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2008年9月18日 (木)

『The Earth Dies Screaming』 (1965)

 

謎の疫病、無人の町、襲い来る宇宙ロボット、ゾンビ達。低予算が見え見えのホラーですが、仕掛けが凝っていて実に面白い映画でした。金がなくても良い映画は作れるのです。それがたとえ私のような人間しか面白がらないような映画だっていいじゃありませんか(笑)。

 警告、警告、このDVDのリージョンは1です。したがって日本国内のDVDプレーヤーでは再生できません。警告、警告。

冒頭いきなり脱線する蒸気機関車、衝突する車、駅で倒れている無数の人々、操縦士が意識不明になって墜落する戦闘機、とにかく人がたくさん倒れています。ここでオープニングクレジット。この間に白く光る物体が空を横切りましていよいよ地球がのっぴきならない状況にあることが示唆されるのです。

 そして舞台はイギリスの田舎町に変わりまして死体だらけの町中をとことこ走っているジープが登場。乗っている男は周りを見ながらゆっくりジープを走らせております。と、電器屋を発見してジープを降り中へ入ります。男はショーウィンドーに飾られていたラジオを「誰もいないようだから失礼しますよ」と呟いて持ち出します。それからホテルを発見して「やれやれ、当分あそこを根城にしよう」この時道路脇の民家に突っ込んだ車を見つけて中を覗きこんで見ますと夫婦らしき男女が死んでいました。

 ホテルへ入る男。彼はホテルのフロントマンの死体を片付けまずテレビを映してみます。しかしどのチャンネルも何も移らずただぴゅーぴゅーという電子音が鳴るばかり。次に持ってきたラジオを鳴らしてみたのですが、こっちも駄目。やっぱりぴゅーぴゅーなるばかりです。と、ここでピストルを構えた男と女が登場。「動くな、貴様は誰だ、ひょっとして敵か」ジープの男、ジェフ・ノーラン(ウィラード・パーカー)は他に生存者がいたことにびっくり仰天。名前を名乗って自分はアメリカ人のパイロットであると話します。なぜアメリカ人のパイロットである彼がこんなところにいたのかと言えばイギリス・アメリカ・カナダ共同開発の垂直離着陸機のテスト飛行を担当していたのだそうな。それでテスト飛行に上がって戻ってきたら飛行前はぴんぴんしていた人々が死んでいたというのです。

 そして男と一緒にいた女の名前はペギー(ヴァージニア・フィールド)。彼女は事件発生当時病院の酸素テントの中にいたのだそうな。当初、ピストルを持った男、クィン・タガート(デニス・プライス)は彼女を自分の妻だと紹介したのですが、彼がホテルの裏口を見に行った隙にペギー、「いや、夫婦でもなんでもないのよ、ただ、あの人がそうしておいた方が安全だというから」そしてこのタガート、彼だけ事件発生当時どこで何をしていたのかはっきりと語られません。ペギーの件も合わせるといかにも怪しげな人物であります。

 まあとにかくその夜をホテルで過ごした三人。翌朝ライフルを持って周囲を調べに出たノーランは昨日の車を見てびっくり。夫婦らしき男女の死体がなくなっているではないですか。私はここでうわあ、死んだ人々がゾンビによって蘇るのかと戦慄したのですが、どうやらこの二人、事故のショックで気絶していただけみたい。この時二人は近くの食料品店に入って朝飯ぱくついていたという・・・(笑)。この妙な男女の名前はエドガー・オーティス(ソーリー・ウォルターズ)とヴァイオレット・コートランド(ヴァンダ・ゴッドセル)と言いまして、なんだこっちも夫婦じゃないのか、事件当時、会社のパーティ抜け出して気密仕様の研究室にあったソファーの上でよろしくやっていたのだとか。

 みんなの話を総合しますと、みんな助かった人々は周囲の空気から隔絶された環境にいたことが分かります。どうやら地球は謎の敵に毒ガス攻撃を食らったらしい。

 タガートは「テレビ、ラジオも全く駄目、通信ができないらしい。だから船も飛行機ももう・・・」これを聞いたヴァイオレットが半狂乱、彼女の息子が今まさに船で航海中だったからです。「ひいい、大変だわ、助けを呼ばなくちゃ、軍隊はこないの」外へ飛び出してしまいます。と、ここで異様な人物が二人出現。なぜか銀色の宇宙服を来た人物が路上をとぼとぼ歩いていたのです。「あ、アレは軍隊の人だわ」と喜び勇んで駆け寄ったヴァイオレット、ヘルメットを被った彼らの顔はまったく人間ではありませんでした。ゴムのようなものに覆われたのっぺらぼうで両眼の位置に機械部品がついている不気味悪いもの。そのうちの一人が恐怖に立ち竦むヴァイオレットの向って腕を伸ばします。それに触れた瞬間、びびびと電撃が走って崩れ落ちるヴァイオレット。

 これを見たタガートとノーラン、それぞれピストルとライフルを乱射するのがどうやらこのロボット?には通用しないようで、あっさりと逃げられてしまいましたとさ。ホテルから飛び出したオーティス、ヴァイオレットを抱き上げるのですが、すでに彼女が死んでいることを知って慟哭するのでした。

 この敵の出現で残った人々は様々な思惑をめぐらせます。ノーランは「こうなったらジタバタせず、このホテルでしばらく様子を見よう」オーティスは「うわーん、ヴァイオレットが死んじゃったからもうどうでもいいよう。酒を飲んで酔って忘れよう」タガートは「ここにいちゃ危ない、ペギーを連れてさっさと逃げよう」そのペギーは「タガートなんかと絶対一緒に行かない」と思っていたりなんかしたりして(笑)。

 翌日新たな生存者が現れます。妊娠した妻ローナ(アンナ・パーク)と夫メル(デヴィッド・スペンサー)の夫婦。彼らはローナの実家があるリヴァプールに行こうとしていたのでした。とにかく貧乏な彼らは昨夜宿に泊まる金がなかったのでシェルターの中に無断宿泊したのだそうな。このシェルターが気密構造なので助かったのですな。とにかく先を急ごうとする二人にノーランたちは謎の怪人物にヴァイオレットが殺されたこと、英国が毒ガス攻撃を受けたらしいことを話し、自分たちと行動を共にするように進めます。不承不承同意するメルとローナ。

 彼らは隣町にあった軍隊の武器庫に侵入し、武器を調達しようとします。しかし、ここは演習用の武器庫だったのでロクなものがありません。なんとか見つけた数丁の拳銃と弾をホテルへ持ち帰り、男たちで交代して見張りをすることになります。

 夜も更けまして丁度ノーランが見張りに経っている時刻。ローナは別棟の調理室へ行き冷蔵庫からミルクを取り出して飲もうとします。この時再びあの宇宙服の怪人物が出現。ノーランが様子を見ておりますと、怪人物、調理室へ近づいてミルクを飲むローナを窓越しにじっと見つめます。当然、これに気がついたローナが「きゃああ」ノーランがライフル乱射かと思いきや、ローナ、気がつかずにフツーに戻ってしまうという・・・(笑)。その後うろうろする怪人物。

さあ、こんどこそ怪人物の大暴れと思いきや、そのままよろよろと歩き去っていったという・・・。どうも盛り上がりませんなー(笑)。その後寝ていた筈のタガートが突然むっくり起き上がり、こっそりと台所へ行って冷蔵庫の食べ物を漁っております。こいつはそのうちペギーを連れて自分だけ逃げようと思っているのでその準備ということでしょうか。

 と、ここで異変が発生。二階の部屋に安置されていたヴァイオレットの遺体がむずむず動き始めたではありませんか。そのまま立ち上がるとあの怪人物と同じような電子音を立てて階段を降りはじめたのです。彼女の目は、おお、不気味に白く濁っております。台所から戻ってきたタガートがこれを目撃、彼女が向かってきたので「うわあああ」ピストルを乱射します。ばすばすと銃弾が命中してまた崩れ落ちるヴァイオレット。みんな、銃声に飛び起きて「なんだ、なんだ」と集まってきます。当然ながら、オーティスが「あ、これはヴァイオレット、よくもやりやがったなタガート、絶対許さん」と殴りかかったりするのですが、これをノーランがぱっと止めて「おい、ヴァイオレットの目がないぞ、生き返ったんじゃない、これはゾンビだ」

 新たな敵の出現に戦慄する一同。こうなってはもうぐずぐすしておれない、明日朝一番で計画通り南へ立とう。それまでは軍の武器庫に立てこもるのだ。彼らは慌しく移動し、そこで朝を待つことになりました。ところが何故か南へ行きたくないタガート、見張りに立っていたノーランの頭をピストルでぽかり。そしてペギーにピストル突きつけて「やい、北へ行くから一緒に行くのだ、いやだと言えばズドンだぞ」彼はペギーを拉致、車を奪って逃げ出したのです。途中で一度給油、この時怪人物に襲われそうになるのですが、間一髪で逃げることができました。何しろ、この怪人物、歩くのが物凄く鈍いので逃げ放題なんです(笑)。

 ペギー、「あなたに無理やり連れてこられちゃったからコート持ってこられなかったのよ。もう寒くて死にそう、なんとかしてよ」とブーたれます。この頼みをしぶしぶ引き受けて洋装店に入るタガート。車に置き去りにされたペギー、彼から「絶対逃げるなよ」と言われていましたが、そんな逃げない訳がない。彼女はぱっと車から飛び出すとホテルに逃げ込んだのです。タガート、彼女の後を追おうとしたのですが、怪人物が出現!彼女を連れ戻すのを断念して車で走り去るのでした。

 一方、メルに介抱されて意識を取り戻したノーラン。彼はペギーが誘拐されたことを知って救助に向います。「タガートは一度ホテルに戻るに違いない」と考えた彼はジープを猛スピードで走らせてホテルへ向います。そのホテルではペギーが大ピンチ。怪人物とゾンビ二人に取り囲まれてしまったのです。ペギー、絶対絶命のピンチ!ですが、危ういところでノーランが間に合った。ノーラン、彼女の窮地を見て取るやジープのスピードを上げて怪人物に猛然と突っ込んだ!怪人物はひとたまりもなくつぶれてしまいました。

 ノーランは車から降りてゾンビ二人をライフルでやっつけます。それからつぶれた怪人物の死体を見てみると、中からはみ出ているのはたくさんの機械部品。「きゃつらはロボットだったのだ」そしてノーランはぱんと手のひらをうって「そうか、分かったぞ、ヴァイオレットは死んでいたのではない。ショック攻撃で麻痺させられただけなんだ。こいつらはそれを覚醒させて奴隷として使うんだよ」ペギーは「なんでそんなことまで分かるの?ノーラン」という顔をしておりますが(笑)、そんなことを言っても仕方ないので彼に連れられて武器庫へ戻りましたとさ。

 さあ、戻ったら戻ったでまた大騒動。なんとローナが産気づいたのです。もちろん、こんな状況下ですから救急車は呼べません、産婆さんだっていやしません(当たり前だ)。オーティスとメルはあたふたと町にオムツやタオルなど出産用品を取りに行くのでした。オーティスなんか、手回しよく赤ん坊の靴まで持ってきていて、ペギーに「そんなのまだ早いわよ!」と叱られたりしますな。こういう奮闘努力のかいあって、数時間後生まれたのが玉のような女の子の赤ん坊。メルは大喜びしますが、これですぐに南へ行くことができなくなってしまいした。

 そこで一計を案じたのがノーラン。彼はメルをラジオの前に引っ張って行って例の電子音を聞かせます。「奴らはロボットたちをこの電波で遠隔操縦しているのに違いない。その電波の発信元をやっつければきっと動かなくなってしまうぞ。ちなみに私は奴らは地球人の電波施設をブースターとして使っていると思う」メルも「なんでそんなことが分かるんスか、ノーランさん」という顔をしておりますが、他に打つ手なし。彼らはラジオを改造して無線電波の発信源を捜索することになりました。

 あっちでぴーぴー、こっちでぴーぴーと受信していろいろ調べた挙句、「よし、発信源はこの先の電波塔に違いないぞ。さっさと行って爆破してしまおう」急行するノーランとメルでしたが、残されたペギー、ローナには大変な危機が迫っていました。ゾンビにされたタガートがこともあろうにロボット二体を案内してきやがったのです。「きゃああ」「ひいい」悲鳴を上げる女二人。「ふぎゃー」ミルクが欲しいようと泣く赤ん坊。「ふごー」酔いつぶれてこの騒動も知らず寝ているオーティス!こいつは頼りにならん、急げ、ノーラン、メル!

 電波塔に到着した二人は急いで爆薬を設置します。しかしここでも二体のロボットが現れた。爆薬の設置は間に合うのか、ノーラン、メル、こう言ってはなんですが、このロボット、ジープで轢いてしまえばいいじゃないかと思うのですが(笑)。そうすりゃゆっくりと爆薬しかけておつりがきますよ。

 焦って作業を進める二人。もうロボットはすぐそこまで来ています。よし、ようやく配線完了、メルは起爆装置のスイッチに指を当てて「これ以上お前らの好き勝手にはさせん、正義は必ず勝つ!」と叫んでぐいっ。どかーん、電波塔が破壊されました。同時にロボット達も動きを止めてぱたぱた倒れてしまいます。武器庫のほうでも同じく倒れるロボット。タガート=ゾンビだけはまだ動いていましたが、ここでようやく目を覚ました酔っ払いのオーティスがピストル乱射、タガートを倒したのです。

 改めて南へ旅立つ一同。ノーランは言います。「飛行機で飛べばいい。そうしたらそれを見た生存者たちも南へ向うさ」飛行場から飛び立つ旅客機、エンドクレジット。

 地球人に毒ガス攻撃を仕掛けた本当の敵が登場せず、やっつけてもいませんから、また毒ガス攻撃しかけられたらどうするのかと思います。ロボットのデザイン・動きがユニークで楽しめた映画でありました。

モノクロ・スタンダード 黒がよく沈んで実に見やすい高画質。音声もノイズがまったく感じられません。英語字幕、クローズドキャプションつき。『大襲来!吸血こうもり』(『Chosen Survivors1957)とのカップリング。MGMミッドナイトムービーシリーズのDVD

エロの冒険者
       HOMEPAGE http://homepage3.nifty.com/housei/
      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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受信: 2008年9月19日 (金) 01時28分

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