な性質でありますから男の子を送ってやることにしたのです。

 男の子の名前はギルバート(ティム・パーキンソン)。「君を一人で歩かせるなんて君のママはどうかしているよ」と言ったジミー、「ママは死んじゃったの」というギルバートの言葉に慌てて「あー、ごめん」ちょっと気まずい雰囲気に(笑)。彼の案内にしたがって車を走らせますとあれあれ、道がどんどん狭くなる。もちろん舗装なんかされておらず、左右から木の枝が張り出していてほとんどケモノ道状態です(笑)。ジミーはうっかり親切心起こしたばっかりにこんな羽目になったと後悔しながら引き返すこともできず進むばかり。そしてあろうことか道が消失、先にあるのは小さな沼だったという。ジミー、さすがに呆れて「道がなくなっちゃったぞ」と叫んだのですがギルバートは「いや、大丈夫だよ、この沼は浅いから車で渡れるよ」ってお前、なんということを言うのか。またジミーもこの子供の言葉を信じて沼に自慢の車を乗り入れるのです。何度かスタックしそうになりながらなんとか沼を突破、ジミーは「讃岐うどんの店だってこんな道の先にはないぞ」とぼやくのでした。しかも雨まで降り出して踏んだりけったりとはまさにこういう状況のことを言うのでしょう。

 ここからしばらく走りましてようやく民家に到着。ギルバートは「お礼をしたいから是非家に寄って行って」と言い出します。先を急がなければならないジミーはためらいますが彼の家族にちゃんとした道(笑)を教えて貰わなければならないのでしぶしぶ家の中に入ることになります。しかしこの家様子がおかしい。玄関ポーチには三頭の馬鹿でっかい犬がいてジミーにううううと唸っている。ちょっと引くジミー。そして家の中に入ってギルバートの家族に対面した時彼はそれ以上の驚きを味わうことになります。なんと長兄のピーター(ジョン・サヴェージ)を頭に7人の子供しかいなかったからです。末っ子のベイビー(ジョン・コネル)、ギルバート、11歳のジェームズ(ブレント・キャンベル)、リタ(パティ・パーキンソン)、マーサ(アレーナ・ファーバー)の二人の女の子。マーサは口がきけません(笑)。そして15歳のジョン(ロビー・ベンソン)。もうジミー、ドン引き。

 こんなヘンなところに長居はできない、ジミーはピーターから帰り道を聞いて車に乗り込むのですがなんとしたことかエンジンが掛からない。ボンネットを開いて点検したけどやっぱり駄目。仕方なしに今夜はこの怪しい家に泊まることになってしまいました。

 そしてさらに不可解なことが起こります。子供たちがママは台所で夕食の用意をしているというのです。「あれ、ギルバートはママが死んだと言ってたけど」首を傾げながら台所へ行ってみますとどうみても7人の子供のママとは思えない若い女性が小麦粉捏ねているではありませんか。「あれ、そうすると君は後妻さんかな、彼らの本当のママが死んだか別れるかした後パパと再婚したのかい」こんな間抜けなことをいうジミーに彼女は小麦粉を使って「助けて」という文字を書いて見せたのです。彼女はすぐにその文字を消してしまいます。驚くジミー、そう言えばこの台所の窓は全部木の板で塞いであるではありませんか。一体全体何が起こっているのだ、ジミーの疑問はいやますばかりであります。

 さてその後の夕食の時間、みんなでテーブルを囲んで豪華な夕食を頂きます。ママが人参を嫌がるリタを説教したりして見かけは極普通の家族なのですが、やっぱりどこかオカシイ。ほら、ジョンがどさくさに紛れてジミーを「パパ」なんて呼びやがったぞ。マーサがねっとりした目つきで見ているのも気に入らない。とうとう気分が悪くなったジミー、「じゃあ、明日牽引車が来たら即帰るからね、みんなお休み!」と叫んであてがわれた寝室に引っ込んだのですが、あ、外から鍵を掛けられちゃった。思わず「昔てんぷくトリオが地方のキャバレーに営業に行った時に、しょっちゅう芸人に逃げられて頭にきていた支配人から部屋の鍵を掛けられたというが、まさか俺が同じ目にあうとは思わなかったな」とつぶやくジミーであります。この後部屋の戸棚を漁ってみると違うイニシャルがついたヘアブラシが何本も出てくるのが恐ろしい。

 しかしジミー、こんなことではくじけない。針金使って鍵をこじ開けるのです。部屋から出てさあ、逃げようとしたのですが、ふと目に留まったのが対面の部屋。このドアにもやっぱり鍵が掛けられています。これを開けて中に入ってみると中にいたのが当然ながらママ。彼女は自分はキャロル・アン(サマンサ・イーガー)と名乗りジミーに「私たちは囚人なのよ」と真実を告白するのでした。何でも彼女も車で旅行中ギルバートを拾ったのだそうな。そのままジミーと同じくこの屋敷に連れ込まれ今日まで監禁されていたのです。「それも私たちが最初じゃないの。他にも何人もやられているのよ」ははあ、あの違うイニシャルのついたヘアブラシはそういうことだったのですな。

 ジミーはキャロルを連れて逃げようとしたのですが、その二人を靴箱抱えたマーサが見ていました。また玄関には犬が頑張っていてこれを突破するのは無理。やむを得ず部屋に戻ることになったのですがキャロルの部屋のベッドの上ではガラガラ蛇が!彼女の悲鳴で駆けつけてきたピーターがやおらピストルを取り出して蛇の頭を吹き飛ばしますって、これあきらかに本物を殺っているだろ(大笑い)。なんでもこのガラガラ蛇、ジェームズが靴箱で飼っていたのを誰かが持ち出したらしい。そう言えばマーサが靴箱抱えていました。どうやらこれは彼女の仕業のようです。

そう言えば食事の時マーサがジミーをねっとりした目つきで見ていたな、ひょっとしたらジミーとキャロルに嫉妬してこんあことをしたのかなと思ったのですが、この後の展開には特に関係ないという…(笑)。

 波乱の夜が過ぎまして翌朝となりました。今日こそ逃げようと決意して起き出してきたジミーですが外へ出てびっくり。車がなくなっているのです。憤然となった彼はキャロルが止めるのも聞かず牛小屋で乳搾りをしていたジョンを捕まえ「ピーターはどこだ」「他のみんなと湖へ泳ぎに行ってるよ」その場所を聞き出して早足で向うジミー。その後から犬が二頭ぴたりとつけており、絶対逃さないようにしております。また途中のとうもろこし畑の中には空き缶を使った警報装置、とがった木の枝で作った罠などが仕掛けてあるのです。

 湖へ到着したジミー、きゃあきゃあと水遊びをしている子供たちに向って「お、お、俺の車をどこにやったぁ、あれは7,000ドルもした新車なんだぞ、車、かえせええ」

 目を三角にして「車を返せ、車はどこだ、7,000ドルもしたんだぞ」と喚き散らすジミーに肩をすくめたピーター、彼にボートに乗るように頼みます。そして川を下っていくのですが、どうもこのボートがぼろで途中でどんどん浸水してくる始末。ジミー、靴を水に浸さないように足を持ち上げて「まったくもー、なんてボートなんだ、この俺の60ドルもした靴が濡れちゃうじゃないか」と、ここでピーターはボートを漕ぐのをやめて「ジミーさん、ここがこの川で一番深いところです。下を見てみてください」その通りにしたジミーはびっくり。川底に7,000ドルの新車が沈んでいたからです(笑)。しかも他にも赤だの緑だの青だの車が何台も沈んでいるではありませんか。おまけに子供たちが悪戯してボートひっくり返しちゃった。彼は溺れかかって子供たちに家まで運ばれるのでした。

 ベッドで目を覚ましたジミー。もう駄目だ、一刻も早く逃げ出さなきゃ駄目だと決意します。そして子供たちを前にこんなことを言い出したのです。「車を沈めたのはジョンだな。よーし、父親として彼を罰する。他の子供たちはどっかに行ってなさい。あ、ピーター、犬が騒ぐといけないから奴らも連れていっておくれ」子供たちがその通りにしたのでジミーはジョンと二人きりになります。そこで「よーし、ジョン、お前は倉庫に入って自分のしたことを反省するのだ」はい、これで彼一人になりました。「チャーンス」と呟いたジミー、全速力で逃げ出します。

 これで上手く行くかと思われたのですが、ほどなく彼を追いかけてくる犬の鳴き声が聞こえてきます。そして彼の眼前にぱっと現れたピーター、彼はライフルを構えていました。はい、あえなく家へ戻るジミーであります。

 ジミーはもうやけのやんぱち。その日の夕食の席で突然立ち上がった彼は満面の笑みを浮かべて「よーし、今日から俺たちは家族だ。みんな、俺のことをパパと呼べ。キャロルはママだ。みんなで楽しくやっていこう。あはははは、家族はいいなあ、俺も自分の子供たちがずっと欲しいと思っていたんだ」どうにも調子の良いことで(笑)と思っていたらジミー、「あはははは、みんな家族なんだから部屋に鍵を掛けるのはなしな」どうやらこれが言いたかったようですな。

 その夜子供たちは彼の言葉に従って部屋の鍵を掛けませんでした。またまた「チャーンス」と呟いたジミー、キャロルと逃げようとします。その障害となる玄関前の犬たちはパンのクズで中におびき寄せて一頭ずつ部屋に閉じ込めてしまいます。「よし、これで邪魔者はいなくなったぞ」夜の闇の中を走って逃げるジミーとキャロル。でもやっぱり上手く行くわけがありません。またまたライフル持ったピーターに先回りされてはい、連れ戻されてしまいましたとさ。

 可愛そうにジミー、ベッドに縛り付けられちゃった(笑)。

 子供たちはキャロルを交えて「あんなにのべつ逃げ出してばかりのパパはいかがなものか」という話し合い。いつものように皆で投票してパパを放逐するか(笑)このままで行くかが決められることとなりました。ピーター以外の子供たちは知らないようですが、まあ、放逐ったって、ただ追い出すだけじゃないですからね、ピーターがライフルで・・・ってことですからね。皆さん、分かってますね。ピーター、ジェームス、ジョン、ベイビーが× リタ、ギルバート、マーサが○ということで投票の結果、めでたく放逐が決定したのです。

 翌朝、解き放たれたジミーとキャロル。トランク持ってさあ行こうというところでピストルを持ったピーターが現れた!「分かっているとは思うけど貴方たちをこのまま行かせることはできないんだ」ピストルで二人を狙います。ジミー、落ち着いた口調で「もう他の兄妹たちも分かってしまうぞ、こんなことはやめるんだ。今ならまだ間に合う」いや、間に合ってはいないと思うけれども(笑)。僅かなためらいを見せるピーター。ここでさらに他の子供たちが姿を見せます。彼らは口々に「昨日投票で決まったじゃないか、そのまま二人をいかせようよ」「それは駄目だ」と絶叫するピーターです。「これはみんなのためにやっている。みんなのためなんだ」「いや、そんなことはない、君は自分のためだけにやっているのさ。このまま一生過ごすつもりか、ぞんなことは絶対無理だろう、私は君たちを助けてやりたいんだよ」懸命なジミーの説得についにピストルをおろすピーター。

 「よし、このまま町へ行って助けを呼んでこよう」こうしてジミーとピーターは歩き出すのです。この後、ジョン役のロビー・ベンソンが歌う主題歌「All the Kind Strangers」が流れる中エンドクレジット。

 最初のサスペンスは非常に良かったのですが、最後は実につまらない展開になってしまいましたねえ(笑)。

 カラー・スタンダード 色のにじみが酷いのはいつもと同じ。音質は台詞が聞き取りやすかったのでよしとしましょうか。12枚のディスクに50本の映画を収めたNightmare Worlds 50 Movie Pack CollectionMill Creek EntertainmentのDVD。

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『The Werewolf 』(1956年)

 

The Werewolf 』(1956年)

一風変わった狼男映画。この映画に登場する狼男は呪いの魔獣などではありません。純然たる科学実験の失敗の産物なのです。どんな科学実験かというと、そんなの決まってまさあ、放射能ですよ、放射能。

 警告、警告、このDVDのリージョンは1です。したがって日本国内のDVDプレーヤーでは再生できません。警告、警告。

夜の田舎町ふらふらと歩いている男(スティーブン・リッチ)あり。彼は酒場に入るとバーテンのホクシー(ジョージ・チザー)に酒を注文します。心ここにあらずといった様子でそれを飲み干した男、酒場を出ようとしたのですがホクシー、「ちょっとあんたおつり忘れてますがな」それを受け取って改めて酒場を出る男。と、その時カウンターにいた男が何を思ったか彼を追いかけた。そして彼を暗い路地に引きずりこんで「おい、あんた、見たぞ、金持ってただろう。俺は文無しなんだ、だからいっぱい奢れ」さすがに男、首を振ります。「なんだと、やい、やさしくいっているうちに奢れ、いや、いっそ俺に20ドルよこせ!」このなんともセコイ強盗と男、もみ合いとなります。首を絞められて弱々しく抗議する男。「と、げほげほ、く、苦しい、やめてくれ、やめてちょうだい、やめてください」とその声がいきなり「やめろと言ってんだろうが、う、う、ウォーでがんす!」突如豹変した男によって強盗、喉を噛み裂かれてしまいます。

 「こりゃ、大変なことになった」と大騒ぎになる町の人々。保安官が留守であったためにとりあえず保安官助手のベン・クローヴィ(ハリー・ロウター)と町の男二人の三人で男を追跡することになります。雪原に点々と残されている男の足跡を追う三人。ところがその足跡が急に狼を思わせる動物のものに変わってしまったではありませんか。クローヴィーははっと息を飲んで「これは奴が狼に襲われたってことか」「いや、争った後がない、それにこの狼、二本足で歩いていますぜ」この時点で3人とも「これはひょっとしたら狼男か」と思っているのですがそんな馬鹿げたことを言い出したら笑われてしまうので黙っております(笑)。とりあえずこの場所で男を待ち伏せすることにしたクローヴィ。残りの二人は町に戻って保安官を連れてくることになります。

 しかしなんとしたことか、次の場面になると腕を負傷したクロービィと保安官ジャック・ハインズ(ドン・ミーゴワン)が町に戻ってきたところになるという・・・(笑)。どうやらクローヴィは男?狼?に襲われたらしい。彼は医者、ギルクライスト博士(ケン・クリスティ)の病院へ運び込まれます。ここで看護婦をしているのが博士の姪のエミィ(ジョイス・ホールデン)。彼女と保安官は恋人同士で隙あらば婚約しようという仲であります。クローヴィを見て「二人目か」と驚く博士。一人目はもちろん、あのセコ強盗(笑)のジョー。彼はすでに絶命しております。博士は保安官に「一晩で二人もやられるなんて一体全体何が起こっているのかね」

 クローヴィは彼に事情を話すのですが、その口調がどうにも歯切れが悪い。それもそのはず、「いや、それがですねえ、狼のようで狼でない、人のようで人でない、それは何かと申したら狼男でございます」なんて言うのですから。博士はアハハと笑って「狼男ってあれかね、満月みたらウォーでがんすって変身するやつかね、そんな馬鹿なことを言ってはいかんよ」

 さて、その翌日、森の中で目覚める男。雪が積もっており大変に寒そう。おまけに男は裸足です。びっくりした男は「な、何で裸足なのだ」おまけに周囲の地面では狼らしい獣の足跡が!「一体私に何が起こっているというのだ」男半狂乱になって立ち上がり走り始めます。そして昨晩クローヴィが待ち伏せしたあたりにやってくると四つんばいになって地面を探します。そしてついに靴下と靴を見つけるのです。どうやら狼男になったらわざわざ靴を脱ぎ捨てるようで(笑)。

 一方保安官は町の猟師たちを集めて「あー、みなの衆、昨晩の事件のことは聞いているだろう、これが解決するまで森の中へ入ってはいかん」さらに彼は応援を呼んで町へ通ずる道路を封鎖します。

 その間も森をさ迷う男。そうするうちにグルクライスト博士の病院を見つけまして裏庭で薪を運んでいたエミィに「すいませーん、とにかく診てくださーい」と頼み込むのです。病院の中へ案内されてさっそく博士の診察を受けるのですが、ところが男、自分の名前さえ思い出せない。それどころか自分が何をしていたのかさえよく覚えていないというのです。困り果てた博士が「じゃあ、あんたが覚えている中で一番古い記憶はなんじゃね」と尋ねますと「車の事故にあったような気がします。そして二人のドクターに何かされたような・・・」このドクターの身元はまったく分からずまさに雲をつかむような話であります。あまつさえ博士が「じゃあ、とにかく保安官を呼んで今の話を聞いて貰おう」といいますと男は急に怖がり始めて「保安官って銃持っているじゃないですか、その銃で私をズドンとやるんでしょ、そんなのイヤです、たすけてー」と逃げ出してしまったのであります。

 この話を聞いた保安官、「じゃあとりあえずそいつを探しましょう。なるべく生かしたまま捕らえますよ」山狩りが始まりました。

 ぱっと場面が変わりまして映ったのは怪しい実験室。デカイ犬やら狼の実験動物?がおりましてワンワンウーウー五月蝿いといったらない。そしてこの実験室にいるのが二人のドクター。そうです、男の話に出てきた怪しいドクター二人組とはこいつらのことだったのです。こいつらの名前はモーガン・チャンバース博士(ジョージ・リン)、エメリー・フォレスト博士(S・ジョン・ロウナー)といいまして放射能による人類の突然変異を研究しているらしい。チャンバース博士によると「水爆なんてものが開発されてますます放射能が強力になる。一度核戦争が起こったら人類は放射能のミュータントと化し化け物となってしまうのだ」なのだそうで。これを防ぐためにあんなことやこんなことをしているのであります。

 あの男はうっかり近くで交通事故を起こして怪我の治療のために二人のところへ運び込まれてきた。これを「絶好のチャンス到来」と見た二人は傷の手当もそこそこに放射線障害で死んだ狼の血から作った「対放射能ワクチン」を注射してしまったのです。なんでお前らはそんな怪しいものをいきなり使うか(大爆笑)。新聞を読んで狼男の存在に気づいた二人は「あれは対放射能ワクチンの副作用だ、とても危険だし我々の秘密を守るためにも殺さなければならぬ」と決意したのであります。

 とここで一人の女性が尋ねてきました。応対にでたチャンバースにその女性は「私、夫のダンカン・マーシュを探しておりますの。何でも事故にあってここで怪我の治療をしたと警察の人に言われたものですから」チャンバース博士ぎくぎく、ぎくく!(笑)。「い、いや、その人はですな、ハンドルで額を打っただけで、怪我のほうはまったく大したことはなかったので」「それでは宅はどこにいるんでございますの」「それはですな、ほれ、あれですよ、私がちょっと席を外した隙に出て行ってしまったので」なんだか怪しい説明ですが、これでとりあえずマーシュ夫人(エレノア・タニン)は納得しまして一人息子と共に車で帰って行ったのでありました。

 こうしちゃいられない、マーシュ夫人が現れたことであせりまくった二人は車にライフルと弁当を積み込んで山へ向います。

 山狩りを続ける保安官たちとは別に男を捜し求める二人。ついにその姿を発見します。男、ダンカン・マーシュも彼らに気がついて鉱山の入り口の中に逃げ込んだのでした。後を追ったのはエメリーの方。彼をみたダンカン、「あ、あなたはあの時のドクターじゃありませんか、お願いします、助けて下さい」エメリーは何も言わずにライフルを向けるのみ。ダンカン、「するとあんたは助けるどころか私を殺そうというのか、うううう、ゆ、許せない、う、う、ウォーでがんす!」狼男に変身。口からだらだらと涎を流しながらエミリーに飛び掛るのでした。

 「うわあ、ひゃあ」なんとか鉱山から飛び出したエメリーでしたがここで狼男に追いつかれて地面に引き倒されてしまいます。このまま「ウォーでがんす、ウォーでがんす」と喉を噛み裂かれ一貫の終わりと思いきや、チャンバースのライフルが火を噴いた。弾は外れたものの、驚いた狼男はエメリーから離れて逃げ出します。しかし銃声に驚いたのは狼男だけではありませんでした。近くにいた保安官たちもこの銃声を聞きつけて二人のところへやってきたのです。「おい、余所者が勝手に山に入って何をしているのだ」と詰問する保安官。チャンバースは答えて曰く「あれはうちの患者なんです。もう怒ったりすると狼男になっちゃうんです。私たちも彼の保護に協力させてください」

 保安官は狼男が人間であることがはっきりしたので罠を仕掛けるよう部下に命令します。エミィは「彼はもともと人間なのよ、そんなひどいことしないで」と噛み付くのですが、いや、話題が狼男なだけに噛み付くという洒落なので(笑)。保安官は「町の安全には代えられないさ」ときっぱり断るのでした。これで彼女との仲がおかしくならなければいいのですが。

 さて、保安官に二つの知らせがもたらされます。ひとつはダンカン・マーシュの車が見つかったこと。クローヴィーからこれを聞いた保安官、「なに、ブロックヴィルから20マイル離れた道路だって、そりゃ、あの二人のドクターの住所に近いな」でも保安官、これでピンとこない(笑)。もうひとつは「ええっ、ダンカンの奥さんと息子が来るの?それ、ちょっとやばくね?」

 その頃森の中をさ迷う変身したままのダンカン。岩の上にぽつんと置いてある生肉を見つけて「ウォーでがんす、肉でがんす」と飛びついたのですが、皆さんもお分かりの通りこれが罠だった。ぐわばちーんとトラバサミに足を挟まれてしまったのです。「ウォーでがんす、痛いでがんす」狼男はなんとかその強力を持って罠を外し逃げ出します。しかし当然ながら彼は足首に深い傷を負ってしまったのでした。狼男足を引きずり引きずり歩いた末についにばったり倒れます。そしてその顔がだんだんと変化して、おお、ダンカンに戻ったではありませんか。

 さて、ブロックヴィルの町に到着したダンカンの奥さんへレンと息子クリスはギルクライスト博士の診療所に滞在することになります。しかし夫の安否を誰に尋ねてもはっきりした返事が返ってきません。誰も彼も言葉を逃して「うん、まあ・・・、そのうち分かりますよ、奥さん、ははは心配しないことですな」ついにヘレンは切れて「一体全体どうなっているのよ」と叫ぶのです。この叫びを聞いた保安官、博士やエミィと「いや、やっぱり言えないっての、旦那が人殺しでおまけに狼・・・、あ、奥さん、聞いていたんですか」いつの間にかヘレンが彼らの背後に忍び寄っていたという・・・(笑)。

 事情を察したヘレン、保安官に涙ながらに捜索に自分と息子を同行させてくれるよう頼みます。この時事務所にやってきたのがチェンバースとエミリーの凸凹科学者コンビ。「何でもできることがあったら言ってください。協力しますぞ」という彼らをうろんに思う保安官。しかし、彼はそれ以上の疑いを持とうとはしません。やっぱりピンとこない人だよ、この保安官は。

 山に入ってダンカンを探す保安官、クローヴィー、エミィ、ヘレン、クリスの5人。保安官はメガフォンを使ってダンカンに呼びかけます。「おーい、ダンカン、出てこいよう、お前を助けに来たんだよう、何もしないからよう、看護婦もいるから傷の手当もしてやるよう」前日まで散々ライフルで追い回されしまいには罠にかけられたダンカンですから、こんな甘い言葉に乗るはずがありません。それどころか木の茂みに身を隠してしまう始末です。なおも呼びかける保安官、やっぱり効果はありません。とここでたまらなくなったヘレン、「私に話をさせて」とメガフォンを奪い取り「あなた、ダーリン、ヘレンよ、どうしたの、大丈夫だから出てきて、クリスも一緒よ」保安官の言葉は信じられませんが愛する妻と子供がいるなら否も応もない、ダンカン、茂みから飛び出してきて、ここでついに家族の再会がなされたのであります。

 「あなた、あなた」「お前、お前」「パパ、パパ」ひしとすがりつき合う三人の姿に思わず貰い泣きをしてしまう保安官、クローヴィーとエミィ(笑)。とりあえずダンカンは保安官事務所の留置場へ入れて治療に当たることになりました。ヘレンとクリスは付き添うと主張したのですが、ダンカンは「もう心配ない、私を一人にしておいて大丈夫だ、側にいられると返ってアブナイのだ。頼む、家へ戻ってくれ。私もすぐ戻るから」と二人を帰らせたのです。これで留置場の中に一人となったダンカン。絶望の溜息を洩らしつつベッドに横になっております。

 これで落ち着かないのがチェンバースとエミリーの二人。酒場で保安官事務所にいるダンカンをどうやってやっつけようかと頭を悩ましております。と、カウンターの方でなにやら喚いている酔っ払いが一人。この人は、そうだ、保安官の指示で罠を仕掛けていた人だ。もうこれがぐでんぐでんになって「ウィー、ひっく、お、俺のね、仕掛けた罠でね、狼男が捕まったんだ、ええ、凄いだろ」と事実と違うことを自慢しているという・・・(笑)。これを聞いたチェンバース、ニヤリとして「チャーンス」と呟きます。彼はこの酔っ払いに「え、あんたは偉いね、あんたがいなけりゃ狼男野放しでまた何人かやられてたかも知れないね、ええ、この大統領、憎いよ、この」と言葉巧みに近づいて外へ連れ出します。「狼男は罠をばらばらにしちゃったそうだけど、それ保安官事務所に置いてあるんだよね、もう、俺に見せてくんない」「よしきた、見せてやらあ」と酔っ払いが頷いたところで路地から飛び出してきたエミリーが頭をがんっ。

 失神した酔っ払いを二人で保安官事務所のドアの前に転がします。そしてドアをノックしますとはい、見張りをしていたクローヴィーが顔を出した。彼が倒れている酔っ払いに気がついて介抱しようとしたところを背後からエミリーがクロロフォルムアタック!失神させます。ウウーム、よく考えたら何も酔っ払い使う必要なかったんじゃないか、この作戦(笑)。

酔っ払いとクローヴィーを事務所に引きずり込んだらもう邪魔者はなし。事務所奥の仮眠室で保安官寝ているけどまったく目を覚ます様子もないし(笑)チャンスだからダンカンに麻酔薬打って連れて帰ろうということになります。牢屋の外から見るとダンカンうつ伏せで寝ており顔が見えません。「まあ、大丈夫だろう」とクローヴィーから奪った鍵で牢屋を開けて中へ入るエミリー。ダンカンをひっくり返しますと、わああ、狼男になっている(大爆笑)。飛び起きた狼男「ウォーでがんす、ウォーでがんす」と二人に飛び掛ってあああ、ずったずたのぎったんたんにしてしまいましたとさ。そのまま逃走する狼男。

 狼男=ダンカンに同情の余地はあれどまた二人殺してしまったからにはもう放ってはおけぬ。町民を組織して追跡にかかる保安官とクローヴィー。足を引きずりながら逃げる狼男をさんざんに追い掛け回し、追い詰めてライフルで一斉射撃。数発の銃弾を受けてついに倒れふす狼男です。そしてその顔がダンカンに戻ったところでエンドマーク。

 な、なんというか身も蓋もありゃしない、惨い結末ですなあ。こういうのはフツー、実験をやっていた科学者が何らかの事故で狼男になっちゃったみたいな設定にするんじゃないですか。ただ事故を起こしただけで得体の知れない薬を打たれ狼男になった挙句情け容赦なく射殺される。私はこのダンカンの境遇に涙を禁じえません。うっうっう・・・。

モノクロ・スクイーズのワイド収録 モノラル音声。ちょっとノイジーですがなかなかの好画質。雪山の表現が素敵です。音声も聞き取りやすくて不満なし。英語字幕付。『The Giant Claw』『Creature with the Atom Brain』『Zombies of Mora Tau』『The Werewolf』が収録されたアイコンズ・オブ・ホラー コレクション。ソニーピクチャーズのDVD。 

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『The Leech Woman』 1960年

 

The Leech Woman』 1960

 永遠の若さを追い求めるのは女性の宿命のようなもの。若さを保つために処女の生き血を浴びたり、スズメバチのロイヤルゼリーを飲んだりはたまたヴードゥの呪術を使ったり、この手の映画を称して「ばあさんはしつこい、ばあさんは用済みだ」映画と申します。

 警告、警告、このDVDのリージョンは1です。したがって日本国内のDVDプレーヤーでは再生できません。警告、警告。

冒頭医者のポール・タルボット博士(フィリップ・テリー)のオフィスを訪ねる老女。杖を使ってよちよち歩く彼女の顔は深い皺に覆われておりそうとうの高齢であることが推察されます。しかしその時タルボット博士は妻のジューン(コリーン・グレイ)と陰湿な夫婦喧嘩の真っ最中。「あたしとあなたの結婚生活はもうむちゃくちゃだわ、酒でも飲まなくちゃやってられないわ」彼女は戸棚からウィスキーを出すなり豪快にラッパ飲み。半分ほども一気に飲んで「げふーっ」そんな彼女を冷たい目で見ているタルボット博士。「ふん、飲んでいる時の君が本当の君なんだな。このアル中め」「あたしをアル中にしたのは誰よ、うきいいい、もう離婚しかないわ」足音荒く出て行くジューン。彼女はすぐに顧問弁護士のニール(グラント・ウィリアムス)に電話して「ニール、全てが終わったわ!すぐに離婚手続きをして頂戴」頭っから気の滅入る場面であります。

 さて、ようやく夫婦喧嘩が終わったのを知った看護婦のサリー(グロリア・タルボット)、辛抱強く待っていた老女を診察室に案内します。この時サリー、タルボット博士に「もうまるでミイラの棺から出てきたようなお婆さんですわ」と囁くのがオカシイ。看護婦ともあろうものがそんなことを言ってはいかんだろう。その老女マーラ(エステラ・ハムスレー)は診察台に横たわるなりまた変わったことを言い出すという・・・。「私は140年前アラブのドレイ商人によって母と共に連れてこられたのだぞよ」驚いたタルボットが血液検査をしてみると確かに凄い高齢らしい。さらにマーラは「母からいろんなことを教わったぞよ、お主の知りたいこともあると思うぞよ」

 マーラは「ふふふ、その秘密は二人だけの時に話すぞよ」 これに応じてサラに席を外させるタルボット博士。マーラはさらに怪しい話を語りだします。「私はアフリカのナンドピープル族じゃ」「はあ、ナンドピープルと言うとあのスターウォーズに出てきたやつで」「それはサンドピープル」タルボットのボケを軽くいなすマーラ。「アフリカ、タンガニカのカランボの滝の向こうに住む民族ぞよ」彼女はここで懐から母から遺産として残されたという灰のようなものを取り出して「これがナンドに伝わるナイピという薬じゃ。これが老化を遅くするのじゃ。それで私は140年以上も生きることができたのだぞよ」えー、この薬にナンドの高僧の秘密とされているある種の成分を加えればなんと若返り薬が出来るのだそうです。マーラはこの怪しげなる薬を水に溶いて飲み(オェッ!)「私の体を診察するのじゃ、さすれば老化が遅くなっていることが分かるぞよ。それがこの話が本当であるという証拠ぞよ」診察してみると本当に薬の効果で老化が遅くなっている。

 タルボット博士は思わず「チャーンス」と呟きます。若返りの薬を見つければ地球一の大金持ちになることも不可能ではありません。彼はマーラが頼んできた故郷へ帰るための旅費を快く提供、その足で帰宅し丁度ニールと涙ながらに離婚準備していたジューンに「離婚だって?そんな馬鹿なことを考えるんじゃない。君は今から僕とアフリカに行くのだ」彼はマーラと彼女の怪しい若返り薬について説明するのです。ジューン、露骨に「ほんとかしら」という顔をしているのですが(笑)本当はとても愛しているタルボットと離婚しないで済むならアフリカでも北極でもどこにでも行くわということになるのでした。

 はい、次の場面になったらもうアフリカ。タルボットはそこで「着手金5,000ドル、目的を達成した暁には2万ドル」という破格の条件を提示して「いや、ナンド族に接触するのは政府によって禁止されているんすよ、やったらガイドの免許取り消しっすよ」とためらうガイド バートラム・ガーベィ(ジョン・ヴァン・ドリーレン)を強引に雇うのでした。そして善は急げということで三人のポーターを連れて早速アフリカのジャングルに足を踏み入れるのです。ちなみにバートラムによれば「ナンドのことを聞いてきた科学者はあんたが初めてじゃありませんよ」なんですと。つまり今まで何人もの科学者が若返り薬の秘密に挑んだのですが結局目的を果たせなかったということなのでしょうなあ。

 この後延々続くジャングル行。御馴染みの流用フッテージでライオンだの、象だの、水牛だの、ワニだの、アナコンダだの、河馬だの、が登場します。探検隊はアカラサマなセットの中を歩くだけでまったくお金が掛かってないことが丸分かり(笑)。

 さて、目的地のカランボの滝まであと半日となった夜、事件が起こります。またジューンがタルボットと大ゲンカ。ヒステリーを起こして考えもなしにテントを飛び出してしまったのです。何しろ夜のジャングルですから危険がいっぱい。さっそく出てきた豹が「お、ごちそうじゃん」と彼女に襲い掛かるのでした。しかし、その寸前に火を噴いたのが後を追ってきたバートラムのライフル銃。彼は豹を射殺しポーターたちと共に彼女をテントへ連れて帰るのでした。これで事件は終わったかと思いきや、なんだか無闇にハゲタカが飛んでいるぞ、見に行こうということになりまして、見つけたのが大量の黒人の死体。これを見たポーターたちは「ひーっ」叫んで逃げてしまいます。そしてタルボット、ジューン、バートラムの三人は突如現れたナンド族の戦士達に捕まってしまうのです。

 三人はナンド族の村へ連行されます。繰り広げられる原始の踊り。そこで出てきたのがあのマーラじゃありませんか。大勢の従者にかしづかれ女王然としたマーラ(しわくちゃだけど)タルボットたちに鷹揚に頷いて「そなたたちが来るのは分かっていたぞよ。私はこの村に死ぬために帰ってきたのじゃぞよ、でも死ぬ前に若さが与えられることになっているのだぞよ。年取った女はすぐバーさんはしつこいとか、バーさんは用済みだからと言われて苦労する。その苦労に報いてやろうというのじゃぞよ。私は明日、その儀式を受ける。そなたたちに見せてやろう。白人ではまったく初めてのことぞよ」彼女は三人にある花を見せます。「この花が若返り薬にするための特殊な成分ぞよ」

 なんかもう良く分からんので皆さん適当にやってください(笑)。

 翌日、またも繰り広げられるナンドの皆さんによる原始の踊り。そんな中、儀式の行われるコテージに招き入れられる三人です。着飾ったマーラが「よし、儀式の開始じゃぞよ!」ナンドの高僧が手下に命じて若い男になにやら煙のようなものを無理やり吸わせます。意識をなくしてばったり倒れる若者。高僧はその若者の脊椎のあたりに特殊な指輪をぐさっ。髄液らしいものを採取し、ナイピに混ぜ込みます。これを飲むマーラ。あ、あれ、あの花はどうなったの(笑)。この時両脇にいた娘二人がツボの中になにやら投入。ボンと音がして大量の水蒸気が上がります。この水蒸気がマーラを一瞬隠して、ぱっと晴れたらあ、マーラ、若返ってやがる(大爆笑)。こんな場合はフツー、特殊メイクでだんだん皺が少なくなっていくなんて表現をするものですが、そんな気遣い一切なし。若いマーラ(キム・ハミルトン)が入れ替わるだけ。いくらなんでもこりゃひどい。

 タルボットが思わず、「これトリックじゃん」と叫ぶのもむべなるかな。

 しかしにっこりと微笑んだ若いマーラ、自分の胸の奴隷商人につけられたという傷を見せて、「ほほほ、この傷で私がマーラであることはお分かりになるでしょ」若くなると言葉遣いも変わるという。これで納得したタルボット博士、息せき切って「そ、それでだな、マーラ、私はこの秘密を是非アメリカに持ち帰りたいのだが」「ほほほほ、そんなことはできなくってよ。秘密を知ったあなたたちはずうっとここに留まるのよ、ほほほほ、そして私が死ぬときにあなた達も道連れになるの、ほほほほ」愕然となるタルボット達三人。マーラは続けて「ほほほほ、だから願いは何でも聞いてあげてよ、ここから自由になるという以外のね、ほほほほ」

 さあ、えらいことになった。しかしタルボットは一計を案じて「んじゃあ、マーラさん、私の願いを聞いて貰えますか」「もちろんよ、ほほほほ」「私の妻、ジューンを若返らせて欲しいのです」驚くジューン。タルボットは彼女の耳にそっと「君の儀式をやっている隙に俺とバートラムは逃げるから。でも後で迎えに来るから安心しろ」安心しろって言われても安心できる訳がない。この誠に身勝手なタルボットの台詞に激怒したジューン、マーラが「さあ、生贄の男はあなた自身が選ぶのです、ほほほほ」というのに「んじゃあ、この男、タルボットをお願いします」

 ええ、そんな殺生な顔色を変えて逃げようとするタルボットでしたが屈強なナンド族の若者に抑えられてあっという間にあの白い煙を吸わされてしまいました。ぐったりとなったところにマーラの時と同じく高僧が指輪のとがったところで脊椎を一撃。たちまち絶命するタルボット。その髄液がナイピに混ぜられてジューンに与えられます。飛びつくようにして飲み干すジューン、そしてまた水蒸気がばーっと出て彼女の姿を覆ったかと思うとはい、ジューンも若返ってしまいましたとさ。「ああ、皺がぜんぜんない。もう不自然な老けメイクもする必要がなくなったのだわ」と大喜びのジューンです。しかしマーラ、有頂天の彼女に「ほほほほ、用心した方が良くってよ、その若さは長く続かないわ、ほほほほほ」

 その後再び監禁されようとするジューンとバートラムでしたが、ここでバートラムが荷物に入っていたダイナマイトを密かに抜き取って焚き火の中へ放り込んだのです。どかーん、この不意の大爆発に大混乱に陥るナンド族。バートラムはさらにライターでダイナマイトに引火してぽんぽんと放り投げます。吹き飛ぶ小屋、吹き飛ぶナンド族、この容赦のなさがさすが60年代SFですよ(大笑い)。ナンド族を殲滅したのち逃げ出すジューンとバートラム。あなたは命の恩人よ、おお、若返った君は世界の誰よりも魅力的だということでジューンとバートラム、抱き合って激しいキス。ぶちゅぶちゅぶちゅちゅちゅー。おまけにバートラム、逃げる時にこっそりナイピとあの指輪を持ち出してきたという抜け目のなさ。

 しかし翌朝、起き上がったジューンは愕然とします。ナイピの効果はたった一夜にしてなくなり、あの若さは失われたのであります。いや、それどころか若返る前よりもっと老化しちゃっているではありませんか。彼女を見たバートラムは「ひいいい」と悲鳴を上げ、「うわああ、俺に障るな、このババア、バーさんはしつこいのだ、バーさんは用済みなのだ」無慈悲にもあっさりと彼女を放り出して逃げてしまうのでした(大爆笑)。逃げるバートラム、追っかけるジューン、とバートラム、うっかり底なし沼に落ち込んでしまいます。さっきバーさんはしつこいだの、用済みだの酷いことを言ったのをコロリと忘れたバートラム、ジューンに「助けて、お願いだから、頼むよ」ジューン、「助けて欲しかったらナイピと指輪を渡しなさい」バートラム、懐から取り出したそれをジューンに投げ渡すのです。これでジューン、木の枝を使ってバートラムを底なし沼から引き揚げたのですが、はい、首すじが出てきたところで指輪アタック。「ギャーッ」バートラム、そのまま底なし沼に沈んでしまうという、ああ、これは酷いなあ(笑)。ジューン、この髄液を使って若返ります。

 さて、若返ったままアメリカへ帰国したジューン、ニューヨークから戻ってきたという体を装いまして弁護士のニールに「空港まで迎えにきて」という電報を打っております。これに応じて空港へやってきたニールと彼の婚約者である看護婦のサリー。飛行機からなかなかジューンが降りてこないのに当惑しておりますと、いきなり若い美女が声をかけてきた。「私はジューンの姪でラリー・ハートと申します。叔母はインフルエンザを患っておりまして、私に先に行って家の準備をしておくように言ったのです」これが勿論、若返ったジューンです。

 ニールは車で彼女を送るのですが、もうラリー=ジューン、ニールを口説こうというのが見え見え。車でサリーが待っているというのに「あ、んーんと荷物を二階の寝室に持ってきて下さらない」などと言う。ニールもとっとと帰ればいいのにこいつも飛んだスーダラでまんまとラリー=ジューンの手妻に引っかかりキスなんかしちゃったりするのです。しかしこの時ラリー=ジューンに異変が。そう、最高のこれ以上にないというタイミングで老化が始まったのであります。あわてたラリー=ジューンは急いでニールを部屋から追い出しドアに鍵を掛けてしまうのでした。ニールはなんか、ヘンだな、でも・・・ここでニヤリとして「良い女だ、キスも素晴らしかった」

 この間車でずーっと待っていたサリー、当然ながら嫉妬の焔をめらめら燃やしていたのです。

 さて、元のババアというかもっと老化が進んで今や皺だらけのお婆さんになってしまったジューン、よちよちとニールのオフィスに現れます。「うわ、ちょっと見ない間にエライ老けましたな」という顔のニールから預けておいたお金や宝石を受け取ります。そして「この間は姪が失礼しましたわ。ここに電話を掛けたいと言っておりますけど、かまわないかしら」もうニール、大喜びで「かまいませんとも、何時になったっていいですよ、僕、ずっと待ってますから」男というものは馬鹿ですのう。

 オフィスを出たジューンをつける怪しげな男。彼はジューンが落とした名刺を拾い「お嬢さん、これ落としましたよ」さらにあろうことか「良かったら車でドライブなんぞいかがで」と誘うのです。今や街角の酔っ払いにも相手にされぬババアに成り果てたジューン、あっさりと車に乗り込みます。そのまま夜景が綺麗な丘に行きましてロマンチックなムードになるかと思いきや、やっぱりババアは相手にされていなかった。この男の目的はジューンのお金や宝石だったのです。いきなり豹変してジューンの首を絞めにかかる男、ジューンは「ぐえーっ」と悲鳴を上げながらも例の指輪を出して脊髄にぐさっ。はい、これでまた若返りました。

 また場面はニールのオフィスへ。あ、ニールの馬鹿、本当にラリー=ジューンの電話を待ってやがる。しかしここにサリーがやってきた。彼女は今夜のデートをすっぽかされていたのです。しかもニールの待っている電話の相手はラリー=ジューンであったことが分かって完全に切れてしまいます。「もうあんたなんか知らない、キー」帰ってしまいました。追っかけようとするニールでしたが、タイミングよくラリー=ジューンから電話。たちまち顔をだらしなく崩して「うん、30分で行くよ」というラリー。

 そのラリー=ジューン、家で鼻歌なんか唸りながらシャンパンの用意をしております。ドアがノックされてニールだと思った彼女は「開いているわよ、入って頂戴」しかし、これがなんとサリーであったという・・・。しかもピストルを構えているではありませんか。嫉妬に顔を歪めたサリー、「あんた、これからニューヨークに戻るのよ、私があんたを飛行機に乗せてやるからね、さあ、さっさと用意しなさい」しかし、こんな小娘が今や海千山千の化け物となったジューンに敵う筈がない。あっさりと反撃されて例の指輪でぐさーっ。

 そして何事もなかったかのようにニールを迎えるラリー=ジューン。ニールの方もすっかりサリーのことなんか忘れたようでシャンパンがぶがぶやってます。あまつさえ結婚してくれなどと言い出す始末。こいつも良いタマですなー。ところがその時思わぬ訪問者が。LA警察の警部と部下の二人であります。彼らは昨日の男、ジェリー・ランドー(アーサー・バタニデス)殺人事件を捜査していると良い、ニールとラリー=ジューンに捜査令状を示します。そう、あの男がジューンの名刺を持っていたのですな。「ジューンはどこだ、彼女に事情を聞かなくちゃならない」

 思わぬ展開に呆然となる二人。警部たちはそんな二人に構わず家探し開始。部下がクローゼットを開けようとします。はっとなったラリー=ジューン、「きゃー、そこは開けないでー」委細構わずクローゼットを開く部下、中からごろんと転がりでてきたのは誰あろう、サリーの死体でした。ニールも警部たちも仰天します。しかもラリー=ジューンはまた老化が始まってしまった。「ひいいい、これには訳があるの、彼女は私を殺そうとした、逆に殺さなければ私はババアになってしまうの、いまその証拠を見せてあげるわ」二階の寝室に飛び込みドアに鍵を掛けたジューン、サリーの髄液を混ぜたナイピを一気飲みするのですが「ああ、全然効果がない。女では駄目なのだわ」これで絶望したジューン、自ら窓を破って飛び出し地上に落下。老いさらばえた醜い姿のまま絶命したのであります。はい、エンドマーク。

 しかし、なんですな、一人としてロクな人間が出てこない映画ですな。タルボットは言うに及ばず、ジューンは若さのためなら人殺しなど屁でもないし、男関係にもだらしなさすぎ。バートラムはジューンがババアになったとたんに見捨てようとするし、ニールはニールで婚約者をあっさり棄ててしまう。その婚約者たるサリーも嫉妬ゆえとは言えピストル持ち出す浅はかさで、まともなのは最後に出てきた警部さんたちぐらいですか。

 モノクロ・スクイーズのワイド。モノラル音声。画質は中の上クラス。音質にもまったく不満は感じられません。「クラシック・サイファイ・アルティメイト・セットVolume 2」(『The Deadly Mantis』『Dr. Cyclops』『Cult of the Cobra』『The Land Unknown』『The Leech Woman』を収録したボックスセット)。Volume1と同じくお洒落なアウターケースがついた豪華なボックスセット。こんなDVDセットならわたしゃ100兆万枚欲しい。英語字幕つき。ユニバーサルのDVD

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『The Land Unknown』 1957年

 

The Land Unknown』 1957

 

 舞台設定やストーリーは実に面白いのに投げやりなTレックスの着ぐるみで全てが台無しになってしまったという悲劇の映画。是非、1970年代くらいの映画技術でリメイクして欲しいと思います。何故1970年代なのかって?そりゃ、こんな映画CGで作っても仕方ないからですよ!

 警告、警告、このDVDのリージョンは1です。したがって日本国内のDVDプレーヤーでは再生できません。警告、警告。

アメリカ海軍により計画されている南極探検。それはバード少将が発見したといわれる南極の温暖地域を調査しようというものでした。バード少将と言えば1928年に南極のロス氷棚に今日のリトルアメリカ基地の基礎をつくりあげ、以後、1950年代まで数回にわたってアメリカ海軍の南極調査の指揮をとった、いわば南極探検史上の大物中の大物なのですが、何故か地球内部の空洞世界を発見したなどとトンチキな逸話が伝えられておりまして、それがこの映画の元ネタになっているのであります。

 バード少将と言えば子供の頃に読んだ伝記で肺炎にかかった親友を救うために苦労して血清を取ってきたのはいいがなんと肺炎にはAB二つのタイプがあり彼が取ってきたのは役に立たない方だった、これで親友は死んでしまったという話があって、子供心にもなんてウカツな人だと呆れたことがありますが、これは映画には何の関係もありません(笑)。

 この探検行に参加する主人公グループを紹介しておきましょう。実際の探検の指揮を取るハロルド・ロバーツ中佐(ジャック・マホニー)、この探検行紅一点の大洋新聞記者マーガレット・ハサウェイ(シャーリー・パターソン)、ヘリコプターのパイロット カーメン中尉(ウィリアム・レイノルズ)、エンジニアのスティーブ(フィル・ハーベイ)。今回の探検計画全体の指揮官バーンハム大佐(ダグラス・ケネディ)はマーガレットに向って「この探検はなかなかに危険ですぞ、何しろ男800人の中に女はあなた一人ですからな、ガハハハハハ」とオヤヂ臭いことを言って嫌がられております(笑)。

 そんなこんなで出発する探検隊。分厚い氷のために遅れがちのスケジュールでしたがなんとか目標地点へ到着します。ここからハロルド達の乗るヘリコプターを発進させて例の温暖地域を調査しようと言う算段です。飛び立ったヘリコプター、順調に飛行を続けあっという間に温暖地域へ到着。あははは、本当に氷がなくって海面が見えるぞとはしゃぐ探検隊一行。しかしなんとしたことでしょう、嵐が近づいていたのです。母船から連絡を受けたヘリコプター、踵を返して帰還しようとしたのですが燃料の問題で迂回コースをとれず嵐に突っ込んでしまうことになります。真っ青になったパイロットのカーメン、避難できる空域を探して周囲を捜索。見つけたのがわずかな雲の切れ目でした。「よし、あそこから嵐を抜けるぞ」ぼーんと突っ込みます。

 ところがこれがまずかった。たちまち濃い霧に取り巻かれ右も左も分からないという上京したての田舎者みたいになってしまいます。おまけに何か巨大な飛行物体が飛来、ヘリコプターに接触したのです。これでローターがおかしくなり高度を維持できなくなったヘリコプター、徐々に降下します。無線のアンテナも損傷したらしく通信も不可能。「やばい、やばい、雪原に不時着だ」とうろたえまくるみんなですが、なぜかヘリコプターの高度計がゼロをさしたのにまだ降下を続けている。おまけにやたらに暑くなってきた。最終的にヘリコプターが着陸した時には高度計は水面下2500フィート、温度は華氏91度(摂氏33度くらい)にもなっていたのです。そして周囲には何万年も前に絶滅した筈の怪奇な植物が生い茂っているという・・・。

 無線を修理して通信を試みるのですがまったく届きません。またエンジニアのスティーブが曲がったローターの部品を修理しようとしてトンカチでかんかん叩いてみたら、あ、折れちゃった(大爆笑)。これで自力での脱出は不可能になりました。探検隊は助けを待つしかないという状況に追い込まれてしまったのです。一応23週間分の携行食料があるのですが、艦隊は氷に閉じ込められないよう南極の冬が来る前に帰ることになっています。それに間に合わなければ哀れ、彼らは取り残されてしまうのであります。この時湖の水面がぽこぽこ波立ってあ、プレシオサウルスの登場かと心ときめかせたのですが、結局何も出てこなかったという・・・。

 翌朝、濃い霧が晴れてようやく周囲の状況が分かるようになりました。そして上空からは彼らを探す飛行機のエンジン音が!慌てて無線連絡を試みますが上空を覆っている霧のせいかやっぱり届きません。おまけに真水を探しにいったスティーブが巨大な鳥のような生物の死体を発見します。そうこれはプテラノドン、上空で彼らのヘリコプターに激突してきたのはこいつだったのです。ハロルドは「やばい、はやくこの死体の側から離れるんだ。これを食いに来る奴とでくわすぞ」その途端、登場したのが二匹の巨大トカゲ恐竜というか、ただのトカゲ(笑)。本気で噛み付きあって、しまいには一方がどうみても死んでいるようにぐったりしてしまうのでそれなりの迫力はあるのですが、だったらせめて他のトカゲ恐竜映画みたいに余計なトゲや角つけたりしましょうよ。

 続いて今度はぶっさいくな着ぐるみのティラノサウルスが登場です。その大迫力に「どひゃー」と悲鳴を上げてヘリコプターへ戻る一行。どうするのかと思いきやローターをぶんぶん回転させはじめます。不用意に近づいたティラノサウルス、このローターでバシッと胸を切られてぎゃあああ。それでもまたしょうこりもなくヘリを襲おうとするのですがその時突然響き渡るラッパのような音。ティラノサウルス、この音を聞くなり何故か逃げてしまったのでした。やれやれと胸をなでおろした一行、これからはヘリコプターの中で暮らさなきゃということで外に置いていた食料を取りに行くのですがなんと何者かに荒らされているではありませんか。しかも缶詰の開け方がまるで缶きり使ったよう(大笑い)。「さっきのラッパ音といいこの缶詰の開け方といいひょっとしたら知性のある人類がいるんじゃないか」こう呟くハロルド。

 その危惧はすぐに現実のものとなりました。再び襲来したトカゲ恐竜というかただのトカゲに怯えたマーガレットが逃げて離れ離れになってしまったのです。その彼女を背後から襲ったのはまぎれもなく人間。そいつは失神したマーガレットをカヌーに乗せてどこへともなく消えてしまったのです。

マーガレットがいなくなったことに気がついた三人、慌てて彼女を探します。すると砂地に足跡発見。びっくりしたスティーブ、「うわ、マギーの足跡でけー」「馬鹿、これは裸足の足跡だ、マギーのじゃないよ」とすかさず突っ込むハロルドです。この足跡が川に向っていることから三人は「何者かは知らないがとにかく人間みたいな生物がマギーを背負ってボートで逃げた」と結論づけたのでした。ならば後を追わねばならぬ。彼らは早速ボートを用意して乗り込むのでした。


 さて、その頃謎の人物に背負われたマギー、隠れ家であるところの洞窟に連れ込まれてしまいます。顔に水を掛けられて失神から目覚めたマギー、怪人物を見てびっくり。しかも彼が食っているのは盗まれた缶詰でこれまたびっくり。おまけに怪人物「この谷のものはみんな俺のもの」英語を喋るではありませんか。そしてマギーをねちっこい目で見るなり「だから、お前も俺のもの、ええやろ、させんかい!」マギー、絶対のピンチですがここでタイミングよくボートで川を渡ってきたハロルド達が到着。「こら、やめろ、ケイブマン!」ピストルで脅してマギーを救出したのであります。もう5分も遅かったらマギー、完全にヤラれているところでした(笑)。

 この怪人物、実は1945年の南極探検の折に行方不明になっていたカール・ハンター博士でした。「私は三人の仲間と共に飛行機でここに不時着してしまったのだ。私を残して後はみんな死んだ。私は恐竜の卵を見つけ次第片っ端から潰したり、ホラ貝を使って脅かしたりして彼らから生き延びてきたのだよ」さらにこんなトンデモないことを言い出す博士。「不時着した飛行機の部品を使って君たちのヘリコプターを修理しろ。それでここから脱出すれば良い。しかし、女は置いていけ!」当然ながら断るハロルド。するとハンター博士、にやりと笑って「じゃあ、飛行機の残骸の場所、教えないもんね」

 ならば自力でその残骸とやらを見つけるべし。張り切る4人ですがこれがなかなか見つからない。探検隊の帰還のタイムリミットが迫ってきているのでみんないらいらしております。そんな中、ハロルドとマギーがティラノサウルスに襲われたのです。ハロルドが囮となってティラノサウルスをマギーから引き離して事なきを得たのですが、この時そのどさくさでマギーが食虫植物の蔦に絡め取られてしまったという…。「ひぎゃー、うぎゃー」物凄い悲鳴を上げるマギー。彼女を助けたのは誰あろうハンターでした。これを恩に思ったマギー、息せき切って駆けつけてきたハロルドに「私、ハンターのところへ行くわ、あなたたち三人だけでも助かって」「そんなことはさせない、マギー」二人はひしと抱き合いぶちゅぶちゅぶちゅちゅちゅー。

 しかしこれで事態が好転する訳もなくついにタイムリミットまであと2日となります。思い余ったマギー、ついにハロルド達の目を盗んでハンターの洞窟へ向うのでした。川をえっこらやっこらボートで進んでおりますと彼女の背後の水面でなにやらあわ立つものが。これを洞窟の窓(笑)から見ていたハンター、長い棒を使った松明を2本用意、これに火をつけてカヌーでマギーの救出に向います。そしてついにプレシオサウルスが出現。どうでもいいけど、このプレシオサウルス、前鰭を左右交互に動かしています。クロールで泳いでいます(笑)。ようやくこの怪物の存在に気がついたマギー、「ひぎゃー、うぎゃー」物凄い悲鳴を上げますって、この人ァこればっかりだな。

 ハンターはカヌーをこいでプレシオサウルスとマギーのボートの間に割り込みます。そして例の長い松明を取り上げてプレシオサウルスの口に容赦なく突っ込むのです(笑)。たまらず水面下に逃げるプレシオサウルス、潜る時に松明の火がじゅっと消えるのが面白い。そして再び浮上して攻撃をかけてくるのですが、またハンターに松明口に突っ込まれて「あんぎゃー」と苦悶。君、同じことしてないでもうちょっと考えて人間襲いなさい(笑)。ハンター、ついにプレシオサウルスを撃退します。彼は失神したマギーをまた洞窟に連れて行くのです。

 これを見ていたのがスティーブ。彼は洞窟に押しかけるとハンターに襲い掛かります。そして激しい戦いが繰り広げられるのですが、ついにスティーブはハンターを投げ飛ばして失神させることに成功します。彼は凄惨な笑みを浮かべると燃えている松明で「こら、飛行機の残骸の場所おしえんかい」とマギーが止めるのを無視して拷問を始めたのです。「おらおら、顔面炙ったるぞ」と松明をハンターの顔面に近づけるスティーブ。しかしその彼をピストルで止めたのは追いかけてきたハロルドだったのです。「いくら助かりたいからと言って拷問などするな!」スティーブは反抗するのですが何しろ相手がピストルを持っているのでどうすることもできません。しぶしぶ彼の命令に従って松明を放り投げるのであります。

 助けられたハンター、恩義を感じたという訳ではないのでしょうがとにかくハロルド達に残骸の場所を記してある地図を渡します。「よし、これで残骸見つけてすぐ修理だ。助かるぞ」と盛り上がるハロルド達男三人。マギーはハンターの介護のためにあとに残ることになりました。

 地図に従って残骸を隠してある洞窟を見つけます。残骸の側にハンターの仲間だった三人の墓が拵えてあるのが物悲しい。スティーブ、残骸からやっと使える部品を調達。さっそくヘリコプターの修理に取り掛かるのです。ところがその修理の最終調整中にタイミングを見計らったごとくにティラノサウルスが襲ってきた!一生懸命ローターをいじるスティーブ、迫り来るティラノサウルス、はらはらするハロルドとカーメン。スリルとサスペンスとはこのことなり。ようやく調整完了、直ちにエンジンをスタートさせます。ローターの回転が次第に速度を増していきついにヘリコプター、ティラノサウルスの眼前で空中に舞い上がったのです。

 この騒ぎを聞きつけたマギー、みんなのところへ戻ろうとして洞窟を飛び出しボートを漕ぎ出すのですがまたプレシオサウルスの出現!この女も学習しませんなあ(笑)。しかし今度はヘリコプターがいる。彼女を見つけたハロルドはカーメンに命令してウィンチで彼女を吊り下げ救出します。しかしこれだけでは終わりませんでした。マギーを追ってきたハンターがプレシオサウルスに襲われたのです。ばーんと鰭の一撃を食らって失神するハンター。川にぷかーっと浮いてます(大笑い)。ハロルドはヘリを降下させて信号弾を構えると「いつまでもお前の好き勝手にはさせん!正義は必ず勝つ!」と叫んでプレシオサウルスの口中に叩き込んだのです。たまらず退散するプレシオサウルス。ハロルドは自ら川へ飛び込みハンターを救出するのでした。

 ヘリコプターはそのまま上昇、無事艦隊へ帰還を果たすのですって、ヘリコプターに5人乗れるなら、ハンターに「みんなで逃げよう」と言えば良かったじゃんねえ(笑)。なお、ヘリコプター、母艦の寸前で燃料切れで着水。みんなは無事救出されるのですが、どうみてもこの場面は必要なかった。どうやら実際のヘリコプター墜落事故のフッテージを使いたかっただけみたいですね。

 ラスト、航行中の船上で語り合うハロルドとマギー、「ねえ、来年の探検にもこないかい、ハネムーン代わりにさ」ハロルドの言葉に頷いたマギー、彼にひしとだきついてまたキス。ぶちゅぶちゅぶちゅちゅちゅー。おしまい。

 モノクロ、スクイーズのワイドシネスコ モノラル音声。画質は今ひとつ。解像度がたりずいささかぼんやりした印象であります。音質には不満なし。「クラシック・サイファイ・アルティメイト・セットVolume 2」(『The Deadly Mantis』『Dr. Cyclops』『Cult of the Cobra』『The Land Unknown』『The Leech Woman』を収録したボックスセット)。Volume1と同じくお洒落なアウターケースがついた豪華なボックスセット。こんなDVDセットならわたしゃ10兆万枚欲しい。英語字幕つき。ユニバーサルのDVD

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