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2008年8月18日 (月)

『ザ・ドリーミング』(『The Dreaming 』 1988)

 

『ザ・ドリーミング』(『The Dreaming 』 1988)

 白人に迫害されたアボリジニの霊が現代に蘇って復讐を開始するというありきたりのストーリー。しかもその復讐すべき相手はとうに死んでいるので、標的になったのが歴史研究者たちなのですから、これは復讐というより単なる八つあたりですな。

映画の冒頭でおよそ200年前、鯨取りの一団がオーストラリアの原住民アボリジニが夢見という能力を知った。これを嫌った鯨取りたちはアボリジニ達を虐殺したのである云々というテロップが出ます。そしてオープニングクレジット。オーストラリアの海岸線を飛ぶヘリからの空撮映像が続いた後、ようやく着陸。ヘリから降りてきたのは考古学の教授バーナード・ソーントン(アーサー・ディグナム)。彼はこの島で遺跡を発掘中だった部下達から「先生、洞窟の奥に人工的に封印された場所があります」と知らされて文字通り飛んできたのです。

 その封印された壁にトンカチとノミで穴を開けますと、中から何かのガスが噴出、続いてどかーんと爆発して壁が崩れたのです。まるでドリフのコントのように真っ白になった教授、恐る恐る中へ進みます。中にあったのは大量の人骨と、そしていかにも怪しげな腕輪。教授、「ええもん見つけた」とほくほくしながら手を伸ばすのですが、突然、目の前にアボリジニの女性が現れた。どうやらこれは幻覚のよう。続いて後から鯨取りらしき乱暴者たちが現れてヤリや刀でぐさぐさぐさー。博士、恐怖のあまり洞窟を飛び出してしまいました。

 その9ヶ月後 腕輪は博物館に寄贈、展示されております。ところが深夜忍び込んだ一団がいた。どうも風貌からするとアボリジニ達のようです。陳列ケースを壊し、腕輪を盗んだまでは良かったのですが非常ベルが鳴り響いて警備員に追いかけられます。他の奴らはなんとか逃げ延びたのですが、一人、腕輪を持っていた女一人だけが捕まってしまいました。どうもこの時、警備員にさんざんあんなことやこんなことをされたらしくあっという間にずたぼろになって意識不明。病院へ担ぎ込まれるのです。

 その彼女を診察したのが教授の娘キャシー(ペニー・クック)だったのですから縁は異なもの味なもの。彼女は女の体に不可解な傷がついていることに着目し、レントゲン検査をします。頭蓋骨のレントゲン写真を調べるキャシーでしたが、突然、そのレントゲン写真が動き出したという・・・、頭蓋骨がぐりぐり回ってキャシー驚いて飛び上がります。そして同時に意識不明だった女が突然暴れだした!キャシーたちは懸命の救命措置をするのですが、上手くいかず、女は「げえー、げえー、げげえー」と叫んで死んでしまったのです。
 

なんでこういうイヤな死に方させますかね(笑)。


 この急すぎる死に方に疑問を持ったキャシーは彼女の死体を解剖しようとしたのですが、死体を覆っているシーツを取ると、ばーん、女の肩に今までなかった凄い傷がついているではありませんか、おまけに蛇口から血がぽたぽたと垂れ、さらに鯨取りたちが襲ってきた!この幻覚に恐れをなしたキャシー、帰ろうとするのですが、手首にヘンな模様がついているのを見つけます。水で洗っても落ちない不思議な模様。これが気になった彼女はそのまま図書館へ行ってこの模様を調べるのでした。何冊も本をひっくり返した結果、どうやらこの模様は昔のアボリジニが使っていたものであったらしいことが判明します。

 この時起きた奇妙な出来事。手が勝手に動いてメモに何かを書き出したのです。所謂自動書記という奴ですな(笑)。キャシー、恐怖の面持ちでそのメモを見つめます。彼女の手が書いたのはどうやら島の地形らしい。

 ようやく帰宅したキャシー、その彼女を迎えたのは約束をすっぽかしたといってカンカンになっている夫ジェフ(ゲリー・スイート)でした。ジェフは今からでも出かけようというのですがキャシーは疲れているからと拒否。ジェフ、さらに怒って「君は義父さんに似てきたな、傲慢でわがままだ」はい、後は犬も食わない夫婦喧嘩というやつでございます。

 その後また病院へ戻ったキャシー。また女の死体を覆っているシーツを取り払います。しかし今回そこに横たわっていたのは血まみれの鯨取り、ぎゃっと叫んだキャシー、逃げ出しますが後から後から鯨取りたちが現れて彼女を追いかけるのです・・・はっと目覚めるキャシー。「幻覚みたり、悪夢にうなされたり、じっさい大変だわ」鼾をかくジェフの隣で溜息をつくのであります。

 翌日、病院へ出勤したキャシー。アボリジニの青年がうろうろしているのを発見。「彼女の仲間だわ」と思ったキャシーは彼を追いかけるのですがあっさり見失ってしまいました。と、そこへ教授から電話。いきなり「あー、ママ死んだから、葬式木曜日の一時からだから」そんなこと突然に言われても困ります(笑)。

 そして場面が変わるともうお葬式。雨の中ジェフと共に立ち尽くすキャシー。お葬式の終わりごろに教授もやってきた。キャシーと教授は悲しみを共有するかのように抱き合います。お葬式の後、教授と別れたキャシーですが、彼女は偶然、あのアボリジニの青年と教授が言い争っているところを見てしまうのです。「あれを返せ、元に戻すんだ、死者の島に戻してくれ」と食って掛かる青年に教授は「あれは人類の遺産だぞ、君たちだけのものではない」「馬鹿め、これ以上放っておくとどんどん死ぬぞ」教授は青年を振り切っていってしまいます。

 キャシーは青年を捕まえ訳を尋ねるのですが「あれは我々の祖先のものだ」とかなんとか言われるばっかりで埒が明きません。いらついたキャシー、手首の模様を見せて「分かるでしょ、あの腕輪と同じ模様よ、一体何が起こっているの!」青年、酷く驚いたようで立ち尽くしてしまいます。しかしさらにキャシーが質問を重ねようとしたその時、青年はまた逃げ出してしまうのでした。しかし、その途端に響き渡るブレーキ音。青年、鉄パイプをたくさん積んだ作業車の前に飛び出してしまったのです。急停車した作業車、その勢いで鉄パイプが飛び出し、青年をぐさぐさぎゃー!これも惨い死に様だなあ。

 キャシー、一連の出来事の真相を探るべく、父親の家を訪ねます。しかし父親は不在で、大学からの電話によると例の「死者の島」なるところに行ったらしい。そして父親の書斎で死者の島の地図を見つけて愕然とします。その地形は彼女がメモに書いたそれとそっくりだったからです。キャシー、ついに島へ行くことを決意したのでした。

深夜、雨の中で車を飛ばすキャシー。その彼女の目の前にまた鯨取りたちが出現。銛を振りかざして襲ってきます。この幻影に気を取られたキャシー、危うく対向してきたトラックにぶつかるところでした。ここでぶつかってしまえば映画は終わり、めでたし、めでたしだったのですがまったく惜しいことをしました(笑)。そしてなんとか港に到着します。彼女は付近のホテルに泊まるのですが、ここでも異変が起こりました。地下室から聞こえてくる女性の悲鳴。おそるおそる見に行くと一人のアボリジニ女性を鯨取りたちが取り囲んであんなことや、こんなことをしていたのです。鯨取りたちはキャシーに気付いて「さあ、あの女もやっちまえ」と襲い掛かってきます。「ヒーッ」飛び起きるキャシー。やっぱり夢かよ。

 翌朝、ホテルで借りたモーターボートで島に渡るキャシー。早速島の別荘?にいたパパを捕まえて「あたし、ヘンな夢をみたりするの、何が起こっているのか分からない、私怖いわ」と訴えるのですが、パパったらただ一言「そりゃ、疲れているんだろ」頼りにならん人ですな。おまけにキャシーの話とはまったく関係なしに「私は何かを探しているのだ」とかつぶやいたりしております。キャシー、島に来た甲斐まったくなし(笑)。

 この頃ジェフは必死にキャシーの行方を捜しておりました。彼はパパの同僚リチャーズ教授から「キャシーと教授は島の遺跡に行っているのに違いない。アボリジニの文化を守るために封鎖されている遺跡に入ったら不法侵入だ。君、ひとつ、二人を連れて帰ってくれないかね」と頼まれ、島へと向うのです。

 さて、パパが頼りにならぬと分かって島を彷徨う失意のキャシー。その間パパは遺跡に不法侵入してなにやら漁っております。そしてパパ、ついに鯨取りたちが使っていた鯨解体用の巨大な刀を発見するのです。これを振り回してニヤーッとするパパ。はい、もう後のストーリーがどうなるか分かりましたね。

 これで夜になりまして、ジェフ、ボートで島へ向っております。その彼の前に突如現れた18世紀の帆船捕鯨船。これに激突されたジェフ、たまらず海中へ投げ出されます。そこへボートに乗り換えた鯨取りたちがやってきて呆然と浮かんでいるジェフ目掛けて銛を投げつけた。グサーッ、「ギャーッ」胸に銛が刺さって即死のジェフ・・・バスタブの中ではっと飛び起きるキャシー。また夢かよ、もう飽きてきたよ(笑)。慌てて風呂から上がるキャシー、と、その彼女の前にジェフが現れました。今や現実と夢の区別がつかなくなっているキャシー、「ヒーッ、あなたは死んだのよ、死んだ筈なのよ、銛でやられたのよ」と取り乱します。ジェフ、彼女の頬桁一発バシーンと張って「落ち着け、キャシー」彼は彼女をなんとかなだめてベッドに押し込みます。すやすやと眠るキャシー。

 え?パパはどうなったのかって、ええ、パパは例の刀を持って海岸へやってきます。そしてそこでなぜか焚き火を始めたのでした。この炎に気がついたジェフが見に行くのですが、その背後からパパが迫ってきて・・・。

 キャシー、赤ん坊の泣き声を聞いて目を覚まします。そしてジェフを探すうちにパパの書斎へ入り込んだキャシー。そこで発掘された鯨取りたちの航海日誌を見つけるのです。これを読んでみると鯨が捕れたことに浮かれた鯨取りたちが、「よっしゃ、鯨も捕れたことだし、後は女だ。女だったら現地の野蛮人でも構わないや」と上陸してアボリジニー達の集落を襲ったと書かれていたのです。興奮した鯨取りたちは男たちを虐殺、女を攫います。しかし女があまりにも暴れるもので、例の解体用刀でぐさーっ。

 これはなんだな、オーストラリア映画だから反捕鯨映画なのかな。鯨を捕る奴ってのはこんな酷い奴らだってことかな(笑)。

 真相が分かって呆然とするキャシー。とそこに刀を構えたパパが躍り込んで来た!キャシー、逃げます。そして「ジェフ、助けて!」と叫ぶのですが、そのジェフはパパによって銛で殺害され網で宙吊りにされていたという・・・。キャシー、灯台に逃げ込みます。後を追うパパ。最上階に追い詰めてさあ、刀でキャシーの首をスポーンと切り飛ばすのかと思いきや、いきなり刀を捨てて「お前を傷つけると思ったのか、俺はお前を愛しているのだ、お前も俺を愛しているのだろう」キャシーに飛びついて近親相姦的レイプしようとするのであります(笑)。

 キャシー、必死に逃れてパパが捨てた刀を拾い上げます。そして何のためらいもなくパパの胸を切り裂くキャシー。パパなんだからもっと逡巡してもいいんじゃないかと思いますけど。ぎゃあああと叫んだパパ、窓を破って落下、絶命します。

 ラスト、夜が明けた島をふらふら歩くキャシー。次に冒頭と同じ空撮映像が流れてエンドクレジット。

 最初のムードは良かったんだけどなあ、後半随分テキトーになってしまったなあ。あのトラックの鉄パイプに貫かれて死んだアボリジニの青年もまったくの無駄死にでありました。

カラー・スタンダード。モノラル音声 レンタル落ちVHSソフトなので画質・音質とも評価外。日本語字幕付。 

 エロの冒険者 
       HOMEPAGE http://homepage3.nifty.com/housei/ 
      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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