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2008年6月 1日 (日)

『Santo Contra El Asesino De La Television』『聖者サントのテレビ殺人事件』1981年

 『Santo Contra El Asesino De La Television』『聖者サントのテレビ殺人事件』1981年

 もうやたらにテレビに出て来て、「私は稀代の大悪人です」と言いながら自分の犯罪を映して「どうです、みなさん、言ったとおりに見事にやりとげたでしょう、凄いでしょう」と自慢する怪奇な犯罪者。こんなの世界中どこを探したってサント映画にしかでてこないと断言させて頂きます(笑)。

 このDVDはスペイン語音声のみ、英語音声・英語字幕は収録されておりません。私はまったくスペイン語が分かりませんので、この映画はいつもと違ってどこかの奇特な方が作って下さっているサント映画のストーリー解説サイト(英語)を参考にこのレビューをでっちあげております。だから実際の映画を誤解しているところもあるかも知れませんが、その辺はどうぞ、この事情を鑑みてご容赦くださるようお願いいたします。

 平たく言うと、「文句言うなら俺の糞尿ビニール袋に詰め込んで送りつけるぞ、コノヤロー」ということでございますね。

警告、警告、このDVDのリージョンは1です。したがってサント映画のくせに日本国内のDVDプレーヤーでは再生できません。警告、警告。

オープニングクレジットが終わるとメキシコの幸せそうな家族、パパ、ママ、二人の可愛らしい子供がテレビを見ている場面になります。ここで歌っているのがマリアッチ歌手のゲラルド・ライアス。「覚えていますか、手と手が触れあった時」なんて歌っちゃって、ムードがヨロシイ。これにつられてにっこり微笑み交わすパパとママ。と、突然、このテレビの画面が乱れて現れたのが黒マスクの男。彼は「ブエノスノーチェス(こんばんわ)」と律儀に挨拶すると(笑)、「皆さん、私はマグナス(カルロス・アゴスティ)と申します。これから正真正銘の犯罪の実況中継を致します。私の部下が女優のマリナ・ラベル嬢(マリーナ・アルー)を誘拐するのです」ぱっと場面が変わって道路を歩いているマリーナに二人の部下が襲いかかって否応なしに拉致されてしまいました。呆然と見つめる家族。さらにマグナスは「さーて来週の犯罪は宝石強盗です。来週も見てくださいね。んがぐぐ」消えてしまいました。

 これが恐るべきテレビ犯罪者事件の始まりだったのであります。マグナスはこんばんわと挨拶しているのにマリーナが誘拐されるのが真昼間というところが気になりますが、まあ、サント映画ですから、さらっと流すのがオトナというものですから。

 この事件について記者会見を開くフェロ警部(ジーン・サフォーン)。詰め掛ける新聞記者たちの中には冒頭で歌っていたゲラルドも混じっているという・・・。どうやら彼は新聞記者とマリアッチ歌手を兼業しているようで。フェロ警部は「まったく不可解な事件です。女優を誘拐したというのにまったく身代金の要求がありません。また件のマグナスなる男の手がかりもまったくないのです」そんな時の頼りと言えば、そうです、我らがヒーロー、伝説の銀色の覆面レスラー、サントに決まっているではありませんか。

 ここで映画の時間がちょっと遡ってちょうどマグナスの最初のテレビ放送が行われている時刻。サントはサントカーで助手のカリートス(カルロス・スアレズ)と共に巡業先のデュランゴから戻っている途中でした。どうやらマグナスの電波ジャックはカーラジオにも影響を及ぼすようで、突然がーがーぴーぴーという雑音を発し始めたのです。これに驚いて寝ていたカリートスが「わあああ」と飛び上がるというあまり面白くないギャグあり。メキシコシティに戻ったサント、東洋系レスラー?のハム・リーとタッグチームを組んでスコルピオン、コブラ組といういかにも悪役っぽい名前のレスラーと戦います。当然ながら2本連続でギブアップを取ってサント・ハム・リー組の圧勝となりました。

 この後やっとフェロ警部の無線がサントに届くという・・・。やっぱりプロレスの試合の方が優先なんだな(笑)。サント、「ようがす、すぐに行きやす、待っててくだせえ」何時もながらの頼もしい返事。

 さて、アジトである屋敷でマリーナを監禁しているマグナス。彼女に「わしはそなたの美しさに魅了された、だから誘拐したのだ」なんて言っております。そして部下に命じて彼女を屋敷から連れ出させるのでした。この直後、何の前触れもなくゲラルドともう一人の記者が屋敷に潜入。どうやってこの屋敷のことを知ったのかさっぱり分かりません(笑)。二人は屋敷の中を探すのですがもちろんもぬけのから。ただわざとらしくマリーナのバックが残されておりまして、中を見るとちゃんと彼女の免許証があったという・・・。

 この免許証のことを編集長に報告するゲラルド。と、ここで新たな登場人物が乱入してきます。女新聞記者のディアナ(ルビー・リー)です。「私はサントの友達だし、きっと役に立ちます。だからこの調査に私も加えてください」しぶしぶ彼女の願いを聞き入れる編集長。しかしあとでこっそりゲラルドを呼んで「いいか、ディアナから目を放すなよ、頼んだぞ」だって。

 このディアナ、大型バイクを乗りこなし、おまけにカラテ(空手ではない)の達人という凄い人。大型バイクを飛ばしている時に三人の男に絡まれるのですが、飛びけりやチョップであっという間にやっつけちゃった。丁度通りがかったサントとカリートスが彼女を助ける暇がなかったほどの早業なのです。サント、苦笑して「あんたは相変わらずやるねえ。女だてらとはあんたのようなものをいうのだ」

 この頃、洞窟にアジトを移したマグナス。部下から牢に入れているマリーナがハンストをしているという報告を受けます。洞窟の中に鉄格子立てて作った牢へ(笑)赴くマグナス。本当に食事を食べようとしないマリーナに向って突然の打ち明け話を始めるのでした。「わしはそなたの美しさに魅了されたと言っていたが、実はあれは嘘なのだ」ズッコけるマリーナ。「わしはそなたの母親に裏切られた男なのだ。わしの密輸を密告しやがったのだ。そのせいでわしはメキシコを離れざるを得なかった。しかし、今やわしは金持ちで権力を持った。今こそ復讐の時なのだ。その手始めとしてそなたを誘拐した。つまりそなたの母親を苦しめるためなのだ。そなたが食事をしなくってもわしには何の関係もない。どっちにしても母親を苦しめることになるからな、ナハ、ナハ、ナハハハハ!」

 何だか馬鹿馬鹿しくなったマリーナ(笑)、素直に食事を始めるのでした。

 さてついにマグナスの第二の犯行、宝石強盗が行われます。テレビで歌っていたブレンダ・デュラン(ロザリア・モンテロ)の映像が乱れマグナスが登場するのは前回の通り。今度はそのテレビを見ているのがサント、カリートス、ディアナとなっております。マグナスがまた「ブエノスノーチェス」と律儀に挨拶して(笑)二人の部下が宝石店に押し入ります。これを見た警察はパトカーを急行させるのですが時既に遅し。まんまと逃げられてしまったのです。再びテレビに現れたマグナス。楽しそうに「さーて来週の犯罪は歌手のブレンダ・デュラン誘拐です。来週も見てくださいね、んがぐぐ」

 2件連続で完璧に行われたマグナスの予告犯罪。これじゃブレンダも危ないということでフェロ警部、サントに彼女の護衛を依頼するのでした。サントはさっそく彼女を自分の家に匿います。ここに尋ねてきたディアナが二人の仲を邪推して「ンマー、あたし帰る」となったのは、定石ですな。

 しかしサントの家も安全ではありませんでした。いきなり撃ち込まれる銃弾。この時何故か逆立ちをしていたカリートスが驚いてひっくりかえり怪我をするのですが肝心のサントとブレンダは無事でした。「このままじゃいけねえ、いつかやられちまう」と焦燥を深めるサント。だったら家で大人しく守りを固めていればいいのにわざわざブレンダを連れてナイトクラブに出かけていくのであります。そして見たのが新聞記者から歌手へと早変わりしたゲラルドのショーだったのです。うーん、暢気に拍手なんかしている場合じゃないと思うけどなあ。

この後マグナスの部下がナイトクラブにやってきましてサントとブレンダを監視。さあ、いつ襲い掛かるのかと思いきや、この夜は何にもしなかったという・・・。次の夜今度はナイトクラブでブレンダが歌います。誘拐するって言われているんだから、なんでこんなとこにのこのこ、それも何度も何度もやってくるんだ(笑)。サントの屋敷で大人しくしておけって言ってるだろ!

 ブレンダが歌っている最中、またもマグナスの部下達がやってきた。その中の一人がブレーカーをばきっと落としてナイトクラブを真っ暗闇に。この隙にブレンダを攫おうというのでしょうが、カリートスがあっさりこれを発見。部下の頭をぽかりとやって気絶させブレーカーを元に戻してしまったのであります。明かりがついて大慌ての部下達。サントはそんな馬鹿たれどもを(笑)ぼこぼこにしてしまうのでした。

 ナイトクラブの支配人ペドロ(カルロス・アゴスティ)はブレンダを逃そうとするのですが、偽者の警官二人に襲われて彼女を攫われてしまいます。サントとフェロ警部は後を追おうとするのですが、ここで天井に取り付けられた謎の装置がびびびびと怪音波を発します。これに当たると「むむ、な、なんだ、これは、体が痺れちまったぜ」となってしまうのでした。動けぬサント、フェロ警部に代わって偽警官を追っかけたのがゲラルド。彼は二人と戦って見事ブレンダを取り戻すのです。

 この時何故か偽警官たちの車に忍び込むディアナ。逃げる偽警官、彼女に気がつかず車を発進させてしまうというオソマツ。もっともこのディアナが敵のアジトに侵入してサントたちに場所を教えるなんてことは一切ありません。ただ単に捕まるだけです。

 ディアナをブレンダと勘違いしてテレビで勝利宣言をするマグナス。「メキシコの皆さん、こんにちは。私はちゃんとブレンダを誘拐しました。凄いでしょう。さーて来週の犯罪はサントの殺害です。試合でやっつけます。では来週も見てくださいね、んがぐぐ」この放送を見たゲラルド、「畜生、ブレンダの代わりにディアナを攫いやがった。彼女を早く助けねば」と叫ぶのですがこの時点で彼女が捕まったことを誰も知らない筈なのですがね(笑)。

 この後サントとゲラルドはヘリコプターを使って上空からマグナスのアジトを捜索します。サントカーのラジオが突然乱れたあたりを探したのですが、もうあっという間に巨大なパラボラアンテナを見つけて「あ、きゃつのアジトはあそこにちげえねえ!」と叫ぶという・・・。どうしてそんな目立つところにアンテナ建てるんだ、もっと隠せよ、マグナスと言いたくなります。

 あ、当然ながらこのパラボラアンテナはどこぞの電波天文台であります。こんなセットなんか作っていられないのであります。

 さて、予告したサント殺害のためにプロレスラー、リングの暗殺者に会うマグナス。彼に持ちかけたのが「100万ペソやるから試合にかこつけてサントを殺してくれ」という依頼。リングの暗殺者はお金を貰ってほくほくしながらその依頼を引き受けるのでした。

 マグナスと暗殺者が会っているのはテレビのスタジオ。こういうものが洞窟であるマグナスのアジトに作られているらしい。ええ、まったく別の場所やんかというツッコミはこの際なしにさせて頂きます(笑)。

 サント対リングの暗殺者の試合が始まりました。リングの暗殺者、どうやってサントを殺すのかと思いきや、ごくフツーに試合をやってます。あまつさえサントにキャメルクラッチで一本取られたりしております。さっさと凶器でサントをやっつければいいのに彼をフォールして一本取り返したりもします。そして3本目はサントのトペをくらってリングアウト負けになってしまうという・・・。全然暗殺者じゃないじゃん(笑)。しかし流石はマグナス、こんな時のための手もちゃんと打っていたのです。スイッチをカチッと押すとリング上の鉄骨に備え付けられたリモコンマシンガンがずどどどど。こんな仕掛けがあるならリングの暗殺者に金をやることなかったやんかと思いますが、とにかくサント大ピンチ。ここでゲラルド、何故かピストルを懐から取り出すと、見事な射撃でマシンガンを破壊したのであります。

 実はゲラルド、ただの記者、歌手ではなかったのです。彼の正体は政府のエージェントだったのでありますって、そんな馬鹿なことあるかぁ(大笑い)。

 サントとゲラルド、二人でマグナスのアジトに侵入し、部下達をやっつけます。マグナス、マリーナ、ディアナ二人の人質を例のテレビスタジオに引っ張り込んでディアナの喉にナイフを当てると「やい、サント、大人しく降伏するのだ。さもないとこの女の喉をぱっくりやるぞ」すると洞窟にいるサントが立ち尽くすという・・・。どこをどう見たって別の場所であります(笑)。これで降伏したサント、手錠で金属のポールに拘束されてしまうのです。マグナスと部下達はその周りに火をつけて「わは、わは、わははは サントの火あぶりだ」もちろん、これをテレビ中継する訳ですね。

 と、ここで物凄く不思議なことがおきました。この模様をテレビで見ていた手品師のエル・マゴ・イオが目をつぶって念力を送ったのです。この念力がサントの手錠に作用して外れてしまったという・・・。言っておきますけど、この手品師、今唐突に出てきたのですからね。もうこんなのいい加減すぎてご都合主義にもなりませんよ。

 自由になったサント、マグナスと部下達をぼこぼこにします。マグナスの覆面を剥いで見ると現れたのはナイトクラブの支配人ペドロでありました。サントはディアナ、マリーナ、ゲラルドたちと洞窟の外へ飛び出します。と、ここで正体を露にされたペドロが例のテレビスタジオで「やい、サント、お前たちも道連れになってもらうぞ」と叫びます。立ち尽くすサント達ってだから別の場所だって言っているじゃないか(笑)。ペドロが自爆装置のスイッチをカチッ。慌てて逃げ出すサント達。かろうじて逃げ延びたところでアンテナが大爆発したのです。

 このミニチュアはなかなか出来がヨロシイ。なんで最初っからこのミニチュアを映さなかったのだろう。

 ラスト、ナイトクラブに勢ぞろいした登場人物たち。サント、カリートス、ゲラルド、マリーナ、ディアナ、フェロ警部。さっきの手品師がサントとカリートスを手品を手伝って貰うためにステージに呼び寄せます。そして嫌がるカリートスを無理やり箱に押し込めて、はい、彼の姿が消えてしまいました。エンドマーク。

やっぱあの手品師の件は凄いよなあ。40本近くサント映画見てきていい加減なれている筈の私だってびっくりしてしまいますもん。

 カラー・スタンダード。モノラル音声。画質はエッジが腐って圧縮の弊害がもろにでていますが色の出方はきれい。音声はノイズが多くて閉口させられます。スペイン語音声。

          エロの冒険者
       HOMEPAGE http://homepage3.nifty.com/housei/
      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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