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2008年6月 1日 (日)

 『マイドク いかにしてマイケルはドクター・ハウエルと改造人間軍団に頭蓋骨病院で戦いを挑んだか』(『Death Warmed Up』 1984 豪/ニュージーランド)

  『マイドク いかにしてマイケルはドクター・ハウエルと改造人間軍団に頭蓋骨病院で戦いを挑んだか』(『Death Warmed Up』 1984 豪/ニュージーランド)

有名なスプラッターホラーですが、なぜか私は未見でした。こんなに有名なんだからさぞ面白かろうと思って見始めたら、いや、これがまったくエライものだったので(笑)。

 冒頭ピンクの画面に延々タイトルやクレジットが流されるのにびっくり。こんなイカした色彩感覚、私は初めてです。そして映画が始まるといきなり走っているのが主人公のマイケル(マイケル・ハースト)。彼は大きな病院へ駆け込みます。そしてたどり着いたのが父 レイモンド・タッカー教授(デイヴィッド・ウィセリー)とアーチャー・ハウエル(ゲイリー・デイ)の共同研究室。中を覗いてみますと二人が大ゲンカの真っ最中。この二人、人間の不死を研究しているらしいのですが、すぐに人体実験をやりたいと主張するハウエルにタッカーが「それは早すぎる」と猛反対していたのです。「なんば言いようとね」タッカーを突き飛ばすハウエル。「おいは実験するったい、邪魔ばするやつは容赦せんぜ。覚悟しときやい」

 マイケル、これで研究室に飛び込んで父親を助けるかと思ったのですがさにあらず、あっさり逃げ出してしまいます。病院のあちこちを逃げ惑うのですがその彼の前に立ちふさがったのは今の今まで実験室にいたはずのハウエル。彼は汗まみれのマイケルを見て、「えらい汗ばかいとう。シャワーでも浴びんね」これで本当にシャワーを浴びてしまうマイケルは一体何を考えているのかと思います(笑)。そしてハウエルはハウエルで馬鹿でっかい注射器を用意。マイケルの背後から忍び寄って尻にぶすーっ。彼を昏倒させてしまったのです。

 ハウエルは彼を拘束して赤い光をびかびか当てます。これはなんですかねー、催眠術を掛けているということですかねー。そしてハウエルは彼を車で自宅へ送ります。車から降りたマイケル、ショットガンを持っており、これでどうするのかというと寝室で映画の進行上まったく不必要なベッドシーンを演じていた父、タッカーと母ネティ(ティナ・グレンヴィル)を射殺してしまうのでした。マイケル、これで7年間精神病院へ入院させられてしまったのです。

 この7年間の間にハウエルはとある島に研究所を建設。テックス(ブルーノ・ローレンス)という患者を皮切りに生体実験を続けていたのです。ここで場面は研究所へ移りまして治療と言う名目の生体実験の開始であります。メスを手にしたハウエル、患者の頭の皮をばりばり剥がして頭蓋骨を露出させると(ひーっ)、医療用なんかでは絶対ないフツーのドリル(笑)で穴を四個ばかり空けます(ひーっ)、そしてルーターで穴をがりがり広げてぼこっ、頭蓋骨の一部を外します(ひーっ)。今の目でみればなんていうこともない場面ですが、当時はさぞ衝撃的だったんでしょうなあ。

 そして現在、精神病院からようやく退院したマイケル、恋人のサンディ(マーガレット・アンバース)やルーカス(ウィリアム・アップジョン)とその彼女ジニー(ノレル・スコット)達とフェリーで島に向うのです。この間、奇妙なことが次々起こります。ブリッジで船長にハウエル博士の研究所のことを聞くルーカス。船長から「トンネルには近づかんときやい、キャンプはいかんぜ、ホテルに滞在しやい」という謎のアドヴァイスを受けるのです。そしてこの間いままで散々いちゃいちゃしていたルーカスとジニーがついに辛抱たまらんごとなったのか車の後部シートで始めてしまうという・・・。いや、これ真昼間のフェリーの甲板なんですよ、ブリッジからも周囲から丸見えなんですよ。船長とか望遠鏡出して覗いていますよ。マイケルも止めろよ、こんな公開エロショーみたいなカーセックス(笑)。

 ここでオレンジのツナギに黄色い髪の毛の怪奇な人物が登場。よろよろ具合が悪そうに歩いてカーセックスで揺れている車を引っぱたきます。びっくりしたルーカスとジニー、さすがに行為をやめて飛び出してくるのでした。船長がブリッジから降りてきてこの怪人物を捕まえ船内に引っ張り込みます。「お前、絶対外でるなていうたやろうが!」と怒鳴りつける船長。怪人物は苦しげに呻き口から泡をげぼげぼと吐き出すのでした。何だか意味が良く分かりません。さらに甲板には他のヴァンも一台乗っています。このヴァンに乗っているのが研究所の職員のスパイダー(デイヴィッド・レッチ)とジャニングス(ジョフ・スネル)の二人組。カーセックスを見て奇声を上げるという見るからにロクでもなさそうな奴ら。ジャニングスはこれまた具合が悪そうでしきりに「うう、頭が痛か、吐き気がするばい」と言ってます。念の為言っておきますが別に船に酔ったからでもないようです(笑)。

 カーセックスを中断させられたルーカス、何を考えたのか二人組のヴァンのタイヤにオシッコを引っ掛けるという・・・。これで怒ったのがスパイダーとジャニングス、ルーカス、マイケルと大乱闘って、これはどう見てもルーカスが非常識だろ(大笑い)。マイケル、酷いことに船倉へのドアを使ってスパイダーの指をぐしゃっと潰し大勝利。憤懣やるかたないスパイダーとジャニングス、島に着いたフェリーから降りる時にヴァンをマイケルたちの車にぶつけるのでした。マイケルたちはカッとなりかかりますが、女性二人に「もう、放っときって、相手にしたらいかんよ」と言われたので、車のスピードを上げヴァンを振り切ってしまいます。

 ドライブを楽しむマイケル達。途中、ひゅーん、ひゅーんとヘンな音がしましてジニーが「これはなに?マイケル、車ばとめちゃらんね、怖いったい」と言ったりするのですが、何も起こりません。気にしないほうがいいようです(笑)。この後、彼らの前へ回り込んだスパイダーたちのヴァンが正面からぶつけてくるのを危うく交わすという場面。勢い余ってコースアウトして立ち往生のスパイダーたちをあざ笑うマイケル。どうにも感じの悪い主人公だな、こいつは。

 この後研究所の付近を通りかかったマイケル、ハウエルを見つけて「ここで会ったが100年目、絶対復讐しちゃるけん」と決意するのです。でもこの後海岸に行って遊ぶ4人組。やい、復讐するならするでもっと真剣にやれ。

 さて研究室ではあのフェリーの怪人物が苦しんでおります。ハウエル博士がやってきて、「おや、テックスやなかね、どげんしたとね」ははあ、これが最初の患者だったのか。彼はテックスをあれこれ調べるのですが彼の苦しみやいや増すばかり。ついに頭の傷が心臓の鼓動に合わせてどっくんどっくん膨れたり縮んだりし始めました。呆れている私を尻目にその動きはどんどん激しくなってついに脳みそばーん、爆発してしまいましたとさ。

 一方、マイケルたちは郊外の地下施設探検。これが船長の言っていたトンネルという奴なのですかねー。みんなそれぞれに持った懐中電灯の光を振り回して、ライトセーバーの真似をしております。つまらないですね(笑)。

意味もなく暢気に地下施設の探検をやっているうちにマイケル・ルーカスとはぐれてしまった女の子二人。「うわーん、マイケルどこいったと、たまらんごとえずかばい(たまらなく怖いの意味)」探し回るうちに彼女達の前に現れた複数の黒い影。「マイケルやろ、うちたちば怖がらせようとしよっちゃろ、そげん冗談面白くなかばい、やめてくれんねー」その時突然上から降ってきたのが首吊り死体。「ぎゃあああ」ジニーとサンディ、悲鳴を上げて逃げ出したのでした。

 ところでこの複数の黒い影、結局正体は最後まで判明しません。いい加減なものであります。

 逃げ回るサンディとジニーを三度襲ったのがスパイダーとジャニングス、今度はバイクに乗っております。マイケルたちが地下施設にもぐりこんだことをどうして知っているのか、この施設のどこからバイクを持ち込んだのか、ジャニングスは前の場面で明らかに体調が悪そうだったけどそれはどうなったのか、さまざまな疑問点がありますが、結局その答えは先ほどの黒い影と同様に明らかにされないのです。考えるだけ無駄というものであります(笑)。これでまたひーひー逃げ回るサンディとジニー。だけど逃げ回るうちに偶然、マイケルとルーカスに出会ったという・・・。しかしここでジニーがスパイダーにすれ違いざまに殴られて頭に大怪我を負ってしまったのです。マイケルとルーカス、地上への梯子を見つけて彼女達を逃します。そして通路に大きな石?、とにかく画質が悪くて良く分からないの、を置いて「やーい、こっちたい、こっちたい」とスパイダーとジャニングスを挑発しますと、とにかくこの二人、思慮が足りませんから闇雲に彼ら目掛けて突っ込みますな。そしてジャニングスのバイクが石?に当たって転倒。バイクから放り出されて宙を飛んだジャニングス、地面から都合よく突き出ていた鉄筋で身体を刺し貫かれてしまったのでした。この隙にマイケルとルーカスも逃げ出します。

 なんとかピンチを脱し車に乗り込んだ彼らでしたがジニーの怪我が酷く頭からの出血が止まりません。これで病院へいかなければということになります。マイケルは反対したのですが、このままではジニーの命が危ないのです。一方、ジャニングスを研究所に運び込んだスパイダー。ハウエル博士に「彼を助けてくれんね」と頼むのですがその返事は「お前たちは役立たずやけん、処分する」でした。博士の部下が電気棒?みたいなものを使ってまだ生きているジェニングスを殺害、スパイダーにも迫ります。スパイダー、「ノーノー」と叫びながら逃げ出します。

 この逃げ出したスパイダーが何をしたかというと見張りを倒して凶暴化した(ゾンビ化)した患者を閉じ込めておく部屋を開放したのであります。ぞろぞろと逃げ出すゾンビ達。ちなみにこのゾンビ達は初登場。これ以前に患者が次々ゾンビ化して苦慮したハウエル博士が彼らを閉じ込めるなんて描写は一切なかったのでご了承ください。もうだんだん腹がたってきました(笑)。

 さてマイケルたち、町の酒場に入って電話を使って研究所へ連絡します。「重傷の人間ば助けてくれんですか」と言うと電話の向こうで「こっちも非常事態やけん、精神病患者が逃げ出してからくさ、大騒ぎになっとうとよ」と研究所の職員が怒鳴っております。この時酒場に忍び寄ってきたスパイダー、電線と電話線を切断、マイケル達を暗闇の中へ放り込んだのでした。もう面倒くさいからなぜ彼らが酒場にいることを知っていたのかなんてツッコミはしません(笑)。

 いよいよ始まるゾンビ達との戦い。窓ガラスを破って入り込もうとするのをナイフでばすばす刺して撃退します。この時車に残したジニーにゾンビが迫る!これを助けようと外に出た?酒場の主人、いきなり顔面にビール瓶突き立てられて即死するのでした。ゾンビの数はどんどん増えてもはや絶望かと思われた瞬間、ピーポー鳴らして研究所の救急車がやってきた!中から飛び出した看護人二人、スパイダーを殴り倒して、「お前ら、さっさと来んね、地獄へ連れて行ってやるけん」こうして彼らは研究所に拉致されてしまったのです。

 もっとも研究所に到着してドア開くなりゾンビにやられてしまう看護人二人。さっき殴り倒されたはずのスパイダーも顔を見せます。マイケルたちは荒れ果てた研究所へ駆け込み治療室に立てこもるのでした。マイケルはここで突然、「おいは復讐ばせなならん」と言い出してサンディを驚かせます。「ここにおってくれんね、置いていかんでほしか」と必死に頼むサンディを振り切って出て行くマイケル。でもあっという間に何者かに殴り倒されちゃった。

 取り残されたサンディ、ルーカス、ジニーにゾンビが襲い掛かります。治療のためでっかい注射器でたっぷり何かの薬剤を注入されていたジニー、逃げることができません。やけになったジニー、側にある薬剤の壜をめたらやったらにゾンビに投げつけます。この壜がストーブに当たって爆発、ゾンビは炎に包まれたのです。しかしなんということでしょう、燃え広がった火は彼女の服に飛び火したのです。ひいいい、あっという間に火達磨となったジニー。アカラサマな耐火服を着ているのが気になりますが、これもきりがありませんから放っておきましょう(笑)。

 そうそうマイケルはどうなったかというとハウエル博士のところへ連行されていまして、彼の脳手術が終わるのを待っております。また同じく頭皮を剥がして頭蓋骨にドリルで穴を開けている博士、もうそんなことしている場合じゃないってのに。ようやく手術を終えて出てきたハウエル博士、なぜかマイケルを連行してきた部下を下がらせて二人きりになります。「こ、この人殺しが、ぼてくりこかすぜ(やっつけるぞの意味)」博士を睨みつけるマイケル。「まあ、とりあえず私の患者ば見てみんしゃい。この医学的な成果は人類の宝ばい!」そんなこと聞いちゃいないマイケル、手術室に入るなり患者の側に放置してあった手術道具のメスを手に取ります。「これでずったんたんのぎったんたんばい、覚悟しやい」博士は驚いてって、手術道具置きっぱなしになっている所に連れ込めばそうなるに決まっているじゃないっすか。「マイケル、そげんことしたらでけん。おいが遺伝子改造した患者達はどんどん狂いだすったい。それを止められるのはおいだけやけん」博士、ぜんぜん止められてませんよ「だからおいば殺しちゃいけなぐっ」マイケル、メスで博士の腹を滅多刺し。

 一方逃げ出したサンディとルーカスは斧を持ったスパイダーに襲われます。どすと重い音が響いてルーカスの胸にめり込む斧。ここでマイケル登場。当然ながらマイケルとスパイダーが最後の死闘・・・と思いきや何にも起こらないの(笑)。スパイダーはただ立ち去るのみなのです。

 車で逃げるマイケルとサンディ。車中でマイケル、こんなことを言い出します。「全部、おいのせいたい、おいのせいでこげんなったったい、ああ」そして彼は前方にゾンビによって襲われたと思しき車の残骸群を見つけます。車を止め必死に止めようとするサンディを振り切って外へ出るマイケル。「ぬははははは」唐突に笑い出します。この時ばきっと音がして電柱が爆発、切れた電線がマイケルを直撃したのでした。「びびびびびび」感電するマイケル。サンディが泣き喚いたところでエンドマーク。

 なんだ、これは。最初から最後まで訳が分からん。これでパリ・ファンタスティック映画祭でグランプリ受賞って何の冗談だ。

カラー・スタンダード、モノラル音声。画質・音質もちろん駄目。目がちかちか、耳きんきん、こんなの体に良くないです。12枚のディスクに50本の映画を収めたNightmare Worlds 50 Movie Pack Collection。Mill Creek EntertainmentのDVD。

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『Counterblast』 (1948)

 『Counterblast』 (1948)

 元ナチスの戦犯医者が他の科学者と入れ替わりイギリスで細菌兵器の研究をするという映画。この主人公の内面が細やかに描かれてなかなか面白い作品でありました。

第二次大戦に敗退したナチスドイツ。「レーベンズ・ブラックの野獣」とあだ名をつけられるほどぶいぶい言わせていたバクテリア学者のブルックナー博士(マービン・ジョーンズ)も捕まって収容所に入れられてしまいます。そのままなら、いや、何せ、この人は女子供を人体実験に使って大量殺害をした過去がありますので死刑間違いなし。そこである夜三人の仲間と共に脱走を図るのです。このDVDはもう極端に画質が悪くってこの刑務所の金網?塀?がまったく見えません。男たちがこれをよじ登るのですが、まるで空中に這い上がっていくように見えています(笑)。

 他の三人の仲間は足を撃たれたりして捕まってしまいます。一人ブルックナー博士のみが協力者のトラックへ拾い上げられて闇の中どこへともなく消えていったのであります。

 次にブルックナーが現れたのはロンドンでした。彼はナチス地下組織のアジトとなっているケネディ歯科医の元へ赴き新しい服をもらいます。それからさらに別のアジトへ行きイヌマン教授(カレル・ステパニク)から今後の進路についてアドヴァイスを貰うのです。「ふふふ、あなたはここ、イギリスで研究を続けられるかも知れませんよ、でもそれを現実とするのはあなたの役目ですけどね」

 実はイギリスのティボリーホテルにオーストラリアからオックスフォードのバクテリア研究施設に赴任してきた生物学者リチャード・フォレスター(アンソニー・エステル)が滞在しているのですが、この人を殺害し、その身分を詐称するというのがブルックナーの役目と言うわけ。ブルックナー、研究が続けられるならと一も二もなくこの任務を請負ます。

 善は急げとティボリーホテルへ行くブルックナー。フォレスターが滞在している313号室のドアをノックしまして、「ええ、私はアンソニーと申します。私もあなたと同じバクテリア学者なのですが、いつかオーストラリアに行ってみたいと思っていまして、話を伺いにきたのです」って言葉巧みに部屋に入り込んじゃう。突然の珍客にもいやな顔一つ見せないフォレスター博士、「おお、オーストラリアは良いとこ一度はおいで、酒は美味いしネーちゃんは綺麗だ、わ、わ、わっわぁですぞ。どんなことをお聞きになりたいのですか」ブルックナー、これに答えず部屋に備え付けのラジオのヴォリュームを一杯にします。フォレスターは顔をしかめて「うるさいじゃないですか、どうしてそんなことを」「これで言いのです」そういうなり置物でフォレスターの頭を一撃!

 昏倒した彼に毒薬を注射して殺害してしまうのです。ブルックナーは彼の死体を馬鹿でかいトランクに詰め込んでチェックアウト。えー、このトランクはブルックナーが持ち込んだものではなくフォレスターの私物です。もしこのトランクがなかったらどうやって死体を運び出そうと思っていたのでしょうか(笑)。

 チェックアウトでボーイさんが二人掛りでこのトランクを運び出すのですが、何しろ死体が入っていますから重い、重い。ふらふらしております。これを見てブルックナー、ひやひや。タクシーに積み込んで駅へ向ったものの、途中で危うく事故になりそうになってまたひやひや。そして列車を使ってバクテリア研究室のあるギリントンへ到着したのですが、施設より与えられた宿舎兼研究室の屋敷へ運びこむときに引越し屋さんがうっかり落っことしちゃった。ブルックナー、もう失神しそうになります(笑)。

 それでもなんとかばれずに荷物を地下室へ運び込むことができました。ブルックナー博士、地下室を研究室に改造してわしの研究を続けるのだ、ナハ、ナハ、ナハハハと無闇に張り切るのでした。

 さて、この屋敷には他に二人の人間がおります。一人はブルックナー博士の助手となるポール・ランキン博士(ロバート・ビーティ)、そして家政婦のプラム夫人(グラディス・ヘンソン)です。ランキン博士はブルックナーじゃなかったフォレスター博士の業績を尊敬しておりますので、ちょっとヘンなブルックナー博士の振舞いも理解しているのですが、夫人はそうもいきません。「やたらに無愛想だし、食事も不機嫌な顔でちっともおいしそうに食べないし、実験用かなんか知らないけど鼠を山ほど飼っているし、気味悪いったらないわ。前任のカーター博士の方がどんなに良かったか知れやしない」

 さて、博士が研究を開始して数週間が過ぎました。今日も今日とて研究施設で実験に勤しんでいたブルックナー、同僚から「こんなの来てましたよ」と電報を渡されます。読んでみるとトレイシー・ハート(ノヴァ・ピルブリム)なる女性でオーストラリアから○月○日にロンドンへ到着します。お会いしたいという内容でした。どうやら彼女の父親がフォレスターの旧友だったらしい。その娘になんか会ってしまったら正体がばれてしまう。もうこうなったらフォレスターと同じでヤルしかないっすよということでブルックナーロンドンへ。ホテルの部屋で彼女に面会します。

 ところがどっこい、トレイシーはフォレスターの顔を知らなかった。最後に会ったのが15年前で彼の顔をすっかり忘れていたのです。ほっとしたブルックナーですが、彼女殺害の意思は代わりません。なるたけフォレスターの関係者は少なくしておく方が良いからです。またもホテルの部屋備え付けのラジオのヴォリュームをぐいっと上げるブルックナー、しかし、彼は彼女の次の言葉を聞いて殺害を思いとどまったのです。「わたくし、先生の助手になりたいんですの。細菌学の学位も持っておりますし、研究のほか、お掃除でもお料理でもなんでもします」

 手元に置いておけるのなら、この娘から身分がばれる心配も少ないだろう。それに何しろ彼女は若くて美人だ、うひひひひと考えたかどうか知りませんが(笑)ブルックナーは彼女を屋敷に連れ帰りランキン博士とプラム夫人に紹介するのでした。プラム夫人たちまち柳眉を逆立て「ンマー、この人はこんな若い娘連れ込んで、何するつもりなんだろ、いやらしい」と思っているという・・・。

 さて、ブルックナーは自分がやっている研究をトレイシーに説明します。「未来の戦争では細菌兵器が使われる。バクテリアを大量に培養して敵国に送り込むのだ」これで我がナチスが大勝利、第三帝国の夢再びだ、ナハ、ナハ、ナハハハなんていうとトレイシー逃げちゃいますからこれをたくみにぼかして「私たちはそれに対抗する方法を考えなければならんのだ」だって。上手い事を言いますなー。

 えー、この人たちも研究ばかりやっている訳ではありません。地元の名士倶楽部主宰のダンスパーティに出席なんかしたりします。トレイシーとランキンはいちゃいちゃと踊って良いムード。ところがブルックナーの方はそうもいかない。オーストラリア人でフォレスターの友人だったというオバさんが現れたり、捕虜収容所の関係者に「捕虜に病人が出ました。フォレスター博士、手伝ってください」と頼まれたりと非常に不味い状況に追い込まれてしまったのです。

捕虜収容所で乱闘騒ぎで大怪我を追ったドイツ人の治療にあたるブルックナー、そのドイツ人は苦悶しながらも彼の顔を見分けた様子です。「あ、あなたは、あのブルックナー博士じゃぐむ」慌ててドイツ人の口を押さえるブルックナー、懐から毒薬のカプセルを取り出しためらいもなく注射してしまうのでした。あえなく絶命するドイツ人。ブルックナー、後から「いやあ、脳に酷いダメージを負ってましたからな、駄目でしたよ」だって。

 この後屋敷へ帰りますとまだトレーシーとランキンが帰ってきてない。おまけにプラム夫人がぷんすかしながら「あたくし、明日お暇を頂きます」驚いたブルックナーが訳を尋ねますと「ヘンな女があなたの家政婦になるといって押しかけてきました。私はお役目御免という訳ですから出て行くのです」このヘンな女と言うのがナチス支援組織から派遣されてきたスパイ マーサ(シビル・バインダー)。彼女は驚くブルックナーに「スペイン経由で南米へ逃げる手はずは整っております。博士、研究のほうはどうなりましたか、早く完成させて逃げましょう」

 一方、車でダンスパーティ会場から帰宅途中のランキンとトレーシー。大方の予想通り光よりも早いスピードで恋に落ちた彼らは途中で車を止めてキスするのであります。ぶちゅぶちゅぶちゅちゅちゅー。で、そのまんま唇にトレーシーの口紅をつけたまま屋敷に戻ったものですから、ブルックナー、かんかんになって「い、一体君たちは何をしとるのかね、特にトレーシー、私は君のお父さんからくれぐれも宜しくと頼まれているのだよ。それをだね、こんなに夜遅くまで男と遊び歩いているとは、なんとふだしらな・・・じゃなかったふしだらな」びょえーと泣き出すトレーシー、ランキンはこれで屋敷を追い出されることになってしまいましたとさ。

 一応この後で「うむ、研究についてはこれまでどおりよろしく頼む」ということで和解したのですが、これでランキン、ブルックナーに疑惑を抱いてしまうのであります。

 こっそり屋敷に来たランキン。トレーシーにその疑惑をぶちまけます。「あの人はオーストラリアからわざわざゴルフクラブを持ってくるほどのゴルフ好きでしかもシングルプレーヤーなんだぜ。そんな人が何ヶ月もゴルフに行かないなんて考えられないよ。それにこの間なんとかっていう薬を大戦中に使ったといっていたけど、その薬はドイツでしか作られていなかったんだ。あの人は本当にオーストラリアから来たのか。ひょっとしらナチスの残党じゃないのか」そんなのは誤解だ、確かにおかしな振舞いが多いけど、天才とキチガイは紙一重だって言うしと庇うトレーシー。でも天才とキチガイは紙一重というのは擁護になっていないと思うのですが(笑)。

 ついにランキン、「彼が持ってきたあのトランクが怪しい。信じられないくらい重かったんだ。あれを調べてみよう」と言い出します。トレーシーと二人で地下室に降り、苦労してトランクの鍵を開けて開いたらぶちゃぶちゃに腐乱した本物のフォレスター博士の死体がどさり・・・とはなりませんで本が転がり出てきただけ。「ほほほほほ、やっぱり何もないじゃない、みんなあなたの誤解よ」ランキンはもごもごと「いや、ここに運び込んだ時より随分と軽くなっているんだけど」と言い訳するのですが、結局、この疑惑は沙汰やみとなってしまったのです。

 さて、ブルックナー博士のワクチン製造研究も進みましてついにモルモットによる実験に成功します。じゃあ次は人体実験だということになるのですが、この対象がなんとトレーシーだったという・・・。博士から頼まれたトレーシー、「喜んでお手伝いさせて頂きます。でもその前に」ぽっと頬を染めまして(モノクロ映画だけど)「私、ランキンに会いたいのです。私彼を愛していますの」

 そして実験前のデートが実現してボートで楽しい時間を過ごすトレーシーとランキンです。

 いよいよ人体実験の開始です。トレーシーに細菌を接種させるブルックナー博士。「後からワクチンを接種する。これで回復することができれば実験は成功だ」トレーシー、たちまち高い熱を発しましてランキンからの電話にも出られない状態になってしまいました。何度電話を掛けても取り付いてくれないマーサにいらついたランキン、直接屋敷を訪ねるのですが「え、具合が悪い?どうしたんですか、え、彼女が僕に会いたくないといってる?」ということであえなく追い返されてしまったのです。

 長らく危険な状態が続いたトレーシーでしたがようやくワクチンが効いたのか意識を回復します。大喜びのブルックナー博士、シャンパンでマーサと乾杯するのですが、次の彼女の一言で凍りつくのです。「明日にでも彼女を殺してください。証拠は全て抹消されなければなりません」

 翌日、ブルックナーはすっかり健康体になったトレーシーの部屋を尋ねます。そして思いつめたように「君は私の実験の功労者だ。それに君はとても、とても美しい」トレーシー、ぽっと頬を染めまして(モノクロ映画だけど)「まあ、ありがとうございます」ブルックナー、彼女をいきなり抱きしめて「私は君を愛してしまったのだ」キスをするのです。しかし体を強張らせたトレーシーから明確な拒否を感じ取ったブルックナー、いつものごとく「ええやろ、させんかい!」とはなりませんで(笑)、すっと彼女から離れると「私は明日からロンドンで開かれるミーティングに参加する。君は2~3日の間、どこにも出ずに屋敷に留まってくれたまえ」

 ブルックナーはついに彼女を殺すことができなかったのです。

 ブルックナーはゴルフバックからクラブを一本引き抜いて地下室へ。そして実験動物のモルモットを処理しているマーサの後からこっそり近づくと思い切り頭をぶん殴ったのでした。マーサ、即死です。ついにあのゴルフクラブが役に立ったのであります(大笑い)。その死体を地下室に残したままブルックナーは逃亡するのでした。

 ちなみにマーサのモルモット処理法とは一匹ずつ体を抑えてトンカチで頭を叩き潰すというものだったという・・・。ひでえなあ。

 さて、2~3日屋敷にじっとしていろと言われていたトレーシーでしたがブルックナーが出て行くなりランキンに電話します。やっと会えるというので飛んできたランキン、ブルックナーがロンドンのミーティングに出かけたと聞いて「おかしいな、そんな予定は聞いてないけど、え、家政婦のマーサさんまで出て行った?こりゃますます妙だ」

 彼は悩んだ挙句、ダンスパーティで会ったコールズ夫人の家へ出かけます。フォレスター博士のメルボルンでの知り合いだったという彼女は「フォレスター博士、なつかしいわあ、早く会いたいわ」と言いさらにランキンを困惑させるのでした。「いや、フォレスター博士とはダンスパーティでお会いになっている筈ですよ。ほら、あなたとベンチで話していたあの紳士です」夫人はびっくりして、「いえいえ、何を勘違いされているのかしら、あの方はフォレスター博士じゃありませんことよ、まったくの別人ですわ」

 はい、これでナチスの残党決定(笑)。ランキンから通報を受けたスコットランドヤード、ただちに非常線を張ります。そしてラジオや新聞でもばんばんニュースが流れたのでブルックナーは外国へ逃げることができなくなったのです。ナチス支援組織を回ってみるのですが、みんな既に逃げ出していました。ケネディ歯科医には会えたのですが逆に拳銃で脅されて「もうとっととどこへでも逃げろ、まったく大変なミスをしやがって」と追い返されてしまいましたとさ。

 一目を避けて地下鉄へ乗り込むブルックナー、思い余った彼はポケットの中のカプセルを弄びます。中には危険な細菌が入っておりこれを開放すれば大勢の人間が感染してって、お前は○ウ○か、やめろう、やめろう。私の叫びが功を奏しまして(笑)地下鉄から降りるブルックナー。

 この後彼はパブに行きましていい調子でメートル上げている船乗りと知り合います。彼に酒を奢って「ねえ、お金稼ぐ気ない、君の船に乗せてくれれば大金払うよ」これで話がまとまって深夜その船乗りが乗船する予定の客船に偲びこむブルックナー。船倉のハッチを開けてもぐりこんだのはいいのですが、後から鍵を掛けられてしまいました。おまけに船内燻蒸のために青酸ガスが注入されてしまったのです。当然ながら悶絶死するブルックナー。エンドマーク。

モノクロ・スタンダード、モノラル音声。画質は例によって酷いもの。暗い場面が本当に真っ暗になります。その代わり音質は上々でちゃんと台詞が聞き取れるのがありがたい。12枚のディスクに50本の映画を収めたNightmare Worlds 50 Movie Pack Collection。Mill Creek EntertainmentのDVD。

           エロの冒険者
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      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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『Santo Contra El Asesino De La Television』『聖者サントのテレビ殺人事件』1981年

 『Santo Contra El Asesino De La Television』『聖者サントのテレビ殺人事件』1981年

 もうやたらにテレビに出て来て、「私は稀代の大悪人です」と言いながら自分の犯罪を映して「どうです、みなさん、言ったとおりに見事にやりとげたでしょう、凄いでしょう」と自慢する怪奇な犯罪者。こんなの世界中どこを探したってサント映画にしかでてこないと断言させて頂きます(笑)。

 このDVDはスペイン語音声のみ、英語音声・英語字幕は収録されておりません。私はまったくスペイン語が分かりませんので、この映画はいつもと違ってどこかの奇特な方が作って下さっているサント映画のストーリー解説サイト(英語)を参考にこのレビューをでっちあげております。だから実際の映画を誤解しているところもあるかも知れませんが、その辺はどうぞ、この事情を鑑みてご容赦くださるようお願いいたします。

 平たく言うと、「文句言うなら俺の糞尿ビニール袋に詰め込んで送りつけるぞ、コノヤロー」ということでございますね。

警告、警告、このDVDのリージョンは1です。したがってサント映画のくせに日本国内のDVDプレーヤーでは再生できません。警告、警告。

オープニングクレジットが終わるとメキシコの幸せそうな家族、パパ、ママ、二人の可愛らしい子供がテレビを見ている場面になります。ここで歌っているのがマリアッチ歌手のゲラルド・ライアス。「覚えていますか、手と手が触れあった時」なんて歌っちゃって、ムードがヨロシイ。これにつられてにっこり微笑み交わすパパとママ。と、突然、このテレビの画面が乱れて現れたのが黒マスクの男。彼は「ブエノスノーチェス(こんばんわ)」と律儀に挨拶すると(笑)、「皆さん、私はマグナス(カルロス・アゴスティ)と申します。これから正真正銘の犯罪の実況中継を致します。私の部下が女優のマリナ・ラベル嬢(マリーナ・アルー)を誘拐するのです」ぱっと場面が変わって道路を歩いているマリーナに二人の部下が襲いかかって否応なしに拉致されてしまいました。呆然と見つめる家族。さらにマグナスは「さーて来週の犯罪は宝石強盗です。来週も見てくださいね。んがぐぐ」消えてしまいました。

 これが恐るべきテレビ犯罪者事件の始まりだったのであります。マグナスはこんばんわと挨拶しているのにマリーナが誘拐されるのが真昼間というところが気になりますが、まあ、サント映画ですから、さらっと流すのがオトナというものですから。

 この事件について記者会見を開くフェロ警部(ジーン・サフォーン)。詰め掛ける新聞記者たちの中には冒頭で歌っていたゲラルドも混じっているという・・・。どうやら彼は新聞記者とマリアッチ歌手を兼業しているようで。フェロ警部は「まったく不可解な事件です。女優を誘拐したというのにまったく身代金の要求がありません。また件のマグナスなる男の手がかりもまったくないのです」そんな時の頼りと言えば、そうです、我らがヒーロー、伝説の銀色の覆面レスラー、サントに決まっているではありませんか。

 ここで映画の時間がちょっと遡ってちょうどマグナスの最初のテレビ放送が行われている時刻。サントはサントカーで助手のカリートス(カルロス・スアレズ)と共に巡業先のデュランゴから戻っている途中でした。どうやらマグナスの電波ジャックはカーラジオにも影響を及ぼすようで、突然がーがーぴーぴーという雑音を発し始めたのです。これに驚いて寝ていたカリートスが「わあああ」と飛び上がるというあまり面白くないギャグあり。メキシコシティに戻ったサント、東洋系レスラー?のハム・リーとタッグチームを組んでスコルピオン、コブラ組といういかにも悪役っぽい名前のレスラーと戦います。当然ながら2本連続でギブアップを取ってサント・ハム・リー組の圧勝となりました。

 この後やっとフェロ警部の無線がサントに届くという・・・。やっぱりプロレスの試合の方が優先なんだな(笑)。サント、「ようがす、すぐに行きやす、待っててくだせえ」何時もながらの頼もしい返事。

 さて、アジトである屋敷でマリーナを監禁しているマグナス。彼女に「わしはそなたの美しさに魅了された、だから誘拐したのだ」なんて言っております。そして部下に命じて彼女を屋敷から連れ出させるのでした。この直後、何の前触れもなくゲラルドともう一人の記者が屋敷に潜入。どうやってこの屋敷のことを知ったのかさっぱり分かりません(笑)。二人は屋敷の中を探すのですがもちろんもぬけのから。ただわざとらしくマリーナのバックが残されておりまして、中を見るとちゃんと彼女の免許証があったという・・・。

 この免許証のことを編集長に報告するゲラルド。と、ここで新たな登場人物が乱入してきます。女新聞記者のディアナ(ルビー・リー)です。「私はサントの友達だし、きっと役に立ちます。だからこの調査に私も加えてください」しぶしぶ彼女の願いを聞き入れる編集長。しかしあとでこっそりゲラルドを呼んで「いいか、ディアナから目を放すなよ、頼んだぞ」だって。

 このディアナ、大型バイクを乗りこなし、おまけにカラテ(空手ではない)の達人という凄い人。大型バイクを飛ばしている時に三人の男に絡まれるのですが、飛びけりやチョップであっという間にやっつけちゃった。丁度通りがかったサントとカリートスが彼女を助ける暇がなかったほどの早業なのです。サント、苦笑して「あんたは相変わらずやるねえ。女だてらとはあんたのようなものをいうのだ」

 この頃、洞窟にアジトを移したマグナス。部下から牢に入れているマリーナがハンストをしているという報告を受けます。洞窟の中に鉄格子立てて作った牢へ(笑)赴くマグナス。本当に食事を食べようとしないマリーナに向って突然の打ち明け話を始めるのでした。「わしはそなたの美しさに魅了されたと言っていたが、実はあれは嘘なのだ」ズッコけるマリーナ。「わしはそなたの母親に裏切られた男なのだ。わしの密輸を密告しやがったのだ。そのせいでわしはメキシコを離れざるを得なかった。しかし、今やわしは金持ちで権力を持った。今こそ復讐の時なのだ。その手始めとしてそなたを誘拐した。つまりそなたの母親を苦しめるためなのだ。そなたが食事をしなくってもわしには何の関係もない。どっちにしても母親を苦しめることになるからな、ナハ、ナハ、ナハハハハ!」

 何だか馬鹿馬鹿しくなったマリーナ(笑)、素直に食事を始めるのでした。

 さてついにマグナスの第二の犯行、宝石強盗が行われます。テレビで歌っていたブレンダ・デュラン(ロザリア・モンテロ)の映像が乱れマグナスが登場するのは前回の通り。今度はそのテレビを見ているのがサント、カリートス、ディアナとなっております。マグナスがまた「ブエノスノーチェス」と律儀に挨拶して(笑)二人の部下が宝石店に押し入ります。これを見た警察はパトカーを急行させるのですが時既に遅し。まんまと逃げられてしまったのです。再びテレビに現れたマグナス。楽しそうに「さーて来週の犯罪は歌手のブレンダ・デュラン誘拐です。来週も見てくださいね、んがぐぐ」

 2件連続で完璧に行われたマグナスの予告犯罪。これじゃブレンダも危ないということでフェロ警部、サントに彼女の護衛を依頼するのでした。サントはさっそく彼女を自分の家に匿います。ここに尋ねてきたディアナが二人の仲を邪推して「ンマー、あたし帰る」となったのは、定石ですな。

 しかしサントの家も安全ではありませんでした。いきなり撃ち込まれる銃弾。この時何故か逆立ちをしていたカリートスが驚いてひっくりかえり怪我をするのですが肝心のサントとブレンダは無事でした。「このままじゃいけねえ、いつかやられちまう」と焦燥を深めるサント。だったら家で大人しく守りを固めていればいいのにわざわざブレンダを連れてナイトクラブに出かけていくのであります。そして見たのが新聞記者から歌手へと早変わりしたゲラルドのショーだったのです。うーん、暢気に拍手なんかしている場合じゃないと思うけどなあ。

この後マグナスの部下がナイトクラブにやってきましてサントとブレンダを監視。さあ、いつ襲い掛かるのかと思いきや、この夜は何にもしなかったという・・・。次の夜今度はナイトクラブでブレンダが歌います。誘拐するって言われているんだから、なんでこんなとこにのこのこ、それも何度も何度もやってくるんだ(笑)。サントの屋敷で大人しくしておけって言ってるだろ!

 ブレンダが歌っている最中、またもマグナスの部下達がやってきた。その中の一人がブレーカーをばきっと落としてナイトクラブを真っ暗闇に。この隙にブレンダを攫おうというのでしょうが、カリートスがあっさりこれを発見。部下の頭をぽかりとやって気絶させブレーカーを元に戻してしまったのであります。明かりがついて大慌ての部下達。サントはそんな馬鹿たれどもを(笑)ぼこぼこにしてしまうのでした。

 ナイトクラブの支配人ペドロ(カルロス・アゴスティ)はブレンダを逃そうとするのですが、偽者の警官二人に襲われて彼女を攫われてしまいます。サントとフェロ警部は後を追おうとするのですが、ここで天井に取り付けられた謎の装置がびびびびと怪音波を発します。これに当たると「むむ、な、なんだ、これは、体が痺れちまったぜ」となってしまうのでした。動けぬサント、フェロ警部に代わって偽警官を追っかけたのがゲラルド。彼は二人と戦って見事ブレンダを取り戻すのです。

 この時何故か偽警官たちの車に忍び込むディアナ。逃げる偽警官、彼女に気がつかず車を発進させてしまうというオソマツ。もっともこのディアナが敵のアジトに侵入してサントたちに場所を教えるなんてことは一切ありません。ただ単に捕まるだけです。

 ディアナをブレンダと勘違いしてテレビで勝利宣言をするマグナス。「メキシコの皆さん、こんにちは。私はちゃんとブレンダを誘拐しました。凄いでしょう。さーて来週の犯罪はサントの殺害です。試合でやっつけます。では来週も見てくださいね、んがぐぐ」この放送を見たゲラルド、「畜生、ブレンダの代わりにディアナを攫いやがった。彼女を早く助けねば」と叫ぶのですがこの時点で彼女が捕まったことを誰も知らない筈なのですがね(笑)。

 この後サントとゲラルドはヘリコプターを使って上空からマグナスのアジトを捜索します。サントカーのラジオが突然乱れたあたりを探したのですが、もうあっという間に巨大なパラボラアンテナを見つけて「あ、きゃつのアジトはあそこにちげえねえ!」と叫ぶという・・・。どうしてそんな目立つところにアンテナ建てるんだ、もっと隠せよ、マグナスと言いたくなります。

 あ、当然ながらこのパラボラアンテナはどこぞの電波天文台であります。こんなセットなんか作っていられないのであります。

 さて、予告したサント殺害のためにプロレスラー、リングの暗殺者に会うマグナス。彼に持ちかけたのが「100万ペソやるから試合にかこつけてサントを殺してくれ」という依頼。リングの暗殺者はお金を貰ってほくほくしながらその依頼を引き受けるのでした。

 マグナスと暗殺者が会っているのはテレビのスタジオ。こういうものが洞窟であるマグナスのアジトに作られているらしい。ええ、まったく別の場所やんかというツッコミはこの際なしにさせて頂きます(笑)。

 サント対リングの暗殺者の試合が始まりました。リングの暗殺者、どうやってサントを殺すのかと思いきや、ごくフツーに試合をやってます。あまつさえサントにキャメルクラッチで一本取られたりしております。さっさと凶器でサントをやっつければいいのに彼をフォールして一本取り返したりもします。そして3本目はサントのトペをくらってリングアウト負けになってしまうという・・・。全然暗殺者じゃないじゃん(笑)。しかし流石はマグナス、こんな時のための手もちゃんと打っていたのです。スイッチをカチッと押すとリング上の鉄骨に備え付けられたリモコンマシンガンがずどどどど。こんな仕掛けがあるならリングの暗殺者に金をやることなかったやんかと思いますが、とにかくサント大ピンチ。ここでゲラルド、何故かピストルを懐から取り出すと、見事な射撃でマシンガンを破壊したのであります。

 実はゲラルド、ただの記者、歌手ではなかったのです。彼の正体は政府のエージェントだったのでありますって、そんな馬鹿なことあるかぁ(大笑い)。

 サントとゲラルド、二人でマグナスのアジトに侵入し、部下達をやっつけます。マグナス、マリーナ、ディアナ二人の人質を例のテレビスタジオに引っ張り込んでディアナの喉にナイフを当てると「やい、サント、大人しく降伏するのだ。さもないとこの女の喉をぱっくりやるぞ」すると洞窟にいるサントが立ち尽くすという・・・。どこをどう見たって別の場所であります(笑)。これで降伏したサント、手錠で金属のポールに拘束されてしまうのです。マグナスと部下達はその周りに火をつけて「わは、わは、わははは サントの火あぶりだ」もちろん、これをテレビ中継する訳ですね。

 と、ここで物凄く不思議なことがおきました。この模様をテレビで見ていた手品師のエル・マゴ・イオが目をつぶって念力を送ったのです。この念力がサントの手錠に作用して外れてしまったという・・・。言っておきますけど、この手品師、今唐突に出てきたのですからね。もうこんなのいい加減すぎてご都合主義にもなりませんよ。

 自由になったサント、マグナスと部下達をぼこぼこにします。マグナスの覆面を剥いで見ると現れたのはナイトクラブの支配人ペドロでありました。サントはディアナ、マリーナ、ゲラルドたちと洞窟の外へ飛び出します。と、ここで正体を露にされたペドロが例のテレビスタジオで「やい、サント、お前たちも道連れになってもらうぞ」と叫びます。立ち尽くすサント達ってだから別の場所だって言っているじゃないか(笑)。ペドロが自爆装置のスイッチをカチッ。慌てて逃げ出すサント達。かろうじて逃げ延びたところでアンテナが大爆発したのです。

 このミニチュアはなかなか出来がヨロシイ。なんで最初っからこのミニチュアを映さなかったのだろう。

 ラスト、ナイトクラブに勢ぞろいした登場人物たち。サント、カリートス、ゲラルド、マリーナ、ディアナ、フェロ警部。さっきの手品師がサントとカリートスを手品を手伝って貰うためにステージに呼び寄せます。そして嫌がるカリートスを無理やり箱に押し込めて、はい、彼の姿が消えてしまいました。エンドマーク。

やっぱあの手品師の件は凄いよなあ。40本近くサント映画見てきていい加減なれている筈の私だってびっくりしてしまいますもん。

 カラー・スタンダード。モノラル音声。画質はエッジが腐って圧縮の弊害がもろにでていますが色の出方はきれい。音声はノイズが多くて閉口させられます。スペイン語音声。

          エロの冒険者
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『The Beast of the Yellow Night』 1971年

  『The Beast of the Yellow Night』 1971年

 実に久々のエディ・ロメロの映画。サタン、彼によって何度も生まれ変わり悪事を繰り返す男がさらに怪物になって大暴れという、じつに盛りだくさんで退屈のしようがない映画であります。あ、退屈しないってのは必ず面白いってことにはなりませんからね、誤解しちゃいけませんよ。

1946年の東南アジア、これはエディ・ロメロの映画ですからたぶんと言うか間違いなくフィリピンのことでしょう。さて、軍隊のジープが続々と発進します。米国大使館員も駆けつけてきて、一体何が起こったのかというとこれが米軍脱走兵ジョセフ・ラングドン(ジョン・アシュレー)による殺人事件。女性一人、子供が一人犠牲になっております。逃亡したラングドンを捜索する兵士たち、あ、何かいたぞ、ずがががーん、ろくすっぽ相手を確めることなく自動小銃を乱射。ばたーっと女が倒れます。これはどうやらラングドンの情婦だったらしい。

 さて、肝心のラングドン、何とか追ってから逃げ延びたのですが、疲労と空腹でもうふらふら。ついつい目の前にあった果物に食いついたのですが、「うわああ、にがい、不味い、ぺっぺっぺ」 と、その時ひゅーどろどろと鳴り物が鳴って怪しの声が聞こえて参ります。「おい、ラングトン、ラングトン」びっくりしたラングトン、「いやー、助けて、撃たないで、もう勘弁して」「ラングトン、お前は邪悪なる人間だ、裏切り者でレイプ愛好者で泥棒で人殺しだ。それにお前、5歳の時実家の側のドラッグストアで万引きしたろ!」「ひいい、お許しを」

 「よし、許そう。しかしその代償としてお前はわしに生涯つかえるのじゃ」 ここでまたひゅーどろどろという鳴り物が入って現れたのがサタン氏。フィリピンらしく原住民のカッコをしております。サタンはラングドンが食べた果物を指差して「お前、それは毒だぞ、もうすぐ死んでしまうぞ」ラングドン、慌てて喉に指突っ込んで吐こうとするのですが、これがなかなかでてこない。それを面白そうに長めていたサタン、持っていた袋をばさりと投げ出します。「助かりたければこの肉を食え、生肉だ、美味いぞ」がつがつと貪るラングドン。これはもちろん、人間の肉であったという・・・。

 ここでタイトルでます。続いてオープニングクレジット、これが終わると舞台は一気に24年後に飛ぶという・・・。24年後という字幕がでるのですが、画質が悪くてこれが読めない(笑)。ネットでレビューサイト見つけてようやく分かった訳でして・・。墓地でトム・ミルトンという人物のお葬式をやっております。参列者の愛人らしき女が本妻らしき女を睨みつけたりするのですが、これは何の伏線にもなっていないので忘れてくださってケッコーです。ここにあのサタンが登場します。今度は背広をりゅうと着こなしてまったく現代風のいでたちです。彼は今しがた埋葬されたばかりのトム・ミルトンの墓の傍らに立ちますと「ふふふ、ラングトン、気分はどうだね」ってなぜ赤の他人の墓に話しかけるんだ(笑)。「君はもうすぐ生まれ変わる。また面白いことになるぞ」

 なんだか良く分かりませんが、とにかく、先を急ぎましょう。

 舞台は病院へ。今しがたロジャー・フィリップスという大物ビジネスマンが事故で息を引き取ったところ。その妻ジュリアが弟でロジャーのビジネスパートナーでもあるアールに付き添われて遺体と対面することになったのですが、病室へ入ってみると、わあ、なんとフィリップスの手が動いているではありませんか。怪我のために顔面を包帯で覆われていたフィリップス、その包帯の隙間から目をぎらぎらさせております。仰天する医者、看護婦、ジュリア、アール。ジュリアは叫びます。「夫の、夫の包帯を外して頂戴」震える手でフィリップスの顔面から包帯を取る看護婦。現れたのはラングドンの顔でした。これを見た医者、「ぐわっ、く、苦しい」心臓麻痺を起こして死んじゃった。なんなんだかなあ。

サタンがミルトンの墓で言っていた通りラングトンはロジャーとして生まれ変わったのです。

 顔が変わったのは形成手術のせいだと無理やりに納得して(笑)、ジュリアはロジャーと共に豪壮な屋敷へ戻ります。はっきりいって彼らの夫婦生活は崩壊しかかっていたのですが、退院後のロジャーは何故か優しい。これだったらやり直せるかも知れないわということでロジャーとジュリアはハッピーなセックスを致します。

 しかしロジャーは前よりもっとヘンになっていた。彼は会社の管理職を大勢首にしてしまいます。そのことをアールに咎められると唐突に「私とジュリアの関係は上手く行ってない。お前、ジュリアを代わりに幸せにしてやってくれないか」凄い話のそらし方だ。

 このロジャー=ラングトンはミルトンの墓でサタンと会合。なんと、彼は1954年以来、生まれ変わりを繰り返してはサタンのために働いていたらしい。彼の使命は人々を悪に貶めること。ラングトンの魂はミルトンからロジャーへ映ったということだったのです。さすがにラングトンは情けなさそうな顔になって「もう私はこんな役いやです。勘弁して下さい。私はただの人間なんです」「やかましい」サタンが手を上げるとラングトンの腹に凄まじい痛みが!ラングトン、地面を転がりまわります。「ぎゃあ、痛い痛い、やめて、やめて」 

 この傷みから逃れるためにはサタンの僕であり続けるしかなかったのです。

 ラングトン=ロジャー、その後もアールと妻を関係させようとしております。これで怒ったジュリアにビンタなんかされたりしまして、どうも冴えない毎日。サタンのおっさんはうるさいし、いっちょ、教会で告解するか、ラングトン、教会へ向うのですが、またあの腹の凄まじい痛みに襲われ道端にうずくまってしまいました。「イテテテ、ひい、たまらん」この様子をみた通りがかりの老人、「どうしたんだね、あんた、持病の癪かね」ぱっと顔を上げるラングドン。おお、なんと、彼の顔は醜いケロイドに覆われた怪物になっていたではありませんか。「な、なんじゃそりゃ!」とのけぞる老人。ラングトン=怪物は老人の胸を一撃で切り裂いて肉や内臓を貪り始めたのでした。

 酔っ払いたちが近づいてきます。これに気づいた怪物、老人の死体を棄てて逃げ出すのでした。夜の町をうろつく怪物、ショーウィンドウに映った自分の顔を見て「な、なんじゃこりゃ!」と驚くのがおかしい。怪物はさんざん町をさ迷った末に列車にはねられて倒れます。するとぱっとラングトンに戻ってついでに朝になったという・・・(笑)。

 警察のデ・サント警部 病院で老人の検視報告を受けて、「なんだ、武器もなしに胸を一撃で切り裂いている、一体どんな奴なんだ」と呻くのでした。

 さて、バーで会っているジュリアとアール、こりゃロジャー=ラングトンの望みどおり出来ちゃったのかなと思いきや、二人でロジャーのことについて話し合っていたのであります。ロジャーに精神科医の治療を受けさせようと言うアールにジュリアは反対して、「いいえ、彼は私を求めているのです。私の愛で彼を元通りにするわ」彼女はロジャーへのお土産として腕時計を購入して帰宅するのでした。

 このプレゼントに相好を崩して喜んだロジャー、ジュリアを抱きすくめてキス。そのままソファーの上でセックス!と思われたのですがこの時ロジャーの腹がまた激しく痛み出した。「やばい」そう直感したロジャーはジュリアを部屋から追い出して鍵を掛けてしまいます。「どうしたの、何が起こったの、私を入れて」と叫ぶジュリアの声もむなしくロジャーは再び怪物化。窓を破って飛び出すのでした。また夜の町をうろつく怪物。いや、この場面ばんばん車が通ったりしているんですがねえ、誰も怪物に気がつかないですねえ(笑)。

 で、街角に立っていた売春婦なんか彼に声をかけちゃうの。「ねえ、お兄さん、遊ばない、安くぐえ」もちろん喉を噛まれて殺されます。さすがにのんびりしたフィリピンの人もこれでようやく怪物に気がついた。おまわりさんや野次馬が逃げ出した怪物を追いかけます。

追っかけてきたおまわりさんや野次馬相手に大暴れをするロジャー。2~3人殴り殺したところで拳銃で撃たれてしまいます。こらたまらんと逃げ出した彼は墓地?建物の中?もう画面真っ暗でどんな場所かさっぱり分からないの(笑)に逃げ込みます。ここでであったのが盲目の老人。彼は何故か怪物であるロジャーを匿うのです。

 一方デ・サント警部たちは会議を開いて付近一帯を封鎖、徹底的に捜査するという方針を固めるのでした。ここで届いたのがロジャーの家の窓が破られ彼自身も失踪しているという知らせ。彼らはロジャーこそが容疑者なのではないかと疑うのでした。

 翌朝、元に戻ったロジャー、老人に「なぜオレを匿った」と尋ねます。老人、答えて曰く「わしゃ、その昔名を知られた盗賊団の首領でのう、それで捕まって30年も服役していたのじゃ。それで追われているあんたに同情したという訳さ」礼を言って老人の家?から立ち去るロジャーであります。彼は自宅に戻るのですが、そこで待ち構えていたのがデ・サント警部たち。警部は彼の顔を見て「おお、ラングトンだ」と驚愕します。そのままロジャーは容疑者として逮捕され留置所に入れられたのでした。

 デ・サント警部、ロジャーがラングトンにあまりに似ているというか、生き写しなので米軍の関係者に会って「ラングトンはまだ生きているのではないか」などと言い出します。米軍関係者は呆れて「あんた、そんな馬鹿なこと言うちゃいけませんがな。ラングトン、生きとったらもう50過ぎでっせ、そのロジャーとかいう人、どうみたってそんな年じゃないでしょ」そりゃ、そうだ(笑)。それでも疑いを棄てきれないデ・サント警部であります。

 しかし、結局証拠がないということで釈放されるロジャー。この時警察の周りを群集が取り巻いていて、釈放される彼に罵声を浴びせるのでした。「てめー、ロジャー、この人殺しめ」さらに群集の一人が隠し持っていたナイフを振りかざしてロジャーを襲います。腹を数回ぐさぐさと差されて倒れるロジャーと思いきや、彼の体には傷ひとつついていなかったという・・・。デ・サント警部、ますます疑いを深めます。ロジャーはアールの運転する車でジュリアと共に郊外の家に隠れ住むことになりました。

 デ・サントの部下カンポは彼に「ラングトンというのはどんな奴だったのですか」に尋ねます。帰ってきた答えは「奴は太平洋戦争中日本軍に協力した裏切り者だ。それにレイプや人殺し、五歳の時には実家の側のドラッグストアで万引きしたという極悪人なんだよ。彼は射殺されたがそのまま川に落ちて死体が見つからなかったのだ」冒頭とえらく違うのではないかという気がするのですが(笑)。ともあれ、死体が見つからなかったことで、デ・サントはラングトンがまだ生きているのではないか、ロジャーに成りすましているのではないかと考えたわけです。

 ロジャーは怪我した顔面を形成手術したためにラングトンに似た容貌になったという設定があるので、この疑いはいくらなんでもムチャなのですがね。

 さて隠れ家のロジャーとジュリア、性懲りもなくまたセックスしようとしています。ロジャー、ジュリアのパンツ脱がしています(笑)。しかしさあ、いま正に始めんとスという状況でロジャーの腹がまた痛み出した。「うわ、いてててて、ぎゃあ」はい、変身します。ロジャーはパンツ脱がされたジュリアを突き飛ばして外へ。見張っていた警察官にばすばす弾を撃ち込まれながら逃亡したのです。その行った先はあの老人の家。彼は再び匿われ翌日、二人で密かに逃げることになりました。

 田舎道を行商の牛車に紛れて歩く二人。しかしその先の道路を警察、軍隊が封鎖していたのです。デ・サント警部、カンポもいます。これを見たロジャー、「やばっ」老人と二人で道路から離れて叢の中へ。これに隠れて逃げようとしたのですがあっという間に見つかってしまいます。デ・サント警部が「おい、出て来い、出てこないと攻撃するぞ」とカタチばかりの警告をした後、いきなり兵士たちが一斉射撃。おまけに火炎放射器で叢焼き払った!ロジャー、さすがにたまらんと降伏したのですが老人は承知せず一人で逃げようとします。これを見た兵士がマシンガンを発射、彼を撃ち倒してしまったのです。

 さあ、ロジャー=ラングトン、怒ったね。彼はまた変身して、兵士達相手に大暴れ。三人あまりをずたずたにしたところで瀕死の老人が彼に呼びかけます。「ラングトン、もうやめて私のために祈っておくれ」この願いに答えてラングトン、老人の傍らに跪き、静かに祈りを唱えるのでした。これでラングトン自身の呪いもとけ、彼はあっさりカンポに射殺されてしまうのです。ばたりと倒れた怪物の顔がラングトンにゆっくり戻ったところでエンドマーク。

老人とロジャーの交流は心温まるものがありますが(そ、そうか)、あれほどあれこれ口を出しておせっかい極まりなかったサタンが途中でふいと出てこなくなってしまうのはちょっと納得がいきませんね。ラストで一度顔を見せるのが筋ってものでしょう。

カラー・スタンダード、モノラル音声。画質には解像度という概念がないらしく細かい部分が潰れてしまって見えません。くらい場面でも例によって何をやっているのかさっぱり分かりません。音質も台詞がぼそぼそと歯切れ悪く聞き取りにくいもので、忍耐力を養うにはもってこいの一枚であります。12枚のディスクに50本の映画を収めたNightmare Worlds 50 Movie Pack Collection。Mill Creek EntertainmentのDVD。

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