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2008年7月 7日 (月)

『Zombies of Mora Tau 』(1957)

 

Zombies of Mora Tau (1957) 

 

 この映画に登場するゾンビ達は一風変わっておりまして、人肉を食べたりはしません。沈没船の宝箱を一生懸命守っております。その体にはつねに濡れた海草が撒きついており、これを名づけてシーウィード・ゾンビ。おお、なんだかカッコいいぞ(そ、そうか)。

警告、警告、このDVDのリージョンは1です。したがって日本国内のDVDプレーヤーでは再生できません。警告、警告。

冒頭「生と死の狭間に蠢くものあり。その名を歩く死者、ゾンビ」という名調子のテロップが出まして物語が始まります。舞台はアフリカのとある島。この島で生まれ育ったお嬢さんのジャン・ピータース(オータム・ラッセル)が10年ぶりに実家へ帰省してきた夜。車中で運転手のサム(ジーン・ロス)と「このへんはちっとも変わらないわねえ」「まったく左様で、お嬢様」なんて暢気な会話を交わしておりますと、突然道路上に男が現れた。ジャンは「きゃー、危ない車を止めて」しかしサムはそのままスピードを緩めることなく男をぐしゃっ(笑)。「ヒー、あんたなんてことするのよ、人、人轢いちゃったのよ、車を止めなさい」サムは彼女の言葉に耳を貸さず「お嬢様、あれは人であって人でないのでございます。私が車を止めない理由はお婆さまからお聞きになってくださいまし」

 ピータースの屋敷へ到着します。ジャンは祖母(マージョリー・イートン)の姿を求めるやいなや車から飛び出して「お婆さま!私たち車で人を轢いちゃったの、大変よ」しかし祖母はふっと笑って「ジャンや、あれはヴードゥのアレよ、心配することはないのだよ」「ヴードゥのアレ?まあ、なんてことでしょう、あたし、ヴードゥのアレって子供の頃の悪夢だとしか思っていなかったわ!」ヴードゥのアレ、今更説明するまでもないと思いますけど、要するにゾンビですね。

 さて、この怪しの島へ貨物船がやってきます。これがモナ(アリソン・ヘイズ)、ジョージ(ジョエル・アシュレイ)のハリソン夫婦、歴史研究家のジョナサン・エガート博士(モリス・アンクラム)、ハリソン夫婦の運転手ジェフ(グレッグ・パーマー)を中心とする探検隊でした。彼らはこの島にあるという大量のダイヤモンドを探すためにやってきたのです。しかし、この4人、島に着いてもいなにのに「ダイヤはもう手に入ったも同然、ワハハハ」と祝杯を挙げておりまして、どうもあんまりマジメな人たちとは思えません。またモナがふざけてジェフにキス、ジョージが嫉妬の焔をめらめら燃やしたりして、後からロクでもないことが起こるであろうとジュセリーノでなくてもわかる親切な作りになっております。

 さて、いよいよ上陸だということになりまして船上で忙しく立ち働く船員たち。その中の一人、ジョンソン君(メル・カーティス)が舷側に下りてボートの準備をしておりますと、やってきました、ゾンビ。泳いでいます(笑)。ゾンビは水中から手を伸ばすとジョンソン君捕まえて引きずり込みます。そして大層なる怪力でジョンソン君の首をごきっ。殺してしまいました。他の船員達は彼を助けようとしてピストルを乱射したのですがまったく効果はなかったのです。しかし探検は続けなければならない。ボートに乗り込み海岸を目指す4人です。

 これを迎えに出たお婆さん。すると近くの茂みからゾンビ出現。お婆さん、大ピンチかと思いきやゾンビ、お婆さんを歯牙にもかけず海に入っていったのでありました。なんだか怪しいですね。さて、その後ダイヤ探検隊の4人は無事海岸へ到着します。お婆さん、彼らをさっそくダイヤを探しに来て死んでしまった人々の墓へ案内するという・・・。「1906年 イギリス人 1914年、ドイツ人、1923年イギリス人 1928年ポルトガル 1938年アメリカ人」といちいち十字架に書いてあるのがオカシイ。このアメリカ人の墓の横に掘ったばかりの墓穴が並んでおります。モナがおそるおそる「この墓穴はなんですの」と聞くとお婆さん、「そりゃ、あんたたちの予約分じゃ」だって(笑)。

 一同は屋敷へ戻ります。この時お婆さんとエガート博士の会話からダイヤモンドの呪われた歴史が明らかになるのでした。1894年、この島に交易拠点 スーザンBが設立されます。この時船員達が秘密の寺院でダイヤモンドを発見したのです。ところがこれを奪い合って10人の船員が死亡。この中に婆さんの夫であった船長が含まれていたのです。残された船員達はダイヤを持って船に戻り帰国しようとしたのですが、なんと死んだ筈の船長たちに襲われ皆殺しになったというのです。船も沈められてしまいました。そしてこの10人のゾンビは事件から60年が経過した今でも島を徘徊し、このダイヤを守っているというのです。

 お婆さんはゾンビから夫の魂を解き放つためにこの島へやってきたのでした。彼女はダイヤを滅すればゾンビ達も開放されると考え探検隊に協力することにしたのでした。

 この話の最中、ゾンビが一人屋敷へ潜り込んできます。彼はジャンとモナの寝室を襲うのですが、いやあ、60年ゾンビやっていてもスケベ心は失われないようで(笑)、そのあまりの不気味悪さに悲鳴を上げるジャンとモナ。ここで駆けつけてきたおばあさんが松明の炎を突きつけ、ゾンビを追い払うのでした。そう、ピストルで撃とうがナイフで突こうが死なないゾンビなのですが、火にだけは弱かったのです。

 さて、この後ジャンはジェフと仲良くなります。こんな孤島で年頃の娘とイケメンがいればそれは遠からずこうなるに決まっている(笑)。ジャンは車で人?ゾンビ?を轢いてしまったことを話し、一緒に見に行ってくれと頼むのでした。もとよりジェフは運転手ですからこの頼みを快諾。屋敷の車を借りてお出かけです。「あ、ここよ、このへんよ」とジャンが教えた地点で車を降り、道路を調べますと死体はなかったのですが、「水溜り」「海草」なんて怪しいものがあちこちにある(笑)。これを夢中になって調べているうちに背後からゾンビ出現。ジャンを攫ってしまったのです。ジェフ、ゾンビに飛び掛ってナイフで刺しまくったりするのですが、やっぱり効果はなし。ゾンビ、ジャンを森の中の廟堂に連れ込んだのでした。この廟堂の中には10個の棺桶が並んでいて、その一つ一つからゾンビが現れるのであります。この場面、結構恐ろしいです。

 このままジャンは10人のゾンビにあんなことやこんなことをされてしまうのでしょうか。いいえ、大丈夫です、ジェフが飛び込んできたのです。今度のジェフは照明信号弾を使ってゾンビ達を足止め、ついにジャンを救出することに成功したのでした。

 翌日、こんな事件にもめげないダイヤ探検隊はいよいよ海中のダイヤ捜索に乗り出します。潜水服を来たジェフを海中に降ろしって、この人はいろんなことをやらされますな(笑)。この時潜水服のヘルメットから水漏れして「おい、このヘルメット中古の安物買っただろ」と無線で船上へ叫ぶジェフがおかしい。幸いこの水漏れは大したことはありませんで、ジェフは海中を歩き回ります。ほどなく問題の船を発見。上手い具合に「さあ、中へおはいんなさい」といわんばかりに大穴が開いております。「じゃあ、お邪魔しますよ」と呟いて中に入るとなんと金庫があるではありませんか。大喜びしたジェフ、その金庫を調べに掛かるのですが、ここで水中ゾンビが登場。彼に襲い掛かるのです。ゾンビは彼のエアホースを切断してしまいます。これで空気圧が下がり、異変に気付いた船上は大慌て。「急いでジェフを引き揚げるのだ」

辛くもゾンビを逃れて船上に引き揚げられたジェフ、意識不明であります。彼を急ぎピータース屋敷へ運び込んで医者を呼ぼうとしたのですが、お婆さんは「この辺には医者はおらんよ。一番近いところに呼びに行くとしても3日はかかるね」だって。「その代わりにわたしが薬を煎じよう。これを一時間ごとに飲ませればあら不思議、たちまち意識を回復するであろう」怪しげな薬を持って参ります。でもみんなこれを信用してないの(笑)。こんな薄気味の悪いものをうっかりジェフに飲ませられるものかという顔をしております。

 この時一歩前へ進み出たのがジャン。彼女はお婆さんから薬を受け取るやいなや一気飲み。「これで大丈夫だってことが分かったでしょ」彼女はジェフの頭を優しく抱きかかえて薬を飲ませるのでした。その後ジャンは彼をつきっきりで看病します。しかし、これでムカムカしていたのがモナ。ジェフを憎からず思っていた彼女は田舎者の小娘がでしゃばりおってと夫が止めるのも聞かず突撃。そして既にジェフが意識を回復しているのを見て「なにさ、あんた、ジェフの目が覚めたんならすぐに私たちを呼びなさいよ」

 このケンマクにジョージが飛んできまして荒れ狂う妻の頬桁をばちーん!張り飛ばします。「お前、いい加減にしろ、まったくもっていい年してみっともない」モナは悔しさに顔をゆがめながら屋敷の外へ飛び出して行ってしまったのでした。ジョージは「なに、いつものヒステリーだ、すぐ戻ってくるよ」と言っていたのですが、あにはからんや夜になっても戻ってくる気配がまったくありません。お婆さんはふえふえふえと笑って「こりゃあ、奴らに捕まってしまったんだね」だって(笑)。

 じゃあ、彼女は例の廟堂に捕らわれているに違いない、助けに行こうということになります。男共みんな車に乗って、照明弾も忘れずに持ってお出かけです。そして廟堂を覗いてみると果たして床にモナが倒れているではありませんか。「おお、我が妻よ、今助けてやるからな」と叫ぶジョージですが、気配を感じたのか棺桶からまたゾンビたちが出現。これを照明弾で脅かしておいてジョージ、モナを抱き上げます。廟堂から逃げ出した後入り口にガソリンを撒いて点火。この炎のせいでゾンビ、廟堂から出られなくなってしまったのです。この隙に無事脱出を果たすジョージたち。

 でも私考えたのですが、こんなまだるっこしいことするくらいなら直接ゾンビにガソリンぶっ掛けて燃やしちゃえばいいんじゃないですかねえ。

 なんとか屋敷にたどり着きました。しかしモナ、目をかっと見開いているだけで喋りもしないし、体は氷のように冷たいのです。婆さんは「この女はもう死んでいるのじゃ、ほうら、息もしておらんじゃろう」そう、モナは時すでに遅くゾンビになってしまっていたのでした。それでもジョージは納得しません。「いーや、彼女は大丈夫だ、医者に見せればきっと治る」と婆さんの忠告を聞かず彼はモナを寝室のベッドに寝かせるのでした。ところがこのモナ、ジョージが出て行ったのを見るや俄かに立ち上がり、テーブルの上に置きっぱなしになっていたナイフで手伝いに来ていた船員の一人を刺し殺してしまったのです。しかし、それでもジョージは諦めきれず、彼女をベッドに寝かせ周りを蜀台で囲んで動けなくしたのです。

 翌朝、再びダイヤモンド捜索に挑戦するジョージたち。おっとその前に廟堂の入り口で焚き火をしてゾンビたちが出てこれないようにします。何か重たいものを持ってきて入り口ふさいじゃえばいいじゃんと思うのは私だけでしょうか(笑)。これでゾンビ共を閉じ込めたと思ったジェフとジョージは潜水服を来て海底へ潜ります。今回はガストーチ持参。これで金庫のヒンジを溶かして開けようという算段。ジェフはさっそく作業を始めるのですが、はい、やっぱりゾンビ様ご一行の到来です(笑)。これを必死に防ぐジョージ。金庫を必死で開けようとするジェフ。この時間との戦いのサスペンスが素晴らしい(か?)。ついに金庫を開けたジェフ、中から精緻な細工が施された小箱を取り出します。「よし、ダイヤを見つけたぞ、俺たちを引き揚げてくれ!」

 二人はまとわりつくゾンビたちを必死に追い払いようやく船上へ引き揚げられます。しかしピンチはこれで終わりではありませんでした。ダイヤを盗まれ怒りに燃えたゾンビ軍団が続々と船に乗り込んで来たのです。ジェフたちは松明や信号弾で対抗するのですが今度はゾンビ達もひるみません。ジェフはついに自分がダイヤを持って囮になることを決意します。「俺がダイヤを持って逃げたら奴らは追ってくる。その隙にジョージたちは逃げろ!」ということですね。この目論見が見事当たってゾンビたちはジェフを追いかけます。何とか助かったジョージとドクターでしたが、なんとしたことでしょう、ジョージは「あいつ、ダイヤを独り占めにするつもりだな」と思い込んだのです。彼は「いや、それは違うから、彼は私たちを逃すためにやったんだから」というドクターの取り成しにも耳を貸さずピストル持ってピーターソン屋敷へ向うのでした。

 さて、一歩先にゾンビ達から逃れて屋敷へ戻ったジェフ、ジャンと婆さんの前で箱を開きます。果たして中身は金銀パールプレゼント!じゃなかったダイヤがどっさり。彼はダイヤを箱から出して布に包んで隠し持つのでした。この直後、ピストル片手に飛び込んできたのがジョージです。「やい、ジェフ、よくもダイヤを持って逃げようとしやがったな。さあ、その箱を渡せ、追ってきたら殺すぞ」って空の箱を持って出て言っちゃった。思わずジェフ、むししと笑って「馬鹿ですね、あいつ、空箱を持って行きましたよ」だって。

 そんなこととは露知らず、ジョージはモナを寝室から連れ出してボートへ急ぐのです。しかしボートに乗り込もうとした瞬間、モナがジョージから箱を奪ってそれで彼の頭を一撃「ごっ」ジョージ死んでしまいました。

 さて、ジェフは「もうこれで俺は大金持ち」という喜びから調子に乗ったのかいきなりジャンにプロポーズ。「一緒に行こう、そしてこのダイヤモンドで途方もない贅沢をするのだ」でも婆さんはぶつぶつと「ダイヤは海に捨てなければならない。そうしないとゾンビたちの呪いが解けないのだ。お前たちがどこへ行こうと追いかけてくるぞ」「じゃあ、ニューヨークに逃げたらあいつらそこまでやってくるっていうんですか、ウソだあ」と反論するジェフでしたが、面倒くさくなったのか、「まあ、いいや、お婆さん、あなたも一緒に行きましょう」と連れ出しちゃった。

 ジョージが死んだために使われなかったボートに乗り込むジェフ達。しかしここでゾンビ達が三度出現します。その中にはお婆さんの夫、ピータース船長もいました。「ああ、あなた、あなたの呪いは永劫に続くのですね」涙を流します。これを見たジェフ、ついに決意してダイヤを婆さんに渡すのです。「分かりましたよ、もうあなたの好きにしてください」婆さんは礼を言ってダイヤを海に投げ込みます。するとゾンビ達は新品の服を残して(笑)消え去ってしまったのです。ついに彼らの呪いが解けた瞬間でした。エンドマーク。

 ダイヤは浅瀬に投げ込んだだけですから、探そうと思えばすぐ見つかるだろうというツッコミはこの際なしということでお願いします。そんなことをしたら作品の余韻が台無しです。

モノクロ・スクイーズのワイド収録 モノラル音声。画質はなかなか良好でゾンビたちの衣服が新品なことが分かってしまうくらい(笑)。音声も聞き取りやすくて不満なし。英語字幕付。『The Giant Claw』『Creature with the Atom Brain』『Zombies of Mora Tau』『The Werewolf』が収録されたアイコンズ・オブ・ホラー コレクション。ソニーピクチャーズのDVD。 

 エロの冒険者 
       HOMEPAGE http://homepage3.nifty.com/housei/ 
      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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