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2009年1月30日 (金)

『カリガリ博士』(『Das Kabinett des Dr.Caligari』 1919年ドイツ』)

 

『カリガリ博士』(『Das Kabinett des Dr.Caligari』 1919年ドイツ』)

 ローベルト・ヴィーネ監督による、ドイツのサイレント映画であります。本作品は、一連のドイツ表現主義映画の中でも最も古く、最も影響力がある代表作であると位置づけられており、芸術的な評価も極めて高い。皆さん、そんな傑作映画なのですから、いつものように鼻くそをほじりながら読んだりしてはいけませんよ。

 羽織袴に裃でとまでは言いませんが、せめて正座くらいはしてくださいな。

ぼんやりと座っている二人の男。その一人が「私は亡霊に取り付かれて家族を捨てる羽目になった」と呟きます。と、その時彼らの前に現れた美しい女性。もう一人の若い方の男が「あれは私の婚約者です。私と彼女はあなたよりもっと恐ろしい体験をしたのです。これからそのお話をしましょう」

 「舞台は僕の故郷ホルステンヴァル、事件が起こったのは街にカーニバルがやってきた時でした」

 歪んだセットが印象的な街並。ここにこつこつ杖を突きながらやってきた男(ウェルネル・クラウス)。部屋の中で本を読んでいるのは主人公フランシス(フリッツ・ファーウェル)の友人、アラン(ハンス・フォン・トヴァルドヴスキー)であります。彼は外出した際にカーニバル開催を知らせるチラシを受け取りフランシスに「一緒に行こう」と誘いかけたのでした。一方、杖をついている男、役場に行きまして職員に名刺を差し出します。カリガリ博士と記された名刺を眺めた職員は「それで、一体全体何のようだね」「はい、カーニバルで興行を打つ許可を頂に参ったのです、カリガリ」「で、どんな出し物やるの」「夢遊病者のショーでございます、カリガリ」

 あんまり面白くなさそうな見世物であります(笑)。

 さて、このカリガリ博士のショーがオープン。博士はベルを鳴らしながら「さあさあ、寄ってらっしゃい、見てらっしゃい、カリガリ、驚異の夢遊病者チェザーレ(コンラート・ファイト)、25年間眠りっぱなしのチェザーレですよ、カリガリ」ここで「この夜から奇妙な連続殺人事件が始まった」という不気味なテロップ。その第一の犠牲者になったのはあの役場の職員でした。

 アランとフランシスはこの見世物の観客となります。カリガリ博士は縦に置かれた棺桶に入っている男に「さあ、チェザーレ、目覚めよ、ご主人様の命令だ、カリガリ」うっすらと目を開けるチェザーレ。そして棺桶から出てきたので観客は「おおーっ」とびっくり。やっぱりあんまり面白くないや、これ(笑)。

 カリガリ博士は「彼は預言者であります、カリガリ。どなたか未来を占って欲しい方いらっしゃいますか、カリガリ」これでよせばいいのに出て行ったのがアランですよ。彼は心配そうなフランシスに構わず「僕は何時まで生きられるのだ」と尋ねます。チェザーレは目を大きく見開いて「お前は夜明けまでに死ぬのだ!」「ええ?マ、マジっすか!」仰天したアランとフランシス、早々に退散します。帰り道、後々フランシスの婚約者となるジェーン(リル・ダゴバー)がいつの間にか一緒になったと思ったら、次の場面にはまた二人に戻っているという(笑)。

 アランとフランシス、ジェーンを巡ってオダヤカな三角関係になっておりまして「僕たちは同じ女性を好きになってしまったけれども、どちらが選ばれてもずっと友達でいよう」なんて言ってます。しかし明け方、アランは部屋で何者かに刺し殺されてしまったのでした。

 この知らせを受けたアランは大ショック。「これはチェザーレの預言どおりじゃないか」彼はジェーンにアランの死を知らせます。そしてカリガリ博士とチェザーレのコンビが怪しいということで、彼女のパパと協力して調べ始めるのです。二人はカリガリ博士の部屋へ。カリガリ博士、かいがいしくゴハンの用意をして棺桶から起き上がったチェザーレに食べさせているのがおかしい。二人は小屋の中に踏み込んで「何ですか、あんたたちは、カリガリ、私とチェザーレが何をしたというのです、カリガリ」と文句を言う博士に構わず家探しです。

 しかし、この時二人に入ったニュース。それは殺人犯が捕まったという知らせでした。ならばカリガリ博士とチェザーレは事件に関係ないのか、首を捻りつつ引き上げることになります。二人を見送ったカリガリ博士はニヤー。

アランとパパは警察に駆けつけて件の犯人と対面します。しかし犯人、「おらあ、婆さんを確かに殺そうとした。でもそれは例の連続殺人犯に罪を着せるためだ。誓って前の二人は殺してねえ」

 この後ジェーンはカリガリ博士の見世物テントへ。「父がいるのではないかと探しに参りましたの」カリガリ博士はまたニヤーっとして、「そうですか、では入ってお待ちなさい、カリガリ」カリガリ博士、彼女にチェザーレを見せます。彼女はその異相に悲鳴を上げて逃げてしまいました。

 葬式が済んだ夜、やっぱりカリガリ博士に対する疑いを捨てきれないアラン、ご苦労様なことにカリガリ博士の家へ行って見張っております。窓から覗いてみるとなるほどカリガリ博士が「カリガリ、カリガリ」と鼾を書きながら寝ておりますな。しかし、この間にチェザーレは出動していたのです。それもジェーンの部屋へ。チェザーレ、ナイフを振り上げます。ジェーン、絶対のピンチかと思いきやチェザーレ何故かためらいナイフを降ろしてしまいました。その代わりといってはなんですが(笑)彼女を抱えあげて逃げ出したのです。目を覚ましたジェーンは凄まじい悲鳴を上げます。

 この悲鳴で目を覚ました彼女のパパとママ、そして使用人たちがチェザーレを追いかけます。チェザーレ、夢遊病者のくせにやたらに足が速いのですが、さすがに逃げ切れないと思ったのかジェーンを放り出してしまいます。身軽になって逃走再開したのですが、足を滑らせて谷底へ転落してしまったのでした。

 急を聞いてジェーンの元へ駆けつけるアラン。彼女を襲ったのがチェザーレだと聞かされた彼は「そんな筈がない。僕は見張っていた。彼はカリガリ博士と一緒だったはずだ」アランは警察署へ言ってあの婆さん殺し未遂の犯人が留置場にいることを確かめます。「じゃあ、やっぱりチェザーレなのか」彼は警察官達とカリガリ博士の家へ。そして「そんなことをされては困ります、カリガリ、チェザーレは寝かしたままにしてやってください、カリガリ」と抗議する博士に構わずチェザーレの寝床である棺桶を開けてみますと入っていたのは「これ、に、人形じゃん!」

 カリガリ博士、脱兎のごとく逃げ出します。追いかけるアラン。博士は春になって頭の中におかしな汁が出てきたような人たちが収容される病院、すなわち精神病院に逃げ込みます。彼の姿を見失ったアラン、医者や職員達に「この病院にカリガリ博士という患者はいないか。何、患者の身元が分かるのは院長だけ、だったら院長に合わせてくれ」しかし院長室で院長と対面したアランは驚きのあまり「しぇーっ」と飛び上がります。この病院の院長、それはカリガリ博士だったのです。

 その夜カリガリ博士が寝ている間、アランは医者達と院長室に侵入。記録を調べ始めます。そこから判明したのは院長は前々から夢遊病者を操って殺人を犯すという恐ろしい野望を抱いていたこと。彼は夢遊病者の患者、すなわちチェザーレを手に入れたことでその野望に着手したことなどが分かります。院長はチェザーレを手に入れた時点でカリガリ博士となったのです。

 この時アランたちへチェザーレが谷底で死んでいたという知らせが届きます。アランたちはその死体を引き取り院長室へ運び込んだ!「カリガリ、チェザーレは死んだ、お前もおしまいだ、おとなしくお縄につけぇ!」これでカリガリ博士は「カリガリ、カリガリ、カリガリ、カリガうきいいいい」と大錯乱。医者達の手によって拘束服を着せられ病室へ叩き込まれてしまいました。

 さて、冒頭に戻ってあれ、これは良く見ると回想場面に出てきていた精神病院ではありませんか。おまけにチェザーレもいる。アランは恐ろしそうに「あれはチェザーレだ、彼に預言されると死ぬぞ」でもチェザーレは死んでいたのでは?さらにジェーンの様子もおかしい。アランが「いつ結婚してくれるんだい」と聞いたら遠い目をして「私たちは王家の人間なのよ、そんな勝手な結婚はできないわ」だって。なーんだ、これは○○○○の妄想だったのか。

 この時カリガリ博士が現れます。アランは「ああ、お前はカリガリ博士、これ以上お前に私の運命を操られてたまるか」襲い掛かります。そして医者達によって取り押さえられ拘束服を着せられたという・・・。彼を診察したカリガリ博士、いや、院長は「わしのことをすっかりカリガリ博士だと思い込んでいる。だめだ、こりゃ、次行ってみよう、次!」

 エンドマーク。

モノクロ・スタンダード 無声映画 画質はほめられたものではありませんが年代を考えると頑張っているほうか。 200811月に宝島社より発売されたムック 「ホラー映画の世紀」付録DVD

           エロの冒険者
       HOMEPAGE http://homepage3.nifty.com/housei/
      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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