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2008年7月 4日 (金)

『Voodoo Island 』(1957)

 『Voodoo Island 』(1957)

 ブードゥでアイランドで、おまけに主演がボリス・カーロフなのですからさぞゾンビがぞろぞろ出てきて酸鼻な殺人が繰り返される映画なのかと思いきや、ぜんぜん違って実に地味なストーリーでありました。意外と面白かったけれども、僕はやっぱりゾンビが出てくるのが良いんだよう。

 警告、警告、このDVDのリージョンは1です。したがって日本国内のDVDプレーヤーでは再生できません。警告、警告。

巻頭いきなり頭につまようじが突き刺さった人形がばーんと出てくるという不愉快なオープニング(笑)。それからオープニングクレジットの間、南国の島のリゾート施設のディオラマが映っております。実はカールトン(オーウェン・カニングハム)という大社長がこの島に大リゾート施設を作って世界中から観光客を誘致し大もうけしようと企んでいたのであります。ところがこの島、ヴードゥーの伝説があって地元民でもなかなか近寄らないという怖い島。

 カールトン社長はそんな飛行機が飛ぶ時代にヴードゥーの呪いなんてわっはっはと笑い飛ばして4人の現地調査員を派遣したのですが、生きて戻ってきたのは近くの海をボートで漂流しているところを救助されたミッチェル(グラン・ディクソン)だけ。このミッチェルも奇妙なことに始終ボーっとしてまるっきり動かず、まるで自分の意思そのものを失ったかのような状態であります。こんな島、もう諦めればいいのにすでに大金をつぎ込んでいるカールトン社長は諦めずトンデモバスターとして有名なフィリップ・ナイト(ボリス・カーロフ)を雇い島の再調査を依頼したのであります。

 ボリス・カーロフは「いやいや、逆にこれは宣伝になりますぞ。人は怖いものを求める。人が好きなのはスリル・スピード・セックスの3Sですからな。ヴードゥの島で宣伝すれば人はわんさとやってきますよ」 いやいや、ボリス・カーロフさん、スリル(thrill)はSじゃなくってTですよ(笑)。彼はカールトンの依頼を快諾しますが一つ条件を出すのでした。それはミッチェルを同行させること。彼を島に連れていくことで彼の奇妙な病状の原因が分かるかも知れないと考えたのです。

 ここにブードゥー探検隊が結成されたのです。そのメンバーはボリス・カーロフ、その秘書のサラ・アダムズ(ヴェバリー・タイラー)、カールトンの部下のバーニー・フィンチ(マーヴィン・ヴィー)、その妻クレア(ジーン・エングストーム)、ミッチェル、そして医者のワイルドリング博士(ハーバート・パターソン)。彼らは飛行機で勇躍飛び立ちます。この時空港で女の子がヴードゥ人形を弄っているのが不気味です。これが前兆なのか、故障頻発。計器はきかなくなるし、無線もおかしくなる。下の天候観測所では彼らの無線は聞こえているのですが、応答できないのです。

 これじゃしょうがないってんで予定を変更。一度着陸することになります。天候観測所でみんな休息している間に無線の修理。この時ぴーがーぴーがーという雑音を聞いたミッチェル、急に目を見開き立ち上がります。しかしそのままばったりと倒れて血圧急降下、心拍数も減ってきて、ワイルドリング博士、「やばいぞ、アドレナリン注射だ」ところがこの先生、慌てていたせいでアドレナリンのビン落としちゃった(大笑い)。その間にもミッチェルの容態はますます悪化。「うわあ、死んでしまう、彼が死んでしまう」この時、無線が急に回復。途絶していたほかの気象観測所と連絡が取れたのでした。するとアラ不思議、ミッチェルの容態があっという間に回復してしまいましたとさ。

 翌日、飛行機は再び離陸します。この時飛行機の下に見えたのがあのヴードゥ人形。そう、出発するときに女の子が弄っていた奴ですよ。今度の飛行もただじゃすみませんよと思ったのですがあにはからんや、飛行機は順調に飛んで目的地に到着。ここは地元業者のスカイラー(エリシャ・クック・ジュニア)が根城にしている島で問題のヴードゥアイランドとは目と鼻の先という好立地。彼らはこのスカイラーに探検の援助を頼もうと思っていたのです。一行はスカイラーの部下、マシュー・ガン(ローデス・リーゾン)に迎えられてジープで屋敷へ案内されるのでした。

 スカイラー、にこやかに彼らを向かえたのですが、ミッチェルがいるのを見てびっくり。「駄目だ、彼はいかん。彼がいるのなら協力などせんぞ」するとついとバーニーが近寄りまして、「へへへ、旦那、まあ、そうとんがらからずに」持っていたバックの口を開けて見せるとおお、その中に札束が。これでスカイラー、「う、うむ、おほん、まあ、やむをえないですな、いいでしょう」とあっという間に変わってしまったという・・・。何時の時代にも現金は強いのであります。

 さて、その夜変事が起こります。ミッチェルが看護役のワイルドリング博士を眠らせて脱走してしまったのです。慌てて後をおうボリス・カーロフたち。ようやく見つけた時、ミッチェルはすでに死んでいました。彼はボートに乗り込みブードゥアイランドの方を向いたまま死んでいたのです。スカイラー、これを見て「ウウーム、ボートで見つかった時と同じカッコですな」「やはりあの島には何かあるかも知れない。ミッチェルはあまりの恐怖のために死んだのだ」と呟くボリス・カーロフです。

 それでも調査はしなければなりません。そうしないとカールトンからお金がでないからです(笑)。翌日、ボートに乗り込む探検隊。彼らはそこで白墨で書かれた奇妙なマークと袋を見つけます。ボリス・カーロフは袋を取り上げると、「これはウアンガの袋という奴だ」「ウアンガというと、あれですか」手を上げてこう喋り始めたのはバーニーです。「あの牧伸二の奴ですか、ウアンガ、ウアンガ、やになっちゃった、ウアンガ、ウアンガ、驚いた」ボリス・カーロフはこのつまらないボケを完全に無視して「ほら、見てごらん、中に紙に書いた死の呪いが入っている。これが六枚あるから、あははは、我々みんなの分があるな」 あれ、ちょっと待てよ、ミッチェルは死んだけどガンとスカイラーが加わったのだから呪いが一枚足りないと思うのですが。

 はい、探検隊はボートで出航します。ところが途中でエンジンが止まっちゃった。調べてみると燃料パイプに虫が詰まっていたのでこれを取り除いてやったのですが、それでも動かない。ボリス・カーロフ、まったく動じず「そのうち上げ潮に乗って島へつくさ」だって。帰りはどうするんだっての(笑)。その言葉通り翌朝ボートはヴードゥアイランドに漂着するのです。ああ、76分の映画なのに40分近く過ぎてからようやく到着したぞ(笑)。

一行は島に上陸します。あれ、ワイルドリング博士がいないぞ。ということは彼は島への探検行には参加しなかったということかな。すると六枚のウアンガの呪いの紙はボリス・カーロフ、アダムス、バーニー、クレア、スカイラー、ガンで丁度人数分ということですか。

 海岸を調べて回る一行。「あ、何か光るものがあるぞ」それは椰子の幹に埋め込まれた金属片。「これはきっとミッチェルたちが目印につけたものに違いないぞ」とボリス・カーロフが叫んだ途端椰子の実が落下。もう少しずれればアダムスの頭を粉砕するところだったという・・・。おしい(笑)。さらに茂みから現れたのが作り物のヤシガニ。一同、なぜか恐怖におののいて逃げ出すのでした。いや、そりゃ大きくはあるけれどもフツーのカ二だから、そんな悲鳴を上げて逃げる必要はないと思うんだけど。

 島の奥へ向う一行。とそこでミッチェルたちが残していったと思しき測量道具 経緯儀を発見します。これを覗いてみるとあ、ミッチェルたちがキャンプしたらしい場所が見えるぞ。一同、そこをキャンプ地に定めここで休んで明日はさらに奥地へ行こうということになります。女二人を残してボートへ食料を取りに言った男たち。これを茂みの影から覗いている島民たち。絶対この隙に女二人攫われるぞ、そしてあんなことやそんなことをされてしまうぞと思ったのですが、何も起こらない。男たちもあっさり帰ってきてしまいます。ただ、彼らは手ぶらでした。クレアが「食料はどうしたのよ、私、おなかぺこぺこなのよ」と尋ねますとボリス・カーロフ、じろりとスカイラー睨んで「食料は全部腐っていたんだよ」

 仕方なく野営をする一行であります。この夜の間にガンとアダムスが接近します。二人きりとなっていろいろお話。アダムス、ガンに「君はマシーンのように冷静な女だな。恋をした経験があるのか」と非常に立ち入ったことを聞かれて激怒するのでありました。

 朝になります。再び男女チームに別れる探検隊。女は近所をぶらぶら、男は周囲の捜索。だからどうしてヤバイと分かっている島でこんな別行動を取りますかねえ。ほら、ほったらかしにするものだからクレア、周囲を歩き回って滝がある池を見つけてしまったではありませんか。彼女はためらいもなく服を脱ぎ池で泳ぎ始めたのでした。彼女が泳ぎ始めると水面に浮かんでいるテープ状の水草がもぞもぞ動き始めます。わざわざその水草に向って泳ぐクレア。と水草が彼女を襲った!クレアは自分で水草を体に巻きつけながら(笑)「た、たすけてー」

 この悲鳴を聞いたアダムス、そして丁度戻ってきていた男たちは池に駆けつけるのですが時すでに遅くクレアは窒息死していたのであります。池で水草に巻きつかれた筈の彼女がいつの間にか岸にいるのがオカシイですが、まあ、それはそういうものだとご納得いただく他はございません。

 これでびびったバーニーやスカイラーは「旅はもうこれまでだ、冒険を打ち切ろう」と主張するのですが、ガンバじゃなかったボリス・カーロフは椰子の木を指差して「彼らは我々を誘いこもうとしているのだ。椰子の木の目印、キャンプ地を教えるかのようにおいてあった経緯儀、彼らは我々を待っているのだよ。ここで引き返そうとすればどんな目に会わされるか分かったものじゃない」と今ひとつ分からぬ論理で(笑)探検続行を決意するのです。

 でもとりあえず今日は休もうということで野営(笑)。夜中にまたぼそぼそ話しているガンとアダムス。「この前は君をマシーンだなんていってごめん」「いいのよ、確かに今までの私はマシーンのようだった。冷たい女だったわ、でも私は変わったの」二人は激しくキスをするという・・・。

 どうでもいいけどいつになったらゾンビ出てくるのですかねえ。

 次の朝、一度目を覚ましたバーニー、わざとらしく茂みの側へ移動。そしてそこで二度寝を始めます。なんでそんなところで寝るんだと思っているうちに茂みからまた怪植物がうわーっ。仰天したバーニー、キャンプから逃げ出します。逃げて逃げて逃げまくってようやく安心した彼の目に飛び込んできたのは無邪気に遊ぶ島民の少女二人。とそのうちの一人が怪植物にあっさり食われちゃった(大笑い)。この酸鼻な光景を目の当たりにしたバーニー、あ、ミッチェルと同じように固まっちゃったぞ。え、するとミッチェルは同じような光景を目撃したショックでああなってしまったの?ヴードゥの呪いをかけられたのではなかったということ?

 一方キャンプに屈強な島民の男たちが来襲。ボリス・カーロフたちはあっさり彼らの村に拉致されてしまったのでありました。彼らが押し込まれた長老の小屋には4体の人形、爪楊枝(笑)が体中に突き立てられた奴がありました。これを見たボリス・カーロフ「見よ、あれがヴードゥの呪いなのだ」長老は彼らに向って話します。「我々は50年も前から白人からの迫害を逃れるためにこの島に来た。この島には人を襲う植物がたくさんいる。だから逆に安全なのだ」なんか、ヴードゥの呪いとはまったく関係のないこと言ってるぞ(笑)。ここでぼーっとなったバーニーが連れてこられます。彼の様子をみたボリス・カーロフは「ああ、バーニーもミッチェルと同じことに!」と驚愕するのでした。

 いや、本当にいつになったらゾンビ出てくるのですかねえ。

 ボリス・カーロフたちは手首をロープで繋がれて小屋に監禁されてしまいます。しかしナイフを持っていたボリス・カーロフ、「何、こんなロープすぐ切れるさ。とりあえず寝て体力を回復しよう」本当に寝てるし(笑)。次に彼らが目を覚ました時に二つの異変が起こっていました。スカイラーの姿がないのです。そしてその代わりにヴードゥの人形が置かれていたのであります。「スカイラーを探さなくては」ボリス・カーロフ、ナイフでみんなのロープを切断。そして外へ出ると大声で「おーい、スカイラー、どこだー」逃げ出したのに大声で人を探す馬鹿がどこにいる、ああ、ここにいたァなんてものですよ(笑)。

 しかし、まったくいつになったらゾンビが出てくるのですかねえ。

 スカイラーは村と外界を繋いでいるつり橋の上にいました。ボリス・カーロフは必死に「スカイラー、その橋は危ない、こっちに来なさい」と叫ぶのですが、なんだかスカイラー、様子がおかしい。「ひぇ?へ、危ない?なんのこと」と呟くばかり。と、その彼の足元に小屋に置いてきた筈のヴードゥ人形が出現したのです。これに驚いて足を滑らせたスカイラーあっさり「ギャーッ」川に落っこちてしまいました。

 ボリス・カーロフ、ここで現れた長老に向って「私はヴードゥの力を信じますよ。あの人形は間違いなく小屋にあったのに、いきなりここに出現したのだから。私は帰ってもこの秘密を守ります。島を開発させたりさせません」長老、大きく頷いて「分かってくれたならよろしい。君たちは帰りなさい」へ?なに、これどういうこと?あ、ボリス・カーロフたち本当に帰っちゃったぞ。

 ゾンビはまだ出てこないのって、もう映画が終わっちゃったよ!

 モノクロ・スタンダード 美麗なモノクロ画質。若干画面に赤色が乗りますがそれを除けば黒の沈み、解像度など申し分なし。英語字幕、クローズドキャプションつき。『The Four Skulls of Jonathan Drake』 (1959)とのカップリング。MGMミッドナイトムービーシリーズのDVD。

エロの冒険者
       HOMEPAGE http://homepage3.nifty.com/housei/
      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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