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2008年11月 2日 (日)

『モンスター・パニック』(『Monster』 1980年)

 

『モンスター・パニック』(『Monster』 1980年)

                      

 怪しい薬の影響でシーラカンスがモンスターになるという映画。このモンスター、人を殺すだけでは新味がないと考えられたのか、モンスターの分際で人間の女性を犯してしまうのです。シーラカンスが怪物になって女とすこぱこ、こういう発想が人間を進化させるのです(そ、そうか)。

海草を掻き分け、掻き分け海中を進む何か。場面がぱっと砂浜に移ってここでタイトルがでます。オープニングクレジットの間に網を繕ったり魚を水揚げしたりという港町ノヨの風景が描写されて、登場したのが本作の主人公であるジム・ヒル(ダグ・マコリー)。このノヨという港町、最近魚がめっきり獲れなくなっておりまして、みんな困り果てております。その隙に付け込んだのがキャンコ社という大企業でありまして、付近に缶詰工場を建設、大型船を使って大量に捕らえた魚を缶詰にして大儲けを狙っております。町の人々は「そうなりゃ、この町にも活気が蘇る」と期待しているのですが、やっぱりどこにも反対するものがおりまして、この中心的人物というのがインディアンのジョニー(アンソニー・ぺナ)であります。

 もっともこのジョニー、私利私欲で反対している訳ではありません。缶詰工場の建設予定地というのが彼らの先祖代々伝わってきた土地でありまして、彼らは「先祖の土地を汚すな、返せ」と裁判を起こすつもりだったのです。だから推進派の面々とはもう犬猿の仲。特にリーダーのハンク・スラッタリー(ヴィク・モロー)はジョニーのことが大きらい。「いつか、あの○○○○○○野郎をぶち殺してダイチョー引きずり出す」と常々公言しているのでした。

 さて、状況説明が終わったところで(笑)キャンコ社の大型漁船が出港します。そして底引き網量を始めたのですが、なんとしたことか網が上がってこない。なんだなんだと思ったら実はバイトの子供ジャッキーがウィンチのモーターにガソリンを入れ忘れていたという・・・。父親に「バカモン、はやくガソリン入れんかい」と怒鳴られたジャッキー、慌てて給油するのですが、その時網が逆に海に引きずりこまれたのです。驚いたパパ、「ジャッキー、コッチに来て引っ張るのを手伝え」ジャッキーはお父さんの命令に素直に従ってロープを引っ張るのですが、彼はパパの命令に忠実でありすぎました。すぐに手伝えといわれたのでガソリンの缶を放り出して駆けつけたのです(笑)。どくどくと甲板にこぼれるガソリン。

 さあ、ロープを引っ張るジャッキー、しかし、そのロープがこれまでになく強い力で引っ張られてジャッキー、海中へ転落。何者かに引きずりこまれてしまいます。そして沸いてきたのは多量の血。「こらあ、いかん、遭難信号を出さなきゃ」と他の船員が慌てて信号弾を用意します。しかし甲板に走り出てきた瞬間、こぼれていたガソリンに足を滑らせて転倒、うっかり引き金を引いてしまいました。発射された信号弾は甲板に溜まっていたガソリンに引火、漁船は大爆発です。

 なんか、コントみたいですな(笑)。保安官は早くも「この事故、反対派の奴らが仕組んだんじゃないだろうな」と疑っているという・・・。

 さらに変事は続きます。その夜外へ出たジムの犬、バロンがジャッキーを襲ったヤツに捕まって殺されてしまったのです。翌朝、戻ってこないバロンを心配して妻キャロル(シンディ・ウェイントラウブ)とバロンを探すジム。彼らは家の周囲に黄色い粘液のようなものがついているのを発見して首を捻ります。さらに犬を探して海岸へ行くと、はい、見つけました。海草に覆われて濡れたぬいぐるみのように見える(笑)バロンの死体を!そして犠牲になったのはバロンだけではありませんでした。町の犬達がことごとく殺されていたのです、ジョニーの犬だけを除いて。もちろん、これでハンクたちはジョニーの仕業だと思い込むのです。

 でも実際、なんでジョニーの犬だけ無事だったんスかね。

 さて、こんな騒動の種をはらみつつ開催されたヨノ第75回サーモン祭ダンスパーティ。市長がキャンコ社のボーデン社長、顧問のエドワーズ、そしてキャンコ社の女性科学者、なんとサーモンを二倍の大きさに二倍の速度で成長させる研究を完成させたというスーザン・ドレイク博士(アン・ターケル)を紹介します。もうこの時点でこの研究があれの原因ではないかと分かる親切なつくりになっております(笑)。

 紹介が終わってダンスパーティが開始。和やかな雰囲気で住民はみんな楽しんでいたのですが、そこに現れたのが死んだ犬抱えたジョニー。彼はハンクにすたすた近づいて「俺の犬が死んだぞ、お前、何か知っているだろ」ハンクも彼を冷たく見返します。「そういや町の犬がみんな死んだな、そっちこそお前のせいじゃないのか」これでジョニー、カッとなりまして、「白人、いつもそうだ、インディアン、いじめる、犬、殺す、祖先の土地、奪う、インディアン、許さない、あの土地、裁判起こして取り戻す、缶詰工場なんて作らせない、インディアン、頑張る!」 なんで言葉使いが急に変わるのか(笑)。

 これでジョニー、ハンクたちに袋叩きにされそうになるのですが、加勢に入ったのがインディアンたちに同情的だったハンク。二人でハンク一派と大乱闘です。結局この騒ぎは保安官によって鎮められたのですが、両派の対立はもはやのっぴきならぬところまで来てしまったようです。

 翌日、ボートを使ってこっそりジョニーの家の様子を伺うハンク。どうやら反対派のインディアンたちの集会が開かれているらしい。話し合いの様子を盗み聞きしてみると「大物弁護士のローリーが無報酬で弁護を引き受けてくれた、これで準備はばっちりだ、きっと勝てるぞ」ハンク、びっくりして酒場へ行くと仲間たちにこのことを話します。そして「こうなりゃ、奴らをやっつけるしかない」という実に短絡的で暴力的な結論に至るのでした。

 一方、ハンクはキャロルと一緒にボーデン社長、エドワーズ、スーザンを招待してトローリングを楽しんでおります。と、ボーデン社長の竿に大物が。張り切った社長、一生懸命リールを巻くのですが、惜しいことに水面近くで糸を切られてしまいました。ハンク、その逃げた魚のシルエットを見て疑問に感じたらしく、その瞬間をカメラに捉えたスーザンに「早く現像してくれ」と頼みます。

 さあ、次はいよいよ人間の番だ。海岸でさんざんいちゃついて見る物をいらいらさせていた水着のカップル、ジェリー(ミーガン・キング)とリンダ(デニス・ガリック)が襲われたのです。ジェリーは顔面を丸齧り、リンダのほうはというと、モンスターにどこかに引きずられていって、激しく犯されてしまったのであります。冒頭、海草の茂みを掻き分けていたモンスターでしたが、今度は別の茂みを掻き分けたということですな、うひひひひ。この後、海岸でテントを張ってキャンプしていたカップルも襲われてやっぱり男は惨殺され、女は犯されたのでありました。

 さて、ジョニーのほうはどうなったかというと、ハンクの息子トミー(ブレック・コスティン)、そのガールフレンドペギー(リン・シール)を家に招いてお魚パーティをやっております。そこにボートでやってきたのがハンクとその仲間たち。火炎瓶に火をつけて「この○○○○○○野郎、死ね」とジョニーの家目掛けて放り投げたのです。これが上手く命中してちゅどちゅどちゅどどどどーんと大爆発。一体どんな火炎瓶やねん(笑)。ジョニーとトミーは急いで消火にかかります。ペギーはトラックで町に応援を求めに行くことになり、急いで出発。

 しかし、ここでやっかいなことにモンスターが現れた。モンスターはトミーを襲います。ジョニーは斧を怪物の頭にぐさりと突き刺し(笑)あまつさえ、ライフルを乱射してモンスターをなんとか撃退したのでした。一方、町へ急ぐペギー、と、ここで突然モンスターが飛び乗ってきたのです。ということはこのモンスターは複数いるということですかね。

モンスターに襲われて動揺したリンダ、運転を誤って橋から転落。ぼかーん、トラック大爆発で即死です。ヒデー。

 翌朝、港ではハンクたちがリンダは黒こげ、ジェリーとペギーのカップルも行方不明だ、こりゃまたどうした訳だ、世の中間違っとるよーと大騒ぎ。トミーのことを心配したジムもスーザンと共に現れます。そしてそこに最高のタイミングで現れたのがジョニー、彼はボートで大怪我をしたトミーを連れて帰ってきたのです。ハンクたちはすぐさま、またあのインディアン野郎がやりやがったとジョニーを取り囲むのですが、ジョニーは必死で、モンスターだ、トミーはモンスターにやられたんだ、2メートルもあって、家も焼かれてしまった。ここでぎくりとするハンクたちですが(笑)幸いジム・スーザンには気付かれなかったようで。

 この説明を聞いてピンと来たらしいスーザン、ジムとジョニーの三人で彼の家を調べることになります。しかし、家の周囲には何も残っていません。スーザンは「それだけ大きな体の生物だったらたくさんの餌が必要よ。川の魚じゃ間に合わないわ」 三人は続いて海を調べることになります。当てもなく船を走らせるうちに海岸の崖を見つけたスーザン、「あの崖の下には洞窟があるわ、ちょっと調べてみましょう」この妙に確信がありそうなスーザンの態度に不審を覚えたジム、「何か知っているのか」と問いただすのですが、スーザンは何も答えてくれません。

 ゴムボートで上陸、件の洞窟を調べようとしたら、砂浜からいきなりモンスター三匹が出現。なんだ、洞窟に棲んでいる訳じゃないんだ、海岸に海草いっぱい敷き詰めて中に潜り込んでいただけなんだ(笑)。ジョニー・ハンクたちは驚きながらもライフルを乱射してモンスターを退治。そして海草の中から囚われていたペギーを発見、病院へ運び込んだのです。

 その後、スーザンの研究室でようやく明らかになる真相。スーザンの研究していたサーモンの成長を二倍にする成長遺伝子DND5の実験中、高潮でタンクが壊れて三千匹ものサーモンの実験体が海へ逃げ出していたのです。それをサーモンよりも下等な魚、シーラカンス!!が食って、あのようなモンスターに進化していたのでした。そしてさらに恐ろしいことを言い出すスーザン。「彼らが女性を攫ったのは交配するためかも知れない」そうです、その通りです。僕らは知っていますとも、何せモンスターがペギーとヤッてましたからな(笑)。

 さて、こんな騒ぎをよそにサーモン祭本番の夜がやってきました。港では観覧車がぐるぐる回ってマーチングバンドも大行進。出店も一杯出て人々は笑いさんざめきながら一年に一度限りの夜を楽しんでおります。と海面にぽかりと現れた無数の怪しい影。奴らがやってきたのです。

 ジムとスーザンはトラックで祭会場へ急行。なんだなんだといぶかしがっているハンクたちのまえにどさりとモンスターの死体を投げ出します。「俺たちはこいつらに狙われているんだ」と叫ぶと観衆はどん引き(笑)。その途端、足元の板をブチ破ってモンスターが現れるという調子の良い演出に私は大喜びですよ。

 続々と上陸してくるモンスター群。男は殺し、女は犯す!この祭で選ばれたミス・サーモンもビキニの水着引きちぎられてオッパイ丸出しで会場を走り回っております。しかし、人間側も手をこまねいていた訳ではありません。ライフルで応戦したり、杭や棒でモンスターを殴ったりしております。ミス・サーモンも拾った石でモンスターの頭をがすがすやるという・・・。さらにジムとスーザンは海上にガソリンを撒き始めました。これでモンスターを焼き殺そうというのですが、見ての通りモンスターは陸上で人間襲っているのです。あんまりこの戦法は役に立たないと思うのですが(笑)。

 一方、ジムの家にもモンスターが迫っていました。赤ん坊を抱えたキャシー、怪しい気配を感じて怯えております。

 ハンクは海に落ちかかっている少女を救出します。しかし、その時足をモンスターにつかまれてしまいました。危うし、ハンク。しかしその時彼を救ったのは仇敵である筈のジョニーでした。彼はライフルでモンスターを撃退し、ハンクに手を差し伸べたのです。

 一方スーザンは信号銃を海に向けて「何時までもお前たちの勝手にはさせないわ、正義は必ず勝つのよ!」と叫んで発射。あっという間に火の海となります。でも、いった通りモンスターのほとんどは陸上にいるのでやっぱりあんまり役に立ってないですよ(笑)。

 ついにキャシーを襲うモンスターたち。キャシーは赤ん坊を部屋に隠して包丁で応戦。キャー、キャー、ざくざく、助けて、ジムー、ざくざく、あ、結局一匹を切り刻んで殺しちゃった(笑)。残りのモンスターは退却したかと思われたのですが、ああ、またドアをどんどんたたき出した。入ってくる、今度こそ駄目だ、ひー、それはジムでした。家に残してきた妻が心配になって駆けつけてきたのです。

 翌日、死傷者多数の大被害を受けた港町で救助活動が始まりました。ジムはキャシーと共にその様子を眺めながら「あれが最後の一匹とは限らない。もし、馬鹿げた遺伝子研究が続くならあのモンスターと同類の怪物が世界のどこかに現れるかも知れない」とどこかで聞いたような台詞を言うのでした。

 この後、ぱっと病院に場面が移って臨月のペギーがひっひっふー、ひっひっふーとやっていてまさに出産せんとすというところ。看護婦やお医者さんが「頑張って、もう少しよ」と声を掛けるのですが、もちろん、生まれてくるのが普通の赤ん坊である筈がない。ペギーのデカイ腹がさらにぼこりと膨らんで、びりびり裂け始めます。「ぎゃああああ」悲鳴を上げるペギーの腹から飛び出してきたのは血まみれのモンスターの子供でありました。エンドクレジット。

 このペギーの出産、事件からどのくらいの時間が経過していたのでしょうか。お医者さんたちは行方不明のままのジェリーの子供だと思っていたのでしょうか。でもモンスターの子供なら成長が異様に早くってすぐにそれと分かる筈なのですが。まあ、正直どうでもいいですけどね(笑)。

 カラー・スタンダード。モノラル音声 レンタル落ちVHSソフトなので画質・音質とも評価外。日本語字幕付。 

 エロの冒険者 
       HOMEPAGE http://homepage3.nifty.com/housei/ 
      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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