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2008年7月11日 (金)

『蝋人形館の恐怖』(『Terror in the Wax Museum 』1973)

 

『蝋人形館の恐怖』(『Terror in the Wax Museum 1973

 

 蝋人形館を舞台にした殺人ミステリー。蝋人形館ですからてっきり『肉の蝋人形』みたいに死体を使って蝋人形作りと思ったのですが、いや全然違うタイプの映画でした。蝋人形映画の奥は深い、私の修行もまだまだであります。

真夜中のロンドン、例によって濃い霧に覆われております。と、路上の鉄格子の下から覗く怪奇な顔。もう怪物が現れたのかと思ったら彼は蝋人形館を経営しているクロード・デュプリー(ジョン・キャラダィン)のせむしの従者、カーコブ(スティーブン・マーロ)だったのであります。蝋人形の地下に人形製造工場があって、その鉄格子から外を覗いていただけだったんですね。

雨降ったら流れこんで来て水浸しになっちゃうのではないかと思いますけど(笑)。

 その工場で傷がついてしまった蝋人形を蝋の大釜に放り込むデュプリー。その傍らにはエイモス・バーンズ(ブロデリック・クロフォード)という資産家がおります。実はこのバーンズ、物好きにもこの蝋人形館の蝋人形をデュプリーから売って貰おうとしていたのです。しかし、「わしの人形は実物以上じゃ」と自分の作品にほれ込んでしまっているデュプリー、なかなか決心がつかず「すいませんが明日まで待ってくださらんか」とバーンズに猶予を頼むのです。バーンズは不承不承頷いてデュプリーの人柄などを聞くために隣の酒場へ。そこで主人のティム(ルイス・ヘイワード)と歌手のローリー(シャーニー・ウォルニス)から「凄い変人ですけど、決して悪い人じゃないっすよ」と言われるのでした。

 さて、思い悩むデュプリー、人形達を見回っているのですが、いきなり切り裂きジャックの人形がぎろりと目を剥いて「この裏切り者が」続いて断頭台のマリー・アントワネット、リジー・ボーデンも斧を振り上げて「嘘つきめ」怯えるデュプリーは動き出した人形達に囲まれてしまいます。「裏切り者め」「嘘つきめ」「売らせないぞ」「売らせないわよ」デュプリーをなじる人形達の声・・・。デュプリー、ベッドではっと目を覚まします。人形達が動き出したのは彼の悪夢だったのです。ほっとしたデュプリー、それでも何かが気になって階下へ行き人形達を点検します。

 「ここは売らないから君たちも安心してくれ」と人形達に語りかけるデュプリー。ところがどこからともなく夢と同じように「うそつきめ」という声がしたではありませんか。びっくりしたデュプリー、逃げようとしたのですが階段でスッ転んでメガネを飛ばしてしまいます。「メガネ、メガネ」故横山やすし師匠のネタのように床を探ってメガネを見つけたデュプリー、いそいでかけなおすのですがその目に飛びこんできたのはこちらへ向ってくる切り裂きジャックの人形でした。ナイフが閃いて「ぎゃああ」デュプリー、胸を刺されて絶命します。

 翌日、大変な数の野次馬に囲まれた蝋人形館の中で警察の取調べが始まりました。蝋人形館の店主が蝋人形の切り裂きジャックのナイフで殺されたという怪事件の担当となったマイケル・ホークス刑事(マーク・エドワーズ)は関係者たちを集めて事情聴取です。まずはデュプリーの長年の友人で蝋人形館を手伝っていたハリー・フレクスナー(レイ・ミランド)、続いてバーンズ、そしてカーコブです。しかし、みんなアリバイがありそして動機も特に見当たらなかったことから容疑を免れるのでした。

 ええ、ここで新たなる登場人物。デュプリーの姪であるマーガレットとその後見人であるホーソン(エルサ・ランチェスター)であります。ホーソンはこの蝋人形館を相続するのはマーガレットですと言い出してみんなを慌てさせます。「ええ?彼はここをわしに売ることになっていたんだぞ」これはバーンズ。「そんな相続って、彼は私とカーコブに人形館を遺すと言っていたんだ」これはフレクスナー。しかし二人とも「売買契約が結ばれてない」「遺言がでてこなければ一番の近親者であるマーガレットが相続する」ということで却下されてしまうのでした。

 ホーソンは自分が相続した訳でもないのにほくほく顔で「さっそく蝋人形館を再開しましょう。殺人現場を公開すれば大儲けができるわ」ってこのおばさんも鬼畜でございます(笑)。

 ホークス刑事はこの後隣の酒場へ行って事情聴取。ティムの話からローリーがカーコブに優しかったこと、そしてそれゆえにカーコブが彼女を崇拝しているということが分かります。さあ、この伏線は後からどう生かされるのでしょうか。

 一夜明けていよいよ蝋人形館の再開です。ホーソンの目論見どおり、大勢の観客が詰め掛けて押すな押すなの大盛況。口上を勤めるフレクスナーも張り切っております。「ええ、こちらがベルリンのソーセージ売り、ウィリー・グロスマン、彼はソーセージ作りに熱心になりすぎてついには自分が殺した田舎娘の死体をミンチにしてソーセージを作ったのであります。ええ、こちらはリジー・ジ・アックス!お母さんとお父さんを40回ずつ斧で切り刻んだ親孝行の娘であります。リジー・ボーデン 斧ふりかざし 父さん 四十 滅多打ち 正気に返って 母さんを 四十と一回 滅多打ち」何を嬉しそうに歌っているんだ、この人は(笑)。

「そしてこちらが極めつけ、ロンドンの怪人、切り裂きジャックであります。彼は20人以上の人を殺しました。当館の元館主デュプリーもまたこの人形が持っているナイフで殺されたのであります。果たして切り裂きジャックがまた戻ってきたのでありましょうか」

 この悪趣味な口上に顔をしかめるマーガレット。その傍らに寄り添っているのはホークス刑事。どうやら、この二人急速接近中!のようです。

 今日の蝋人形館はホーソンの目論見どおり大儲け。笑が止まらぬ彼女は早々にベッドに入ったのですが、マーガレットはなかなか寝付くことができません。それでミルクでも飲もうと階下に下りたのですがこの時妙な物音が。振り返ったマーガレットはある蝋人形の手首がなくなっていることに気がついて立ち尽くします。おまけに例の切り裂きジャックの人形が動き出し、彼女に迫ってきたのです。ぎゃーっ、マーガレットの悲鳴が響き渡ります。これを聞いたホークス刑事は玄関のガラスを破って飛びこんできますって、あんた、あらかじめ張ってたんかい(笑)。

 彼と目を覚ましたホーソンが駆けつけるとマーガレットは床に倒れていました。幸いにも気絶していただけで怪我などは負っていなかったのですが、もう怯えきったマーガレットは「切り裂きジャックよ、あの人形がやったのよ」と喚きます。みんな夢でも見たのではないかというのですがマーガレットは聞き入れません。そして「もうこんな恐ろしいところはいや。とっとと売り払ってしまいましょう」と訴えるのでした。


 翌日、雨の墓地で執り行われるデュプリーのお葬式。カーコブが棺にしがみついてうおーん、うおーんと泣き喚くのが涙を誘います。しかし、その傍らでバーンズが「さあ、売るのか、売らないのか、どないだ」とホーソンに直談判。ホーソン、昨晩の事件が頭にあったのか「んじゃ、売るわよ」だって。これで大喜びのバーンズ、「そりゃ、いい、さっそくいろいろ手続きしましょうかね」「いいわよ、でも今日の営業が終わってからにしてね」なんと、このバーさん、デュプリーの葬儀の日まで蝋人形館開けて儲けようとしていたのです。

 この人でなし(笑)。

 まあ、人でなしはフレクスナーも同じ。なにせレイ・ミランドですから、デュプリーの殺人現場を再現するとか言い出して手回し良くデュプリーの首を作っております。「これで犯人が分かればすぐに展示できます」この首をうっかり見つけちゃったマーガレット、危うく失神するところでした(笑)。しかしこんなフレクスナーの奮闘もむなしく、ホーソンとバーンズ、蝋人形の売買契約書を取り交わしています。バーンズはこれらの蝋人形をニューヨークへ運んで自分の蝋人形館を作るつもりらしい。フレクスナー、これでカンカンになりましてティムの酒場でティム、ローリーと祝杯を挙げているバーンズのところへ怒鳴り込むのです。「てめー、このウンコアメリカ人め、あの蝋人形たちはわしの生きがいだったのだぞ、金でなんでも片がつくと思ったら大間違いだ。絶対人形は渡さないからな」言うだけ言ったフレクスナー、足音も荒く嵐が吹き荒れている外へ出て行くのでした。

 この珍事にもめげず、上機嫌で杯を重ねるバーンズ。とうとう酔いつぶれて看板まで居座ってしまいました。ティムに揺り起こされたバーンズ、ふらつく足取りで帰ろうとします。この時、ローリーを見つけたバーンズ、「ようようネーちゃんよう。デートしようぜい、金ならあるぜい」と誘ったのですが、あっさりとフラれてしまいました。「ちぇ、なんだい、このど淫売め」と毒づいて歩き出すバーンズ。その彼の後を何者かの影が追いかけて・・・。

階段を降りてきたマーガレット、剣で椅子に釘付けにされたバーンズの死体を見つけて「きゃあああ」

 第二の殺人が起きたというのでまたまた大騒ぎになります。ホークス刑事はホーソン、マーガレットに昨夜の事情を聞くのですが新たな発見はなし。「バーンズの死体の上にカーコブがデュプリーの葬式から持ってきて大事にしていた花があった。このままでは彼が容疑者だ」ここでティムがやってきまして、「旦那、バーンズとフレクスナーが人形を売るの売らないので言い争いをしてましたよ」この直後、二日酔いでどろどろのフレクスナーがようやく出勤してくるという・・・(笑)。彼は中国人の店までヤケ酒飲んで朝まで通りで寝ていたというのですがいかにも怪しい。

 この夜悪夢にうなされるマーガレット。ジャックやリジーなどの蝋人形たちに追い掛け回されています。そしてギロチンがダーンと落ちたところで飛び起きたのですが、その彼女の目に飛びこんできたのが物言いたげに部屋の隅に立っていたデュプリーでした。これでまたまた「ぎゃああ」と悲鳴を上げるマーガレット。しかしその悲鳴を聞いてホーソンが駆けつけて来た時にはデュプリーの幽霊?は跡形もなく消え去っていたのです。翌朝、「もうこんなところにはいられません」と荷造り始めたマーガレットですが、ホークス刑事が「とりあえず24時間だけ待ってください、安全は保証しますから」と説得、その言葉に従うことになります。

 ホークス刑事はマーガレットとデートがてらこの中国人の店へ出かけます。そして女主人のマダム・ヤン(リサ・ルー)にフレクスナーのアリバイを確認しようとしたのですが、マダム・ヤンは薄く微笑んで「法律で営業は午前2時までに決まっておりますの」と繰り返すばかり。怪しい。そしてマダム・ヤンはホークスのリクエストに応じてマーガレットのこれからを占うのです。その結果はというと「あなたは危険の中にいる。命を狙われている。誰かがあの世から警告しようとしている」ここでマーガレット、息を飲み込んで「は、きっとそれはおじさまのことね」「あなたはそのうちお金持ちになります」ジュセリーノもびっくりのマダム・ヤン予言。

 さて蝋人形館に戻りますと新たな騒動が持ち上がっていました。デュプリーが生前投函していた手紙が今頃になって届いたのです。これを持ってきたサウスコット弁護士はみんなに向って「これは彼の遺言状です。それによると蝋人形館は特別の事情がない限り、フレクスナーとカーコブに残すものとする。マーガレットには特別の財産を残すものとする。追伸、マーガレット、後見人のホーソンをあまり信用するな。あれはタチの良くない女だ」ホーソン、むっとします(笑)。まあ、このすぐ後で「じゃあ、その特別の財産と言うのが蝋人形館のどこかに隠されているのだわ、探しましょう」と言い出したりしますから、こう言われるのも無理はない。ともあれ、この手紙一通で相続問題は解決です。

 ホークスはマーガレットにピストル渡して、「じゃあ、僕は外で見張っているよ」えーっとあなたの仰ってた24時間の期限はとっくに過ぎちゃっているのではないでしょうか(笑)。

 その夜いつものように帰っていくローリー。何者かにつけられていることに気がつきます。ひゃー、怯えた彼女は物影に潜んでやり過ごそうとしたのですが、やってきたのが警官だったと知って一安心。しかし警官の顔をみた瞬間、ローリーは驚愕して「な、なに、あんた、なんでそんなカッコしてんのよ、どうしぎゃー」

ズダーン、ギロチンが落ちました。この音で起きだしてきたマーガレットとホーソンが見つけたのは、もうお分かりでしょう、ローリーの生首だったのです。「ひいい」「きゃああ」悲鳴を上げる女二人。腰を抜かさんばかりになってがくがくとカーコブを呼びに行きますと、なんということでしょう、彼も殴られたのか頭から血を流して倒れていたのです。マーガレットは外へ飛び出してホークスを探すのですが見つからない。屋敷の中へ戻っておろおろしているうちについに切り裂きジャックの登場だ。

 あまりの恐怖にきゅうと失神したホーソンを放っておいてジャックはマーガレットを拉致しようとします。ここで昏倒していたカーコブが意識を回復、彼女を取り返さんとしてジャックに飛び掛ります。しかし、ジャック強し。彼に渡り廊下から突き落とされたカーコブ、哀れぶくぶくと沸き立っている蝋の大釜にじゃぼん。ジャック、再びマーガレットを抱きかかえて連れ去ろうとしたのですが、今度は秘密の入り口からホークス登場。ということは彼は今までこの秘密の通路を探していたのでしょうか。ジャック、そのまま人形展示室に逃げ込みます。人形に紛れ込んでどこにいるのか分からなくなった。後を追いかけたホークス、あちこち探すのですが見つからない。その時突然、背後から斧が飛んできた!ホークスの脇を掠めて柱にどすんとめり込みます。しかしジャックのナイフといい、この斧、たぶんリジーの奴だな、といい、なんで本物を飾っておくんでしょ。蝋人形館だからダミーでいいじゃないですかねえ。

 続いてジャックが剣をふるって襲い掛かってきた。彼の振り回す剣はある蝋人形の腕をばっさり切り落としてしまいます。ホークス、とっさにこの腕を掴んで思いっきりジャックの頭に叩き付けた!ごっ、鈍い音がしてジャックの頭蓋の一部が陥没します。ふらふらとなったジャック、さきほど己が壁にめり込ませた斧に倒れこんでしまったのです。斧のとがった反対側がぐさりと背中に突き刺さり、ジャック息絶えたのであります。ホークスは彼に近づき顔から蝋で作られたと思しきマスクを剥がして・・・。

 そして勢ぞろいした一同の前で謎解きを披露するホークス。「犯人はデュプリーの隠し財産を狙っていたのです。だから蝋人形館を売ろうとしたデュプリーとバーンズが邪魔になって殺した。その時にローリーに見られてしまったので彼女もやってしまったのですな。彼は秘密の入り口を知っており、またその鍵も持っていた。だから彼は自由にここに出入りできたのです」ここでホーソンが「そんなことはどうでもいいんですけど」いいんですか(笑)。「肝心の隠し財産はどうなりましたの。私、これから探そうと思いますけど」「隠し財産ならもう見つけましたよ。ジャックの袋の中に隠してありました」彼がぱっと包みを開けると出てきたのがオールプラチナの蝋人形工具セット(大笑い)。「彼はこれをマーガレットに遺そうとしていたのです」

 ここでてっきり犯人だと思っていたフレクスナーが出てきまして、「みなさん、できましたよ、蝋人形」みんなが見に行くと、おお、そこにあったのはデュプリーをナイフで刺し殺しているティムの蝋人形が。そう、彼こそが真犯人だったのであります。ちょっと納得がいかないけれども、本当にそうなので仕方ないのです。

 しかし、フレクスナー、レイ・ミランドなのに目立った活躍しませんでしたなー。最後まで、蝋人形、蝋人形と言っていただけでしたなー。それにカーコブがローリーを崇拝していたという伏線も役に立たなかったし、なんだかいい加減な映画だなあ。

カラー・スタンダード。モノラル音声 レンタル落ちVHSソフトなので画質・音質とも評価外。日本語字幕付。

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2008年7月10日 (木)

『Eternal Evil』(『The Blue Man』1985)

 

Eternal Evil』(『The Blue Man1985

冒頭寝ている男。なぜか部屋がぐるぐる回りだします。そしてカメラは外の風景に移り変わり、さまざまな場所を素晴らしいスピードで行き来するのです。どうやら、これは男のアストラル・プロジェクション、アストラル体が他の6つの身体を離れて宇宙のはるか彼方へ旅立つとされる・・・ええい、面倒くさい、要するに幽体離脱だったのです。彼のアストラル体は農場へ降下します。ちらりと映るフォーセールの看板。そして吠え狂う犬。その飼い主らしき老人がこちらを見つめて何かを叫んでおります。

 どうやら男のアストラル体を目撃したようであります。

 この人騒がせな男の名前はポール・シャープ(ウィンストン・レカート)と言いましてCM作製のディレクターさん。もと映画監督だった彼はこの単調な仕事に飽き飽きしておりまして、さらに家庭でも幼い息子マシュー(アンドリュー・ベルドナスキ)の不眠症が原因で妻のジェニファー(パティ・タルボット)とも上手くいっておりません。そんな八方塞の彼がついつい手を出しちゃったのがこのアストラルプロジェクションだったという・・・。人間、どこでオカルトにはまるか分かったものではありません(笑)。

 さて、今日も今日とて詰まらなさそうにCMを監督しているポールであります。まあ、これがオシメのコマーシャルで赤ん坊役の役者が、「うわ、ちょっとトイレ行かせて、もれちゃうよ」とか言っている現場ですから気が乗らないのも無理はありませんが。これが終わって精神科医のマイスター先生(トム・ラック)を尋ねます。彼は自分の鬱々とした気分をぶちまけるのですが、マイスター先生の答えは「そんなアストラル・なんとかなどというトンデモに引っかかっているからだよ。えー、なんていったっけ、君にそのアストラルなんとかを教えた女って」「ジャニスですよ」「そう、そのジャニスとか単なるインチキなんだ。とっととやめなさい」これでポール、怒ってしまいまして、「ああ、いいっすよ、もう先生との縁はこれでおしまいっす、まったくなんてことを言うのだ」ポール、鼻息荒く出て行ってしまいます。

 トンデモをトンデモって言われたぐらいでそんなに怒らなくたっていいじゃん。

 ポールはオフィスに戻ります。そしてCMの絵コンテを作り始めたのですが、途中でモーレツに眠くなってしまいましてすやすや・・・。当然、これから30分、あなたの目(アストラル体)はあなたの体を離れてこの不思議な時間の中に入っていくのですということになります。ただし、今度彼のアストラル体が向かったのはマイスター先生のオフィスでした。何か異様な気配を感じたマイスター先生、酷く怯えて階段を駆け下るのですが、ついに追い詰められてしまいます。そして恐怖に大きく目を見開いたかと思うと「ぐえええええ」胸を押さえて倒れてしまったのです。先生、そのまま絶命します。

 一応、心臓発作であろうということになったのですが、死体を解剖してびっくり。検死医は知らせを聞いてやってきたカウフマン刑事(ジョン・ノバック)にレントゲン写真を見せて説明します。「肋骨が全部内部から外に向って折られています。他の臓器もえらいことになってます。これは単純な心臓発作などではありませんよ」

 ポールの家では夜中にマシューが起きだしてきてなにやらお絵かき。これがブルーマンという青い人影を描いたもので大変不気味悪い。アッ、誰ですか、ブルーマンって、コーヒーの高い奴かなんていっている人は。

 さて、シャープ一家(なんかプロレスの悪役一家みたいだな)は久々に車でお出かけ。ジェニファーの父が経営する牧場に遊びに行こうというのです。途中、ポールはフォーセールの看板を発見。「あれは、ひょっとしたらアストラルプロジェクションの時にみた看板か」農場へ到着した一家、おじいちゃんに熱烈な歓迎を受けるのでした。そのおじいちゃんというのが冒頭で犬と一緒に何かを見つけて怯えていたあの人ではありませんか。すると犬はどこにいるのかと思った瞬間、がーっと飛び出してきた犬がポールの腕に食らいついたのです。

 この出来事に大変なショックを受けたポール、農場から帰るやいなや、例の女ジャニス(カレン・ブラック)のオフィスを訪ねるのです。そして、「アストラルプロジェクションで目的地をコントロールすることができない、それに記憶だって怪しくなっている。犬にも噛まれてしまった。ジャニス、僕は怖いのだ。これから一体何が起こるのだろう」そんな彼にジャニスは言います。「大丈夫、あまり深刻に考えないほうがいいわ。そのうち目的地や記憶だってコントロールできるようになるから」いっそ、アストラルプロジェクションをやめようという選択肢はないのですかね(笑)。

 同じ頃おじいちゃん、ポールの腕を手当てしてくれたお医者さんに「いやー、わしゃ、実はへんなものを見たんじゃ、言っても信じてくれないかも知れんが、本当にみたんじゃぞい。それは・・・」

 さて、おじいちゃん、次にポールのオフィスを直接訪ねます。「あなたがここに来るなんて珍しいですな」と迎えたポールに向っておじいちゃん、また「わしゃ見たんじゃ」ぱっと場面が切り替わって川沿いの道路を歩きながら話しているポールとジャニスになります。「義理の父が俺のゴーストを見たっていうんだよ」ジャニスはさすがに顔を曇らせて「もうあなたアストラルプロジェクションするのはやめた方がいいわ。私、マイスター博士のことが気になっているの。あなた、アストラルプロジェクションであの人のところへ行ったのではなくって、彼は何で死んだの」ポール、かっとなります。「心臓発作だよ、もう放っておいてくれ!」

 そしてその夜こりもせずアストラルプロジェクションするポール。今度の行き先は例の農場。犬がわんわん吠えておじいちゃんびっくり。どうしたのかと思う間もなく、次の瞬間おじいちゃんは家の壁に激しく叩きつけられて「ぐえええええ」マイスター博士と同じような死に様であります。これを検死医から聞いたカウフマン、さすがに怪しく思っておじいちゃんの葬式に赴き、参列した関係者をぱちぱち写真に撮っております。この時彼の目を引いたのが参列者たちからちょっと離れたところにいる美女二人。彼は念のためということで(笑)こっちの写真も撮っておきます。

 そしてあのお医者さんに事情を聞くカウフマン。お医者さんは「そう言えば彼はおかしなことを言っていたな。ゴーストを見たって。しかもそのゴーストは彼の義理の息子、ポールだったらしい」しかもこのポールという男、マイスター先生の患者だったではないか。カウフマンの疑いは頂点に達しついに彼を調べ始めるのです。その手始めはマイスターのカルテ。マイスターのオフィスをぐちゃぐちゃにして探し当てたそれを見てみると「ジャニスという女に影響されてアストラルプロジェクション=幽体離脱を体験中」またややこしいのが出てきたよと溜息をつくカウフマン(笑)。それでも仕事ですからやらない訳にはいきません。彼はポールのオフィスを訪ねます。

 いきなりの刑事の訪問に警戒心を露にするポール。カウフマンは「あなたの義理のお父さんのことについて聞きたい、そう言えばこの間死んだマイスター先生の患者だったそうだね、奇妙な偶然だね」とちくちくいたぶってきます(笑)そして最後にあのお葬式にいた美女二人の写真を見せて「これ、誰か知りませんか」ポールは全てのことについて「わし、全然知らんもんね」「じゃあ、またきます」と言って差し伸べられたカウフマンの握手も無視するのでした。ちょっとむかついたカウフマン(笑)、そう言えば奴はもと映画監督だったなということで警察の助手に彼の監督作である『彷徨う魂』(『ワンダーリング・ソウル』)のビデオを入手させます。

 この『彷徨う魂』というのがどんな映画なのかと言いますとウィリアム(マイケル・スニリンコフ)とモニカ(ロイス・マックスウェル)のデュバル夫妻がアストラルプロジェクションを極めようとしている姿を追ったドキュメンタリー。インタビューはポール自身がやっております。もうのっけからオーストラリアの荒野に住むアボリジニは通信機や電話など持っていないのに遠くの同族とコミュニケートできる。これはアストラルプロジェクションを使っているからだというナレーターが流れてカウフマンをどっと疲れさせるのでした。

 その後も「アストラルプロジェクションを極めれば肉体が滅んでも別の肉体に移ることができる。アストラルプロジェクションは永久に不滅です」というデュバル夫妻の戯言をうんざりしながら見るカウフマンであります。

マシュー、突如悪い子となってポールの本棚から本をばさばさ落とします。最初は「そんなことをしてはいけないよ」と優しくたしなめたポールでしたが、いっかなマシューがやめないのでついに激怒。「てめえ、このガキ、言う事を聞け」ばしーっと頬桁張り飛ばします。この騒ぎに飛んできたジェニファー、頬を押さえるマシューを見て「ンマー、あんた、なんてことするのよ」こっちも頬桁ばしーっ。

 えー、このエピソード、これからの展開にはあんまり関係ないのでさっさと忘れて下さって結構です(笑)。

 さて、その夜マシューは不思議な声に導かれて部屋を出ます。そして台所に行くと脚立を使って戸棚から何かを取り出そうとするのでした。ここで現れたジェニファー、後からぱっとマシューを抱きかかえます。「何をやっているの、マシュー、寝てなくちゃだめじゃない」マシューは突然泣き出して「ママ、ママ、誰か死んじゃうよ、怖いよ」えー、この時マシューが何をしようとしていたのかは後からのお楽しみ。

 カウフマンはお葬式に参列していた美女二人の身元を突き止めます。ミリア・ダンブロー、アイリス・カーマイケルといいまして二人とも職業がダンサー。このうちミリアはドラッグで一度逮捕歴があるようです。カウフマンはアイリスにあってミリアの居場所を聞くのですが、彼女は「そんなの知らないわよ、あなた、いやらしいわね、警察呼ぶわよ」思わず「いや、俺が警察なんだけどな」と呟くカウフマン。

 この後CM製作中のポールがスポンサーからやいのやいの言われてついにブチ切れ。「そんなに言うんだったらあんたがやれよ!」とスタジオを飛び出してしまいます。しかしこのエピソードも後の展開にはまったく、全然関係ありません。皆さん、速攻で忘れてしまいましょう(笑)。

 カウフマンはこうなったら手段を選んでいちゃいられないということで、はあろうことか真夜中に鍵を壊してアイリスのアパートメントに不法侵入!さあて、調べようとしたその瞬間、ぴぴぴと電話がなります。これが留守電に切り替わって聞こえてきたのはなんとポールの声ではありませんか。「ジャニス、すぐ会いたいんだ、連絡をくれ!」そうアイリスはジャニスだったのであります。写真が映るので分かりそうなものですが画質があまりにも悪いので良く分からなかったのであります。私を責めるのはお門違いというものです。

 びっくりしたカウフマンの前にアイリスいや、ジャニスが現れた。彼女は酷く具合が悪そうで突然げほげほと咳き込み始めます。顔に向って飛んできた彼女のツバを拭こうとしたカウフマンはそれが血であることに気付いて驚くのでした。「刑事さん、私がアイリスよ」「君はポールのことを知っているんだね」と質問したカウフマンでしたが、なぜかこの場面はここでおしまい。突然翌日の昼間に飛んでしまうという・・・。続きはどうなったんだよ!場所はポールの家。寝ていたマシューが再びあの声に導かれて部屋を出ます。そして地下室への鍵を開けて降りていき、戸棚から配管洗浄剤を出して一気飲み。マシュー、こんなものを飲んではたまりません。ばったり倒れもがき始めます。

 彼の悲鳴を聞きつけたジェニファーが来て「まあ、大変」彼の体を抱きかかえ洗浄剤を吐き出させようとしたのですが、ここで何者かのアストラル体が襲来、彼女を殺害してしまったのです。

 この後ジャニスのアパートメントでジャニスとミリアがバスタブに浸かりながら非常に奇妙な会話を交わします。「モニカ この体はもう駄目だ」モニカ?ひょっとしてこの二人はモニカとウィリアムのデュバル夫妻?アストラルプロジェクションでアイリスとミリアの体に乗り移ったってことですか。

 ポールとカウフマンはようやくこのことに気付きます。ポールはマシューから「ブルーマンが僕に飲めといったんだ」と聞いて、カウフマンは映画のウィリアムがジャニスと同じ台詞「生と死は等価なのです」を繰り返したことに気がついて、それぞれジャニスのアパートメントに向うのでした。そして鉢合わせした二人、どうせなら仲良く二人で攻め込めばいいのにカウフマン、ショットガンを突きつけて「やい、ジャニスは俺の獲物だ。お前は俺の車のトランクに入っておれ。余計なことをしたらブチ殺してダイチョー引きずり出す」だって。しかしポール、彼の隙をついて腹にキックを三連発。失神させてしまったのです。改めてピストル片手にジャニスのアパートメントへ侵入するポール。

 彼は寝ていたジャニスを発見、さあ、やっつけようとしたのですがその途端に彼女の目が開きます。ゆっくりと起き上がったジャニスは微笑みながら「あなたが来るのは分かっていた。いよいよその時が来たのよ」ジャニスはポールに近づきます。「あなたを偉大な映画監督にしてあげる。マシューの面倒だって見てあげるわ、なに、痛いのは最初だけよ。すぐに気持ちよくなるわ」要するにジャニス=ウィリアムは次の移転先としてポールの体を狙っており、そのために周囲の人間を殺していたのです。納得いかないかも知れませんが、そういうものなのです。

 この時背後からミリアがポールに忍び寄っていました。まったく彼女に気付いていないポール、危うしと思われたのですが、ここで現れたカウフマン、ショットガンでずどん、彼女を射殺してしまいます。ジャニス=ウィリアムは愕然として「モニカ!」カウフマンの首を絞めるのでした。しかしポールがピストルで狙いを定めて「いつまでも貴様の思う通りにはさせん、正義は必ず勝つ!」と叫んでずどん。ジャニス=ウィリアムを射殺したのです。

 事件は終息しました。ポールは回復したマシューと朝のサイクリングを楽しんでいます。ここにカウフマンの助手だったミックが現れ、カウフマンが警察をやめて世界漫遊の旅行に出たことが知らされます。ポールも自分のCM会社を売却、その資金で映画を作ろうとしていると語り、これでエンドマークと思いきや、まだ後があった。

 あ、カウフマン、タタミリビングでキモノのムスメにジャパニーズティーのサービスを受けているぞ。別のキモノのムスメが琴・ギターを弾いているし、これはもしや日本か。カウフマン、世界漫遊旅行で日本に来ているのか。そのカウフマン、琴・ギターの響きに耳を傾けながら絵葉書をしたためております。「ポール、また会いたいものだな」これは良いとして、その下に書いた名前が「ジャニスより」ええっ、ということはウィリアム、最後の瞬間にカウフマンに乗り移ったってこと。驚く私を放っておいて、今度こそ本物のエンドマーク。

ポールのアストラルプロジェクション体が自分の意思に反して夜な夜な殺人を繰り返すというプロットであればそれなりに筋の通ったホラー映画になったと思いますが、どうもデュバル夫妻登場の辺りから話が不必要にややこしくなって、つまらない映画になってしまいました。まったく惜しいことをするものであります。

カラー・スタンダード モノラル音声 例によって暗いところだと何やっているか分からない低画質。音声はそれなりのレベル。なんとか台詞が聞き取れます。12枚のディスクに50本の映画を収めたNightmare Worlds 50 Movie Pack CollectionMill Creek EntertainmentのDVD。

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2008年7月 7日 (月)

『Zombies of Mora Tau 』(1957)

 

Zombies of Mora Tau (1957) 

 

 この映画に登場するゾンビ達は一風変わっておりまして、人肉を食べたりはしません。沈没船の宝箱を一生懸命守っております。その体にはつねに濡れた海草が撒きついており、これを名づけてシーウィード・ゾンビ。おお、なんだかカッコいいぞ(そ、そうか)。

警告、警告、このDVDのリージョンは1です。したがって日本国内のDVDプレーヤーでは再生できません。警告、警告。

冒頭「生と死の狭間に蠢くものあり。その名を歩く死者、ゾンビ」という名調子のテロップが出まして物語が始まります。舞台はアフリカのとある島。この島で生まれ育ったお嬢さんのジャン・ピータース(オータム・ラッセル)が10年ぶりに実家へ帰省してきた夜。車中で運転手のサム(ジーン・ロス)と「このへんはちっとも変わらないわねえ」「まったく左様で、お嬢様」なんて暢気な会話を交わしておりますと、突然道路上に男が現れた。ジャンは「きゃー、危ない車を止めて」しかしサムはそのままスピードを緩めることなく男をぐしゃっ(笑)。「ヒー、あんたなんてことするのよ、人、人轢いちゃったのよ、車を止めなさい」サムは彼女の言葉に耳を貸さず「お嬢様、あれは人であって人でないのでございます。私が車を止めない理由はお婆さまからお聞きになってくださいまし」

 ピータースの屋敷へ到着します。ジャンは祖母(マージョリー・イートン)の姿を求めるやいなや車から飛び出して「お婆さま!私たち車で人を轢いちゃったの、大変よ」しかし祖母はふっと笑って「ジャンや、あれはヴードゥのアレよ、心配することはないのだよ」「ヴードゥのアレ?まあ、なんてことでしょう、あたし、ヴードゥのアレって子供の頃の悪夢だとしか思っていなかったわ!」ヴードゥのアレ、今更説明するまでもないと思いますけど、要するにゾンビですね。

 さて、この怪しの島へ貨物船がやってきます。これがモナ(アリソン・ヘイズ)、ジョージ(ジョエル・アシュレイ)のハリソン夫婦、歴史研究家のジョナサン・エガート博士(モリス・アンクラム)、ハリソン夫婦の運転手ジェフ(グレッグ・パーマー)を中心とする探検隊でした。彼らはこの島にあるという大量のダイヤモンドを探すためにやってきたのです。しかし、この4人、島に着いてもいなにのに「ダイヤはもう手に入ったも同然、ワハハハ」と祝杯を挙げておりまして、どうもあんまりマジメな人たちとは思えません。またモナがふざけてジェフにキス、ジョージが嫉妬の焔をめらめら燃やしたりして、後からロクでもないことが起こるであろうとジュセリーノでなくてもわかる親切な作りになっております。

 さて、いよいよ上陸だということになりまして船上で忙しく立ち働く船員たち。その中の一人、ジョンソン君(メル・カーティス)が舷側に下りてボートの準備をしておりますと、やってきました、ゾンビ。泳いでいます(笑)。ゾンビは水中から手を伸ばすとジョンソン君捕まえて引きずり込みます。そして大層なる怪力でジョンソン君の首をごきっ。殺してしまいました。他の船員達は彼を助けようとしてピストルを乱射したのですがまったく効果はなかったのです。しかし探検は続けなければならない。ボートに乗り込み海岸を目指す4人です。

 これを迎えに出たお婆さん。すると近くの茂みからゾンビ出現。お婆さん、大ピンチかと思いきやゾンビ、お婆さんを歯牙にもかけず海に入っていったのでありました。なんだか怪しいですね。さて、その後ダイヤ探検隊の4人は無事海岸へ到着します。お婆さん、彼らをさっそくダイヤを探しに来て死んでしまった人々の墓へ案内するという・・・。「1906年 イギリス人 1914年、ドイツ人、1923年イギリス人 1928年ポルトガル 1938年アメリカ人」といちいち十字架に書いてあるのがオカシイ。このアメリカ人の墓の横に掘ったばかりの墓穴が並んでおります。モナがおそるおそる「この墓穴はなんですの」と聞くとお婆さん、「そりゃ、あんたたちの予約分じゃ」だって(笑)。

 一同は屋敷へ戻ります。この時お婆さんとエガート博士の会話からダイヤモンドの呪われた歴史が明らかになるのでした。1894年、この島に交易拠点 スーザンBが設立されます。この時船員達が秘密の寺院でダイヤモンドを発見したのです。ところがこれを奪い合って10人の船員が死亡。この中に婆さんの夫であった船長が含まれていたのです。残された船員達はダイヤを持って船に戻り帰国しようとしたのですが、なんと死んだ筈の船長たちに襲われ皆殺しになったというのです。船も沈められてしまいました。そしてこの10人のゾンビは事件から60年が経過した今でも島を徘徊し、このダイヤを守っているというのです。

 お婆さんはゾンビから夫の魂を解き放つためにこの島へやってきたのでした。彼女はダイヤを滅すればゾンビ達も開放されると考え探検隊に協力することにしたのでした。

 この話の最中、ゾンビが一人屋敷へ潜り込んできます。彼はジャンとモナの寝室を襲うのですが、いやあ、60年ゾンビやっていてもスケベ心は失われないようで(笑)、そのあまりの不気味悪さに悲鳴を上げるジャンとモナ。ここで駆けつけてきたおばあさんが松明の炎を突きつけ、ゾンビを追い払うのでした。そう、ピストルで撃とうがナイフで突こうが死なないゾンビなのですが、火にだけは弱かったのです。

 さて、この後ジャンはジェフと仲良くなります。こんな孤島で年頃の娘とイケメンがいればそれは遠からずこうなるに決まっている(笑)。ジャンは車で人?ゾンビ?を轢いてしまったことを話し、一緒に見に行ってくれと頼むのでした。もとよりジェフは運転手ですからこの頼みを快諾。屋敷の車を借りてお出かけです。「あ、ここよ、このへんよ」とジャンが教えた地点で車を降り、道路を調べますと死体はなかったのですが、「水溜り」「海草」なんて怪しいものがあちこちにある(笑)。これを夢中になって調べているうちに背後からゾンビ出現。ジャンを攫ってしまったのです。ジェフ、ゾンビに飛び掛ってナイフで刺しまくったりするのですが、やっぱり効果はなし。ゾンビ、ジャンを森の中の廟堂に連れ込んだのでした。この廟堂の中には10個の棺桶が並んでいて、その一つ一つからゾンビが現れるのであります。この場面、結構恐ろしいです。

 このままジャンは10人のゾンビにあんなことやこんなことをされてしまうのでしょうか。いいえ、大丈夫です、ジェフが飛び込んできたのです。今度のジェフは照明信号弾を使ってゾンビ達を足止め、ついにジャンを救出することに成功したのでした。

 翌日、こんな事件にもめげないダイヤ探検隊はいよいよ海中のダイヤ捜索に乗り出します。潜水服を来たジェフを海中に降ろしって、この人はいろんなことをやらされますな(笑)。この時潜水服のヘルメットから水漏れして「おい、このヘルメット中古の安物買っただろ」と無線で船上へ叫ぶジェフがおかしい。幸いこの水漏れは大したことはありませんで、ジェフは海中を歩き回ります。ほどなく問題の船を発見。上手い具合に「さあ、中へおはいんなさい」といわんばかりに大穴が開いております。「じゃあ、お邪魔しますよ」と呟いて中に入るとなんと金庫があるではありませんか。大喜びしたジェフ、その金庫を調べに掛かるのですが、ここで水中ゾンビが登場。彼に襲い掛かるのです。ゾンビは彼のエアホースを切断してしまいます。これで空気圧が下がり、異変に気付いた船上は大慌て。「急いでジェフを引き揚げるのだ」

辛くもゾンビを逃れて船上に引き揚げられたジェフ、意識不明であります。彼を急ぎピータース屋敷へ運び込んで医者を呼ぼうとしたのですが、お婆さんは「この辺には医者はおらんよ。一番近いところに呼びに行くとしても3日はかかるね」だって。「その代わりにわたしが薬を煎じよう。これを一時間ごとに飲ませればあら不思議、たちまち意識を回復するであろう」怪しげな薬を持って参ります。でもみんなこれを信用してないの(笑)。こんな薄気味の悪いものをうっかりジェフに飲ませられるものかという顔をしております。

 この時一歩前へ進み出たのがジャン。彼女はお婆さんから薬を受け取るやいなや一気飲み。「これで大丈夫だってことが分かったでしょ」彼女はジェフの頭を優しく抱きかかえて薬を飲ませるのでした。その後ジャンは彼をつきっきりで看病します。しかし、これでムカムカしていたのがモナ。ジェフを憎からず思っていた彼女は田舎者の小娘がでしゃばりおってと夫が止めるのも聞かず突撃。そして既にジェフが意識を回復しているのを見て「なにさ、あんた、ジェフの目が覚めたんならすぐに私たちを呼びなさいよ」

 このケンマクにジョージが飛んできまして荒れ狂う妻の頬桁をばちーん!張り飛ばします。「お前、いい加減にしろ、まったくもっていい年してみっともない」モナは悔しさに顔をゆがめながら屋敷の外へ飛び出して行ってしまったのでした。ジョージは「なに、いつものヒステリーだ、すぐ戻ってくるよ」と言っていたのですが、あにはからんや夜になっても戻ってくる気配がまったくありません。お婆さんはふえふえふえと笑って「こりゃあ、奴らに捕まってしまったんだね」だって(笑)。

 じゃあ、彼女は例の廟堂に捕らわれているに違いない、助けに行こうということになります。男共みんな車に乗って、照明弾も忘れずに持ってお出かけです。そして廟堂を覗いてみると果たして床にモナが倒れているではありませんか。「おお、我が妻よ、今助けてやるからな」と叫ぶジョージですが、気配を感じたのか棺桶からまたゾンビたちが出現。これを照明弾で脅かしておいてジョージ、モナを抱き上げます。廟堂から逃げ出した後入り口にガソリンを撒いて点火。この炎のせいでゾンビ、廟堂から出られなくなってしまったのです。この隙に無事脱出を果たすジョージたち。

 でも私考えたのですが、こんなまだるっこしいことするくらいなら直接ゾンビにガソリンぶっ掛けて燃やしちゃえばいいんじゃないですかねえ。

 なんとか屋敷にたどり着きました。しかしモナ、目をかっと見開いているだけで喋りもしないし、体は氷のように冷たいのです。婆さんは「この女はもう死んでいるのじゃ、ほうら、息もしておらんじゃろう」そう、モナは時すでに遅くゾンビになってしまっていたのでした。それでもジョージは納得しません。「いーや、彼女は大丈夫だ、医者に見せればきっと治る」と婆さんの忠告を聞かず彼はモナを寝室のベッドに寝かせるのでした。ところがこのモナ、ジョージが出て行ったのを見るや俄かに立ち上がり、テーブルの上に置きっぱなしになっていたナイフで手伝いに来ていた船員の一人を刺し殺してしまったのです。しかし、それでもジョージは諦めきれず、彼女をベッドに寝かせ周りを蜀台で囲んで動けなくしたのです。

 翌朝、再びダイヤモンド捜索に挑戦するジョージたち。おっとその前に廟堂の入り口で焚き火をしてゾンビたちが出てこれないようにします。何か重たいものを持ってきて入り口ふさいじゃえばいいじゃんと思うのは私だけでしょうか(笑)。これでゾンビ共を閉じ込めたと思ったジェフとジョージは潜水服を来て海底へ潜ります。今回はガストーチ持参。これで金庫のヒンジを溶かして開けようという算段。ジェフはさっそく作業を始めるのですが、はい、やっぱりゾンビ様ご一行の到来です(笑)。これを必死に防ぐジョージ。金庫を必死で開けようとするジェフ。この時間との戦いのサスペンスが素晴らしい(か?)。ついに金庫を開けたジェフ、中から精緻な細工が施された小箱を取り出します。「よし、ダイヤを見つけたぞ、俺たちを引き揚げてくれ!」

 二人はまとわりつくゾンビたちを必死に追い払いようやく船上へ引き揚げられます。しかしピンチはこれで終わりではありませんでした。ダイヤを盗まれ怒りに燃えたゾンビ軍団が続々と船に乗り込んで来たのです。ジェフたちは松明や信号弾で対抗するのですが今度はゾンビ達もひるみません。ジェフはついに自分がダイヤを持って囮になることを決意します。「俺がダイヤを持って逃げたら奴らは追ってくる。その隙にジョージたちは逃げろ!」ということですね。この目論見が見事当たってゾンビたちはジェフを追いかけます。何とか助かったジョージとドクターでしたが、なんとしたことでしょう、ジョージは「あいつ、ダイヤを独り占めにするつもりだな」と思い込んだのです。彼は「いや、それは違うから、彼は私たちを逃すためにやったんだから」というドクターの取り成しにも耳を貸さずピストル持ってピーターソン屋敷へ向うのでした。

 さて、一歩先にゾンビ達から逃れて屋敷へ戻ったジェフ、ジャンと婆さんの前で箱を開きます。果たして中身は金銀パールプレゼント!じゃなかったダイヤがどっさり。彼はダイヤを箱から出して布に包んで隠し持つのでした。この直後、ピストル片手に飛び込んできたのがジョージです。「やい、ジェフ、よくもダイヤを持って逃げようとしやがったな。さあ、その箱を渡せ、追ってきたら殺すぞ」って空の箱を持って出て言っちゃった。思わずジェフ、むししと笑って「馬鹿ですね、あいつ、空箱を持って行きましたよ」だって。

 そんなこととは露知らず、ジョージはモナを寝室から連れ出してボートへ急ぐのです。しかしボートに乗り込もうとした瞬間、モナがジョージから箱を奪ってそれで彼の頭を一撃「ごっ」ジョージ死んでしまいました。

 さて、ジェフは「もうこれで俺は大金持ち」という喜びから調子に乗ったのかいきなりジャンにプロポーズ。「一緒に行こう、そしてこのダイヤモンドで途方もない贅沢をするのだ」でも婆さんはぶつぶつと「ダイヤは海に捨てなければならない。そうしないとゾンビたちの呪いが解けないのだ。お前たちがどこへ行こうと追いかけてくるぞ」「じゃあ、ニューヨークに逃げたらあいつらそこまでやってくるっていうんですか、ウソだあ」と反論するジェフでしたが、面倒くさくなったのか、「まあ、いいや、お婆さん、あなたも一緒に行きましょう」と連れ出しちゃった。

 ジョージが死んだために使われなかったボートに乗り込むジェフ達。しかしここでゾンビ達が三度出現します。その中にはお婆さんの夫、ピータース船長もいました。「ああ、あなた、あなたの呪いは永劫に続くのですね」涙を流します。これを見たジェフ、ついに決意してダイヤを婆さんに渡すのです。「分かりましたよ、もうあなたの好きにしてください」婆さんは礼を言ってダイヤを海に投げ込みます。するとゾンビ達は新品の服を残して(笑)消え去ってしまったのです。ついに彼らの呪いが解けた瞬間でした。エンドマーク。

 ダイヤは浅瀬に投げ込んだだけですから、探そうと思えばすぐ見つかるだろうというツッコミはこの際なしということでお願いします。そんなことをしたら作品の余韻が台無しです。

モノクロ・スクイーズのワイド収録 モノラル音声。画質はなかなか良好でゾンビたちの衣服が新品なことが分かってしまうくらい(笑)。音声も聞き取りやすくて不満なし。英語字幕付。『The Giant Claw』『Creature with the Atom Brain』『Zombies of Mora Tau』『The Werewolf』が収録されたアイコンズ・オブ・ホラー コレクション。ソニーピクチャーズのDVD。 

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2008年7月 6日 (日)

『サントとブラック・ゴールド』 『Santo en Oro Negro』(『Santo in Black Gold』)AKA『La noche de San Juan』(『Night of San Juan』)

 

『サントとブラック・ゴールド』 『Santo en Oro Negro』(『Santo in Black Gold』)AKALa noche de San Juan』(『Night of San Juan』)

オープニングはサントがプロレスをしているアニメがところどころ挿入されるなかなかお洒落なもの。これが終わりまして登場したのがプエルトリコの刑務所。単なる刑務所かと思えばさにあらず、なぜか牢屋の中に秘密の入り口がありましてそこから地下通路経由で別棟に行くと犯罪組織のアジトになっているという・・・。

 この斬新な発想、何時ものサント映画とは一味違うようです(笑)。

このDVDはスペイン語音声のみ、英語音声・英語字幕は収録されておりません。私はまったくスペイン語が分かりませんので、この映画はいつもと違ってどこかの奇特な方が作って下さっているサント映画のストーリー解説サイト(英語)を参考にこのレビューをでっちあげております。だから実際の映画を誤解しているところもあるかも知れませんが、その辺はどうぞ、この事情を鑑みてご容赦くださるようお願いいたします。

 平たく言うと、「そんなこと言うんだったら日本語ができるスペインかメキシコのセニョリータを紹介しろ、いや、贅沢は言わない、セニョールでも構わないぞ、コノヤロー」ということでございますね。


 このアジトから全世界の支部に無線で命令が下されます。「ブラック・ゴールド作戦を開始せよ!」これに呼応してニューヨークの支部から金髪青年が出動。妙齢の美女、ヴェネッサ・デル・ヴァリーが率いる(ギルダ・ハドック)世界的石油企業のビルへ乗り込むのです。受付嬢がスペイン語で(笑)「あ、ちょっとあなた、アポイントもなしにどこへ行くのですか」と叫ぶのを無視した彼は会議室へ乗り込みます。まさに重要会議中であったこの社の幹部達はこの闖入者に仰天。そして青年はこんなことを喋りだしたのでした。

 「私はアクアリオ率いる世界的テロリスト軍団の使いである。アクアリオからの命令を伝える。貴社の管理下にある油田全てについて税金を支払うのだ。これを拒否すればトンデモない事故が油田に起こるであろう」この時警備員が会議室に飛び込んできます。青年は彼らの手を振り切って窓からダイブ。はるか下方の路上に落下してぐしゃり。脳みそ飛び散るわ、尻から大腸はみ出すわ、新米の救急隊員が「せ、先輩、これは駄目っす、うお、うえええ」「馬鹿吐く奴があるか」なんてことになりそうな死体に・・・と思いきや、なんと青年はロボットであったという・・・。

 忘れないうちに言っておきますが、この石油企業の幹部連は受付女性と同じくみーんなメキシコ人でスペイン語喋っております。

 この異常事態に幹部二人がメキシコへ飛びサントに助けを求めたのでした。サントは頼もしく頷いて「ようがす、あっしにまかせて旦那方は大船に乗った気持ちで安心していてくだせえ。何、事件が解決した暁にはご褒美として銭を下さる、ははあ、それがありがたいこって、せいぜい貧しい子供たちの役に立たせてもらいましょう」でもサント、捜査を始める前にプロレスの試合をやるのでした(笑)。

 相手は実力覆面レスラーのレベルデ・ロホ。サント苦戦しますが、なんとか勝利を収めます。

 さて、この企業のオーナー、ヴェネッサが自宅のアパートでくつろいでおります。大企業のオーナーとはとても思えぬ質素なアパートメントが逆に好感を誘います。人間、ちょっと成功したからといってすぐさま六本木ヒルズに引っ越しては駄目なのです。ここへ尋ねてきたのが彼女の父の旧友であるエンリケ・アルティガス(御馴染みカルロス・スアレズ)。彼とヴェネッサがカクテルなんぞ飲んでくつろいでおりますと、突然二人の悪漢が乱入。スアレズをぼこぼこにしてヴェネッサを拉致してしまったのでした。スアレズは慌てて警察を呼んだのですが、あにはからんや、ヴェネッサが自力で戻ってきたという・・・。こ、これは怪しい。

 さて、プエルトリコ入りしたサント、ホテルの部屋でベッドになにやら変装用のゴムマスクを並べております。サント、その中からチャールズ・ブロンソン風のマスクを取り上げますと、鏡に向ってやにわに自分の覆面を脱ぎ捨てるのです。そしてゴムマスクを被るとやたらに体のごついチャールズ・ブロンソンの出来上がり(大笑い)。サント、この変装でナイトクラブ、エルソンブレロへ赴きます。ここで繰り広げられるのがセクシーな女性シンガー、マルタ・クリスタル(ロシー・メンドーサ)のショー。変装したサント、彼女を熱心に見つめております。マルタの方も彼の正体を知っているようでちらちらと流し目をくれているようであります。

 そしてその後夜の浜辺でデート。この時サントは元の覆面姿に戻っているという・・・。何のために変装したのだとボヤキたくなる私の気持ちが分かるでしょ(笑)。と、ここで襲ってきたのが四人のチンピラ。マルタはいつの間にか水着姿となって激しいカラテチョップを見舞います。サントも大活躍で難なく4人を追っ払ってしまったのでした。その後、キスをするサントとマルタ。

 翌日サントはプエルトリコ警察の刑事、オクタヴィオ(ルイス・ダニエル・リヴィラ)に昨夜の格闘の最中引きちぎった悪漢の服の切れっぱしを渡して分析を依頼します。

 ここではるばるニューヨークからヴェネッサとスアレズが捜査の進展を確かめにやってくるという一幕が入りまして、サント、再びゴムマスクで神父へ変装。件のプエルトリコ刑務所へ向います。警備員に案内されて所内を回るサント。と、その時ある牢屋から「神父様、神父様、病人が苦しんでおります。どうか彼のために祈ってやってくださいまし」サント、願いを聞き入れて牢屋の中へ入るのですがこれが罠だった。これもグルだった警備員にガンと頭を一撃されて昏倒するサントです。彼はそのまま秘密の入り口から地下へ運ばれ、雑然とした倉庫の椅子に縛り付けられてしまうのでした。

 白衣を着た科学者?が現れて警備員たちと一緒になってサントを拷問します。平手打ちしたり、サントの頭の両側から拳でぐりぐりやったりしてサントを苦しめるのです。しかしサントは屈しません。それどころか、「お、おめえたち、さては人間じゃないな、ロボットだろう」と鋭くツッコミます。「ふふふ、神父にしちゃいいカンしているじゃないか。アクリオは我々のようなロボットを200体も保有している。すべて刑務所地下の秘密工場で作られたのだ」 科学者たち、いや、ロボットたちはなおもサントを拷問して、「やい、サントはどこにいるのだ、さっさと白状しろ」サントは「あっしはここにいるぜ!」サント、拷問に耐えながら手を縛っていたロープをほどいていたのです。

 サントはぱっと立ち上がって大暴れ。そして顔に手をかけると神父のマスクをばりばりと引きちぎっています。中から現れたのは勿論、サントの銀色の覆面、ああ、カッコいいってちょっと待てや、こら。さっきチャールズ・ブロンソンに化けた時は覆面脱いでたやんけ、それが神父の時はマスク二重にしてたんかい、いくらサントでも窒息してしまわないか(大笑い)。

 サント、警備員を投げ飛ばします。ガンと床に叩きつけられた警備員の頭がぱっくり割れ、機械が覗くのはあの石油企業のビルから飛び降りたロボットと同じ。

 科学者ロボットはさらに4人のチンピラロボットを呼び寄せます。なぜかそのうちの一体はストッキングで覆面しているという・・・。こんなロボット初めてだよ(笑)。サント、勇敢に戦いこのロボット達を叩きのめしてしまいます。そしてサント、消火器を取り上げ科学者ロボットに水をじゃーっ。さんざん水をぶっかけられた科学者ロボット、ついに動かなくなってしまいました。

 そしてサントは倉庫の隅にぞんざいに積み上げられていたダンボール箱に目をつけます。良く見るとこの薄汚い、ところどころ凹んでいるダンボール箱に「爆発物危険」と書いてあるという・・・(笑)。サント、これにたまたま持っていたタイマー付きの起爆装置をセット。ばーっと逃げ出します。廊下を走り、階段をのぼったり降りたり、またまた廊下を走ったりと延々逃げた挙句ようやくアジトを脱出します。直後大爆発が起こってアジトは吹き飛んでしまいました。サントは腕時計型通信機でメキシコ警察の上司へ連絡。「アジトをふっ飛ばしましたがご安心くだせえ。人は一人もあやめちゃおりません」というサントがカッコいい。

 この後海の上で二台のボートが合流して小さな荷物を受け渡します。これが何であるのか、とうとう映画の最後まで分かりませんでした(笑)。

 はい、またまたプロレスの試合。今度はタッグマッチでサントはカリートスというプエルトリコ人のレスラーと組んでおります。野球場特設のリングでなかなか見ごたえのある試合でしたが、結局はサント、カリートス組が2本取ってストレート勝ち。この時観客の中にヴァネッサとスアレズがおります。

 試合の後、オクタヴィオの車でヴァネッサの家まで送ってもらうサント。彼を迎えたヴァネッサ、さっそくお酒などを出してなかなかに良いムード。サント、壁に飾ってある絵画をしげしげと長めて、「ところでヴァネッサのお嬢、あっしはとんと無学で良くわからねえがこの絵のここのところに使ってある絵の具は何色で?」ヴァネッサ、「やあね、赤に決まっているじゃない。情熱のあ・か・よ」サント、何を考えたかいきなりヴァネッサの頭を掴んでぐいと捻ります。露になった耳たぶの下に鈍く輝く金属部品。「おめえもロボットだな。このサントさまの目はごまかせねえぜ!」

 ヴァネッサ、「知られたからには生かしちゃおかないよ」とロボットにしては伝法な口を聞いてピストルを構えます。サント、大ピンチかと思いきやいきなりマルタが乱入。ヴァネッサに襲い掛かります。そしてさらにスアレズがストッキングで覆面をした4人のロボットを連れて登場。「サント、この俺が組織のボス、アクリオだったのよ!」いや、それは言われなくても分かるから(笑)。ストッキングの覆面をしたロボット、これからはストッキングロボと呼びましょう、はサントに襲い掛かるのです。

 ちなみにこの場面でのマルタ、まるで女子プロレスラーがひらひら付のネグリジェ着たような物凄いカッコをしております。こんなカッコで出かけてきたのかしら。プエルトリコの男性がこの色気に惑わされ車で事故を起こしたりしなかったのでしょうか。

 サントとマルタはついにロボットたちを撃退。ヴァネッサロボットは可哀想にマルタの空手チョップで頭をカチ割られてぶすぶすと煙をだしています(笑)。形勢不利とみたスアレズ、車で逃走。戦いが終わる頃を見計らってちょうど良いタイミングでやってきたオクタヴィオの車で追うサント。車中で「どうして彼女がロボットだと分かったんだ」「ロボットは赤と白の区別がつかねえ、あの女、あっしが指差した白い絵の具を赤だといいやがった」ロボット分かりやすい弱点を抱えておりますな(笑)。

 しかし調子が良かったのはここまで。こんなことぺちゃくちゃ喋りながら走っていたものですから、スアレズの車をうっかり見失ってしまったのです。

 さて、再びナイトクラブ エル・ソンブレロにてマルタの踊りと歌。この時のマルタの衣装がさっき以上に物凄くてビキニの紐パンで尻などほとんど丸出し。一昔前のタケダクミコみたいなもんです。ちょっとびっくりします(笑)。

 これが終わって楽屋へ引き揚げるマルタ。そこへサントとオクタヴィオが尋ねてきます。ここで明かされる意外な真実。実はマルタもサントと共に事件解決にあたっていたエージェントだったのですって、そんなこと分かってまさあ(笑)。「えー、そうだったの、ちーっとも知らなかった」と大げさに驚くオクタヴィオの白々しいこと。マルタは「サント、アクリオの部下、ダリオが逃げたわ。彼はスアレズと一緒にヨットで逃げる筈よ、すぐ追いかけましょう」三人はヨットハーバーに赴きます。

 そのヨットの中でスアレズとダリオが人質のヴァネッサをねちねちいたぶりながら酒盛り中。なんでとっとと逃げないのかね、こいつらは。サントはマルタとオクタヴィオを残してヨットに潜入します。中に捕らわれていたのがヴァネッサの親父。この人を解放した後でサント、ヨットのキャビンに飛び込みます。「ややや、お前はサント」叫ぶスアレズ。サントは「おめえたちの所業、天が見逃してもこのサントさまがゆるさねえ、覚悟しな!」ダリオをぼかーんと殴り倒すのです。オクタヴィオとマルタもやってきて、あっさりダリオを捕らえます。スアレズ、これはいかんとヴァネッサを連れてモーターボートで逃走します。サントも丁度上手い具合に係留してあったモーターボートに乗り込んで追跡です。

 しばらくモーターボートによるチェイスが展開されるのですが、ああ、なんということでしょう。ヴァネッサが運転に夢中になっているスアレズの隙を見つけて彼を海に蹴り落としてしまったのです(大笑い)。幸い砂浜がすぐ近くでしたので、スアレズは海から上がって今度は走って逃げるのです。サントもコレを見て海に飛び込み砂浜へ。

 プエルトリコの街でおっかけっこ。時折夜を楽しむプエルトリコの人々の様子がインサートされまして、何がなにやら分からなくなります。そしてサント、スアレズを何かの工場へ追い詰めたのです。スアレズ、銃を乱射、しかしサントには当たらずついに弾を撃ちつくしてしまったのでした。サント、「おめえはロボット工学の天才だ。しかし拳銃に弾が6発しか入らないことを忘れてやがったようだな」スアレズ、お縄となります。

 ラスト、空港でマルタ、ヴァネッサ、オクタヴィオに見送られるサント。彼はヴァネッサから報酬の小切手を受け取ります。これはもちろん、貧しい子供たちのために使われるのですが、タニマチ衆からご祝儀受け取る力士みたいに見えないこともないです。そしてマルタが別れを惜しんでサントにキス。

 サント、セスナに乗り込んで飛び立ちます。エンドマーク。

 ロボットの扱いがテキトーなのが気にかかりますが、それを除けば実に面白いサント映画の傑作。あ、この“この面白い”は世間一般のそれとは随分違っておりますので、妙な誤解はなさらぬように。面白言ったってあくまでもサント映画としては、ということですからね。

 カラー・スタンダード モノラル・スペイン語音声。画質は発色が綺麗ですが、やっぱり暗い場面で何をやっているのかさっぱり分かりません。音質は良好、BGMが綺麗に響きます。OXXO FilmsDVD

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2008年7月 5日 (土)

『Santo en el misterio de la perla negra』(『サントと黒真珠の秘密』)

 

Santo en el misterio de la perla negra』(『サントと黒真珠の秘密』)

 今回のサントは宝石密輸を阻止しようと大活躍。でもストーリーがめちゃくちゃです(笑)。まったく何をやっているのか分かりません。いくらサント映画といってもここまで酷いのは初めてです。

 このDVDはスペイン語音声のみ、英語音声・英語字幕は収録されておりません。私はまったくスペイン語が分かりませんので、この映画はいつもと違ってどこかの奇特な方が作って下さっているサント映画のストーリー解説サイト(英語)を参考にこのレビューをでっちあげております。だから実際の映画を誤解しているところもあるかも知れませんが、その辺はどうぞ、この事情を鑑みてご容赦くださるようお願いいたします。

 平たく言うと、「そんなこと言うんだったら日本語ができるスペインかメキシコのセニョリータを紹介しろ、コノヤロー」ということでございますね。

スペインの風景がだらだら流れるオープニングクレジット。これが終わると何やら露天掘りの鉱山みたいなところが映りまして、いきなり逃げ出す男あり。兵士?たちが追っかけますが、彼はトラックを奪って逃走します。男はどんどんトラックのスピードを上げるのですが、「ああ、ブレーキが全然利かない!」ことに気がつきまして大慌て(笑)。彼はトラックから飛び出します。その直後、トラックは崖から落ちて炎上します。これは本物を使っており、サント映画らしからぬ大迫力。サント映画だってやるときゃやるのです。

 男は物陰に隠れて兵士たちの捜索をやり過ごします。そしてまんまと逃げおおせた彼は港に行って仲間のアンドレアス(フェルナンド・オセス)に運んできた宝石類を渡すのでした。アンドレアスは宝石類を小さな箱に詰めると部下に手渡します。部下、それから何をしたのかというと水中に潜って今まさにメキシコへ向けて出航せんとすという風情の豪華客船の船腹へ貼り付けるという・・・。途中で剥がれちゃったらどうするんだと思いますが(笑)。しかも部下、アクアラングも使わず素もぐりなのです。本当に貧乏なボスの部下ってのは苦労しますねえ。

 アンドレアスは仲間のフリオ(フランク・ブラーニャ)と共に客船へ乗り込みメキシコへ出発したのでした。

 ぱっと場面が変わってここはメキシコのナイトクラブ。数十人のダンサーが歌い踊る豪華なショーをやっております。ここで登場するのが本作のヒロイン、ウー・リー(マリア・ユージーナ・サン・マルティン)、にこやかに踊っておりますが、ショーとは明らかに別撮り(笑)。このショーが終わって楽屋へ引き揚げるウー・リー。待っていたのは恋人であります。この恋人、「うふふ、君のショーは素晴らしかったよ」なんて言って彼女に真珠のネックレスをプレゼント。まあ、嬉しいというのでキスする二人。この後恋人は「んじゃ、また後でね」と楽屋から出て車へ乗り込もうとします。ところが二人のチンピラが突然現れて恋人ボコボコにされてしまうのでした。おまけに無理やり車に押し込まれて拉致されてしまいます。

 一方楽屋に残ったウー・リーの前にナイトクラブのマネージャーが現れまして「あ、君、来週からパナマで仕事して頂戴。お金になるよう」

 ここで唐突にプロレスの試合。サント映画ですから当然サントが出てくるのかと思いきや何も関係ない女子覆面レスラーの6人タッグマッチです。訳がわかりません。

 さて、拉致された恋人はどうなったかというと気絶したまま車に残されていたという・・・。そのまま放置するならなんで拉致したんだか分からないですね(笑)。彼はたまたま通りかかった車の紳士に揺り起こされ意識を回復します。そして彼はそのまま帰宅するのでした。戻ってきた彼を見たウー・リーはびっくり。何しろ顔がボコボコにされていたのですから。「まあ、可哀想、私が慰めてあげる」ってんでまたキスを致します。

 この時点ですでに18分が経過しております。本当のヒーローたるサントはどうしたのだと思っていたらここでようやく登場。悪役レスラーとのシングルマッチです。一本目は順当にサントが取ってさて二本目、悪役レスラーが場外でマネージャー(?)から凶器を受け取ってサントの頭を激しくドツキ倒す意外な展開。これでサントは伸びてしまって二本目をとられてしまうのです。さあ、3本目はどうなるのかと思ったらまあ、サント映画ですからな、彼がぱっと勝ってしまうことになっております。

 この試合の後、控え室で警察の警部さんに密輸事件への協力を頼まれるサント。何時ものごとく胸をどんと叩いて「ようがす、あっしに任せておくんなせえ。警部さんは大船に乗ったような気分で安心していてください」と快諾。ところがこの会話を悪の部下たちが隣の部屋から盗聴していたという・・・。翌日サントは警部さんから言われたとおりヴェラスケスへサントカーで向うのですが、途中、部下達が待ち伏せです。強引にサントカーを止めて拳銃で脅してわざわざ空き地へ連れていくのがわざとらしくていいですなー(笑)。サントはわずかな隙をついて反撃。着ていた白いスーツをどろどろに汚しながらも部下達を撃退。再びサントカーに乗り込んでヴェラスケスへ向うのでした。

 さて、スペインより到着した豪華客船。明らかに冒頭に出てきた船と違うのが気に掛かりますが(大笑い)、アンドレアス、フリオ、そしてアンドレアスの恋人(マラ・クルツ)が分かりやすく甲板でくつろいでおります。警部から彼らのことを聞いていたサント、何気ない振りで乗船、いやいかに何気なくしていたって、何しろ覆面レスラーが豪華客船に乗り込んでくるのですから目だって仕方ないですって。宝石を隠してあると思われる彼らの船室を調べるのでした。とても豪華客船の船室とは思えないせまーい部屋でトランクをひっくり返すサント。しかしそのとき背後から男が忍び寄ってきて、ガン!サントの頭を一撃するのです。サント、昏倒します。

 さあ、サント絶対のピンチかと思いきや、彼を殴った男、サントを甲板に放置して逃げてしまったという・・・。なんでここで止めささないのでしょうか(笑)。甲板で寝ているサントに水がぶっかけられます。それでもサント意識を回復しない。もう一回水をかけられてサント、ようやく目を覚ますのです。で、誰かが水を掛けたのかと思ったら誰もいない。どうやらこの水、波だったようですってんな訳ないだろ!

 そして船はパナマへ到着します。また別の船になっていますが、もう皆さん、オトナなんですから細かいことを気にしないように!下船するアンドレアスたちの会話を盗み聞きするサント。どうやら彼らは今夜ある中華レストランへ行くらしい。サント、タクシーの運転手さんからそのレストランの場所を聞いて(笑)彼らの後を追ってレストランへ乗り込もうとするのですがまた待ち伏せされちゃった。そしてまた頭をガンとやられて昏倒、今度は桟橋の杭に縛り付けられてしまうのです。いきなり昼間になっているのが気に掛かりますが、まあそれはそれとして(笑)このままだと満ち潮になってサントは溺れ死んでしまう。またまた絶対のピンチと思いきや突然謎の男が泳いできましてサントを縛っているロープをほどいてくれたのでした。そして出てきたと同じく唐突に姿を消してしまう男。はて、これは誰かしらん。まさかこのまま二度と出てこないんじゃないでしょうな。

これが本当に二度と出てこなかった(大爆笑)。本当に訳が分かりません。

 そしてすぐ夜になりまして(笑)今度こそレストランへ乗り込みます。アンドレアスたちを見張りながら食事をするサントってこいつら二晩続けて同じ場所でメシ食っているのでしょうか。とその時突然ナイフが飛んできた!彼の頭を掠めたナイフは壁にぐさっ。あ、なんだ、ナイフに手紙がついている、矢文ならぬナイフ文だ!これを開いてみると「どこそこあそこのナイトクラブに行ってウー・リーに会うべし」と書いてある。サントはその手紙にしたがってナイトクラブへ。はい、これから延々ウー・リー出演のショーが続きます。

 これがようやく終わって、サントは彼女の楽屋へ。キモノ姿で彼を迎えたウー・リー。さっそくお茶を出してくれるのでした。「お、これはありがてぇ」と一気飲みのサント。ウー・リーが密かに何かの薬を入れたとも気付かずに・・・。

 サント、喜んでお茶をゴチになったのはいいのですが、どうもさっきウー・リーが入れていたのは眠り薬だったみたい。サント、ふらふらになりまして、「うう、いったいどうしたってんでい、酷く瞼が重くなってきやがった」グースカ寝てしまいました。それで悪漢が出てきてサントをやっつけてしまう・・・なんてことはなくて、なんとただ眠らせただけだったという。本当にいつものサント映画にまして意味が分からない展開です。

 翌日、すっきり目覚めたサント。ウー・リーは屋外レストランのテーブルで彼と朝飯を食べながら「ごめんねえ、サント。あなたを危険な目に会わせまいと思って眠って貰ったのよ」サントも特に抗議などすることなく、納得している様子。ああ、本当にこのDVDに英語字幕がついていないのが惜しい。英語字幕があればちょっとはこの良くわからんシチュエーションも理解できる思うのですが。

 この間豪華客船、ああ、今度はどう見たって貨物船ですけど(笑)、コロンビアのカルタジェナに向って出航します。遅れちゃならねえってんでセスナを使って追いかけるサントです。

 豪華客船が港に入るなり登場したのがアンドレアスの仲間、ダヴィラ(ギルモア・ガルベス)。彼は部下の黒人青年を海に潜らせ豪華客船の船腹に貼り付けた箱からまんまと宝石類を回収するのです。ダヴィラは海辺のコテージに滞在しているアンドレアス、フリオ、アンドレアスのガールフレンド、マラと合流。密輸が上手くいったことで祝杯をあげるのです。ここにやってきたのがサント、悪漢どもは彼に気がついてひそひそと悪巧み。どうやらマラを囮にしてサントをやっつけようという算段らしい。わざとらしく砂浜を歩くマラにチンピラたちが襲い掛かります。マラ、サントが隠れている方をちらちら見ながら「アレー、サント助けてー」だって。この作戦にまんまと引っかかったサント、ぱっと飛び出してきてチンピラたちを鎧袖一触、叩きのめしたのでした。マラ、サントに「ああ、ありがとう、助かったわ」これでサントが油断したところをナイフでぐさっとやるのかと思っていたら、あれあれ、サントもマラもそのままホテルへ帰っちゃった。な、なんじゃ、こりゃ。

 ホテルの部屋へ入ったサント、部屋の電灯がつかないことに気がつきます。「高い金取ってるのに、だらけたホテルだぜ」と怒ったサント、フロントへ電話をしようとしたその時、カーテンの陰に隠れていたフリオがピストルを乱射。これを危ういところで逃れたサント、失敗したことに気がついて逃げ出したフリオを追っかけます。ああ、人が普通にいっぱいいる路上で取っ組み合いやり始めたよ、みんな、面白そうにみているよ(笑)。フリオ、サントの頭をガンッとやってから再び逃走。折りしも営業していた移動遊園地に逃げ込むのです。でもフリオ、あわてていたのか、ぐるぐる回る飛行機の乗り物に激突して死んでしまいましたとさ。カッコわりー。

 マラがサントに近づいたのはこのフリオの潜入を助けるため?いや、でもどう見たってそんな時間稼ぎをする必要はないと思うのですが。

 死んだフリオのことをまったく気にしていない様子のアンドレアスとダヴィラ、お客さんと宝石売買の商談をしております。サント、その様子を探ろうとタルに登って窓から覗きこむのですが、はい、部下に見つかって捕まってしまいました。サント、そのまま要塞遺跡の牢屋へブチ込まれてしまいます。牢屋には黒人のおじいさんの先客がいまして、サントを見るなり、「うわああ、助けてくれ」だって。そりゃ、いきなり牢屋に覆面レスラー来たら怖いですって(笑)。サント、「ちょ、うるさいじいさんだね」と言ったきり完全無視。自分ひとりで見張りをやっつけて自分ひとりで脱走します。追いかけてきた見張りと戦って崖から投げ落とすサント。その後サントは海へダイビング。たまたま通りがかったボートに助けられるのでした。

 いきなり海で覆面レスラーが泳いでいたらびっくりすると思うのですが。それに正義の味方のくせにおじいさん放ったらかしというのはいかがなものか。

 さて、この間にどうやら宝石の取引を終えたらしいダヴィラ、今度は地元の族長さんから真珠を買おうとしております。ようやっと映画のタイトルの真珠が出てきたよ(大笑い)。しかしダヴィラ、族長さんとの商談が上手くいかなかったので「うきー、ならば死ね」と射殺してしまったのです。彼は真珠を奪ってジープで逃走。彼を追ってやってきたサント、村人たちから「サント、村長が殺された、犯人を捕まえてくれ!」と頼まれ、「ようがす、あっしにまかせておくんなせえ」彼もまたジープで追いかけます。

 そして緊迫感のないカーチェイスがしばらく続いた後、ダヴィラのジープがオーヴァーヒート。シューシュー蒸気を吐いているラジエーターに水を足そうとするのですが、容器が空っぽ。タヴィラ、悔しそうに「アグア、ナーダ!(水ないじゃん)」と叫ぶのが笑えます。そして追いかけてきたサントにあっさり捕まったのでした。しかし、この後、サントが警察へ電話している隙にタヴィラ、見張りの刑事を殴り倒して逃げちゃった。ああ、どっちもオソマツ極まる映画であります。

 ダヴィラはホテルでくつろいでいるアンドレアスのところへ。女に囲まれてやに下がっていたアンドレアスはダヴィラの話を聞いて仰天します。「馬鹿、馬鹿、お前、まっすぐここに来てどうするんだよ、警察が追ってきちゃうじゃないか」その言葉通りホテルへ殺到するパトカー群。慌ててアンドレアスとダヴィラは逃げ出します。そしてアンドレアス、「テメー、このミスの責任を取れ!」胸倉つかむとあら、不思議、ダヴィラ死んでしまったのです。心臓麻痺とかそういうことなのかなあ。

 アンドレアスはマラと豪華客船へ乗り込み、次の目的地プエルトリコへ。

 プエルトリコ警察はサントと協力して税関に網を張ります。あ、プエルトリコの警部さんはあのカルロス・スアレズじゃないか。鬘を被っているから一目見ただけじゃ分からなかったぞ(笑)。これにまんまと引っかかったアンドレアスとマラ。警察は勇んで彼らの荷物を調べるのですが密輸品は何一つ出てこなかったのです。不本意ながら彼らを釈放せざるを得ませんでした。

 悔しがるサント、とその彼にウー・リーから電話が入るのです。「サント、どこそこあそこの埠頭に来て、アンドレアスたちも来るわ」サントは「一体この人はなんであちこち飛び回っているんだろう、ダンサーの仕事ってそんなに忙しいのかね」と思いつつも(笑)他の手がかりがないので指定された埠頭へ。すると本当にアンドレアスとマラがやってきた!彼らはどうやら船腹に取り付けてある箱に真珠を隠しているらしく、これから取りに行こうとしていたのでした。彼らがボートで出発。サントとウー・リーも後を追います。

 アンドレアス、ボートから海へ飛び込みます。一応ボスなんだからアクアラング使えば良いのにやっぱり素もぐり(笑)。ここでサントも海へ。アンドレアスと水中の戦いになります。アンドレアス、サントを突き放し、箱から真珠を回収してボートへ。しかしなんとしたことか、マラ、彼から真珠を受け取ると水中銃で射殺してしまったのです。そしてなんとウー・リーもサントが戻ってくるのを待たずにボートを走らせたのです。この二人はぐるで最初から宝石奪取を狙っていたのです・・・なんか、ヘンだな、おかしいな、でもサント映画だから仕方ないか。

 哀れなのはサント、海に取り残されて呆然としております。

 さて、豪華客船に乗り込み船旅を満喫している女二人。首尾よく真珠を奪ったので乾杯しましょうということになりましてルームサービスでシャンパンを頼みます。しかしシャンパンを持ってきたボーイを見て二人は口をあんぐり。なんとサントその人ではありませんか。サントは唖然としている二人にシャンパンを渡し、自分もグラスを掲げて「さあ、お嬢さん方、乾杯といきやしょう」

 サントと女二人は甲板で日光浴。サントはボーイを呼んで「おう、ちょっくらメキシコ警察の旦那に電報を頼む。サントは二人のセニョリータとバカンスを楽しみますってな、頼んだぜ」そしてサント、居心地悪そうな二人の女に、「さあ、あんた方もこの陽射しを楽しんでくんな。あとはずーっと日陰の暮らしになるんだから」要するに後は刑務所暮らしだよということであります。

 この洒落た台詞の後、エンドマーク。

 いくらサント映画でもこんなにテキトーなのは困ります(笑)。

カラー・スタンダード モノラル・スペイン語音声。映画の内容もアレですが画質・音質も良くありません。特に画質は暗い場面で何をやっているのかさっぱり分かりません。ノイズも酷いです。OXXO FilmsDVD

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『Cult of the Cobra』 (1955)

 

Cult of the Cobra (1955)

 コブラ教団の秘密の儀式を見てしまったアメリカ人兵士たちに襲い掛かる恐怖の人間コブラ。人間コブラってどんな奴なんだとわくわくしながら見たのですが結局登場したのは単なるコブラでしたとさ。

警告、警告、このDVDのリージョンは1です。したがって日本国内のDVDプレーヤーでは再生できません。警告、警告。

時は1945年、ところはインドの市場のようであります。そこを練り歩くのが数日後に復員を控えたアメリカの兵士たち、ポール(リチャード・ロング)、トム(マーシャル・トンプソン)、ピート(ウィリアム・レイノルズ)、カール(ジャック・ケリー)、リコ(デヴィッド・ジャンセン キンブル先生お疲れ様です)、ニック(ジェームズ・ドブソン)。故国の家族、恋人たちに何かお土産を買って帰ろうという算段でございます。そんな彼らの目を引いたのがインドならではのコブラの曲芸。これに目を止めたポール、彼は考古学の学生だったようで「そういえばドクター・シンドラーから気持ち悪い伝説を聞いたことがあるよ。人間を蛇に変身させる秘密の儀式を行う部族がいるそうだ」みんなは当然、そんなのウソでーと笑うのですが、コブラの曲芸師ダルー(レオナード・ストロング)がいきなり「旦那方、それは本当の話でございますよ。その部族はラミア族といいまして、あっしもその一員なのです。今夜9時にその儀式が行われるのです。あっしが案内差し上げましょうか」

 「ええ、本当に見られるのかい、だったら頼むよ」とはしゃぐポール達。ダルーは「じゃ、旦那方、一人頭15ドルいただきましょう。おっと、今前金として10ドル頂きますよ。じゃあ午後8時にカフェ・ブリストルでお待ちしてます」ここでダルーはニヤリとして「写真撮影はお断りです。踊り子さんにも手を触れないで下さい」

 さて、その約束どおり午後8時にカフェ・ブリストルでダルーと再会した兵士たち。彼によって儀式が行われるという神殿に案内されるのです。ダルーは彼らに儀式用のローブを渡し「これで顔を隠してください。余所者には禁制の儀式です、ばれたら殺されます。あっしだって命がない」こんなこと言われたんだから止めとけばいいのに、戦争を潜り抜けてきたアメリカ人は違います。「脅かしたって駄目さ、さ、早く案内してくれよ」

 はい、その蛇変身の儀式が始まりました。と言っても最初はコブラが刻んである祭壇の石の前で男が踊るだけ。退屈したアメリカ人たちは己の立場を忘れて野次を飛ばし始めます。「おいおい、男の踊りなんか見たくないよ、サービス悪いよ」「さっさと蛇だしなよ、こちとら15ドルも払っているんだぜ」もー、ダルーははらはら(笑)。儀式は進んで次に剣を持った男が現れ踊っていた男と戦う振り。これがコレが一段落ついていよいよ本番、蛇娘の登場です。祭壇の前に置かれた大きな籠から蛇がにゅっ、あ、本物かと思ったらレッドスネークカモンだ(大笑い)。続いてイエロースネークカモン!アメリカ人たち呆然としております。

 そして蛇の鱗模様の全身タイツをまとった女が籠の中から這い出してきた。ええ、人間が蛇になるってこれかよ!女はぐねぐねと這い進み、踊っていた男に絡みつきます。男の首に噛み付いて籠へ戻る女。この時皆から離れた位置にいたニックがカメラを取り出した。彼は愚かにもこの儀式を撮影したのです。パシャッと光るストロボで儀式会場は大パニック。「うわあ、余所者だ、余所者だ、秘密を見られた殺してしまえ、ついでに案内してきた裏切り者もやっつけろ」あっという間に捕まって刺し殺されるダルー。

 アメリカ人たちは襲ってくるラミア族を殴ったり蹴ったりの暴行で撃退、そしてあろうことか儀式場のカーテンに火をつけやがった!これは酷い。その間、ニックは女が這いこんだ籠を奪おうとします。この時中からコブラが顔を出したのでびっくりするニック。これはあの女がコブラになったということですかねえ。

 この儀式を取り仕切っていた神官、このアメリカ人たちの蛮行に怒り狂って「テメー、よくもやりやがったな。呪いをかけてやる、呪いで一人ずつ殺していってやる、覚えていろ、コノヤロー」この場合、どっちかというと神官の方が正しいですな(笑)。神聖なる儀式に忍び込み写真を撮影、見つけられたら放火して逃げるなんざいくらなんでもやりすぎですよ。

 アメリカ人たちはなんとか儀式場を脱出。ジープで逃走します。しかしそのとき誰かが「おい、ニックがおらんぞ。どうしたんだ」そのニックいつの間にか彼らの前方の道路に倒れていたという・・・。ニックを助け起こしてみるとその首にはコブラに噛まれたと思しき傷跡が。「やばい、病院に連れて行かなきゃ」この時ポールは怪しい女を目撃します。彼は女を追ったのですが途中であえなく見失ってしまいました。

 病院へ担ぎこまれたニックは幸いにも軽傷でした。すぐにコブラの毒を取り除く治療が行われまして意識を取り戻します。ホッとする仲間たちですが、その夜、開いていた窓からコブラがにゅーっ。目を覚ましたニック、それを見て絶叫します・・・。

 ニックは死にました。彼の治療に当たったドクターはポールに「不可解なことだらけなんだ、昨晩、治療は完璧に行った。でも彼はまたコブラに噛まれたらしいんだ。そんなことはあり得ないけれどもそれ以外に説明のしようがないんだ」ポールは「復員間近だったのになんてことだ」と悲しむのですが、もうどうにもなりません。彼は仲間と共に輸送機に乗り込んで4年ぶりの故国へ戻るのです。この輸送機の中で彼がトムとジュリア(キャサリーン・ヒューガス)という女性を巡って三角関係にあること、リコがお父さんのボーリング場を受け継ぐことなどが話されます。

 そしてあっという間に月日がたちまして、ポールとジュリア、あっさり結婚が決まってしまいました(笑)。彼らはリコが経営しているボーリング場へ行き、そこで遊んでいたトムと対面。ジュリアは彼に自分はポールと結婚することになったと告げるのです。がーんとなったトムですが、そこは男らしく「そうかい、うん、おめでとう」と祝福するのでした。

 実はトムとポールはルームメイトの間柄、今夜はポールはジュリアとしっぽりということで(笑)一人部屋へ戻るトムです。寂しく一人寝しておりますと、向かいの部屋から「ひいいいい」という女の悲鳴。なんだなんだと駆けつけたトムの目に映ったのは「痴漢よ、痴漢が部屋に入ろうとしたの」と怯える美女でありました。彼はその痴漢を見つけようとしていろいろ探すのですが結局見つかりません。しかしトムはこの親切な行いに感激した女、リサ・モーヤ(フェイス・ドメルグ)と急速に仲良くなり田舎から出てきて一週間という彼女をニューヨーク見物に連れ出すことになったのでした。

 この美女、リサ・モーヤこそ、倒れていたニックの側で目撃された女だったのです。

 翌日一日、彼女とトムはニューヨーク見物。エンパイアステートビル、自由の女神なんか回ります。ホットドックスタンドでホットドック食べたりしてまるっきりデート気分。ついにキスまでしちゃうんですよ。まったく戦争に勝った国の人はやることが早くていけませんなー。
 
 トムは彼女をポールに紹介します。その時彼らの部屋に招かれたリサは飾られている仲間たちの写真を見て早速情報収集。「この人、戦友?」「うん、リコっていうんだ、近くでボーリング場を経営しているよ、ああ、そいつはカールと言ってね、今度の日曜パーティを開くから一緒に行こう」リサの眼がぎらりと光ります。

 この後、夜中だというのにリサは外出。行く先は当然ながらリコのボーリング場です。そのリコ、店じまいをして後片付けの真っ最中。誰もいないのにボーリングのピンが倒れたので、すわ、コブラがでてくるかと思ったのですが何にもなし。車に荷物を積み込んでいたらいきなり後から背中を叩かれたので、さあ、やられるかと思ったら近所のおばさんでした。こんなギャグはいりません(笑)。この後車に乗り込んだリコ、ようやくコブラが後部座席から出てきてリコの首にがぶっ。彼の運転していた車は歩道に乗り上げて横転します。即死するリコ。その現場から足早に立ち去るリサであります。

 次の場面はリコのお葬式。リサと共に出席していたトム、ポールはカールたち仲間に「そんな戦争をかすり傷も負わずに生き抜いた男がなんで交通事故で死ぬんだよ」と呻いております。「本当に蛇の呪いじゃないのか」でもカールは「でもそれはそれとして日曜のパーティの予定は変わらないからね、みんな出席してくれよ」だって。能天気な奴はどこにでもいるものでございます。

 トム・リサ、ポールは彼らのアパートメントまでそぞろ歩き。途中馬車の馬がリサの姿を見て暴れだします。これ以前にもトム・ポールの飼い犬が怯えたり、リコをやっつけに行くとき出会った猫にうなられたり、どうもリサと動物の相性はよくありません(笑)。

本当にリコの死をそれはそれと割り切ってその夜のパーティに出席するみんな。トムは勿論、リサを伴っていたのですがどうした訳かリサがカールと実に親密そうに踊り始めたではありませんか。これを見たピート、「ウウーム、どうも僕はあの女性に見覚えがあるような気がするんだがなあ」ポールは驚いて「君もそう感じるのか。一体彼女は何者なのだ」二人の疑問に答が出ぬまま事件が起こります。あまりにぴったりくっついて踊る二人にトムが激怒。「俺の女に何をするんだ」ボカーンとカールを殴り倒してしまったのであります。トムはリサを連れてとっとと帰ってしまいました。

 ポールもジュリアを彼女のホテルへ送っていきます。その車中、ポールはこんなことを言い出したのでした。「是非、トムの彼女にあってやってほしいんだ。そして同じ女のカンで彼女が何者か見極めて欲しいんだよ」ポール、それはムチャです(笑)。ジュリアは驚いて「まあ、何を疑っているの、彼女がどうかしたの」ここでポール、彼らがインドで体験したことを彼女に話したのです。無論、「秘密の儀式に無断でもぐりこみ、見つかったら放火して逃げた」なんて都合の悪い部分は外して(笑)。「んまあ、それでは彼女がその蛇女だというの」「確信はないんだけど、だから確めるために一度会ってくれないか」

 さて、アパートに戻ってきたリサとトムは彼の部屋でしばらくお話。「あなた、前はジュリアが好きだったんでしょ」「いや、今、愛しているのは君だけさ」なんて会話が交わされる訳です。どうやらトムのみならず、リサもトムを想いはじめているよう。好きな男と蛇神の呪いの板ばさみということなのでしょう。トムはリサにキス。しかしその板ばさみの苦悩ゆえかそれ以上の関係に進展することなくリサは部屋へ戻ります。今夜こそと思い定めていたトムはがっかり。しかし、その後すぐ彼はリサが手袋を忘れていったことに気づいたのです。「よっしゃ、また部屋へ押しかける理由ができた」トム、早速リサの部屋へ。しかし、彼女は部屋にいませんでした。どうやら細く開けられた窓から出て行ったようであります。

 リサ、その足で向ったのがカールの高級マンション。「さきほどはごめんなさい。パーティを台無しにしちゃって」丁度最後の客だったピートを送り出したばかりのカール、鴨が鍋に入ってつけだれ、固形燃料付でやってきたみたいなこの状況に相好を崩して「なになに、そんな君のせいじゃありませんよ、ささ、ずずっと入ってくださいな」しかし彼が酒の用意をしている間にリサはヘンシーン!コブラとなって襲いかかったのです。カールは恐怖に叫びながらもとっさに中国製の置物をコブラに投げつけます。しかし、そんなことでひるむコブラではありません。さっとカールの懐に入り込んでがぶっ。「ぎゃあああ」カール、さらに勢い余って窓からはるか下の路上へ落下したのであります。

 たちまち集まってくる野次馬。その中には先ほどカールの部屋を辞したピートもいます。彼はリサに気がついて駆け寄ると「カールだ、見ないほうがいい」 しかしこの時ピートは彼女に対して決定的な疑いを抱いたようです。リサはアパートへ戻ります。とそこで待ち構えていたのがトム。ソファーで寝ていた彼はリサの気配に目を覚まし、「おお、ダーリン、一体どこへ行っていたんだ。もう午前3時だぜ」ジュリアは悩ましい瞳でトムを見つめます。「あなたとのことを考えていたら眠れなくなってしまって散歩していたの」随分と長い散歩です。「私には成し遂げなければならないことがある。だからあなたの愛を受け入れることはできないの、でもでも、私もあなたを愛してしまったの」「おお、では僕と君は・・・」キスしようとするトムを遮って「そんなカンタンなことじゃないのよ、とにかく今晩は帰って頂戴」

トム、またもお預け。

 翌日トムとポールは警察に呼び出されます。何者に突き落とされたカール、これは先のリコのときとは違って明確な殺人事件だということで特にカールを殴ったトムは「その恨みでやったんじゃないの」と警部(ウォルター・コイ)から疑われております。しかしその疑いは犯人が部屋に残していった血液を調べることでなくなりました。トムの血液型とは違っていたのです。


 ここでポール、ついに警部に例の呪いのことを喋ってしまいます。そしてその犯人はリサだと告発したのであります。警部は一笑にふしたのですが、トムはそうもいかず激怒。「テメー、俺のガールフレンドを連続殺人鬼呼ばわりかよ、もうお前とは友達でもなんでもないや」と帰っていってしまうのでした。でもトム、女優であるジュリアが出演するショーのオープニングナイトにはやっぱり行くつもりなの(笑)。

 リサがこのオープニングナイトのために部屋でドレスアップしておりますと呼び鈴がリーン。トムかと思ってドアを開けたら入ってきたのはピートだったという・・・。彼はいきなりリサのドレスに手をかけて左肩をむき出しにします。そこに現れたのははい、間違いなくカールに置物投げつけられた時の傷であります。「これで決まった、お前がカールを殺したのだ。お前はラミア族だな。インドで倒れていたニックのそばにいた女は君だったのだ、ようやく思い出した。さあ、警察へ行くからそこできりきり白状せい」

 まあ、リサはコブラに変身して驚きおののくピートを殺しちゃう訳ですが。そ知らぬ顔で部屋を出てトムと劇場に出かけるリサであります。

 しかし、ここで急展開。リコ、カールの死体からコブラの毒が多量に検出されたのです。「ほら、警部、やっぱりコブラの呪いなんすよ」警部は今だ半信半疑でしたがとにかくリサを調べようということになります。ポール、部下を連れてアパートへパトカーで駆けつけたのですが既に彼女は出かけた後。見つけたのはピートの死体だけだったのです。ポールははっと気がつきます。「そう言えばリサとトムはジュリアのオープニングナイトに行ったのでは」彼は急いで劇場の受付へ電話。丁度やってきたトムに連絡をつけることに成功します。同道していたリサ、彼が電話をしている隙にそっと離れてジュリアの楽屋へ向うのでした。彼女はポールが楽屋にいると思っていたのです。

 ポールは電話に向って叫びます。「ピートがリサの部屋で死んでいた。首にコブラの噛み傷があった。やはり彼女が犯人なのだ。頼む、トム、彼女を見張っておいてくれ!」ピートが死んでいたとなってはさすがにトムも彼女の犯行を信じざるを得ませんでした。彼はジュリアを探します。

 一方、楽屋へ戻るジュリア。するとポールが戻ってきたと勘違いしたコブラ=リサがクローゼットの中からずろずろと這い出してきた。ゴキブリや鼠ならともかくコブラが楽屋にいたら誰だって仰天します。ジュリアは「ぎゃあああ」という悲鳴。これを聞いたトムが楽屋に飛び込んできて鎌首もたげたコブラにコートを被せてしまいました。そして椅子でどっかんどっかんドついた挙句、帽子掛けの先端にコブラを引っ掛け外へぽいっ。コブラ、2階の窓から路上へ叩きつけられて死んでしまいましたとさ。

 これを見に行くトムとジュリア、そして最高のタイミングでやってきた警部とポールたち(笑)。彼らが見守る前でコブラはその姿をリサに変えるのです。「リサ」呆然とするトム。そしてはっと気がついて「てことはおれ、コブラにキスしたの。うわあ、気持ち悪いぺっぺっぺ!」と喚いて余韻を台無しにしたところでエンドマーク。

ええ、この「ぺっぺっぺ」は私の考えたギャグですからね。映画にこんな場面はないですからね。勘違いしないでくださいね。

モノクロ、スクイーズのワイドシネスコ モノラル音声。画質はすべらかで見やすいのですがもうちょっと解像度が欲しかった。音質は良好。「クラシック・サイファイ・アルティメイト・セットVolume 2」(『The Deadly Mantis』『Dr. Cyclops』『Cult of the Cobra』『The Land Unknown』『The Leech Woman』を収録したボックスセット)。Volume1と同じくお洒落なアウターケースがついた豪華なボックスセット。こんなDVDセットならわたしゃ100兆万枚欲しい。英語字幕つき。ユニバーサルのDVD

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『Idaho Transfer』(1973)

 

Idaho Transfer(1973)

 ピーター・フォンダ監督のSF映画。ピーター・フォンダなのだからさぞかし面白い映画であろうと思ったらトンデモない、意味不明で頭が痛くなってくる酷い代物でした。こんな映画ばっかり見ていたら、あなた、人生の道を踏み外してしまいますよ!

溶岩で覆われた荒野、ここを蛇がずろずろと這っています。と、若い男がこの蛇を棒の先にわっかになったロープのついている捕獲器具で捕らえます。そしてタグをつけてまた逃します。どうやら彼はここで何らかの調査をしているようです。男はトランシーバーを使って仲間の若い女イーサ(キャロライン・ヒルデブランド)に連絡します。イーサはノートになにやら書き込んだのちに「じゃ、あたし、先に帰るから」どこへ帰るのかといいますと、これが重たい鉄の扉をスライドさせて地下へ降りていくという。その中にはベンチがあって、正面の壁になにやら操作パネルがついております。イーサはやおら靴を脱ぎ、ズボンを脱ぎ(笑)、ノートパッドと一緒に金属の箱へ収めます。パンツ見せたイーサ、ベンチに跨って操作パネルのボタンをスイッチオン。するとなんということでしょう、イーサの姿がゆらゆら揺らめいて消えてしまったではありませんか。

 この時カメラはベンチに跨ったイーサをわざわざ正面から撮っております。そんなにパンツを映したいのか、お前は。

 再びイーサが現れました。しかし一瞬のうちに周囲の様子が変わっています。ここは地下の研究施設のよう。ベンチから降りたイーサは金属の箱からズボンとブーツを取り出して身に着けます。そして重そうなドアを押して外へ。一体何が起こっているのかと申しますと、これがトランスファーと呼ばれるタイムトリップだったという・・・。彼らはあのベンチ型タイムマシンを使って今から56年後の世界と現在を行き来していたのです。その56年後の世界は溶岩に覆われた死の世界でした。まったく人の生存が確認できなかったのです。つまり今から56年の間に全世界的なカタストロフィが発生、地球は死の星となっていたのです。この研究施設の科学者たちはこの事態を避けるために大勢の男女をトランスファーさせて56年後の世界に再び文明を再建しようとしていたのでした。

 このタイムマシン、金属のものを身につけたままタイムトリップすることはできません。眼鏡やズボンのジッパーも駄目。イーサがズボンを脱いでいたのはこういう訳だったのです。女性のパンツを見せて客を引こうなんぞというさもしい意図があってのことではないのです。皆さん、分かりましたね。

 イーサはこの後父親のジョージ(テッド・ダーマス)とお話。この会話で彼らはこの研究を政府に秘密にしていること、イーサの妹カレン(ケリー・ボーナン)が研究に加わることが分かります。喜んでカレンを迎えにいくイーサ。そして車でドライブです。この車中で話される会話が凄い。「カレン、あなた、恋人は」「いないわよ」「え、じゃあ、まだバージンなの」「姉さん、聞いてなかったの?私数週間前にレイプされたの」え、えええ、いきなりなんでこんな話に?いちおう、このトラウマでカレンが人を信用できなくなってしまったということらしいのですが、あいにく、この伏線あんまり生きていないんですよね(笑)。それにイーサもさらっと流すな、レイプだぞ、もっと驚けよ。

 このドライブの最中、男女のヒッチハイカーをピックアップ。このフリーでオーガニックでエコロジカルな生活を送っているヒッピーを意味ありげに見つめるイーサとカレン。何か起こるのかなと思っていたらあにはからんやあっさりと降ろしてしまったのです。

 研究所に戻って飯を食い、ようやくトランスファーする姉妹。ちゃーんと今度も二人ともズボンを脱ぐのでご安心下さい(笑)。カメラだって股広げて座っている彼女達の正面から映しますとも。

 初めてのトランスファーに不安そうなカレンでしたが、無事に未来に到着。二人は早速調査を開始します。ところがこの時イーサが足を滑らせて岩の割れ目に落っこちてしまったのです。後頭部を激しく打ち付けてイーサ。カレンは慌てて彼女を助けトランスファーで戻ります。ところがこの時研究所には誰もいませんでした。「誰か、助けて、姉さんが大怪我したのよ」誰も見つけられずトランスファールームに戻ってきたカレン。彼女の目が大きく見開かれます。なんとイーサがゲロを吐いて死んでいたのでした(大笑い)。

 これからぱっと時間が過ぎまして、カレン、姉の死を直視するのがイヤでずーっと未来に行っております。仲間たちが持ってきてくれるジョージの手紙も無視。彼女は仲間たちの中で孤立しています。

 さて、未来移住計画が本格化。一度に20名ほどの男女がトランスファーしてきます。まだ赤ん坊もいないのに「未来にはないから」と行ってわざわざ乳母車を持ってくる慎重さがオカシイ。この時彼らの会話から研究所の秘密がついに政府に洩れたらしいことが分かります。実際、政府のエージェントに仲間が何人も捕まっているようです。

 ここでカレン、仲間たちがいなくなったのを見計らって現在へトランスファー。何をしたのかというとトイレで自分の体を水で拭いてトイレットペーパーを調達していたという・・・(笑)。たしかにあんな未来ではちゃんとしたトイレットペーパーの確保は難しいですからな。しかし、この時既に研究所は政府の管理下におかれていました。警報がなって警備員が駆けつけてきたのです。カレン、大ピンチですがその彼女を救ったのが偶然居合わせたロナルド(ケビン・ファースト)。彼はカレンを助けて一緒にトランスファー。なんとか逃げ延びることができました。これで二人は仲良くなって「寒いわ」「僕が温めてあげよう」とかなんとか言っちゃって抱き合うのでありました。

 カレン、トイレの体洗いの場面でおっぱいポローン。結構嬉しかったですね(笑)。

 ところがこの後研究所の方からスイッチを切られたらしく、タイムマシンは動作不能に。仲間たちは相談の上、手分けして地球の生存者を探しにいくことになりました。彼らはタイムマシン警護のために二人を残し荷物を持って歩き出すのです。

 この後すぐに別れてしまう仲間たち。カレンなんかロナルドと二人っきりですよ。なんでみんな一緒に行動しないんだ。ここからだらだらと歩くカレンとドナルド。いつまでも歩いています。何時もより余計に歩いております。そしてついに二台の朽ち果てた自動車を発見、調べ始めるのでした。

カレンは車に乗り込みます。そしてキーがついたままなのを見つけて「ロナルド、鍵よ、車盗みたくない」という実につまらない冗談を言います。その後後部座席に乗っていた子供のおもちゃやぬいぐるみをみて途端に感傷的になったカレンは車を飛び出すのでした。

 その後もだらだらえんえんのんのんずいずいと荒野を歩く二人。途中でサバイバルハンドブックを見ているロナルドが笑えます。そして次に彼らが見つけたのは古ぼけた貨車の列でありました。ロナルドはここを調べようとするのですが、カレンは「いやー、あたし超疲労だから行きたくない」なんてことを抜かしましてロナルドと観客をむっとさせます。仕方なしに一人で調べにいくロナルド。

 ここで彼らの後を追っている二つ目のグループに場面が変わりまして、メンバーのうち、ルイスが失踪したという騒ぎになります。このルイス、腎臓を悪くしておりましてこのままではみんなに迷惑をかけてしまう、そうなる前に離れて一人で死のうということらしいです。

 また場面が変わって列車を調べるロナルドになります。ロナルド、貨物車の扉をがんがん石で叩きましてなんとかこじ開けます。カメラは貨物車の反対側から映していますのでその内部は見えません。ここでどーんと深刻そうなBGMがなります。内部は見えないけれども、これで何か大変なものを見つけたことが分かります。カレンの下へ戻るロナルド。「何があったの」私も興味しんしんです(笑)。「プラスティックバックに入ったたくさんの死体さ。どうやらどこかへ死体を纏めて輸送していたらしい」

 そうするとこの全地球的なカタストロフィというのは疫病の発生だったのでしょうか。感染を恐れた生存者たちが死体を処理するために運んでいたのでしょうか。でもこの謎は最後まで明らかにされませんので考えても無駄であります(笑)。

 この後突然、カレンは「私妊娠したみたい」びっくりするロナルドです。まあ、絶対ロナルドとの子供だと思いますな。ところがカレンたら「アーサーの子供だわ!」「はあっ?」愕然とするロナルドと観客達。私は思わず「アーサーって誰?あ、そうだ、キャンプに残った男だ」

 この訳の分からない妊娠事件の後、他の男女と合流するカレンとロナルド。後からやってきたグループはどうも精神遅滞があるらしい女性を連れております。なんと、この女性、たった一人見つかった生存者なのです。いや、彼女を見つける場面とか全然ないんですよ。いきなりみんなの中に一人いるんですよ。それで生存者でございとか言われても納得できませんよ。カレンは他のみんなに向って「私妊娠したの」宣言。しかし皆は顔を見合わせて「おい、ロナルド、言ってなかったのか」ロナルド、非常に苦しそうな顔をします。「あんまりカレンが嬉しそうなので言えなかったんだ」

 なんと、トランスファーの影響で全員不妊になっていたのです。な、なんじゃ、そりゃと同時に叫ぶ、カレンと私。そんなの最初から絶滅した人類を立て直すという計画そのものが成り立たないじゃないですか。絶望したカレン、塞ぎこんで皆から離れてしまいます。

 そしてこの女はついに決意。皆が寝ている間、ありったけの水のボトルを盗んで一人、タイムマシンのあるキャンプに戻っていったのです。これ以降、ロナルド他のメンバーはお役御免となります。いくらなんでもそれは酷いです。カレン、また延々と歩いてついにキャンプに到着。彼女はキャンプに残っている筈のアーサー、ジェニファー、そしてもう一人の女を捜すのですが何か様子がへん。蝿がぶんぶん飛び回っております。人類絶滅してもちゃんと蝿がいるらしいです(笑)。その羽音をたどったカレン、穴のそこで死んでいるもう一人の女を発見。さらにタイムマシンの中でアーサーが死んでいるではないですか。

 なに、これ、いや、キャー!悲鳴を上げるカレン。この時突如として発狂したジェニファーが襲い掛かるのです。カレン、タイムマシンへ逃げ込みます。中から鍵を掛けたのですが、タイムマシンは作動停止中。これではどうにもならないわとすすり泣くカレンですが、この時突然、タイムマシンが復帰したのです。喜んだカレン、急いで服を脱ぎタイムマシンを作動させ現代へ戻るのでした。

 研究所ではトランスファールームで警備員がお弁当を食べていました。彼は突如現れた上半身裸の女を見てびっくり仰天。ひゃああとお弁当放り出して助けを呼びに行ったのです。カレンは警備員に向って「助けて、私はみんなが死んでしまう前の時間に戻らなくてはならないの、やり方教えて」警備員は彼女の言葉を一切無視、ばーっと逃げてしまいます。舌打ちしたカレン、どうしたのかというと食べかけのお弁当で腹ごしらえした後、テキトーにタイムマシンの操作盤を弄り始めたのです。そして一応セットできたと思ったカレン、再びトランスファーするのです。

 ちなみにこの操作盤、テプラでダイヤル類の名前が貼り付けてあります。言いたくないけど恐ろしくショボイです。

 さあ、トランスファー終了。外へ出るカレン、しかし様子が変です。キャンプに立てていた旗の金属製ポールがぼろぼろになって倒れています。死体も骨になっています。そうです、この馬鹿女がテキトーに操作盤弄ったために、彼女はみんなが死ぬ前どころか、さらに未来にやってきてしまったのです。

 呆然として歩くカレン。といきなり未来風の男が現れて彼女を拉致、未来風の車のトランクに放り込みます。未来風の男は未来風の車に乗り込んで発進。未来風の車の中には未来風の奥さんと未来風の女の子がいました。未来風の女の子は未来風の男、お父さんに話しかけます。「ねえ、お父さん、彼らはもうすぐいなくなっちゃうって本当?そしたら私たちは何を食べればいいの」どうやら、この未来風人類、旧人類を食料やエネルギー源として使用している模様。未来風お父さんは未来風女の子に応えます。「いま、他の方法が考えられている。心配することはないよ」しかし未来風の女の子はさらに「でもそのほかの方法が上手く行かなかったらどうするの、私たちは共食いになるの」

 この訳の分からないラストで映画はおしまい。あ、ちょっとちょっと私はこの映画を紹介しただけなんだから、私に怒ったってしょうがないでしょ、ちょっとちょっとやめてくださいよ。ああ、ぶたないでぇ!

カラー・スタンダード モノラル音声 これも音声が酷いなあ。バックグラウンドノイズが大きくておまけに音が歪んでいる。私もよくもこんなDVDにつきあうものです(笑)。12枚のディスクに50本の映画を収めたNightmare Worlds 50 Movie Pack CollectionMill Creek EntertainmentのDVD。

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2008年7月 4日 (金)

『In Hot Pursuit』(『Polk County Pot Plane』 1977)

  『In Hot Pursuit』(『Polk County Pot Plane』 1977)

やけにコミカルなオープニングの音楽でコメディの映画と思ったらあにはからんや、麻薬の取引を失敗してひたすら警察から逃げ回るというつまらない映画でございました(笑)。登場人物の名前がオーシュ(ドン・ワトソン)、ブーシュ(ボビー・ワトソン)、機長(ベン・フィールド)とやけにカンタンなのも私の不安を掻き立てます。劇中登場の飛行機DC-4はN67038が演ずるというクレジットによるギャグもつまらない。

 さて、映画が始まりましてぶんぶん飛んでいるDC-4。機長は眼下の空き地にキャンピングカーが止まっているのを見つけて「よし、着陸するぞ」見事な腕でDC-4を着陸させます。キャンピングカーに乗っていたのはオーシュ、ドーシュと他名前の分からぬ二名。これはもちろんマリファナの取引です。金と交換にキャンピングカーに麻薬の袋がどかどかと積み込まれていくのです。ところがこれを警官隊が見張っていた。彼らはなぜか「取引終了して飛行機が離陸しようとするまで待って」から現場に突入。機長、慌ててDC-4を離陸させようとします。前方をパトカーに塞がれたのですが必死の思いで機首を持ち上げなんとか離陸に成功。

 積み込みやっている時点で踏み込んでいれば飛行機もラクに捕まえられたのにね。

 一方、そんなことがあったとは夢にも知らず暢気にキャンピングカーを走らせるオーシュとブーシュ。いや、タイミングから言って絶対気がついてない筈はないのですが(笑)。オーシュとブーシュ、ようやくパトカーに追われていることに気がつきまして、「こら、やばか、飛ばすバイ!」ここから延々続くカーチェイス。オーシュは何とかパトカー群を振り切ろうと二度も三度もわき道に入るのですが、パトカーはやすやすと後をついてくる。わき道に入るたびに道路事情が悪くなって最後はまるでけもの道ですよ(笑)。そして再び幹線道路へ出たキャンピングカー。ブーシュはショットガンを取り出すと「きさん、死ね、死ね」とパトカーに乱射します。対するパトカーは体当たりでこれに応えるという妙に迫力タップリのアクションシーンでありますな。

 さて何時までも続くかと思われたこのカーチェイスですが終わりは唐突にやってきました。対向車線を走ってきたブルドーザーを積載した大型トラックがキャンピングカーに衝突、その屋根を削いでしまったのです。この時おじさんが運転していた乗用車も巻き込まれてクラッシュ。キャンピングカーはふらふらと横道に入って、ついに林の中でパトカーに包囲されてしまったのでした。オーシュ、ブーシュ、他二人は会えなく逮捕。手錠をかけられ裁判も何もなしでクレイトン郡刑務所へ送られてしまったのです。

 追突したトラック、スピードを緩めもしないでそのまま走り去ってしまいます。いや、ぶつかったんだから止まれよ(笑)。そしてこの事故に巻き込まれてぐしゃぐしゃになったおじさんの車がとぼとぼ自宅に戻ってきて奥さんに「ンマー、車がぼろぼろばい、あんた何したとね」と怒られるつまらないギャグもあってサービス満点。

 さて、刑務所に入れられたオーシュとブーシュと他二人、オーシュだかブーシュだか(見分けつかないの、この二人)は恋人のデニース(ウィロナ、ミリーズ)に電話を掛けて「おいたち、4人捕まったとばい。クレイトン郡刑務所におるけん、キングピン(ボス)に知らせちゃらんね」さっそくデニースが叔父であるキングピンに連絡します。キングピンは麻薬組織の幹部を自宅に呼び寄せて打ち合わせ。「とにかく4人ば脱走させようや」ということになりました。連絡係りとなったのはデニース。彼女はさっそく刑務所へいってオーシュだか、ブーシュだかに面会。「明日の午前11時にヘリコプター飛ばしてくれるごと頼んでくれんね。おいたちはそれで脱走するけん」ということになりました。

 キングピンはすぐにヘリコプターを手配。このヘリコプターが約束の午前11時に飛んできますってぇとオーシュとブーシュと他二人が警備員一人という厳重な警戒の中、屋根の修理をしております。ヘリコプターに気がついた4人、わっと警備員に襲い掛かってやっつけると、ヘリコプターに乗り込むのです。ただ、このヘリコプターの定員は4人。余る二人はヘリコプターのスキッドに捕まって逃げ出すというこれまた迫力たっぷりのスタントであります。下から警官たちがばんばん拳銃やらショットガンを撃ってきたけれどもなんとかヘリコプターは脱出に成功。郊外に下りて迎えの車に4人を引き渡したのです。

 この時4人が囚人服を脱ぎ捨てると下に着ていたのがカーチェイスやっていたときと同じGパン、シャツだったという・・・。もうあまりのいい加減さに私、言葉がありませんよ(笑)。

 さて、キングピンの自宅にやってきた4人・・・って3人しかいないじゃないか。オーシュ、ブーシュと他一人になっているぞ。さらにこの他一人が「きさん、へまばかりしてからくさ、死にやい!」とキングピンに射殺されてしまうという・・・。キングピン、オーシュとブーシュも血祭りにと思いきや、金を渡して「名誉挽回のチャンスばやる。この金でジョン・グラージという男にあってまたマリファナば買ってきやい。グラージは18輪トラックで待機しとうけん、すぐ分かるぜ」そんな目立つ乗り物使ったら警察にもすぐ分かってしまうと思うけれども(笑)。

 で、冒頭と同じ麻薬取引が繰り返される訳です。麻薬運んでくる飛行機も同じ、降りるところも同じ、違いはキャンピングカーが18輪大型トラックになっているだけ。今度は無事取引終了と思われていたのですが、やっぱり警察に緊急配備をかけられてしまって、またまたパトカー対18輪トラックのカーチェイス。もういい加減にしろよ、お前ら(大笑い)。

 これで延々とカーチェイスが続きます。そしてわざとらしく家を丸ごと運ぼうとしている業者が登場。お察しの通りパトカーに追われたオーシュ、ブーシュの大型トラックがこれに突っ込む訳です。この時なぜか移動中の家の中で寝ていた男が残骸の中から出てきてびっくりするというつまらないギャグ第二弾もあり。パトカー群はこの残骸に阻まれてトラックを追うことができません。

 見事パトカー群を振り切った18輪トラック。森の中にある秘密倉庫に到着して任務完了。ほくほくしながら家へってもう誰の家か分からないの(笑)に戻っていきます。そしてボスに作戦成功を電話で知らせるのですが、その返事は「きさんら、このまえ逮捕されてマリファナ警察に押収されたろうが。それに見合う金ば奪ってこんね」それでオーシュとブーシュは今度は現金輸送車を襲うという・・・。彼らは自家用車のカマロで現金輸送車を尾行。彼らが金の積み込みのために銀行に立ち寄ったところを追い越して罠を仕掛けます。わき道に入ってチェーンソーで木を倒し道を塞いだのです。そんなこととは露知らず金を満載した現金輸送車は走ります。もう延々走ります。この間にあの脇道に他の車入ってきたらどうするつもりなんでしょ(笑)。

 まあ、延々待たされた挙句ようやく強盗計画が発動。オーシュ、ブーシュの仲間二人が二台の18輪トラックを使って現金輸送車を追い立てたのであります。取り囲むようにしてわき道に押し込みます。現金輸送車はついにあの倒された木に行く手を阻まれてストップするのでした。オーシュ、ブーシュたち4人は拳銃・ショットガンを乱射。しかしこの時現金輸送車の警備員の反撃によって仲間二人が射殺されてしまったのです。怒ったオーシュ、ダイナマイトに火をつけて現金輸送車に投げ込みちゅどどどーん。警備員たちを吹き飛ばしてしまいました。

 金を回収した、オーシュ、ブーシュ、仲良く並んだ仲間二人の死体に目をやって・・・、そのまま放ったらかして行ってしまいましたとさ。その後またまた繰り広げられるカマロとパトカー群のカーチェイス。もういい加減にしろと思います(笑)。オーシュとブーシュ、あるおばさんがつい先ほど買ってガレージに入れておいた新車を発見。ぼろぼろになったカマロと入れ替えてしまいました。近所の人を集めて得意げに「あたしの新車ば見てちょうだい」とガレージの扉を開いたおばさん、自分の新車がぼこぼこのカマロになっているのを見てううーん、卒倒してしまいましたとさ。オーシュ、ブーシュ、この車入れ替え作戦のおかげで無事逃走に成功します。

 強奪には成功したけれども大切な仲間を二人も失ってしまったと嘆くオーシュ、ブーシュって、そんなに大切な仲間ならちゃんと死体を持って帰れって言うんですよ(大笑い)。彼らはついにボス、サンディに「あの、引退ばさせてくれんですか」と頼むのでした。ちなみにこのボス、サンディは最初に出てきたジョー・キングとは別人。いつの間にか彼の地位を継いでいたんだそうな。90分もある映画なんだからそれくらい説明しろ、コンチクショーと思います。

本当に話の流れが良く分からない映画です。

 もっともただ引退させてくれる訳がありません。二人には最後の大仕事が課せられることとなります。あのいつもマリファナ積んで飛んでくる機長さんがじきじきにオーシュ、ブーシュを尋ねまして「1,000万ドルの大仕事だ。コロンビアからコカイン、マリファナをがば持ってくるばい(たくさん輸入するぞ)。これば四台のトラックに分けて運ぶったい。この仕事が終わればお前らフリーやけん、がんばりやい」「よっしゃ、いっちょブワーとやるばい」と張り切るオーシュ、ブーシュ。

 捜査当局の目をかいくぐるために森をブルドーザーで切り開いて滑走路を作ります。ここに機長のDC-4が着陸してオーシュ・ブーシュの指揮の下、四台のトラックに麻薬が積み込まれます。積載が終わるなり次々と出発するトラック。ところがあにはからんや、これがやっぱり警察に見つかっちゃいまして、作戦失敗。ラジオが「四台のトラック、DC-4を使った大規模な麻薬密輸作戦が警察に摘発されました。トラックは捕らわれています。しかしDC-4はもう飛びたてないので、警察はこれをどうやって運ぶのでしょうか」

 このニュースを聞いたオーシュ、ブーシュは愕然。とりあえず機長を電話で呼び出して今後の身の振り方について相談します。引退するっていっても金がなければどうしようもないですからねー。三人で相談した結果、出てきた結論はがっつり金を溜め込んでいるサンディから金奪おうやないかということでありました。

 彼らは犬を一匹購入し、車でサンディの家へ。そして「なんや、なんや、きさんら、今頃何しにきたと」と出てきた見張りの腕に手錠をがちっとはめるのです。その手錠からは鎖が伸びていて犬に繋がっていたという・・・(笑)。部下はわんわん吠える犬に「ひーっ」恐怖のあまり犬を引きずって逃げてしまったのです。この隙を突いてサンディの家から金庫を抱えて出てくるオーシュとブーシュ(笑)。車に積み込んで逃走します。

 それからどうするのかというともう離陸できなくなった筈の飛行機に、麻薬取引がばれているんだから、当然警察の監視下にある筈の飛行機に、金庫詰め込んでオーシュ、ブーシュ、機長の三人は大空に舞い上がったのでした。エンドマーク。フツー、こういう場合一人くらい警察の見張りついているんじゃないのか。

 カラースタンダード。モノラル音声。画質はともかくとして音が酷い。特に台詞がほとんど聞き取れませんでした。ですから実際の映画と違うところがあってもそれは私のミスではありません。一重にDVDの音が悪いからなのであります。みなさん、分かりましたか。12枚のディスクに50本の映画を収めたNightmare Worlds 50 Movie Pack Collection。Mill Creek EntertainmentのDVD。

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『怪人ブリーム博士』(『The Sphinx』 1933)

 『怪人ブリーム博士』(『The Sphinx』 1933)

口のきけぬはずの男が殺人現場で喋った!この不可解な謎に完全と挑む刑事たち、しかし、その秘密はみんな思っていた通りのアレだったという…。もう1930年代の映画だから許されるのであって、これが現代なら、そんなアレがトリックなんて今時こんな古臭いことやりやがってと観客が激怒、映画館を占拠してチケット代の払い戻しを要求したりするかも知れませんな。

スフィンクスにライオネル・アトウィルの顔がついているタイトルバックに大笑いさせられた後、映画の始まり、始まり。午後9時、ここはとあるオフィスビルの中、ガーフィールド投資会社のドアが開いて一人の男ブリーム氏(ライオネル・アトゥイル)が現れます。彼は「あんた、どこから来ただね。もうビルは閉まっておるんだが」とびっくりしている掃除夫のルイジ(ルイス・アルバーニ)についと近づくと「マッチの火を貸して貰えませんかな。それと今、何時だね」ルイジはもごもごと「今、9時ですだ」と答え彼にマッチを差し出します。それで煙草に火をつけたブリーム氏、紫煙をくゆらすと「んじゃ、さよなら」エレベーターに乗って降りて行ってしまいました。不審に思ったルイジ、ガーフィールド社のオフィスのドアが開きっぱなしになっているのを発見します。恐る恐る中を覗いてみますと、はい、死体が転がっておりました。

 ルイジは急いで警察に電話。やってきたのがジェームズ警部(ロバート・エリス)、ホーガン刑事(ポール・ハースト)、ケイシー刑事(ジョージ・ギャビイ・ヘイズ)の面々。彼らは死体を調べまして「死後1時間くらいだな」「死因は絞殺だから、ひょっとしたらこれは例の連続絞殺魔の・・・」なんてことを話しております。ここでクロニクル紙の新聞記者ジャック・バートン(セオドア・ニュートン)が登場。「マスコミは困る、現場に入るな」というケイシー刑事に「今夜も殺人っすか」と話しかけます。ケイシー刑事は「何で殺人っていうんだ」「いや、それが市の人口調査結果を見たら一人減っているもんで」「じゃあ、お前を二人目にしてやるよ」と凄むケイシー。逆にジャックはにこりとして「じゃあ、やっぱり殺人なんですね」だって。

 これでまんまとケイシー刑事をやりこめたジャック。現場に図々しくも入り込んでしまいます。「何だ、お前は」という顔のジェームズ警部に軽く挨拶して、「うーん、ガーフィールド投資会社ね、どっかで聞いたような気が・・・、ああ、そうだ、これは仲間の株仲買人にお金を持ち逃げされて倒産した会社っすよ。」実はこのところ、三人連続で同じく株の仲買人が絞殺されるという事件が起こっていたのです。ジャックは拳をぱちんと反対の手に打ち付けて「株の仲買人を調べればいいじゃないですかねえ」

 こんなこと言われてジェームズ警部、渋い顔。「何だね、鬼の首を取ったように、そんなアドヴァイスはいらん。我々は有力な証人を確保しとるのだ。彼は犯人らしき男に時間を聞かれたと言っておる。署に戻って彼に前科者リストを彼に見せればいいだけだ」

 さて、翌日クロニクル社へ出社したジャック。同僚の女記者ジェリー・クレーン(シェイラ・テリー)と何時もの軽口を叩き始めます。「ねえ、君は一体何時になったら僕と結婚してくれるんだい」ばかもーん、朝からこんな会話する奴がどこにおるか、ああ、ここにいたァってなもんだ(笑)。とここで現れたのが昨日の刑事、ホーガンであります。彼は嬉しそうに「もう犯人見つけちゃったもんねー。ルイジの証言で見つけちゃったもんねー」驚くジャックに写真を差し出します。「へえ、これが犯人か、どれどれ」しかし写真を見た瞬間、ジャックはむっとして「犯人じゃないだろ、こんなの記事に使ったら訴えられちゃうよ」

 実はルイジが犯人と証言した人物、ブリーム氏は慈善家として有名な大金持ちだったのです。ジェリーもびっくりして「こんな立派な人がそんな大それたことする筈はありませんわ。それに何より彼は聾唖なんです。喋れないですのよ」ホーガンはちょっと困った顔をしますが「何、裁判で全て明らかになりますよ、わっはっは」帰ってしまいました。

 ここから時間がぱっと流れて裁判の開始となります。検察側の証人としてルイジが呼ばれ被告席のブリーム氏を指差して「確かにこの人ですだ。確かにこの人に時間を聞かれましただ」ところがこの後ブリーム氏が生まれつきの聾唖者であることが担当医によって証言され形勢一気に逆転。ついに無罪判決が下ったのです。面目丸つぶれでしょぼーんとなるジェームズ警部たち。逆に大喜びのブリーム氏、弁護人。まあ、確かに勝てる裁判ではありませんでしたな。

 この裁判におけるルイジと弁護人のやり取りが面白い。弁護人、「あなた、ひょっとしたら酔っていたんじゃないですか。ウィスキーなんぞやっておったんじゃないですか」ルイジ、首を振って「おら、ウィスキーなんて飲んだことぁねえ」にやっとして「ジンだけだ」傍聴の人々大笑い。弁護人、「あなただって間違いをおかすでしょう」「おらの一生で唯一つの間違いは・・・今の女房と結婚したことだなあ」また大笑いの傍聴人たち。こういう描写は楽しいですね。

 嫌疑が晴れたブリーム氏、実はジェリーはこの人の大ファンでしてさっそく、「じゃあ彼のインタビューを記事にするわ」と言って屋敷にいそいそと出かけていくのです。これが面白くないジャック、なんとかブリーム氏の怪しいところを見つけようとしてクロニクル紙で事件の情報提供者に謝礼をすると宣伝したのでした。

 屋敷についたジェリー、執事兼ブリーム氏の手話通訳者であるジェンクス(ルシアン・プライバー)に迎えられます。そして中へ案内されてさっそくインタビューの開始。しかし出身地や誕生日を聞こうとする彼女を柔らかな笑顔で遮るブリーン氏。なんと、彼は取材に備えて全ての個人情報を書類に纏めていたというのです。だからインタビューはもう十分、それよりあなたのことを話してくださいとジェンクスを通じて彼女に伝えるブリーム氏であります。頷いたジェリー、言われたとおり自分のことをしゃべり始めます。この様子がいかにも楽しげ。おいおい、ジャック、大変だぞ、酒場でルイジに会ってつまらない話をしている場合じゃないぞ(笑)。

 ブリーム氏とジェリーの会話を終わらせたのは突然訪問したワーナー(ポール・フィックス)という人物でした。このワーナー、彼を迎えたジェンクスに「私に会った方が身のためですぞ」とか言ってます。大変怪しいです。

 一方、ジャックはジェームズ警部のオフィスへ。そして彼は「大変ぶしつけな申し出で恐縮なのですが、私はこれからワーナーという人物に会います。ここで待ち合わせているのです」へ?ワーナーってさっき出てきた男?一体何が起こったのだろう。「うちの新聞社で事件の情報提供者に賞金をかけたのです。彼はそれに応募してきたのです。警部、あなたは別室で私と彼の話を聞いていてくれませんか」

 まあ、新聞社からの情報提供の呼びかけに応じてなぜか記者と警察署で待ち合わせというのはオカシイのですが(笑)。

 ジャック、約束どおりに現れたワーナーを迎えます。打ち合わせ通りジェームス警部に別室に行ってもらってジャックが面談。ところがこのワーナー、飛んだスーダラで「僕、これからデートなんです。だから今晩の8時半に私の家へ来てください」だって。

 定石通り、ジャックと警部に先回りしてブリーム氏がワーナーの家を訪ねる訳です。ワーナーの部屋を訪ねたブリーム氏、帰り際に彼の母親に向かって「ところで今何時ですか」といきなり質問。聾唖の筈のブリーム氏がいきなり喋ったもので驚きのあまりお母さん、卒倒します。そして当然ながらこの時ワーナーは殺されており、後からやってきたジャックと警部を「仕舞った、口を封じられた」と悔しがらせることになります。

 お母さんから話を聞いた警部、「チクショー、ブリームが喋っただと、前の事件と一緒じゃないか、やっぱり彼が犯人なのだ」と叫んで二人でブリームの屋敷に押しかけるのでした。ところがブリームと執事は鋭い警部の追及にもぬかに釘、暖簾に腕押しで、まったく動揺する様子がありません。それどころか「事件のあった午後8時半、ブリーム様は風邪で伏せておられました」なんてアリバイを証言されちゃった。考え込んだ警部、いきなり懐から拳銃を取り出して窓の外に向けてバーン!ジャックと執事はびっくりするのですが、ブリームはまったく反応しません。むむ、やはり彼は耳が聞こえないのか。

 ジャックは「ああ、びっくりした、警部、目ん玉繋がりのおまわりさんじゃないんですから、いきなりピストル撃たないでくださいよ」彼は無意識に置いてあったグラウンドピアノの鍵盤に指を走らせます。これをみたブリーム、拳銃の発射音にはまったく反応しなかったくせに、この何気ない行為にぎょっとしているではありませんか。これを見咎めた警部、屋敷を辞するとジャックに「多分、ピアノの音に秘密があるのだ。私はこれを調べてみるから、君は明日の朝、私のオフィスへ来たまえ」

 といった警部がその夜のうちに殺されてしまうという・・・。

 ジャックは警部の後釜となったホーガンに昨夜のピアノの件を伝えます。「彼は何かに気がついたのに違いないんだ。そして秘密を知られたと思ったブリームが彼を殺したのだ」ここでジャックははっと顔色を変え「不味い、いまジュリーが彼の記事を連載している。取材でうっかり彼の秘密を知ってしまったら殺されてしまうぞ」ホーガンとジャックはジェリーを呼び出して「あいつはアブナイから近づくな」と説得したのですが、すでにブリームの人柄に魅了されているジェリーは聞く耳持ちません。「ンマー、あの人が人殺しですって、そんな訳ないじゃない。それにあたし、あの人が好きなの、だから好きな時に会うのよ」会うのをやめるどころか今夜はディナーの約束があるといって出て行ってしまうのです。

 ホーガン、仕方なくブリームの屋敷を部下に見張らせることにします。

 ジェリーは約束どおりブリームにディナーをお呼ばれ。食後、二人はソファーに移って執事に手話通訳してもらいながら楽しく語り合っております。「連載が終わったら取材にこれなくなります。今までのように会えなくなるのでとても残念ですわ」「いえいえ、そんなことはありませんよ、これまでどおり遊びにいらっしゃい」「まあ、嬉しい」とかなんとかやっとる訳です。この会話に疲れた執事、外へ出て一服つけるのですが、この時見張りの刑事に気がついた!彼は急いでブリームに知らせようとするのですが、この時ブリーム、密かにジェリーの髪の匂いをかいでカフーっとなっております(笑)。さあ、もっとカフーっとなろうってんでジュリーを口説こうとした彼を執事が引っ張り出して「おい、刑事がいるぞ」と囁いたのでした。

 ジェリー、ブリームが執事に引っ張っていかれたので手持ち無沙汰となりまして、ピアノを弄びます。ぽろんぽろんと指を走らせ一番左端の鍵盤を押した瞬間、何かのスイッチが作動。隠し扉がスライドしたのです。その中にいたのはブリームと瓜二つの男。「ひーっ」驚きのあまり悲鳴を上げるジュリー。

 この悲鳴を聞いて刑事たちはホーガンに通報。ジャックも駆けつけます。そして屋敷を隅から隅まで調べのですが彼女の姿を発見することはできません。ブリームは余裕の態度で「彼女は裏口から出て行きましたよ」とふんぞりかえっています。そんな重要なゲストを裏口から帰したりするもんかとジャック達は思うのですが、彼女を発見できない以上、その証言を否定することもできません。思案に暮れるみんな。そのときついとホーガン警部がピアノに近寄ります。彼はジャックに「私は音楽なんかとは無縁だと思うだろ。それが違うんだなあ、ピアノをぽろんぽろんやりながら考えるといいアイデアが浮かぶのさ」

 どうしてこの映画の登場人物たちはピアノがそんなに好きなんだ(大笑い)。

 ホーガンはピアノをデタラメに鳴らします。その指がだんだん右に寄って行くのでブリームははらはら。あ、押した!と思ったらその直前でホーガン、ピアノを弄るのをやめてしまったという・・・。ホッとするブリームでしたが安心するのはまだ早かった。ホーガンの葉巻から灰が鍵盤にこぼれます。彼がそれを払おうとしてついに例のキーを押してしまったのです。ぐーっと開くスライドドア。中にいたブリームそっくりの男はわっと逃げようとしますが警官のピストルによって射殺されてしまいます。隠し部屋の中に捕らわれていたジェリーも無事救出されたのです。

 観念したブリーム、ついにぺらぺらと喋りだします。「そうさ、一連の犯行はおれがやったのだ。そして本当の聾唖である双子の弟を使ってアリバイを作ったのさ。おれは他の仲買人たちと共同投資していた。しかし奴らは俺のやり方が気に入らなかったのだ。そしてワーナーは裏切り者だった」ここで彼は手錠を掛けられた手を胸に押し当てる奇妙な仕草。彼はうっと呻いて倒れ絶命するのです。彼はスイッチを押すと毒針が飛び出してくる仕掛けのある指輪を使って自殺を遂げたのでありました。

 ラストはおきまりのジャックとジェリーのキスシーン。それも「これで結婚してくれるね」というポロポーズつきなのですからイヤになります(笑)。

お察しの通り双子の兄弟が替え玉であったという…。またピアノの仕掛けは面白いですが、何もあんなに人が触りそうなところにスイッチつけることはないと思います。もっと目立たず人が絶対触らないような、そう、壁に掛かっている絵の裏にでもつけておけばいいんじゃないですかねえ。

モノクロ・スタンダード。意外に良好な画質。黒がちゃんと沈んでいます。台詞も聞き取りやすく、すべてのDVDはすべからくこのレベルを保ってほしいものだと思います。国内盤 日本語字幕付。レトロムービーコレクション 有限会社フォワードのDVD。

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『ヴィンセント・プライスのザ・バット』(『The Bat』 1959年)

  『ヴィンセント・プライスのザ・バット』(『The Bat』 1959年)

 稀代の殺人鬼が屋敷に隠された宝を巡って暗躍す!という映画。ヴィンセント・プライス出演作にしてはストーリーが単調でいささか退屈なのが残念であります。

ヴァージニアのオークス屋敷、一人の女流推理作家が銀行の頭取 ジョン・フレーミング(ハーベイ・ステファン)からここを借りて創作活動に励んでおりました。その女流作家の名前はコーネリア・ヴァン・ゴーダー(アグネス・ムーアヘッド)、他にもメイドのリンジー(レニタ・レーン)、運転手のワーナー(ジョン・サットン)らの使用人がおります。しかしこの近辺には昨今悪い噂が流れておりました。昨年突如出現して近隣を恐怖のどん底に叩き込んだ殺人鬼「バット」が復活したのではないかというのです。最近、やたらに蝙蝠が出現するようになっており、人々は「バット」がこの蝙蝠を放ったのではないかと考えていたのでした。

 コーネリアはもちろん、そんな噂を信じてはいません。「あたしの小説じゃないんだから、そんなのいるわけないでしょ」と彼女はその話をしてきたリンジーにぴしゃりと言い返したのでした。

 さて、ある日コーネリアとリンジーは取引先の銀行に向います。ここで彼女達を迎えたのが副頭取のヴィクター・ベイリー(マイク・スティール)。彼はお得意様の彼女たちに丁寧に挨拶して、「実は僕、結婚したんですよう」だって(笑)。彼は新妻のデール(エレーネ・エドワーズ)を紹介するのでした。さらに新たな登場人物、警察の人なのになぜか銀行に入り浸っているアンダーソン警部補(ゲビン・ゴールド)も現れ彼らは親しげに談笑します。と、ここで変事が発生。ベイリーが金庫から100万ドル分の有価証券が盗まれていることを発見したのです。

 この金庫の鍵を持っているのは彼自身と頭取のフレーミングのみ。しかしフレーミングは現在医師のマルコム・ウェールズ先生(ヴィンセント・プライス)と共に森の別荘で休暇を過ごしておりすぐに連絡を取ることができません。「わあ、どうしよう、どうしよう、大変だ、大変だ」ベイリー、うろたえ騒ぎます。

 ぱっと場面が変わってヴィンセントと頭取が休暇を過ごしている森の別荘へ。ここで頭取、いきなりえらいことを言い出すのです。「ところで、君、ヴィンセント、50万ドル手に入るとしたら何をするね」ヴィンセント、何かの冗談かと思ったのかにやにやしながら、「そりゃ、大金ですな、それだったらたいがいのことはしますよ、人殺しは駄目だけど」「ふふふ、実はわし、自分の銀行から有価証券盗んじゃったの」思いがけない言葉に仰天するヴィンセント。頭取は続けて「それで君に50万ドルやるから手伝って欲しいのだ」

 つまりは頭取が前から悪かった心臓麻痺で死んでしまったことにして欲しいというのです。「そしたら代わりの死体が必要になりますな」とヴィンセントが考え込むのに、頭取ははははと笑って「カンタンなことさ、使用人のサムを殺せばいいのだ。顔を潰してしまえば私と彼の背格好は同じだからバレないって」「いや、私は人殺しはやらないって言ったじゃないですか」「んふふふふ、君だって50万ドルは欲しいだろう」

 いきなり山火事が発生(笑)。物凄いタイミングの良さです。ドアを開けて山火事に気がついた頭取が「わ、やばい、こっちへ向っているぞ」この隙にヴィンセント壁に掛かっていたライフル銃を取って「だから人殺しなんか出来ないっての」と叫ぶなり頭取を銃殺してしまうのでした。いや、人殺ししているじゃないですか。

 この後ヴィンセントは頭取は山火事に巻き込まれて死んだということにして下山します。そのため容疑はベイリーに集中。ついに彼は逮捕されてしまうのでした。

 さて、ここで設定説明。頭取のオークス屋敷は建築時から奇妙な仕掛けが施してあったのです。屋敷のあちこちに秘密の扉や通路、隠し戸棚があって、ヴィンセントは頭取がオークス屋敷内に盗んだ有価証券を隠したのではないかと考えたのであります。

 この後ぱっと時間が経過しまして、オークス屋敷はいつの間にかコーネリア、リンジー、ワーナーだけになっております。実は屋敷の中で使用人たちがヘンな人影を目撃したりと怪事が続きみんな怯えて逃げてしまっていたのです。「奥様、何でもその人影には顔がなかったなんて申しますのよ」恐ろしげに囁くリンジーであります。しかもいつの間にか二人の女性を殺害していたバットも被害者が苦しい息の下から語ったことによれば顔がなかったとか。「ふん、じゃ、バットがこの屋敷に入ってきたというの」「奥様、そんな人事みたいなこと仰らないで下さい。バットは恐ろしいのですよ、鉤爪で女性の喉を切り裂いて殺しているんですから」

 ここでコーネリアがぽつりと「鉤爪で喉をばっさりか、いいわね、私もやってみようかしら」リンジーがびっくりするのに「馬鹿ね、小説の話よ」というギャグが入ります。あんまり面白くはないです(笑)。

 この頃から嵐が酷くなりましてあちこちからがらん、がらんと音が鳴り響いて夜でもありますので大変恐ろしい。かてて加えてリンジーが昼間鍵を掛け忘れていた玄関がぎーっと開いて鉤爪がニューッ。これをみた女二人は怯え切って警察へ電話します。そして周囲を警戒してもらうことになってようやく安心した二人、今夜はコーネリアの部屋で一緒に寝ようということになりました。しかしバット、玄関のガラスを破って屋敷へ侵入。二階の寝室のあたりをうろうろします。寝巻きを自分の部屋へとりに行こうとしたリンジーがこれを見てまたまた「ひーっ」警察に連絡して屋敷の中を調べて貰うのですが異常なし。これで安心して寝るコーネリアとリンジーって寝るなよ、どっか他所へ行けよ、危ないじゃないか(笑)。

 ほうら、言わんこっちゃない。二人が寝静まったのを見計らってバット、寝室の空気取りの扉から蝙蝠を放ったぞ。これがきききーと鳴きながら飛び回った挙句リンジーの腕にがぶり。二人はまたパニックになって「なんとか噛まれた怪我を治療しなくちゃいけない」ということでヴィンセントに往診を依頼したのです。そのヴィンセント、自分の研究室で蝙蝠の研究中。これを外からそっと覗いているのがアンダーソン警部です。どうやら彼はヴィンセントのことを疑っているらしい。そのヴィンセントがコーネリアたちに呼び出されて出て行った後、アンダーソンは彼の研究室に忍び込みます。あちこち調べているうちに彼はガラスの檻に収容されている巨大蝙蝠を発見したのでした。

 さて、ヴィンセント、リンジーの怪我を手当てしまして、またクローゼットに逃げ込んでいた蝙蝠を捕らえ検査します。「ん、大丈夫です、この蝙蝠は狂犬病に感染してはおりません」ヴィンセント、屋敷を辞するのですが帰り際に気になることを言い出します。「フレーミング頭取といい、あなた方といいどうやらここに住む人には悲劇が訪れるようですな」そんなオッカナイことを言うな、ヴィンセント(笑)。この時なぜかアンダーソン警部もやってきまして、バットが破ったガラスを発見します。これでまた騒ぎになるのですが私はいい加減面倒くさくなったので、話を翌日に飛ばすことにします。悪しからず(笑)。

 翌日、フレーミング頭取の甥マーク(ジョン・ブリアント)が営む不動産会社を訪ねるアンダーソンです。ここで二人が「叔父の遺産なんて全然なかった。口座に数百ドル残っていただけですよ」とか「わしゃ、銀行の株持っているんだ。これで証券が見つからなければ銀行がパー。すると私も大損してしまうよ」とグチをコボしあうのがおかしい。

 一方、オークス屋敷ではコーネリアのファンのジュディ(ダーラ・フッド)という女性が直筆サイン入り最新刊を渡されて大喜び。ここには逮捕されて裁判を待つベイリーの奥さん、デールも来ており、どう証言したらいいか彼女に相談をしております。彼女にアドヴァイスを与えるコーネリア。ここで彼女はこの事件をねたに小説を書いてやろうと思い立ったのであります。だったらこの屋敷の設計図が必要だわということになって、この物件を紹介したマークに連絡したのでした。

 電話を受けたマーク、「あ、たぶん屋敷の中にあると思いますよ。今夜、僕、そっちへ行って探しましょう」

 ところがこのマーク、どうも叔父が盗んだ証券類を屋敷の中に隠していると思っていたらしい。彼は約束の時間より早く行くとお茶をしているコーネリア、デール、リンジーの隙をついて秘密の隠し戸棚を開きます。そこにあったのは屋敷の設計図。これをこっそり我が物として、屋敷の中を探そうというのでしょう。後でコーネリアたちには「すんません、やっぱ地図は見つかりませんでした」と誤魔化すつもりなんだな。きっと。しかし、やはり天はこの悪事を見逃さなかった。バットが現れたのです。彼はマークの後ろから忍び寄るとその鋭い鉤爪で喉を切り裂いてしまいます。ばったり倒れるマーク。

バットは彼の死体を大きな振り子時計の裏にある隠し戸棚にぶち込んで姿を消します。この際時計を元に戻さずすぐ見つかるようにするバット。なかなか気が利いておりますな(笑)。

 その目論見どおり死体はコーネリアたちにあっさり発見されて「キャーッ、大変よう」

 急いで警察へ連絡。アンダーソン警部がやってきます。検死に呼ばれたヴィンセントも間もなく到着。「むむっ、これは鉤爪で喉を裂かれておりますな。ということはこれはバットの仕業」アンダーソンは「奴は100万ドルを探している。ひょっとしたらまだ屋敷の中にいるかもしれない」さらにアンダーソンはこの時鍵を忘れたというので戻ってきていたワーナーに疑いの目を向けるのでした。「どうも、お前に見覚えがあるような気がする。やい、お前、屋敷から出るな、後でたっぷり調べてやるからな!」

 この後鑑識班がやってきて屋敷の中は大騒ぎ。アンダーソンはみんなに、「さ、皆さん、もう寝てください。鍵をしっかり掛けておけば安心です」って、バットが屋敷の中にいるかも知れないって言ってたじゃないか、何が安心なものか。みんなもみんなで本当に寝ようとするなよ、タクシー呼んでどっかのホテルへ行けよ(笑)。コーネリア、リンジー組とジュディ・デール組に別れてお休みなさいとなりました。

 一人残ったアンダーソン警部。屋敷の中や外を調べております。その姿をじっと見つめるワーナー。やっぱりこいつは怪しいと思いきや、バットがまたまた登場。彼は屋敷に忍び込むと電話線を切断。それから三階の物置部屋に入り込んでトンカチとノミでがんがん壁に穴を開け始めます。当然五月蝿くって(笑)飛び起きるみんな。バットはまさか屋敷内に人が残っているとは思っていなかったのかなあ。デールはこの音を聞いて警察に連絡しようとするのですが電話線を切られているので通じません。だったら私が直接調べるわ、だってお金を見つければ夫が無実だと分かるもの!止めようとするジュディを振り切って三階へ向うデール。問題の部屋のドアに手をかけたところで反対側からバットがぐいっ。大変な勢いで引っ張ったのでジュディ、部屋の中へ倒れこんでしまいます。その隙にぱっと逃げ出すバット。ところがここにデールを追っかけてきたジュディがいた。バット、無慈悲にもこのジュディを殺害してしまうのでした。デール、とっさに火かき棒をバットに投げつけます。見事額に命中し、バットよろめくのですが、そのまま逃げられてしまいました。

 外を調べていたというアンダーソン警部がばたばた戻ってきて「何、ジュディが殺されたのですか!」彼は集まっている面々を見て「ムム、ワーナーはどこです、奴が怪しい!」そのとたんにワーナーが現れるという・・・(笑)。彼は頭を抑えつつ「私はここにいましたよ、外で誰かに殴られて今まで気絶していたのです」アンダーソンは彼を睨みつけます。「下手な芝居はやめるのだな。私は今、お前を思い出したぞ。お前は殺人容疑でシカゴ警察に手配されていた奴だ!」この決定的な告発に対してワーナーの言い返した言葉がいい。「それ、もう終わってます。私捕まったけど無実だってことで釈放されてるんですよ」

 大騒動でありますが、その最中にもう一人増えた。ヴィンセントが戻ってきたのです。彼は帰宅途中に対向車をよけようとして車のタイヤを溝に落としてしまったというのです。大変怪しいことに彼は額から血を流していました。彼はこれは事故の怪我だというのですがみんな、怪しい目でじとーっ(笑)。何だか、もう良く分からなくなってまいりました。

 さて、ここから解決編。事件の真相をデールに後述筆記させているコーネリアに合わせて物語が進行するというスタイル。コーネリアはリンジーにも知らせず自分ひとりで三階の物置を調べることにします。バットが開けた穴を見つけて懐中電灯片手に覗き込んでみるのですが何にもなし。バットは一体何をしたかったのでしょうな(笑)。次に彼女は壁を調べに掛かります。

 ここで場面が変わってヴィンセントの研究室。なぜかバットがいて紙になにやら文字を書きなぐっております。なんて書いてあるのかというと「バット、ここに眠る、露呈を恐れて自殺す」何なのだ、これはと私が頭を捻っておりますと、いきなりピストル構えたヴィンセントが現れた。「貴様、わしを殺してバットに見せかけようというのだな、そうはいかんぞ、死ぬのはお前だ。そして私は金を回収してこの後幸せに暮らすのだ、どうだ分かったか、わーっはっはっは、うほげほ」咳き込んだ隙を狙って飛び掛るバット。もみ合いとなります。そして銃声が響いて、倒れたのはバットではなくヴィンセントの方でした。

 一方部屋を調べ続けているコーネリア。偶然にもマントルピースのパネルに仕掛けてあったスイッチを作動させてしまいます。パネルがスライドして現れたハンドルをぐいと捻るとあら不思議、マントルピースが回転して裏の隠し部屋が現れたのです。しかもその中には金庫らしきものが!コーネリア、大喜びで中に飛び込むのですがあ、マントルピースがまた回転して閉じ込められてしまったのです。この部屋やたらに気密が高いらしくすぐに息苦しさを覚えるコーネリア。「このままじゃ窒息よ、リンジー、助けて、助けて」

 この声を聞きつけて起きたリンジー、コーネリアがどこにもいないことを知って仰天。警備に配置されていた刑事、ダヴェンポート、と一緒に彼女を探します。屋敷の中を一通り探してもいない。じゃあ、外だというので飛び出すと、三階の窓から明かりが洩れている。コーネリアはきっとそこだというので三階へ急行します。そして壁の向こうから聞こえる息も絶え絶えのコーネリアの声にしたがってスイッチを操作。ようやく彼女を助け出すことができたのです。ダヴェンポート刑事は隠し部屋の中を調べて「おお、金庫がありますな、バットはきっとこれを狙っていたのだ」

 と更なる変事が発生。何者かがガレージに放火したのです。燃え上がるガレージを見たリンジーたちはさっそく駆けつけようとするのですがコーネリアが「待って、これはバットの作戦よ。私たちをここから追い出そうとしているのよ」ならばこの部屋でバットを待ち伏せするべし。その通りみんな出て行ったと思ってのこのこやってくるバット(笑)。さっそくマントルピースのスイッチを操作して中に入ります。これを待っていたダヴェンポート、ぱっと隠れ場所から飛び出してスイッチをカチッ!バットを閉じ込めてしまったのでした。

 でも、そのままにしておけばいいものをピストル片手のダヴェンポート、再びスイッチを押してマントルピースを開きます。すかさず逮捕と思っていたのでしょうがさすがはバット、彼の拳銃がダヴェンポートのそれより僅かに早く発射されて命中。刑事射殺されてしまいました(笑)。バットはふふふと笑いながら出てきてコーネリアたちに「小説ならばこれがさしずめクライマックスということですな。まあ、皆さんはその先を知らずに死んでしまうことになるのですが」この時彼の背後に人影が。その人物は「いつまでもお前の好き勝手にはさせん、正義は必ず勝つ」と叫んでピストルを発射。バットを射殺したのでした。

 この人物はなんと一番疑わしいと思われていたワーナー。では本物のバットは誰だ?覆面を脱がしてみるとこれがアンダーソン警部だったのであります。稀代の連続殺人鬼バットの正体がアンダーソン、ちょっとこれは無理があるのではないですかねえ。

 デールに口述筆記させているコーネリアの場面に戻りまして「金庫からは有価証券が発見されて銀行に戻された。これでベイリーの無実も証明されてめでたし、めでたしになったのよ」はい、これでオシマイ。

 バット、うろちょろしすぎ。ドリフのコントじゃないんだから。

モノクロ・スタンダード。珍しくマトモな画質。夜の場面で何をやっているのかきっちりと分かるのは久しぶりです(笑)。国内盤 日本語字幕付。レトロムービーコレクション 有限会社フォワードのDVD。

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『The Four Skulls of Jonathan Drake』 (1959)

 『The Four Skulls of Jonathan Drake』 (1959)

干し首の呪いを題材にしたホラー。出てくる干し首がいやにリアルで、また呪術師に操られるゾンビも唇が縫い合わされていたりして大変にキモチ悪い。これなら首がぽんと飛んだり内臓引きずりだしたりというスプラッター映画の方がはるかにましです。

 警告、警告、このDVDのリージョンは1です。したがって日本国内のDVDプレーヤーでは再生できません。警告、警告。

冒頭いきなり干し首(ツァンツァ 南米ヒバロインディアンの風習で敵対する部族の首を駆り頭蓋骨を抜き取って乾燥させたもの)を持った男がばーん。それからソファーで苦しげな寝息をたてているのが本作の主人公であるジョナサン・ドレイク(エドアード・フランツ)であります。夢うつつをさ迷う彼の視界の中に現れたのが三つの髑髏、これが空中をふわふわと舞って・・・「お父様、お父様、大丈夫ですの」彼を揺り起こしたのは娘のアリソン(ヴァレリー・フレンチ)でした。「お父様、もう研究はおやめになって、お父様ご自身がこの研究に捕らわれておいでになるわ」しかしジョナサンは首を振って「研究をやめる訳にはいかん。これは宿命なのだ」

 アリソンは叔父、つまりジョナサンの弟ケネス(ポール・カバナ)から連絡があったことをジョナサンに伝えます。「叔父様は何でもツァンツァの人とお会いになるんですって」「なんだと!」驚愕のあまり声をつまらせるジョナサンです。「ツァンツァとは南米に住むヒバロインディアンが作る干し首のことだ。むむ、ケネスが危ない」彼は執事のロジャーを呼んで「すぐに旅行の支度をしてくれ。私はケネスに会わねばならぬ」

 そのケネスは自宅でくつろいでおります。ところが窓の外を見てぎょっ。小さな干し首が吊るされているではありませんか。「ウワ、気持ち悪い、なんじゃこりゃ」さらにドアを開いて現れたのが唇を紐でぬい合わせた干し首そっくりの顔をした男。「ウワッ!あんた、一体誰?」干し首男、彼の疑問に答える訳もなく鋭い竹のナイフで彼の首をぷすっ。「ぎゃああ」ばったり倒れるケネスであります。干し首男、さらにでかいナイフを取り出して彼の首を切断しようとしたのですがここで彼の召使がホットミルクを持って戻ってきたものですから、諦めて逃げ出したのでした。

 ケネス死亡。しかし彼の死はホームドクターのブラッドフォード博士(ハワード・ウェンディル)によって心臓麻痺と診断されたのです。

 翌朝、やってきたのが警察のジェフ・ローマン警部(グラント・リチャーズ)。どうやらアリソンがケネスの死について不審な点アリ、調査乞うと連絡していたらしい。確かに窓の外に干し首が吊るしてあったし、ケネスは生前から何かに悩んでいるようでもあった、それで友人の考古学者で干し首の専門家の・・・っていやな専門家ですが(笑)、ドクター・エミール・ズリック(ヘンリー・ダニエル)も呼ばれていた等々の疑問点があるのですが、何しろ死因が心臓麻痺です。それにブラッドフォード博士が「いや、ここの家系は心臓が弱いんですねん。先代も先々代も心臓麻痺で60歳で逝ってますわ。ケネスも60歳、遺伝的な面からみてもまず間違いないですやろな」と言うものですから警部、事件性なしと判断して帰ってしまいました。

 その夜屋敷へ戻された棺桶。葬式に備えてリビングに安置されるのですが、あ、あの干し首男がまたやってきた。彼は屋敷の中へ忍び込むと棺桶の蓋を開けに掛かるのでした・・・。

 翌日ジョナサンが到着します。彼は弟の死を知らなかったようでお葬式やっていることを知って愕然となります。彼は止めようとする葬儀会社の係りの人を手を振り切って棺桶の蓋を開けるのでした。するとなんということでしょうか、ケネスの首が消失していたのです。あまりのショックにばったり倒れるジョナサン。

 ここで場面はぱっと変わりまして怪しい実験室のような場所になります。ここで大鍋でぐつぐつ湯を沸かしている男。彼は「ズタイ!」と叫びます。するとあの干し首の男が現れました。彼が捧げ持っている藤のバスケット、これを開けますと出てきたのはもちろんケネスの首であります。男はこれを取り上げると「ケネス・ドレイク、祖先の罪を償うのだ」と叫んで鍋の中にぼちゃん。臭み消しのためにブーケガルニ、冷蔵庫に余っている屑野菜、にんにく丸ごと一個、レモン汁たっぷり入れて15分ほど煮込みます。これで首が柔らかくなるのでナイフを入れて頭蓋骨を取り出します。残ったスープは漉してラーメンに使ったりするのも良いでしょう。

 紐で頭の皮のカタチを綺麗に整えて唇もぬい合わせてしまいます。ここで出来上がりが決まってきますので、作業は特に念入りに。これが終わったら中に砂を流し込んではい、干し首の出来上がり。初めはなかなか上手く行かないかも知れませんが、市販とは違う手作り干し首。少し歪んでいてもそれが趣だと思えばいいのです。

 出来上がった干し首を捧げ持った男はにやにやしながら叫びます。「次はジョナサン、お前の番だ。これで呪いは終わるぞ」

 首が盗まれたとなればこれは立派な犯罪事件。ローマン警部、張り切って捜査を開始します。アリソンもジョナサンに「お父様、もう警察の手にまかせましょう」と言うのですが彼はどうしても納得できません。彼は「娘や、我が一族の秘密を話す時がきた。納骨堂へ行こう」この納骨堂には一族の骨がみーんな収められているという陰気な場所。ジョナサンは「娘や、ここの鍵をお前に預けよう。他に持っているものはいない。これからはお前がここを管理するのだ」

 ジョナサン、納骨堂に入ってこんな話を語りだすのでした。「アマゾンの奥地で貿易の商売をやっていたウィリアム・ドレイク船長(1813~1873)という人がいた」「私のひいひいひい祖父ね」と呟くアリソン。「その彼の部下をヒバロインディアンが攫って首を切ってしまったのだ。激怒したドレイク船長はインディアンの村を襲い女子供も容赦なく皆殺しにしてしまったのだよ。この虐殺を一人逃れたのがウィッチドクターのチングイというものだった。彼が我が一族に呪いを掛けたのだ」

 「私の祖父のギルバート、父のデヴィッドも60歳で心臓麻痺で死んだ。そしてケネスと同じく首を持ち去られてしまったのだ。そしてその後から・・・」彼は納骨堂の壁に作りつけになっているキャビネットをぱっと開きます。中を見たアリソンはキャー。なんとしゃれこうべが二個並んでいたからです。「これがいつの間にか戻ってきていたのだ」おお、この良く分からないけれどもとにかく謎めいた雰囲気、さすがエドワード・L・カーン監督ですな!

 さて、干し首のできばえに満足した男、ズタイに「お前、このケネスの頭蓋骨を戻してこい」ズタイ、例の藤のバスケットに頭蓋骨入れてジョナサンの屋敷へ。一方、アリソンは警部を呼び出し父親の語った呪い話を全て話すのでした。「信じられない話ではありますが、アリソンさん、とにかく納骨堂の中を見せてください」警部とアリソン、納骨堂へ。例のキャビネットを開いた二人はあっと驚きます。なんと、二個だったはずのしゃれこうべが三個に増えていたのでした。「こ、これはケネス叔父様のものですわ!でもどこから入ったのでしょう、ここの鍵は私しか持っていないはずなのに」

 この間、ズタイはジョナサンの寝室に忍び込みます。そしてまたまた鋭い竹のナイフで首筋チクリ。たちまちジョナサン意識を失います。ズタイ、彼の首を切り取ろうとするのですがロジャーが戻ってきたものですから慌てて逃げ出すのでしたって、あんた、ケネスの時と同じようなことやっとるねえ(笑)。このズタイを警部とアリソンが目撃。警部は拳銃を乱射しながら後を追ったのですが主人の異変に気がついたロジャーの叫びに気を取られて見失ってしまったのです。

 ジョナサン、まだ息がありましたが非常に危険な状態です。呼ばれてきブラッドフォード博士は「ショックで心臓麻痺起こしたんですなあ」とワンパターンなことを言っていたのですが、ここで警部が「あ、首に傷がありますよ。何か毒使われたんじゃないですか」急ぎこの傷口から毒を採取して警察で鑑定したところこれは麻痺毒のクラーレであることが分かったのです。急いでクラーレの解毒剤をジョナサンに注射するブラッドフォード医師。

 警部はその間部下のリー(フランク・ガースタイル)を連れて納骨堂の調査。リーはしゃれこうべから指紋の採取。警部は壁を叩いてちゃんちきおけさじゃなかった隠し通路の探索であります。「警部、変な指紋が出ましたよ」とリーが叫んだのでどれどれと覗く警部。するとしゃれこうべのうえにくっきりついた指紋、この一つひとつに髑髏のマークがついているという(大笑い)。リー、思わず「警部、これ何かのギャグっすかね。面白すぎますよ」さらに他の頭蓋骨からも同じような髑髏マークいりの指紋が見つかって「ということは何百年も同じ人間が生きていてこのしゃれこうべを返しにきたということなのかな」首を捻る警部であります。

 その頃ようやくジョナサンの意識が回復しました。この間警部・アリスン・ブラッドフォード博士はジョナサンの書斎で事件について話し合うのでした。警部は「一人の人間があの三つのしゃれこうべを持ってこれるほど長生きするものですかねえ」露骨にそんなことを聞かれても困るという態度を見せるブラッドフォード博士(笑)。結局この答を見つけたのは警部自身でした。彼は書斎の本を調べて「あ、あった、あった。あの指紋のと同じマークが載っている!」その本の説明によると南米のインディアン種族のウィッチドクターは人間を不死にする呪術を知っているらしい。人間の血液を入れ替え手術を施すとそれからまったく食べ物や酸素を必要とせずいつまでも生き続ける不死の存在になるのだそうな。このゾンビの外見上の特徴としては唇が縫い合わされていることなのだそうで。

 「とても信じられん、これはただの伝説でしょう」と呻く警部。しかしブラッドフォード博士は「いや、伝説にも事実に基づくものがあるというやないですか」

 その後屋敷の周囲を調べる警部とアリソン。彼らは拳銃で怪しい男を撃ったと思しき場所を探します。するとあった、あった、ぼろいサンダルが。ただ不思議なことにその周囲には足跡がひとつも残っていないのです。「サンダル脱げたんだから足跡残るはずなんだけどな」と首を捻る警部。彼らはさらに木の幹にめり込んでいた銃弾を発見します。「よし、これを警察の研究所で分析して貰おう」

 一方謎の男はまたジョナサンに対して悪巧み。仮面を被り地獄の底から響いてくるような恐ろしい声で呪いを掛けるのです。「ジョナサン・ドレイク お前の命はブラッドフォード博士に救われた。だが次はそうはいかんぞ。私の心がお前の心に入る。私の見たものをお前も見るのだ、お前は祖先と同じように死ぬのだ。弟と同じように死ぬのだ、分かったな、わーっはっはっはっは、ごふ、げほごほ」これで四つの骸骨の幻影をみるジョナサン。あまりの恐怖に再びショック状態となり救急車で病院へ運ばれるのです。

 この事態に困惑したブラッドフォード博士。南米インディアンの呪いに詳しいズリック博士の自宅を訪ねます。お、自宅の窓からズタイが見える。ということはあの謎の男の正体はズリック博士だったのですねえ。そうとも知らず彼に助けを求めるブラッドフォード博士。「ジョナサンもケネスもクラーレでやられたのですわ。これは南米のインディアンの仕業でっかいな」ズリックは「いや、ジョナサンは死んではいないでしょう」この台詞ではっと気がつくブラッドフォード博士。「あ、あんた、何でそんなこと知っているのや、さてはあんたがやったんかぐっ」飛び込んできたズタイがぷすりと竹の針さしてはい、ブラッドフォード昏倒します。

 この頃警察の研究室ではサンダルと弾の分析が終了。担当者のリーは弾をいじりながら「これ、血のほかにクラーレついてますよ、一体どんな人間なんですか」さらにサンダルについて「ウウーム、これはあれですよ、人間の皮でできていますよ」とたんに警部、弄っていたサンダル放り出して「うわ、気持ちわるい!」とやるのが笑えます。

 分析が終了してもやっぱり訳が分からない。ということで警部もズリック博士に話を聞きに行くのでした。博士はそ知らぬ顔をして彼の質問に答えて干し首の作り方を説明したりするのですが、警部はここでカーペットに血の紙魚があるのを発見。そそくさと博士宅を辞去するとリーに無線で「ズリックの経歴を洗ってくれ、奴の家の床に血の紙魚があった。どうも怪しい」と依頼します。ズリック博士のほうも警部に疑われたと直感してこうなりゃ急がなきゃならないということでズタイと共に車で出撃。再びジョナサンの寝室を襲うのですがすでに皆さんご存知の通り、彼は入院しているので寝室はからっぽ(笑)。頭にきたズリックは「こうなりゃ奴を病院から引きずり出すまでよ」

 警部はこの時ズリックの屋敷に潜入中。カーペットの紙魚を調べているうちにその下に隠し扉があることを発見します。降りてみると鍋がぐつぐつ。戸棚にはトロフィー然とした干し首が飾ってある。おまけに冷蔵庫開けたら「わああ、ブラッドフォードの生首が!」これで完全に彼が犯人だと知った警部、急いでパトカーに戻って無線で連絡します。その時リーが「警部、ズリックの公式な記録なんて残っていません。奴は記録上は存在しないのです。それにズリックという名前はあれですよ、180年前ヒバロインディアンに首を切られたドレイク船長の部下の名前ですよ!」面白くなってきましたなあ(笑)。

 さて、ズリックは「お父様の容態が急変しました。病院へ行きましょう、私が車でお送りしましょう」とアリソンをさそいうまうまと誘拐してしまいます。そして病院のジョナサンに電話で「やい、娘を人質に預った。お前はわしの家まで来い。あ、警察知らせたら娘の命はないからな」と連絡。泡を食ったジョナサン、ピストルを握り締めてズリックの自宅へ向います。

 そしてズリックと対峙したジョナサン、「お前の正体は分かっている。インディアンの体に白人の首がついているのだ。お前は死人だからピストルでは殺せない。別の方法が必要だ」彼はピストルを自分の頭に当てて「それは私が死ぬことだ。私が死ねば呪いは成就されず、逆にお前に降りかかるのだ」ズリックは叫びます。「ズタイ、出て来い、こいつからピストルを取り上げろ」ズタイ登場してジョナサンに襲い掛かります。が、しかし、この時最高のタイミングで警部が登場。彼は「いつまでもお前の好き勝手にはさせん、正義は必ず勝つ!」と叫んでズタイに体当たり。ズタイよろけて竈に倒れこんでしまいます。その途端「ギャーッ」と身も蓋もない悲鳴が響いてズタイ消滅したのでした。

 次に警部はズリックに飛び掛ります。この時ズリックの白衣がはだけて胸が見えたのですが、これが「インディアンの体に白人の首がついている」というジョナサンの言葉通り。首に縫い目があってその下は日焼けしたインディアンの体だったという・・・(笑)。ズリック、外へ逃げ出します。後を追った警部、彼を捕まえて最後の取っ組み合い。ここでジョナサンがあの竹のナイフを取り出して「ほら、警部、これで刺すのだ」警部はまた「何時までもお前の好き勝手にはさせん、正義は必ず勝つ」と叫んでズリックをぶすー。たちまち動かなくなるズリックです。

 これで終わりかと思いきやジョナサン、「首を切断しなければ呪いは終わらぬ」ということで長いナイフで首を切り落とします。そのとたん、ズリックの体は溶けて灰になってしまいましたとさ。そして現れるしゃれこうべ。警部が「おお、これは四つ目のしゃれこうべ」と呟いたところでエンドマーク。

あれ、納骨堂の隠し通路は見つかったんだっけ。ズタイがどうやってしゃれこうべをかぎの掛かった納骨堂に置けたのかという謎がそのまんまになっていますな。

 モノクロ・スタンダード 非常に立体感のある高画質。夜の森でも一枚一枚の木の葉が見分けられます。台詞も聞き取りやすくノイズもほとんどありません。英語字幕、クローズドキャプションつき。『Voodoo Island 』(1957)とのカップリング。MGMミッドナイトムービーシリーズのDVD。

エロの冒険者
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『Voodoo Island 』(1957)

 『Voodoo Island 』(1957)

 ブードゥでアイランドで、おまけに主演がボリス・カーロフなのですからさぞゾンビがぞろぞろ出てきて酸鼻な殺人が繰り返される映画なのかと思いきや、ぜんぜん違って実に地味なストーリーでありました。意外と面白かったけれども、僕はやっぱりゾンビが出てくるのが良いんだよう。

 警告、警告、このDVDのリージョンは1です。したがって日本国内のDVDプレーヤーでは再生できません。警告、警告。

巻頭いきなり頭につまようじが突き刺さった人形がばーんと出てくるという不愉快なオープニング(笑)。それからオープニングクレジットの間、南国の島のリゾート施設のディオラマが映っております。実はカールトン(オーウェン・カニングハム)という大社長がこの島に大リゾート施設を作って世界中から観光客を誘致し大もうけしようと企んでいたのであります。ところがこの島、ヴードゥーの伝説があって地元民でもなかなか近寄らないという怖い島。

 カールトン社長はそんな飛行機が飛ぶ時代にヴードゥーの呪いなんてわっはっはと笑い飛ばして4人の現地調査員を派遣したのですが、生きて戻ってきたのは近くの海をボートで漂流しているところを救助されたミッチェル(グラン・ディクソン)だけ。このミッチェルも奇妙なことに始終ボーっとしてまるっきり動かず、まるで自分の意思そのものを失ったかのような状態であります。こんな島、もう諦めればいいのにすでに大金をつぎ込んでいるカールトン社長は諦めずトンデモバスターとして有名なフィリップ・ナイト(ボリス・カーロフ)を雇い島の再調査を依頼したのであります。

 ボリス・カーロフは「いやいや、逆にこれは宣伝になりますぞ。人は怖いものを求める。人が好きなのはスリル・スピード・セックスの3Sですからな。ヴードゥの島で宣伝すれば人はわんさとやってきますよ」 いやいや、ボリス・カーロフさん、スリル(thrill)はSじゃなくってTですよ(笑)。彼はカールトンの依頼を快諾しますが一つ条件を出すのでした。それはミッチェルを同行させること。彼を島に連れていくことで彼の奇妙な病状の原因が分かるかも知れないと考えたのです。

 ここにブードゥー探検隊が結成されたのです。そのメンバーはボリス・カーロフ、その秘書のサラ・アダムズ(ヴェバリー・タイラー)、カールトンの部下のバーニー・フィンチ(マーヴィン・ヴィー)、その妻クレア(ジーン・エングストーム)、ミッチェル、そして医者のワイルドリング博士(ハーバート・パターソン)。彼らは飛行機で勇躍飛び立ちます。この時空港で女の子がヴードゥ人形を弄っているのが不気味です。これが前兆なのか、故障頻発。計器はきかなくなるし、無線もおかしくなる。下の天候観測所では彼らの無線は聞こえているのですが、応答できないのです。

 これじゃしょうがないってんで予定を変更。一度着陸することになります。天候観測所でみんな休息している間に無線の修理。この時ぴーがーぴーがーという雑音を聞いたミッチェル、急に目を見開き立ち上がります。しかしそのままばったりと倒れて血圧急降下、心拍数も減ってきて、ワイルドリング博士、「やばいぞ、アドレナリン注射だ」ところがこの先生、慌てていたせいでアドレナリンのビン落としちゃった(大笑い)。その間にもミッチェルの容態はますます悪化。「うわあ、死んでしまう、彼が死んでしまう」この時、無線が急に回復。途絶していたほかの気象観測所と連絡が取れたのでした。するとアラ不思議、ミッチェルの容態があっという間に回復してしまいましたとさ。

 翌日、飛行機は再び離陸します。この時飛行機の下に見えたのがあのヴードゥ人形。そう、出発するときに女の子が弄っていた奴ですよ。今度の飛行もただじゃすみませんよと思ったのですがあにはからんや、飛行機は順調に飛んで目的地に到着。ここは地元業者のスカイラー(エリシャ・クック・ジュニア)が根城にしている島で問題のヴードゥアイランドとは目と鼻の先という好立地。彼らはこのスカイラーに探検の援助を頼もうと思っていたのです。一行はスカイラーの部下、マシュー・ガン(ローデス・リーゾン)に迎えられてジープで屋敷へ案内されるのでした。

 スカイラー、にこやかに彼らを向かえたのですが、ミッチェルがいるのを見てびっくり。「駄目だ、彼はいかん。彼がいるのなら協力などせんぞ」するとついとバーニーが近寄りまして、「へへへ、旦那、まあ、そうとんがらからずに」持っていたバックの口を開けて見せるとおお、その中に札束が。これでスカイラー、「う、うむ、おほん、まあ、やむをえないですな、いいでしょう」とあっという間に変わってしまったという・・・。何時の時代にも現金は強いのであります。

 さて、その夜変事が起こります。ミッチェルが看護役のワイルドリング博士を眠らせて脱走してしまったのです。慌てて後をおうボリス・カーロフたち。ようやく見つけた時、ミッチェルはすでに死んでいました。彼はボートに乗り込みブードゥアイランドの方を向いたまま死んでいたのです。スカイラー、これを見て「ウウーム、ボートで見つかった時と同じカッコですな」「やはりあの島には何かあるかも知れない。ミッチェルはあまりの恐怖のために死んだのだ」と呟くボリス・カーロフです。

 それでも調査はしなければなりません。そうしないとカールトンからお金がでないからです(笑)。翌日、ボートに乗り込む探検隊。彼らはそこで白墨で書かれた奇妙なマークと袋を見つけます。ボリス・カーロフは袋を取り上げると、「これはウアンガの袋という奴だ」「ウアンガというと、あれですか」手を上げてこう喋り始めたのはバーニーです。「あの牧伸二の奴ですか、ウアンガ、ウアンガ、やになっちゃった、ウアンガ、ウアンガ、驚いた」ボリス・カーロフはこのつまらないボケを完全に無視して「ほら、見てごらん、中に紙に書いた死の呪いが入っている。これが六枚あるから、あははは、我々みんなの分があるな」 あれ、ちょっと待てよ、ミッチェルは死んだけどガンとスカイラーが加わったのだから呪いが一枚足りないと思うのですが。

 はい、探検隊はボートで出航します。ところが途中でエンジンが止まっちゃった。調べてみると燃料パイプに虫が詰まっていたのでこれを取り除いてやったのですが、それでも動かない。ボリス・カーロフ、まったく動じず「そのうち上げ潮に乗って島へつくさ」だって。帰りはどうするんだっての(笑)。その言葉通り翌朝ボートはヴードゥアイランドに漂着するのです。ああ、76分の映画なのに40分近く過ぎてからようやく到着したぞ(笑)。

一行は島に上陸します。あれ、ワイルドリング博士がいないぞ。ということは彼は島への探検行には参加しなかったということかな。すると六枚のウアンガの呪いの紙はボリス・カーロフ、アダムス、バーニー、クレア、スカイラー、ガンで丁度人数分ということですか。

 海岸を調べて回る一行。「あ、何か光るものがあるぞ」それは椰子の幹に埋め込まれた金属片。「これはきっとミッチェルたちが目印につけたものに違いないぞ」とボリス・カーロフが叫んだ途端椰子の実が落下。もう少しずれればアダムスの頭を粉砕するところだったという・・・。おしい(笑)。さらに茂みから現れたのが作り物のヤシガニ。一同、なぜか恐怖におののいて逃げ出すのでした。いや、そりゃ大きくはあるけれどもフツーのカ二だから、そんな悲鳴を上げて逃げる必要はないと思うんだけど。

 島の奥へ向う一行。とそこでミッチェルたちが残していったと思しき測量道具 経緯儀を発見します。これを覗いてみるとあ、ミッチェルたちがキャンプしたらしい場所が見えるぞ。一同、そこをキャンプ地に定めここで休んで明日はさらに奥地へ行こうということになります。女二人を残してボートへ食料を取りに言った男たち。これを茂みの影から覗いている島民たち。絶対この隙に女二人攫われるぞ、そしてあんなことやそんなことをされてしまうぞと思ったのですが、何も起こらない。男たちもあっさり帰ってきてしまいます。ただ、彼らは手ぶらでした。クレアが「食料はどうしたのよ、私、おなかぺこぺこなのよ」と尋ねますとボリス・カーロフ、じろりとスカイラー睨んで「食料は全部腐っていたんだよ」

 仕方なく野営をする一行であります。この夜の間にガンとアダムスが接近します。二人きりとなっていろいろお話。アダムス、ガンに「君はマシーンのように冷静な女だな。恋をした経験があるのか」と非常に立ち入ったことを聞かれて激怒するのでありました。

 朝になります。再び男女チームに別れる探検隊。女は近所をぶらぶら、男は周囲の捜索。だからどうしてヤバイと分かっている島でこんな別行動を取りますかねえ。ほら、ほったらかしにするものだからクレア、周囲を歩き回って滝がある池を見つけてしまったではありませんか。彼女はためらいもなく服を脱ぎ池で泳ぎ始めたのでした。彼女が泳ぎ始めると水面に浮かんでいるテープ状の水草がもぞもぞ動き始めます。わざわざその水草に向って泳ぐクレア。と水草が彼女を襲った!クレアは自分で水草を体に巻きつけながら(笑)「た、たすけてー」

 この悲鳴を聞いたアダムス、そして丁度戻ってきていた男たちは池に駆けつけるのですが時すでに遅くクレアは窒息死していたのであります。池で水草に巻きつかれた筈の彼女がいつの間にか岸にいるのがオカシイですが、まあ、それはそういうものだとご納得いただく他はございません。

 これでびびったバーニーやスカイラーは「旅はもうこれまでだ、冒険を打ち切ろう」と主張するのですが、ガンバじゃなかったボリス・カーロフは椰子の木を指差して「彼らは我々を誘いこもうとしているのだ。椰子の木の目印、キャンプ地を教えるかのようにおいてあった経緯儀、彼らは我々を待っているのだよ。ここで引き返そうとすればどんな目に会わされるか分かったものじゃない」と今ひとつ分からぬ論理で(笑)探検続行を決意するのです。

 でもとりあえず今日は休もうということで野営(笑)。夜中にまたぼそぼそ話しているガンとアダムス。「この前は君をマシーンだなんていってごめん」「いいのよ、確かに今までの私はマシーンのようだった。冷たい女だったわ、でも私は変わったの」二人は激しくキスをするという・・・。

 どうでもいいけどいつになったらゾンビ出てくるのですかねえ。

 次の朝、一度目を覚ましたバーニー、わざとらしく茂みの側へ移動。そしてそこで二度寝を始めます。なんでそんなところで寝るんだと思っているうちに茂みからまた怪植物がうわーっ。仰天したバーニー、キャンプから逃げ出します。逃げて逃げて逃げまくってようやく安心した彼の目に飛び込んできたのは無邪気に遊ぶ島民の少女二人。とそのうちの一人が怪植物にあっさり食われちゃった(大笑い)。この酸鼻な光景を目の当たりにしたバーニー、あ、ミッチェルと同じように固まっちゃったぞ。え、するとミッチェルは同じような光景を目撃したショックでああなってしまったの?ヴードゥの呪いをかけられたのではなかったということ?

 一方キャンプに屈強な島民の男たちが来襲。ボリス・カーロフたちはあっさり彼らの村に拉致されてしまったのでありました。彼らが押し込まれた長老の小屋には4体の人形、爪楊枝(笑)が体中に突き立てられた奴がありました。これを見たボリス・カーロフ「見よ、あれがヴードゥの呪いなのだ」長老は彼らに向って話します。「我々は50年も前から白人からの迫害を逃れるためにこの島に来た。この島には人を襲う植物がたくさんいる。だから逆に安全なのだ」なんか、ヴードゥの呪いとはまったく関係のないこと言ってるぞ(笑)。ここでぼーっとなったバーニーが連れてこられます。彼の様子をみたボリス・カーロフは「ああ、バーニーもミッチェルと同じことに!」と驚愕するのでした。

 いや、本当にいつになったらゾンビ出てくるのですかねえ。

 ボリス・カーロフたちは手首をロープで繋がれて小屋に監禁されてしまいます。しかしナイフを持っていたボリス・カーロフ、「何、こんなロープすぐ切れるさ。とりあえず寝て体力を回復しよう」本当に寝てるし(笑)。次に彼らが目を覚ました時に二つの異変が起こっていました。スカイラーの姿がないのです。そしてその代わりにヴードゥの人形が置かれていたのであります。「スカイラーを探さなくては」ボリス・カーロフ、ナイフでみんなのロープを切断。そして外へ出ると大声で「おーい、スカイラー、どこだー」逃げ出したのに大声で人を探す馬鹿がどこにいる、ああ、ここにいたァなんてものですよ(笑)。

 しかし、まったくいつになったらゾンビが出てくるのですかねえ。

 スカイラーは村と外界を繋いでいるつり橋の上にいました。ボリス・カーロフは必死に「スカイラー、その橋は危ない、こっちに来なさい」と叫ぶのですが、なんだかスカイラー、様子がおかしい。「ひぇ?へ、危ない?なんのこと」と呟くばかり。と、その彼の足元に小屋に置いてきた筈のヴードゥ人形が出現したのです。これに驚いて足を滑らせたスカイラーあっさり「ギャーッ」川に落っこちてしまいました。

 ボリス・カーロフ、ここで現れた長老に向って「私はヴードゥの力を信じますよ。あの人形は間違いなく小屋にあったのに、いきなりここに出現したのだから。私は帰ってもこの秘密を守ります。島を開発させたりさせません」長老、大きく頷いて「分かってくれたならよろしい。君たちは帰りなさい」へ?なに、これどういうこと?あ、ボリス・カーロフたち本当に帰っちゃったぞ。

 ゾンビはまだ出てこないのって、もう映画が終わっちゃったよ!

 モノクロ・スタンダード 美麗なモノクロ画質。若干画面に赤色が乗りますがそれを除けば黒の沈み、解像度など申し分なし。英語字幕、クローズドキャプションつき。『The Four Skulls of Jonathan Drake』 (1959)とのカップリング。MGMミッドナイトムービーシリーズのDVD。

エロの冒険者
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 『Shadow of Chinatown』

 『Shadow of Chinatown』

これは1936年のベラ・ルゴシ主演の同タイトルシリアル 300分を71分の映画に再編集したもの。何時もながらにムチャな編集で話の飛び方が凄いですが、何、そこは我輩の腕でなんとかしますのでご安心を。

 冒頭 本作品の舞台となるサンフランシスコ、チャイナタウンが映ります。次に登場したのは怪しげなる美女 ソニア・ロコフ(ルアナ・ウォルターズ) これまた怪しげなる手紙を読んでおります。何と書いてあるのかというと・・・これが画質が酷くて読めないのであります(笑)。かろうじて「競争相手をぶっつぶせ」と書いてあるのがわかるくらい。彼女は手紙を読み終わるとどこぞの研究室にいるルゴシ(役名 ヴィクター・ポーテン)に電話して、「すぐ私の家に来てくださらない」

 駆けつけてきたルゴシにソニアは「チャイナタウンの商売を我々が独占したいの。成功報酬は一万ドルよ」頷いたルゴシ、「ではさっそくに取り掛かりましょう」彼は中国人の手下をチャイナタウンに派遣、ブティック兼レストランで拳銃を乱射、お客をさんざんに驚かせるのでした。んー、これは単なる嫌がらせですか、コレを繰り返してチャイナタウンから追い出そうというのでしょうか。なんだかセコイ手口です(笑)。

 この事件に飛びついたのが女性記者のジョアン・ホワイティング(ジョアン・バークレイ)、まったくこの手のシリアルに女性記者は欠かせません(笑)。彼女はさっそくに作家で素人探偵のマーティン・アンドリュース(ブルース・ベネット)に助けを求めます。警察に彼を協力させて事件を解決、これで特ダネ記事の一丁出来上がりという計画だったのですが、肝心のマーティンはそっけなく「駄目だね、僕は作家で探偵じゃないんだ、そんなのは筋違いというものだ。君、一つ接骨院にでも行ってくれたまえ」「筋違いだから接骨院に行けって、また古いギャグね。いいわ、そんなこと言うのなら私一人で調べます!」ぷんすかのジョアン、チャイナタウンへ急行します。

 ところがそうは問屋が許さないじゃなかった卸さない、警察に行って話しを聞こうとしても門前払いを食らってしまうし、どこかへ行こうとしているウォーターズ警部(フォレスト・テイラー)を見つけてインタビューしようとしても「何も話せないよ」と追っ払われてしまう始末。途方に暮れるジョアンです。ところがその時彼女の目前で拉致事件が起こりました。ルゴシの偽電話で呼び出されたチャイナタウン 商工会の大物、ヒューズが彼の部下に攫われてしまったのです。ヒューズはあっという間にルゴシのアジトに連れ込まれ部屋に押し込まれてしまいます。この中で待ち構えていたのが奇妙な人形。この人形の腕ががっとヒューズを抱え込み動けなくしてしまいました。そのままぐるりと回転してぱっと放すと、おお、ヒューズは床の穴に吸い込まれてしまったのです。ぎゃあああと響く悲鳴。

 後をつけてきていたジョアンはこの恐ろしい光景を立ちすくんでしまいます。ようやく気を取り直して逃げようとしたのですが壁がクルリと回転して別の部屋に引きずりこまれてしまったのでありました。

 さて、行方不明の彼女を心配した新聞社の編集長ハリソン(ロジャー・ウィリアムス)はウォーターズ警部へ捜索を依頼。警部はマーティンが絡んでいるのに違いないという見当違いのカンで彼を訪ねて「彼女はどこだ、何か知っているだろう」閉口したマーティン、「彼女はチャイナタウンの騒動を調べると言ってましたよ、探すならチャイナタウンですな。」彼はついに自ら彼女を探す羽目になったのです。

 ルゴシのアジト 二階に監禁されているジョアン。一計を案じまして鏡台の鏡を外します。これに口紅で文字 HELPと書いて窓を通して外の壁に反射させ助けを呼ぼうという算段。一度映してみて、「アラ、文字があべこべだわ」急いでやり直すというギャグあり(笑)。直したのを壁へ反射させますと丁度通りかかったマーティンが気づくという・・・。ここまで堂々とやられるといっそすがすがしいくらいのご都合主義であります。「彼女はあそこだ」と確信したマーティン、道路の反対側の電柱によじ登り電線を伝ってその光の出所と思われる二階の窓へ行こうとしたのですが、途中で電線が切れちゃった。マーティン、二階ではなく一階の窓に飛び込んだというオソマツ。

 もうこうなりゃやけだ、マーティン、見張りの中国人と大格闘。ついにこれを失神させ二階のジョアンを救出したのです。さあ、この建物から逃げ出そう、出口を探す二人ですが、また悪漢がやってきた、それっとばかりにマーティンが飛び掛るとそれはウォーターズ警部というオチ。カンカンになった警部にマーティン、「すみません、すみません、でも彼女は中国人に捕らえられていたのですよ。二階で失神していますからごらんになってください」ところが警部が二階に行く前に意識を取り戻した中国人はさっさと逃げ出していたのです。警部、「なんだ、誰もおらんじゃないか、やっぱり君の仕業じゃないか。いつか必ず逮捕してやる」

 これですっかり頭に来たマーティン、編集長のところへジョアンを引っ張って行き「この馬鹿女をしっかり管理してください。もう僕の側に近づけないで下さい」と叫ぶのでした。

 この事件がきっかけとなってソニアは一時サンフランシスコを離れることになります。この時部下のグローガン(チャールス・キング)が「出て行く前に一つ、ええやろ、させんかい」とソニアに襲い掛かるのですが、ルゴシの催眠術で操られてしまうという場面。このグローガンはこれが初登場で、出てくるなりいきなり「させんかい!」ですからね、かなり彼に関する話が切られてしまったようで。

 この後、話はさらに飛んでどうやらグローガンが裏切ったらしい。彼はいつの間にか乗っている客船の上でルゴシから「お前の命も今夜真夜中まで」なんて脅迫状を送りつけられたのであります。いつの間にかマーティンもこの船に乗っておりまして(笑)、船長と二人で彼を守ろうということになります。船長室に匿って真夜中を待ちます。すると杖をついた老人に変装したルゴシが船長室の隣の船室に入った!そして壁の穴からマーティンたちの様子を覗くのであります。丁度真夜中となりました。グローガン、「もう一切合財話してしまいましょう。この事件の黒幕は」ルゴシが吹き矢をぷっ。ばったり倒れるグローガン、しまったとうろたえるマーティンと船長ですが時既に遅し。ルゴシは悠々と逃走していたのです。

 しかし、グローガンは死んでいませんでした。この吹き矢に塗られていた薬は彼を仮死状態にするものだったのです。それでルゴシが用意した別の薬液を舌に三滴垂らすと自分の意思は持たないまま起き上がり手を引いてやればフツーに歩いてついてくるという、まあ、なんという便利な薬でしょう。ルゴシはこの薬を使って船の治療室からグローガンを誘拐するのです。

 一方、ジョアンから重大な情報がマーティンにもたらされます。彼女が持ってきたこの事件の黒幕だという写真、これを見てマーティンはのけぞります。「これはミス・ソニアじゃないか。彼女はチャイナタウンの商工会で働いているんだぞ」

 この後画面には映りませんがどうやらグローガン死体が盗まれたことがマーティンと船長に伝えられたらしい。二人は「よし、明日乗客が下船する時を見張りましょう」ところがその裏をかくのがルゴシ。彼はぼーっとしているグローガンを老人に変装させてしまうのです。これでまんまとマーティンと船長の目をかいくぐり下船に成功します。

 もっともマーティンはこの直後、車に乗っているソニアを見つけてタクシーを使って尾行するのですから、あんまり意味がなかったのですが(笑)。それにしてもこの時ソニアは金髪の鬘を被っていたのによく見つけたな、マーティン。

 そしてマーティンやジョアンは彼らが滞在しているホテルの部屋へ踏み込んだのです。彼らを見たソニア、「あいつよ、みんなあいつにやらされたのよ、グローガンも隣にいるわ」これでソニアやその部下を部屋に残して隣へ行ってしまうマーティン。どうして彼女から目を離しますかね。そしてベッドに寝かされているグローガンを見つけたその時、ルゴシが部屋に入ってきました。

 ルゴシ、ソニアに催眠術をかけてしまいます。そして次にアンドリュースたちの隙をついてグローガンにも催眠術。声を出したら気づかれてしまうので、手りゅう弾を渡して身振りで「こうやってピンを抜いて彼奴らに投げつけるのだ」と命令するルゴシの大仰なこと(笑)。グローガン、彼の命令どおり手りゅう弾を投げるのですが、アンドリュース、これをキャッチ、窓の外へ放り投げるのでした。激しい爆発が起こって悲鳴を上げるジョアン。ルゴシはこの間にさっさと逃げてしまったとさ。

そんなホテルの窓からいきなり手りゅう弾投げたらアブナイだろ(笑)。

 さて、この騒動の後ソニアが催眠術にかかっていることを知ったアンドリュースたちは彼女とグローガンを病院へ運び込みます。そこで催眠術を解いて貰おうとしたのですが、治療に当たった医者は「コレは何しろ術者がルゴシですからな。強力な催眠術で私などの手には負えません。精神科医のザンダー博士(ヘンリー・ホール)ならばあるいはなんとかなるかも知れません」

 場面はそのザンダー博士の病院に移ります。治療の部分をすっとばしてぱっと元に戻るソニア。いきなりルゴシのことを喋りだしました。「彼は中国人を憎んでいます。中国人を絶滅させたいと思っています。彼は小型テレビカメラを開発してチャイナタウンのあちこちに仕掛けました。彼はチャイナタウンで起こることをみんな知っているのです」その通り、テレビカメラでルゴシがこの様子を覗いているという・・・。「私はフランケンシュタインのモンスターを雇ってしまった。彼は私を滅ぼすと脅迫してきました。あなた方みんなもアブナイのです」

 ルゴシ、ここでテレビカメラを通じて催眠術。再びソニアを操ろうと試みるのですが彼女の様子がおかしくなったことに気がついたザンダー博士が「君は自分の意思をしっかり持つのだ、操られてはいけない、抵抗しなさい」と励ましたのであえなく失敗してしまいます。

 ウォルターズ警部はソニアにルゴシの研究室を案内してくれと頼みます。「私を守ってくださるのなら」と頷くソニア。一同、彼女の案内にしたがってルゴシのアジトに踏み込むのでした。しかしさすがはルゴシ、罠を仕掛けていたのです。ビーカーにある液体を満たしアルコールランプで加熱。実はこの液体、摂氏120度に達すると蒸発し毒ガスになるという恐ろしいもの。でもだからといってビーカーにデカイ水温計差しっ放しというのはいかがなものでしょうか。研究室に突入した一同、この罠に気がつきません。と、ジョアンが胸につけていた花が見る見るうちに萎れていくではありませんか。これに気がついたアンドリュース、「いかん、毒ガスだ、みんな逃げろ」ふらふらと倒れ掛かったジョアンを抱きとめ外へ飛び出します。

 失神したジョアンを必死に介抱するアンドリュース。「ジョアン、ジョアン、目を開けてくれ、君にもしものことがあったら僕はもう・・・」そのとたんにパチリと目を開けるジョアン(笑)。「え、アンドリュース、今、何言ったの、え、何、何」「い、いや、なんでもないったら」こんな時にいちゃつくんじゃないよ。

 この後、ルゴシはグローガン、もう一人の手下ヒーリー(ウィリアム・ブキャナン)を連れてソニアのアパートメントに潜伏しております。どうせ隠れるなら全然関係のないところに行けばいいじゃないか。ほら、アンドリュースが「ひょっとしたらルゴシはあそこに隠れているかもしれない」と言ってソニアからアパートメントの住所聞き出しているじゃないか。アンドリュース、ソニアのアパートメントに向います。これをグローガンに迎え撃たせるルゴシ。彼とイーリーはアパートメント屋上から隣のビルへ逃げだします。グローガンを一端振り切ったアンドリュース、屋上に上がって後を追おうとするのですが、グローガンはしつこい。彼の後ろから襲い掛かってくんずほぐれつの大格闘。

 屋上で格闘するものですからいつ落ちるか下で野次馬がはらはらしているのがおかしい。ついに二人はもつれ合って屋上から転落します。しかしアンドリュースは幸運にも非常階段に引っかかって命びろい。グローガンの方はそうもいかずに地面に落下してぐしゃりとなってしまいました。

 ルゴシとイーリー、「ならばアンドリュースの家に隠れよう。灯台下暗しというやつで、意外なところが安全なのだ」だから全然関係ないところへ逃げろっての(大笑い)。彼らは車でアンドリュースの自宅へ向かいます。同じころ、アンドリュースもジョアンと助手のウィリー・フー(モーリス・リュー)に「ソニアを僕の家に匿ってくれ」と頼んでおります。

 はい、これでアンドリュースの家でルゴシ、イーリーとジョアン、フー、ソニアが鉢合わせするという・・・。ルゴシはジョアン、フーを二階に縛り上げて監禁します。でもその時今のソファーで眠っていたソニアは放ったらしなのです。この女も一緒に縛らんかいと思うのですが(笑)。この後ルゴシとイーリーはどこからか梯子を持ってきて丁度玄関のすぐ上という便利な場所に釣り下がっている中国風のシャンデリアに細工。根元に爆弾しかけてアンドリュースが入ってきたときに落下させようというのですな。

 そしてアンドリュースが帰ってきた。二階のテラスから見張っていたルゴシとイーリーは大喜び。「むししし、あれが飛んで火にいる夏の虫てぇやつですな」二人はアンドリュースが玄関のドアを開けるタイミングと合わせてシャンデリアを落下させるのですが、ほら、縛っておかないからソニアが「アンドリュース」危ないと飛び出してきて、彼を突き飛ばしてしまったじゃないか。シャンデリアは彼女の頭にぐさーっ!このあまりに酷い彼女の死に様を見よ!

 罠が失敗したことを悟ったルゴシ、イーリーを放ったらかしにして自分ひとりだけ車で逃走します。これを同じく車で追いかけるアンドリュース。自力で縄をほどいたジョアンが警察に連絡したので、パトカーや白バイもこの追跡行に参加します。ルゴシは船で逃走すべく港へ向ったのですが、ああ、運転を誤って海へ転落してしまいました。稀代の悪党、ルゴシはここにその最後を迎えたのであります。

 エピローグ、アンドリュースの家に嬉しげにやってきたジョアン、新聞の一面に自分の記事が載った大喜び。そしてアンドリュースに更なるインタビューを申し込むのですが、アンドリュース、「それはもうできないよ。だって、僕がハリソン編集長に頼んで君を首にしてもらったから」愕然とするジョアン、「えー、何ー、それ、超ひどーい」アンドリュースはにこりと笑って「だって、君は僕の奥さんになるんだ、新聞記者なんてやっている暇はないだろ」「あなたの奥さんですって、ンマー、嬉しい」抱き合う二人、キスをして、はい、エンドマーク。

いくらなんでもちょっとはしょりすぎ。よっぽど注意深く見てないと話が分からなくなってしまいます。まあ、だからといって元のシリアルを全部見ようと言う気にはならないんですけどね(笑)。

 モノクロ・スタンダード。とにかく解像度がなくって細かい部分がつぶれちゃってます。音もバックグラウンドノイズが酷くヒアリングがもー大変。12枚のディスクに50本の映画を収めたNightmare Worlds 50 Movie Pack Collection。Mill Creek EntertainmentのDVD。

           エロの冒険者
       HOMEPAGE http://homepage3.nifty.com/housei/
      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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