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2009年1月29日 (木)

『Good Against Evil』 (1977)

 

Good Against Evil (1977)

 自分がそのような存在であるとは知らずに育った悪魔の娘と、彼女を愛した男の物語。前半は非常に面白かったのですが、後半でがっかり。物凄く中途半端に終わってしまいます。

1955年のニューヨーク 出産間近の妊婦、彼女は何かに酷く怯えているようであります。病院の外には彼女を見守っているような謎の男。妊婦はまた、大勢の人間から取り囲まれる幻覚を見ているようであります。分娩室に入った妊婦、苦闘の末に玉のような女の子を産み落としました。この子を抱き上げた看護婦がなぜかニヤー。

 その夜病室から抜け出す妊婦。ふらつく体を叱咤しつつ新生児室へ。そこで自分の赤ん坊を抱き上げようとした瞬間、「手をお放しなさい。何をやっているのです」あの看護婦です。妊婦はびくりとして振り返り「でも、この病院から赤ちゃんを連れ出さなきゃ」「赤ちゃんは大丈夫です、何も心配はいりません」妊婦、看護婦の眼光に怯えたのか「ひいい」と悲鳴を上げて逃げ出します。そして階段に差し掛かった時、病院の中なのに突然の強風が吹いて彼女を叩き落してしまったのです。妊婦は絶命します。

 場面はぱっと変わって何やらパーティに興じている人たち。ん、この場所、このひとたち、妊婦が見ていた幻覚と同じです。一体彼らは何者なのでしょう。と、ここに赤ん坊を抱いたあの男レイモンド(リチャード・リンチ)が登場。彼は部屋の隅にしつらえたサタンの像に赤ん坊を捧げるかのように差し出します。そして「我らの務めはこの娘の守護天使とならんこと。彼女を完璧に育て上げなければならぬ」

 この謎めいたムード、いいですねえ。

 はい、ここで時代・場所が変わって1977年のサンフランシスコ。あの赤ん坊ジェシカ・ゴードン(エリッサ・デバロス)は22歳の立派な女性となってブティックで衣装デザイナーとして働いております。今日も今日とて五月蝿いクライアントの要望にこたえるべく働いておりますと外からがしゃんと言う音。この店の女社長が「ジェシカ、あんたの車が大変なことに!!」なんと、店の前に止めていたジェシカの車の左フロント部分にバンがぶつかっていたのです。店を飛び出したジェシカ、バンのドライバー アンディ・スチュワート(ダック・ランボー)に食って掛かります。「ちょっとあんた、何してんのよ、この車買ってからまだ500マイルも走ってないのよ」アンディ、まあまあと彼女をなだめ、「保険でちゃーんと修理するから安心してよ」

 彼は自分のバンの荷物室を調べて保険証書を見つけます。そしてジェシカに「いいニュースと悪いニュースがある。良いニュースは保険証書が見つかったこと」「それで悪いニュースって何なのよ」「二ヶ月前に期限が切れていた」ズッコけるジェシカ。アンディ、そんな彼女に自分のバンのキーを押し付けます。「良かったら僕の車を使ってていいよ、君の車は僕が預ってきっと綺麗に修理するから」アンディはジェシカがどう対処していいか分からずまごまごしているうちに彼女の車に乗り込んで走り去ってしまいます。

 しかし、彼の言葉に嘘偽りはなかった。その日の終業時間には車が元通りになって帰ってきたのです。しかも洗車・ワックス掛けのサービスつき(笑)。アンディ、この尋常ならざる出会いで彼女に一目惚れしたらしく、車検証にあった彼女の個人情報、名前、住所、電話番号等をフルに活用してアタック開始!って、これはストーカーだろう、お前(大笑い)。ジェシカ、しばらく無視していたのですが、あんまり彼がしつこいのでとうとうディナーを一緒にという誘いを受けてしまいます。

 そこで連れて行かれたのが日本料理店。アンディ、仲居さんに「アナタニオマカセシマス」だって。そして供される鍋とホット・サケで楽しく語り合う二人であります。アンディ、「僕はフリーのライターで独身さ」ジェシカ、「あたしにはね、両親がいないの。お母さんは出産後すぐに死んじゃったし、お父さんは誰だか分からなかった。でも私はラッキーだったのよ。いろんな人があたしを見守ってくれて、いろいろやってくれるの。それで奨学金で高校を卒業できたし、就職もできたわ」このいろんな人たちというのが例の守護天使なのでしょうな。

 さて、このディナーデートがきっかけになってどんどん親密になっていく二人。いろんな場所でデートを重ねます。と、この二人を遠くで見守っている男が一人。この男の部屋にはさまざまな大きさのジェシカの写真が壁一面に貼ってあるという・・・、こっちもストーカーだよ(笑)。さらにもう一つの部屋にはサタンの祭壇がしつらえてありました。この祭壇にも大きなジェシカの写真が飾られているのが大層不気味。

 この辺りから二人の周囲でおかしなことが起こるようになりました。まず、ジェシカの部屋でたまらんごとなってキスをしていたらいきなり強風がゴーッ。窓を押し開けてしまいます。さらに乗馬を楽しんでいたところ、アンディの馬が突然暴走したのです。そして何故か木の上から黒猫がにゃーっ!と飛び掛ったものですからアンディの馬はパニック状態となって棒立ち、アンディを振り落としてしまったのです。後から追いかけてきたジェシカ、彼を助けるために馬を大人しくさせようとしたのですが逆に振り飛ばされてしまいます。

 と、ここで森の中から彼らの様子を見守っていたあの男が飛び出した。彼はジェシカを暴れ馬から助け出したのですが、自分は恋路の邪魔をしたわけでもないのに馬に蹴られて死んでしまいましたとさ。

 アンディ、ジェシカともかすり傷でしたが、ジェシカはこの男の死に大ショックを受けています。彼の顔にどことなく見覚えがあったからです。彼女は泣きながらアンディに「もう私たち別れましょう、私に近づく男はみんな死ぬの。高校生の時のボーイフレンドは自殺したし、去年の冬にデートした人は事故で死んじゃった。あのおじさんも死んじゃった。このままだとあなたも危なくなってしまうわ」アンディ、何とか彼女を慰めようとしますがもうジェシカは聞く耳を持ちません。「とにかく出て行って、もう会わない方がいいのよ」

 てなこと言っても力んでも、まあ、惚れあった男女の仲でございますから、このまま立ち消えなんてことはなく、第一、それじゃ映画が終わってしまいますから(笑)、別れから悶々とした日々を過ごしたジェシカ、ついにたまらんごとなって自分からアンディに会いに行くのです。これで「ああ、愛しているアンディ」「ああ、僕も愛しているよ、ジェシカ」ということになって硬く抱き合うのでした。

 さあ、これからは素晴らしい愛の世界だ、二人のため、世界はあるのなのだと行けば素晴らしいのですがそうは問屋が許さないじゃなかった卸さない。洞窟の中でレイモンドが悪魔の儀式をやっております。砂の上に五芒星形を描いて蝋燭をともし「おお、サタンよ、その時がきたのでございますか、そうであるならば御心をお示しくださいませ」なんてやってます。これでびゃーっと強風が吹いてきて、男は「おお、これがあなたさまの御心でございますね」さあ、この人は一体何を企んでいるのでしょう。

 そんなことが起こっているとは露知らず、恋人たちは来週の金曜に結婚するのだと浮かれております。二人はアンディ旧知のホイットリー神父(ジョン・ハーキンス)の教会へ行って「僕達、結婚するんです、でへへへへ」教会の中で式の打ち合わせ。ところがジェシカが教会の中に入ったとたん、今までさんさんと差し込んでいた日の光は陰るわ、ヒーター効かせているのにやたらに寒くなるわと返事が勃発。ジェシカ自身も「私、寒い、寒い」アンディは体の不調と思って彼女を連れ出します。

アンディとジェシカが教会から出たとたん、暗闇と冷気は嘘のように消え去ります。これで何かを感じ取ったらしいホイットリー神父、アンディに「話したいことがあるので明日来てくれ」と頼んだのでありました。この後、新居になる予定のアパートメントでいちゃつく二人。「ねえ、見てみて素敵なベッドを買ったの」まだ、マットレスの入ってないそのベッドの枠に入ってキスなんぞ致しますな。すると猫がニャーっ、二人の頭上の天窓が砕け散ったのです。二人に怪我はなかったのですが、教会の件といい、この天窓といい不吉な予感に胸を震わせるアンディであります。

 翌日、ホイットリー神父に会うアンディ。神父ったらいきなり「あの娘との結婚はよせ、あの娘は悪魔 アストロフに選ばれたものだ」当然ながらアンディは信じません。「やだな、神父、もう昼真っからそんな冗談言っちゃって、あははは」と笑っております。神父はかっとなって「冗談など言うものか、あの娘は本当に悪魔に憑かれているのだ。幸い私の知り合いにケムシェラー神父(ダン・オライリー)に悪魔祓いの専門家がいる。彼に頼もう」それでも信じないアンディ。「何、馬鹿なことを言っているんすか、僕は結婚の準備で忙しいんですからね。もうこれで失礼します!」怒って帰ってしまいました。

 さて、レイモンドはお大事のジェシカに男を近づかせたという罪でブティックの社長アグネス(エリカ・ヤン)にお仕置き。猫がたくさん入ってきてニャーニャー五月蝿く鳴いている部屋の中に彼女を閉じ込めてしまったのです。ニャーニャーニャーニャー、五月蝿くって台詞が聞き取れないよ(笑)。猫たちはアグネスに飛び掛りました。「ひーっ」彼女の悲鳴が夜空に響き渡ります。

 アンディはジェシカをアパートメントまで送っていって「じゃ、明日午前11時半に迎えに来るからね」部屋に入るジェシカ。しかし奥の部屋で何かが壊れる音が。様子を見に行った彼女の前に突然姿を現したレイモンド。彼女の目の前に揺れるコインを突き出します。ぼうと魅入られた表情になるジェシカです。

 翌朝、約束どおり午前11時半に迎えに来たアンディ。花束を持ってドアをノックします。しかし応答がありません。「ジェシカ、どうしたの、花婿さんが来たんだよ」ドアを開けるアンディ。次の瞬間、彼は思わず「しぇーっ!」と飛び上がります。ジェシカの姿どころか、家具の類が全て消えうせていたからです。混乱したアンディは彼女の勤め先であるブティックへ。しかしここでも彼は「しぇーっ!」と飛び上がることになります。店は閉店しており貸し店舗の看板が掛けられていたからです。

 アンディ、涙目になって最後の望みであるホイットリー神父の教会へ。しかし、教会は酷く荒らされ床や壁にはいくつもの五芒星形が。おまけに神父その人は教会の鐘の下にぶらーん、首を吊っていたのです。

 さて、その頃ジェシカはどうしていたのか、彼女はレイモンドと共にビジネスジェットでニューオリンズ空港へ到着。迎えに来ていたのは彼女の保護者であったアイリーン(ペギー・マッケイ)でした。ジェシカは彼女に抱きついて「わあ、昔のままね、凄く懐かしいわ」どうやらジェシカ、レイモンドの手によってサンフランシスコ時代の記憶を消されてしまったらしい。ということは今の彼女はもうアンディのことも忘れているということですね。ジェシカはレイモンド、アイリーンとリムジンに乗り込んで豪勢な屋敷に向かいます。

 一方、アンディはジェシカの消息を尋ね歩く毎日。そんな彼が目にしたのは「こん睡状態の少女が変なマークを書いた」という新聞の怪しい記事。普段の彼なら一顧だにしない与太記事ですが(言いすぎ、言いすぎ)今の彼にはどんな藁でもつかみたい、ということで彼はその少女が入院しているニューオリンズの病院へ。そしてそこで判明した事実はその少女の母親がアンディの昔の恋人だったリンダ(キム・キャトラル)だったこと。でも決してご都合主義じゃありませんよ、邪悪な悪魔勢力が彼に近しい人間を選んで罠を仕掛けたんですよ・・・本当かな(笑)。

 なんでも少女、シンディ(ナターシャ・ライアン)は自転車に乗っていて転倒したのだとか。転倒の原因は猫に驚かされたことだそうな。リンダは涙ながらに「でもおかしいわ、彼女は猫が大好きだったのよ、猫で驚く筈なんてないのに」いや、好きだろうが嫌いだろうが猫が急にわっと出てきたら誰でも驚きまさあ(笑)。しかし幸い、お医者さんからシンディの病状が回復、48時間様子を見て退院させましょうという嬉しい話がありまして、リンダの自宅へ向かいます。二人きりになったリンダ、もうアンディくどく気まんまん。もう「あなたと別れたのは間違いだった」だの「あなたはシンディを助けるために現れたのよ」とか言ってます(笑)。

 と、この時二階からがたんという音。二人で見に行きますといきなり二階から神父が現れた。いきなり場面が変わってあ、あれ、ここはサンフランシスコの海?映っているのはアンディのバン?これ、一端別れを決意したジェシカがたまらんごとなって自分からアンディに会いに行った場面じゃないのと思ったら、はい、神父に戻りました。名乗りもせずに「それで娘さんは回復したのかね」なんて言ってます。どうやらこの人ホイットリー神父が言っていた悪魔祓いの全米チャンピオン ケムシェラー神父らしい。

 この場面の重複は神父に映画の中で名乗らせないようにという悪魔勢力の陰謀なのでしょうか。

 シンディの様子を電話で確めたリンダは真っ青になります。病状が急変して高熱を出しているというのです。急ぎ病院へ向かいますと、彼女の病室には訳の分からない文字や例の五芒星形が。どうやら少女が何者にか操られて書いたようであります。神父は医者を呼びに行こうとするリンダを止めて「彼女に必要なのは医者ではない。悪魔祓いだ」「しぇーっ!」飛び上がるリンダとアンディ。

 そこで自宅へ彼女を連れ帰り悪魔祓いになる訳ですよ。神父はリンダとアンディに「邪魔になるから外に出ていなさい!」カタチどおりに聖水をふりかけ祈り始めます。シンディは「うーうー」と唸りベッドががたがたと揺れます。階下のリビングでは猫が集まってきてにゃーにゃー五月蝿いのなんの。

 レイモンドはソファーに座り込み顔中に汗をかいております。どうやら少女に憑いているのはこのレイモンドらしい。

 レイモンド、悪魔の力でマクラを飛ばし、神父の顔に押し付けたり(笑)窓ガラスを吹っ飛ばしたりしたのですが、しかしついに神の力に屈する時がきました。彼は目を開けると深い溜息をついて「ウウーム、失敗だ、チクショー」

 シンディも熱が下がって意識を取り戻します。さあ、今度は本家のレイモンドをやっつける番だ、でもあと三分しかないけど大丈夫ですか。ええ、大丈夫でした。なぜならアンディはジェシカを探しにニューヨークへ行ってしまうからです(笑)。ジェシカと親しい修道女モニカを尋ねようと言うのですな。神父も「じゃ、また何かあったらすぐに呼んでくれ給え」と言って帰ってしまいました。アンディは名残を惜しむリンダに別れを告げて車に乗り込みます。そして途中でバス停にいる神父を見つけて「どうです、お送りしますよ」車に乗り込む神父。走り去ったその後でバス停のベンチにいたのがおお、黒猫。これでおしまい。

え、な、なんだ、これ?幾らなんでも終わり方がオカシイでしょう。ジェシカはアンディの事、忘れっぱなしって法はないでしょ、なんなんだ、これは。

カラー・スタンダード モノラル音声 画質は駄目。色滲みが酷いったらありゃしない。音声は意外にクリア。12枚のディスクに50本の映画を収めたNightmare Worlds 50 Movie Pack CollectionMill Creek EntertainmentのDVD。

           エロの冒険者 
       HOMEPAGE http://homepage3.nifty.com/housei/ 
      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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