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2008年8月24日 (日)

『スペースエイリアン』(『The Aliens Are Coming』  1980)

 

『スペースエイリアン』(『The Aliens Are Coming  1980

 でっかい宇宙船に乗ってきたのに地球侵略のために地球人のダムのエネルギーを使おうというセコな宇宙人の物語。なんでこんな貧乏くさい侵略するかなあ。

冒頭、大宇宙を静々と進む巨大な宇宙船。二つの円盤が重なったような形をしたその宇宙船の目指す先はもちろん地球。ナレーターが「これが悪夢の始まりだ」と宣言してオープニングクレジット。

 これを追跡していたのがレオナルド・ネロ率いるネロ・インターナショナル社。研究員のスコットは「ついに空飛ぶ円盤が飛来した」と大喜びでネロとその娘、グエドリンを呼び出します。この間もどんどん降下を続ける円盤。スコットはついに見失ってしまうのですが、ネロは慌てず騒がず、「よし、スコット、これを調査せよ。ただし、このことは絶対に秘密だぞ」

 円盤はラスベガス近くに出現します。この時荒野でキャンプしていた男がこの円盤を目撃。怪光に照らされて夜だというのに真っ赤に日焼けしてしまいます。男は慌てて保安官事務所に行くのですが、当然ながらまったく信じてもらえず、そのまま病院送りになってしまいました。

 スコットは翌日、ヘリを使って円盤を捜索するのですが見つかりません。しかもこの男、いささか高所恐怖症気味らしくヘリの上で「ヒー、怖いよう、気持ち悪いよう」と言いっ放し。一方円盤はフーバーダム近くに着陸。そして乗っていた宇宙人?は「よし、目標を表示せよ」大ビュースクリーンにフーバーダムが映ります。「おお、水力発電所だ、極めて原始的だがこのエネルギーは我々の地球侵略に使えるぞ」そのくらいのエネルギーは自前で持ってこい(笑)。宇宙人はさらに「そのためには作業員を確保せねばならぬ」作業員の顔がぱっと映ります。「この男を調べるのだ、個人情報、名前、血液型、星座・・・・」

こういっちゃなんですが、ダムを使おうというなら一介の作業員ではなくもっと上の方の人を調べたほうがいいんじゃないですかあ。

 この調べられた作業員、ラス・ガーナー(マックス・ゲイル)、そんなこととは露知らず、台所で夜食のチキンを頬張っていますとドアから強い緑の光が。そして現れた緑色に光る宇宙人、恐怖に立ち竦むラスに覆いかぶさったのです。そして二人の体が溶け合って、おお、ラスの体は宇宙人に乗っ取られてしまいました。立ち上がったラス、眼を緑色に光らせます。そして騒ぎを聞きつけてきた奥さんにややたどたどしい口ぶりで「ナンデモナイ、ダイジョウブダ、サア、ネヨウ」奥さんは不審に思いながらも寝室に戻るのでした。

 さて、スコット、彼は円盤クラブの調査員、ティムと名乗って病院に入院させられたハイカーの男に面会。男はその円盤は非常に大きく、また自分の腕時計が947分で止まってしまったと話します。スコットはその腕時計を預りネロ社で調べることにしました。この時、スコットを見つけたのが新聞記者のジョイス・カミング。彼女は二年ほど前「宇宙からの声」という記事を書いたときにスコットに電話インタビューをしていたのです。彼女はスコットに「私は円盤が目撃されたという話できたの、あなたは?」「いやー、僕はそんなものに興味はないな。僕は全国的な地熱エネルギーの調査をやっているんだ」これはいくらなんでもウソくさいのではないですかな。


 スコットはネリス空軍基地に行き基地司令からレーダーがUFOらしきものをミード湖の近くで見失ったこと、ボルダーシティでパトカーが不意に停止し、警官から何か秘密の実験をやっているのかという問い合わせが来たことを聞き出します。スコットは首を捻って「奴らはボルダーシティに興味があるんだ。一体、そこに何があるのだろう」

 翌朝、ラスは朝食もまともにとらずに出勤。しかも普段は砂糖たっぷり、ミルクタップリが好みのコーヒーをブラックで飲んだり、車の運転がめちゃくちゃだったりしてますます疑惑を深める奥さん。フーバーダムの仕事場でも上司フォウラー(ローレンス・ハドン)との約束をすっぽかして彼を激怒させてしまいます。フォウラーは彼の態度に疑念を持ち「面倒を起こさないうちに首にしちゃえ」と考えて人事部長への面会を求めるのですが、ここでラスの眼が緑色に光った!フォウラーはたちまち彼に操られてしまいます。そして立ち上がった彼はふらふらと高圧操作盤に両腕を突っ込み、感電死してしまったのでした。

だからやっぱりもっとエライ人に乗り移るべきだったのです(笑)。

 スコットはパトカーが止まってしまったという警官にインタビュー。「もう大変でしたよ、ライトもラジオもエンジンも止まってしまったんです。そして地面が震えだして雷のような音も聞こえてきました。怖かったですよう」興奮気味に話す警官。スコットは彼にその場所へ連れて行って貰います。そしたら、あった、あった、荒野の草原が巨大な円形に焼け焦げていたのです。「うわあ、円盤の着陸跡だ。ほら、見たまえ、草ばかりでなく虫も死んでいるぞ」おまわりさん、思いっきり引いてます。「うわ、円盤オタクだよ、本当にいるんだ、こんな奴」と思ってます(笑)。「いや、虫が死んでいるって、そりゃ、誰かが殺虫剤のテストでもしたんでしょ」 そんな訳あるかい。

 ここで飛びこんできたのがフーバーダムで従業員感電自殺の知らせ。今の職場に転任してきてたった一ヶ月で、特に家庭上・仕事上の悩みがなさそうな男がなぜ自殺する、ひょっとしたらこれは奴らの仕業ではないか。そう考えたスコットは内部保証会社の調査員に成りすまして調査をします。すると、ファウラーは自殺直前、ラスのことで人事部長と会おうとしていたことが分かりました。むむ、怪しいのはこのラスと言う奴か。スコットはラスと仲のよい同僚のハーブから「確かに奴は最近ヘンだ」という証言を聞きだします。続いてショッピングセンターの駐車場で奥さんに直撃インタビューを敢行するのですが「え、何、うちの旦那がファウラーさんの自殺に関係しているっていうの、そんなことある訳ないでしょ!」怒らせてしまいました。

 この様子をじっと見ていたラス。眼を緑色に光らせます。

 その晩、ジョイスと食事をすることになったスコット。もう浮かれておりまして、仕事のことなどそっちのけ。夢中でジョイスに自分の好きなハンバーガーの話をして彼女を呆れさせております。と、ここに現れたのがラス。

スコットはよせばいいのにラスを彼らのテーブルに誘うのでした。するとたちまちラスは眼をぴかぴか光らせてスコットを操り始めます。「うう、何だか気持ちわるいや、ちょっと外の空気を吸ってくる」心配そうな顔のジョイスが立ち上がろうとするのをラスが抑えて「私が見てこよう、君はここにいたまえ」と、ラス、そのままスコットを操って外へ。彼を車に乗り込ませます。ラス自身もピックアップトラックに乗り込んで後を追いながら彼を操り続けるのでした。ラスの目が再びぴかぴかと光ってスコットの車は対向してきた大型トラックの正面に飛び出した!この時ようやく催眠状態から開放されたスコット、必死にハンドルを切ってトラックから逃れたのですが道路から飛び出した車が大炎上。スコットはかろうじて助かりますがそのまま病院へ担ぎ込まれてしまったのです。

 スコットは駆けつけてきたグエドリンに驚くべきことを話します。「この辺一体はエイリアンの影響下にある。小型船の着陸跡という物的証拠を見つけたんだ。それにフーバーダムで働いているラスという男も怪しい。僕は彼が現れた時から訳が分からなくなった。はっと気がついたらトラックが正面にいたんだ。それに彼の上司が理由もなく自殺している」半信半疑のグエドリン。この後病院へやってきたのがジョイス。彼女はスコットに「あのラスという男が原因なんじゃないの」と鋭い質問を投げかけます。マズイっと思ったスコット、隙をみて病院を逃げ出してしまうのでした。

 そのラスの家では彼の知らぬうちに息子のティミーが本棚に隠してあったラスのエネルギー補給用クリスタルを見つけてしまったのです。それをラジオと勘違いしたティミー、母親とのラスベガス旅行に持って行ってしまいましたとさ。それを知ったラスはもう半狂乱。二人が滞在しているホテルに電話を掛けますとティミーが「パパ、ごめんなさい、ラジオと思ったの」すでに激しく体調が悪くなっているラス、ぜいぜい言いながら「いいか、絶対それを開けるなよ、パパが取りに行くからな」車に飛び乗るラス。

 しかし、この時既にティミーは箱を開けてしまっていたのでした。中から放たれる緑の光で彼は手に酷い火傷を負っていたのです。一方、ラスの家に侵入し調べるスコットとグエドリン。彼らはラスの奥さんが残したホテルのアドレスのメモを見て「ラスはここに行ったんだ、我々も急ごう」

 ホテルの部屋へ飛び込んできたラス。彼の顔はぞっとするほど青白くなり唇の端から白い液体が洩れています。「パパ、どうしたの、病気なの」と怯えるティミーに「あの箱はどこだ!」彼が震えながら寝室を指差すと、ラス、突進します。そして箱を見つけたラス、喜び勇んで開けたのですが、「わあ、もう中のクリスタルが光ってない、エネルギー全然ない」宇宙船の方もこれで大慌てになりまして「いかん、非常事態だ、小型円盤を発進させて彼を回収せよ!」びゃーっと発進する小型円盤。これが飛来するとラスベガスのネオンが一瞬の電圧低下で暗くなるのがカッコいい。車でラスベガスのホテルを目指していたスコット、これを見てグエドリンに「円盤が飛来したのに違いない」と叫びます。

 ホテルでラスの奥さん、ティミーに話を聞くスコット達。ティミーはもう半泣きで「パパのラジオかと思って持ってきちゃったんだ、中にはぴかぴか光るものが入っていてそれで僕、火傷しちゃったんだよ。パパはとっても具合悪そうだった、ねえ、パパは大丈夫なの」

 当のラス、シャトルに収容されてエネルギー補給兼上司よりの聴取を受けております。「我々には敵がいます。私は敵の排除に失敗しました」ビュースクリーンに映しだされたのはスコットの顔。上司、「ようし、こいつに取り付いてしまおう」

 スコットとティミーは警察からスプリング山の小屋から酔っ払いがロケットが飛んできたと通報したという情報を掴み、その場所へ急行。そして彼らはついに飛び去る小型円盤を目撃したのです。「おお、本当に円盤だ、実在したんだ、わーい、わーい」と無邪気に喜ぶスコット。彼はその感激を胸にモーテルへ戻るのですが、ここでまたまた出てきたのがジョイス。何でこの女はスコットの行く先々に現れるのだ。彼女はスコットを自分の部屋に誘い込みいきなりのキス。驚いたスコットが思わず「マタハリかい」と呟くとジョイスは不条理なことに怒り出して「あたしがこんなこと情報を取るためにやってると思ってんの、ンマー、失礼な人ね、出て行って」もう訳が分かりません。

 しぶしぶ自分の部屋に引っ込んだスコット、ベッドで眠りに入るのですが、はい、ドアの隙間から緑色の光。宇宙人が彼を支配化に置かんとしてやってきたのです。目を覚ましたスコット、緑に光る不気味な宇宙人を見てウワー!宇宙人、彼に覆いかぶさってラスと同じく取り付こうとしたのですが、スコット、割れたスタンドの電球に手を突っ込んで自ら感電したのです。びびびび、びびび、これで宇宙人たまらず逃げてしまいます。でもまあ、フツー、こんな感電の仕方したらスコットもただではすまないと思いますけどね(笑)。

 翌日、スコットはフーバーダムに行きましてこっそりとラスの車を調べ例の小箱を発見します。しかし彼は不運なことにガードマンに見つかってしまいました。ハーブ、この知らせを聞いて傍らにいたラスに「失敗したからな、可哀想だが殺すしかない」なんと、このハーブもすでに宇宙人に取り付かれていたのです。ハーブはガードマンにスコットを彼のオフィスへ連れてくるよう命令します。連行されてきたスコット、「ファウラーの自殺はラスの仕業です、彼に操られていたんです。私はその証拠を探していました」とぶちまけるのですが、にやにやしながらラスが現れたことで全てを悟ったのでした。スコット、箱を持って脱兎のごとく逃げ出します。

 スコットを追っかけるハーブとラス。でもこの二人がだらしなくてハーブはスコットと争った際にキャットウォークから落下して即死(笑)。ラスの方もスコットが「いつまでもお前の好き勝手にはさせん、正義は必ず勝つ」と叫んでダム湖に例の小箱を投げ込んだら昏倒しちゃった。これで中の宇宙人逃げ出したみたいで、数日後意識を取り戻したラスは取り付かれていた間の記憶を失ってはいたもののまったく普通の人間に戻っていたのでした。

 スコット、グエドリン、ネロは今後のことを話し合います。「これが最後の宇宙人とは思えない。奴らを監視しなければならない」この言葉を裏付けるように今だ地球に滞在し続ける宇宙船の中では宇宙人どもが「7年後に移民船団がやってくる。その時までにわれわれはやり遂げなければならないのだ。新たな目標を表示せよ」と張り切っております。

 「悪夢はまだ始まったばかり」とナレーションが流れて映ったのはアメリカのある高校。宇宙人に取り付かれた女子高生(大笑い)が目を光らせて教師をあやつり「いいか、人間のことを説明するのだ、放課後に」だって。女子高生なんかに取り付いたって地球征服は難しいと思うぞ、大丈夫か、宇宙人。地球侵略にフーバーダムのエネルギーを利用するという話ももう忘れてしまったのかな。はい、おしまい。

スコットにしつこく絡んでいたジョイスもへん。最後には「あなたにくっついていたら特ダネがとれるかと思ってたけれども、もう上司から時間の無駄だから帰ってこいといわれちゃった」で姿を消してしまいます。

 こんなやたらに出てきたのにまったく何の役に立たないキャラクターというのも珍しい。

カラー・スタンダード。モノラル音声 レンタル落ちVHSソフトなので画質・音質とも評価外。日本語字幕付。 

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『魔獣学園 ラスト・シルバーバレット』(『Lone Wolf  1988)

 

『魔獣学園 ラスト・シルバーバレット』(『Lone Wolf  1988

 学園ものと狼男をミックスさせた映画。まあ、大方、ホラー見に来る奴なんてのは高校生と相場が決まっている。だから高校を舞台にすれば親近感でもっと見に来てくれて大ヒット間違いなし。大儲けしてこれで故郷に錦が飾れるぞという企画だったのでしょう。

オープニングクレジットの後、いきなり夜空の月に向かって突き出される鉤爪。そしてウォーでがんすという叫び。おお、のっけからなかなかいいムードでありますなあ。

 夜の深い雪に覆われた森の中に一台の車。乗っているのは地元フェアビュー高校のフットボール選手、スキップとガールフレンドのジュリー(ダイアン・ブラウン)であります。夜の夜中に年頃の男女が車の中で二人きり、そしたらやることは決まってます。二人はぶちゅぶちゅぶちゅちゅちゅーと激しいキス。しかし、ジュリー、ビールをぐびぐび飲みながら自分のオッパイをまさぐるスキップがイヤになって、彼と大ゲンカになってしまいました。「なんでオッパイ触りながらビール飲むのさ、オッパイならオッパイ、ビールなら、ビールに集中しなさいよ」「いいじゃん、いいじゃん、オッパイがビールのつまみになるんだから、げぇーっぷ」「人のオッパイをそんな枝豆みたいに!」ついに車から降りてと叫ぶジュリー。これでスキップ、激怒して飛び出してしまいました。ジュリー、しばらく彼が戻ってくるのを待っていたのですが、ついに諦めて車をスタート、帰宅します。

 スキップ、彼女が帰ってしまったことを知って「げぇーっぷ、ふん、あんな女、こっちから願い下げですよってんだ」ふらふらと道を歩き始めます。酷く酔っ払っていると見えて絵に描いたような千鳥足。これで折り詰め持たせたら完全無欠の酔っ払いですよ。ついでに歌も歌わせましょうか。「ちょいと一杯のつもりで飲んで何時の間にやらはしご酒」いい気分のスキップでしたが、突然彼の前に躍り出てきた黒い影!「ウォーでがんす」「ギャーッ!」鮮血に染まって倒れるスキップ。

 さて次に登場したのは町の酒場に出演している高校生バンドのヴォーカル、エディ(ジェミー・ニューコブ)であります。彼はバンド仲間や酒場の経営者ヴィンスとあまり上手く行っていないのですが、その歌の上手さは折り紙つき。ヴィンス、「君たちが出演してくれるおかげでいつも満員だよ」とほくほく。高校生美女のディードラ(アン・ダグラス)も彼にほれ込んでおりまして、「私はあなたのグルーピー第一号よん」みたいなメモを送ったりしております。しかし、いくらアメリカで、戦争に勝った国の人とは言え、高校生のバンドが酒場に出演し、しかもその酒場で高校生が毎晩のように飲んでいるというのは道徳的にいかがなものでしょうかねえ。

 そしてこのエディ、シカゴで暴力沙汰を起こして今や叔父夫婦に引き取られておまけに保護監察官の監視下に置かれているという身の上。だからおじさん、おばさんは毎日バンドで酒場へ入り浸るエディにいつもいつも説教かましております。「ちゃんと学校行って勉強しなきゃ駄目だよ」まあ、この叔父さんというのがまた途方もない酔っ払いでへたすりゃ昼間っから酒場でクダ巻いているような人なので説得力がこれっぽっちもないのですが(笑)。

 ここでようやくスキップの死体が発見されました。あまりにもずたずたのギッタンタンにされていたので検視官が青くなって「しまった、今日、朝飯抜いてくりゃ良かった」とつぶやいたくらい(笑)。地元警察の警部は部下のカミンスキーに「新聞に報道させるな、こんな酷い死体が発見されたと分かったら町民が怯えてしまう」どーしてこんなすぐ分かってしまうようなことを隠そうと思うかなあ。

 翌日、もう一人の主要人物、ジョエル(ケヴィン・ハート)が登場します。彼は所謂コンピューターオタクで、高校のフットボール部の連中からはバカにされいじめられているという設定。そのフットボール部はエディを初めとするバンドメンバーと対立していて、まあ、パンクとフットボールとコンピューターオタクが三つ巴でいがみあっているという状況のようです。登校中、フットボール部のバカ二人から「テストを見せろ」と嫌がらせを受けたジュエル、その彼を助けたのがジュリーとエディ。三人はこの事件をきっかけにお互いを意識するようになったのでした。

 その後、このコンピューターのテストを巡ってフットボールとパンクが大ゲンカ。エディとフットボールの一人が殴り合いとなり、クラス担任のシモンズ先生(ジェフ・ハリス)に呼ばれてこってり説教されてしまいます。一方、その間、町では不可解な野犬の襲撃事件が発生。飼い犬がかみ殺されるという事件が多発したのです。そしてその夜、エディと殴り合いをしたフットボール男、学校から帰るディードラに声を掛けようとしたのですが、その時路地でがさごそという不審な音が!よせばいいのにわざわざ覗きに行くフットボール男。当然ながら「ウォーでがんす」「ウギャーッ」殺されてしまいました。

 死体を調べた警部とカミンスキー顔をしかめて「こりゃ、前の奴より酷いですな」「首の骨を叩き折られている、凄い怪力の持ち主だぞ」

 その後もう一人が「ウォーでがんす」「うぎゃあああ」と殺されます。今度の奴はディードラに森でかくれんぼうしようと誘い出された奴(笑)。ということはこれはディードラが怪しいということなのかなあ。でもこれは一応狼男の映画だと思うんだけれども。

 しかし、これらの殺人事件は警部の意向により報道されておりません。一人ならともかく小さな町で三人殺されたのですから、いかになんでもこれはムチャ。警部は町民会に出席するのですが、ここで話したのは警察は野犬を追っております、野犬の被害が続いておりますが、かならず根絶しますので安心してくださいということであり、殺人事件にはまったく触れないのです。しかし、ここで会場に乱入してきたのがスキップのパパ。「なぜあんたたちは息子の死を秘密にする!野犬よりそっちの方が大変じゃないか」と号泣。そして他の二人の殺人も暴露したのでもう町はパニックとなります。

 そして何よりこの事件にショックを受けたのがジュリー。ジュエルに慰められたジュリー、「私が彼を森に置き去りにしなければ死ななくて済んだ、私が彼を殺したようなものよ」と大泣き。はい、その通りですな(笑)。

 ここでいきなり一ヵ月後というテロップが出てびっくり。その後犠牲者が出なくなって、そのままうやむやになってしまったということらしいのですが、いくらなんでもそんなことあるかい(大笑い)。町はいつもの平穏を取り戻しております。しかし、この現状に満足できなかったのがジュエル。彼はジュリーに「野犬なんか実はいなかった。警察は何かを隠している。警察のデーターバンクをハッキングして情報を集めよう」と協力を頼みます。ジュリー、思わず「なんだか『ウォーゲーム』みたいね」

時代が分かりますな。

 そしてまたまた起こる殺人事件。例によって酒場で飲んだくれていたエディの叔父さん、ルービンスキー、看板で酒場から追い出されます。「ウィー、ひっく、の、飲み過ぎたなあ」彼は路地に入ると派手に「オエーッ、オエーッ」この時出現した狼男、「ウォーでがんす!」ルービンスキーの内臓を掴みだしてしまったのです。しかし狼男も今しがたゲロしたばかりの男を襲うことないじゃないかなあ(笑)。この時、エディ、調子が悪くなったといって演奏中の舞台から降りて外へ行っていました。つまり、今度はエディが怪しいということなのでしょうか。

 一方、ジュエルとジュリー、学校のコンピューターを借用して警察のみならず近隣の報道機関からもデーターを集めております。「日 犬の首が切られた」「日 リスの首が切られた」「○○町で三人の子供が行方不明になっている」「ある女性が二本足で歩く大きな狼を見た」そして「三人の高校生が殺される」これを見たジュリー、またショックを受けて黙り込んでしまいます。彼女を慰めるジュエル、二人は見つめあいます。その唇が徐々に接近し・・・「こらあ、お前たちはこんな遅くに何やっているんだ」世界一悪いタイミングで入ってきたのがシモンズ先生ですよ(笑)。

シモンズ先生、「放課後の学校で生徒に勝手にコンピューター弄らせないぞ、さあ、出て行け」ジュリー、がっかりしてそっとジュエルに「ねえ、どうする」と問いかけます。するとジュエル、彼女に素早くキスして「僕がなんとかするから」ってコンピューター・オタクがエライ出世ですな!

 二人が出て行ったのを確認したシモンズ先生、やにわに電話を取り上げて警察へ匿名通報。「あ、もしもし、警察でっか、わし、名前は言えへんのですが、殺人事件の犯人知っとります。あのエディの奴ですがな、間違いあらへん。はよ捕まえて死刑にでもしてつかあさい」はて、この先生、何故急にこんなことをしたのでしょうか。確かに不良の出来の悪い生徒とは思っているようだけれども、そこまでエディとの関係がこじれているようには見えなかったのですが。

 さて、ジュリーに胸張って「僕がなんとかするから」と言ったジュエルですが、その「なんとかする」が夜中に学校にこっそり忍び込むだったという・・・(大笑い)。一方デートの最中にボーイフレンドと喧嘩したディードラの友達コーリーンは彼女の家を訪ねるのですが留守。諦めて帰ろうとしたところで、ぐるると唸る怪しい動物に追っかけられたのです。「ひいい」と逃げ込んだのが学校。ジュエルとジュリーは彼女の悲鳴を聞きつけて外へ。そしてそこで二本足の狼のような影を目撃したのでした。げ、げえ!あれは狼男だ、アメリカンだ。コーリーンが危ない。ジュエルは彼女を助けるべく倉庫からガソリンのタンクと小瓶と布切れを持ってきて火炎瓶を作ろうとしますって、そんなの間に合うか!彼がもたもたと火炎瓶を作っている間に二人に気がついた狼男は勝手に逃げてしまったのであります。

 三人は翌朝、狼男の件を警察に話したのですがもちろん相手にされる筈もなし。そしてよせばいいのに「僕達で狼男を捕まえなくちゃ」と張り切るジュリー、ジュエルはその夜も学校に侵入しようとするのです。というか、この高校、セキュリティとかどうなってんの?見回りの警備員とかいないの?先についたジュエル、裏口の鍵を開けようとします。上手く行かないので四苦八苦するうちに、背後に人影が。「わあ」「ウォーでがんす、ウォーでがんす」ジュエル、ダイチョー引きずり出された!と思いきや、それはエディだったのです。エディ、手馴れた手つきで鍵を開けてくれました。

 この時警察署に市民からの通報あり。「毛深くってうおーうおー唸っている男」を目撃したというのです。カミンスキーはげらげら笑っていたのですが、パトリクソン警部(ようやく名前が出て来ました)は「目撃された場所は高校の近くだな、よし、カミンスキー、その下卑た笑いを引っ込めろ、出動するぞ」

 学校へ入ろうとするエディ、ジュエル、後からやってきたジュリーとコーリーンは女の悲鳴を聞きつけて慌てて駆けつけます。するとそこにいたのはディードラでした。ジュエルは狼男らしい影を目撃しますが、それはすぐに逃げ去ってしまいました。ジュエルはトロフィーを使って作ったという銀の弾丸を取り出し、「これでしか奴を倒すことはできないのだ」

 ところが、この時警部たちが到着。ジュエルを除いた4人は捕まってしまいます。パトカーに監禁されたのですがエディの機転で何とか脱出に成功。森でジュエルとも合流できたのですが、その頃学校では用務員のランドルフが肉塊になって発見されていたという・・・。5人はあっという間に容疑者にされてしまったのです。

 彼らは一端両親が留守であったディードラの家に隠れます。そしてこれからどうするかを話し合った結果「これまでのパターンから見て狼男が学校周辺にいることは間違いない」との結論が出まして、じゃあ、明日やっぱり学校へ行こうということになります。この人たち、本当に学校が好きなんですね(笑)。

 翌朝、学校の駐車場へ現れた5人、車の陰に隠れながら様子を伺っております。うーん、この人たち、ディードラの家からここまでどうやって来たんでしょう(笑)。学校は今夜の仮装ダンスパーティの準備で大わらわ。言いたくないけれども、この高校、前の晩に用務員さんがばらばらにされているんですよ。その犯人も捕まっていないのに、よくダンスパーティなんか開くよなあ。そしてあっという間に夜になりまして、ダンスパーティの開幕です。実行委員長の女先生が壇上に上がって「さあ、ダンスパーティの開幕です。仮装優勝者には500ドルの奨学金が与えられますのでみなさん、頑張ってくださいね。それから警察の人が警備に来てくれています。だから帰る時は必ず警察の人に車まで送って貰ってください。それではバンドの皆さん、演奏をお願いします!」

だからどうしてそこまでしてダンスパーティやりたがるの(笑)。

 この後校内の見回りをするシモンズ先生。5人は首尾よく学内へ入り込み、ディードラ・コーリーン、ジュリー・ジュエル、エディの三手に分かれて学内を調べ始めます。どうやらいっぱい来ている警察の人たちはまったく校内に関心がない様で5人が自由自在に行き来できるのが凄い(笑)。

 ここで画面に映る満月。そして「ウォーでがんす、ウォーでがんす」そう、満月の光を浴びて何者かが狼男に変身したのであります。

 狼男はジュエル・ジュリーを襲います。ジュエル、慌てて銀の弾丸込めたピストルを探したのですが、どこへ置いたか分からなくなってしまっていたという・・・。狼男は彼らの前から姿を消しあろうことかダンスパーティ会場の舞台に躍り出たのです。折りしも舞台では実行委員長の先生が仮装の優勝者を発表したところ。そこに狼男が出てきたものですから、生徒達は「おお、流石に優勝する奴の仮装はすげえ」と感心するというギャグ。このつまらなさに激怒した狼男、「ウォーでがんす、ウォーでがんす」と叫んで腕を一振りすると鋭い爪が女先生の顔面をそぎ落としてしまいました。狼男はさらに一人の生徒を引っつかみ、うわあ、首をもぎとっちゃったよ。

 これで大混乱に陥った会場、生徒達は我先にと逃げ出します。警官隊は狼男を挟み撃ちにして両側からピストル、ライフル、散弾銃で撃ちまくるのですが狼男にはまったく効果がありません。だいたい挟み撃ちにして両側から撃ちまくったら絶対同士討ちになると思うのですが(笑)。ジュエル、警部に「あれは銀の弾丸じゃないと倒せないんです」と叫びますが、やっぱり相手にされません。と、ここでジュエルのピストルを拾ったエディが飛び出してきた。彼はピストルを構えると「いつまでも貴様の思い通りにはさせん、正義は必ず勝つ!」と叫んで銀の弾丸を全弾撃ち込んだのです。ばったり倒れる狼男。

 その顔がだんだん人間に戻っていって、おお、狼男の正体はなんとシモンズ先生だったという・・・。いかにも唐突な展開です。エディをことさら怪しく見せた演出が何の役にも立っていません(笑)。

 ついにフェアビューの町を震撼させた連続殺人事件は幕を降ろしたのです。事件は解決、ジュエルはジュリーと恋仲になり、レコード会社からスカウトが来てエディのバンドもメジャーデビュー目前、めでたし、めでたしと思われたのですが・・・。

 狼男に襲われて負傷した警官が手当てを受けています。と、その体がどんどん毛深くなり、指は鉤爪となって「ウォーでがんす、ウォーでがんす」エンドクレジット。

カラー・スタンダード。モノラル音声 レンタル落ちVHSソフトなので画質・音質とも評価外。日本語字幕付。 

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2008年8月18日 (月)

『ザ・ドリーミング』(『The Dreaming 』 1988)

 

『ザ・ドリーミング』(『The Dreaming 』 1988)

 白人に迫害されたアボリジニの霊が現代に蘇って復讐を開始するというありきたりのストーリー。しかもその復讐すべき相手はとうに死んでいるので、標的になったのが歴史研究者たちなのですから、これは復讐というより単なる八つあたりですな。

映画の冒頭でおよそ200年前、鯨取りの一団がオーストラリアの原住民アボリジニが夢見という能力を知った。これを嫌った鯨取りたちはアボリジニ達を虐殺したのである云々というテロップが出ます。そしてオープニングクレジット。オーストラリアの海岸線を飛ぶヘリからの空撮映像が続いた後、ようやく着陸。ヘリから降りてきたのは考古学の教授バーナード・ソーントン(アーサー・ディグナム)。彼はこの島で遺跡を発掘中だった部下達から「先生、洞窟の奥に人工的に封印された場所があります」と知らされて文字通り飛んできたのです。

 その封印された壁にトンカチとノミで穴を開けますと、中から何かのガスが噴出、続いてどかーんと爆発して壁が崩れたのです。まるでドリフのコントのように真っ白になった教授、恐る恐る中へ進みます。中にあったのは大量の人骨と、そしていかにも怪しげな腕輪。教授、「ええもん見つけた」とほくほくしながら手を伸ばすのですが、突然、目の前にアボリジニの女性が現れた。どうやらこれは幻覚のよう。続いて後から鯨取りらしき乱暴者たちが現れてヤリや刀でぐさぐさぐさー。博士、恐怖のあまり洞窟を飛び出してしまいました。

 その9ヶ月後 腕輪は博物館に寄贈、展示されております。ところが深夜忍び込んだ一団がいた。どうも風貌からするとアボリジニ達のようです。陳列ケースを壊し、腕輪を盗んだまでは良かったのですが非常ベルが鳴り響いて警備員に追いかけられます。他の奴らはなんとか逃げ延びたのですが、一人、腕輪を持っていた女一人だけが捕まってしまいました。どうもこの時、警備員にさんざんあんなことやこんなことをされたらしくあっという間にずたぼろになって意識不明。病院へ担ぎ込まれるのです。

 その彼女を診察したのが教授の娘キャシー(ペニー・クック)だったのですから縁は異なもの味なもの。彼女は女の体に不可解な傷がついていることに着目し、レントゲン検査をします。頭蓋骨のレントゲン写真を調べるキャシーでしたが、突然、そのレントゲン写真が動き出したという・・・、頭蓋骨がぐりぐり回ってキャシー驚いて飛び上がります。そして同時に意識不明だった女が突然暴れだした!キャシーたちは懸命の救命措置をするのですが、上手くいかず、女は「げえー、げえー、げげえー」と叫んで死んでしまったのです。
 

なんでこういうイヤな死に方させますかね(笑)。


 この急すぎる死に方に疑問を持ったキャシーは彼女の死体を解剖しようとしたのですが、死体を覆っているシーツを取ると、ばーん、女の肩に今までなかった凄い傷がついているではありませんか、おまけに蛇口から血がぽたぽたと垂れ、さらに鯨取りたちが襲ってきた!この幻覚に恐れをなしたキャシー、帰ろうとするのですが、手首にヘンな模様がついているのを見つけます。水で洗っても落ちない不思議な模様。これが気になった彼女はそのまま図書館へ行ってこの模様を調べるのでした。何冊も本をひっくり返した結果、どうやらこの模様は昔のアボリジニが使っていたものであったらしいことが判明します。

 この時起きた奇妙な出来事。手が勝手に動いてメモに何かを書き出したのです。所謂自動書記という奴ですな(笑)。キャシー、恐怖の面持ちでそのメモを見つめます。彼女の手が書いたのはどうやら島の地形らしい。

 ようやく帰宅したキャシー、その彼女を迎えたのは約束をすっぽかしたといってカンカンになっている夫ジェフ(ゲリー・スイート)でした。ジェフは今からでも出かけようというのですがキャシーは疲れているからと拒否。ジェフ、さらに怒って「君は義父さんに似てきたな、傲慢でわがままだ」はい、後は犬も食わない夫婦喧嘩というやつでございます。

 その後また病院へ戻ったキャシー。また女の死体を覆っているシーツを取り払います。しかし今回そこに横たわっていたのは血まみれの鯨取り、ぎゃっと叫んだキャシー、逃げ出しますが後から後から鯨取りたちが現れて彼女を追いかけるのです・・・はっと目覚めるキャシー。「幻覚みたり、悪夢にうなされたり、じっさい大変だわ」鼾をかくジェフの隣で溜息をつくのであります。

 翌日、病院へ出勤したキャシー。アボリジニの青年がうろうろしているのを発見。「彼女の仲間だわ」と思ったキャシーは彼を追いかけるのですがあっさり見失ってしまいました。と、そこへ教授から電話。いきなり「あー、ママ死んだから、葬式木曜日の一時からだから」そんなこと突然に言われても困ります(笑)。

 そして場面が変わるともうお葬式。雨の中ジェフと共に立ち尽くすキャシー。お葬式の終わりごろに教授もやってきた。キャシーと教授は悲しみを共有するかのように抱き合います。お葬式の後、教授と別れたキャシーですが、彼女は偶然、あのアボリジニの青年と教授が言い争っているところを見てしまうのです。「あれを返せ、元に戻すんだ、死者の島に戻してくれ」と食って掛かる青年に教授は「あれは人類の遺産だぞ、君たちだけのものではない」「馬鹿め、これ以上放っておくとどんどん死ぬぞ」教授は青年を振り切っていってしまいます。

 キャシーは青年を捕まえ訳を尋ねるのですが「あれは我々の祖先のものだ」とかなんとか言われるばっかりで埒が明きません。いらついたキャシー、手首の模様を見せて「分かるでしょ、あの腕輪と同じ模様よ、一体何が起こっているの!」青年、酷く驚いたようで立ち尽くしてしまいます。しかしさらにキャシーが質問を重ねようとしたその時、青年はまた逃げ出してしまうのでした。しかし、その途端に響き渡るブレーキ音。青年、鉄パイプをたくさん積んだ作業車の前に飛び出してしまったのです。急停車した作業車、その勢いで鉄パイプが飛び出し、青年をぐさぐさぎゃー!これも惨い死に様だなあ。

 キャシー、一連の出来事の真相を探るべく、父親の家を訪ねます。しかし父親は不在で、大学からの電話によると例の「死者の島」なるところに行ったらしい。そして父親の書斎で死者の島の地図を見つけて愕然とします。その地形は彼女がメモに書いたそれとそっくりだったからです。キャシー、ついに島へ行くことを決意したのでした。

深夜、雨の中で車を飛ばすキャシー。その彼女の目の前にまた鯨取りたちが出現。銛を振りかざして襲ってきます。この幻影に気を取られたキャシー、危うく対向してきたトラックにぶつかるところでした。ここでぶつかってしまえば映画は終わり、めでたし、めでたしだったのですがまったく惜しいことをしました(笑)。そしてなんとか港に到着します。彼女は付近のホテルに泊まるのですが、ここでも異変が起こりました。地下室から聞こえてくる女性の悲鳴。おそるおそる見に行くと一人のアボリジニ女性を鯨取りたちが取り囲んであんなことや、こんなことをしていたのです。鯨取りたちはキャシーに気付いて「さあ、あの女もやっちまえ」と襲い掛かってきます。「ヒーッ」飛び起きるキャシー。やっぱり夢かよ。

 翌朝、ホテルで借りたモーターボートで島に渡るキャシー。早速島の別荘?にいたパパを捕まえて「あたし、ヘンな夢をみたりするの、何が起こっているのか分からない、私怖いわ」と訴えるのですが、パパったらただ一言「そりゃ、疲れているんだろ」頼りにならん人ですな。おまけにキャシーの話とはまったく関係なしに「私は何かを探しているのだ」とかつぶやいたりしております。キャシー、島に来た甲斐まったくなし(笑)。

 この頃ジェフは必死にキャシーの行方を捜しておりました。彼はパパの同僚リチャーズ教授から「キャシーと教授は島の遺跡に行っているのに違いない。アボリジニの文化を守るために封鎖されている遺跡に入ったら不法侵入だ。君、ひとつ、二人を連れて帰ってくれないかね」と頼まれ、島へと向うのです。

 さて、パパが頼りにならぬと分かって島を彷徨う失意のキャシー。その間パパは遺跡に不法侵入してなにやら漁っております。そしてパパ、ついに鯨取りたちが使っていた鯨解体用の巨大な刀を発見するのです。これを振り回してニヤーッとするパパ。はい、もう後のストーリーがどうなるか分かりましたね。

 これで夜になりまして、ジェフ、ボートで島へ向っております。その彼の前に突如現れた18世紀の帆船捕鯨船。これに激突されたジェフ、たまらず海中へ投げ出されます。そこへボートに乗り換えた鯨取りたちがやってきて呆然と浮かんでいるジェフ目掛けて銛を投げつけた。グサーッ、「ギャーッ」胸に銛が刺さって即死のジェフ・・・バスタブの中ではっと飛び起きるキャシー。また夢かよ、もう飽きてきたよ(笑)。慌てて風呂から上がるキャシー、と、その彼女の前にジェフが現れました。今や現実と夢の区別がつかなくなっているキャシー、「ヒーッ、あなたは死んだのよ、死んだ筈なのよ、銛でやられたのよ」と取り乱します。ジェフ、彼女の頬桁一発バシーンと張って「落ち着け、キャシー」彼は彼女をなんとかなだめてベッドに押し込みます。すやすやと眠るキャシー。

 え?パパはどうなったのかって、ええ、パパは例の刀を持って海岸へやってきます。そしてそこでなぜか焚き火を始めたのでした。この炎に気がついたジェフが見に行くのですが、その背後からパパが迫ってきて・・・。

 キャシー、赤ん坊の泣き声を聞いて目を覚まします。そしてジェフを探すうちにパパの書斎へ入り込んだキャシー。そこで発掘された鯨取りたちの航海日誌を見つけるのです。これを読んでみると鯨が捕れたことに浮かれた鯨取りたちが、「よっしゃ、鯨も捕れたことだし、後は女だ。女だったら現地の野蛮人でも構わないや」と上陸してアボリジニー達の集落を襲ったと書かれていたのです。興奮した鯨取りたちは男たちを虐殺、女を攫います。しかし女があまりにも暴れるもので、例の解体用刀でぐさーっ。

 これはなんだな、オーストラリア映画だから反捕鯨映画なのかな。鯨を捕る奴ってのはこんな酷い奴らだってことかな(笑)。

 真相が分かって呆然とするキャシー。とそこに刀を構えたパパが躍り込んで来た!キャシー、逃げます。そして「ジェフ、助けて!」と叫ぶのですが、そのジェフはパパによって銛で殺害され網で宙吊りにされていたという・・・。キャシー、灯台に逃げ込みます。後を追うパパ。最上階に追い詰めてさあ、刀でキャシーの首をスポーンと切り飛ばすのかと思いきや、いきなり刀を捨てて「お前を傷つけると思ったのか、俺はお前を愛しているのだ、お前も俺を愛しているのだろう」キャシーに飛びついて近親相姦的レイプしようとするのであります(笑)。

 キャシー、必死に逃れてパパが捨てた刀を拾い上げます。そして何のためらいもなくパパの胸を切り裂くキャシー。パパなんだからもっと逡巡してもいいんじゃないかと思いますけど。ぎゃあああと叫んだパパ、窓を破って落下、絶命します。

 ラスト、夜が明けた島をふらふら歩くキャシー。次に冒頭と同じ空撮映像が流れてエンドクレジット。

 最初のムードは良かったんだけどなあ、後半随分テキトーになってしまったなあ。あのトラックの鉄パイプに貫かれて死んだアボリジニの青年もまったくの無駄死にでありました。

カラー・スタンダード。モノラル音声 レンタル落ちVHSソフトなので画質・音質とも評価外。日本語字幕付。 

 エロの冒険者 
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『リインカーネーションの恐怖』(『J.D.'s Revenge』1976)

 

『リインカーネーションの恐怖』(『J.D.'s Revenge1976

30年以上も前に殺された黒人の例が主人公の青年に取り付いて復讐を遂げるという物語。邦題のリインカーネーション(輪廻)は微妙に間違っているような気がしますが、いいじゃないですか、こんな細かいこと気にしないでいっちょぶわーっと行きましょう。

1942年のニューオーリンズ。屠殺施設付の食肉冷蔵倉庫という極めてややこしい場所で言い争っている黒人の男女あり。「エライジアと別れんかい」「あかん、うち、あの人好きやねん」「あかん、絶対別れるのや」「ふーん、そないなこと言うならうち、赤ん坊のこと言うで、そしたらあんたなんかすぐに首や」これでカッとなった男、剃刀を取り出して女の喉をすぱすぱすぱー!

 女の死体を見つけたのがお兄さんのJD・ウォーカーというケチな小悪党で「あー、ベティ・ジョー お前どうしたのや」彼女を抱きかかえようとしたらその手に血がべっとり。はっとなって落ちていた剃刀を取り上げたのがまずかった。これを問題のエライジアに見られて「うわ、ひ、人殺しや、人殺し」ウォーカー、「いや、これは違うのや」と弁明する暇も与えられず射殺されてしまうのでした。そして場面が変わってウォーカーとベティ・ジョーのお墓が映ります。

 ここで現代のニューオーリンズにタイムワープ!そしてタイトル、オープニングクレジット。

 この作品の主人公、アイク(グリン・ターマン)はタクシーの仕事をしながら法律を学んでいる学生さん。勤勉で仲間たちへの人望もあり、また妻クリステラ(ジョアン・プリングル)との仲も宜しいナイスガイ。その夜彼はクリステラ、そして友人のトニー(カール・W・クルーダップ)とその奥さんとお出かけ。彼らの結婚一周年を祝うためです。まずはヌードクラブにいってダンサー達の肢体を堪能したあとって、結婚記念のお祝いによくヌードクラブに行きますな(笑)。その後は呼び込みにつられてマダム・デバイン(ジョー・アン・メレディス)の催眠術ショーへ。アイク、よせばいいのに他の客三人と共に舞台に上げられて催眠術の実験台になります。御馴染み「あなたは眠くなーる、眠くなーる」というデバインの催眠術でコロリと寝てしまう4人。

 「さあ、みんな、催眠術にかかりましたえ、これから右手を上げさせます。上げたら最後、自分の意思では下ろせませんのや、これが催眠術でっせ!」その言葉通り催眠状態で右手を上げた4人、そのまま下ろせなくなってもがいております。その様子を見てげらげら笑う観客達。次にデバイン、「えー、あんたがたはサハラの砂漠におります。暑い、ほんまに暑い、服脱がんととても我慢できませんわ!」4人は汗をだらだら流しながら服を脱ぎ始めます。観客涙を流して笑っています。さらに「えー、今度は巨大冷蔵庫の中ですわ。今度は寒い、寒い、これでは凍え死んでしまいますえ!」4人、脱いだ服をまた大慌てで着込むという・・・。観客、やんややんやの大喝采。

 しかし、ここでアイクに異変が起こりました。巨大冷蔵庫という暗示を掛けられたとたん、彼は喉をナイフで切り裂かれて屠殺される牛、剃刀で殺される女の幻覚を見てしまったのです。これで気分が悪くなったアイク、次に行ったディスコでも調子が上がらず、「うう、頭が痛い、ビールの飲みすぎや」ということで帰宅したのであります。しかし、ベッドに入ってからも度々彼を襲う幻覚。これが一週間も続いたのでたまらなくなったアイク、トニーに相談するのでした。「ほんなら、わてがコールドウェル先生を紹介したるわ、あの先生、名医やからいっぺん行って診てもらったらよろしいがな」

 翌日、タクシー運転手として働くアイク。彼は古道具屋で一つの帽子を見つけます。なんてことのないデザインの帽子なのですが、これが妙に気に入って買ってしまうマイク。ほくほくしながら家へ戻って「あら、あんた、こんな帽子買うなんて珍しいやないの」といぶかるクリステラを尻目に鏡の前で被って見ます。「おー、なかなか良く似合うやんけ」と喜ぶアイク。しかし、鏡の中の顔が一瞬別人に変わったのです。「うわ、なんやこれは」と戦慄するアイク。この別人の顔とは言うまでもなく冒頭で殺されたウォーカーのものでした。

 彼はコールドウェル先生の診察を受けるのですが、何も肉体的な異常は見つかりません。「あんた、何事にも根つめすぎは良くないで、適当にどこかで息抜きする、これが人生を楽しく生きるコツやね」

 しかしアイクの振舞いはどんどんおかしくなってきます。まず悪友にどんなに勧められても決して手を出さなかったナンバー賭博に大金を掛け、そして勉強にも身がまったく入りません。幻覚はますます激しくなり、ベッドで「お前、いてもうたるわ」と叫びつつ女を激しく責めるという3流ポルノまがいの映像まで見えてくる始末。実際のクリステラとのセックスもこれに影響されたのか激しく容赦のないものとなって、「おら、お前、いてもうたるわ」「ひーっ、あんた、いつもと違う!」

 どうやらアイク、ウォーカーの魂に乗り移られてしまったらしい。

 再びタクシーの仕事をしているアイク。おばあさんのお客さんを乗せて走行中です。と、その時ポケットラジオから流れてきたのが「戦う牧師、エライジア(ルイス・ゴセット・ジュニア)の演説。「悪魔がきたら徹底的に叩きのめすのだ」といささかブッソウなことを言っております。ん?エライジア?それは冒頭のカップルの喧嘩に出てきた名前ではありませんか。アイク、この演説を聴くなり豹変、いきなりタクシーを暴走させます。その時ルームミラーに映った顔はもちろん、ウォーカー!アイク=ウォーカー、人気のないところにタクシーを飛ばすと、「ええい、このババア、さっさと降りんかい!」と引きずりだし、金を奪った上で置き去りにしたという・・・。

 その後家に戻ったアイク、剃刀に異様な興味を示しじーっと見つめております。ついでにベッド脇に飾ってあった熊の人形を取り上げずたずたにしたりなんかしております。ひー、怖い(笑)。

 さて、エライジアのことが忘れられなくなったアイク、彼の演説を聞きに教会まで出かけます。本物の彼はもうラジオ演説より一層過激で「悪魔が来たらかまうことあらへん、パンチや、パンチや、ノックダウンでっせ!」などと叫んでおります。ところがこの彼に殴りかかった暴漢あり。「この詐欺師め、地獄へ落ちんかい」一発殴られます。しかしそこでエライジアを救ったのがアイク。彼は暴漢を取り押さえたのです。エライジアは彼の手をとって「おおきに、あんたは命の恩人や、ところであんた、どこかで会わへんかった?」会ってたのはウォーカーの方ですけどね(笑)。エライジア、娘のロバータと共に笑顔で「あんた、良かったらまた来てや」と彼を見送ります。

 アイクの精神、肉体はますますウォーカー化しているようで、彼が次に向ったのはあの事件が起こったイーグル社の食肉倉庫。すでに使われなくなって久しいらしく蜘蛛の巣なんか張っております。中をみて回るアイク、当然あの現場に行き当たりまして冒頭の会話、「エライジアと別れんかい」「あかん、うち、あの人好きやねん」「あかん、絶対別れるのや」「ふーん、そないなこと言うたらうち、赤ん坊のこと言うで、そしたらあんたなんかすぐに首や」が幻聴で繰り返されるのです。

 家へ戻ったアイク。彼の帰りが遅いのを心配していたクリステラが「あんた、いったいどないしたん、電話もせんでこないに遅くなって、うち、心配したんよ」アイクは彼女の頬桁ばしーっと張り倒して「このクソアマ、やかましいのじゃ、この×××××の大×××め、出て行きさらせ!」彼女を追い出してしまいました。クリステラ、涙ながらにトニー夫婦の家へ避難。アイク、荒れ狂います。鏡に映った彼の顔はもちろん、ウォーカーのもの。アイク、恐怖して鏡を叩き割るのでした。

 翌日、アイクに戻ったアイク(ややこしいですな)はトニー家に避難しているクリステラに電話して平謝り。「わて、なんも覚えてないねん、すまんかった、すまんかった、戻ってくれへんかー」がちゃりと電話を切られてしまいました(笑)。

ここで新しい登場人物が出てきます。クリステラの両親から連絡を受けたという刑事カール。彼はクリステラの元夫だそうで、彼女のことを大変に心配しております。「暴力振るう男やらろくなもんじゃあらへん、とっとと別れた方が身のためやで」一度離婚した男が言ったってあまり説得力はないけれども。クリステラもそう思ったかどうか知りませんが(笑)「うち、あの人のこと、まだ好っきやねん」カール、「ほなら、あの男がいたらんことせんようにわてが監視したるわ」

 そのろくでもない男、カール、彼は仕事中に路面電車に乗り込むクリステラを偶然に目撃、タクシーを乗り捨てて自分も電車に乗り込みます。そして他の観客が聞き耳立てている中「なー、クリステラ、わてが悪かった、ほんますまんかった、だから戻ってきてくれへんか」と説得に掛かります。しかしクリステラは首を振って「あんた、何してたのか覚えてないんやろ、あんたのこと愛しているけど、そんな人とは一緒におられへんわ!」

 この後再びウォーカーが発動。彼はエライジアの教会へ向かいます。そしてエライジアの娘、ロバータを送っていくことになるのですが、この時エライジアと一緒にいた弟のシオティスは「兄貴は奴のこと気に入っているようやけど、わてはすかん、あいつはトラブルの元や」どうやらこの兄弟、実質的に教団を仕切っているのは弟の方のようです。エライジアはたんなるお飾りらしい。おっと話がそれた。ロバータを送っていったウォーカーはどうなったのかというと、それは決まってます、ロバータと始めるのです。あ、オッパイが見えた。

 一発済ませてすっきりとして帰途につくウォーカー。しかしその彼を三人の暴漢が襲います。三人は彼を押さえつけて「ええか、これは警告じゃ、ロバータに近づいたらあかん」ははあ、どうやらシオティスの回し者らしい。しかしこの時ウォーカーは三人の言葉がきっかけとなって「あいつに近づいたらあかん、あいつはわての敵やねん」「いやや、うち、あの人好きなんや」という妹ベティとの会話を思いだしていたのです。だんだん話の筋が見えてまいりました。

 翌日、アイクがシャワーを浴びていると考え直したクリステラが戻ってきました。この時ウォーカーからアイクに戻っていたアイク(ややこしいですな)は大喜び。二人はひしと抱き合うのです。しかし、これも長続きせず。クリステラが買い物に行って帰ってきたらもうアイクがウォーカーに戻っていたという。ウォーカー、いきなりクリステラの髪をがっと掴むと「このクソアマ、刑事に尾行させとるやろ、まったくずるがしこいことしおってからに」バシーッ、頬桁張り飛ばします。床に転がったまま恐怖で声も出せないクリステラにウォーカーは「ええか、わしゃ、アイクじゃない、JD・ウォーカーじゃ、今からJDのファック、教えたる!」なんだ、お前は(大笑い)。クリステラ、ウォーカーにレイプされかかるのですがとっさに花瓶を手にとってウォーカーの頭にがんっ!なんとか逃げることができました。

 しかしこんなことでめげるウォーカーではありません。失神から目覚めるなり30年前に流行ったオールドファッションの服装に身を固めてナイトクラブでミシェルという女をナンパです。さっそく彼女のアパートにしけこんで始めます。あ、オッパイが見えた。

 さて、クリステラやトニーたちから電話でアイクの豹変振りを聞かされたカール、ってあんたアイクを監視していたんじゃなかったの(笑)、大そう憤慨しております。「なに、わしゃ、JDウォーカーだと、あいつ、頭おかしくなっとるで」その名前に反応したのが側にいた警察上司。「おまえ、JD・ウォーカーいうたら30年も前に死んだチンピラやぞ、そいつがどうかしたんかい」

 まさか自分の正体がばれたとも知らずミシェルとヤッていたウォーカー。この時、最悪のタイミングでミシェルの夫が帰ってきたのですねえ。こういうところに踏み込まれた男女というのは訳の分からない言い訳を口にするのが筋でありまして、ウォーカーも「旦那様、わたくし、今、奥様に腕立て伏せをご指南しておりましたところでございます!さすが奥様、呑みこみが早い」 しかしこんな言い訳で騙される男もいるはずがなく、旦那も「ウソつけ!」と激怒してしまいました。ならば仕方ないとウォーカー、懐から自慢の剃刀を取り出して、スパッ、スパッ、スパパパっと旦那の腕、足に斬りつけたのです。血まみれの旦那、真っ青になって震えているミシェルを尻目にゆうゆうと帰ってしまいました。

 この後、ウォーカーはエライジアの教会へ行きます。いきなりボディガードを張り飛ばして驚くエライジアたちに、「わしゃ、JD・ウォーカーじゃ、シオティスに借りを返しにきたのじゃ、後であの場所へこい!」例の場所とはもちろん、あの倉庫ですね。最初はインチキ宗教のつもりだったのがすっかり本気になってしまったエライジア、「よし、わしが行って悪霊追い払ったる」と張り切ります。しかしシオティス、そんな兄貴を軽蔑の目で見て、自分はこっそりとピストルを用意するのでした。

 二人は倉庫へ出かけます。後からロバータがつけてきているとも知らずに・・・。

 倉庫で彼らを待つウォーカー。そしてついに事件の真相が明らかにされます。。「エライジアと別れんかい」「あかん、うち、あの人好きやねん」「あかん、絶対別れるのや」「ふーん、そないなこと言うたらうち、赤ん坊のこと言うで、そしたらあんたなんかすぐに首や」この会話の後でベティを殺したのは、そう、シオティスだったのです。

 倉庫へ到着したエライジアとシオティス。エライジア、すっかり教祖きどりで「おーい、出て来い、ウォーカー、お前の魂を永遠の安息につかせてやるわ」なんて言ってます。これに呆れたウォーカー、ぱっと現れると「お前なあ、いつまでそんなアホなこと言うてんねん、お前、その弟に操られておるんやど」ここでロバータも登場。彼女はウォーカーの言葉を聞いて目を丸くしております。「ええか、妹ベティを殺したのはそのシオティスや、そして赤ん坊もシオティスの子供やったんやで。それがバレたらえらいことになるさかい、殺したのや」ウォーカー、ロバータにふっと優しい目線を向けると「お前は母ちゃんにそっくりやな」

 えー、冷静になって考えると、これは叔父が姪とやった霊的近親相姦ということになるのですが(笑)。

 シオティス、真相をバラされて大慌て。エライジアとロバータから冷たい視線を向けられて「あんたを有名にしたのはこのわしやで、でもその見返りはなーんもなかった、金も女も兄貴のものやった、あの女はそんなわしに秘密をばらすと脅しかけよったんや」きいいと錯乱したシオティス、ピストルを取り出します。「あかん!」とっさにエライジアとロバータが飛びついてピストルを取り上げようとして揉みあいになります。一瞬後、ズドンと言う銃声が響いてシオティスばったり倒れたのでした。

 遠くから聞こえてくるパトカーの音。

 彼らは警察へ連行されて取調べを受けます。カールは「あいつは死刑じゃ、死刑じゃ」と喚き散らすのですが警察上司はいたって冷静。「ふむ、揉みあいになってピストルが暴発したわけでんな、だったらそら、事故だす。誰の責任でもあらしません」そして驚くべきことにアイクはウォーカーの霊に取り付かれていたということでお咎めなし。ええっ?そのまま釈放されてしまうのです。クリステラ、トニー夫婦に迎えられたアイク、「やー良かった、良かった、万事めでたしや、飯でも食いにいこうやないかい」エンドマーク。

 ええ、あの旦那をさんざん斬りつけているんですけど、それも関係なしですかい。それにこんなにあっさりと終わってどうする、フツーこういう映画なら「もうウォーカーの霊は成仏した、飯でも食いにいこやないかい」となった後、アイクが不気味な笑みを見せたりするもんじゃないですか。

カラー・スタンダード。モノラル音声 レンタル落ちVHSソフトなので画質・音質とも評価外。日本語字幕付。 

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2008年8月17日 (日)

『ヴァンパイア・サーカス』(『Vampire Circus』 1972)

 

『ヴァンパイア・サーカス』(『Vampire Circus 1972

 疫病に悩む過疎の村にサーカス団がやってきた。どうにも怪しげなサーカス団なのですが、何しろ娯楽のない田舎の村ですからこんなのでも結構受けてしまうのですなあ。そして、このサーカス団が実はアレで村人たちに復讐するのが目的だったという…。いろいろ趣向が凝らされた楽しいハマー映画であります。

シュテッテル村のミッターハウス伯爵(ロバート・タイマン)は吸血鬼でした。彼は村の教師ミュラー先生(ローレンス・ペイン)の妻アンナ(ドミニ・ブライザ)を手先とし、村の子供たちをどんどん攫って来させたのです。今日も今日とてジョニー・シルトという少女が伯爵の毒牙に掛かりました。彼女の血を吸い尽くした伯爵、ご褒美なのかアンナとベッドイン。激しくヤリはじめます。

 さすがに堪えきれなくなった村人たち、ミュラー先生、村長(ソーリー・ウォルターズ)を先頭に伯爵の城へ押しかけ数人の犠牲者を出しながらもなんとか伯爵の心臓に杭を打ち込むことに成功します。伯爵、物凄い形相で「くくく、この村を呪ってやる、私は必ず蘇って子供たちを皆殺しにしてこの村を滅ぼすぞ」しかし、村人たちは怯まず城のあちこちに火薬を仕掛けます。彼らの手から辛くも逃れたアンナ、伯爵を地下の棺桶へ寝かせます。そしてすると瀕死の伯爵、「お前は闇の城へ行け、いとこのエミールに会うのだ、彼に全てをまかせよ」頷いたアンナ、地下の通路から脱出します。ここで火薬が大爆発。城は無残な瓦礫となってしまいました。

 ここでタイトルでます。しかし、吸血鬼のいとこというのが面白いですな(笑)。

 さて、年月は過ぎて15年後。伯爵の呪いは不気味な形で実現しようとしていました。シュテッテルの村は疫病に犯されていたのです。毎日毎日ばたばたと死んでいく村人。近隣の町や村は疫病拡大を恐れて道路を封鎖しており助けを求めることさえできません。村長を初めミュラー先生、吸血鬼殺害の場面に立ち会ったハウザー(ロビン・ハンター)などは顔を付き合わせるたびに「呪いだ、吸血鬼の呪いだ、略してキューノロだ、どうしよう、どうしよう」と嘆いております。そこに敢然と意を唱えたのが医者のカーシュ先生(リチャード・オーウェンズ)でした。「そんな吸血鬼なんぞ伝説ですよ、ましてやその呪いなどもっての他、これは伝染病です。適切な治療を施せば必ず収まります」彼は道路封鎖を突破し、町まで行って薬を手に入れると宣言したのでした。

 さて、この時唐突に村にサーカスがやってきます。「道路封鎖をどうやって突破したのか」といぶかる村長さんたちに構わず先触れの小人が「さあ、さあ、よってらっしゃい、見てらっしゃい、楽しいサーカス、愉快なサーカス、サーカス、サーカス 皆様のレジャーに奉仕する大サーカスですよ」このサーカス団のメンバーはジプシーの女(アデリーン・コリン)、ヘラクレスのような強力の青年、そして小人。馬車で牽いている檻の中には黒豹やトラ・チンパンジーがいるようです。この黒豹、檻を覗き込んだ子供の前で一瞬若い男に姿を変えたりします。ジプシーの女は「死者を相手に稼ぎにやってきたよ、ホホホホホ」と笑っていたりして、どうもこのサーカス団は怪しい。

 一方カーシュ先生は息子アントン(ジョン・モウルダー・ブラウン)を連れて馬で出発。森へ入ると「これから先へ進んだら殺す!」というブッソウな看板がありまして、早くも道路封鎖の見張りに見つかってしまいました。ここでアントンが囮になって見張りを引きつけ先生を突破させます。アントンはそれを確めてから手を上げて見張りへ降伏。無事シュテッテル村へ帰ることができました。

 その夜華々しく行われるサーカスの公演。小人のコミカルな演技、突然出てきたウェーバー、セリナの猛獣調教を模した踊り。セリナ、上半身裸でその上からトラ模様のボディペインティングという誠にいやらしい格好でありまして、村の男たちは目をサラのようにしてみております(笑)。続いてジプシー女が突然豹を連れて現れた。ぱっと紐を放すものですから観客驚きますが、豹はぱっとジャンプすると人間エミール(アンソニー・ヒギンズ)に早変わり。この妙技に拍手喝采する観客。

 ここでアントンが戻ってきたのですが、みんなサーカスに夢中で全然気付いて貰えないという・・・(笑)。

 サーカスはやっとお開き。しかし実に印象的な登場の仕方をしたエミールに村長の娘ローザ(クリスティーナ・ポール)が惚れてしまって、いやまあ、どうも奔放なことに馬車の檻の中でヤッてしまいます。もちろん、このエミールというのは吸血鬼でありまして、ヤッている最中に彼女の喉に喰らいつこうとするのですが、ジプシー女が何かに気付いて「今はおやめ、ヤバイよ」知らぬうちに難を逃れたローザであります。

 さて、翌日、城跡へ出かけて強力男が瓦礫を取り除きます。そしてついに発見される伯爵の棺。みんなは頭を垂れて「お迎えに参りました伯爵様」伯爵の不気味な声が響き渡ります。「ごくろう、わしもようやく復活するときが来た。見ておれ、村長、ミュラー、ええと後は誰だったかな、まあ、いいや、他の有象無象共含めて皆殺しだ!」

 その夜再びサーカスの公演が開かれます。今度は男女の空中回転芸。身軽に飛び回る二人の姿に拍手喝采の観客。二人が飛び上がるたびに蝙蝠ははたはた飛んでいるのが気に掛かりますが、まあ、今のところこれは気にしないでおきましょう(笑)。そして今夜の目玉、「命の鏡」の時間であります。ジプシー女は村長の手を取るとテントの入り口に導き、「中に鏡が三つございます。順番に覗いてごらんなさいませ」村長がテントに入って言われたとおりに鏡をみると村長の姿がぐんにゃりと歪んでおります。これで村長、大笑い。「ワハハハ、わしがデブになっておる。これは愉快」次の鏡では「わははは、わしがやせっぽちになっておる、これも愉快」しかし三番目の鏡で村長は立ち尽くします。なんと鏡の中に浮かんできたのは伯爵に惨殺される彼自身の姿だったからです。「ひーっ」恐怖のあまり口から泡を吹いて倒れる村長。村人の手によって自宅へ担ぎ込まれるのでした。

 それを見たある夫婦。「吸血鬼の呪いが始まったのだ。サーカスの人に手引きして貰って俺たちは逃げよう」

 翌日、この夫婦は年老いた母親を連れて小人の案内で森を歩いております。小人、ある地点までくると「さあ、もう封鎖を突破しました。礼金を下さい」金を受け取ると小人一目散に逃げてしまいます。夫婦は「おーい、私ら置いてけぼりかい」と叫ぶのですが後の祭。さあ、どうしようかと思った瞬間、森の中から黒豹出現。三人はずったずったのぎったんたんにされてしまいましたとさ。

 一方アントン、村長の診察をするのですがまったく打つ手なし。母親は母親で「娘がサーカスの男と出来てしまった、ああ、サーカスなんて来なければよかったのだ」と嘆いております。なんだかもうエライことになってまいりました。

 このアントン、実はミュラー先生の娘、ドーラ(レネ・フレドリック)に恋をしております。彼女は今、街へ滞在しており、伝染病とは無縁だと彼は安心していたのですが・・・ぱっと場面が変わって森で逃げる女が登場。背後で銃声が聞こえますます焦って逃げる娘。しかし彼女は足をもつらせてばったり倒れてしまったのでした。その倒れた先に黒豹にずたずたにされた家族の死体があったのです。みんなぐちゃぐちゃで特に妻の首は切断されておまけに目がびろーんと飛び出しているという物凄さ。娘は驚愕したのですが、ここで悲鳴を上げると追っ手に感づかれてしまうので必死に我慢したのでした。

娘を探す男たち。しかしついに諦めて「もうこれ以上村に近づくのは危険だ、帰ろう」ということになります。娘は危ないところで難を逃れたのでした。ここでまた場面がぱっと変わってサーカス会場に立ち尽くすミュラー先生となります。彼は誰ともなく「なぜ村人たちを脅かす」と問いかけます。すると謎の声が「昔の復讐だ、お前は娘のところへ帰れ」先生が「娘は街にいるぞ」と言い返しますと「いーや、すぐに戻ってくるぞ」その言葉通り先ほどの娘、ドーラが姿を現すのです。

 パパとアントンに会いたくって戻ってきたというドーラ。森で見つけたずたずたの死体のことをみんなに話します。これを聞いたハウザー、「サーカスの猛獣がやったのに違いない!」といきり立ちます。しかし、アントン、サーカス団の連中を庇いまして、「彼らのおかげでみんな病気の恐ろしさを忘れることができたじゃないか」と反論するのであります。

 しかし、サーカス団の連中はそんなことちっとも気にしてないようでジプシー女が覗きにきたハウザーの二人の息子に「命の鏡を見ていかない?タダで見せてあげるわよ」二人はテントの中に入り村長と同じように自分達が歪んで見える鏡に歓声を上げるのですが、そのお楽しみも当然ながら長続きしません。男女の吸血鬼が現れて二人を城の地下、伯爵の納骨堂に連れ込んでしまったのです。そして二人とも正体を現した吸血鬼にちゅーちゅーやられてしまったのです。その血がぽたりぽたりと伯爵の死体に垂れて、そして響き渡る不気味な声。「ハウザーの子供たちは殺した。次はドーラかローザだな、ふふふふふ」

 さて、村では自分の子供が失踪したことを知ってハウザーが半狂乱になっております。彼はサーカス団の仕業だと決め付けて小人を捕まえ殴る蹴るの暴行を加えます。ジプシー女が飛び込んできて「あたしらは何もやっちゃいないよ、彼を放して!」これで村人とサーカス団がにらみ合い一触即発の状態になったのですが、この時子供たちの死体が見つかったのでした。ハウザー、二人の死体を抱きしめて大泣きです。

 これから事態は急展開。子供たちの喉に傷があった。これは伯爵の仕業だ、あの吸血鬼野郎が蘇ったのだ、次はローザやドーラが狙われるぞ!そして半ば錯乱した村長、「あのサーカスの獣たちも関係しているに違いない。奴らを殺せ!」村長とハウザー、ライフル銃を持ち出してチンパンジー、虎、豹と片っ端から射殺してしまうのでした。この暴挙に「なんと酷いことを」を呻くジプシー女、その顔が一瞬、あ、あれはアンナだ、に変わったかと思うと、村長が胸を抑えて倒れます。ハウザーが彼を調べて「あ、死んでいる」だって(笑)。

 その混乱が収まらぬうち、エミールに誘い出されるローザ。城の納骨堂に連れ込まれ正体を現したエミールが喉にがーっ!再び伯爵の死体に垂れる血。エミールは恍惚とした表情で「いとこよ、血を飲め、復讐の始まりだぞ。次はミュラーの娘を今夜中にやるぞ」

 その言葉通り男女の吸血鬼によって例の鏡の前に誘い込まれるアントンとドーラ。夢うつつであったアントンがはっと気がつくとドーラの姿がありません。ドーラはすでに納骨堂に連れ込まれていたのです。男女の吸血鬼がドーラに迫る、ドーラ、絶体絶命の大ピンチ!と思いきや二人の吸血鬼はあるものを目にして後ずさり。あるものとはそりゃあ、決まってます。胸につけている十字架ですよ。この後ドーラはどうした仕組みなのか命の鏡からぽんっとはじき出されるのでした。そしてアントンに助けられます。

 ここでドクターが帰還。彼は村人たちに「皇帝から疫病の薬を貰ってきた。これでみんな助かるぞ、そして吸血鬼の伝説は本物だ。あのサーカス団が行くところでは必ず吸血鬼の犠牲者が出ているのだ。あのエミールと言う奴は伯爵の親族だぞ」と一気に種あかし。彼は皇帝から護衛もつけられております。彼らと村人たちは「じゃあ、サーカス団やっつけてしまえばいいじゃん」と盛り上がるのでした。

 ところがそうは問屋が許さないじゃなかった卸さない、教会に隠れたアントンとドーラをエミール達が襲撃します。エミールが二階の下宿人たちを皆殺し(笑)アントンをおびき寄せ、その隙にジプシー女と兄妹の吸血鬼がドーラを襲うのです。ジプシー女はにやにやしながらドーラの十字架を毟り取り、「ほら、あとはあんたたちの好きにしなさい」ドーラ、好きにされてはたまりませんから二人から逃げて二階に上がります。ここでアントンが戻ってきて吸血鬼と戦うのですがどうもかないそうにありません。この戦いをはらはらしながら見ていたドーラ、思わず二階の梁に取り付けてあったでっかい十字架に手をついて倒しちゃった。十字架はあっさりと落下、二人の吸血鬼を押しつぶすのです。二人の唐突な死に「うわー、私の子供たちが」と慟哭するジプシー女。エミールは彼女を連れて逃げ出します。

 これ以上ぐずぐずしてはいられない。奴らは伯爵を蘇らせようとしているのだ、夜明け前にやっつけないと大変なことになる!村人たちはドーラをハウザーの妻を付き添わせて自宅にこもらせ自分達はサーカス団と伯爵を退治に向います。しかし、先手を打ったのは吸血鬼軍団。あの強力男にドーラとハウザーの妻を襲わせたのです。ハウザーの妻は十字架を突きつけたのですが、この強力男は吸血鬼に操られているただの人間ですから効果なし。逆に十字架握りつぶされてしまいました(笑)。強力男、二人を攫って納骨堂へ。

 村人達は武器や松明を持ってサーカス団を襲います。またまた出ました強力男、ドーラさらったり、村人たちに立ち向かったり忙しいこと。しかし、強力男、あっさり村人達に射殺されてしまうのでした。ハウザー、松明をもってテントに放火します。しかし、ここでうっかり命の鏡を見たのが運のツキ。彼は自分の妻がエミールに襲われるところを見てしまったのです。呆然としている間に自分がつけた火に巻かれて大火傷を負ってしまうのでした。

 この間、城の近くで納骨堂への入り口を探すアントン。やっと見つけたと思ったら小人に襲われた!これを辛くも撃退して納骨堂へもぐりこみます。エミールはようやく捕まえたドーラの喉にがーっとかぶりつくのかと思ったら、なぜかジプシー女に行ったという・・・(笑)。ばたりと倒れたジプシー女、アンナに戻ります。ここでアントンが現れた。彼は十字架をかざしてエミールを威嚇するのですが、ぱたぱた飛んできた蝙蝠に十字架を叩き落とされてしまったのです。エミール、守りを失ったアントンに襲い掛かります。

 この時他の村人たちもやっと入り口を見つけて納骨堂へ入っていきます。皇帝からじきじきに送り込まれた兵士たちはピストルで、村人たちはボウガンや鋤・鍬で戦うのですが、相手は吸血鬼まったく役に立ちません。そんな中、ミューラー先生がエミールに飛びかかってもみ合いになります。ミューラー先生、エミールに喉をがぶりとやられながらも手を伸ばして伯爵の胸に刺さっていた杭を引き抜きエミールにぐさあっ!壮絶な相打ちです。しかし、物語はこれで終わった訳ではありません。杭を抜かれた伯爵が蘇ったのですって、エミールたち、とっとと杭を抜いてりゃ良かったんじゃないか(大笑い)。

 立ち上がる伯爵。アントンはボウガンを手に取りそれを縦に構えて十字架の形にするというナイスアイデア。これで伯爵が「わあ」とひるみますな。この隙を逃がさずボウガンを伯爵の首に押し付けて引き金を絞ります。放たれたボウガンの弦が伯爵の首をちょきーん。復活して30秒でやられちゃった(笑)。

 アントン、ドーラを抱きかかえるようにして納骨堂から出ます。そして村人たちが死体がごろごろ転がっている納骨堂に松明をぽんぽん投げ込んでエンドマーク。

本当にねえ、エミールがとっとと伯爵の杭を引き抜いておれば吸血鬼が二人揃ってこんな風におめおめやられることはなかったのにねえ。

カラー・スタンダード。モノラル音声 レンタル落ちVHSソフトなので画質・音質とも評価外。日本語字幕付。

 エロの冒険者
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『サント・ブルーデーモンの死者の世界』(『Santo y Blue Demon en el Mundo de Los Muertos』 1969年)

 

『サント・ブルーデーモンの死者の世界』(『Santo y Blue Demon en el Mundo de Los Muertos』 1969年)

サント対悪魔教信者の時を越えた戦い。しまいには死の世界まで登場して大騒ぎ。本当の脇役でちょこっとしか出ないブルー・デーモンもいい味出しております。

 警告、警告、このDVDのリージョンは1です。したがって日本国内のDVDプレーヤーでは再生できません。警告、警告。

 このDVDはスペイン語音声のみ、英語音声・英語字幕は収録されておりません。私はまったくスペイン語が分かりませんので、この映画はいつもと違ってどこかの奇特な方が作って下さっているサント映画のストーリー解説サイト(英語)を参考にこのレビューをでっちあげております。だから実際の映画を誤解しているところもあるかも知れませんが、その辺はどうぞ、この事情を鑑みてご容赦くださるようお願いいたします。 

 平たく言うと、「いちいち細かいところにまで文句をつけるんじゃないよ、コノヤロー」ということでございますね。

時に1676年 メキシコでは異端審判の嵐が吹き荒れております。異端審判とはなにか、それはサタンを崇める悪魔教の奴らを根絶やしにするための宗教裁判。これで悪魔教信者と分かるとばんばん火あぶりにされてしまうのであります。折りしも4人の悪魔教信者、元がプロレスラーなのでみんながみんな異様にたくましい体躯なのが笑えますが、杭に縛り付けられて火あぶりにされてしまいます。「ぎゃーぎゃー、ひー」じゅうじゅう焦げる信者達。顔に火ぶくれができて、妙なところがリアルであります。

 この様子を丘の上から眺めているのが悪魔教の女性教祖ダミアナ(パイラー・ペリシラー)であります。彼女は踵を返すと待っていた馬車に乗り込み墓地へ急行。そこで待機していた信者達と共に墓地の中にしつらえられた祭壇に向って祈りを捧げます。「仲間がやられております。サタン様、お助けくださいませ」この願いが割りにあっさりと聞き届けられて、いきなりぼかーんと白煙が上がったかと思ったら、出てきたのはブルーデーモン(の祖先)ではありませんか。ブルーデーモン(の祖先)は悪魔教信者達の復讐を助けるためにサタンから派遣されてきたのです。

 このブルーデーモン(の祖先)の胸には分かりやすくサタンのマーク、逆三角形がついております。親切なことです(笑)。

 さて、ブルーデーモン(の祖先)が現れたのですから、ここはサント(の祖先)も出なくちゃァいけません。このサント(の祖先)、何しろ1676年の祖先ですからもちろん覆面レスラーではありません。覆面をつけた剣士なのです。三銃士の覆面版みたいなものです。だからちゃーんとフェンシングの剣を吊るしております(大笑い)。彼は恋人のオーロラ(ベティ・ネルソン)と会って「おいらはおめえに惚れてらあ、いますぐにでも一緒になりてぇぐらいだ。しかし、おいらには敵が多い。一緒になるとおめえまで狙われてしまう」ふむふむ、愛し合っている二人ですが、こんな理由で結婚できないと。

 サント、お姫様みたいなカッコのオーロラと熱烈なキス。

 この後、サントは司教(ギルモア・ビアンキ)と面会。彼らはダミアナこそが悪魔教教祖ではないかと疑っているのですが確とした根拠をつかめないでいるのです。

 この後再び墓場にてブルーデーモン(の祖先)を呼び出すダミアナ。これを墓守が偶然目撃しまして司教へ報告するのでした。司教は「ほれ、見たか、やっぱりあの女が親玉なのじゃ」彼はダミアナの豪邸へ乗り込みやっぱりお姫様みたいなカッコをしている彼女からお茶をゴチになります。その時わざとらしくチラッと十字架を見せて彼女がおののく様を観察するのでした。ここだけ見るとどっちが悪い人なのか分かりません(笑)。さあ、十字架怖がった、間違いなくあの女は悪魔教だということになりまして、今度はサント(の祖先)がやってきます。ダミアナ、今度は露骨に愁派を送って「ねえーん、サント(の祖先)さん、あなたはこの私も、お金も名誉も思いのままよ、ただ、サタンに魂を捧げるだけでいいのよ」しかし、サント(の祖先)がこんなことを受け入れるわけがありません。失敗したと悟ったダミアナ、ナイフを振り上げて刺そうとしたのですが、あっさり見破られて手で止められてしまいます。

 この時サント(の祖先)の手のひらに残ったのがサタンの印、逆三角形の傷だったという・・・。この傷、司教がサント(の祖先)に十字架を握らすと跡形もなく消えてしまいました。

 ここでまたどかーんと白煙が上がってブルーデーモン(の祖先)が登場。彼は馬鹿者、しくじりおってとダミアナを叱り飛ばすと彼女を連れて墓地へ戻ります。そして祈りを捧げて、あの映画冒頭で火あぶりにされた3人をゾンビとして蘇らせたのであります。

 三人の焼け焦げゾンビ、サント(の祖先)を襲います。フェンシングの剣で大チャンバラ。ゾンビですから胸を刺そうが目玉を潰そうがまったく平気。サント、困り果てたのですが壁に掛かっていた十字架を見て、「そうだ、これを使えばいいのだ」もぎとってゾンビ達に突きつけます。するとゾンビ達、ぱっと消えてしまいました。しかしこの直後ぬぬぬ、頼りにならぬ奴らと怒ったブルーデーモン(の祖先)が出現。サント(の祖先)と早送りのスーパーファイトを繰り広げるのです(笑)。もう二人とも大熱演で部屋の中の家具はもうムチャクチャ。

 二人の戦いが続いている間にオーロラを襲うダミアナ。彼女の寝室にふっと現れベッドで寝ていた彼女を刺し殺したのです。

 そんなことが起こっているとは夢にも思わぬサント(の祖先)、今だブルーデーモン(の祖先)と戦っております。いつもより余計に戦っております。しかし、ついにこの死闘に終わりが来た。鶏がコケコッコーと鳴いて夜明けを告げたのです。これでブルーデーモン(の祖先)、アカラサマに動揺(笑)。サント(の祖先)がこの時とばかりに十字架を突きつけたものですからたまりません。ぼかーんと白煙が上がって彼は消えてしまったのです。

 サント(の祖先)はいやな予感を覚えてオーロラの屋敷へ急ぎます。そして彼女が既に刺し殺されていたことを知って「ああ、なんてことだ」と嘆き悲しむのでした。

 サント(の祖先)に捕らえられたダミアナ、冒頭の4人と同じく火あぶりにされてしまいます。八百屋お七のごとく炎に巻かれたダミアナ、「ぐえええ、ぎゃああ、コノウラミハラサデオクベキカ、我が子孫が300年後のそなたたち一族に復讐を遂げるであろう!」と呪詛の言葉を喚きながら息絶えたのであります。なんで300年なのかねえ、子孫が復讐するんだから50年後くらいでも大丈夫じゃないのかね。

 はい、ここから映画は現代編へ。

 悪夢にうなされて飛び起きたのが現代編のヒロイン、アリシアであります。彼女は手っ取り早く言えばダミアナとの一人二役。ようするに彼女の生まれ変わりなのですね。そして彼女のお父さんが1676年に彼女を火あぶりにした異端裁判官という、凝った(あまり考えていない)キャスティング。そしてなんと、このアリシア、サントと婚約しているのでした。婚約披露パーティでサントと仲睦まじく踊るサントとアリシアです。

 このパーティの後、異変が起こります。黒衣の女、ダミアナの霊魂がアリシアの寝室に現れたのです。アリシアはこれに導かれて地下室へ。そして壊れたドレッサーの引き出しからダミアナがサント(の祖先)を傷つけた短剣を見つけるのです。寝室に戻って再び眠りにつくアリシア。彼女の上にダミアナの霊魂が覆いかぶさって、二人は一つになったのでした。ダミアナがアリシアの体に憑依したのです。ここの特撮は安っぽいけれども割合上手くできております。起き上がったダミアナ=アリシア、黒いドレスに着替えると壁を通り抜けて!いずこへと彷徨いでたのでありました。

 はい、サントのプロレスの試合です。

試合前のサント 助手のアルベルト(ラミリオ・オルシク)から入念なマッサージを受けております。この時部屋の空気が揺らいだかと思うとダミアナ出現!わっと驚くアルベルトですが、サントは気付かない。「サ、サントさん、今、ヘンなのが見えませんでしたか」とアルベルトが尋ねるのに「さあ、あっしは何も見なかったなあ」

 ゴングが鳴って試合開始であります。シングルマッチで3本勝負、一本目はサントがスリーパーホールドで絞め落とされて負け、2本目はキャメル・クラッチでサントが取り返す。そして肝心要の3本目、サントは客席にダミアナ(アリシア)がいるのに気付いて仰天します。まあ、こんな時フツーの映画だったらサント、「あ、あれはアリシア、どうしてこんなところにいるのだ」とか言ったりするものですが、これは何せサント映画ですからちゃーんと試合を続けるのです。このダミアナ(アリシア)が妙な目配せ、するとたちまち操られた相手レスラー、セコンドからタオルを受け取るとコレを使ってサントの首をぐいぐいと締め上げるのです。止めに入ったレフェリーもボコボコにしてなおも締め上げます。そしてたまらず失神してリングサイドへ転げ落ちるサント。相手レスラーは勝利の雄たけびを上げるのですがもちろん反則負け。

 えー、一応、これはダミアナが相手レスラーを操ってサントを殺そうとしたのだと思いますが、だったら何で失神したサントをさらに攻撃させなかったかというんですよね。これじゃ単なる悪役レスラーの反則負けですよ(大笑い)。

 サント殺害?に失敗したダミアナ、次の標的をフランシスコ神父に定めます。ナイフを持ってダミアナの資料を調べている彼の部屋に行くのですが机の上に置いてあった十字架を見て「ひーっ」逃げてしまうのです。だいたい、神父様の部屋に十字架があるのは当たり前なのですがねえ(笑)。なんでこの人はそういうところに頭が回りませんかねえ。ちなみにこの時神父はダミアナの襲来に気付いておりません。完全なダミアナの一人芝居だったのです。

 ダミアナの次の標的になったのはサントの助手アルベルトでした。この人を殺してもあんまり意味はないと思うのですが、とにかく彼を襲うダミアナ。アルベルト、ピストルを乱射するのですがまったく効果はありません。彼はピストルを投げ出すと電話に飛びついてサントへ助けを求めたのですが・・・、そのサント、助けに行こうとしたその瞬間、三人のゾンビレスラーが出現したのです。サント、ゾンビレスラーと戦うのですが、途中窓から外に放り出されてしまいます。すると街中にあった筈のサントの家なのに投げ出されてみると、周囲はまるでウェスタンショーのセットのような西部風の町に変わっていたという・・・(笑)。さらにゾンビレスラー達とサントの戦いは続くのですが、ここで鶏がコケコッコーってまたかよ(笑)。朝日を恐れたのか三人のゾンビレスラー、ふっと消えてしまうのでした。

 サントはアルベルトの自室へ急ぐのですが時既に遅し、彼は胸を短剣で刺されて息絶えていたのであります。サントがその短剣をぐいっと引き抜くと、ジュッ、彼の手に三角の傷が出来たのでした。

 サントとフランシスコ神父、どうもアリシアはダミアナに取り付かれているらしいと父親のアルフォンソに話します。彼は半信半疑だったのですが、神父は彼に十字架を押し付けて「アリシアにこれを掛けさせるのじゃ、それくらいならかまわんじゃろ」しぶしぶ彼の言葉に従うアルフォンソ。しかしなんとしたことでしょう、ベッドに寝かせたアリシアを見守るアルフォンソ、そこにダミアナが現れ彼を操って十字架を外してしまったのです。再びアリシアに取り付くダミアナ。彼女はドレッサーの引き出しから短剣を取り出し外に彷徨いでるのでした。

 ダミアナは三人のゾンビレスラーを召喚。短剣を渡して「これできっとサントを葬るのです」

 さて、2回目の試合。今度のサントの相手エンリケ・ロペスはなぜかタオルを被って顔を隠しています。そしてゴングがなって試合が始まった直後にタオルを外したのですが、それをみたセコンドのカルロス・スアレズ、「ああ、あれはうちのエンリケじゃない、一体誰なんだ!」そうこのレスラーはゾンビレスラーの一人だったのです。そして卑怯なことに他の二人のゾンビレスラーも出現。三人がかりでサントを押さえつけダミアナの短剣を彼の胸にぐさーっ!うわあ、サントが本当に胸を刺されちゃった。なんだ、この展開は(大爆笑)。

 サント、救急車で病院へ運ばれて直ちに手術を受けます。この手術場面、どうせ豚の肉にメスで切り込みいれたりしてごまかすんだろうと思いきやトンデモない、実際の心臓手術のフッテージ、それもざくざく胸を切っているところを使っています。ううう、心臓がぴくぴく動いているよう、血がぴゅっぴゅっと出ているよう。いきなりサント映画でこんなものを見せられてはたまりません。おまけに映画本編のお医者さんたちとフッテージで実際に手術をしているお医者さんたちの手術着の色が合っていないのはどういう訳か。

 ともあれ、サントの手術は無事成功。次の場面ではもう退院してフランシスコ神父と話したりしております。さすが、サント、鋼の肉体を持つ男・・・かなあ。

 その後ダミアナは寝ているサントの胸の上にタランチュラを放ったり、またゾンビレスラー達に襲わせたりするのですが、やっぱりサントには敵いません。ついにはサントとフランシスコ神父に墓場へ追い詰められ十字架で失神させられてしまうのです。サント達はダミアナ=アリシアを屋敷へ連れ帰ります。呼ばれたお医者様、彼女を診察したのですが首を振って「ああ、これはもういけませんな、死にかけておりますな」ああと頭を抱えるアルフォンソ。そしてフランシスコ神父も「取りつかれたまま死ぬと、アリシアの魂は永久に失われてしまう」と追い討ち(笑)。

 でもやっぱり最後の頼りはサントなのです。彼は胸をどんと叩くと「ようがす、ひとつあっしが死の世界へ潜入して彼女の魂を連れ戻しましょう」

 神父の祈りで本当に「死の世界」へ突入するサント。そこは真っ赤に染まって大変見づらく(笑)あちこちで溶岩が噴出しているような不気味な世界。アリシアの魂は死の世界と生の世界を繋ぐつり橋を渡ってしまいました。「いけねえ、戻ってくるんだ、アリシア」サントも吊り橋渡って追いかけます。そしてなんとかアリシアの魂を捕まえたのですが、なんとここで地中からゾンビレスラーたちが出現。31でしかもアリシアを守りながら戦わなければいけないサント、さすがに劣勢に立たされます。サント大ピーンチ!かと思いきや唐突にブルーデーモンの登場だ。彼はサントを助けてゾンビレスラー達を撃退します。

 サント、がっしり彼と握手して「デーモン、ありがとう、おめえのおかげで助かったぜ!」「礼はいらない、私はようやく300年の時を隔ててサタンの頸木から自由になれたのだ、その罪滅ぼしなのだ」そしてブルーデーモンはこれまた唐突に現れた砂時計を指差して「サント、あの砂が落ち切るまでにあのつり橋を渡って生の世界に戻らなくてはならん。間に合わないと永久に死の世界を彷徨うことになるぞ」

 サント、彼の言葉にしたがってアリシアをつれ元の世界に戻ろうとします。炎に遮られたり溶岩が噴出してきたりで危ういところでしたがなんとか時間内につり橋を渡ることができました。そして現実の世界で意識を取り戻すサントとアリシア。二人はひしと抱き合います。

 ラスト、手を繋いで仲睦まじく教会へ向うサント。そして「これで悪は滅んだのだ」という言わずもがなのナレーションが流れてエンドクレジット。

サントが胸をナイフでぐっさりやられるのにびっくりしました。メキシコでは国民的ヒーローをこんな目に会わせるのもOKなのでしょうか。

カラー・スタンダード スペイン語モノラル音声。サント映画のDVDとしてはピカ一といえる画質。サントのマスクが実にゴージャスに見えます。これで英語字幕がついていたら満点なんだけどなあ。『蝋人形館のサント』(『Santo en el Museo de Cera1963)とのダブルフィーチャー。Lions GateDVD

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『火星人ウェルカム』(『Midnight Movie Massacre』 1988)

 

『火星人ウェルカム』(『Midnight Movie Massacre』 1988         

 1950年代のアメリカの映画館。ここでSF映画上映している間にエイリアンが侵略してきて、世にも馬鹿馬鹿しい大騒動の末に撃退されるという映画。一応、コメディ仕立てなのですがクスッとも笑えないのでどうぞごらんになる方は覚悟の程をヨロシクお願い致します。

カリフォルニアのパロマ天文台が日夜宇宙の神秘を探るべく調査を続けている。どんな生命体がいるのか、その生命体は知的で友好的なのか、それとも邪悪で悪魔のような凶悪宇宙人なのか、それはまったく分からない。この大仰なオープニングナレーションがウレシイですな。そして火星がぱっと映りまして、この火星の表面にはわずかな大気があるのみで水もない、まったく死の土地である。しかし、その地下には凶悪なる侵略宇宙人が生息していたのだ。形の定かではない宇宙船がぴゃーっと飛び出してきます。そしてタイトルが出て映画の始まり、始まり。

 夜の町、1956年のグラナダ劇場が舞台となります。この映画館で上映されているのが『スペース・パトロール』 これを見にいかにもなオタク二人、大食いでデブの女房と小男の旦那のノミの夫婦。アル中、やたらにオッパイがデカイ女の子とフツーの男の子のカップル、小さな男の子を連れた夫婦、やたらにクシャミをするクシャミ女、リーゼントでGジャン姿の若者三人、こういうボンクラたちが続々と集まってくるのであります。みんな思い思いにポップコーンを買い溶かしバターを流し込んでコーラのでっかいカップと一緒に客席へ持ち込みます。ばりばりごくごくむしゃむしゃちゅーちゅーやっている中で幕が開いてまずは映画鑑賞についての注意・警告。「迷惑行為は禁止です。警察を呼びます、法的措置、つまり訴訟することもありえます」この警告を尻目に暴れまくるGジャンの若者三人。前の椅子の背もたれを引っぺがして投げたりもうやりたい放題。一応ギャグらしいのですが、あまり面白くないので放っておきましょう(笑)。

 これが済んだら次は映画の予告編。これで出てくる映画が『月のキャットウーマン』と『火星からのデビルガール』なのだから、もうこの映画がどんなものかよーく分かりましたね。

 ようやく『スペース・パトロール』本編の開始です。サブタイトルが『バック・フロム・フューチャー』、もちろん、このロゴはあの映画そっくりですよ。まず登場人物の紹介。この辺、4050年代のSFシリアルを意識しているのでしょうか。カーライル大佐(ロバート・クラーク)、テラステーションの指揮官、一番偉い人。シルビア、タイムマシーンを発明したエライ人。バカルティ博士、こっちもタイムマシーンの開発に尽力したけど、何かを企んでいる悪い人、コーリー司令官、我らが主人公、ハッピー・ミート、血気盛んな士官候補生、キャロル・カーライル、チームの紅一点お色気担当、ソニー・ウィルソン、少年ながらコーリーたちを助けて大活躍!

 あんまり面白い映画ではなさそうです(笑)。

 時は2086年、宇宙に進出した人類は木星・土製・天王星への探検を目論むほどに発達した科学技術を誇っております。今宵、また歴史に残る偉大な科学的発明がなされたのです。お祝いのパーティに集まったカーライル大佐、シルビア、コーリー、ハッピー・ミート、キャロルは「タイムマシンが完成したことをお祝いしましょう。これで我々は生きた恐竜にあうことができるようになったのです。かんぱーい」わーい、ぱちぱちオメデトーということになったのですが、この席に肝心のバカルティ博士がいません。

 彼は何をしていたのかというと、警備員を殴り倒してタイムマシーン宇宙船TD-1(タイムディスク)の操縦用人工知能を強奪、TD-1にセットして飛んでいってしまったのであります。その後TD-1は自動操縦で戻ってきたのですがバカルティ博士の姿はありません。どうやら彼は過去の地球に身を潜めたようなのであります。カーライル大佐たちは人工知能のナビゲートログを解析、彼が訪れた時代、場所を特定しようとします。その際に出てきた言葉は踊り子のトンガ。何だか良く分かりませんがこの言葉をヒントに過去の地球へ博士を探しにいくことになるのです。

 その命令をうけたコーリー、キャロル、ハッピー・ミートはカッコいい宇宙服に着替えて勇躍TD-1で出発するのでした。TD-1、大宇宙を飛びます、飛びます、延々飛んでおります、いつもより余計に飛んでおります。これを見てコーフンしたオタクたちが「うわあ、すげえ特撮だ!」

 この時異変が起こりました。劇場上空に謎の宇宙船が現れたのです。まず路地でゴミ箱漁っていた浮浪者を瞬殺!そしてこの宇宙船から出てきた怪物がモギリのオネーさんを殺害します。やたらに血が飛び散ってチケットブースが真っ赤になる大げささがオカシイ。

 そんなことが起こっているとは夢にも思わないボンクラ観客たち。Gジャンの若者三人はオッパイのでかい女の背後に忍び寄って胸をもみもみ。アル中はなぜか釣り竿持ち出してきて、前の女の服に針を引っ掛けて喜んでおります。デブ女は際限なくポップコーンを食い続け夫に「アータ、まだまだ足りないわよ、どんどん買ってきなさい!」クシャミ女はクシャミをし続けております。

 映画はその間にも進んでおりまして、過去の地球に降り立つTD-1 車でデートしていたカップル、それを覗いていたおじさん(笑)から正体を隠すために服を借りて(奪って)、さらにカップルの女の子の方から車の運転の仕方を習います。一応、分かったところで3人を置き去りにして町へゴー。そしてTD-1が着陸するのを自室の窓から見ていたソニー・ウィルソン少年、そっと家を抜け出しパパの車を運転して!TD-1を目指します。

いかに大らかな4050年代SFシリアルを意識しているとはいえこれはマズイのではないですかねえ。

 場面はぱっと変わって部屋でくつろぐ劇場の支配人。ここに例の怪物が侵入してきて、ひゅど、しゅびらばどす、目ん玉抉り出されるわ、手首切り落とされるわ、もうえらいことになるのでした。えー、もうお忘れになったかも知れませんが、この劇場には小さな男の子を連れた夫婦がいました。この男の子が映画に退屈して場内を歩き回った挙句、この惨劇が起きた部屋を見つけます。男の子、ひいいと叫ぶかと思いきやにやにやしはじめて、目玉を拾って何かの袋に入れたりしております。心配して探しにきた夫婦、男の子を見つけて「なんだ、こんなところにいたの」「こんなつまらない映画は初めてだ。帰ろう」と支配人の死体に気付かぬまま劇場を出て行くのです。

 映画に戻りましてソニー・ウィルソン少年、TD-1を発見。これに乗り込みます。すると人工知能何を考えたか、この少年にコーリーたちを探してくれと頼むのでありました。はあっ?そのコーリーたち、映画館に行って「トンガって踊り子を知らないか」と訪ねております。聞かれた係員、「ここじゃ商売違いだよ、ペリーQっていうバーに行ってみな」

 さて、服を盗まれた挙句置き去りにされた地球人三人は公衆電話で空軍へ電話します。電話を受けた空軍の将校、「やかましい、空飛ぶ円盤なんぞ存在せんわ、馬鹿なこと言ってないで帰れ!」これで服を盗まれた三人の出番はオシマイ。

 さて、パパの車を駆って町へやってきたソニー少年。人工知能から教えられた青のパッカードが止まっているのを見て、モギリのおばさんに「ねえ、この車で来た人たち、映画見ているの」「違うわ、彼らはペリーQへ行ったわよ」そのペリーQではダンスレビューショーの開幕。立派な舞台でダンサー達が踊りまわる立派なものでせいぜい場末のバーでヌードダンサーが踊っているだろうくらいに思っていた私はびっくり仰天。コーリー、チアリーダー姿のキャロル、ハッピーは劇場を調べ始めるのですが、キャロル、コーリーの順番で黒ずくめの人物に拉致されて車のトランクに押し込められてしまいます。残されたハッピー、そんなこととは夢にも思わずトンガの楽屋に向います。そこでトンガの露骨な色仕掛けにコロっとマイっちまってキスなんかされたりしております。こういう接触に慣れていない未来人のハッピー、頭がぼんやりとしまして、「んじゃあ、バカルティ博士に会わせてあげるわ」という彼女の怪しい誘いに疑問をもつことなく車に乗せられてしまうのです。

 この車を追うソニー少年、逃げるトンガ。スピード感のまったくないカーチェイス!あんまりのたのたしているので、私なんか「ああ、これはカーチェイスやっているのだ」と気付くまでに随分と時間が掛かってしまったですよ。

 トンガの車、洞窟の中へ。ここがバカルティの基地らしい。この直後飛び込んできたソニー少年の車、彼はピストルを持って飛び出しトンガにつきつけて、「やい!トランクを開けるのだ」トンガが彼の指示に従いますとハッピー、「あ、コーリーとキャロル、てめー、良くもやったな」しかし、ここでバカルティ博士が登場。ソニー少年殴り倒して3人を捕らえてしまったのです。気絶した少年を残して3人を基地へ運び込みます。

 さて、映画館では売店のおばさんが背後から異様な呼吸音が聞こえるのに気がついてぱっと振り向きます。当然そこにいたのはあのモンスター、やられた!と思ったのですが、これはあのデブ女で、またポップコーンを買いに来たというギャグ。もっともこの直後、本当にモンスターが現れおばさんやられてしまうのですが。

 また、Gジャンの三人に胸を揉まれて喘いでいたデカパイ女、三人が服を脱がしに掛かったのでさすがに仰天、逃げ出します。にやにやしながら後を追うGジャンズ。彼らはこのままフェードアウトでこの先の展開には一切関係ありませんのであしからずご了承下さい。

 バカルティとトンガ、3人を基地の椅子に拘束して大得意。「わはははは、この三人の脳味噌を頂くのだ」しかし、ここでバカルティ、何を考えたか、「いかん、あのガキを捕まえろ」あのガキってソニー少年のこと?さっき気絶していたんだから一緒に連れてくれば良かったのに。「脳波戦士たちよ、あのガキを捕らえて連れてくるのだ!」この脳波戦士というのがブリキの円筒に手足をつけたようなクラシックなといえば聞こえが良いけれども、ようするにチャチなロボット(笑)。これがぞろぞろ現れてソニー少年を追っかけるのです。この場面を見たオタク、大はしゃぎで「うわあ、凄い迫力だ」

 しかし、こんな映画に出てくるロボットですから、そんな真面目なものである筈がありません。少年追っかけるのに飽きたらしいロボットが五体ほど、ソニー少年の車を弄ってラジオを鳴らし踊りだすのでした。まったくもってつまらないことこの上ないギャグですが、もう少しで映画が終わるので我慢してください。

 ロボットに追われたソニー少年、逆に基地へ突入します。同時にロボットもなだれ込んできたので大混乱となり、この隙にコーリー達は逃げ出すことができたのでした。ソニー少年、また逃げ出してん、頭上から下がっているロープをよじ登り始めたぞ。これは地上に繋がっているということかな。一方、コーリー達は踊っているロボットたちをすり抜けてソニー少年の車に飛び込み、こちらも逃げ出します。

 さて、映画館では映写技師が犠牲になります。怪物に頭をもぎとられて痙攣する映写技師。

 一方、カウボーイハットの男、連れの女とさんざんキスしたり、彼女の胸を揉んだりしてコーフンしたのか、「はあはあ、外へ行って続きやろう」女は首を振って「駄目よ、あたし、生理だから」これでカウボーイハット怒ったね。「いつもいつも生理で誤魔化しやがって、一年中生理か、血塗れか、もういい、俺は他の女を捜す」しかし、カウボーイハット劇場の外に出るなりモンスターにやられて自分が血まみれとなるという・・・。

 ソニー少年、地上へ出て町へ逃げ込みます。しかし押し寄せてきたロボットに挟み撃ちされて取り囲まれてしまいました。ここでバカルティ、トンガが現れソニー少年に迫ります。二人は剣をすらりと抜き放っていまにも切りかかってきそう。ソニー少年大ピンチかと思われたのですが、ご安心ください、コーリーたちもやってきました。彼らはバカルティ、トンガと同じく剣をすらりと抜き放ちます。これで戦うのかと思いきや、バカルティ・トンガと共にソニー少年に飛び掛ってさんざんに切り刻んでしまったのです。何だ、これ、意味わからん。

 これで映画が終わって、ナレーションが「ソニー少年はどうなったのか、バカルティはキャロルを嫁にできるのか(これも意味不明)、全ての謎は次回の『天王星へ突入せよ』で明らかにされる!」いやもう、明らかにしなくっていいから。

 観客たちがぞろぞろと帰っていきます。あの生理女も帰ろうとしたのですが、はい、モンスターが現れました。生理女、触手に絡みつかれながらも椅子の下に落ちていたビンを叩き割ってモンスターに突き刺します。これでモンスターがひるんだところで逃げ出すのですが、またモンスターに捕まった。今度こそやられると思われたのですが、唐突にあのデブ女がモンスターの前に立ちはだかります。彼女は傍らの夫に「アータ、フォーク頂戴」これでモンスターぐさぐさ、「アータ、ナイフ頂戴」これでモンスターざくざく。怪物やっつけたのかと思ったらデブ女、フォークとナイフで怪物を切り刻んで食い始めたのです。夫も、生理女もウェー。デブ女、ついに怪物を食らいつくしてしまいます。

 ゆうゆうと立ち去るデブ女と夫。残された生理女が呆然としておりますとオタクの一人が現れて「どうしたの」「美女が野獣をやっつけたのよ」オタクは彼女を抱き上げ静かに退場。

 ナレーション、かくして火星からの侵略者は一人の女性に敗れ去った。女性の偉大なる食欲が地球を救ったのだ!ってふざけんな、コノヤロー。またエンドクレジットが長いの、こんな映画なのに12分もあるの。

 コメディ映画であることは分かっているけれども、それでもムチャクチャに腹がたつ(笑)。こんな映画を作った奴らは地獄へ行け、そして繰り返し、繰り返し、お前らの作ったこの映画を見せられる刑罰を受けるが良いわ!

 本当に辛くて、退屈な80分でした。

カラー・スタンダード。モノラル音声 レンタル落ちVHSソフトなので画質・音質とも評価外。日本語字幕付。 

 エロの冒険者 
       HOMEPAGE http://homepage3.nifty.com/housei/ 
      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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