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2008年7月 4日 (金)

『The Four Skulls of Jonathan Drake』 (1959)

 『The Four Skulls of Jonathan Drake』 (1959)

干し首の呪いを題材にしたホラー。出てくる干し首がいやにリアルで、また呪術師に操られるゾンビも唇が縫い合わされていたりして大変にキモチ悪い。これなら首がぽんと飛んだり内臓引きずりだしたりというスプラッター映画の方がはるかにましです。

 警告、警告、このDVDのリージョンは1です。したがって日本国内のDVDプレーヤーでは再生できません。警告、警告。

冒頭いきなり干し首(ツァンツァ 南米ヒバロインディアンの風習で敵対する部族の首を駆り頭蓋骨を抜き取って乾燥させたもの)を持った男がばーん。それからソファーで苦しげな寝息をたてているのが本作の主人公であるジョナサン・ドレイク(エドアード・フランツ)であります。夢うつつをさ迷う彼の視界の中に現れたのが三つの髑髏、これが空中をふわふわと舞って・・・「お父様、お父様、大丈夫ですの」彼を揺り起こしたのは娘のアリソン(ヴァレリー・フレンチ)でした。「お父様、もう研究はおやめになって、お父様ご自身がこの研究に捕らわれておいでになるわ」しかしジョナサンは首を振って「研究をやめる訳にはいかん。これは宿命なのだ」

 アリソンは叔父、つまりジョナサンの弟ケネス(ポール・カバナ)から連絡があったことをジョナサンに伝えます。「叔父様は何でもツァンツァの人とお会いになるんですって」「なんだと!」驚愕のあまり声をつまらせるジョナサンです。「ツァンツァとは南米に住むヒバロインディアンが作る干し首のことだ。むむ、ケネスが危ない」彼は執事のロジャーを呼んで「すぐに旅行の支度をしてくれ。私はケネスに会わねばならぬ」

 そのケネスは自宅でくつろいでおります。ところが窓の外を見てぎょっ。小さな干し首が吊るされているではありませんか。「ウワ、気持ち悪い、なんじゃこりゃ」さらにドアを開いて現れたのが唇を紐でぬい合わせた干し首そっくりの顔をした男。「ウワッ!あんた、一体誰?」干し首男、彼の疑問に答える訳もなく鋭い竹のナイフで彼の首をぷすっ。「ぎゃああ」ばったり倒れるケネスであります。干し首男、さらにでかいナイフを取り出して彼の首を切断しようとしたのですがここで彼の召使がホットミルクを持って戻ってきたものですから、諦めて逃げ出したのでした。

 ケネス死亡。しかし彼の死はホームドクターのブラッドフォード博士(ハワード・ウェンディル)によって心臓麻痺と診断されたのです。

 翌朝、やってきたのが警察のジェフ・ローマン警部(グラント・リチャーズ)。どうやらアリソンがケネスの死について不審な点アリ、調査乞うと連絡していたらしい。確かに窓の外に干し首が吊るしてあったし、ケネスは生前から何かに悩んでいるようでもあった、それで友人の考古学者で干し首の専門家の・・・っていやな専門家ですが(笑)、ドクター・エミール・ズリック(ヘンリー・ダニエル)も呼ばれていた等々の疑問点があるのですが、何しろ死因が心臓麻痺です。それにブラッドフォード博士が「いや、ここの家系は心臓が弱いんですねん。先代も先々代も心臓麻痺で60歳で逝ってますわ。ケネスも60歳、遺伝的な面からみてもまず間違いないですやろな」と言うものですから警部、事件性なしと判断して帰ってしまいました。

 その夜屋敷へ戻された棺桶。葬式に備えてリビングに安置されるのですが、あ、あの干し首男がまたやってきた。彼は屋敷の中へ忍び込むと棺桶の蓋を開けに掛かるのでした・・・。

 翌日ジョナサンが到着します。彼は弟の死を知らなかったようでお葬式やっていることを知って愕然となります。彼は止めようとする葬儀会社の係りの人を手を振り切って棺桶の蓋を開けるのでした。するとなんということでしょうか、ケネスの首が消失していたのです。あまりのショックにばったり倒れるジョナサン。

 ここで場面はぱっと変わりまして怪しい実験室のような場所になります。ここで大鍋でぐつぐつ湯を沸かしている男。彼は「ズタイ!」と叫びます。するとあの干し首の男が現れました。彼が捧げ持っている藤のバスケット、これを開けますと出てきたのはもちろんケネスの首であります。男はこれを取り上げると「ケネス・ドレイク、祖先の罪を償うのだ」と叫んで鍋の中にぼちゃん。臭み消しのためにブーケガルニ、冷蔵庫に余っている屑野菜、にんにく丸ごと一個、レモン汁たっぷり入れて15分ほど煮込みます。これで首が柔らかくなるのでナイフを入れて頭蓋骨を取り出します。残ったスープは漉してラーメンに使ったりするのも良いでしょう。

 紐で頭の皮のカタチを綺麗に整えて唇もぬい合わせてしまいます。ここで出来上がりが決まってきますので、作業は特に念入りに。これが終わったら中に砂を流し込んではい、干し首の出来上がり。初めはなかなか上手く行かないかも知れませんが、市販とは違う手作り干し首。少し歪んでいてもそれが趣だと思えばいいのです。

 出来上がった干し首を捧げ持った男はにやにやしながら叫びます。「次はジョナサン、お前の番だ。これで呪いは終わるぞ」

 首が盗まれたとなればこれは立派な犯罪事件。ローマン警部、張り切って捜査を開始します。アリソンもジョナサンに「お父様、もう警察の手にまかせましょう」と言うのですが彼はどうしても納得できません。彼は「娘や、我が一族の秘密を話す時がきた。納骨堂へ行こう」この納骨堂には一族の骨がみーんな収められているという陰気な場所。ジョナサンは「娘や、ここの鍵をお前に預けよう。他に持っているものはいない。これからはお前がここを管理するのだ」

 ジョナサン、納骨堂に入ってこんな話を語りだすのでした。「アマゾンの奥地で貿易の商売をやっていたウィリアム・ドレイク船長(1813~1873)という人がいた」「私のひいひいひい祖父ね」と呟くアリソン。「その彼の部下をヒバロインディアンが攫って首を切ってしまったのだ。激怒したドレイク船長はインディアンの村を襲い女子供も容赦なく皆殺しにしてしまったのだよ。この虐殺を一人逃れたのがウィッチドクターのチングイというものだった。彼が我が一族に呪いを掛けたのだ」

 「私の祖父のギルバート、父のデヴィッドも60歳で心臓麻痺で死んだ。そしてケネスと同じく首を持ち去られてしまったのだ。そしてその後から・・・」彼は納骨堂の壁に作りつけになっているキャビネットをぱっと開きます。中を見たアリソンはキャー。なんとしゃれこうべが二個並んでいたからです。「これがいつの間にか戻ってきていたのだ」おお、この良く分からないけれどもとにかく謎めいた雰囲気、さすがエドワード・L・カーン監督ですな!

 さて、干し首のできばえに満足した男、ズタイに「お前、このケネスの頭蓋骨を戻してこい」ズタイ、例の藤のバスケットに頭蓋骨入れてジョナサンの屋敷へ。一方、アリソンは警部を呼び出し父親の語った呪い話を全て話すのでした。「信じられない話ではありますが、アリソンさん、とにかく納骨堂の中を見せてください」警部とアリソン、納骨堂へ。例のキャビネットを開いた二人はあっと驚きます。なんと、二個だったはずのしゃれこうべが三個に増えていたのでした。「こ、これはケネス叔父様のものですわ!でもどこから入ったのでしょう、ここの鍵は私しか持っていないはずなのに」

 この間、ズタイはジョナサンの寝室に忍び込みます。そしてまたまた鋭い竹のナイフで首筋チクリ。たちまちジョナサン意識を失います。ズタイ、彼の首を切り取ろうとするのですがロジャーが戻ってきたものですから慌てて逃げ出すのでしたって、あんた、ケネスの時と同じようなことやっとるねえ(笑)。このズタイを警部とアリソンが目撃。警部は拳銃を乱射しながら後を追ったのですが主人の異変に気がついたロジャーの叫びに気を取られて見失ってしまったのです。

 ジョナサン、まだ息がありましたが非常に危険な状態です。呼ばれてきブラッドフォード博士は「ショックで心臓麻痺起こしたんですなあ」とワンパターンなことを言っていたのですが、ここで警部が「あ、首に傷がありますよ。何か毒使われたんじゃないですか」急ぎこの傷口から毒を採取して警察で鑑定したところこれは麻痺毒のクラーレであることが分かったのです。急いでクラーレの解毒剤をジョナサンに注射するブラッドフォード医師。

 警部はその間部下のリー(フランク・ガースタイル)を連れて納骨堂の調査。リーはしゃれこうべから指紋の採取。警部は壁を叩いてちゃんちきおけさじゃなかった隠し通路の探索であります。「警部、変な指紋が出ましたよ」とリーが叫んだのでどれどれと覗く警部。するとしゃれこうべのうえにくっきりついた指紋、この一つひとつに髑髏のマークがついているという(大笑い)。リー、思わず「警部、これ何かのギャグっすかね。面白すぎますよ」さらに他の頭蓋骨からも同じような髑髏マークいりの指紋が見つかって「ということは何百年も同じ人間が生きていてこのしゃれこうべを返しにきたということなのかな」首を捻る警部であります。

 その頃ようやくジョナサンの意識が回復しました。この間警部・アリスン・ブラッドフォード博士はジョナサンの書斎で事件について話し合うのでした。警部は「一人の人間があの三つのしゃれこうべを持ってこれるほど長生きするものですかねえ」露骨にそんなことを聞かれても困るという態度を見せるブラッドフォード博士(笑)。結局この答を見つけたのは警部自身でした。彼は書斎の本を調べて「あ、あった、あった。あの指紋のと同じマークが載っている!」その本の説明によると南米のインディアン種族のウィッチドクターは人間を不死にする呪術を知っているらしい。人間の血液を入れ替え手術を施すとそれからまったく食べ物や酸素を必要とせずいつまでも生き続ける不死の存在になるのだそうな。このゾンビの外見上の特徴としては唇が縫い合わされていることなのだそうで。

 「とても信じられん、これはただの伝説でしょう」と呻く警部。しかしブラッドフォード博士は「いや、伝説にも事実に基づくものがあるというやないですか」

 その後屋敷の周囲を調べる警部とアリソン。彼らは拳銃で怪しい男を撃ったと思しき場所を探します。するとあった、あった、ぼろいサンダルが。ただ不思議なことにその周囲には足跡がひとつも残っていないのです。「サンダル脱げたんだから足跡残るはずなんだけどな」と首を捻る警部。彼らはさらに木の幹にめり込んでいた銃弾を発見します。「よし、これを警察の研究所で分析して貰おう」

 一方謎の男はまたジョナサンに対して悪巧み。仮面を被り地獄の底から響いてくるような恐ろしい声で呪いを掛けるのです。「ジョナサン・ドレイク お前の命はブラッドフォード博士に救われた。だが次はそうはいかんぞ。私の心がお前の心に入る。私の見たものをお前も見るのだ、お前は祖先と同じように死ぬのだ。弟と同じように死ぬのだ、分かったな、わーっはっはっはっは、ごふ、げほごほ」これで四つの骸骨の幻影をみるジョナサン。あまりの恐怖に再びショック状態となり救急車で病院へ運ばれるのです。

 この事態に困惑したブラッドフォード博士。南米インディアンの呪いに詳しいズリック博士の自宅を訪ねます。お、自宅の窓からズタイが見える。ということはあの謎の男の正体はズリック博士だったのですねえ。そうとも知らず彼に助けを求めるブラッドフォード博士。「ジョナサンもケネスもクラーレでやられたのですわ。これは南米のインディアンの仕業でっかいな」ズリックは「いや、ジョナサンは死んではいないでしょう」この台詞ではっと気がつくブラッドフォード博士。「あ、あんた、何でそんなこと知っているのや、さてはあんたがやったんかぐっ」飛び込んできたズタイがぷすりと竹の針さしてはい、ブラッドフォード昏倒します。

 この頃警察の研究室ではサンダルと弾の分析が終了。担当者のリーは弾をいじりながら「これ、血のほかにクラーレついてますよ、一体どんな人間なんですか」さらにサンダルについて「ウウーム、これはあれですよ、人間の皮でできていますよ」とたんに警部、弄っていたサンダル放り出して「うわ、気持ちわるい!」とやるのが笑えます。

 分析が終了してもやっぱり訳が分からない。ということで警部もズリック博士に話を聞きに行くのでした。博士はそ知らぬ顔をして彼の質問に答えて干し首の作り方を説明したりするのですが、警部はここでカーペットに血の紙魚があるのを発見。そそくさと博士宅を辞去するとリーに無線で「ズリックの経歴を洗ってくれ、奴の家の床に血の紙魚があった。どうも怪しい」と依頼します。ズリック博士のほうも警部に疑われたと直感してこうなりゃ急がなきゃならないということでズタイと共に車で出撃。再びジョナサンの寝室を襲うのですがすでに皆さんご存知の通り、彼は入院しているので寝室はからっぽ(笑)。頭にきたズリックは「こうなりゃ奴を病院から引きずり出すまでよ」

 警部はこの時ズリックの屋敷に潜入中。カーペットの紙魚を調べているうちにその下に隠し扉があることを発見します。降りてみると鍋がぐつぐつ。戸棚にはトロフィー然とした干し首が飾ってある。おまけに冷蔵庫開けたら「わああ、ブラッドフォードの生首が!」これで完全に彼が犯人だと知った警部、急いでパトカーに戻って無線で連絡します。その時リーが「警部、ズリックの公式な記録なんて残っていません。奴は記録上は存在しないのです。それにズリックという名前はあれですよ、180年前ヒバロインディアンに首を切られたドレイク船長の部下の名前ですよ!」面白くなってきましたなあ(笑)。

 さて、ズリックは「お父様の容態が急変しました。病院へ行きましょう、私が車でお送りしましょう」とアリソンをさそいうまうまと誘拐してしまいます。そして病院のジョナサンに電話で「やい、娘を人質に預った。お前はわしの家まで来い。あ、警察知らせたら娘の命はないからな」と連絡。泡を食ったジョナサン、ピストルを握り締めてズリックの自宅へ向います。

 そしてズリックと対峙したジョナサン、「お前の正体は分かっている。インディアンの体に白人の首がついているのだ。お前は死人だからピストルでは殺せない。別の方法が必要だ」彼はピストルを自分の頭に当てて「それは私が死ぬことだ。私が死ねば呪いは成就されず、逆にお前に降りかかるのだ」ズリックは叫びます。「ズタイ、出て来い、こいつからピストルを取り上げろ」ズタイ登場してジョナサンに襲い掛かります。が、しかし、この時最高のタイミングで警部が登場。彼は「いつまでもお前の好き勝手にはさせん、正義は必ず勝つ!」と叫んでズタイに体当たり。ズタイよろけて竈に倒れこんでしまいます。その途端「ギャーッ」と身も蓋もない悲鳴が響いてズタイ消滅したのでした。

 次に警部はズリックに飛び掛ります。この時ズリックの白衣がはだけて胸が見えたのですが、これが「インディアンの体に白人の首がついている」というジョナサンの言葉通り。首に縫い目があってその下は日焼けしたインディアンの体だったという・・・(笑)。ズリック、外へ逃げ出します。後を追った警部、彼を捕まえて最後の取っ組み合い。ここでジョナサンがあの竹のナイフを取り出して「ほら、警部、これで刺すのだ」警部はまた「何時までもお前の好き勝手にはさせん、正義は必ず勝つ」と叫んでズリックをぶすー。たちまち動かなくなるズリックです。

 これで終わりかと思いきやジョナサン、「首を切断しなければ呪いは終わらぬ」ということで長いナイフで首を切り落とします。そのとたん、ズリックの体は溶けて灰になってしまいましたとさ。そして現れるしゃれこうべ。警部が「おお、これは四つ目のしゃれこうべ」と呟いたところでエンドマーク。

あれ、納骨堂の隠し通路は見つかったんだっけ。ズタイがどうやってしゃれこうべをかぎの掛かった納骨堂に置けたのかという謎がそのまんまになっていますな。

 モノクロ・スタンダード 非常に立体感のある高画質。夜の森でも一枚一枚の木の葉が見分けられます。台詞も聞き取りやすくノイズもほとんどありません。英語字幕、クローズドキャプションつき。『Voodoo Island 』(1957)とのカップリング。MGMミッドナイトムービーシリーズのDVD。

エロの冒険者
       HOMEPAGE http://homepage3.nifty.com/housei/
      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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