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2008年7月10日 (木)

『Eternal Evil』(『The Blue Man』1985)

 

Eternal Evil』(『The Blue Man1985

冒頭寝ている男。なぜか部屋がぐるぐる回りだします。そしてカメラは外の風景に移り変わり、さまざまな場所を素晴らしいスピードで行き来するのです。どうやら、これは男のアストラル・プロジェクション、アストラル体が他の6つの身体を離れて宇宙のはるか彼方へ旅立つとされる・・・ええい、面倒くさい、要するに幽体離脱だったのです。彼のアストラル体は農場へ降下します。ちらりと映るフォーセールの看板。そして吠え狂う犬。その飼い主らしき老人がこちらを見つめて何かを叫んでおります。

 どうやら男のアストラル体を目撃したようであります。

 この人騒がせな男の名前はポール・シャープ(ウィンストン・レカート)と言いましてCM作製のディレクターさん。もと映画監督だった彼はこの単調な仕事に飽き飽きしておりまして、さらに家庭でも幼い息子マシュー(アンドリュー・ベルドナスキ)の不眠症が原因で妻のジェニファー(パティ・タルボット)とも上手くいっておりません。そんな八方塞の彼がついつい手を出しちゃったのがこのアストラルプロジェクションだったという・・・。人間、どこでオカルトにはまるか分かったものではありません(笑)。

 さて、今日も今日とて詰まらなさそうにCMを監督しているポールであります。まあ、これがオシメのコマーシャルで赤ん坊役の役者が、「うわ、ちょっとトイレ行かせて、もれちゃうよ」とか言っている現場ですから気が乗らないのも無理はありませんが。これが終わって精神科医のマイスター先生(トム・ラック)を尋ねます。彼は自分の鬱々とした気分をぶちまけるのですが、マイスター先生の答えは「そんなアストラル・なんとかなどというトンデモに引っかかっているからだよ。えー、なんていったっけ、君にそのアストラルなんとかを教えた女って」「ジャニスですよ」「そう、そのジャニスとか単なるインチキなんだ。とっととやめなさい」これでポール、怒ってしまいまして、「ああ、いいっすよ、もう先生との縁はこれでおしまいっす、まったくなんてことを言うのだ」ポール、鼻息荒く出て行ってしまいます。

 トンデモをトンデモって言われたぐらいでそんなに怒らなくたっていいじゃん。

 ポールはオフィスに戻ります。そしてCMの絵コンテを作り始めたのですが、途中でモーレツに眠くなってしまいましてすやすや・・・。当然、これから30分、あなたの目(アストラル体)はあなたの体を離れてこの不思議な時間の中に入っていくのですということになります。ただし、今度彼のアストラル体が向かったのはマイスター先生のオフィスでした。何か異様な気配を感じたマイスター先生、酷く怯えて階段を駆け下るのですが、ついに追い詰められてしまいます。そして恐怖に大きく目を見開いたかと思うと「ぐえええええ」胸を押さえて倒れてしまったのです。先生、そのまま絶命します。

 一応、心臓発作であろうということになったのですが、死体を解剖してびっくり。検死医は知らせを聞いてやってきたカウフマン刑事(ジョン・ノバック)にレントゲン写真を見せて説明します。「肋骨が全部内部から外に向って折られています。他の臓器もえらいことになってます。これは単純な心臓発作などではありませんよ」

 ポールの家では夜中にマシューが起きだしてきてなにやらお絵かき。これがブルーマンという青い人影を描いたもので大変不気味悪い。アッ、誰ですか、ブルーマンって、コーヒーの高い奴かなんていっている人は。

 さて、シャープ一家(なんかプロレスの悪役一家みたいだな)は久々に車でお出かけ。ジェニファーの父が経営する牧場に遊びに行こうというのです。途中、ポールはフォーセールの看板を発見。「あれは、ひょっとしたらアストラルプロジェクションの時にみた看板か」農場へ到着した一家、おじいちゃんに熱烈な歓迎を受けるのでした。そのおじいちゃんというのが冒頭で犬と一緒に何かを見つけて怯えていたあの人ではありませんか。すると犬はどこにいるのかと思った瞬間、がーっと飛び出してきた犬がポールの腕に食らいついたのです。

 この出来事に大変なショックを受けたポール、農場から帰るやいなや、例の女ジャニス(カレン・ブラック)のオフィスを訪ねるのです。そして、「アストラルプロジェクションで目的地をコントロールすることができない、それに記憶だって怪しくなっている。犬にも噛まれてしまった。ジャニス、僕は怖いのだ。これから一体何が起こるのだろう」そんな彼にジャニスは言います。「大丈夫、あまり深刻に考えないほうがいいわ。そのうち目的地や記憶だってコントロールできるようになるから」いっそ、アストラルプロジェクションをやめようという選択肢はないのですかね(笑)。

 同じ頃おじいちゃん、ポールの腕を手当てしてくれたお医者さんに「いやー、わしゃ、実はへんなものを見たんじゃ、言っても信じてくれないかも知れんが、本当にみたんじゃぞい。それは・・・」

 さて、おじいちゃん、次にポールのオフィスを直接訪ねます。「あなたがここに来るなんて珍しいですな」と迎えたポールに向っておじいちゃん、また「わしゃ見たんじゃ」ぱっと場面が切り替わって川沿いの道路を歩きながら話しているポールとジャニスになります。「義理の父が俺のゴーストを見たっていうんだよ」ジャニスはさすがに顔を曇らせて「もうあなたアストラルプロジェクションするのはやめた方がいいわ。私、マイスター博士のことが気になっているの。あなた、アストラルプロジェクションであの人のところへ行ったのではなくって、彼は何で死んだの」ポール、かっとなります。「心臓発作だよ、もう放っておいてくれ!」

 そしてその夜こりもせずアストラルプロジェクションするポール。今度の行き先は例の農場。犬がわんわん吠えておじいちゃんびっくり。どうしたのかと思う間もなく、次の瞬間おじいちゃんは家の壁に激しく叩きつけられて「ぐえええええ」マイスター博士と同じような死に様であります。これを検死医から聞いたカウフマン、さすがに怪しく思っておじいちゃんの葬式に赴き、参列した関係者をぱちぱち写真に撮っております。この時彼の目を引いたのが参列者たちからちょっと離れたところにいる美女二人。彼は念のためということで(笑)こっちの写真も撮っておきます。

 そしてあのお医者さんに事情を聞くカウフマン。お医者さんは「そう言えば彼はおかしなことを言っていたな。ゴーストを見たって。しかもそのゴーストは彼の義理の息子、ポールだったらしい」しかもこのポールという男、マイスター先生の患者だったではないか。カウフマンの疑いは頂点に達しついに彼を調べ始めるのです。その手始めはマイスターのカルテ。マイスターのオフィスをぐちゃぐちゃにして探し当てたそれを見てみると「ジャニスという女に影響されてアストラルプロジェクション=幽体離脱を体験中」またややこしいのが出てきたよと溜息をつくカウフマン(笑)。それでも仕事ですからやらない訳にはいきません。彼はポールのオフィスを訪ねます。

 いきなりの刑事の訪問に警戒心を露にするポール。カウフマンは「あなたの義理のお父さんのことについて聞きたい、そう言えばこの間死んだマイスター先生の患者だったそうだね、奇妙な偶然だね」とちくちくいたぶってきます(笑)そして最後にあのお葬式にいた美女二人の写真を見せて「これ、誰か知りませんか」ポールは全てのことについて「わし、全然知らんもんね」「じゃあ、またきます」と言って差し伸べられたカウフマンの握手も無視するのでした。ちょっとむかついたカウフマン(笑)、そう言えば奴はもと映画監督だったなということで警察の助手に彼の監督作である『彷徨う魂』(『ワンダーリング・ソウル』)のビデオを入手させます。

 この『彷徨う魂』というのがどんな映画なのかと言いますとウィリアム(マイケル・スニリンコフ)とモニカ(ロイス・マックスウェル)のデュバル夫妻がアストラルプロジェクションを極めようとしている姿を追ったドキュメンタリー。インタビューはポール自身がやっております。もうのっけからオーストラリアの荒野に住むアボリジニは通信機や電話など持っていないのに遠くの同族とコミュニケートできる。これはアストラルプロジェクションを使っているからだというナレーターが流れてカウフマンをどっと疲れさせるのでした。

 その後も「アストラルプロジェクションを極めれば肉体が滅んでも別の肉体に移ることができる。アストラルプロジェクションは永久に不滅です」というデュバル夫妻の戯言をうんざりしながら見るカウフマンであります。

マシュー、突如悪い子となってポールの本棚から本をばさばさ落とします。最初は「そんなことをしてはいけないよ」と優しくたしなめたポールでしたが、いっかなマシューがやめないのでついに激怒。「てめえ、このガキ、言う事を聞け」ばしーっと頬桁張り飛ばします。この騒ぎに飛んできたジェニファー、頬を押さえるマシューを見て「ンマー、あんた、なんてことするのよ」こっちも頬桁ばしーっ。

 えー、このエピソード、これからの展開にはあんまり関係ないのでさっさと忘れて下さって結構です(笑)。

 さて、その夜マシューは不思議な声に導かれて部屋を出ます。そして台所に行くと脚立を使って戸棚から何かを取り出そうとするのでした。ここで現れたジェニファー、後からぱっとマシューを抱きかかえます。「何をやっているの、マシュー、寝てなくちゃだめじゃない」マシューは突然泣き出して「ママ、ママ、誰か死んじゃうよ、怖いよ」えー、この時マシューが何をしようとしていたのかは後からのお楽しみ。

 カウフマンはお葬式に参列していた美女二人の身元を突き止めます。ミリア・ダンブロー、アイリス・カーマイケルといいまして二人とも職業がダンサー。このうちミリアはドラッグで一度逮捕歴があるようです。カウフマンはアイリスにあってミリアの居場所を聞くのですが、彼女は「そんなの知らないわよ、あなた、いやらしいわね、警察呼ぶわよ」思わず「いや、俺が警察なんだけどな」と呟くカウフマン。

 この後CM製作中のポールがスポンサーからやいのやいの言われてついにブチ切れ。「そんなに言うんだったらあんたがやれよ!」とスタジオを飛び出してしまいます。しかしこのエピソードも後の展開にはまったく、全然関係ありません。皆さん、速攻で忘れてしまいましょう(笑)。

 カウフマンはこうなったら手段を選んでいちゃいられないということで、はあろうことか真夜中に鍵を壊してアイリスのアパートメントに不法侵入!さあて、調べようとしたその瞬間、ぴぴぴと電話がなります。これが留守電に切り替わって聞こえてきたのはなんとポールの声ではありませんか。「ジャニス、すぐ会いたいんだ、連絡をくれ!」そうアイリスはジャニスだったのであります。写真が映るので分かりそうなものですが画質があまりにも悪いので良く分からなかったのであります。私を責めるのはお門違いというものです。

 びっくりしたカウフマンの前にアイリスいや、ジャニスが現れた。彼女は酷く具合が悪そうで突然げほげほと咳き込み始めます。顔に向って飛んできた彼女のツバを拭こうとしたカウフマンはそれが血であることに気付いて驚くのでした。「刑事さん、私がアイリスよ」「君はポールのことを知っているんだね」と質問したカウフマンでしたが、なぜかこの場面はここでおしまい。突然翌日の昼間に飛んでしまうという・・・。続きはどうなったんだよ!場所はポールの家。寝ていたマシューが再びあの声に導かれて部屋を出ます。そして地下室への鍵を開けて降りていき、戸棚から配管洗浄剤を出して一気飲み。マシュー、こんなものを飲んではたまりません。ばったり倒れもがき始めます。

 彼の悲鳴を聞きつけたジェニファーが来て「まあ、大変」彼の体を抱きかかえ洗浄剤を吐き出させようとしたのですが、ここで何者かのアストラル体が襲来、彼女を殺害してしまったのです。

 この後ジャニスのアパートメントでジャニスとミリアがバスタブに浸かりながら非常に奇妙な会話を交わします。「モニカ この体はもう駄目だ」モニカ?ひょっとしてこの二人はモニカとウィリアムのデュバル夫妻?アストラルプロジェクションでアイリスとミリアの体に乗り移ったってことですか。

 ポールとカウフマンはようやくこのことに気付きます。ポールはマシューから「ブルーマンが僕に飲めといったんだ」と聞いて、カウフマンは映画のウィリアムがジャニスと同じ台詞「生と死は等価なのです」を繰り返したことに気がついて、それぞれジャニスのアパートメントに向うのでした。そして鉢合わせした二人、どうせなら仲良く二人で攻め込めばいいのにカウフマン、ショットガンを突きつけて「やい、ジャニスは俺の獲物だ。お前は俺の車のトランクに入っておれ。余計なことをしたらブチ殺してダイチョー引きずり出す」だって。しかしポール、彼の隙をついて腹にキックを三連発。失神させてしまったのです。改めてピストル片手にジャニスのアパートメントへ侵入するポール。

 彼は寝ていたジャニスを発見、さあ、やっつけようとしたのですがその途端に彼女の目が開きます。ゆっくりと起き上がったジャニスは微笑みながら「あなたが来るのは分かっていた。いよいよその時が来たのよ」ジャニスはポールに近づきます。「あなたを偉大な映画監督にしてあげる。マシューの面倒だって見てあげるわ、なに、痛いのは最初だけよ。すぐに気持ちよくなるわ」要するにジャニス=ウィリアムは次の移転先としてポールの体を狙っており、そのために周囲の人間を殺していたのです。納得いかないかも知れませんが、そういうものなのです。

 この時背後からミリアがポールに忍び寄っていました。まったく彼女に気付いていないポール、危うしと思われたのですが、ここで現れたカウフマン、ショットガンでずどん、彼女を射殺してしまいます。ジャニス=ウィリアムは愕然として「モニカ!」カウフマンの首を絞めるのでした。しかしポールがピストルで狙いを定めて「いつまでも貴様の思う通りにはさせん、正義は必ず勝つ!」と叫んでずどん。ジャニス=ウィリアムを射殺したのです。

 事件は終息しました。ポールは回復したマシューと朝のサイクリングを楽しんでいます。ここにカウフマンの助手だったミックが現れ、カウフマンが警察をやめて世界漫遊の旅行に出たことが知らされます。ポールも自分のCM会社を売却、その資金で映画を作ろうとしていると語り、これでエンドマークと思いきや、まだ後があった。

 あ、カウフマン、タタミリビングでキモノのムスメにジャパニーズティーのサービスを受けているぞ。別のキモノのムスメが琴・ギターを弾いているし、これはもしや日本か。カウフマン、世界漫遊旅行で日本に来ているのか。そのカウフマン、琴・ギターの響きに耳を傾けながら絵葉書をしたためております。「ポール、また会いたいものだな」これは良いとして、その下に書いた名前が「ジャニスより」ええっ、ということはウィリアム、最後の瞬間にカウフマンに乗り移ったってこと。驚く私を放っておいて、今度こそ本物のエンドマーク。

ポールのアストラルプロジェクション体が自分の意思に反して夜な夜な殺人を繰り返すというプロットであればそれなりに筋の通ったホラー映画になったと思いますが、どうもデュバル夫妻登場の辺りから話が不必要にややこしくなって、つまらない映画になってしまいました。まったく惜しいことをするものであります。

カラー・スタンダード モノラル音声 例によって暗いところだと何やっているか分からない低画質。音声はそれなりのレベル。なんとか台詞が聞き取れます。12枚のディスクに50本の映画を収めたNightmare Worlds 50 Movie Pack CollectionMill Creek EntertainmentのDVD。

           エロの冒険者 
       HOMEPAGE http://homepage3.nifty.com/housei/ 
      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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