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2008年9月29日 (月)

『インべージョン・アース』(『Invasion Earth: The Aliens Are Here』 1988)

 『インべージョン・アース』(『Invasion Earth: The Aliens Are Here』 1988)

 SF映画を上映している映画館を根城に地球侵略を企む宇宙人という微妙に『火星人ウェルカム』(『Midnight Movie Massacre』1988)に似たプロットで、しかも同じようにまったく面白くないという(笑)。

 まあ、こっちの方が実際の50,60年代SF映画のフッテージをばんばん流してくれるだけましだったりするのですが。

大宇宙を進む宇宙船。乗っているのは凝りもせず地球侵略を企むエイリアンであります。親玉らしき蛸の頭にでっかい一つ目と2本の腕がついたような奴、その部下らしき仮面ライダーが不摂生して20キロばかり肥えたような奴、下働きの象頭の奴、こういう見るからに間抜けな外観の宇宙人たちはなぜか、地球のアメリカ、デッドロックのジェム映画館の屋上に着陸。そして地球侵略を開始したのです。

 このジェム映画館、劇場でかけているのはホラー映画なのに問い合わせの電話に「今日は恋愛映画二本立てですよ」と答える支配人、子供から受け取ったチケットをずたずたにしてしまうモギリのお兄さん、フィルムがたくさんあるのに煙草ぷかぷかやっているという映写技師と一癖も二癖もある奴ばかり。あまり行きたくなるような映画館ではありません。

 さて、劇場では『人喰いアメーバーの恐怖』が掛かっております。映写室に通風孔から染み出してきたアメーバーが充満、映写窓から客席に流れ出すあの場面ですな。これに呼応するかのように本物の映写技師も太ったライダー型の宇宙人に襲われ消されてしまうのでした。この時フィルムが切れてしまったので場内真っ暗。観客達は「おい、何をやっているんだ」と大騒ぎ。これでカチンと来た宇宙人、「だったら俺が選んだ映画を見せてやるぜ」これで映ったのが『それは外宇宙からやってきた』だったという・・・。そしてオープニングクレジット。

 観客はなぜか大人しく見ています。『人喰いアメーバーの恐怖』が突然切れて『それは外宇宙からやってきた』に変わったらフツー、怒りませんかねえ(笑)。喜ぶのは私みたいな病膏肓に入ったマニアだけじゃないかと思うのですが。

 さて、地球侵略の開始だ、よし、映写室を侵略作戦室にしようというので仮面ライダー型の宇宙人が一つ目蛸のリーダーを運んできます。ところがライダー型、床のでっぱりにけつまずいてバランスを崩してリーダーを放り投げちゃった。リーダー、山と積んであるフィルムに激突して落下。同時にフィルムが崩れてもう大騒ぎです。このショックで階下の支配人室の天井がばらばら落ちてきたので怒った支配人、映写室に怒鳴り込んだのですが・・・宇宙人から緑の光を浴びせられて攫われてしまったのです。そして仮面ライダー型の奴が支配人の服を来て映画館の中をうろうろ動き回るという・・・。意味が分からないですが、そういう映画なのですから仕方ありません。私のせいではないのです。

 ここでようやく登場したのが主人公のビリー(クリスティン・リー)とジョアニー(ジャニス・ファビアン)のカップル。彼らは劇場の裏口の鍵を針金で解除、映画をただ見しようとして侵入してきたのですな。その気配に気付いた支配人=宇宙人、目玉をひゅうと伸ばして主人公達の様子を探ろうとします。折りしも場内では映画が『宇宙戦争』に変わっていました。宇宙人の探査プローブが壊れた家の中へ入ってくる例の場面、一応支配人=宇宙人の目玉と連動しているという趣向。しかしこっちの支配人=宇宙人の目は壁に張られた水着美女のポスターに釘付け。そっちへ近づこうとしてうっかり椅子を倒してしまいその音で驚いて引っ込んでしまったという。ビリーとジョアニーはこれ幸いと逃げ出すのでした。

 ちょっとむっとした支配人=宇宙人、モギリのお兄さんに「おい、ガキが忍び込んでいるぞ、サボッてないで探せ」宇宙人となった支配人に何の疑問も抱かず二人を探し始めるお兄さん。やっぱりヘンですよ、この人は。

 でもモギリのお兄さん、二人を探しているうちに触手のようなものに捕まれて引きずりだされてしまいました。どうやら彼も宇宙人に捕まったらしい。その現場を目撃した二人、何かへんな事が起こっていると知って、映画館の中を調べ始めます。

 この間、場内の映画は『放射能X』に変わっております。そして映写室では部下の仮面ライダー型宇宙人がリーダーに向って「アトマイザーと洗脳装置の準備が完了しました。暗闇で彼らに下らない映画を見せ続ければ今夜までに洗脳が完了するでありましょう」仮面ライダー型はここで急に揉み手をし始めて「その暁にはひとつ、昇進と地球人の女をよろしく願いたいもので・・・」

 このつまらないギャグに呆れている間に劇場の映画は『惑星アラウスから来た脳みそ』に変わっております。そして次に『「ボディ・スナッチャー/恐怖の街』へ。宇宙人たちは映画に合わせたかのごとく、客席に巨大な豆のさやを持ち込んできます。このサヤに触れた人間は緑色に光って拉致されてしまうという・・・。それからどうなるのかというとスクリーン裏に連れ込まれて怪しい装置につながれぴくぴくと体を震わせることになるのです。先に拉致されていた支配人やモギリのお兄さんもいて、やっぱり体をぴくぴくさせております。

 これを見つけたビリーとジョアニー、助けを呼ばなくちゃと思って屋上に出るのですが、そこで宇宙船と忙しく立ち働く宇宙人たちを見つけてびっくり。慌てて館内へ戻ります。そうこうしている間にも宇宙人は近隣の地球人を集めて銃で脅しどんどん映画館に連れこむのでした。

 これから延々と各種SF映画の名場面や予告編が続きます。『暗闇の悪魔』『The Mole People』『金星人地球を征服』『大アマゾンの半魚人』『原子力潜水艦』『空の大怪獣ラドン』『世紀の謎 空飛ぶ円盤地球を襲撃す』『地球防衛軍』『宇宙水爆戦』『三馬鹿大将宇宙の巻』・・・。ああ、もう疲れた。

映画は『世紀の謎 空飛ぶ円盤地球を襲撃す』に戻っております。場面はラスト近くの地球人大反撃。電磁砲を浴びて次々と墜落していく円盤群。この時映画館の客席でわいわい騒いで周りの顰蹙を買っている家族がいました。この家族をライダー型宇宙人が光線銃でびびび。消滅させてしまいます。拍手を送る観客。このへん、映画の内容とリンクさせたギャグのようであります。

 次の映画は『The Giant Claw』 巨大な鳥がパラシュート降下する人間をぱくりぱくり食べる場面を見てライダー型宇宙人 「げえっ、なんて残酷な映画だ」と叫びます。その後、えんえんと流され続けるSF映画。『世紀の怪物/タランチュラの襲撃』『吸血原始蜘蛛』『戦慄!プルトニウム人間』『終末の兆し』 おお、これは巨大生物ものそろい踏みですな。宇宙人、なかなか良いセンスをしているではありませんか(笑)。

 その後は『冷凍凶獣の惨殺』『海獣ビヒモス』『地球から5千万マイル』『巨大猿怪獣コンガ』 ライダー型宇宙人はリーダーに「第9計画はパーフェクトです。人類はまもなく滅亡します」ってするもんかよ。

 その後は『The Deadly Mantis』、また『終末の兆し』『世紀の怪物/タランチュラの襲撃』『水爆と深海の怪物』 窓を破って怪物が人を襲う場面を連続してみせるという趣向。その後はフツーに戻って『巨人獣 プルトニウム人間の逆襲』、『キングコング対ゴジラ』『地球防衛軍』 この時数人のパンクたちがラジカセで音楽鳴らして騒ぎ始めました。するとまたライダー型宇宙人が光線銃でびびび。彼らを消してしまったのです。またやんやと拍手する観客。繰り返すほどのギャグじゃないですよねえ。

 ビリーとジョアニー、宇宙人たちのことを電話で通報しようとしたのですが、どうした仕組みになっているのか繋がったとたんに公衆電話が白熱、溶けてしまったのです。これじゃいよいよしょうがない、客席にいた友達のマイクとティムに手伝って貰おう。そう決意したビリー、「二階に来てくれ」というメモを紙飛行機にして客席へ飛ばします。これを読んだマイクとティミー、二階に行って彼らの案内で宇宙船と働く宇宙人達を見せられてびっくり仰天。「外に助けを呼びに行かなくちゃ。でも証拠がなければこんなこと信じて貰えないよ」マイクとティミー、丁度映画館に入ってきたオタク二人のフラッシュ付カメラを盗むことに成功します。これをビリーとジョアニーに渡した二人、裏口から逃げ出そうとしたのですが・・・。宇宙船が正面にどんと構えているものですからどうにもなりません。

 ここで唐突に宇宙人の母星からの連絡が入ります。映写室に設置されたビュースクリーンにリーダーそっくりの一つ目蛸型宇宙人が映りまして、「こら、やっと見つけたぞ、母さんの宇宙船と財布を盗みやがって、おまけにガキのくせに地球征服なんかしようとしやがって、すぐに帰ってこい!」部下のライダー型宇宙人がそっと「ボス、地球侵略やめて帰りますか」リーダー、ぷるぷる首を振ると言う・・・。こういうの面白いと思ってやってるんスか?ライダー型宇宙人、溜息をついて「じゃあ、次のフィルムかけまっせ」 

 はい、また『The Crawling Eye』『巨大アメーバーの惑星』『The Land Unknown』『フランケンシュタイン対地底怪獣』『Invisible Invaders』などが映ります。この時ついに宇宙人たちが使っている装置の破壊を決意したビリー、カメラのフラッシュをたいてライダー型宇宙人たちを追い払うと、装置に向って走ります。どんどん走ります、何時までも走ります、何時もより余計に走っておりますって、この劇場どれだけ広いんねん!この時画面がせわしなく点滅して、もう見ていて眼がちかちかしてきます。

 装置にたどり着いたビリー、「いつまでもお前らの好き勝手にはさせん、正義は必ず勝つ!」と叫んでコードを引き抜きました。その途端、劇場のスクリーンが爆発!突然、たくさんの目玉がついた蛸型モンスターが出現します。警官隊が退去押し寄せてメガホン持った保安官が「おい、一体何が起こっているんだ」と叫びます。しかし、カッコよかったのはここまで。怪物をみた保安官、警官隊は「きゃーっ」と悲鳴を上げて逃げてしまいました。観客も逃げ惑いますが一人逃げ遅れたのが食われてしまいます。

 宇宙人たちも撤退の用意。ライダー型宇宙人、リーダーを抱えて走り裏口から飛び出すのですが、「あ、宇宙船ないじゃん!」既に宇宙船は飛び去った後だったのです。

 宇宙人たちはいなくなり、蛸型モンスターの姿も消えた。とりあえず宇宙人の地球侵略は失敗だ・・・と感慨にふけるビリー。その時ジョアニーが「あら、マイクとティムはどこにいったのかしら」えー、もちろん、彼らは宇宙船の中、ポップコーン売っていた象型宇宙人と友達になって乗せて貰っていたのです。「よーし、行くぞ、銀河の果てまで」とポップコーンを齧りながら叫ぶマイク。象型宇宙人、頷いてレバーをぐい。宇宙船はさらに加速して銀河の彼方へ消えていきましたとさ。

 さて、置いてけぼりにリーダーとなったライダー型宇宙人。なんとヒッチハイクをしようとしております。もちろん、こんなのを乗せてくれるような車がある筈もありません。びゅんびゅん通り過ぎる車にため息ついたライダー型宇宙人、「もう、宇宙船も食い物も家もない。それというのもあなたがパパに逆らったからです」なんてボヤいております。怒ったようにぐるぐる目玉を回すリーダー。その時背後から忍び寄ってきていた蛸型モンスターががっと襲ってきて、はい、エンドマーク。

 貴重なフッテージ(笑)を惜しげもなく使っているのだから、そのままでも十分面白かった筈ですがねえ。なんでこんなに余計でくだらないストーリーつけちゃうんだか。

カラー・スタンダード。モノラル音声 レンタル落ちVHSソフトなので画質・音質とも評価外。日本語字幕付。

 エロの冒険者
       HOMEPAGE http://homepage3.nifty.com/housei/
      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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