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2008年11月 3日 (月)

『偉大なるトボー』(『Tobor the Great』 1954)

 

『偉大なるトボー』(『Tobor the Great 1954

 これは子供の頃から見たかった映画のひとつ。それが30数年の時を経てようやく見ることができたのであります。つくづくオタク続けていて良かったなあという感慨しきりであります。

 警告、警告、このDVDのリージョンは1です。したがって日本国内のDVDプレーヤーでは再生できません。警告、警告。

どかーん、巻頭いきなりの原爆実験です。「これは遠くない未来の物語である」この手のSF映画につきもののやたらに勇ましいナレーション(笑)。「第二次大戦後、二つの技術が急速に発展した。その一つは誘導ミサイルやロケット。どんどん大型化して、重量物を搭載できるようになった(V2ロケットがシュバー!)。もう一つは原子力機関。ミサイルとは逆に小型化が進んで潜水艦にも搭載できるようになった(潜水艦が進水)。遠からずロケットにも搭載できるようになる筈だ。そうなれば宇宙旅行も夢ではない。合衆国大統領はこれを鑑みて民間惑星間飛行委員会CIFCCivil Interplanetary Flight Comission)を設立させ、更なる研究に当たらせたのである。その結果、失敗もあったが、ロケットの実用化には目処がついた。しかし、問題はいまだ残されている。人間は宇宙飛行に耐えられるのであろうか」

 耐えられませんでした(笑)。例の球体の中に被験者入れてぶん回す耐G訓練施設でパイロットはあっさり白目を剥いて失神してしまったのです。この結果に愕然とした本作の主人公ラルフ・ハリソン博士(チャールス・ドレイク)は「これでは有人宇宙飛行は無理だ」と確信、CIFCのコミッショナーに掛け合ったのですが、「何、君、新しいことをやろうとしているんだ、リスクはつきものじゃないかね」と請合って貰えません。激怒したハリソンは「そんなら、僕、CIFCやめます」短気な彼はバッヂとかパスとかをポケットから放り出して足音あらく出て行ってしまったのです。

 失意のハリソン、ホテルで荷造りしております。もう「あなたとコミッショナーとの間で何が起こったのですか」という取材の電話がひっきりなしに掛かってきて五月蝿いのなんの。おまけにドアがとんとんとノックされたではありませんか。ハリソンはカッとなってドアを開けると「だから取材には応じられないって言ってんだろ、口に手ェツッコンで奥歯がたがた言わせたろか」しかし、そこにいたのは記者ではありませんでした。高名なる科学者アーノルド・ノルドストーム教授(テイラー・ホームズ)だったのであります。彼は驚いているハリソンに「私も君の考えに賛成だ。人間が宇宙飛行に耐えられるとは思わない」「でも教授、無人で複雑なミッションがこなせますかね」「それについて、私にアイデアがあるのだ、君、一つ、私と一緒にカリフォルニアへ行って手伝ってくれないか」

 ハリソン一も二もなく承知しまして、二人でカリフォルニアの博士の自宅兼研究所へ向うことになります。空港のレストランで搭乗のアナウンスを待っている二人。そこへ偶然やってきたのが「トランスグローバル・ニュースサービス」のサイエンスエディターのギリガン(アラン・レイノルズ)。彼は渦中の科学者二人が一緒にいるのを見て大コーフン。早速「ねえねえ、二人で一体何をやろうとしているんですか、教えてくださいよ」とインタビュー開始。ノルドストーム教授は彼に「今は教えることができない。30日後に私の研究所へいらっしゃい。研究の成果をお眼にかけることができるだろう」

 このやりとりを隣のテーブルで男が盗み聞きしております。むむ、怪しい、なんだこいつは。

 さて、執事のカール(フランツ・ローエン)の運転する車で無事研究所に到着。その彼らを向かえたのは教授の娘ジャニス(カリン・ブース)、孫のブライアン(ビリー・チャピン)。この孫のブライアンはとにかく機械装置が好きでみんなからgadgetをもじったあだなGadge(ガッジ)で呼ばれております。その頭脳たるや少年とは思えぬほどで、教授の留守中、教授とカールしか知らない本棚に偽装された地下研究室の扉を開けてしまったほど。ブライアンはハリソンと二人で研究をするのだと聞いて「僕にも見せてよ」とせがむのでした。まあ、こんなハナモチならないガキ(笑)のこんな願いが聞き入れられたらたまりません、教授はやさしく、しかしぴしゃりと「いや、いけません、君にはまだ早すぎます」

 二人は研究室へ。秘密の扉が閉まります。そしてほどなくその音から聞こえてくる機械音。ガッジはこの音を聞いて「一体何をしているのだろう」と好奇心を膨らませるのでした。

 さて、月日が経つのは早いもの。あっという間に30日間がたち、研究所でお披露目が行われることになります。続々と車でやってくる新聞記者たち。もちろん、ギリガンもやってきます。おや、あの怪しい男も来たぞ。彼も新聞記者だったのでしょうか。

 地下研究室へ詰め掛ける記者たち。用意されていたパイプ椅子に座って、教授の登場を待ちます。そして現れた教授は怪奇な形のリモコン装置を箱から取り出してスイッチオン。研究室にあった円筒カプセルがずーんと沈んで中から現れたのが、おお、これはロボットだ。教授はたからかに宣言します。「無重力・放射線などの危険がある宇宙空間で人間の代わりに働くロボット、名づけてトボーであります」記者たちがどよめき、マイクで研究室の中を盗み聞きしていたガッジも歓声を上げます。

 そして記者たちにトボー(TOBOR 言うまでもなくこれはROBOTをひっくり返したもの)の説明をする教授です。「遠距離で従来のリモコン操作は電波が届かなくって不可能。そこで我々は彼の操縦にテレパシーを使うことにしました」「ええっ」びっくりする記者たち、「おまけにこのトボーには感情が存在するのであります」「えええっ!」三度びっくりする記者たち。

 教授はそのトボーの感情制御機能のデモンストレーションを開始。まずジャニスを呼んで「彼に優しい言葉をかけてあげてくれ」戸惑うジャニスですが思い切って「あなたはとても親切そうね、トボー」するとトボー、腕を差出てジャニスと握手したという・・・。ここでギリガンが余計なことを言い出した。「友情の感情は分かりました。彼が怒るとどうなるんですか」教授は彼に非常用の斧を持たせてトボーの後ろ側に立たせます。「それで攻撃するフリをしてくれ」その言葉通り斧を振り上げるギリガン。するとトボーは素早くバックステップ、腕を振って彼を吹っ飛ばしてしまったのです。

 その機能に感心しごくの記者団。ギリガンも驚きに眼を見開いております。教授は彼らに「もうすぐこのトボーは完成します。その時こそ人類の宇宙への道が開けるのです」

 これにて記者会見はお開き。続々と帰途につく記者たちです。この時ガッジ、見送りに出た教授たちの隙をついて研究室に潜入。「どうしても僕のこの目でトボーを見なくちゃ」と思い立ったのですな。彼はリモコンを見つけてスイッチオン。再び円筒カプセルが下がってトボー登場。ガッジ、大喜びでリモコンを弄り回します。動き出すトボー。トボーはガッジの慣れぬリモコン操作のために、勝手に歩いて一階へ行き、家具などを破壊してしまうのですが、さすがはハナモチならないガキじゃなかった天才少年、ついにトボーの操縦法を会得してしまったのでした。

 家具が壊れる音を聞いて戻ってきた教授たち。「ウウーム、さすがはわしの孫じゃ、もうトボーの操縦をマスターしおった」

 その後ジャニスとハリソンは研究室の後片付け。ハリソンはふと妙なことに気がつきます。「そういや、招待した記者は20人だったけど、出されている椅子の数が合わないぞ」ここで場面がぱっと変わって例の怪しい男が車のカーナンバーを取り替えているところが映ります。やっぱりこの男はスパイだったようです。

 スパイ、マックス(ハル・ハルベイラー)はさっそくアジトの「ラストチャンスガレージ」のスパイ・ボス(スティーブン・グレイ)に報告です。「ボス、奴ら、えらいもん作ってますわ!」ボスは「よし、ぐずぐずしてはおれん、教授の研究室に潜入してそのトボーとやらの秘密を探るぞ」

 さて、その間教授とハリスンはトボーのテストを続けております。ようやくテレパシー波送信機が完成したので、コレを使ってトボーにあんなことやこんなことをさせたのです。まずはタイプライターで文字を打たせます。3本指を器用に動かして文字を打ち込むトボー。モニターに「仕事ばかりで遊ばない、ジャックは今に気が狂う」と延々出てきて、ウェンディがキャーッ!なんてことにはなりませんで(笑)「トボーとはロボットの逆つづりなり、トボーはロボットの逆つづりなり」満足げに頷くハリスン。

 次に宇宙船操舵装置の操縦訓練。これも上手くこなすトボー。しかし、次の隕石回避テストはそうは問屋が許さないじゃなかった卸さなかった。操縦装置を操ってモニターの中に飛び込んでくる隕石を交わすトボー。最初は上手く行っていたのですが、その数がどんどん多くなって対処しきれなくなったために、トボー、ついにブチ切れてしまったのです(笑)。暴れだすトボー、操縦装置のモニターをぶっ壊してしまいます。そしてあろうことか止めようとしたガッジを跳ね飛ばしてしまったのです。

 トボー、ハリソンにリセットかけられて正常に戻りました。でも宇宙でこんな風になっちゃったらどうするんだ、トボーをリセットしてくれる人間はいないぞ(笑)。


 さて、スパイ軍団、いつの間にか3人に増えています。科学者のグスタフ博士(ピーター・ブロッコ)もノルドストーム教授の研究の検分のために仲間に加わっています。4人はある夜、トラックを改造したはしご車を使ってノルドストーム研究所の電磁柵を越えて侵入、研究室へ押し入ろうとするのですが、研究所の監視システムがちゃーんと彼らの姿を捕らえていたのです。「警告、警告 何者かが侵入いたしました」という警報が流れ同時に悪漢どもの姿がテレビモニターに映し出されます。これを見ながら「にひひひ、マヌケですね」と笑っているのがノルドストーム博士たち。博士はぐいとボタンを押し込みます。すると円形のライトが出現し、侵入者たちに眩しい光を浴びせかけたのです。同時に庭の各所に仕掛けられたスピーカーから「硫黄島の戦い実況録音」が大音量で流れ出した。これですっかり度肝を抜かれたスパイ軍団、たまらず逃げてしまうのでした。

 「わははは」と大笑いのノルドストーム博士たち。

 ほうほうの体でアジトに逃げ帰ったスパイたち。しかしこれで企みを断念するわけにはいきません。本国から罰せられてしまうからです。ボスはしばらく考えて、「そうだ、研究所に入れないなら、ノルドストームの奴を引きずりだせば良い。奴には孫がいた。そいつを餌にしよう」悪いことを考えるものですな。

 その餌というのがグリフィス天文台 プラネタリウムからの招待状。「47日 午後2時半からの火星探検ショーにご招待します。お友達一人まで」これですっかり喜んだガッジ。あろうことか「お友達一人まで連れて行っていいんだから、おじいちゃん一緒に行こう」ということになったのでした。知らぬこととはいえ、本来ならガッジを人質にして「やい、教授、でてこんかい」とやるつもりであったろうスパイたちの手間を大幅に省いてしまったという・・・(笑)。これで二人で出かけまして、「あれ、他に誰もいないなあ、プラネタリウムの中もからっぽだよ」とマヌケなことを言っているうちにあっさりとスパイたちに捕まってしまいましたとさ。

 スパイ軍団は二人をアジトに連れ込みます。ボスは教授に紙と鉛筆を渡して「さあ、トボーの秘密を教えるのだ!」ガッジは気丈にも「おじいちゃん、教えちゃ駄目だ、やめて」とたんに部下が彼を張り倒します。子供相手になんて酷いことするんだ、コノヤロー(笑)。

 その頃研究所では大騒ぎ。今夜午後7時から軍部、民間惑星間飛行委員会CIFC、報道機関に完成したトボーのお披露目会が予定されていたのですが、肝心の教授とガッジが帰ってこないからです。ハリソンは警察に電話しグリフィス天文台を探して貰うのですが帰ってきた返事は「ええ?今日はそんなショーは予定されていないですって?」 ハリソン愕然。そして「二人は誘拐されてしまったのだ」

 さあ、急げとボスに急かされる教授、わざとらしく鉛筆の芯をへし折って「あ、これはいけない。でも安心したまえ、わしが自分の鉛筆を持っている」彼は背広から特殊な鉛筆を取り出します。実はこの鉛筆、カールによって「トボー遠隔起動装置」が仕組まれていたのです。さらに教授は「最近耳が遠くなってしまってなあ、背広に補聴器が入っているからとって下さらんか」その補聴器というのはもちろん、トボー専用テレパシー送信機であります。「さあ、どこまで書いたかなあ」といいながらスイッチをカチ。その瞬間、地下研究室でトボーが起動。のっしのっしと歩き出したのでした。

 トボーは秘密の入り口になっている本棚を吹っ飛ばして1階に現れます。驚愕するハリソン、ジャニス、そしてゲストたち。しかし、ハリソン、「これはどこかに監禁されているであろう教授が遠隔操作しているのだ」と気がついてトボーをそのまま行かせるようにしたのです。トボー、どんどん歩いて研究所の門へ。これを吹っ飛ばして見張りの兵士の頭をごっ!彼のジープを奪って走り出します。ジープを運転するトボー、いつそんなもん教わったんだ(笑)。ハリソンや軍関係者は急いで車で彼の後を追いかけます。

何もしていないのにいきなり頭をぶん殴られる兵士が哀れ。

 トボー、アジトの近くにジープを止めて再び歩き出したのですが、ここで異変が起こった。ボスが教授の鉛筆が怪しいことに気付いて取り上げ、壊してしまったのです。これでトボー、テレパシー送信機からのテレパシー波を受けられなくなって止まってしまいます。怒り狂ったボス、部下達に「やい、おまえたち、ガキの服を脱がせろ、教授、さっさと秘密を教えないとガキをバーナーであぶってしまうぞ」うわあ、本当に部下がバーナー持ち出してきたよ。だから、子供相手になに考えているんだ、コノヤロー(笑)。

 ハリソン、トボーの異変に気がつきます。「畜生、きっと送信機が壊されたのに違いない」しかし、ここでナイスなアイデアを思いつくハリソンです。「きっと教授とガッジはこの近くに監禁されているのに違いない。だから近距離なら送信機なしでもテレパシー波を拾えるはずだ」彼はトボーの頭部から受信用アンテナを取り外します。

 アジトではガッジが一心不乱にお祈りしています。「トボー、来ておくれ、トボー、僕たちを助けておくれ」トボー、再起動。そうガッジの願いのテレパシー波をキャッチしたのです。また歩き出したトボー、すぐにアジトに殴りこみます。そして「イツマデモオマエタチノカッテニハサセン、セイギハカナラズカツ!」と叫んでスパイ共をぼこぼこのくしゃくしゃにしてしまったのでした。

 数ヵ月後、CIFCの宇宙港から飛び立つ原子ロケット。偶然にもナチスドイツのV-2そっくりのロケットの操縦席にいるのはトボー。そしてそのロケットの飛行を見守っているのがノルドストーム教授とガッジ。ガッジが「さようなら、トボー、頑張ってね」とつぶやいたところでエンドクレジット。

 モノクロ・スタンダード モノラル音声。画質はあまり良くありません。黒浮きが酷いし、コントラストも取れていません。音質はBGMの粒立ちが良く高水準。英語字幕付。

Lions GateDVD

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『The Mistress of Atlantis』(『The Lost Atlantis』  1932)

 

The Mistress of Atlantis』(『The Lost Atlantis  1932

アトランティスを扱った映画は数あれど、本作はその中でもとびきり変てこな作品です。もう見ていてあまりに奇妙な展開に頭がこんがらがってしまいました。

ラジオで考古学者が喋っております。「大昔に存在していたとされる謎の大陸アトランティス。高度な技術を持ち、大変に繁栄していたのですが、突然の災厄によって滅んでしまったと言われております。そして今まではその存在していた位置は大西洋の真ん中だといわれていた。これが違うのです。アトランティスはサハラ砂漠にあったのです。サハラ砂漠の砂に覆い尽くされてしまったのです!」

 私なんぞはウソでーと思っているのですが、この放送をサハラ砂漠の砦で聞いていたフランス軍大尉のアビト(ジョン・スチュワート)は大きく頷いて傍らの同僚に「うん、この人の言っていることは正しい。だって僕は二年前にサハラ砂漠で実際にアトランティスを見ているのだから」同僚は驚いて「二年前というと、モランジ大尉が砂漠民族に殺されたあの時かい」「そうさ、そしてモランジ大尉は砂漠の民族に殺されたのではない。親友だった僕が殺すことになってしまったんだ」

 ここから回想に入って話が2年、ぱっと戻ります。アビトとモランジはフランス陸軍省より、砂漠のルート開拓、地元民、チュアレグ族との協力体制構築を目的にサハラ砂漠へ入ったのでした。最初はバクーへ向うキャラバン隊に同行して、別れてから現地男性の案内人一人を連れてさらにサハラの奥深くへ入って行くという段取りであります。ところがこの案内人がちょっと頼りない男でして、あっという間に迷っちゃった。二人は地図を見ながら、「おっかしいなあ、あっちには山がある筈なのになあ」と首を傾げております(笑)。

 ここで唐突にアトランティスの話題が。モランジは「そういやサハラ砂漠にアトランティスがあるって話があったなあ」と切り出しますとアビトも「うん、うん、子供の頃夢中になったものさ」えー、この会話が後の伏線になっているのですが、伏線と呼ぶにはあまりにもアカラサマではないかと思うのです。

 さて、この後案内人が倒れている人間を見つけます。なんとそれは行き倒れになったチュアレグ族の男ではありませんか。アビト・モランジは彼に水をやって保護したのであります。ところが、助けてやったのにも関わらず、その夜、チュアレグ族どもが襲撃してきたのです。案内人はあっさり殺され、アビト、モランジは捕らえられてしまいます。頭をがんとやられて気絶するアビト。チュアレグ族は二人を自分たちの村に運び込んだのでした。

 彼らの石造りの家の中で眼を覚ましたアビト。見張りはいるのですが、何故か彼が家の外に出ることを許します。アビトはこれ幸いと姿の見えないモランジを探して村の中を彷徨うのでした。この時彼をじっと見つめる村の若い女。この人が後から関わってくるんでしょうかね。

 ともあれ、モランジを探して村中を駆け回った結果、暑さにやられてばったりと倒れるアビトであります。そうするとさっきの女が男二人に命じてアビトを地下へ運び込んだのでした。

 ベッドに横たわっているアビト。何故か汚れていた顔がすっきりで新しいシャツを着ています。散髪・髭剃りもすませたようで、輝くような男っぷり。こ、これはなんでしょう、訳が分かりません。私はてっきり気絶したアビトが見ている夢かと思ったのですが、どうも違うらしい。さらにまたヘンな人が現れた。カイザー髭を蓄えたベロボスキー男爵(ギブ・マクラフィン)であります。さらにもう一人べろんべろんに酔っ払ったイーバ・トルステンセン(マシアス・ウィマン)という男も現れた。この人はアビトを見てもろくすっぽ挨拶もせず、「アンティニア、アンティニア」と呟くばかり。アビトが男爵に「アンティニアって誰」と聞くと「ふふふ、アトランティスの女支配者様ですよ」え?するとここがアトランティスなの?単なる地下街じゃないか、え、高度な技術はどこへ行った、オリハルコンとかどうしたの?なんだか、随分セコなアトランティスだなあ(笑)。

 さてまもなく白い覆面のアトランティス人がやってきてアビトを連れ出そうとします。「女王アンティニアのお召しである」ということですね。これを聞いて絶望したのがトルステンセン。どうやら自分が呼ばれると思っていたらしい彼はアビトが呼び出されたことを知って「きいい、何で俺じゃないんだ」グラスを叩き割ってその破片で手首をすぱっ。自殺しちゃったのでした。

 地下宮殿を延々歩かされて女王アンティニアの前に連れてこられたアビト。アンティニア、「私がアトランティスの女王です。お前の名前を述べよ」なんてことを言うかと思いきや、代わりに出してきたのがチェス盤。女王、ふふふと笑って「自由を掛けて一ゲームしましょう」だって。そしてチェスに熱中する二人。しかし女王は強い。チェックの連続であっという間に彼を追い詰めてしまったのです。そして得意げに「チェックメイト 私の勝ちね」これで当分ここからは出られない、がっかりしてベロスキーの部屋に戻るアビト。するとベロスキーは「あ、アビトさん、トルステンセンの葬式は明日になりましたから」

 このお葬式というのは白覆面に白マントの男たちが包帯で包んだ死体を担いで練り歩くというもの。この葬式の最中、ちらっとモランジらしき男を目撃したアビト、追いかけるのですがすぐに見失ってしまいました。当のモランジは女王に向って「我々をすぐに釈放せよ」と要求したりベロボスキー男爵に「アビトはどこだと聞いたりしております」なんで二人で同じようなところ行き来して会わないのか、いくら話の都合といっても無理があるのではないですかねー。

 この後アビトは男爵にワインをゴチになります。ぷわあと酔ったアビト、「ああ、女王様に会いたいなあ」と言い出したのでした。酒に何か薬でも入っていたのかしら。

 アビト、ぽわーっとした顔をしてベロスキー男爵に「ところで、アンティニアってどこの人なの」と聞きます。男爵は頷いて「彼女の生まれは花の都パリ!」いきなり場面が大劇場になってフレンチカンカンの踊りが炸裂する訳ですよ。どうやらアンティニアはこの劇場のトップダンサーだったらしいのです。このショーを見ていたチュアレグの王子が彼女を見初めて嫁にしてサハラ砂漠へ連れ帰ったのですなあ。ベロスキー男爵は彼女のマネージャーで一緒についてきたんだそうな。ベロスキー男爵は「彼女の本当の名前はクレメンタインでした。それが、訛ってクレメンティン、クレメンティニアと変わっていき、ついにアンティニアになったのです」ならねえよ(笑)。

 それで彼女を嫁にしたチュアレグ族の王子はどうなったのかというと、まあ、死ぬかなんかして、その後にアンティニアがアトランティスの実権を握ったということなのでしょうが、この辺の事情はまったく語られません。なんか、もうムチャクチャです。

 さて、アビトはアンティニアの魅力のトリコとなりました。しかし、これをまったく受け付けていないのがモランジで、彼女はアンティニアに「俺の友達はどこだ。会わせろ!」と強硬に要求します。しかし皮肉なことにアンティニアはこの男のほうに恋をしちゃっていたのでありました。「私はあなたを選んだ」と囁きかけるアンティニア。モランジ、彼女の涙にちょっと惹かれたそぶりを見せますが、結局最後に彼女を拒否してしまうのです。さらにこの場面を女王に会いたくてやってきたアビトが見ちゃったからモー大変。モランジが立ち去った後、アンティニアは彼に「モランジを殺して、そしたら私はあなたのものよ」

 これを本気にしたアビト、壁に掛けられていたハンマー、ってなぜそんなものを壁に掛けておくのか(笑)。これを取ってモランジの後を追い頭をがんっ。頭蓋骨を叩き割られたモランジ、たまらず絶命します。これで我に帰ったアビト、「ああ、僕はなんてことをしてしまったのだ!」泣き喚く彼を助けたのは若い女。みなさん、もうお忘れかも知れませんが、地上の村でモランジを探して彷徨っていたアビトをじっと見ていた人ですよ。彼女はアビトの手を取り地上へでます。そして彼に覆面を被せ、ラクダを調達して逃げようとしたのですが・・・。

 見張の男が二人に気付いて近寄ってきた!「バレたのか」と身構える二人ですが、この男はいきなり水筒を差し出して、「平和と共にあれ、アビト中尉。これから乾ききった砂漠を旅するのだ、水には気をつけろ」 ということはこの人はあれですか、行き倒れていて、アビトとモランジに助けられたあの人ですか。もうチュアレグ族の男たちはみんな覆面しているから、誰が誰だか全然分からないんだよ(大笑い)。男に礼を言って出発するアビトと娘です。ところが男のくれた水筒の水ではやっぱり足りなかった。まず、ラクダが死に、続いて女が息絶えます。アビトも半死半生。ついに砂漠に倒れこんでしまいました。

 もうまったくスカポンタンの訳の分からない映画で、このままアビトが死んでしまえば面倒がなくっていいと思ったのですが(笑)あいにくとこれは冒頭からの回想ですからね、話が元に戻らなければならない。倒れこんだアビト、その時上空から飛行機のエンジン音が・・・。これでアビトが助かった訳です。

 場面はついと冒頭に戻りって、おいおい、アビトと同僚、冒頭とはまったく別のところにいるじゃないか。ラジオ放送を聴いてアビトが話をしだしたんだから、そこに戻らんかい!

 この後、パトロールによって捕らえられたチュアレグ族の男が連れてこられます。彼を尋問しようとしたアビト、しかしこの男は「平和と共にあれ、アビト大尉」ちゃんと昇進しているのを知っているのがおかしい(笑)。アビトははっとなって「あ、君はあの時の・・・」覆面かぶっているからやっぱり誰が誰か分からんのですが。彼はパトロール隊に「釈放しろ、彼は私の友人だ」男は礼を言って砂漠に帰っていきます。それをじっと見つめているアビト、何を考えたのかラクダに飛び乗って後を追ったのであります。まあ、女王が恋しくなったんでしょうなあ。

 同僚達は戻ってこない彼を心配して追いかけるのですが、あいにくと砂嵐が発生。アビトのラクダの足跡が消えてしまって、はい、後を追えなくなってしまいました。ここでエンドマーク。

 最初から最後までまったく訳の分からない映画でした。それにこんなストーリーならそもそもアトランティスを使う意味さえないじゃないですか。

 モノクロ・スタンダード モノラル音声 画質は駄目。ノイジーで暗部もつぶれています。音質はぼそぼそしていてヒアリングが非常に大変でした。12枚のディスクに50本の映画を収めたNightmare Worlds 50 Movie Pack CollectionMill Creek EntertainmentのDVD。

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『Im Stahlnetz des Dr. Mabuse』(『The Return of Dr. Mabuse』 1961)

 

Im Stahlnetz des Dr. Mabuse』(『The Return of Dr. Mabuse 1961

フリッツ・ラングの『ドクトル・マブゼ』の続編的作品。稀代の大悪党マブゼ博士が復活し、様々な悪事を働くという映画であります。

走る蒸気機関車。コンパートメントにはブリーフケースを鎖で手首に繋いだ紳士がおりました。このコンパートメントを覗いた男、「すいません、ここ空いてますか」どうやらブリーフケースで大事なものを運んでいるらしい紳士は他人に入ってこられちゃかなわないと一度は邪険に断るのですが、男が義足であることに気付いて不承不承承知します。男はシートに足を投げ出して、「ふいー、助かった。このような足だとすぐに疲れてしまうので困ります」

 列車はトンネルに入ります。そして暗闇がコンパートメントを包み込んだとき、突然恐怖の表情を見せる紳士。列車は駅に到着します。あの義足の男は窓から姿を消しており、残されていたのは紳士の死体だけでした。ブリーフケースも奪われてしまったようです。この事件で呼び出しを食らったのがローマン警部(ガート・フローべ)。休暇で「さあ、釣りに行くぞ」と張り切っていたところを呼び出されたので大変に不機嫌であります。彼と部下のボス(ヨアヒム・モック)、そして地方検事の会話で殺されたのがインターポールの捜査官であること。その捜査官はシカゴマフィアの一味と偽ってヨーロッパの犯罪組織にコンタクトしようとしていたこと、盗まれたブリーフケースに入っていたのはそのシカゴマフィアの資料だったことが明らかにされます。

 ローマンは「きっと、彼は組織の秘密を守ろうとしたものに殺されたのに違いない」

 さらにFBIより情報提供あり。シカゴマフィアが連絡員としてピサロ(ローラ・ソラーリ)という女性を派遣することが分かったというのです。しかも写真つき。さすがはFBIです(笑)。ローマンはその足で刑務所に赴き所長のワーデン・ウルフ(ファッツォ・トッツィ)に面会。かって犯罪組織のメンバーで現在は殺人の罪で終身刑に服しているサンドロー(アディ・バーバー)という男を呼び出して貰います。「すぐに所長室に来るのココロ!」と命令するウルフでしたが、何者かが彼に注射をします。むむっ、これは怪しい。その後所長室に連れてこられたサンドローにローマンはピサロの写真を見せて、「おい、君はこの女を知っているかね」ぼーっとしているサンドロー。

 場面はぱっと夜の町に変わりまして、こつこつと早足で歩く女、ピサロが登場。ローマン以下、警察の面々が彼女を尾行中。近くでは盲目のアコーディオン弾きが悲しい調べを奏でておりました。そして聞こえてくる奇妙な足音。どうやらこの足音は義足のようです。

 ピサロはビンボーバーという飲み屋に入りまして電話ボックスへ。そして電話を掛けますと「うむ、ハガートだ」という声が聞こえてきたではありませんか。ハガートと名乗った声は「お前のパートナーは来ていないのか、二人揃わなければ話はご破算だぞ」びっくりしたピサロは「私たちはお互いのパートナーが誰か知らされていないんです」と言い訳するのですが、駄目。電話を切られてしまいました。悄然として店を出るピサロ。と、その時がーっとトラックが走ってきて、その車体から火炎放射器の先端がにゅっ。炎が噴出してピサロをこんがり焼いてしまったのであります。これはいくらなんでもヒデー(大笑い)。

 びっくりして警察官達が駆けつけたのですがトラックはすでに逃走した後。ローマンは大変に悔しがりますが、もうどうにもなりません。とりあえず「何かヘンな足音を聞きました」と証言したアコーディオン弾きを確保。留置場に泊まらせることになります。その時新たな登場人物。記者兼カメラマンのマリア・サブラハム嬢(ダリア・ラビ)です。彼女はローマンに話を聞こうとするのですが、「21歳の女性記者さんに扱えるような事件じゃないよ」と言われてしまいます。彼女は遺体の写真を撮影しただけで体よく追い払われてしまったのです。

 その時彼女に近づいてきた長身の若い男(レックス・バーカー)。彼はマリアに「取材を手伝ってあげまよう」と申し出ます。マリアは胡散臭いこの男を到底信用できなかったのですが、とにかく今は猫の手でも孫の手でも借りたい時。彼と一緒になってローマンを追いかけることになりました。

 そのローマン、ピサロのハンドバックを調べて一冊の本を見つけ出しました。そのタイトルが「悪魔の解剖学」 興味を引かれたローマンが目次を開きますと「第一章 犯罪と罪」「第二章 吸血鬼伝説」「第三章 人狼伝説」「第四章 マブゼ博士伝説」とあります。これではっとなったローマンは警察署に著者のブリテンシュタイン博士(ルドルフ・ファーナウ)の住所を問い合わせます。神父でもある博士の教会の場所を聞いたローマンはさっそく急行。マリアと若い男もその後を追ったのです。

 夜中だというのに快くローマンと面会してくれるブリテンシュタイン。マブゼ伝説について質問するローマンですが、「マブゼは犯罪の代名詞のようなもの」と分かったような分からないようなことを言われただけです(笑)。ローマンはピサロの写真を見せるのですがこれにもはかばかしい反応はありませんでした。落胆するローマン。この時用事があって部屋を中座するブリテンシュタイン。彼が出て行った後、現れたのはあの義足の男でした。と、ローマンはいつの間にか自分が部屋に閉じ込められていることに気がつきます。しかも何かが投げ込まれた、こ、これは爆弾だ!「ひーっ」物陰に隠れるローマン。どかんとバクハツします。この音を聞いて教会に駆けつけるマリアと男。二人の前にぼろぼろになったローマンが出て来ました。まるでドリフのコントのようです(笑)。

 ローマンはじろっと二人を見て「あー、あの女性記者さんか、それでそっちの若いのは誰かね」 男はローマンを脇に引っ張っていって、「警部、実はおれ、FBIのエージェントなんすよ」えっ、そうなんですか(笑)。「あのピサロの情報を送ったジョー・コモっていいます」

 と、その時頭上から不気味な声が聞こえてきました。「警告するぞ、私の後を追うものは死ぬ定めになっているのだ!」これはブリテンシュタインかと思ったローマンは彼を探しに飛び出していきます。そして一人になったのを見計らって奇妙な行動に出たのがジョー・コモ。彼はその声に向って話しかけたのです。「私はニック・スコーピオ、シカゴマフィアからの使いです。組織はあなた方との協力関係締結を前向きに考えています。しかし、決定するためにはもう一つ条件があります。あなた方の力を見せて欲しい」

 ジョー・コモはやっぱり組織の使いなのか、それともそうと偽って組織へ潜入しようとしているのか、今の段階では良く分かりません。

 翌日、警察署へ出勤したローマン。ロスから「あのアコーディオン弾きは帰しましたよ」と聞かされてかんかんになります。「このバカモーン!簡単に帰したりして組織の手のものに口封じされたらどうするんだ」「大丈夫っすよ、行き先は聞いてますから、ブリテンシュタインの教会へ行くそうですから」教会へ急行するローマン。しかし、時既に遅し。アコーディオン弾きが教会から出てきたところにトラックがツッコンで彼をぐしゃぐしゃにしてしまったのです。ローマンは丁度現場に居合わせたジョー・コモを車に乗せてトラックを追います。カーチェイスが続いてついにカーブを守りきれず転倒するトラック。ローマンは乗っていた犯人を見て驚愕します。「なんだ、これは刑務所にいるはずのサンドローじゃないか、一体全体どうなっているんだ」

 さっそく刑務所に行って所長と共に昨夜から病気で寝ているというサンドローの監房を確認するのですが、そこにあったのは強盗で服役中のディミトリアスの死体でした。ローマンは死体を調べて「やややっ、首に絞めた後がある、彼は殺されたのだ」付け加えておけばこのディミトリアスは義足。そう、義足の男は彼だったのです。そしてディミトリアスが刑務所のクリーニング工場で働いていたことからローマンは彼やサンドローが洗濯物配達のトラックを使って刑務所を出入りしていたのではないかと推測します。

 こうなりゃ残る手がかりはサンドローだけ。ローマンはサブラハム教授(ルドルフ・フォスター)、マリアのお父さん?にサンドローを尋問して貰うのですが、サンドローの精神と肉体はある種の薬物投与によって分離されているのが確認されたのです。「彼は誰かの命令を受けて動くだけのゾンビです」というジョー・コモ。教授はびっくりして「そんな技術があれば奴らは地球を支配できますよ!そう言えば数年前に患者を大人しくさせてコントロールできるという薬物が記事になったことがあった。」でも、教授、その人の名前を忘れていたのですな

 そして命令をどうやって受け取っていたのかというと、サンドローの耳に超小型受信機がついていたという・・・。ローマンがこれを外して自分の耳に当ててみると、本当に命令が聞こえてきたのです。「サンドロー、やれ!」と叫ぶ謎の人物。サンドローはとたんにぱっと立ち上がって窓に突進。外に飛び出してはるか下の道路にぐしゃ。

 建物から飛び出してサンドローを調べたローマン。死んでいることを知って「チクショー、またやられた」この時教授が「そうだ、思い出した、その薬を作ったのはアーっ!」教授、肝心の名前を言う直前にサイレンサー付のライフルで射殺されてしまったのです。ではサンドローの死体を解剖して薬を特定しようということになったのですが、この死体さえも何者かの手によって強酸をかけられ骨だけになってしまったのでした。ちなみにこのモルグの洗濯物を担当していたのがやっぱり刑務所の洗濯工場だったという・・・。

 ローマンは最後の手段として刑務所の電話を盗聴することにします。ローマンが服役していたD棟の管理責任者ボーマー(ワーナー・ピータース)が怪しいのではないかと考えたからです。ローマンはウルフを警察署へ呼び出して盗聴の件を伝えます。そしてついでに「あんたの命は狙われている、ボーマーに気をつけろ」と注意するのですが、ウルフが警察署を出て自分の車に乗り込んだとたんにドカーン!仕掛けられていた爆弾が爆発、ウルフは粉々になってしまったのです。

 さらにロスからジョー・コモについて重大なる情報がもたらされます。彼の指紋がFBI職員登録のリストとあわないというのです。ローマンはロスに彼の見張りを命じるのでした。

 ウルフの後釜になったのはもちろん、ボーマー。こいつは所長に就任するなり、所長室に怪しい装置を持ち込んでおります。このダイヤルをくりくりと調整しますと、壁に備え付けのテレビ受像機に人影が映って「ボーマー、いよいよアメリカに例の薬を持ち込んで世界を征服するぞ」とやけに景気の良いことを言い出します。「義挙の日時は13日の金曜日だ」ボーマー、びっくりして「13日の金曜日ってそんなああた、縁起の悪い」「ふはははは、その縁起の悪さこそが我らに似合っているのだ。13日の金曜日の夜に原子炉を破壊して、我らの世界征服が始まるのだ」

 なんだかえらいことになってきました。

 ジョー・コモも例のスピーカーに向って「えー、スコルピオですが、うちの条件はどうなりましたでしょうか」すると返ってきた答が「シカゴの組織には13日の金曜日まで待てと伝えろ。その日に我が力の凄さをお目にかけるとな」

 一方ローマン、八方塞の状況の中で教授の台詞を思い出しております。「そう言えばメディカルジャーナルという雑誌に数年前に患者を大人しくさせてコントロールできるという薬物という記事が載っていたな」 そうだ、この雑誌を調べて記事を見つけるのだ。ローマン、図書館へ急行します。ところが図書館のお姉さんは「あ、その雑誌のバックナンバーは借りられてますわ、ほんの20分前に。でもへんね、こんな雑誌誰も借りる人がいなかったのに、今日に限って二人も」ローマンあせって図書館の中を歩き回りほんの20分前に雑誌を借り出した人物を見つけようとします。

 はい、いました。それも旧知の人物、マリアです。しかも彼女はハサミ片手にその記事を切り抜こうとしていたのです。「ちょっと待ったァ!」あわてて彼女の手をつかむローマン。「一体全体どういうつもりなんだ」彼は問題の記事を読んでみます。「意思と神経システムに影響を与えうる合成麻酔薬」 著者の名前はジュリアス・サブラハム。ローマンはびっくりしてマリアの顔を見ます。彼女は頷いて、「そうよ、私の父よ」なんでも彼女のお父さん、サブラハム博士はスパイの罪で刑務所に収監されているそうで、彼女は父の使いという人からこの記事を切り抜くよう命令されたというのです。ちなみに彼女は父親は無実で何者かに陥れられたのだと思っております。

 さっそくマリアを連れて刑務所へ赴くローマン。「いや、あの囚人は一切の面会を許されていないのでありまして」と渋るボーマーに許可書を突き出したローマン、サブラハム博士の牢獄へ案内させるのでした。と、ここで意外な人物が登場。ブリテンシュタインです。彼は自分がサブラハムのスピリチュアルアドバイザーであるといい、ボーマーの代わりに案内すると申し出たのです。彼に従って牢獄へ入るローマンとマリア。この牢獄、なぜか実験室になっていてブリテンシュタインによれば「博士は自分が刑務所に入れられているとは思ってない。どこかの研究機関で研究を続けていると思っている」のだとか。どうやら刑務所に入れられたショックで頭がおかしくなってしまっているらしいのです。

 だから博士はマリアのことさえ覚えていません。ローマンが薬のことを聞いても「神は我らに落花生を与えり、しかしながら落花生を割っては下さらず」という訳の分からないことを言うばかり。ローマン、マリアはがっかりして帰るのでした。ところが、この謎の言葉についてマリアに聞いてみると「父が昔、よく言っていた諺だったわ」と言うではありませんか。これでローマンは博士の狂気が演技であることを確信したのです。「彼は今、悪の手の中に囚われている。君に危険が及ばぬように知らぬふりをしていたのだ」知らぬ振りをしていたって、親子であることは間違いないのですから、あんまり効果ないんじゃないかと思います(笑)。

 一刻も早く博士を刑務所から助け出さなくてはならない。そこでローマンが取った行動と言うのがジョー・コモの逮捕。「お前の正体は知っているぞ、お前はシカゴの組織のスパイ、スコルピオだな、でもそれは知らぬふりをしてやるから、その代わりに我々のスパイとなって刑務所に潜入しろ」という計画だったのです。さんざん嫌がったジョー・コモですが、こんなことを言われては同意するより他になし。

 でもこの後またロスより彼についての新情報がもたらされます。「あ、警部 FBIから連絡がきました。あの指紋の持ち主はFBIきっての敏腕エージェントだそうで」これを聞いたローマン、にやっとして「ふふふ、そんなことは分かっていたさ」おい、本当に分かっていたんか、おっさん(笑)。

 さあ、後はコモの情報を待つばかりと思ったローマンでしたが、なんとマリアが攫われてしまったのです。あのトラックが近づいてきて荷台の窓から黒い筒がニューッ!あ、あれはピサロをやっつけた火炎放射器だ、わあ、マリアもこんがりと、と思ったのですが、今度は発射されたのが粉末の麻酔薬。悪漢どもは意識を失ったマリアをトラックへ放り込んで遁走します。

 また、ローマンに怪しい電話。「ローマン、お前は手を引け、これが最後のチャンスだぞ」ローマン、この電話のバックに流れるピアノの音に「は、これはビンボーバーのピアノ」と気付いて急行。ボスのオフィスがあるという二階の部屋に飛び込みます。ここには影をまとった人物がおりまして、「ふふふ、さすがはローマン、よくココが分かったな」

 謎の人影はローマンに買収を持ちかけます。「1,000万でどうだ」これはドイツマルクですかね。ローマンはふんと鼻を鳴らして「あいにくとそんな大金の使い方を知らないのでね」と断ります。カッとなった人影は「バカめ、私の与えた最後のチャンスを無駄にしおって」と叫びローマンを射殺しようとしたのですが、ローマンがいち早く反撃、撃ち殺してしまいます。「よし、マブゼをやっつけた」ガッツポーズのローマンでしたが、そうは問屋が許さないじゃなかった卸さない。どこからか聞こえてくるマブゼの声。「ふふふ、ローマン、そいつは単なる影武者だ。私の部下だったのだがいらんことを知りすぎてしまったので、君の力を借りて始末したのだよ。どうもありがとう、ローマン君」悔しがることしきりのローマンであります。

 さて、刑務所に潜入したジョー・コモ=スコルピオ。さっそくマブゼに薬品室に呼び出され「お前は一体全体何をしておるのだ」と声による尋問を受けるのです。スコルピオは涼しい声で「いや、ローマンにスパイやれって言われちゃって。でも安心してください。私はマブゼさまのお味方ですよ」調子の良い奴だ(笑)。それでもボーマーあたりはまだ彼に対する疑いを捨てず、所長室に常駐するようになったマブゼに「奴はやっぱり怪しいと思いますよ、放っておくんですか」「大丈夫だ、薬を注射すれば奴がどんな目的でここに来ていようとも我々の操り人形となる」

 ジョー・コモはその後、サブラハム博士と会うことに成功します。「ぬぬ、誰だお前は」と身構える博士の前で例の諺、「神様が落花生をくれてどうかした」を唱えてみると博士はみるみる顔を明るくして「そうか、君はマリアからその諺を教わったのだな。君はマリアの味方なのだな」博士、これですっかりジョー・コモに心を許し、いずれ彼に特性麻酔薬の注射がされるであろうこと、注射されたが最後彼は意思を奪われてしまうこと等々をアドヴァイス。そして博士は懐から薬を取り出して、「さ、注射の時にこれを服用しなさい。これは解毒薬だ。でも注射の効果があったようなフリをしなくてはいけないよ。そして一刻でも早く警察にマブゼのことを知らせるのだ」

 そして博士の言葉どおりにジョー・コモに注射が行われます。そして原子力発電所襲撃のためのケーブル切断に借り出されるジョー・コモ。えー、これは一般の道路工事を装って地下埋設の電線を切っちゃおうというもの。この時隙をみてランプにメモを挟むジョー・コモです。彼の目論見どおりメモは警察に回収されローマン警部に原子炉襲撃計画が知らされたのでした。ローマンは襲撃計画に対処するために緊急会議を開きます。これがスパイの手によってマブゼたちに知らされた!マブゼとボーマーはすぐに「スコルピオの奴が怪しい。本当に薬が聞いているのかテストしよう」ということになります。

 夜中に寝ているジョー・コモを叩き起こして「さあ、すぐにランドリールームへ行け」彼が行ってみるとそこにいたのはなんと縛られたマリア。びっくりしたジョー・コモ、思わず「わあ、マリアじゃないか、一体どうしたんだ!」はい、これで薬の効果がないことが分かってしまいました。「テメー、この裏切り者め、そこで死ね」怒りの声を上げるマブゼ。同時にランドリールームの扉がロックされ壁から水がどばーっ。こんなややこしいことをしないで、撃ち殺せば簡単じゃないかと思うのですが(笑)。

 マブゼはついに大号令を発します。「こうなったら13日の金曜日まで待っておれぬ。今すぐ原発を襲撃するのだ!」続々と出撃する囚人達。マブゼ・ボーマーも車で同行します。この車からはメガホンで洗脳効果を高めるために「私の唯一にして絶対のマスターはマブゼ博士」という文句が繰り返し流されているという・・・。近所の住人はきっと、この夜中にうるさいことだと思っていたのに違いありません。原発に殺到する囚人達。しかしそこにはすでに万全の迎撃準備を整えたローマンたちがいました。彼らに銃撃され総崩れとなる囚人達。マブゼとボーマーはこら、いかんと車で逃走します。

 一方水攻めにあっているジョー・コモとマリア。壁を崩そうとしたのですが、鉄板が入っていて無理。あ、天井にパイプがあるぞ、これはなんだ、ガス管だ。ジョー・コモはこのパイプを折ってガスを充満させます。そしてマリアと水中にもぐり、伸ばした手でライターを点火。どっかんと爆発が起こってドアを吹き飛ばしてしまいました。九死に一生を得た二人は所内でブリテンシュタインを発見します。彼は「サブラハム博士はマブゼに誘拐された」と二人に教えるのでした。

 ジョー・コモはローマンと合流。車でマブゼとボーマーを追いかけます。カーチェイスが続いてついにマブゼの車が運転を誤り横転してしまったのです。今度は走って逃げるマブゼとボーマー。博士は救出され、またジョー・コモによってボーマーが捕らえられます。残るはマブゼのみ。駅の引込み線でようやく追いついたローマンは彼の顔をはっきり見て「お、お前はウルフじゃないか」あの死んだと思われていたウルフは実は身代わりだったという・・・。マブゼは笑いながら、「ワハハハ、我輩はウルフに化けて刑務所を支配していたのだ」マブゼは顔面から特殊なマスクをばりばり剥がして、「ワハハハ、我輩の素顔を拝ませてやろう」マブゼはさっと列車に飛び乗り、動かして逃げようとします。「ワハハハハ、さらばだ、また会おう、ローマン君!」えー、しかし、マブゼ、うっかりと列車を逆方向に動かしてしまったので、他の列車と正面衝突してしまったという・・・(大笑い)。マブゼが使った貨車にはガソリンが満載してあったらしく大爆発が起こります。呆然として見つめるローマン。

 事件は解決しました。しかし、遺体が見つからなかったため、マブゼが死んだとは信じきれないローマンは警察署の窓から街を見下ろして物思いに耽っております。ナレーションが「街を行きかう人々の誰もがマブゼになりうるのだ」と言ったところでエンドマーク。

 いやあ、古臭い映画だけど実に面白い。全体のテンポが良く、次々と事件が起こって飽きる暇がありません。展開に多少の無理がありますが(笑)そこは気持ちよくゆるしてあげようではありませんか。

 モノクロ・スタンダード モノラル音声 画質はそれなりに良し。黒浮きが目立ちますが、それも許容範囲内です。音質はクリア。台詞が非常に聞き取りやすい。12枚のディスクに50本の映画を収めたNightmare Worlds 50 Movie Pack CollectionMill Creek EntertainmentのDVD。

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2008年11月 2日 (日)

『ドラキュラ一家 地上げのえじき』(『Fracchia contro Dracula 』 1985)

 

『ドラキュラ一家 地上げのえじき』(『Fracchia contro Dracula 』 1985

イタリアのドラキュラパロディ映画。話のテンポが遅いのが難点ですが、細かいギャグに見るべきものがあり案外面白く見ることができました。イタリア映画だって、やるときはやるんです。

主人公の小心者の不動産屋フラキア(パオロ・ヴィレッジオ)は仕事でも恋でもドジばかり。恋人のステファニア(フェデリカ・ブリオン)と映画館でホラー映画を見ていたら途中であまりの怖さにぎゃあああと叫んで椅子をひっくり返してしまいます。そしてその椅子が将棋倒しとなって映画館中の客がひっくりこけてしまうという大騒ぎ。せっかくステファニアが部屋へ誘ってくれても仮面を被った子供に驚いて窓から飛び出して逃げ出してしまう始末。じゃあ、今度は自分の部屋へ呼べばいいだろうとなったのですが、テレビの催眠術にかかって背中に触れた手が離れなくなってしまいました。

 彼を診察してようやく手を離したお医者さん、彼から事の顛末を詳しく聞いて、「んー、何回誘っても上手くいかないのかね。なに、君はドーテー?ドーテーというと、高村光太郎のアレか、僕の前に道はない 僕の後ろに 道は出来るってやつか」「先生、それは道程だと思います。私の言っているのは童貞の方で、先生、分かっててボケているんでしょ?」お医者さん、フラキアに「君は自信を持たなくてはいかん、僕は優秀であると自分に言い聞かせるのだ。そうすれば恋も仕事も上手くいくさ!」

 ところがそうは問屋が許さないじゃなかった卸さない。やっぱり仕事でドジを連発したフラキア、ついに社長(ポール・ミューラー)から「お前、3日以内に契約取らないとクビね」と言い渡されてしまったのです。あせったフラキア、一人のお客フィリーニ(ジジ・リーダー)を捕まえたのですが、この人がまたセコ。400万リラで浴室が5以上あるような別荘を探せというのです。いつもなら、「そんな安い物件はないです」と追い出してしまうところですが、何しろフラキアは3日以内に契約を取らねばなりません。「んー、それではこの最新型のコンピューターで探してみましょう」

 いくら最新型のコンピューターとは言ってもそんな物件ある訳ないじゃんと思ったら、これがあるのですなあ、トランシルバニアにブラッド伯爵の城というのが(大笑い)。フラキアは現地で実際の物件を見たいと言い出したフィリーニを連れてトランシルバニアに赴くことになるのです。二人が出て行った直後、コンピューターの画面が不気味に変化。赤い血が垂れてきたのです。コンピューターと言えども吸血鬼の城を検索なんかしたりするとこんな風になっちまうと見えます。

 翌朝、たくさんの荷物を抱えたフィリーニを自分の車にのっけてさあ出発。フラキア、調子よく「すぐですよ、30分でつきますよ」なんて言ってますが、そんな訳がない。画面に目的地トランシルバニアに×印をつけた地図が現れて驀進する車が赤い線になって伸びていくというギャグ。あ、『インディジョーンズ』の安いパクリが素敵です。そしてあっという間に到着。フラキア、「随分と時間がかかったように思うが」と呟くフィリーニに慌てて、「ははは、渋滞っすよ、渋滞のせいっすよ」

 車が大きな×印の上に止まっているのも案外洒落たギャグでございます。

 しかし順調だったのはここまで。フラキアが運転を誤って車を林に突っ込んでしまいました。これで車が故障、後はずっとフラキアが車を押して歩くことになったのです。そして疲労困憊の末、たどり着いた村。そのあまりに古めかしい生活様式にびっくりする二人です。二人はとりあえずホテルへ投宿。言葉の分からない主人やお客に「車の修理を頼もう」として四苦八苦するのでした。次にフラキア、お客の皆さんに「あのー、皆さん、すいません、ブラッド伯爵の城はどこでしょう」と聞くと、今まで陽気にさんざめいていた人たちがぱっと顔色を変え一斉に逃げ出すのでした。犬もワンと吼えて逃げるし、猫はニャーと鳴いて天井裏に逃げ込みます。母親に忘れられた乳母車の赤ん坊もばぶばぶ言いながら這って逃げだすのです!

 どうやらブラッド伯爵、よほど村の人々に恐れられているようです。これじゃ仕方ないので村の図書館に行ってそこにいた紳士からいろいろ事情を聞くことになります。そして城は空き家ではないと聞かされてびっくりする二人。書類を調べてみるとなるほど1854年からブラッド伯爵の持ち物になってそれが今まで変わってないという・・・。「え、この伯爵、生まれが1421年になっているけど、じゃあ、565歳じゃないか」フラキア、驚いているフィリーニに「そんな訳ないっす。1921年の誤植ですよ」

 と、ここで新たな登場人物。カスパーという顔色の悪い男が図書館に突然現れてフラキアたちに、こう言ったのであります。「あの城へ行かれるのですか、ならば伯爵は私が始末してあげよう」フラキア、びっくりします。さらにその後カスパーがふいと消えてしまったのでますますびっくり。

 さて、このカスパーの不気味な言葉通り、伯爵の正体がいよいよ明らかにされます。盲目の執事が奏でるパイプオルガンの調べに乗って豪壮な縦置きの棺桶の蓋がぎーっ。現れたのは吸血鬼であるブラッド伯爵(エドムンド・パルドム)とその妻カミーラ。二人は城の屋上からこうもりに変身して飛び立ったのです。

 その夜、フラキアは何故かホテルの娘、エカテリーナに部屋へ誘われます。どうやらエカテリーナ、伯爵の正体を教えようとしているらしいのですが、言葉が通じないので身振り手振り。それででフラキアの喉に噛み付くそぶりをしたのが悪かった。フラキア、すっかりその気になって、「うん、うん、ちょっとフィリーニさんに頼まれた寝酒届けてくるから、それが済んだら戻ってくるから」急いで寝酒を渡して戻ってきたのですが・・・、はい、エカテリーナ、いつの間にか忍び込んできていた伯爵に喉からちゅーちゅーやられていたという・・・。フラキア、憮然として、「おい、あんた順番を守りなさいよ」だって(笑)。フラキアにはエカテリーナが伯爵とヤッているように見えたのですな。

 フラキア、未練がましく見ていたのですが、さすがに分がないと分かったのか、「お呼びじゃない?お呼びじゃない・・・・、こらまた失礼しました」と往年の植木等のお呼びギャグをやってから部屋に戻ります。

 この夜に吸血鬼の犠牲になったのはエカテリーナだけではありません。木の杭をたくさん用意していたヴァンパイアハンターのカスパーもカミーラにあっさり血を吸われてしまっていたのです。

 翌朝、馬車をチャーターして城へ向う二人。途中で追いかけてきた狼がフラキアの腕にかぶりつくというギャグはオリジナルのアレですね。馬車はいきなり止まります。御者が無言で二人と荷物を降ろしてしまいました。どうやら、この御者、おらは城まで行きたくないだ、後は歩いていきなというつもりらしい。ぶつくさ言いながら荷物を抱えて歩くと、程なくお城に到着です。

 一方村に戻ってカスパーのお葬式に現れた女、彼が残したたくさんの杭を見ながら「あたしが代わりにやっつけてやるわよ」はて、この人は一体誰なのでしょう。

 フィリーニ、城の門をドンドン叩きます。フラキアは呆れて「そんなフィリーニさん、ホラー映画じゃないんだから、ちゃんと現代のお城にはベルがあるんです」それを押すとやっぱりドンドン音がするという・・・(笑)。こういう細かいギャグは意外と上手いですね。

 二人を迎えたのはあの盲目の執事です。他にもせむしの下男、ボリス(グエスペ・セデルナ)がいまして、まるっきりホラー映画の世界。執事は伯爵に会いたいという二人に「今はお休み中です。その間に場内をご案内しましょう。これ、ボリス、お客様の荷物を運びなさい」執事、案内しようったって、何しろ盲目ですから歩き出したとたんに壁にがんっ!フラキアとフィリーニはこんな奴、頼りにならんということで場内を勝手に見て回ることになります。

 図面片手にフィリーニを案内するフラキア。「ここが趣味の部屋ですな」おいおい、吊るされたかごの中に白骨があるぞ(笑)。フラキア、引きつった笑いを浮かべて、「ははは、なかなか変わったシャンデリアですな」次に案内するのはどこかというとこれがカタコンベ。フィリーニ、「え、この城にはそんなものがあるのか」と仰天します。フラキアはまた作り笑いをして「ははは、きっとトランシルバニアでは地下室のことをカタコンベというのでしょう」んな訳あるかい(笑)。

 城内をうろうろするフラキアとフィリーニ。ついに二つ並んだ棺桶を見つけてしまいます。フラキアは蓋を開いてびっくり。伯爵が寝ているではありませんか。慌てたフラキア、「そ、そう言えばお腹が空きましたね、夕食に行きましょう、夕食に」フィリーニを連れ出してしまいます。この時伯爵が眼を覚まして棺桶の縁に手を掛けたのですが、フラキアが蓋から手を離したものでバタンとしまって挟まれるというオソマツ。

 この後霧の中で車を飛ばす女が登場。そう、カスパーの葬式に現れて「敵は討つ」と言っていた人ですね。彼女は車を降り、闇に紛れて城の中へ忍び込んだのです。

 そして夕食の席でいよいよ伯爵とその妹オニーリアとご対面。伯爵は「私を追い出そうとしている不動産屋というのは君かね」とフラキアをねめつけます。逆にオニーリアは彼を見るなり「あなた、ドーテー?」と聞いてきて何故か興味津々の様子。彼女は足を伸ばしてフラキアをつつくのですが、彼女はテーブルの向こうに座っていてどうみたって、二メートルの距離がある。フラキア、びっくりして、「へ、へはは、こ、これは長いおみ足で」 また執事はフラキアのカップにぶどう酒を注ごうとするのですが何しろ盲目なものですからあさっての場所にじゃー。

 伯爵はフラキアに「契約とか明け渡しとかそういう話は明日やってくる弁護士としてくれ。彼はオニーリアの婚約者でもあるのだ」

 この後、唐突に「音楽はどうですか」と言い出すブラッド伯爵。ステレオ装置で音楽を掛けるのかと思いきや城内特設の劇場で伯爵 ギター、オニーリア ハープ、せむしのボリスがチェロ、執事がピアノという編成のドラキュラバンド(大笑い)。フラキアは聞こえてくる歌声に耳を済ませて「フィリーニさん、これ、あの宿屋の娘の声ですよ、彼女は伯爵にやられてしまったんだ」フィリーニは信じようとはしないのですが、どうしても気になって仕方ないフラキア、地下室の棺桶の辺りを探してみようと思い立ったのです。トイレへ行くといって劇場を出るフラキア。

 そして地下室で出くわしたのがあの女でした。女はフラキアはお互いそれぞれを吸血鬼と思い込んだものですから大騒ぎ。フラキアはきゃーっと叫んで逃げ出します。なんとか彼女をまいて自分にあてがわれた客間に飛び込んだのですが、そこにいたのがオニーリアでした。「あ、オ、オニーリアさん、大変っすよ、女吸血鬼に襲われたんすよ」オニーリアはまったく耳を貸さずに「あなた、本当にドーテーなのね。私、ドーテーが高村光太郎の次に好きなの」「だから、それは童貞じゃなくって道程でしょうが。やっぱり分かっててボケてんでしょ」

 「キスしちゃうわよー」フラキアに迫るオニーリア。吸血鬼にとってキスはすなわち血を吸うこと。危うしフラキアと思われたのですが、ここでブラッド伯爵が現れたのです。伯爵は二人の様子を見て大変に激怒。「オニーリア、お前、何をしとる。明日はお前と弁護士の結婚式ではないか」「あたし、あの弁護士とは結婚しないわ、この人と結婚するの!」とフラキアを指差すオニーリア。怒り狂った伯爵、「お前か、お前が妹をたぶらかしたのか」フラキア、またきゃーっと逃げ出します。

 そのフラキアを捕まえて倉庫に引っ張り込んだのがあの女ですよ。「あ、お前はさっきの女吸血鬼!」女は苦笑して、「私はルル、あなたと同じ人間よ、兄カスパーの復讐に来たの。さあ、早く逃げましょう」二人は屋上に上がります。そして干草を積んだ荷車を見つけてフラキアがジャンプ。続いてルルが飛んだのですが、この反動で荷車が跳ね上がってフラキア飛ばされちゃった。彼は放物線を描いて丁度やってきた馬車に飛び込みます。フラキア、暗闇の中でかすかに見えている人影に向って「こりゃどうもすみません、とんだ失礼を・・・」フラキアはその人影を見て愕然とします。それは紛れもなくフランケンシュタインの怪物だったからです。ついでにルルもせむしのボリスに捕まってしまいました。

 執事は新たなお客の到来を高々と宣告します。「弁護士様のお着きでございます」ってえ、フランケンシュタインの怪物が弁護士ってこと?

 でも騒ぎはますます大きくなります。オニーリアがはっきりと「フランキー、あんたとは結婚しないわよ、だって会話が続かないんだもの」怒ったフランケンシュタインの怪物、「ふんがー」それ、それだよ、オニーリアが嫌がる理由は(笑)。そこでフラキアと怪物を勝負させて結婚相手を決めようということになりました。

 その勝負とはバドミントン(笑)。短パン姿もりりしいフランケンシュタインの怪物がサーブの構え。ここでブラッド伯爵、杖をぱっと差し上げて雷を呼ぶのです。これがぱーんと怪物に落雷してパワーアップ(笑)。放たれたサーブは動くこともできないフラキア直前の地面に命中してどかーん!でもオニーリア、「それってインチキじゃん、こんな勝負認めないわよ」じゃあというので今度は伯爵、怪物、フラキアのポーカーとなります。でもこれも勝負がつく前に夜が明けちゃった。

 この後檻に入れられたルルを助けようとしたり、彼女に言われて説明書片手に棺桶のブラッド伯爵の胸に杭を打ち込もうとしたりするのですが結局どちらも上手くいかずにフランケンシュタインの怪物に捕まってしまったのでした。そうこうするうちに夜になってしまってさあ、フラキアとオニーリアの結婚式。フィリーニは所詮人事ですから、にやにやとしながら彼の着替えを手伝っています。そこへ執事が「お客様がおそろいでございます。どうぞおいでくださいませ」フィリーニとフラキアは「え、お客、だったらフツーの人間ということ?だったら伯爵の正体ばらして助けてもらおう」さっそく二人は会場に飛びこんで「みなさーん、大変です、伯爵は吸血鬼でーす!」でも「それがどうしましたか」と数人のゾンビに言われてしまったという・・・。

 そう、お客は全てゾンビだのノスフェラトウだののモンスターだったのです。

 さあ、結婚式の始まり。はなはだしく居心地の悪そうな顔をしているフラキアの腕を取って会場を練り歩くオニーリア。と、ここで巨大なウェディングケーキの登場。お二人の最初の共同作業です、ウェディングケーキ入刀どうぞ、二人が進み出たその瞬間、ぱかりとケーキの蓋があいて飛び出したのはルルではありませんか。彼女は対モンスター用電撃発射装置で電撃をぴぴぴ、ぴぴぴと乱射。モンスターどもを追い散らします。その隙に「さあ、フラキア、フィリーニ、逃げるのよ」そして彼女に付き従うのはあのせむしのボリス。そう、ボリスが彼女に惚れたどうかして、あの檻から助け出していたのですね。

 さあ、逃げろや、逃げろ。ここで執事が「お帰りならばお荷物をお忘れにならないでくださいませ」フラキアに彼のカバンと傘を差し出すのがオカシイ。みんなは馬車を探すのですが、逃げ出す前にモンスターたちに追いつかれてしまいました。これでフラキア、仲間たちとはぐれてしまい、一人ブラッド伯爵から逃げ回ることとなります。瞬間移動で彼を追い詰めようとする伯爵。フラキア、ついに屋上へ追い詰められてしまいました。下から仲間たちが「フラキア、飛んで、飛んで、傘を開いてパラシュートの代わりにするの!」フラキア、傘をぱっと開くと、ああ、なんということでしょう、偶然と言うにはあまりにも良すぎるタイミングで瞬間移動してきた伯爵が傘の先でぐさっ、心臓を刺されてしまったのです。口から血をだらだら流して苦悶する伯爵・・・。

 「フラキア、起きて、起きて、もう映画は終わったわよ」とステファニアに揺り起こされるフラキア。彼はぱっと目を覚まして寝ぼけまなこで周囲を見回します。「あ、あれ、吸血鬼は?フランケンシュタインは」「やーね、どんな夢みてんのよ」なんと今までの物語が夢落ちだったという。呆然として帰ろうとするフラキア。と、後の紳士が彼の肩を叩いて「もし忘れ物ですよ」と傘を差し出します。フラキアはお礼を言って出口へ向うのでした。その紳士は良く見るとブラッド伯爵。彼がふふふ、はははと笑ったところでエンドマーク。

 カラー・レターボックスのワイド。モノラル音声。レンタル落ちVHSソフトなので画質・音質とも評価外。日本語字幕付。 

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『モンスター・パニック』(『Monster』 1980年)

 

『モンスター・パニック』(『Monster』 1980年)

                      

 怪しい薬の影響でシーラカンスがモンスターになるという映画。このモンスター、人を殺すだけでは新味がないと考えられたのか、モンスターの分際で人間の女性を犯してしまうのです。シーラカンスが怪物になって女とすこぱこ、こういう発想が人間を進化させるのです(そ、そうか)。

海草を掻き分け、掻き分け海中を進む何か。場面がぱっと砂浜に移ってここでタイトルがでます。オープニングクレジットの間に網を繕ったり魚を水揚げしたりという港町ノヨの風景が描写されて、登場したのが本作の主人公であるジム・ヒル(ダグ・マコリー)。このノヨという港町、最近魚がめっきり獲れなくなっておりまして、みんな困り果てております。その隙に付け込んだのがキャンコ社という大企業でありまして、付近に缶詰工場を建設、大型船を使って大量に捕らえた魚を缶詰にして大儲けを狙っております。町の人々は「そうなりゃ、この町にも活気が蘇る」と期待しているのですが、やっぱりどこにも反対するものがおりまして、この中心的人物というのがインディアンのジョニー(アンソニー・ぺナ)であります。

 もっともこのジョニー、私利私欲で反対している訳ではありません。缶詰工場の建設予定地というのが彼らの先祖代々伝わってきた土地でありまして、彼らは「先祖の土地を汚すな、返せ」と裁判を起こすつもりだったのです。だから推進派の面々とはもう犬猿の仲。特にリーダーのハンク・スラッタリー(ヴィク・モロー)はジョニーのことが大きらい。「いつか、あの○○○○○○野郎をぶち殺してダイチョー引きずり出す」と常々公言しているのでした。

 さて、状況説明が終わったところで(笑)キャンコ社の大型漁船が出港します。そして底引き網量を始めたのですが、なんとしたことか網が上がってこない。なんだなんだと思ったら実はバイトの子供ジャッキーがウィンチのモーターにガソリンを入れ忘れていたという・・・。父親に「バカモン、はやくガソリン入れんかい」と怒鳴られたジャッキー、慌てて給油するのですが、その時網が逆に海に引きずりこまれたのです。驚いたパパ、「ジャッキー、コッチに来て引っ張るのを手伝え」ジャッキーはお父さんの命令に素直に従ってロープを引っ張るのですが、彼はパパの命令に忠実でありすぎました。すぐに手伝えといわれたのでガソリンの缶を放り出して駆けつけたのです(笑)。どくどくと甲板にこぼれるガソリン。

 さあ、ロープを引っ張るジャッキー、しかし、そのロープがこれまでになく強い力で引っ張られてジャッキー、海中へ転落。何者かに引きずりこまれてしまいます。そして沸いてきたのは多量の血。「こらあ、いかん、遭難信号を出さなきゃ」と他の船員が慌てて信号弾を用意します。しかし甲板に走り出てきた瞬間、こぼれていたガソリンに足を滑らせて転倒、うっかり引き金を引いてしまいました。発射された信号弾は甲板に溜まっていたガソリンに引火、漁船は大爆発です。

 なんか、コントみたいですな(笑)。保安官は早くも「この事故、反対派の奴らが仕組んだんじゃないだろうな」と疑っているという・・・。

 さらに変事は続きます。その夜外へ出たジムの犬、バロンがジャッキーを襲ったヤツに捕まって殺されてしまったのです。翌朝、戻ってこないバロンを心配して妻キャロル(シンディ・ウェイントラウブ)とバロンを探すジム。彼らは家の周囲に黄色い粘液のようなものがついているのを発見して首を捻ります。さらに犬を探して海岸へ行くと、はい、見つけました。海草に覆われて濡れたぬいぐるみのように見える(笑)バロンの死体を!そして犠牲になったのはバロンだけではありませんでした。町の犬達がことごとく殺されていたのです、ジョニーの犬だけを除いて。もちろん、これでハンクたちはジョニーの仕業だと思い込むのです。

 でも実際、なんでジョニーの犬だけ無事だったんスかね。

 さて、こんな騒動の種をはらみつつ開催されたヨノ第75回サーモン祭ダンスパーティ。市長がキャンコ社のボーデン社長、顧問のエドワーズ、そしてキャンコ社の女性科学者、なんとサーモンを二倍の大きさに二倍の速度で成長させる研究を完成させたというスーザン・ドレイク博士(アン・ターケル)を紹介します。もうこの時点でこの研究があれの原因ではないかと分かる親切なつくりになっております(笑)。

 紹介が終わってダンスパーティが開始。和やかな雰囲気で住民はみんな楽しんでいたのですが、そこに現れたのが死んだ犬抱えたジョニー。彼はハンクにすたすた近づいて「俺の犬が死んだぞ、お前、何か知っているだろ」ハンクも彼を冷たく見返します。「そういや町の犬がみんな死んだな、そっちこそお前のせいじゃないのか」これでジョニー、カッとなりまして、「白人、いつもそうだ、インディアン、いじめる、犬、殺す、祖先の土地、奪う、インディアン、許さない、あの土地、裁判起こして取り戻す、缶詰工場なんて作らせない、インディアン、頑張る!」 なんで言葉使いが急に変わるのか(笑)。

 これでジョニー、ハンクたちに袋叩きにされそうになるのですが、加勢に入ったのがインディアンたちに同情的だったハンク。二人でハンク一派と大乱闘です。結局この騒ぎは保安官によって鎮められたのですが、両派の対立はもはやのっぴきならぬところまで来てしまったようです。

 翌日、ボートを使ってこっそりジョニーの家の様子を伺うハンク。どうやら反対派のインディアンたちの集会が開かれているらしい。話し合いの様子を盗み聞きしてみると「大物弁護士のローリーが無報酬で弁護を引き受けてくれた、これで準備はばっちりだ、きっと勝てるぞ」ハンク、びっくりして酒場へ行くと仲間たちにこのことを話します。そして「こうなりゃ、奴らをやっつけるしかない」という実に短絡的で暴力的な結論に至るのでした。

 一方、ハンクはキャロルと一緒にボーデン社長、エドワーズ、スーザンを招待してトローリングを楽しんでおります。と、ボーデン社長の竿に大物が。張り切った社長、一生懸命リールを巻くのですが、惜しいことに水面近くで糸を切られてしまいました。ハンク、その逃げた魚のシルエットを見て疑問に感じたらしく、その瞬間をカメラに捉えたスーザンに「早く現像してくれ」と頼みます。

 さあ、次はいよいよ人間の番だ。海岸でさんざんいちゃついて見る物をいらいらさせていた水着のカップル、ジェリー(ミーガン・キング)とリンダ(デニス・ガリック)が襲われたのです。ジェリーは顔面を丸齧り、リンダのほうはというと、モンスターにどこかに引きずられていって、激しく犯されてしまったのであります。冒頭、海草の茂みを掻き分けていたモンスターでしたが、今度は別の茂みを掻き分けたということですな、うひひひひ。この後、海岸でテントを張ってキャンプしていたカップルも襲われてやっぱり男は惨殺され、女は犯されたのでありました。

 さて、ジョニーのほうはどうなったかというと、ハンクの息子トミー(ブレック・コスティン)、そのガールフレンドペギー(リン・シール)を家に招いてお魚パーティをやっております。そこにボートでやってきたのがハンクとその仲間たち。火炎瓶に火をつけて「この○○○○○○野郎、死ね」とジョニーの家目掛けて放り投げたのです。これが上手く命中してちゅどちゅどちゅどどどどーんと大爆発。一体どんな火炎瓶やねん(笑)。ジョニーとトミーは急いで消火にかかります。ペギーはトラックで町に応援を求めに行くことになり、急いで出発。

 しかし、ここでやっかいなことにモンスターが現れた。モンスターはトミーを襲います。ジョニーは斧を怪物の頭にぐさりと突き刺し(笑)あまつさえ、ライフルを乱射してモンスターをなんとか撃退したのでした。一方、町へ急ぐペギー、と、ここで突然モンスターが飛び乗ってきたのです。ということはこのモンスターは複数いるということですかね。

モンスターに襲われて動揺したリンダ、運転を誤って橋から転落。ぼかーん、トラック大爆発で即死です。ヒデー。

 翌朝、港ではハンクたちがリンダは黒こげ、ジェリーとペギーのカップルも行方不明だ、こりゃまたどうした訳だ、世の中間違っとるよーと大騒ぎ。トミーのことを心配したジムもスーザンと共に現れます。そしてそこに最高のタイミングで現れたのがジョニー、彼はボートで大怪我をしたトミーを連れて帰ってきたのです。ハンクたちはすぐさま、またあのインディアン野郎がやりやがったとジョニーを取り囲むのですが、ジョニーは必死で、モンスターだ、トミーはモンスターにやられたんだ、2メートルもあって、家も焼かれてしまった。ここでぎくりとするハンクたちですが(笑)幸いジム・スーザンには気付かれなかったようで。

 この説明を聞いてピンと来たらしいスーザン、ジムとジョニーの三人で彼の家を調べることになります。しかし、家の周囲には何も残っていません。スーザンは「それだけ大きな体の生物だったらたくさんの餌が必要よ。川の魚じゃ間に合わないわ」 三人は続いて海を調べることになります。当てもなく船を走らせるうちに海岸の崖を見つけたスーザン、「あの崖の下には洞窟があるわ、ちょっと調べてみましょう」この妙に確信がありそうなスーザンの態度に不審を覚えたジム、「何か知っているのか」と問いただすのですが、スーザンは何も答えてくれません。

 ゴムボートで上陸、件の洞窟を調べようとしたら、砂浜からいきなりモンスター三匹が出現。なんだ、洞窟に棲んでいる訳じゃないんだ、海岸に海草いっぱい敷き詰めて中に潜り込んでいただけなんだ(笑)。ジョニー・ハンクたちは驚きながらもライフルを乱射してモンスターを退治。そして海草の中から囚われていたペギーを発見、病院へ運び込んだのです。

 その後、スーザンの研究室でようやく明らかになる真相。スーザンの研究していたサーモンの成長を二倍にする成長遺伝子DND5の実験中、高潮でタンクが壊れて三千匹ものサーモンの実験体が海へ逃げ出していたのです。それをサーモンよりも下等な魚、シーラカンス!!が食って、あのようなモンスターに進化していたのでした。そしてさらに恐ろしいことを言い出すスーザン。「彼らが女性を攫ったのは交配するためかも知れない」そうです、その通りです。僕らは知っていますとも、何せモンスターがペギーとヤッてましたからな(笑)。

 さて、こんな騒ぎをよそにサーモン祭本番の夜がやってきました。港では観覧車がぐるぐる回ってマーチングバンドも大行進。出店も一杯出て人々は笑いさんざめきながら一年に一度限りの夜を楽しんでおります。と海面にぽかりと現れた無数の怪しい影。奴らがやってきたのです。

 ジムとスーザンはトラックで祭会場へ急行。なんだなんだといぶかしがっているハンクたちのまえにどさりとモンスターの死体を投げ出します。「俺たちはこいつらに狙われているんだ」と叫ぶと観衆はどん引き(笑)。その途端、足元の板をブチ破ってモンスターが現れるという調子の良い演出に私は大喜びですよ。

 続々と上陸してくるモンスター群。男は殺し、女は犯す!この祭で選ばれたミス・サーモンもビキニの水着引きちぎられてオッパイ丸出しで会場を走り回っております。しかし、人間側も手をこまねいていた訳ではありません。ライフルで応戦したり、杭や棒でモンスターを殴ったりしております。ミス・サーモンも拾った石でモンスターの頭をがすがすやるという・・・。さらにジムとスーザンは海上にガソリンを撒き始めました。これでモンスターを焼き殺そうというのですが、見ての通りモンスターは陸上で人間襲っているのです。あんまりこの戦法は役に立たないと思うのですが(笑)。

 一方、ジムの家にもモンスターが迫っていました。赤ん坊を抱えたキャシー、怪しい気配を感じて怯えております。

 ハンクは海に落ちかかっている少女を救出します。しかし、その時足をモンスターにつかまれてしまいました。危うし、ハンク。しかしその時彼を救ったのは仇敵である筈のジョニーでした。彼はライフルでモンスターを撃退し、ハンクに手を差し伸べたのです。

 一方スーザンは信号銃を海に向けて「何時までもお前たちの勝手にはさせないわ、正義は必ず勝つのよ!」と叫んで発射。あっという間に火の海となります。でも、いった通りモンスターのほとんどは陸上にいるのでやっぱりあんまり役に立ってないですよ(笑)。

 ついにキャシーを襲うモンスターたち。キャシーは赤ん坊を部屋に隠して包丁で応戦。キャー、キャー、ざくざく、助けて、ジムー、ざくざく、あ、結局一匹を切り刻んで殺しちゃった(笑)。残りのモンスターは退却したかと思われたのですが、ああ、またドアをどんどんたたき出した。入ってくる、今度こそ駄目だ、ひー、それはジムでした。家に残してきた妻が心配になって駆けつけてきたのです。

 翌日、死傷者多数の大被害を受けた港町で救助活動が始まりました。ジムはキャシーと共にその様子を眺めながら「あれが最後の一匹とは限らない。もし、馬鹿げた遺伝子研究が続くならあのモンスターと同類の怪物が世界のどこかに現れるかも知れない」とどこかで聞いたような台詞を言うのでした。

 この後、ぱっと病院に場面が移って臨月のペギーがひっひっふー、ひっひっふーとやっていてまさに出産せんとすというところ。看護婦やお医者さんが「頑張って、もう少しよ」と声を掛けるのですが、もちろん、生まれてくるのが普通の赤ん坊である筈がない。ペギーのデカイ腹がさらにぼこりと膨らんで、びりびり裂け始めます。「ぎゃああああ」悲鳴を上げるペギーの腹から飛び出してきたのは血まみれのモンスターの子供でありました。エンドクレジット。

 このペギーの出産、事件からどのくらいの時間が経過していたのでしょうか。お医者さんたちは行方不明のままのジェリーの子供だと思っていたのでしょうか。でもモンスターの子供なら成長が異様に早くってすぐにそれと分かる筈なのですが。まあ、正直どうでもいいですけどね(笑)。

 カラー・スタンダード。モノラル音声 レンタル落ちVHSソフトなので画質・音質とも評価外。日本語字幕付。 

 エロの冒険者 
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『大襲来!吸血こうもり』(『Chosen Survivors 』1974)

 

『大襲来!吸血こうもり』(『Chosen Survivors 1974

 吸血こうもりと核シェルターを組み合わせた異色作。アイデアは凄く良いと思ったのですが、じっさい見てみたらなんということはないたんなる駄作映画でした。

警告、警告、このDVDのリージョンは1です。したがって日本国内のDVDプレーヤーでは再生できません。警告、警告。

ここはニューメキシコ近辺の岩山。アメリカ陸軍のヘリコプターが飛んできます。ヘリパッドに到着したヘリコプターから降りてきたのは10人の民間人。彼らは陸軍兵士たちに岩山の岸壁に設けられたエレベーターに押し込まれます。「ん、なんですか、なんですか」と抗議をする暇もなく閉まるエレベーターの扉。そしてすぐに降下を開始したのでした。

 途中、大音響が鳴り響いてぐらぐら揺れるエレベーター。民間人たちはひいひいひゃああと悲鳴を上げるのでした。しかし間もなくその音もやんでエレベーターは降下を続けます。そしてついたところは超近代的な地下施設。「え、何、何、何、これ」と当惑する民間人たちの疑問に答えるかのように前方の大型スクリーンに女の人が映って「アメリカ政府からのお知らせです。この施設は核戦争に備えた施設です。人類の滅亡を防ぎ、我々の文明を次の世代に伝えるべく、選ばれた方々を収容するものです。他に十二箇所あって、168人の人々が避難しております。」ははあ、なるほど、核戦争が勃発して、あらかじめ選ばれていた人たちが連れてこられたということなんですね。

 女の人は続けます。「このシェルターは地下530メートルに設けられ5年分の食料や生活必需品を備蓄してあります。また、観測衛星とリンクしており地上の放射能レベルが許容範囲内に落ちたら自動的にエレベーターが使用可能になるようセットされております。では、選ばれた生存者の皆さんに神のご加護を。この映像はあらかじめ撮影され、自動的に再生されております」

 いきなりこんなことを言われた民間人たち、呆然としております。そんな彼らの前に現れたのがこのシェルターの整備・管理担当だというアメリカ陸軍のゴードン・エリス少佐(リチャード・ジャッケル)。彼は「本当にこんな戦争が起きるとは思ってなかった」とボヤキながらシェルターとリンクしている観測衛星を使って地表の様子をスクリーンに映し出すのでした。これはさきのお姉さんのお知らせよりも遥かにショッキング、何しろ世界中が南極含めて丸こげになっていたのですから。最後に映ったのはああ、これはゴールデンゲートブリッジの残骸でしょうか。

 さて、彼らの記録・様子をテープレコーダーに吹き込んで記録している科学者ピーター・マカンバー(ブラッドフォード・ビルマン)の語りで「選ばれた生存者たち」が紹介されます。まずはノーベル医学賞受賞者のレノーラ・クリスマン(バーバラ・バブクック)、海洋学者のルイス・カブラル(ペドロ・アルメンディス・ジュニア)、スティーブン・メイズ(アレックス・コード)は小説家、アレナ・フィッツジェラルド(ダイアナ・モールダー)は女性下院議員、オリンピック金メダリストのウッディ・ルッソ(リンカーン・キルパトリック)、キャリー・ドレーパー(グレン・ミッチェル)は環境学者、生物学者のクレア・ファラディ(ナンシー・ロッドマン)、栄養学者のクリスティ・レーナー(クリスティーナ・モレノ)、最後に天才経営者と呼ばれたレイ・カズンズ(ジャッキー・クーパー)。ああ、書くだけで疲れた(笑)。

 カズンズがしきりにエリス少佐に「なあ、外へ出してくれよう、ここはイヤだよう」としきりに絡んでいるのが気に掛かりますが、とにもかくにも彼らの新生活はスタート。はてさてどうなりますことやら。

 ええ、もう次の日に早速事件が起こるという・・・(笑)。鳥カゴの中で飼われていた鳥たちが全部かみ殺されていたのです。しかも奇妙なことにその傷口から流れた血は固まっていないのです。みんなが首を捻っておりますと、突然シェルター内の照明が点滅、あっという間に停電してしまうのでした。非常用の青いライトが点滅したのですが、この時トレーニングルームにいたキャリーが物凄い悲鳴を上げて助けを求めたのです。何だ、何だとみんなが駆けつけますと、そこにいたのがこうもりだったのであります。

 照明はまもなく復活。クリスマンがこのこうもりを調べてみますと、なんとこれが恐るべき吸血こうもりであることが判明したのです。「そうか、だから鳥たちの血は固まっていなかったのね。血を吸うために彼らの唾液には凝血を防ぐ成分が含まれているのよ」

 そしてなぜ、この地下施設に吸血こうもりが侵入してくるのだという質問に少佐が答えた言葉がオカシイ。「いやー、これ、天然の洞窟を使ってシェルターを設置したんですわ、その洞窟にこうもりがおったんですなあ」いや、おったんですなあじゃねえよ(大笑い)。

 急ぎこうもりの侵入経路を調べるみなさんですが、これがどうもよく分からない。仕方ないので、こうもりは光に弱いので24時間照明をつけっぱなしにするという対策がとられることになりました。カズンズ、ぶすっとして、「そんな24時間明るいって、コンビニか!」とボヤくギャグが御洒落。ただ、どうもこの施設の照明設備は調子が良くないようでまた不意に停電してしまいます。これがたまたまみんなの就寝時間だったので気付かれずって、誰か交代で見張りさせとけ!こうもりは大挙してクリスティの部屋に侵入したのでした。

 はっと目を覚ましてぎゃあぎゃあ悲鳴を上げるクリスティ。悲鳴を聞きつけた少佐が飛び込んできて枕で飛び回るこうもりをやっつけます。しかし、これではおちおち寝ていられないということで少佐、停電を知らせる警報装置をセットすることになります。またカズンズがぶすっとして、「その前に照明設備を直せよ」少佐は「そんなこと言われたって原因が分からないから仕方ないでしょ」と言い返します。

 怒ったカズンズ、バーボンをラッパ飲み。あっという間にぐでんぐでんとなりまして、「ここはきらいだー、外に出してくれえ」と叫んで回る始末。いったい、どこが天才的な経営者なんでしょ(笑)。さんざんみんなに迷惑を掛けた挙句、今度はクリスマンの部屋に押し入るカズンズ。「陰謀が進行中だ、早く何とか大変なことになる」とまくし立てるのでした。そしてさらにクリスマンに飛び掛って「ええやろ、させんかい!」誰だ、こんなの生存者に選んだ奴は。

 クリスマン、必死に抵抗するのですがカズンズの力にはかないません。もうやけのやんぱちとなって「じゃあ、いいわよ、させたげるわよ」キスを致します。

さて、停電に備えて警報装置を作るエリス少佐。これをテストしてみますと、暗闇になったところで見事に作動。警報音が鳴り響きます。「とにかくこれで寝ている間に不意打ちされることはなくなった」と一安心。

 ところがこれをぶち壊すのがまたしてもカズンズなんですよ。

 彼は施設の中をうろうろ。コンピュータールームに入っていろいろ弄り始めます。機械のバックパネルを開けて中を覗き込んだり、無闇にボタンを押し込んだり。そしてついに起こる悲劇。なぜか突然警報機がショートしちゃったのです。これで爆発が起こってコンピュータールームの配管チューブが破壊され、穴が空いてしまったのでした。おまけにショックでまた停電したものですから、この穴から吸血こうもりが大量に侵入してきたのです。カズンズを探していたルイスがびっくりして、「おい、カズンズ、何をしたんだ」「なんでもないんだ、放っておいてくれ、俺を一人にしてくれ」と逃げてしまうカズンズ。目標を失ったこうもり群は代わりにルイス目掛けてまっしぐら(笑)。

 こうもりに襲われたルイス、「ぎゃあああ」と魂消る悲鳴を上げてもがくのですが、顔面をさんざんに噛まれて絶命してしまったのであります。

 照明が復活して退散するこうもり群。みんなはルイスが無残な死を遂げたことで大ショックを受けております。と、ここで驚くべきというか、予想しないでもなかったというか、そんな出来事が起こりました。ピーター・マカンバーがいきなり「みんな、これはウソなんだ、熱核戦争なんて起こらなかったのだ」と言い出したからです。つまりこの核戦争後の生存のために作られたシェルターを本番の戦争が起こる前に一度テストしておかなければならない、そのためにみんなを利用したというのです。テストの予定は30日間、そして度重なる照明の故障もあらかじめ予定されていたものだったのです。

 だから、彼はみんなの様子を事細かにテープレコーダーに吹き込んで記録していたのですねえ。

 当然のことながらみんな大激怒。カズンズはクリスマンに「ほら、俺の言ったとおりだったろ!ちくしょー、訴えてやる」ってあんたは上島の竜ちゃんか、それに少なくともルイスの死の原因を作ったのはあんただろ(笑)。みんなに散々やいのやいのと言われて涙目になったマカンバー、「すぐ救援信号を送るから、443までには返事がくるよ」まあ、こういった場面で応答が来るほうがおかしい。案の定443に通信機はウンともスンとも言いません。どうやら、先のショートで通信装置までいかれてしまったらしいのです。

 「テメー、やっぱり訴えてやる!」と喚き散らすカズンズ。いやだから、これもあんたのせいだから。

 マカンバーは立町 老梅君となって、「いや、大丈夫だから、10日間定期連絡がなければ点検チームがくることになっているんだ、だからあと5日の辛抱だよ」と言ったのですが、もうみんなから「5日間だって、そんな5分も待ってられないってのに」と攻め立てられてとうとう泣き出してしまいました。

 そんな中、恐怖に耐えかねたクリスティナが睡眠薬自殺を図ります。命は取り留めたものの、もはや一刻の猶予もない、ならばエレベーターのシャフトをよじ登って助けを呼びにいこうと提案するエリス少佐。しかし、シャフトには梯子などついておりません。エレベーターのガイドレールを頼りにするほかはなく、大変に危険を伴います。「もっと安全な方法があるぞ」と言ったのはマカンバー。「囮を使って奴らを誘い込み電気を使って感電死させるのだ!」

 『遊星よりの物体X』以来、秘密基地に侵入してくる怪しいものは電気で撃退することになっております(笑)。

 まず侵入路となるコンピュータールームに電線を繋いだ金網を配置。そして「選ばれた生存者たち」の中でも一番肉体的能力に優れているルッソから血を採取、金網にべったり塗りつけたのであります。全ての準備が整いました。エリス少佐は施設内の照明をカットします。そして、こうもりたちを待ち構えるのですが、これは施設全体の照明を消しているんですか、そしたら病室でこん睡状態のクリスティナが危なくないですか?

 目論みどおり現れるこうもり群。彼らが金網に取り付いてルッソの血をなめ始めたところを見計らって、うはー、こうもり、本当に血を舐めているよう(笑)。エリス少佐、「いつまでもお前らの好き勝手にはさせん、正義は必ず勝つ!」と叫んでスイッチオン!ばきばきばき、火花が散って、次々と灰になっていくこうもりたち。ヤッター、作戦は大成功だと浮かれるみんなでしたが、クリスティナの病室に行ってみてびっくり。ほら、言わんこっちゃない、この病室まで照明切っちゃったから、こっちにもこうもりが入り込んでクリスティナをずたずたにしてしまったじゃないか。

 ひいいいと泣き叫ぶ女達。通信は駄目、電撃作戦も駄目、ならば残るはエレベーターシャフト。カズンズはロッソに「十万ドルやるから君、ひとつ登ってくれたまえ」と頼み込みます。オリンピックの金メダリストなんていったって、栄光はほんのつかの間だけ、今じゃ俺の名前を覚えているのはスポーツ記者ぐらいのもんさ。ならば、絶対色あせることのない栄光、大金を狙って何が悪いもんか。ロッソはやめてと叫ぶ妻キャリーをこう説得して、フック付のロープを持ってシャフトに挑むのでありました。

 このエレベーターの扉は非常時を考慮して内側から簡単に開くようになっています。そして扉が開かれると自動的に救難信号が発振されて最寄の陸軍基地から助けがくるという仕組み。つまり、ロッソがすべきことはシャフト 530メートルをよじ登り、扉を開くだけ・・・、そのよじ登るのが大変なのですがねえ(笑)。

 残りのメンバーが固唾を呑んで見守る中、ロッソの挑戦が始まります。彼はフック付ロープをガイドレールの支柱に引っ掛けることを繰り返してゆっくりゆっくり登っていくのですが、エレベーターシャフトの壁に穴が開いていました(笑)。シャフトの中は暗いですから、当然ながら吸血こうもりがロッソに襲い掛かろうとします。彼はその穴に手袋を突っ込んで蓋をすると、なんとか、この蓋がもつうちにと登りのスピードを速めるのでした。そしてようやく扉に到着、ハンドルを握って開こうとしたのですが、ついにその時手袋が外れて大量の吸血こうもりがシャフト内に侵入!ロッソに襲い掛かるのです。

 ロッソは顔面をえらいことにされながらもなんとか最後の力を振り絞ってエレベーターの扉を開けることに成功します。しかし力尽きたロッソ、ぐらりと揺れてシャフトの底へまっさかさま。エレベーターボックスの天井に激突します。そして点検口から血まみれの顔がだらーり。「ひいいい、あなたー」嘆き悲しむキャリーの悲痛な姿を見よ!

 いやいやゆっくり見ている暇などありませんよ。直後、シャフトからこうもり群が襲いかかってきたのですから。もう防ぐ手段もなにもありません。ただただ逃げ惑うのみです。そしてこうもり群がようやく引き揚げた後、生き残ったのはカズンズ、メイズ、クレア、少佐、クリスマンの5人だけだったのです。

 救難信号を受けて飛んでくる陸軍のヘリコプター。兵士達が施設に来て、生存者たちを地上へ運びあげます。そんな中、むなしく響くビデオのお姉さんの声。「さあ、選ばれた生存者のみなさん、おはようございます。いよいよ二週間目の始まりです。ではみんなでこの一週間を振り返ってみましょう・・・」

 エンドクレジット。おしまい。

 なんとも酷い映画で、天然の洞窟使ってシェルター使ったら偶然吸血こうもりがいました。テストのプログラムの中に偶然に停電実験がありました。その停電で照明が消えたので吸血こうもりが大喜びで侵入してきましたというのはいくらなんでも偶然を重ねすぎ。いくらこの手の映画だからといっても最低のラインってものがあるんですよ。

 カラー・スクイーズワイド モノラル音声。 画質は今ひとつ。発色に力がなく暗部にざわつきがあります。音質は標準レベル。英語字幕、クローズドキャプションつき。The Earth Dies Screaming 1965とのカップリング。MGMミッドナイトムービーシリーズのDVD 

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『燃える大陸』(『Lost Continent』 1951)

 

『燃える大陸』(『Lost Continent』 1951

元祖コマ撮り恐竜映画。シーザー・ロメロも出てきて、大変に面白いですから坊ちゃん、嬢ちゃん、楽しく御覧なさい。

ホワイトサンズの陸軍実験場から史上初の原子力ロケットが発進します。もちろん、定番のV-2ロケット発射実験のフッテージですが、最初っから細かいことを言っていてはこの手の映画は見られませんよ(笑)。

 当初、順調に飛行を続けていた原子力ロケットですが、突然コースを外れ、行方をくらましてしまったのです。実験の責任者であるマイケル・ロストフ博士(ジョン・ホイト)は「あかん、あのロケットは機密の塊みたいなもんや、あれをヨソに取られてみい、アメリカ破滅しますがな」と青ざめます。軍上層部も大慌てで、急遽捜索隊を編成して送り出すことになりました。

 その捜索隊のメンバーはロストフ博士、スタンリー・ブリッグス博士(ホワイト・ビッセル)、ロバート・フィリップス博士(ヒュー・バーモント)の科学者三人とそれを補佐する軍人三人ジョー・ノーラン少佐(シーザー・ロメロ)、ダニー・ウィルソン大尉(チック・シャンダー)、ウィリー・タトロー軍曹(シド・メルトン)の合計6人。国の運命を左右するロケットを探しにいくにはちょっと人数が少なすぎやしませんかってんだ(笑)。

 ちなみにこの軍人三人、それぞれ女を口説いていたところ(ノーラン少佐)、一ヶ月の休暇旅行に出かけようとしていたところ(ウィルソン大尉)、飛行機キチガイで愛機の整備に勤しんでいたところ(タトロー軍曹)を命令の一言で呼び集められたので、もうぶーぶー文句を言っております。

 さて、C-47で飛び立つ捜索隊。目指すはレーダーが原子力ロケットを見失った地点。ノーラン少佐が「ほな、皆さん、このあたりでロケット見失いましたので、それぞれ窓から外覗いて探してくださいな」そんなんで見つかるのかと思いますが(笑)、みんな一生懸命下界を眺めております。その時突然、叫ぶタトロー軍曹。「ん、なんや、なんや、わての時計が狂うてしもうたで、これミナミで高かったのに、どうなっとるんや」さらにブリッグス博士が「うわあ、ガイガーカウンターにえらい反応きてますやんか、こらロケットの放射能や」みんなは正直、タトロー軍曹の腕時計なんてどうでも良かったのですが、放射能と聞いてはそうも行きません。「近くにロケット落ちとるで、探せ、探せ」

 しかし、この時放射能のためかC-47のエンジン・操縦系統も駄目になってしまったのです。ノーラン少佐、なんとか高度を維持しようとしたのですが、とても無理。C-47は眼下の島に向ってどんどん降下していきます。「落ちるねんて、落ちるねんて」ちゅどどどーん。深いジャングルの中に不時着するC-47

 幸いなことにこの酷い不時着の仕方でも全員無傷(笑)。さすが戦争に勝った国の人は違いますな。早速周辺のどこかにある筈のロケットを探すことになります。ところがさっきあれほど強い反応を示していた放射能が不時着後にすっかり消えてしまいました。これではロケットがどこにあるか分かりません。しかし、まことに持って都合の良いことに、すぐ近くに原住民の村があり、たまたま宣教師学校に通って英語を習っていた娘に会うことができたのです。その娘によれば火を吐く鳥が飛んできた。これは凶兆に違いないというので他の村人たちはみんな逃げてしまったそうな。彼女は弟と怪我をした父親を介護するために残っていたというのです。

火を吐く鳥というのはもちろん、原子力ロケットのことですね。

 「ほ、ほな、その火を吐く鳥はどこへ行ったんや」と娘に尋ねる少佐。娘はある山を指差して「あの聖なる山に飛んでいったんや、でもあそこはうちらの言い伝えで神の家やからいうて、タブーになっておりますんや」少佐たちにはタブーは全然関係ないですから、「ほんじゃ、山、登りまひょか」

 これから延々と山登り。非常に険しい崖をロープを使って必死によじ登ったりします。これで日頃運動していない科学者陣の一人が足を滑らせて崖下へ転落。即死なんてことになるかと思っていたら、そういう盛り上げは一切なし。その後もなんの工夫も捻りもない単調な登山が続くのです。

 ようやく退屈な一日が過ぎて野営をします。雷鳴の光でロストフ博士が一瞬目撃したもの。それは恐竜でしたって、どう見たってフツーのトカゲで巨大感も何もありゃしませんので、ここでもまったく盛り上がらないのです(笑)。この後ノーラン少佐と「本当に見たんですのん?見間違いやないのですか」「いや、ほんまに見たんや」というやりとりがあって、皆さん、寝てしまうという・・・。

 翌日もやっぱり山登りって、観客なめとんのか、コノヤロー。

この後も延々山登り。崖をよじ登っていたブリッグス、突然苦しそうな息をし始めて、腕から力が抜けたかのようにずるずる滑り始めます。「あかん!」とロストフ博士がとっさにその腕を掴んだのですが、滑落は止まらずついにブリッグス、「ぎゃあああ」と崖下へ落下してしまいます。ロストフ博士はノーラン少佐に「彼は心臓があかんかったのや」と説明するのですが、少佐は納得せず「ひそかにこの博士が突き落としたんちゃうか」と疑惑を抱くのです。

 いや、ちゃんとロストフ博士がフィリップを助けようとした場面があるのですから、この疑惑にはまったく正当性がありません。ちょっとちぐはぐな脚本ですね。

 その後もまたえんえん山登り。5分ほどもだらだら登った挙句ようやく頂上にたどり着くことができました。しかし、その光景は予想とはまったく違ったもの。山の頂上は先史時代のジャングルに覆われていたのです。思わず、「お、ほな、これが失われた大陸ちゅうやつでっかいな」と浮かれる軍曹。一行は早速フィリップのガイガーカウンターを頼りにロケットの捜索を始めます。

 この時ウィルソンに自分の疑惑を話すノーラン。「ロケットの専門家ちゅうたら三人しかおらんやったやろう。それでブリッグスがあないなことになって、今度フィリップスに何かあったら専門家はロストフ博士一人や、わてらにはロケットのこと、なーんも分からんからごまかし放題やで、あいつ、何かたくらんどるのと違うんか」あまり興味を示さないウィルソンでした(笑)。

 ロケットを探しているうちにどんどん反応が強くなってくる放射能。どうやら近くにウラン鉱があるのではないかということになります。飛行機を墜落させ、軍曹の時計を止めたのはこのウラン鉱だったらしい。ノーラン少佐、「ロストフ博士、あんた、ウラン鉱めあてに原子力ロケット撃ちこんだんかい」とまた訳の分からぬことを言い出します。みんなに軽く無視されましたけど(笑)。

 ちなみにガイガーカウンターによる放射能反応は2万ミリレントゲン。フィリップは「なあにこれくらいだったら大丈夫ですねん」と言って笑っていたけれども、本当に大丈夫か。

 さて、いい加減飽きたところで(笑)ようやく変事発生。巨大な足跡が見つかったのです。それを見て青ざめるロストフ博士、「こんなん博物館でしかお目にかかれんわ、これ、ブロントサウルスの足跡やないか」じゃあ、近くにそんなブッソウなものがいるのかとびびった一行、先を急ぎます。しかし、いくらも行かないうちに軍曹が「あ、あれはなんですのん!」と前方を指差したのです。はい、ようやくブロントサウルス登場。ブロントサウルス、木の葉っぱを食べていたのですが一行を見るなり「ぱおーっ」と吠えて襲ってきます。「きゃああ」「あかん!」と逃げ散る捜索隊。ここでフィリップが逃げ遅れた!彼はとっさに近くの木によじ登るのですが、そんなことにごまかされなかったブロントサウルスは激しく頭突き攻撃です。探検隊はライフルで一斉射撃。ブロントサウルスをなんとか追い払ってフィリップを救出することができました。

 この時銃弾を受けたブロントサウルスの頭部からだらだら血が流れます。妙に残酷です(笑)。

 こらたまらんということで捜索隊は小高い岩の上で野営することとなりました。翌朝、眼を覚ましたノーラン少佐は愕然とします。科学者二人の姿がなかったからです。見張りのはずの軍曹はグーグー寝ています(笑)。彼はみんなを叩き起こして科学者二人を探すのでした。「奴ら、わてら出し抜いてウラン鉱をどうにかするつもりなのや、ゆるさん、エライ目に会わせたる!」ぷんぷんしながら探すノーラン。二人はすぐに見つかりました。フィリップが岩の隙間に足を突っ込んでしまい身動きできなくなっていたのです。ノーランはさっそく「あんたら、いったいどういうつもりなのや」と怒鳴ったのですが、フィリップの説明によると彼が恐竜の写真を撮影しようと無断で出てきたそうで、ロストフはそんな彼を止めるべく追ってきたというのです。

 捜索隊はフィリップの足をなんとか引き抜こうとします。ところがそこに現れたのがトリケラトプス。トリケラトプスはやっぱり捜索隊を発見するとウォーと吠えて襲ってきた・・・と思いきや、直後に現れた第二のトリケラトプスに突っかかっていったのです。巻き起こるトリケラトプス同士の戦い。角で突きあいたちまち血だるまとなるトリケラトプスたち。この隙にフィリップの足を引きぬいた捜索隊、彼を抱えて逃げ出したのでした。

 一応の危機を脱したノーラン、ロストフ博士に疑っていたことを謝罪します。ふっと寂しげに微笑むロストフ博士、「まあ、わてが亡命ロシア人やからな、あんたがそう思うたのも無理はない。それにわては迫害にはなれっこや。第二次大戦ではヒトラーの強制収容所に入れられた。戦争が終わったら今度はソ連の強制収容所や、妊娠中だった妻もそこで死んだわ。それでわてはロシアを見限って亡命してきた。あの国はわてのような国民の期待を見事に裏切りおった。そんな国に未来はないで!」

 述懐がいつの間にかアカラサマな共産ソ連批判になるところがいかにも時代であります。

 その後、また延々とロケットを探す捜索隊。もはや食い物も弾丸も底を尽き掛けております。そんな時軍曹が「あ、あれは翼竜やないですか、あれ撃って食いましょ」さっそくライフルでズドーン。翼竜落下します。さあ、焼いて食おうか煮て食おうか、はたまた思い切って生で食おうかと落ちた翼竜を探していますと、はい、代わりにロケットが見つかった。翼竜のことは綺麗さっぱり忘れて「さあ、中から装置外してデーター回収するのや」と張り切る捜索隊ですが、なんと悪いことにブロントサウルスが再出現。さらに二頭のトリケラトプスまでやってきた。

 ノーランはすばやく作戦を立てます。「軍曹とウィルソンはライフル撃ちまくれ、やつらがひるんだ隙にわてが二人連れてロケットへ入るわ!」まあ、作戦と言うほどのものではありませんか(笑)。その言葉通り軍曹とウィルソン大尉はライフルで乱射。恐竜達はたまらず引き下がります。「それ、今や」ロケットに走り寄った三人、外部パネルを外してロストフとフィリップが中へもぐりこみました。ノーランはライフルを構えて油断なく周囲に目を光らせています。ここで恐竜たちが戻ってきて装置が外れるのが早いか、恐竜に襲われるのが早いか手に汗握るスリル・スピード、サスペンスという展開になるとなると思いきや案外カンタンに装置外しちゃった(笑)。

 そしてその装置からさらにデーターを取り出すロストフ博士。このデーターとやらが紙っきれだったのには大笑い。いくら1951年の映画でもこれはないんじゃありませんか。

 さあ、任務終了だ。後は帰るだけとほっとする捜索隊の面々でしたが、その直後に悲劇が起こりました。戻ってきたトリケラトプスが軍曹を襲い、ぐしゃぐしゃに踏み潰してしまったのです。慌ててライフルで追い払ったのですがあわれ軍曹、まもなく絶命してしまいました。

 彼を埋葬して、「いつまでも悲しんでいても仕方ないわ、とっとと帰ろうやないけ」また延々山を降りるという・・・。こんな山登って降りてばかりいる映画も珍しいよ(笑)。とここで思いもよらぬことがおきました。聖なる山が唐突に爆発したのです。どうやら火山活動の熱とウラン鉱脈が反応したらしく地割れが起こるわ、山崩れが起こるわ、物凄いことになってしまいました。今や4人となった捜索隊。落ちてくる岩を避けながら降りていきます。ごっ、あ、ノーラン少佐の頭にこぶし大の石が命中した!でも少佐ったらなんともないの(大笑い)。

 さあ、急げや、急げ、降りろや降りろ、ついに地上に戻った4人。しかし鳴動は収まりません。凄まじい地震が起こり、下の地面も地割れを起こし始めたのです。例の村ももうむちゃくちゃです。「あかん、あかんがな、そうや、あの村にはカヌーがあった、あれで逃げるのや」カヌーがあることをどうやって知ったのかと思いますが(笑)4人はたまたま都合よく残っていた一隻のカヌーに乗り込んで海に逃れたのです。海底火山のフッテージが流されて、ありゃ、あの島海底に沈んでしまったのかい?びっくりしている私を尻目にエンドマーク。

恐竜のぎくしゃくとした動きが微笑ましい好編(そ、そうか)。延々と山を登るという暢気な展開にも心が癒されます(ほ、ほんとうか)。


 モノクロスタンダード。モノラル音声。画質は黒浮きが激しくまたフィルムの傷もそのまま残っている箇所があり、あまり感心できたものではありません。音声はクリア。非常に台詞が聞きやすいです。日本語字幕付

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エロの冒険者 
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