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2008年9月29日 (月)

『ザ・ゲート』(『The Gate』 1987)

 

『ザ・ゲート』(『The Gate 1987

 パリ国際ファンタスティック映画祭で最優秀SFX賞を受賞した作品で低予算ながら小気味良い快作に仕上がっております。クトゥルー神話を思わせるモティーフも私のような人間には感動もので、こういうのばっかり見ていた20年前の暗い青春を思い出してしまいましたよ。

薄暗い住宅地、主人公のグレン(スティーブン・ドーフ)が自転車で帰宅。でも自宅には人の気配がありません。「あれ、誰もいないの?パパ、ママ、姉さん!」不気味なことにダイニングテーブルには今まで食べていたと思しき夕食が残っています。そして裏庭から聞こえてくる「パパ、パパ」というか細い声。庭に出たグレンはその声がツリーハウスから聞こえてくることに気がつきます。中に入ってみると、そこにあったのは人形。この人形がテープでパパと繰り返していたのです。

 なーんだと思って座り込んだグレン。その途端、雷がどんがらがしゃーん。こともあろうにツリーハウスの木に落雷したのです。これで木が折れてツリーハウスもろとも倒壊します。グレンがひゃああと悲鳴を上げたところで、「はっ夢か」

 ところが窓の外では夢の通りに落雷でツリーハウスが倒れていたという・・・。びっくりしているグレンの目の前で作業員達がクレーンで倒れた木を取り除くのですが、その時ぽろんと玉のようなものが転がり出た。そして、ツリーハウスの真下だったところに大きな穴が。グレンが外へ出て玉を調べてみると、その割れ目の中で何かがきらきら光っております。

 この話を聞いたグレンの悪友テリー、「その石はきっと晶洞石だ。雷でできたんだよ。高く売れるからもっと探そう」てなことになりまして、二人で穴の周辺を掘り返すことになったのです。そして首尾よく二つ目の玉を掘り出したまでは良かったのですが、穴が崩れて深い洞窟が現れたのです。中から聞こえてくるウギウギゴギカという不気味な音。当然ながら仕事から戻ってきたパパ、大層怒ってグレンに穴を埋めさせたのでした。

 さて、これから3日間グレン・姉アル(クリスタ・デントン)のパパとママはおでかけすることになっております。最初はベビーシッターを頼もうとしていたのですが高校生のアルが「そんなものいらないわ、私たちだけで大丈夫よ」と断ってしまいました。ママはちょっと心配そうに、「そう、でも友達呼んでパーティなんかしちゃ駄目よ」両親は車で出発。そしてその夜さっそくパーティをやるアルです(笑)。

 十数人の友達が集まってわいわいがやがやと大騒ぎ。アルのボーイフレンド エリック(ショーン・ファーガン)も来ています。2階のグレンとテリーはそんな騒ぎを尻目に昨日掘り出した玉をトンカチとノミで割ろうとしています。なかなか割れずついに癇癪起こしたグレンがトンカチで力いっぱい叩くと、ぼこ、鈍い音がして玉が割れました。中から怪しい煙がぼわっと出てきて咳き込むグレンとテリー。煙がやっと収まった後、二人は奇妙なことに気がつきます。玉のそばにあったノートに奇妙な文字が残されていたのです。どうやら煙の粒子が落ちて文字みたいに見えるらしい。グレンは頭を捻りながら「アカクト?アラエタ?なんじゃ、こりゃ」

 さて、1階では何故か怪談大会が始まっていました。蝋燭をともして「すると蕎麦屋があなたの見た顔はこんな顔ですかいと言って振り向いたらその顔ものっぺらぼうだったんだ」きゃああ、ひいいいとうるさいこと(笑)。そしてこの後奇妙なことにちょっとオカルト入った女友達が「私は空中浮揚ができる」と言い出したのです。そしてその実験台になったのが「小さくて軽い」グレン(笑)。高校生は無理だけど、子供なら大丈夫ということで実験開始。「さあ、みんな集中するのよ、グレンは埃のように軽いの」みんなに持ち上げられたグレン、「埃って、もうちょっと別の言い方があるだろう、綿のように軽いとかさ」と思ってたとか思っていなかったとか(笑)。とここで、本当にグレンの体が浮かび上がった。「わーわー、助けて、何これ、ひー」グレン、天井にぶつかって床に落ちてしまいます。

 この奇妙な出来事でみんなびびってしまいパーティはお開きになりました。

 しかし、怪奇な事件は続きました。この夜泊まったテリーがトイレに起きるとひゅーひゅーどろどろと不気味な音がして去年死んだ筈のテリーのママが現れた。白尽くめでこんなの幽霊に決まっているのですが、まだまだ子供のテリーにそんなことが分かる筈もありません。「ママ」と叫んで飛びつくテリー。ママの幽霊はテリーを抱きしめてぐるぐる回ります。ぐるぐる回るうちにママの幽霊は溶けてバターになっちゃったじゃなくって(笑)グレン達の飼い犬、アンガスに変身したのです。しかもアンガス、既に死んでいたという・・・。

 もともと大層な年寄り犬であったアンガスが死ぬのは別におかしいことではないのですが、なんでママの幽霊が犬になりますかねえ。

 翌日家へ帰るテリー。一人で遊んでいるうちに急に「門の後ろに悪魔が潜んでいて地球を奪い返そうと狙っている」という声が聞こえてきます。これはテリーの幻聴ということなのでしょうか。テリーはそれからレコード「悪魔の書」を取り出してそのジャケットを調べなにやら考え込むのでした。

 一方、アルが友達と遊びに行ってしまって一人になったグレン。ふと庭に出てみたら埋め返した筈の穴がまた開いているではありませんか。ここでレコードジャケットを持ったテリーがやってきて、穴のことを聞くなり「大変だ、僕たちは悪魔を呼び出してしまったんだ」と言い出します。彼が持ってきた「悪魔の書」それは悪魔の聖書だそうな。そのレコードを発表したバンドはその直後飛行機事故で死んでしまったのだけれども、「悪魔の書」のジャケットには悪魔を呼び出すための儀式のやり方が詳しく記されているのです。テリーは「あの玉が護符だった。そしてあの煙で残された文字が呪文だったんだよ。君はその呪文を読んでしまったのだ。あとは生贄を捧げれば悪魔が完全復活してしまうんだよ。君の体が空中浮揚したのもその前触れだったのだ」

 えー、実はアル、死んだアンガスの遺体を動物墓地へ収めるようエリックに頼んでいたのですが、あいにくここが満員だったという・・・。エリックは困ってグレンの家に戻ってくるのですが、庭を見て「あ、穴がある、ラッキー」だって(笑)。何が起こるか、皆さん、お分かりですね。

 そうとも知らず、悪魔撃退の方法を必死で調べるテリーとグレン。テリー、ようやく方法を見つけます。それがレコードを逆回転させると悪魔撃退の呪文が聞こえてくるという・・・。ああ、ありましたな、こんなトンデモオカルトが(大笑い)。二人はさっそく穴の前でその呪文を唱えます。すると上手い具合に穴が塞がったではありませんか。良かった良かった、これで悪魔を撃退できたと喜ぶ二人。そこへ戻ってきたアル、二人から悪魔云々の話をされて怪訝そうな顔をするのですが、「まあ、それはそれとして、ロケットのおもちゃを買ってきたからこれで遊びましょう」「うわー、姉さん、ありがとう」三人はロケットを飛ばして大はしゃぎ。

 さて、その夜またパーティやりまして、女友達三人、テリーが泊まることになります。

しかし、やっぱり危機が去ったわけではありませんでした。パチパチ、グレンは部屋の窓に何かが当たる音に眼を覚まします。彼が窓を見ているとそこにいたのは無数の蛾。「ぎゃあ、気持ち悪い」とどん引きしたグレンの前で窓ガラスが突然砕け、蛾が襲い掛かってきたのです。「ひー、ひー、お姉ちゃん、助けて」彼はアルの部屋に逃げ込みます。そこで、「あ、テリー置いてきちゃった」と気がつくグレン(笑)。

 「どうしたのよ、何が起こったのよ」といぶかしむアルの手を引っ張って部屋へ戻るグレン。アルは窓ガラスが散乱しているのを見て「まー、片づけが大変ね」って驚いたのはソッチかい(笑)。グレンは毛布をかぶって寝ているらしいグレンを揺り起こそうとするのですが、何の反応もなし。すると彼らの背後に寝ている筈のテリーが現れて「ねえ、そんなに騒いでどうしたの」ぎょっとしたグレン、思わず「後にいるのはテリーだけどここに寝ているテリーは誰なんだろ」「ちょっと、あんた、何落とそうとしてんのよ、粗忽長屋じゃないんだから」アルは怒って一気に毛布を剥ぎ取ります。するとその下にあったのはアンガスの死体だったという・・・。そして突然ベッドの下から不気味な腕が這い出してきてアルの足を掴んだのです。なんとか、それを引き離して逃げ出す三人。

 この騒ぎに寝ていた女友達2人もたまらず起きだしてきて、「何、何、どうしたの」「とにかくぼやぼやしてないで逃げるのよ」引きつった顔で叫ぶアルの勢いに思わず一緒に逃げてだすのでした。5人は玄関から外へ飛び出します。と、眼前に現れたのはアル・グレンのパパ・ママではありませんか。「パパ!」飛びつくグレン。しかし、このパパ・ママはもちろん本物ではありません。パパの口がぐわっと開いて「悪い子はいねえがー」と秋田のナマハゲみたいなことを叫んだかと思うと、顔がぐずぐずに解け崩れてしまったではありませんか。この秀逸な特殊メイクに仰天したグレンたちはまたも「ぎゃああ」と悲鳴を上げて家へ逃げ込むのでした。

 じゃあ、裏庭から逃げようということになったのですがこっちはこっちで例の穴から沸いてでたと思しきゴブリンたちがぞろぞろいて、とても駄目。偵察にでたアルは彼らに追われて命からがら家に逃げ込む始末です。この時ドアに挟まれたゴブリンの腕が切れてぽとりと落ちると無数の小さな虫に分裂する特撮もケッコーなものでありますな。

 仕方ないから警察へ電話しようということになるのですが、こっちも駄目。繋がったと思ったらやっぱり「悪い子はいねえがー」と怒鳴りつけられ、あまつさえ電話機そのものが燃えてしまったのです。呆然とするグレンとアル。アル、ぽつりと「電話機壊れちゃってパパとママに怒られるわ」呆然とした原因はソッチかい(笑)。この後、テリーが例のレコードジャケットに悪魔を撃退する呪文が載っていたのを思い出し地下室へ取りに行くのですが、これも彼らの目の前でぼんと爆発して燃えちゃった!

 仕方ないのでとりあえず聖書を読んでみようということになります。この発想が今ひとつ分かりませんが、これが何故か効いたという・・・。裏庭の穴から噴出していた煙が逆流して元に戻り、炎がどかーんと上がって塞がれてしまったのです。これで一応、めでたし、めでたし。女友達二人は押しかけてきたエリックたちと一緒に追い返し、アルは部屋の片付け、テリーとグレンはテレビを見て、これでエンドマークということになれば良かったのですが・・・。そうは問屋が許さないじゃなかった卸さない。

 いきなり居間の壁をブチ破ってゾンビ出現です。ゾンビはテリーを捕らえると壁の中へ戻ります。グレンは後を追おうとしたのですが、不思議なことに穴の壁が消えてしまったのです。戦慄したグレン、テリーが言っていたことを思い出します。「地上の地獄を現出させるためには二人の人間の生贄が必要だ!」すると、彼が一人目の生贄か、じゃあ、二番目は・・・、はい、お姉さんですね。アルは襲ってきたゾンビを殴り倒したりして活躍するのですが、グレンと一緒にクローゼットに逃げ込んだのが不味かった。掛けられた洋服の中からまたもゾンビが出現。ついにアルも拉致されてしまったのです。

 グレンは悄然として「二人目の生贄になっちゃった。これでおしまいだ」 

 ついに地上の地獄が出現します。家の床がばきばきめききと割れてゴブリンどもがわらわらと沸いてきました。その後から現れる巨大な影!グレンは2階へ追い上げられます。ここで彼が思い出したのはあまりにも危険なため物置で埃を被っているロケットのおもちゃ、サンダーボルトです。「悪魔に対抗できるのは光のエネルギーだとテリーが言っていた。このサンダーボルトこそがその光のエネルギーに違いない」グレンはさっそく物置からサンダーボルトを取り出してセット、悪魔に撃ち込もうとするのですが、マッチの火がつかない(笑)。

 結局悪魔にサンダーボルトを叩き落されてしまいました。悪魔はグレンを捕らえます。そして持ち上げ・・・そのまま降ろします。姿を消す悪魔、何がどうなったかといぶかるグレンは、ふと手のひらを見てびっくり。なんと目玉がついていて、こちらをぎろりと睨んでいるではありませんか。恐怖のあまり泣き叫ぶグレン。その間にも裏庭には再び穴が出現、そこから竜巻が天空へ立ち上りただならぬことになっております。

 やけになったグレン、ガラスの破片で手のひらの目玉をぐさあ。これがきっかけとなったのかどうか知りませんが、またモンスターが出現します。グレンは壊れた階段使って何とか1階に降りると先ほどモンスターに叩き落されたサンダーボルトを発見、再セット。今度は上手く点火できました。「いつまでもお前の好き勝手にはさせん、正義は必ず勝つ!」と叫んで発射します。サンダーボルトは見事悪魔の胸に命中。悪魔大爆発します。この爆風で庭まで吹き飛ばされたグレン、その頭上ではサンダーボルトから放たれたらしい花火がどかーん、どかーん。一体どんなロケットのおもちゃなんでしょう(笑)。

 穴から放たれていた竜巻もしゅうと引っ込み黒雲が渦巻いていた空もウソのように晴れ渡ります。今まで黒雲に遮られていた太陽も顔を出して、夜明けとなりました。グレンは家へ戻ります。するとどうしたことでしょう、死んだ筈のアンガスがくんくん鼻を鳴らしながら現れたのではありませんか。次にテリー、アルがクローゼットから戻ってめでたし、めでたし。帰ってくるパパとママが家の惨状見てどんな反応見せるか気に掛かりますが、とりあえずエンドクレジット。

 面白かったけれども悪魔の出現、退治に関する必要条件がはっきりとしていなくって、ちょっとご都合主義になりすぎですなあ。その代わり凝った特撮には大いに満足しましたけれども。

 カラー・スタンダード。モノラル音声 レンタル落ちVHSソフトなので画質・音質とも評価外。日本語字幕付。 

 エロの冒険者 
       HOMEPAGE http://homepage3.nifty.com/housei/ 
      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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