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2009年1月31日 (土)

1月30日(金) 「幻の大怪獣 アプコン」

 ええ!せっかく「幻の大怪獣アゴン」がハイビジョン放映するかと思ったらアプコンかよ!えー、昨日恥ずかしさのあまり「封印する」と言いました「熱中夜話 マニアック映画ナイト」でありますが、それでも自分が発言しているかどうかぐらいは確認しようと思って早送り(笑)で見てみました。そうしたら「しぇーっ!びびる大木に隠れて顔が半分くらいしか映ってない!」(大笑い) 「しぇーっ!第一回ではぜんぜん喋ってない!」(大笑い) あははは、なんか、俺、すんごくカッコ悪い(大爆笑)。やっぱりこれは封印だよ、封印。

 しかしなんだなあ、ロジャー・コーマンやラリー・ブキャナンについてぱあぱあ喋っていた第二回(収録では前半)でもカットされたらどうしよう。それを考えたらもう心配で心配で夜も寝られないよ!(他にもいろいろ楽しいことがありましたので、それはそれで構わないんですけどね、あ、言っておきますけど、これは本当の気持ちですからね、決して負け惜しみとかそういうものじゃありませんからね、勘違いしたら駄目ですよ)

 仕事はまあ、いろいろあった。受け取り仕事に入居の契約が重なってややこしいことになった。ちょっと複雑になってくるとすぐさま「あきまへん」と手を挙げる私の頭脳が恨めしい。昼飯はインスタントラーメンと昨晩の残りの生野菜。夕食は豚のソテー、天然鱸の刺身、生野菜等々。鱸がさすがに美味い。歯ごたえもいいのだが、真に驚嘆すべきはその身の甘い味。まったく臭みがないのにも驚かされる。ビール一缶、ゴハンを一膳。〆のコーヒーは如例。

 その後ハイビジョン録画の『ハードラック』 『ファーストトラック・ノーリミット』を続けて。『ハードラック』はウェズリー・スナイプスと男女の引き篭もり型連続殺人犯という意外な組み合わせが面白かった。ヒロインのバレーボール二つ貼り付けたような物凄い尻にも驚かされる、いや、尻というよりはあれは絶対「ケツ」だな(笑)。ハイビジョン画質は発色に鮮明さがないのがいかん。AAC5.1チャンネルはもう文句のつけようがなし。この間の電源ケーブル大幅強化以来、AACであれ、ロスレスであれサラウンド音声に不満を感じることが一切なくなったようだ。

 『ファーストトラック・ノーリミット』はもうスリル・スピード・セックスの3S(スリルはthrillだからSじゃねーよ、Tだよ)を具現化したような映画で、もうここまではっきりしているとツッコむ気にもなりません(笑)。ストリートレースの勝ち負けも、金を払わなければガレージを立ち退かねばならないというサスペンスも、中途半端なのだが、何しろ3Sですから、これでいいのです。

 ハイビジョン画質はコントラストが弱く力のない画調であった。ステレオ音声は5.1チャンネルとまではいかないがそれなりにサラウンドしてくれる。低音もこの種の映画にふさわしく盛大に放出されていた。

 シャワーを浴びて午後11時半から宝島ムック 「SF・ファンタジー映画の世紀」付録DVDの『ジェニーの肖像』(『Portrait of Jennie』 1948)を見る。冒頭、大空の雲が浮かびまして「この世の始まりから人は永遠の謎を解き明かそうとしてきた。時間とは何か、空間とは何か、死とは、生とは・・・。いろいろな文明を越えて学者たちはこの疑問を解いてきたが、それでも根本の謎は残っている」という今ひとつ意図が分かりづらいナレーションであります。

 「ニューヨークのメトロポリタン美術館に展示されている肖像画 これはジェニー(ジェニファー・ジョーンズ)という少女をモデルにエバン・アダムス(ジョセフ・コットン)が描いたものである」

 はい、ここまでが枕。いよいよ本編に突入ですぞ。

 1934年冬のニューヨーク、凍てついた公園をとぼとぼ歩くのは売れない画家で、どのくらい売れないかっていうと、ろくすっぽ食べられず下宿の家賃もたまり放題で、大家さんに「じゃ家賃の代わりに絵はいかがです」というと「もう家中あんたの絵で一杯だよ」と言い返されるぐらい(笑)。そして空腹に耐え切れなくなった彼は思い切ってマシュー&スピニー画廊へ飛び込み「すいません、絵を買って頂けませんか」 経営者の一人、マシューは彼の出してきた風景画を見て「悪いけど風景画はありふれているのでねえ、ちょっと買えないねえ」じゃあというので今度は花の絵を出します。するとマシューの共同経営者スピニーが「あら、これはいいじゃない、こっちなら12ドル50セントで頂くわ」

 久しぶりに絵が売れたというのでほくほくしながら帰っていくアダムス。画廊ではマシューがスピニーに「君らしくもないことするじゃないか、そんな絵とても売れないよ」スピニーは微笑みます。「これは自分用に買ったの、あの売れない画家さんには何か見所があるわ」

 その帰り道セントラルパークでの出来事。アダムスは急に周囲の雰囲気が変わったことを感じます。なんだ、なんだと周囲をみた彼の目に留まったのは雪だるまを作っている可愛らしい少女でした。彼女がベンチに置いていた紙包みがきっかけとなって彼女とアダムスはたわいのない会話を交わすことになります。「あたし、ジェニー、ジェニー・アップルトン、両親は綱渡りの芸人よ、今、ハマースタイン劇場に出ているわ」「おじさんの名前はアダムスっていうんだ、でも変だな、その劇場は僕が子供の頃に取り壊されてしまった筈だが」「あら、そんなことはなくってよ、あたし、昨日行ったもの。それより絵描きさんなんでしょ、あなたの絵を見せて あら、この絵の岬には灯台がある筈よ、ランズエンド灯台だわ」「その通りだ、良く知ってるね」「でもこの絵なんだか、怖い。私、風景画はあまり好きじゃないの。私の親友はセシリ、彼女のお父様はドイツ皇帝のカイゼル様にお会いになったそうよ」「え?ドイツの現皇帝がカイゼル?いつの話なんだ」

 もうこの辺のジェニーの台詞には奇妙なヒントがたくさん含まれておりまして、聞き逃すとストーリーが良く分からなくなってしまいます。

 ジェニーはぶつぶつ呟いてくるくる3回回るという奇妙な仕草。「これ、ご存知かしら、願いごとゲームっていうのよ、願い事言ってくるくる回るとかなうの。私、早く大人になりたいと願ったの、あなたは私が大人になるまで待ってくださる?」さらにおかしなことを言うジェニー。彼女は「じゃ、さよなら」と行って帰ってしまいます。アダムスは彼女が例の紙包みを忘れたことに気がついて声を掛けたのですが、ジェニーはそのまま帰ってしまったのです。

 この出会いに強い印象を受けたアダムス。下宿へ帰って徹夜で彼女の顔を描いたのです。ちなみに彼女の忘れ物である紙包みを開いてみたら出てきたのはクラッシックなデザインのスカーフでした。

 翌日、彼は親友のガス(デヴィッド・ウェイン)から朝飯を奢ってもらうことになります。そしてモースの店でハムエッグをぱくつきながら昨日の奇妙な少女について話すアダムス。ガスは「まあ、夢見る年頃だからな、だからハマースタイン劇場がまだあるなんて言っちゃうんだよ」アダムスは持ってきていた彼女の忘れ物である紙包みを見せます。「これ、彼女がもってたんだ、新聞なんだけどこれの日付が1910年なんだよ」さらに広告欄に「愉快なハマースタイン劇場、楽しいハマースタイン劇場 綱渡り芸のアップルトンが出演しますよ」なんてある。でもガスは信じません。「そういえば妙に古臭い格好をしていたなあ」というアダムスに「そんなことあるかい」なんて言い返したりしております。

 この後ガスの口利きによってモースの店にアイルランドの英雄、マイケル・コリンズの壁画を描くことになります。さらに衝動に任せて書き上げたジェニーのスケッチがマシュー・スピニー画廊に売れた!ジェニーとの出会い以来、なんだかついているアダムスです。

 ジェニーとの二度目の出会いはセントラルパークのスケート場でした。彼女をみたアダムスは「しぇーっ」と飛び上がります。前回会った時とは見違えるばかりに成長していたからです。「だって、言ったでしょ、あたし、早く大人になりたいって願い事をしたって」とジェニーは涼しい顔。アダムスは君の肖像画を描きたいと彼女に頼み「やっぱりご両親の許可を得なくちゃね、会えるかな」と尋ねます。ジェニーはにっこり頷いて「じゃあ、今度の土曜にしましょう。午後2時にこの前のベンチのところでね」そういって立ち去るジェニー。

 彼女の後姿を呆けたように見つめているアダムスにたまたまやってきたスピニーが声を掛けます。「どうしたの、誰か探しているの?」どうやらジェニー、彼女の目には映らないらしい。

 でも次の土曜日にジェニーは現れませんでした。アダムスは自分で調べようと決意、昔のハマースタイン劇場の関係者を探します。いろいろ訪ねまわって分かったことは、「1910年、たしかにハマースタイン劇場でアップルトンという綱渡り芸人の夫婦が活躍していた。ジェニーはその娘だった」アダムスはこれでびっくり、頭がくらくら(笑)。しかもその後「両親は綱渡りの最中に落下して死亡。ジェニーは叔母の勧めで修道院へ入った」と言うではありませんか。意外な事実を知らされて思い悩むアダムス。いつの間にか例の公園のベンチへと向かっております。

 と女性の鳴き声が聞こえるではありませんか。はっとして駆け寄るアダムス。予想通りベンチに持たれて泣きじゃくっているのはさらに成長を遂げたジェニーでした。ジェニーはアダムスにしがみついて「お父様とお母様が死んじゃったの、綱渡りの途中で落ちちゃったの。それでね、私叔母様に言われて修道院へ行かなくっちゃならないの」当惑するアダムスです。「そのことは知っている。君の話は昔起こったばかりだ」ジェニーは泣き顔を挙げて「私のこともう少しだけ待っていてね」この後、いつもと同じようにふっといなくなるジェニーです。

 さあ、それからのアダムス、ジェニーのことが頭から離れません。絵を描くことさえ手につかなくなるしまつ。ムーアの店の壁画をようやく完成させてみんなに絶賛を受けても気持ちは沈むばかりです。「壁画も自分も価値がない」と一人で悩んでおります。ちょっと前までは「腹減った、腹減った」が口癖で、12ドル50セントで絵が売れて大喜びしていたくせに、どうも贅沢になったものですな(笑)。

 しかし、この後下宿へ帰ったアダムス、アトリエのドアが開いているのに気がつきました。中へ入ってみるとはたしてそこには大学一年になったジェニーがいたのです。ジェニーは嬉しそうに「とうとう一緒にいられる時にがきたわさあ、約束どおり私の肖像画を描いて」 彼女は親友のエミリーにその人と結婚するのかと聞かれたとか、灯台の絵を見てランズエンド灯台ね、私、やっぱりこの絵が怖いと言ったりところどころ言動におかしな点があるのですが(笑)アダムスにはぜんぜん気になりません。なんてったって長年の宿願がとうとう実現するのですから。

 本日はここまで。

 その後だらだらTV。就寝午前2時半。今晩はすんなり寝られた。

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2009年1月30日 (金)

『カリガリ博士』(『Das Kabinett des Dr.Caligari』 1919年ドイツ』)

 

『カリガリ博士』(『Das Kabinett des Dr.Caligari』 1919年ドイツ』)

 ローベルト・ヴィーネ監督による、ドイツのサイレント映画であります。本作品は、一連のドイツ表現主義映画の中でも最も古く、最も影響力がある代表作であると位置づけられており、芸術的な評価も極めて高い。皆さん、そんな傑作映画なのですから、いつものように鼻くそをほじりながら読んだりしてはいけませんよ。

 羽織袴に裃でとまでは言いませんが、せめて正座くらいはしてくださいな。

ぼんやりと座っている二人の男。その一人が「私は亡霊に取り付かれて家族を捨てる羽目になった」と呟きます。と、その時彼らの前に現れた美しい女性。もう一人の若い方の男が「あれは私の婚約者です。私と彼女はあなたよりもっと恐ろしい体験をしたのです。これからそのお話をしましょう」

 「舞台は僕の故郷ホルステンヴァル、事件が起こったのは街にカーニバルがやってきた時でした」

 歪んだセットが印象的な街並。ここにこつこつ杖を突きながらやってきた男(ウェルネル・クラウス)。部屋の中で本を読んでいるのは主人公フランシス(フリッツ・ファーウェル)の友人、アラン(ハンス・フォン・トヴァルドヴスキー)であります。彼は外出した際にカーニバル開催を知らせるチラシを受け取りフランシスに「一緒に行こう」と誘いかけたのでした。一方、杖をついている男、役場に行きまして職員に名刺を差し出します。カリガリ博士と記された名刺を眺めた職員は「それで、一体全体何のようだね」「はい、カーニバルで興行を打つ許可を頂に参ったのです、カリガリ」「で、どんな出し物やるの」「夢遊病者のショーでございます、カリガリ」

 あんまり面白くなさそうな見世物であります(笑)。

 さて、このカリガリ博士のショーがオープン。博士はベルを鳴らしながら「さあさあ、寄ってらっしゃい、見てらっしゃい、カリガリ、驚異の夢遊病者チェザーレ(コンラート・ファイト)、25年間眠りっぱなしのチェザーレですよ、カリガリ」ここで「この夜から奇妙な連続殺人事件が始まった」という不気味なテロップ。その第一の犠牲者になったのはあの役場の職員でした。

 アランとフランシスはこの見世物の観客となります。カリガリ博士は縦に置かれた棺桶に入っている男に「さあ、チェザーレ、目覚めよ、ご主人様の命令だ、カリガリ」うっすらと目を開けるチェザーレ。そして棺桶から出てきたので観客は「おおーっ」とびっくり。やっぱりあんまり面白くないや、これ(笑)。

 カリガリ博士は「彼は預言者であります、カリガリ。どなたか未来を占って欲しい方いらっしゃいますか、カリガリ」これでよせばいいのに出て行ったのがアランですよ。彼は心配そうなフランシスに構わず「僕は何時まで生きられるのだ」と尋ねます。チェザーレは目を大きく見開いて「お前は夜明けまでに死ぬのだ!」「ええ?マ、マジっすか!」仰天したアランとフランシス、早々に退散します。帰り道、後々フランシスの婚約者となるジェーン(リル・ダゴバー)がいつの間にか一緒になったと思ったら、次の場面にはまた二人に戻っているという(笑)。

 アランとフランシス、ジェーンを巡ってオダヤカな三角関係になっておりまして「僕たちは同じ女性を好きになってしまったけれども、どちらが選ばれてもずっと友達でいよう」なんて言ってます。しかし明け方、アランは部屋で何者かに刺し殺されてしまったのでした。

 この知らせを受けたアランは大ショック。「これはチェザーレの預言どおりじゃないか」彼はジェーンにアランの死を知らせます。そしてカリガリ博士とチェザーレのコンビが怪しいということで、彼女のパパと協力して調べ始めるのです。二人はカリガリ博士の部屋へ。カリガリ博士、かいがいしくゴハンの用意をして棺桶から起き上がったチェザーレに食べさせているのがおかしい。二人は小屋の中に踏み込んで「何ですか、あんたたちは、カリガリ、私とチェザーレが何をしたというのです、カリガリ」と文句を言う博士に構わず家探しです。

 しかし、この時二人に入ったニュース。それは殺人犯が捕まったという知らせでした。ならばカリガリ博士とチェザーレは事件に関係ないのか、首を捻りつつ引き上げることになります。二人を見送ったカリガリ博士はニヤー。

アランとパパは警察に駆けつけて件の犯人と対面します。しかし犯人、「おらあ、婆さんを確かに殺そうとした。でもそれは例の連続殺人犯に罪を着せるためだ。誓って前の二人は殺してねえ」

 この後ジェーンはカリガリ博士の見世物テントへ。「父がいるのではないかと探しに参りましたの」カリガリ博士はまたニヤーっとして、「そうですか、では入ってお待ちなさい、カリガリ」カリガリ博士、彼女にチェザーレを見せます。彼女はその異相に悲鳴を上げて逃げてしまいました。

 葬式が済んだ夜、やっぱりカリガリ博士に対する疑いを捨てきれないアラン、ご苦労様なことにカリガリ博士の家へ行って見張っております。窓から覗いてみるとなるほどカリガリ博士が「カリガリ、カリガリ」と鼾を書きながら寝ておりますな。しかし、この間にチェザーレは出動していたのです。それもジェーンの部屋へ。チェザーレ、ナイフを振り上げます。ジェーン、絶対のピンチかと思いきやチェザーレ何故かためらいナイフを降ろしてしまいました。その代わりといってはなんですが(笑)彼女を抱えあげて逃げ出したのです。目を覚ましたジェーンは凄まじい悲鳴を上げます。

 この悲鳴で目を覚ました彼女のパパとママ、そして使用人たちがチェザーレを追いかけます。チェザーレ、夢遊病者のくせにやたらに足が速いのですが、さすがに逃げ切れないと思ったのかジェーンを放り出してしまいます。身軽になって逃走再開したのですが、足を滑らせて谷底へ転落してしまったのでした。

 急を聞いてジェーンの元へ駆けつけるアラン。彼女を襲ったのがチェザーレだと聞かされた彼は「そんな筈がない。僕は見張っていた。彼はカリガリ博士と一緒だったはずだ」アランは警察署へ言ってあの婆さん殺し未遂の犯人が留置場にいることを確かめます。「じゃあ、やっぱりチェザーレなのか」彼は警察官達とカリガリ博士の家へ。そして「そんなことをされては困ります、カリガリ、チェザーレは寝かしたままにしてやってください、カリガリ」と抗議する博士に構わずチェザーレの寝床である棺桶を開けてみますと入っていたのは「これ、に、人形じゃん!」

 カリガリ博士、脱兎のごとく逃げ出します。追いかけるアラン。博士は春になって頭の中におかしな汁が出てきたような人たちが収容される病院、すなわち精神病院に逃げ込みます。彼の姿を見失ったアラン、医者や職員達に「この病院にカリガリ博士という患者はいないか。何、患者の身元が分かるのは院長だけ、だったら院長に合わせてくれ」しかし院長室で院長と対面したアランは驚きのあまり「しぇーっ」と飛び上がります。この病院の院長、それはカリガリ博士だったのです。

 その夜カリガリ博士が寝ている間、アランは医者達と院長室に侵入。記録を調べ始めます。そこから判明したのは院長は前々から夢遊病者を操って殺人を犯すという恐ろしい野望を抱いていたこと。彼は夢遊病者の患者、すなわちチェザーレを手に入れたことでその野望に着手したことなどが分かります。院長はチェザーレを手に入れた時点でカリガリ博士となったのです。

 この時アランたちへチェザーレが谷底で死んでいたという知らせが届きます。アランたちはその死体を引き取り院長室へ運び込んだ!「カリガリ、チェザーレは死んだ、お前もおしまいだ、おとなしくお縄につけぇ!」これでカリガリ博士は「カリガリ、カリガリ、カリガリ、カリガうきいいいい」と大錯乱。医者達の手によって拘束服を着せられ病室へ叩き込まれてしまいました。

 さて、冒頭に戻ってあれ、これは良く見ると回想場面に出てきていた精神病院ではありませんか。おまけにチェザーレもいる。アランは恐ろしそうに「あれはチェザーレだ、彼に預言されると死ぬぞ」でもチェザーレは死んでいたのでは?さらにジェーンの様子もおかしい。アランが「いつ結婚してくれるんだい」と聞いたら遠い目をして「私たちは王家の人間なのよ、そんな勝手な結婚はできないわ」だって。なーんだ、これは○○○○の妄想だったのか。

 この時カリガリ博士が現れます。アランは「ああ、お前はカリガリ博士、これ以上お前に私の運命を操られてたまるか」襲い掛かります。そして医者達によって取り押さえられ拘束服を着せられたという・・・。彼を診察したカリガリ博士、いや、院長は「わしのことをすっかりカリガリ博士だと思い込んでいる。だめだ、こりゃ、次行ってみよう、次!」

 エンドマーク。

モノクロ・スタンダード 無声映画 画質はほめられたものではありませんが年代を考えると頑張っているほうか。 200811月に宝島社より発売されたムック 「ホラー映画の世紀」付録DVD

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『フリークス』(『Freaks』 1932)

 

『フリークス』(『Freaks』 1932

 旅回りのサーカス・見世物小屋が舞台で、出演者は実際の見世物小屋のスター、本物の奇形者や障害者だということで公開当事に大問題となったのは有名すぎるエピソード。また監督のトッド・ブラウニングはこの映画を製作したことで事実上映画人としてのキャリアを失うことになったという曰くつきの映画でもあります。

タイトルを描いた紙が後からばりばり破られるイヤーなオープニング(笑)。見世物小屋の主人が紳士淑女の前で口上を述べております。「親の因果が子に報い 生まれてきたのがこの子でござい~ はなちゃんや あいあーい!」じゃなかった、「これは紛れもない怪物です。しかし、あなた方もそうなる可能性があったのです。さあ、さあ、こちらへずずいとよってごらんください」彼が示した箱の中を覗いた観客達は「ひーっ」とどん引き。

 「なるほど怪物でございましょ、でも彼女は生まれた時からこういう姿だった訳ではありません。昔はそれはそれは美しく、空中の孔雀と呼ばれたほどだったのでございます」

 舞台はサーカスにぱっと変わりまして空中ブランコで華麗な芸を披露しているのが件の空中の孔雀、クレオパトラ(オルガ・バクラノバ)、その彼女をうっとりと見つめて「ああ、彼女はこの世で一番美しい」と呟いているのが小人スターのハンス(ハリー・アールズ)であります。彼の婚約者でやっぱり小人のフリーダ(ディジー・アールズ)はそんな彼を嫉妬して「あんたには私ってものがいるでしょうが」と言うのですがまるっきり効果なし。またクレオパトラの方も小人とは言え想われて悪い気はしないらしく、彼になにくれと優しい言葉をかけるのでした。

 ハンスはさらにのぼせ上がって彼女に花束を捧げたりします。クレオパトラは花の香りをかいで「ああ、なんて芳しいお花でしょう、ハンス、本当にありがとう」とここまでは良かったのですが「ねえ、ついでにお金も貸してくれない?仕送りが遅れてるのよ」だって。なんだハンス、結局たかられているんじゃないか。

 ここでこのサーカス団に所属するフリークスの皆さんをご紹介しましょう。小人のハンス・フリーダ、シャム双生児のヴァイオレットとディジー(ヒルトン姉妹)、ディジーはロスコー(ロスコー・エイツ)というどもりの男と結婚しております。生ける屍のピーター・ロビンソン。その奥さんは髭女のオルガ。二人はこの映画の中で玉のような赤ちゃんをもうけます。これが女の子だったから、周囲から「良かったな、大きくなったら遺伝で髭が生えるぞ」と祝福されているという(笑)。キュートな小頭症の三人組、エルヴァイラとジェニー・リーのスノー姉妹とシュリッツ君。どこか漫画家の蛭子先生を思わせる風貌をしております。下半身だけなので人呼んでハーフ・ボーイのジョニー・エック。ランディアン王子は四肢欠落症。芋虫のような体でくねくねと這い回り、口に咥えたマッチをすってタバコに火をつけるという芸を披露します。阿修羅男爵みたいな両性具有のジョセフィーヌ。最後は両手のないフランセス・オコーナー。

 さて、このサーカス団の中でお付き合いしておりましたカップル、強力芸のヘラクレス(ヘンリー・ヴィクター)とヴィーナス(レイラ・ハイアムズ)が大ゲンカ。かっとなったヴィーナスは彼の馬車から荷物を持って逃げ出します。この時ヘラクレスが「おい、出て行くんならその荷物置いていけ、みんな俺が買ってやったものじゃないか」「何、ケツの穴の小さなこと言ってんのよ」「もともとケツの穴は小さいっての、でかいケツの穴した男がいたら会ってみたいね」という会話が愉快(笑)。この後ヴィーナスは心優しいピエロのフロゾ(ウォレス・フォード)に出会いお互い恋に落ちることに。

 一方性根の悪いヘラクレス男。何しろこの男は自分とヴィーナスの喧嘩しているところを見られたってんで、両性具有、本当は多分女性のジョセフィーヌにパンチを浴びせたりするのですから。この男が転がり込んだのがクレオパトラの馬車。二人は早速抱き合います。「ああ、この力が強いのがたまらないのよ」とうめくクレオパトラ。こっちもカップルになってしまいました。

 二人はクレオパトラに贈りものをし続けるハンスを密かに嘲笑しております。

さて、ハンスはいよいよクレオパトラにめろめろになっております。そしてついにフリーダに「僕達、もう終わりにしよう」と宣言したのでありました。失意のフリーダ、ハンスからプラチナのネックレスを貰ってほくほくしているクレオパトラに会い、「遊びならやめてください、あの人を傷つけないで下さい」と訴えるのですが、クレオパトラは鼻もひっかけません。そしてこの時フリーダはつい、ハンスが莫大な遺産を相続していたことを話してしまうのです。

 クレオパトラとヘラクレスはその遺産を奪取しようと考えます。「じゃあ、私がハンスと結婚しましょう。でも小人は体が丈夫じゃない、病気になってしまうことだってあるわ、上手い方法があるのよ」って実に悪い奴らですな(笑)。

 そして次の場面ではもう結婚披露宴をやっております。ハンスは幸せそうなのですが、クレオパトラは早速彼のワインに怪しげな薬をたらたら。「さあ、ダーリン、飲んで飲んで」 この後クレオパトラはひどく酔っ払い、あろうことか隣に座っていたヘラクレスに熱烈なキス。さらにフリークス仲間が「彼女を仲間に迎えよう」と歌いだしたのに激しく怒って「あんたたちは汚らしい怪物よ、さあ、出てお行き!」

 ハンスはもうしょんぼり。酔いがさめたクレオパトラは彼に謝るのですが、彼の気分は落ち込んだまま。もう、彼への愛ゆえにクレオパトラが結婚してくれたのではないことがはっきりと分かってしまったからです。そして追い討ちをかけるように効いてきた薬。ハンス、ばったり倒れます。医者の診察を受けて一命を取り留めるハンス。医者は「これは毒を飲まされたのですな、プトマイン中毒だ」

 これでフリークスたちもヴィーナスもクレオパトラとヘラクレスが毒を飲ませたのだと確信するのです。

 ヴィーナスはヘラクレスを呼び出して薬のことを詰問します。ヘラクレス、どうにかごまかしたのですが、ヴィーナスの口を塞がねばならぬと決意したようです。

 一週間が経過して今だベッドに伏せたままのハンス。クレオパトラはわざとらしく甘い声で「ダーリン、お薬を用意するわ」 例の薬をスプーンで飲ませます。しかし、彼女が出かけた後、ハンスは口にためておいた薬をハンカチにぷっと吐き出して「ふん、何がお薬を用意するわだ」ここからフリークスたちの反撃開始であります。

 嵐の夜、興行を終えたサーカス団は馬車のキャラバンを編成して移動開始。ハンスとクレオパトラの馬車には小人やハーフ・ボーイが屯しております。クレオパトラはそんな彼らを苦々しく思いつつも薬の用意。と、ハンスは立ち上がって「やい、この糞女、その壜を渡すのだ」他のフリークスもピストルやナイフを取り出してクレオパトラを脅かします。仕方なく小瓶をハンスに渡すクレオパトラ、「これで僕を殺すつもりだったのだな」

 この間、ヘラクレスは密かにヴィーナスの馬車へ。彼女をやっつけようと思っているのです。彼は入り口を蹴破って馬車に侵入したのですが、フリーダから彼女の危機を知らされたフロゾが駆けつけてきて戦いになります。この戦いを遠巻きにするフリークス。と、小人の一人がナイフを投げた。狙い過たず彼の胸にぐさーっ。ひいひい這い回る彼にじりじりと寄って来るフリークス。ひー、これはコワい。

 ここで場面は冒頭に戻りまして「何故こうなったかは謎です。怪物たちの掟だったのか、それとも嵐のせいだったのか」カメラにぱっと映ったのは今や忌まわしきアヒル人間となったクレオパトラでした。

 相続した遺産で豪壮な屋敷の主人となったハンス。事件のせいですっかり人嫌いになった彼は「お客様でございます」と知らせにきた執事に「会わん、追い返せ」しかし、強引に屋敷の中へ入ってきたのはヴィーナス、ロゾフ、そして、フリーダ。ヴィーナスとロゾフが気をきかせて(笑)二人だけにしたところでエンドマーク。

モノクロ・スタンダード モノラル音声 画質・音質は結構なもの。 200811月に宝島社より発売されたムック 「ホラー映画の世紀」付録DVD。ムックの付録とは思えないほどの高画質・高音質。このDVDだけでもこのムックを買う価値があると思います。

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1月29日(木) 「アヌス2号」

 8時丁度のアヌス2号で私は私はあなたから旅立ちます・・・ってどんなシチュエーションなんだか。自民党 衆議院議員 馬渡龍治氏のブログでこんな記述を見つけた。(http://blog.mawatari.info/?eid=681577#commentsより引用開始)アトピーや花粉症、そばアレルギー等、アレルギー系の疾患が増えているようですが、その原因の一つがインスタント食品等に含まれる防腐剤や保存料などの化学物質ではないかと考えます。コンビニで販売されている弁当などは防腐剤が使用されているものもあります。添加物が少量で人体への影響が少ないとされていても、毎日身体に取り込み続ければ、悪い影響が出るはずです。(引用終了)

 言っていることは出鱈目だが(一日摂取許容量 Acceptable Daily Intake、ADI についてまるで無知)この人は防腐剤、添加物が人体に有害だと確信している訳でしょう。そう思ってブログに書いている訳でしょう。だったらなぜ、これを政治的な問題として禁止・改善の方向へ持っていくというような考え方をしないのでしょうか。どうも不思議でたまりませんわん。

 (読売新聞 - 01月29日 19:27 http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=735079&media_id=20より引用開始)【ワシントン=本間圭一】米政策研究機関「外交評議会」は28日、北朝鮮の金正日体制の終結を想定した報告書を発表し、武力行為発生など最悪の事態への米側の対応として、約46万人の兵力が必要になると警告した。

 その上で、非常事態に備え、米国が日本や韓国など近隣諸国との連携や準備を強化すべきだと提言した。

 報告書は、金総書記の病状が、報道されている以上に深刻である可能性に触れた上で、今後のシナリオとして、〈1〉予定通りの権力継承〈2〉権力闘争による体制転換〈3〉体制崩壊--を想定。特に、金体制が崩壊した場合、治安維持に必要な米軍主体の兵力を11万5000~23万人と見積もった。しかし、北朝鮮軍が抵抗した場合は、特殊部隊の投入などが不可欠となり、必要な兵力はイラク駐留米軍の3倍以上に膨れあがると試算、「韓国と米国だけで対応するのは不可能」と結論づけた。

 報告書は、こうした事態に対応する方策として、米当局が有事に有効な情報を収集するため、平時から諜報活動を強化し、核交渉の段階で北朝鮮とのパイプを複数確保すべきであると提案。さらに、日本や韓国との協議のほか、危機に伴う誤解や摩擦を避けるため、中国との対話を深め、国連機関、欧州諸国、民間活動団体(NGO)との連携も強化すべきだと提言した。(引用終了)

 例によってミクシィではこの記事を読んで「軍事大国アメリカは戦争をしていないとお金の流通が止まっちゃいますから」などと訳の分からぬことを言っている奴がいる。だから、もういい加減に戦争で国が潤うというのはただの伝説であることを理解しろっての。

 仕事はまあ、いろいろあった。これでオシマイ。昼飯は天神で用を済ませたついでの大砲ラーメン。いやあ、麺は美味いな麺は。替え玉をいつものカタからバリカタにしたらもっと美味くなったな、でもな、スープはな・・・(笑)。夕食はハマチの刺身、豚ソテー、生野菜、大根の味噌汁、炒飯。ビール一缶飲む。〆のコーヒーは如例。

 その後レンタルブルーレイの『28週後』を見る。ゾンビの新解釈によってスマッシュヒットとなったダニー・ボイル監督の『28日後』の続編だが、前作からうってかわってとんでもないノーシンキング・ムービーになっちまったよ。明らかにヤバイあの奥さんをわざわざ基地に連れて帰り血液検査をして「うわあ、この人はウィルスのキャリアだ!」そんな危ない奴は基地の外で最初に検査しておけよ。血液採取して顕微鏡で覗くだけの試験なのだから、たいした設備がなくっても大丈夫だろ。

 そしてこの危険きわまりない奥さんを見張りも付けずにほったらかしにするというのもどういう了見なんだ。いくら、あの親父が地区責任者でどんなところへアクセスできる権限があったとしても、研究所の中へすらすら入っていって奥さんと直接対峙できるなんてどんなセキュリティなんだと言いたくなる。周囲の軍人たちもアホばっかり。特にあの母親が生まれつき免疫を持っておりウィルスのワクチンを作れる可能性があるのだから、子供たちもそうに違いないと決め込んで逃がそうとするスカーレット少佐(ローズ・バーン)の身勝手な行為には腹立ちさえ覚えた。結局この女の行為がもとでフランスがゾンビだらけになってしまったのだから。

 ただ、ストーリーは出鱈目だがゾンビ映画としてみると、なかなか侮れないんだ、この『28週後』 カメラワークの巧みさでゾンビから逃げられないという恐怖を上手く演出しているし、ヘリコプターのローターによる大量ゾンビミンチ化戦法など、今までのゾンビ映画の歴史の中で1、2を争う素晴らしいシーンだったぞ(笑)。

 ハイビジョン画質は濃密なグレインをそのまま残す画調。これが緊張感を演出して暗闇の場面など実におっかない。解像度がむやみに高く、冒頭のロンドンの光景などめまいを覚えるほどだった。サラウンドはDTS-HD ロスレスマスターオーディオ。もう何も文句はつけられません(笑)。私などが何やかや言えるようなレベルをとっくに超越しているのでございます。

 シャワーを浴びて午後11時半から吸血鬼蘇る』(『The Return of the Vampire 』1944)の続き。ベッドから起き上がったニッキー、ふらふらと歩いて研究室へ。そこで待っていたのはもちろん、ルゴシ。「私を呼んだのはあなた?」ルゴシはにやりとします。「ふふふ、お祖父さんの原稿を読んだね。私はテスラだ。ここでやるべきことを終えたらお前は私と一緒に故郷へ帰り、永遠の伴侶となるのだ、ふふふふ」ニッキー、ルゴシの目に魅入られてしまいます。そしてそのままばたり。場面暗転。

 翌朝、家政婦のエルザが凄まじい悲鳴を上げます。驚いたジェーンとジョンがニッキーの部屋へ駆けつけると、床に倒れた彼女の姿が!ジェーンは彼女の首に忌まわしき傷があるのを見つけて愕然とするのでした。彼女はニッキーに輸血をした後、ジョンに吸血鬼のことを教えます。「信じられないよ」「でも事実なの、とにかく彼女のことはお母さんに任せて頂戴」

 ジェーンはあの墓堀人二人にインタビューして、彼らが杭を抜いてしまったことを突き止めます。その後警視総監のところへ言ってすべてを話すのですが、総監はやっぱりそんな怪しげなものの存在を信用しようとはしません。それでも彼はニッキーのガードを引き受け、さらに部下二人にジェーンの助手、アンドレアスの身辺を探れと命令するのでした。

 さっそくアンドレアスを尾行する二人。彼らはアンドレアスが怪しい荷物を持ってブルックナー博士に化けたルゴシが宿泊しているホテルから出てくるのを目撃。早速尋問しようとしたのですが、アンドレアス、にわかに変身して「ウォーでがんす、ウォーでがんす」狼男になってしまいました。刑事二人は驚きのあまり「しぇーっ」と飛び上がります。狼男はこの隙をついてまんまと逃走。

 二人から話を聞いた総監はもうかんかん。「吸血鬼だけでも信じられんのに、狼男ってか、そんな馬鹿なことがあるか」と怒鳴りつけます。ところが部下の一人がアンドレアスの体から引きちぎった毛を分析させたところ、「これは狼の毛です」という結論が出ちゃった。しかも狼男の荷物からブルックナーの名刺が出てきたものだから、総監、ここに及んでやっとルゴシを疑い始めるのです。

 しかし、その間にもルゴシの魔の手が・・・。彼はニッキーの寝室へ行き、看護していたエルザをやっつけると、「ニッキー、ニッキー、立ち上がれ」彼の暗示によって操られたニッキー、ジョンの寝室へ行って「ええ、一体全体どうしたっていうの、確かに僕たち婚約したけど、これはちょっと早すぎるのでは」と妙に嬉しがる(笑)ジョンを襲わせたのです。翌朝、ニッキーと同じように寝室の床に倒れていたジョン。もちろん、その喉には二つの穴が開いておりました。

 このままではニッキーもジョンも殺されてしまう。焦ったジェーンは総監と一緒にアンドレアスを尋問します。「あなた、私の机から原稿盗んだわね!」「いや、俺、知らないっすよ、そんな」とすっとぼけていたアンドレアスですが総監が「ええい、手を見せろ、手を」彼の手をがっと掴みます。その手の甲にはまごうかたなき狼の毛が。これでアンドレアス、開き直りまして「ばれたとあっちゃ仕方ねえ、しかし、ご主人様はお前らなんかには絶対見つけられないからな」捨て台詞を残し、窓から逃走してしまいます。

 続いてブルックナー博士の宿泊しているホテルへ。「へ、ブルックナー博士ですか、彼は夜明け前にお帰りになってそのままですよ」怪訝な顔をしているクラークに部屋の鍵を開けさせて中へ。もちろん、部屋には誰もいません。ルゴシは爆撃で破壊された教会の地下室で眠っているからです。驚いたクラークは「あ、あれ、おかしいな、確かに外出なんかしてないのに、え、窓からですって、ここは3階ですよ、そんな芸当、超無理っすよ」そして総監は最後の切り札を披露します。「ブルックナー博士の風体は髪が薄く太り気味だった。年齢も62歳だ」これを聞いたジェーンは息を呑んで「ぜんぜん違うじゃない。じゃあ、やっぱりブルックナーがテスラなのね」

 自分の正体がばれたことを知ったルゴシ、オルガンを弾いているジェーンの前に現れます。「ふふふ、私を止めることはできん、今夜にでもニッキーを連れていくぞ。彼女は絶対に見つからない。そしていつの日かジョンの前に現れて目的を遂げるのだ」ジェーンはぱっと楽譜を取り上げます。その下にあったのが十字架。今の今まで自信満々であったルゴシ、これをみてたちまち顔色を変えて「ヒーッ」ぼんと消えてしまいました。

 しかし、十字架には負けてもニッキーには大丈夫。ルゴシは彼女の寝室に現れます。おまけに今夜のニッキーは十字架をつけていない。何事かを計画したジェーンがあらかじめ取り去っておいたのです。ルゴシは三度「ニッキー、ニッキー、起きるのだ」 ニッキーはふらふらと立ち上がって屋敷の外へ。その彼女を尾行するジェーンと総監。彼女の計画とはニッキーを囮にして(酷い!)ルゴシの居場所を突き止めようというものだったのです。ニッキーは例の破壊された教会へ赴きます。待っていたのはもちろん、ルゴシ。狼男も現れました。

 総監とジェーン、もう少しで潜伏場所が分かると張り切ったのですが、この時偶然にもドイツ空軍の空襲が!また爆弾が降り注いできてあちこちでどっかんどっかん爆発します。総監は逃げようとする狼男にピストル発射、見事命中させたのですが、結局彼らの姿を見失ってしまったのです。ジェーンと総監は屋敷に戻り警察の捜査に望みを託すことになりました。

 ルゴシと狼男はニッキーを地下室へと運び込みます。銃弾の深手にあえぐ狼男って、この映画の狼男はフツーの弾丸でやっつけられるのか(笑)。狼男は「ご主人様、ご主人様、私はもう死にそうです。助けてくださいませ。あなたは永遠の命を約束してくださったではありませんか」しかし、ルゴシは冷たい。「わし、そんなこと知らんもんね、もうお前は用済みだからね、部屋の隅に行って静かに死になさいっての」さすがに愕然となる狼男。彼の脳裏にジェーンの優しい声が響きます。「良心を取り戻しなさい。良心さえあれば悪には決して負けないのよ」だんだんとアンドレアスに戻っていく狼男。そして彼の手がたまたま土に埋まっていた十字架を探り当てます。

 こうなったらやるっきゃない。彼は嬉しそうにニッキー用の棺桶に土を入れているルゴシの背後に忍び寄って「てめえ、死ね!」十字架を突きつけます。思わぬ反撃を食らって「ヒーッ」と驚くルゴシ。そこにドイツ軍の爆撃機が投下した爆弾がどかーん。ルゴシ、アンドレアス、ニッキー、みんな瓦礫に埋もれて失神です。

 いち早く意識を取り戻したアンドレアス、地下室の入り口を見上げますと差し込んでいる明るい太陽の光が!失神している間に夜が明けたのですなあ。ならばやることはただひとつ。彼は最後の力を振り絞って陽光の元へルゴシを引きずりだしたのです。おまけにどこからか長い釘を拾ってきてルゴシの胸にレンガでとんてんかんてん。ルゴシ、「グエエエエ」という恐ろしい呻きと共に溶け崩れてしまうのでした。アンドレアスも彼の後を追うように倒れて絶命します。

 ニッキーはスコットランドヤードに無事保護されてジェーンと感動の対面です。ジェーンは総監に服を着た骸骨を見せて、「どう、これであなたも吸血鬼を信じたでしょ」総監は頑固なことに首を振って「いーや、何か合理的な説明があるはずだ、お前たちもそう思うだろ」と部下たちに尋ねるのですが、彼らはあいまいに笑って「い、いやそんなこともないと思いますが」びっくりした総監、「お前たちまでそんなことを信じているのか」ついで総監はこちら、つまり観客のほうをみて「あなた方も信じているのですか」と問いかけたところでエンドマーク。

 ときおりちりちりとしたノイズが入ったり、また霧の圧縮が上手く行ってないところなど不満点はあるのですが、総じて高画質といえるモノクロ画像。音質も上々でルゴシの台詞がカッコ良い。

 その後ハイビジョン録画の『図鑑に載ってない虫』 三木聡の監督・脚本作。飲むと死んで生き返るという虫、死にもどきを探すルポライターのへんてこロードムービー。『亀は意外と速く泳ぐ』と同質の世界観を持っており、多数の奇妙な登場人物から繰り出されるギャグがなんとも心地よい。死にもどきを探して悪用しようとしている怪しい宗教団体やそれに協力するヤクザという設定を途中であっさりと放り投げてしまっているが、これがまったく気にならないのは監督のギャグ映画的資質の高さを示す好例だ。

 この間の『転々』も面白かったし、今後は本気でこの監督を追っかけねばなるまい。

 ハイビジョン画質は非常に優秀。映画の特徴となっている特殊な色使いを綺麗に再現する。また輪郭強調のないすっきりとした解像度が工場群を魅力的に見せている。

 その後だらだらTV。私が収録に参加させて頂いた「熱中夜話 マニアック映画ナイト」を恐る恐る見ようとしたが、私の顔が見えた時点でもう駄目。恥ずかしさのあまり「ギャッ」と叫んで再生中止(大笑い)。しばらく封印させて頂きます。

 就寝午前2時半・・・でもやっぱり眠れず部屋へ戻り録画の「元祖でぶや」を一本見てから再挑戦。今度は眠ることができた。

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2009年1月29日 (木)

『Good Against Evil』 (1977)

 

Good Against Evil (1977)

 自分がそのような存在であるとは知らずに育った悪魔の娘と、彼女を愛した男の物語。前半は非常に面白かったのですが、後半でがっかり。物凄く中途半端に終わってしまいます。

1955年のニューヨーク 出産間近の妊婦、彼女は何かに酷く怯えているようであります。病院の外には彼女を見守っているような謎の男。妊婦はまた、大勢の人間から取り囲まれる幻覚を見ているようであります。分娩室に入った妊婦、苦闘の末に玉のような女の子を産み落としました。この子を抱き上げた看護婦がなぜかニヤー。

 その夜病室から抜け出す妊婦。ふらつく体を叱咤しつつ新生児室へ。そこで自分の赤ん坊を抱き上げようとした瞬間、「手をお放しなさい。何をやっているのです」あの看護婦です。妊婦はびくりとして振り返り「でも、この病院から赤ちゃんを連れ出さなきゃ」「赤ちゃんは大丈夫です、何も心配はいりません」妊婦、看護婦の眼光に怯えたのか「ひいい」と悲鳴を上げて逃げ出します。そして階段に差し掛かった時、病院の中なのに突然の強風が吹いて彼女を叩き落してしまったのです。妊婦は絶命します。

 場面はぱっと変わって何やらパーティに興じている人たち。ん、この場所、このひとたち、妊婦が見ていた幻覚と同じです。一体彼らは何者なのでしょう。と、ここに赤ん坊を抱いたあの男レイモンド(リチャード・リンチ)が登場。彼は部屋の隅にしつらえたサタンの像に赤ん坊を捧げるかのように差し出します。そして「我らの務めはこの娘の守護天使とならんこと。彼女を完璧に育て上げなければならぬ」

 この謎めいたムード、いいですねえ。

 はい、ここで時代・場所が変わって1977年のサンフランシスコ。あの赤ん坊ジェシカ・ゴードン(エリッサ・デバロス)は22歳の立派な女性となってブティックで衣装デザイナーとして働いております。今日も今日とて五月蝿いクライアントの要望にこたえるべく働いておりますと外からがしゃんと言う音。この店の女社長が「ジェシカ、あんたの車が大変なことに!!」なんと、店の前に止めていたジェシカの車の左フロント部分にバンがぶつかっていたのです。店を飛び出したジェシカ、バンのドライバー アンディ・スチュワート(ダック・ランボー)に食って掛かります。「ちょっとあんた、何してんのよ、この車買ってからまだ500マイルも走ってないのよ」アンディ、まあまあと彼女をなだめ、「保険でちゃーんと修理するから安心してよ」

 彼は自分のバンの荷物室を調べて保険証書を見つけます。そしてジェシカに「いいニュースと悪いニュースがある。良いニュースは保険証書が見つかったこと」「それで悪いニュースって何なのよ」「二ヶ月前に期限が切れていた」ズッコけるジェシカ。アンディ、そんな彼女に自分のバンのキーを押し付けます。「良かったら僕の車を使ってていいよ、君の車は僕が預ってきっと綺麗に修理するから」アンディはジェシカがどう対処していいか分からずまごまごしているうちに彼女の車に乗り込んで走り去ってしまいます。

 しかし、彼の言葉に嘘偽りはなかった。その日の終業時間には車が元通りになって帰ってきたのです。しかも洗車・ワックス掛けのサービスつき(笑)。アンディ、この尋常ならざる出会いで彼女に一目惚れしたらしく、車検証にあった彼女の個人情報、名前、住所、電話番号等をフルに活用してアタック開始!って、これはストーカーだろう、お前(大笑い)。ジェシカ、しばらく無視していたのですが、あんまり彼がしつこいのでとうとうディナーを一緒にという誘いを受けてしまいます。

 そこで連れて行かれたのが日本料理店。アンディ、仲居さんに「アナタニオマカセシマス」だって。そして供される鍋とホット・サケで楽しく語り合う二人であります。アンディ、「僕はフリーのライターで独身さ」ジェシカ、「あたしにはね、両親がいないの。お母さんは出産後すぐに死んじゃったし、お父さんは誰だか分からなかった。でも私はラッキーだったのよ。いろんな人があたしを見守ってくれて、いろいろやってくれるの。それで奨学金で高校を卒業できたし、就職もできたわ」このいろんな人たちというのが例の守護天使なのでしょうな。

 さて、このディナーデートがきっかけになってどんどん親密になっていく二人。いろんな場所でデートを重ねます。と、この二人を遠くで見守っている男が一人。この男の部屋にはさまざまな大きさのジェシカの写真が壁一面に貼ってあるという・・・、こっちもストーカーだよ(笑)。さらにもう一つの部屋にはサタンの祭壇がしつらえてありました。この祭壇にも大きなジェシカの写真が飾られているのが大層不気味。

 この辺りから二人の周囲でおかしなことが起こるようになりました。まず、ジェシカの部屋でたまらんごとなってキスをしていたらいきなり強風がゴーッ。窓を押し開けてしまいます。さらに乗馬を楽しんでいたところ、アンディの馬が突然暴走したのです。そして何故か木の上から黒猫がにゃーっ!と飛び掛ったものですからアンディの馬はパニック状態となって棒立ち、アンディを振り落としてしまったのです。後から追いかけてきたジェシカ、彼を助けるために馬を大人しくさせようとしたのですが逆に振り飛ばされてしまいます。

 と、ここで森の中から彼らの様子を見守っていたあの男が飛び出した。彼はジェシカを暴れ馬から助け出したのですが、自分は恋路の邪魔をしたわけでもないのに馬に蹴られて死んでしまいましたとさ。

 アンディ、ジェシカともかすり傷でしたが、ジェシカはこの男の死に大ショックを受けています。彼の顔にどことなく見覚えがあったからです。彼女は泣きながらアンディに「もう私たち別れましょう、私に近づく男はみんな死ぬの。高校生の時のボーイフレンドは自殺したし、去年の冬にデートした人は事故で死んじゃった。あのおじさんも死んじゃった。このままだとあなたも危なくなってしまうわ」アンディ、何とか彼女を慰めようとしますがもうジェシカは聞く耳を持ちません。「とにかく出て行って、もう会わない方がいいのよ」

 てなこと言っても力んでも、まあ、惚れあった男女の仲でございますから、このまま立ち消えなんてことはなく、第一、それじゃ映画が終わってしまいますから(笑)、別れから悶々とした日々を過ごしたジェシカ、ついにたまらんごとなって自分からアンディに会いに行くのです。これで「ああ、愛しているアンディ」「ああ、僕も愛しているよ、ジェシカ」ということになって硬く抱き合うのでした。

 さあ、これからは素晴らしい愛の世界だ、二人のため、世界はあるのなのだと行けば素晴らしいのですがそうは問屋が許さないじゃなかった卸さない。洞窟の中でレイモンドが悪魔の儀式をやっております。砂の上に五芒星形を描いて蝋燭をともし「おお、サタンよ、その時がきたのでございますか、そうであるならば御心をお示しくださいませ」なんてやってます。これでびゃーっと強風が吹いてきて、男は「おお、これがあなたさまの御心でございますね」さあ、この人は一体何を企んでいるのでしょう。

 そんなことが起こっているとは露知らず、恋人たちは来週の金曜に結婚するのだと浮かれております。二人はアンディ旧知のホイットリー神父(ジョン・ハーキンス)の教会へ行って「僕達、結婚するんです、でへへへへ」教会の中で式の打ち合わせ。ところがジェシカが教会の中に入ったとたん、今までさんさんと差し込んでいた日の光は陰るわ、ヒーター効かせているのにやたらに寒くなるわと返事が勃発。ジェシカ自身も「私、寒い、寒い」アンディは体の不調と思って彼女を連れ出します。

アンディとジェシカが教会から出たとたん、暗闇と冷気は嘘のように消え去ります。これで何かを感じ取ったらしいホイットリー神父、アンディに「話したいことがあるので明日来てくれ」と頼んだのでありました。この後、新居になる予定のアパートメントでいちゃつく二人。「ねえ、見てみて素敵なベッドを買ったの」まだ、マットレスの入ってないそのベッドの枠に入ってキスなんぞ致しますな。すると猫がニャーっ、二人の頭上の天窓が砕け散ったのです。二人に怪我はなかったのですが、教会の件といい、この天窓といい不吉な予感に胸を震わせるアンディであります。

 翌日、ホイットリー神父に会うアンディ。神父ったらいきなり「あの娘との結婚はよせ、あの娘は悪魔 アストロフに選ばれたものだ」当然ながらアンディは信じません。「やだな、神父、もう昼真っからそんな冗談言っちゃって、あははは」と笑っております。神父はかっとなって「冗談など言うものか、あの娘は本当に悪魔に憑かれているのだ。幸い私の知り合いにケムシェラー神父(ダン・オライリー)に悪魔祓いの専門家がいる。彼に頼もう」それでも信じないアンディ。「何、馬鹿なことを言っているんすか、僕は結婚の準備で忙しいんですからね。もうこれで失礼します!」怒って帰ってしまいました。

 さて、レイモンドはお大事のジェシカに男を近づかせたという罪でブティックの社長アグネス(エリカ・ヤン)にお仕置き。猫がたくさん入ってきてニャーニャー五月蝿く鳴いている部屋の中に彼女を閉じ込めてしまったのです。ニャーニャーニャーニャー、五月蝿くって台詞が聞き取れないよ(笑)。猫たちはアグネスに飛び掛りました。「ひーっ」彼女の悲鳴が夜空に響き渡ります。

 アンディはジェシカをアパートメントまで送っていって「じゃ、明日午前11時半に迎えに来るからね」部屋に入るジェシカ。しかし奥の部屋で何かが壊れる音が。様子を見に行った彼女の前に突然姿を現したレイモンド。彼女の目の前に揺れるコインを突き出します。ぼうと魅入られた表情になるジェシカです。

 翌朝、約束どおり午前11時半に迎えに来たアンディ。花束を持ってドアをノックします。しかし応答がありません。「ジェシカ、どうしたの、花婿さんが来たんだよ」ドアを開けるアンディ。次の瞬間、彼は思わず「しぇーっ!」と飛び上がります。ジェシカの姿どころか、家具の類が全て消えうせていたからです。混乱したアンディは彼女の勤め先であるブティックへ。しかしここでも彼は「しぇーっ!」と飛び上がることになります。店は閉店しており貸し店舗の看板が掛けられていたからです。

 アンディ、涙目になって最後の望みであるホイットリー神父の教会へ。しかし、教会は酷く荒らされ床や壁にはいくつもの五芒星形が。おまけに神父その人は教会の鐘の下にぶらーん、首を吊っていたのです。

 さて、その頃ジェシカはどうしていたのか、彼女はレイモンドと共にビジネスジェットでニューオリンズ空港へ到着。迎えに来ていたのは彼女の保護者であったアイリーン(ペギー・マッケイ)でした。ジェシカは彼女に抱きついて「わあ、昔のままね、凄く懐かしいわ」どうやらジェシカ、レイモンドの手によってサンフランシスコ時代の記憶を消されてしまったらしい。ということは今の彼女はもうアンディのことも忘れているということですね。ジェシカはレイモンド、アイリーンとリムジンに乗り込んで豪勢な屋敷に向かいます。

 一方、アンディはジェシカの消息を尋ね歩く毎日。そんな彼が目にしたのは「こん睡状態の少女が変なマークを書いた」という新聞の怪しい記事。普段の彼なら一顧だにしない与太記事ですが(言いすぎ、言いすぎ)今の彼にはどんな藁でもつかみたい、ということで彼はその少女が入院しているニューオリンズの病院へ。そしてそこで判明した事実はその少女の母親がアンディの昔の恋人だったリンダ(キム・キャトラル)だったこと。でも決してご都合主義じゃありませんよ、邪悪な悪魔勢力が彼に近しい人間を選んで罠を仕掛けたんですよ・・・本当かな(笑)。

 なんでも少女、シンディ(ナターシャ・ライアン)は自転車に乗っていて転倒したのだとか。転倒の原因は猫に驚かされたことだそうな。リンダは涙ながらに「でもおかしいわ、彼女は猫が大好きだったのよ、猫で驚く筈なんてないのに」いや、好きだろうが嫌いだろうが猫が急にわっと出てきたら誰でも驚きまさあ(笑)。しかし幸い、お医者さんからシンディの病状が回復、48時間様子を見て退院させましょうという嬉しい話がありまして、リンダの自宅へ向かいます。二人きりになったリンダ、もうアンディくどく気まんまん。もう「あなたと別れたのは間違いだった」だの「あなたはシンディを助けるために現れたのよ」とか言ってます(笑)。

 と、この時二階からがたんという音。二人で見に行きますといきなり二階から神父が現れた。いきなり場面が変わってあ、あれ、ここはサンフランシスコの海?映っているのはアンディのバン?これ、一端別れを決意したジェシカがたまらんごとなって自分からアンディに会いに行った場面じゃないのと思ったら、はい、神父に戻りました。名乗りもせずに「それで娘さんは回復したのかね」なんて言ってます。どうやらこの人ホイットリー神父が言っていた悪魔祓いの全米チャンピオン ケムシェラー神父らしい。

 この場面の重複は神父に映画の中で名乗らせないようにという悪魔勢力の陰謀なのでしょうか。

 シンディの様子を電話で確めたリンダは真っ青になります。病状が急変して高熱を出しているというのです。急ぎ病院へ向かいますと、彼女の病室には訳の分からない文字や例の五芒星形が。どうやら少女が何者にか操られて書いたようであります。神父は医者を呼びに行こうとするリンダを止めて「彼女に必要なのは医者ではない。悪魔祓いだ」「しぇーっ!」飛び上がるリンダとアンディ。

 そこで自宅へ彼女を連れ帰り悪魔祓いになる訳ですよ。神父はリンダとアンディに「邪魔になるから外に出ていなさい!」カタチどおりに聖水をふりかけ祈り始めます。シンディは「うーうー」と唸りベッドががたがたと揺れます。階下のリビングでは猫が集まってきてにゃーにゃー五月蝿いのなんの。

 レイモンドはソファーに座り込み顔中に汗をかいております。どうやら少女に憑いているのはこのレイモンドらしい。

 レイモンド、悪魔の力でマクラを飛ばし、神父の顔に押し付けたり(笑)窓ガラスを吹っ飛ばしたりしたのですが、しかしついに神の力に屈する時がきました。彼は目を開けると深い溜息をついて「ウウーム、失敗だ、チクショー」

 シンディも熱が下がって意識を取り戻します。さあ、今度は本家のレイモンドをやっつける番だ、でもあと三分しかないけど大丈夫ですか。ええ、大丈夫でした。なぜならアンディはジェシカを探しにニューヨークへ行ってしまうからです(笑)。ジェシカと親しい修道女モニカを尋ねようと言うのですな。神父も「じゃ、また何かあったらすぐに呼んでくれ給え」と言って帰ってしまいました。アンディは名残を惜しむリンダに別れを告げて車に乗り込みます。そして途中でバス停にいる神父を見つけて「どうです、お送りしますよ」車に乗り込む神父。走り去ったその後でバス停のベンチにいたのがおお、黒猫。これでおしまい。

え、な、なんだ、これ?幾らなんでも終わり方がオカシイでしょう。ジェシカはアンディの事、忘れっぱなしって法はないでしょ、なんなんだ、これは。

カラー・スタンダード モノラル音声 画質は駄目。色滲みが酷いったらありゃしない。音声は意外にクリア。12枚のディスクに50本の映画を収めたNightmare Worlds 50 Movie Pack CollectionMill Creek EntertainmentのDVD。

           エロの冒険者 
       HOMEPAGE http://homepage3.nifty.com/housei/ 
      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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『The Manipulator』 (1971)

 

The Manipulator 1971

 自分が映画監督であると思い込んだアレな男が女を攫ってきて、彼女を主演にした映画を撮影しようとする、それだけの映画です。ものすごく退屈で、訳が分からないトンデモ作品で、名優ミッキー・ルーニーのキャリアを汚すだけの映画だと私は思うのです。

雨の夜、帽子を目深に被ったコートの男が静かに歩いております。ここでタイトルがバーンと出て、車が走ってきた、そしてその車から降り立ったのは先ほどのコートの男でした。白髭と色の濃い眼鏡のせいで顔は良く分かりません。その男は倉庫のような建物に入っていきました。貨物用のエレベーターで二階に上がります。そこには埃塗れの動物の着ぐるみ?やら、ナチスドイツの鷲の像やら、槍やら、斧やらいろんなものが置いてあります。これらはどうも映画の小道具らしい。

 男はふうと大きく溜息をついてこれまた埃だらけのソファーにどかりと座り込みます。そして帽子を眼鏡をとったその顔はミッキー・ルーニー。この映画でミッキー・ルーニーはBJ・ラングというハリウッドの元名キャップマンに扮しております。その彼が嵐の夜にこんなところにいるのかというと、彼は、そ、そのう、少々頭のネジが緩んでいるというか、春になって温かくなってくると浮かれ出すというか、まあ、手っ取り早く言えば○○であったという。彼はどうやら自分が名映画監督になったと考えているようで、やにわに立ち上がると、「よーし、準備完了だ、撮影をするよ、おはよう、レイ、ビル、君は業界一のカメラマンだ、宜しく頼むよ」ぶつぶつ言い出しました。

 彼はプロジェクター装置を引っ張ってくると倉庫の壁に映画を映します。白塗りの男と女が乱舞するその映像と共に叫び声や笑い声の幻聴。どうもよほど重症らしい。

 ラングはぱっと立ち上がって大またで歩いて倉庫の奥へ。掛かっていたカーテンをばっと引きますと中にいたのが車椅子に縛られた女。名前をカロッタ(ルアナ・アンダース)と言いまして女優さん。どうも不運にもこのラングに捕まって監禁されちゃったようであります。カロッタはラングの姿を見て弱々しく「ラングさん、お腹減ったわ」ラングは取り合わず、「さーあ、みんなセットの掃除だ。汚れていると撮影できないぞ」箒を持って駆け回ります。また「お腹が減った」と訴えるカロッタ、でもやっぱりラングは熱心に掃除中。流石に頭に来たカロッタ、もう夜叉の形相となって「てめえ、腹減ったって言ってんだろがよ、飯だよ、食いもんだよ!」

 さすがにびっくりしたラング、ベビーフードの壜を持ち出してきて彼女にスプーンで食べさせます。でもすぐに飽きて「いかん、スケジュールに遅れる!」食い物を放り出して馬鹿でっかい撮影用のランプをごろごろと押してきます。その間、カロッタはいつの間にか片手の縛めがほどいていることに気がつきます。歓喜の叫びを上げた彼女はすぐに片手、両足の紐をほどき始めたのですが・・・、はっと目覚めました。今のは夢だったのです。がっくりと落ち込むカロッタ。ラングは相変わらず浮かれております。いつの間にか自分にメイクアップを施してとても気持ち悪い顔になっています。「さあ、カロッタ、君もメイクしてあげようね」ラングは彼女に口紅塗り塗り、ドーラン塗り塗り。

 彼はメイクを落として長い付け鼻をします。どうやらシラノ・ド・ベルジュラックの映画を撮っているつもりのようです。さらに三銃士風の剣と帽子を身に着けた彼はカロッタに演技指導。「さあ、闇夜の庭園に危険が忍び寄ろうとしていた・・・、月の光が美しい、さあ、この台詞をしゃべるのだ」弱々しく「闇夜の庭園に」と繰り返すカロッタ。どうやらロクサーヌ役らしいですな(笑)。

 リハーサルに満足したラングは「さあ、みんな撮影開始だ。よーし、アクション」カチンコを慣らします。ロクサーヌ=カロッタが台詞を繰り返すと喜んだラングは踊り始めたのです。なんだ、ミュージカルのつもりなのかしらん。それからひとしきり撮影の真似事が続いて・・・ようやく終わった。するとラングの耳に聞こえてきたのはブラボーという賞賛の声と盛大なる拍手。カロッタ、彼のご機嫌を取ろうと「みんな、あなたが大好きなのよ」などとヨイショします。これですっかり喜んだラング。この後5分以上も続くパーティシーンに突入するのです。このパーティ、クランクアップの記念なのか、映画の公開を祝うものなのか、さっぱり分かりませんが、もうどうでも良かったりします(笑)。

延々続くパーティ。裸の男がいたり、女性に囲まれて「ラブ!」と叫んでみたり唐突に出てきた裸の赤ん坊を抱いたり、もう訳わかんないッス。この幻想がようやく終わってソファーに座り込んでいるラング。しかしあまりに興奮したためか発作を起こして「ぐぐぐ、苦しい、苦しい」ばったり倒れてしまいました。カロッタは驚いて「え、な、何、ラングさんどうしたの、ちょっと死なないでよ、死んだらあたしこのままじゃん、やだ、ちょっと死なないでったら」

 ラング、苦しい息の下から「薬、薬、テーブルに薬」取ってくれということなのでしょうが、カロッタは車椅子に縛り付けられているので動けません。ラングはナイフを取り出し彼女ににじり寄って縛っている紐を切り始めます。片手が自由になったカロッタ、歓声を上げながら残りの紐をほどきます。そして立ち上がるなり薬を取ってやるどころか倒れたラングにキック、キック、またキック。「この○○、よくもあたしに、○○○○○○○○○○!」聞くに堪えぬことを喚き散らしながらラングをぼこぼこに・・・と思ったら場面がぱっと変わって薬をラングに飲ませています。割とすぐに復活するラング。

なんで飲ませるかね。


 ラングはカロッタにのしかかって「ええやろ、させんかい!」無理やりキス。カロッタ、渾身の力で彼を押しのけ逃げ出します。この後5分に渡って続くスローモーションの追いかけっこ。私はこのへん、あまりつまらないので本を読んだりしていました(笑)。追っかけるのをやっとやめたと思ったら歌って踊りだすラング。まったく○○はしょうがねえなあ(笑)。といきなり謎の老人チャーリー(キーナン・ウィン)が登場。彼は怯えるカロッタに「大丈夫だ、何もしないよ」しかしラングは自身をシラノ・ド・ベルジュラックつまり、ロクサーヌ=カロッタを守る立場だと思っていますので、現れた敵チャーリーの胸にいきなり剣をずくーっ!

 この惨劇に「ひーっ」と悲鳴を上げるカロッタ。彼女はまた逃げ出します。またまたこの後5分に渡って続くスローモーションの追いかけっこっていい加減にせえ!カロッタは何故か食肉工場の冷蔵倉庫に迷い込みます。働く職人達、その傍らにはなぜかオーケストラの面々が。彼らの奏でる音楽に合わせて踊るカロッタ。と、これがぱっと変わってラングがチャーリーを刺し殺した場面に戻る訳ですね。

もう現実と妄想?の区別なんかつきゃしませんよ。

 ラング、カロッタに「さあ、私から逃げてみなさい。逃げられたら自由だよ」カロッタ、三度逃げ出します。10まで数えてその後を追うラング。カロッタ、荷物用のエレベーターで1階に降り外に出ようとしたのですが鍵が掛かっていてでられません。仕方なく中庭に置いてあった車の中に逃げ込むカロッタ。ざあざあ雨が降っております。階段を使って1階にやってきたラング、すぐに彼女を見つけてドラム缶で車の後部ガラスを粉砕。彼女を捕らえてまた2階へ連れ戻すのでした。

 ラングはカロッタに話しかけます。「私は狂っているよ、分かっている、そなたへの愛に狂っているのだ」いきなりキス。カロッタ、ついに精神のバランスを崩したのか唐突に笑い始めます。その笑い声がどんどん大きくなって、しまいには周囲からさまざまな人間の笑い声が聞こえてくるようになるのです。ラング、大ショックを受けた模様。「笑うな、笑うな、どうしてそんなことをする」彼はついに自分の胸に剣をずくーっ!愛に破れたラングが自殺を図ったのです。ばったり倒れるラング。そして周囲の笑い声が彼の演技をたたえるものに変化します。「ブラボー、ブラボー」という叫び、劇場を包み込むような盛大な拍手。カロッタはこの拍手に答えて深々とオジギ。おお、スポットライトが彼女を映し出しました・・・エンドクレジット。

 クレジットが終わって唐突にセットでちょこまか動くラングの映像が入って、いきなりぶつりと切れました。最後の最後まで訳の分からぬ映画でありました。

 カラー・スタンダード モノラル音声。画質は暗い場面の描写が不十分。何が映っているのかさっぱり分かりません。音声もノイズは少ないのですがとにかく台詞が聞き取りずらい。こんなクオリティのDVDでこんな映画を見る。あなた、これがどんなにつらいことか分かりますか、分からないでしょう!

12枚のディスクに50本の映画を収めたDrive-In Movie Classics 50 Movie Pack

Mill Creek EntertainmentのDVD。

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2009年1月27日 (火)

『恐竜の島』(『The Land That Time Forgot』 1975)

 

『恐竜の島』(『The Land That Time Forgot』 1975

 デレク・メディングスによる特撮が楽しい恐竜映画。これでもうちょっと恐竜たちのデキが良かったらなあ(笑)。

 警告、警告、このDVDのリージョンは1です。したがって日本国内のDVDプレーヤーでは再生できません。警告、警告。

オープニング、崖から海に投げ落とされる壜。オープニングクレジットの間ずっと海を漂っていたその壜はついにどこかの海岸に漂着し、たまたま通りかかったおじさんに拾われるのであります。おじさん、「お、銭でも入ってるんとちゃうか」と開けてみたらあにはからんや出てきたのは手紙の束。おじさん、手紙を読み始めます。

 「今からする話は誰にも信じて貰えないものと思う。ことの始まりは191673日だった。大海原を進む貨物船SSモントローズ。乗組員たちはまったく気がついていませんでした。おおよそ1,000メートル離れた海面にドイツ海軍のUボートの潜望鏡がにょっきりと突き出していたことに。潜望鏡をのぞいていたフォン・ショーエンボーツ艦長(ジョン・マッケナリー)は「よし、いい獲物だ。魚雷一番から二番、発射せよ」しゅごーっと魚雷が飛び出して見事命中。SSモントローズは大爆発。ほどなく沈没してしまいました。

 生存者はわずか10名ばかり。本作の主人公、ボーエン・ティラー(ダグ・マックルーア)、紅一点リサ・クレイトン(スーザン・ベンハリゴン)、ブラッドレイ船長(キース・バロン)以下クルーが6名ぐらい。彼らはヒドイ霧の中をボートで彷徨う羽目になったのであります。

 ところでSSモントローズを轟沈させてこれで通商破壊の記録を2,000トン増やしたぞと意気あがるUボート。空気の入れ替えと蓄電池充電のため浮上することとなります。これが偶然にもティラーたちの乗るボートのすぐそばだったという・・・。ティラーたち、浮上してくる潜水艦に気がついて彼らに反撃を試みることになります。密かに艦体に這い上がって武器を手に各ハッチの前で待ち伏せ。これが見事に当たってティラーはショーエンボーツ船長を人質に取ってUボート制圧に成功したのであります。

 「よっしゃ、艦長、艦をイギリスの港につけて貰おうか」とティラーが言ったのは良いのですが、ここで一人Uボート乗組員が逃げ出して無線機を壊しちゃった。これで通信が出来なくなったため、せっかくイギリスに近づいても自分たちのことを知らせるすべがなく、逆に激しい攻撃を受けてしまったのです。駆逐艦からの砲撃、爆雷攻撃をティラーの指揮によって見事に交わしたのですが、これでイギリスへの帰還はほぼ不可能となってしまいました。「じゃあ、今度はアメリカだ。中立国だからいきなり攻撃されることはないだろう」

 ところがドイツ人乗組員たちもさるもの。コンパスにちょっと細工をして進路を狂わせてしまったのです。これに気がついた時にはもう後の祭。艦はいつの間にか南米近くを進んでいたのでした。海図を調べて真っ青になるティラーとブラッドレイ。しかもこの隙をつかれてショーエンボーツ艦長、ディエツ副長(アンソニー・アインレイ)の手によって艦を取り戻されてしまったのです。ティラーたちはUボートの狭苦しい一室に閉じ込められてしまいました。ショーエンボーツ艦長はわはははと笑って「この海域ならドイツの補給戦とランデブーできる。そうしたら君たちを海賊として裁かせて頂こう」

 しかし、このドイツ人たちも紅一点のリサには甘い顔。なぜか、彼女は監禁もされず自由に動き回ることができたのです。彼女はこそっと艦長室に忍び込んで鍵を持ち出します。そして補給船を発見して浮かれ騒ぐドイツ人乗組員たちの隙をついて、ティラーたちを解放してしまったのです。またもあっさり制圧されるUボート!何も知らないショーエンボーツ艦長、ディエツ副長は司令塔から補給船に合図を送っております。ティラーは司令塔のハッチからこっそり覗いて補給船が艦の真正面に停止していることを発見。小声で部下に「魚雷一番から二番発射せよ」しゅごーと魚雷が飛び出して、ドイツの補給船も轟沈。

 捕らえられたショーエンボーツ艦長は涙目で「バカー、何するんだよ、あれ沈めてしまったら燃料や食料補給できないぞ、すぐにどっちもなくなってしまうんだぞ」その言葉通りUボートの燃料はすぐに逼迫します。ティラーたちは仕方がないので最小限の燃料を取っておいて、後は波任せの漂流状態になってしまったのです。そして彷徨ううちに氷山が浮遊する海域へ迷い込んでしまいました。ここで観念したティラー。監禁した艦長を尋ねて手伝ってくれるように申し入れます。

 彷徨うUボート、彼らの眼前に四方を険しい崖に囲まれた大きな島が現れました。これを見たショーエンボーツ艦長は息を飲みまして、「1721年にクックを追ったイタリアの航海士カプローンが新しい島を見つけてカプローナと名づけた。あれはその島、カプローナに違いない。200年忘れられていた島だ」不思議なことにこの島に近づくと周辺の海水温が急上昇したのです。しかも調べてみるとこれが真水ではありませんか。どうやらこの温かい水は崖に開いたトンネルから流れてきているらしい。

 「こうなりゃやけだ、あの穴に突っ込め、上手くいけば島に上陸できるかも知れないぞ」ティラーと艦長は協力して艦を操縦、狭いトンネルのあちらこちらにがんがんぶつかりながらもなんとか、これを突破。島内部の湖に浮上したのでありました。そこは大火山の火山活動による熱でまさに熱帯の楽園のよう。みんなはこれで助かるぞと歓声を上げたのですが、実はこの島、あちこちに恐竜がうようよ棲息していたのでした。空にはプテラノドン、湖にはプレシオサウルス、陸上にはディプロドクス、あ、湖から出てきたプレシオサウルスに水兵一人食われてしまいました。クルー達はライフルや機関銃で応戦。ついにこのプレシオサウルスを倒したのです。

 その日の夕食はコック オルソンによる特別料理。プレシオサウルスのステーキ(笑)。ティラーとショーエンボーツ艦長はそのディナーの席で「この危機を脱し中立港へ帰還するまで協力しあおうではないか」と誓うのでした。

 翌日からこの不可思議なる世界の調査を開始します。生物学者であるリサは顕微鏡で水を調べます。するともう微生物がうようよ。「こんなの生水で飲むと死んじゃうわね」一方、ティラーと艦長はボートで上陸します。すぐにアロサウルスの群れを発見。おまけに叢から原住民らしき人間たちが覗いております。そうとも知らずアロサウルスに夢中になってしまうティラーたち。この隙を逃がすなとばかりに原住民達が襲ってきました。ティラーたちは何のためらいもなくライフルで一人をズドン(笑)したのですが、この銃声でアロサウルスたちに気付かれてしまったのです。

 襲ってくるアロサウルス。原住民、ティラーたちは急いで逃げ出します。この時ティラーはさっき撃ち倒した原住民を担いで逃げたのでした。

ティラーたちは追ってきたアロサウルス2頭に激しいライフル攻撃。全身を穴だらけにされたアロサウルス、二頭ともぶっ倒れて絶命。容赦がありません(笑)。そして彼らは意識を失っていた原住民の一人を「何か役に立つかもしれない」と言ってUボートに連れ帰るのでした。

 この原住民、途中で目を覚ましてしきりに自分を指差して「アーム、アーム」と言っています。どうやらこれが彼の名前らしい。アームはその恐ろしい外見に関わらず意外と良い人みたいで、生まれて初めてみる潜水艦に好奇心をむき出しにしております。と、そのうち、アーム、乗組員の一人がマッチで火をつけたのを見て、床から手をひゅっひゅっと上に上げ下げします。それを見たリサ、「彼は地面から炎が出ているところがあるって言いたいんじゃないの」ショーエンボート艦長は「それはひょっとしたら油かも知れない。燃料に使えるかも知れないぞ」

 さっそくアームを道案内役にして、その炎が地面から出ている場所目指して出発。途中夜になって野営をしておりますと、アームとはまた違った外見の原住民が襲ってきた!この襲撃でドイツ人、英国人一人ずつが殺されてしまいました。アームはこの種族をストール族と読んでいるらしい。そして彼によるとさらに進化した原住民、ガールゥ族もいるというのです。どうもこの島、北に行けば行くほど動物も人間も進化しているようです。

 翌日ようやく火の沼に到着。それは思ったとおり原油が噴出している沼でした。その中央から炎があがり、アロサウルスの頭骨も転がっているというなんとも不気味な場所です。ショーエンボート艦長は油を調べて「よし、これなら精製すれば燃料に使えるぞ」準備のために一端Uボートへ帰還することになった一行。その途中二頭のスティラコサウルスに襲われるのですが、ティラーと艦長が囮になって他のみんなを逃します。そしてUボートから艦砲射撃で攻撃。一頭を粉砕、もう一頭を追い払ったのでした。

 死体を調べた艦長は「これはスティラコサウルスだ。こいつが生息していたのは白亜紀の筈だ。なぜジュラ紀の恐竜であるアロサウルスと同じ島にいるのだ。この島にはなにか秘密があるぞ」さらに彼は顕微鏡で採取してきた沼の水を見て「微生物も同じだ。この島には様々な進化の過程の生物が詰め込まれているのだ」さっきのストール族、ガールゥ族の件も含めてこの島はとんでもなくややこしい状況にあるようです。

 まあ、それはそうとして翌日から早速沼の側に製油所を建設。油を精製し始めます。これで順調に燃料を確保できてUボートに食料と共に詰め込んで脱出に成功、ばんざーいとなってはここで映画が終わってしまいますので(笑)、ここから様々な出来事が起こることになっております。まずは些細なことからコックのオルソンとディエツ副長が殴りあいを始めたのです。表面上は協力しあっているように見えてもやっぱりイギリスとドイツは宿敵の間柄、そうそう上手くいく筈はなかったのです。

 また、アームが何時の間にか姿を消してしまいます。彼は自分の部族の元に戻っていったのです。

 さて、ティラー・リサたちは本日の狩りに出発です。何時もより北のほうへ進出してみますと、おお、あれはストール族の村ではありませんか。その村では女達が半球状の構造物から白い液体のようなものを流しています。リサ、ぽんと手を打って「あれが生命の源よ、あれが川に流れ込んでさまざまに進化していくのだわ、あれこそこの島の秘密よ」なんだか良く分かりませんが、凄いことのようです(笑)。この大発見にみんな我を忘れて見入っていたものですから、背後から忍び寄ってきたストール族の男たちに気がつかなかったのも無理はない。いきなり一人の背中に斧がぐさーっ。

 テイラーたちはライフルでずんずん射殺するのですが、敵の数が多すぎて彼以外の男はみんなやられてしまいます。おまけにリサが攫われてしまいました。おまけにいきなりワイヤー線で吊られたプテラノドンが登場、襲い掛かってきたのです。と、ティラーの前に立ちふさがったのはアームではありませんか。アームがヤリをはっしと投げると見事にプテラノドンに命中、ティラーを救ったのですということになればカッコ良かったのですが、そうは問屋が許さないじゃなかった卸さない。プテラノドン、無造作にアームをがっぷり咥えてそのまま飛び去ってしまったのです(大笑い)。

 さらに事件は続きます。恐竜世界もののお約束、ラスト近くの火山の爆発です。これでパニック状態に陥るストール族。リサはこの隙をついて逃げ出します。ティラーもこれに気付いて彼女を助けるために走り出したのですが、リサは逃げるのをあせるあまりに底なし沼にどぼん。追って来たストール族の男もじゃぼん。ティラー、ようやく追いついてがすがすとストール族の男を蹴ってリサを助け出すのです。さんざんに頭を蹴られたストール族の男はあわれぶくぶくと底なし沼に沈んでいくのでした。

 ほっとして沼から這い上がるティラーとリサ。しかし二人の前に立ちふさがったのはこれまた別の原住民。アームたち、ストール族よりさらに進化したガールゥ族です。頭が良いのだから今度は助けてくれるのかと思いきややっぱりガウーッと唸って襲ってくるという・・・。あんまり他の二部族と違いはありませんな(笑)。またまた大ピンチのテーラーとリサですが、今度彼らを救ったのは火山でした。飛来する火山弾にやられたり、地割れに飲み込まれたりしてあっという間にガールゥ族全滅。

 さあ、早く製油所へ戻ろう。しかし、その時製油所は既に空っぽ。みんな燃料をUボートに積み込んでいたのです。しかもディエツ副長はあくまでティラーたちを待つと言うショーエンボート艦長とブラッドレイ船長をピストルでずどん。Uボート発進の命令を下してしまうのでした。しずしずと進むUボート。この時ようやくティラーとリサが到着。でもディエツが今更二人のために艦を引き返させるなんてことがある筈もない。それどころかセイルから二人に「はははは、サヨウナラ、ティラー君。我々は文明社会へ戻るよ」とイジワルに叫んでおります(笑)。

 「さあ、潜行だ!」と命令するディエツでしたが、しかし、その時すでにUボート艦内は有毒な火山ガスで満たされ乗組員はみんな悶絶していたのです。そして止めに火山弾が命中、Uボートはぶくぶく沈んで大爆発したのでした。

 カプローナに取り残されてしまったティラーとリサ。彼らは火山爆発でずたずたになった筈のカプローナを彷徨い歩きます。ずんずん北に進んで「我々はこの時に忘れられた島の秘密を探るのだ」というティラーのナレーション、そして冒頭で出てきた手紙の入った壜を海に投げ込んだところでエンドクレジット。

  カラー・スクイーズのワイド仕様。モノラル音声。英語字幕、クローズドキャプションつき。DVD画質は非常にヨロシイ。解像度感はあまりなく、色も滲んでますが奥行き感の表現が素晴らしいのです。『続・恐竜の島』(『The People that Time Forgot』 1977)とのカップリング。MGMミッドナイトムービーシリーズのDVD 

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『フランケンシュタインの逆襲』(『The Curse of Frankenstein』 1957)

 

『フランケンシュタインの逆襲』(『The Curse of Frankenstein』 1957

 宇宙開発用に造られた人造人間のサンダース大佐(ピーター・カッシング)は、ロケットで打ち上げられたが、地球に侵入しようとしていた火星人の宇宙船に撃墜されてしまった。カッシングは彼を作ったアダム博士によって修理され火星人に逆襲開始…という物語って、これは違う、邦題は同じ『フランケンシュタインの逆襲』だけど、逆襲は逆襲でも1965年の『Frankenstein Meets the Space Monster』の方じゃないか。

 ええ、長すぎておまけにいまひとつ面白くないボケに付き合って下さいまして、ありがとうございました(笑)。

冒頭、現在より百数十年前、スイスの山中にてある実験が行われた。この実験はそのあまりの恐ろしさのゆえに「フランケンシュタインの呪い」伝説として今も語り継がれているのだというムードたっぷりな字幕が出まして、その後にどーんとタイトル。もうこの時点でわくわくしてしまいますなー。

 山道を馬で行く神父さんの姿あり。彼の目的地は刑務所でした。彼はそこでビクター・フランケンシュタイン男爵(もちろん、ピーター・カッシング)からの告解を聞く(聞かされる)ことになります。ピーター・カッシングは「では初めからお話します。私は子供の頃からとても頭が良かった」っていくら最初からと言っても随分遡るものです(笑)。「私はあまりに頭が良かったので、学校の勉強がバカらしくてしかたなかった。私は母が死んで遺産を相続したのを機に、本当の勉強を始めたのです」

 彼はまだまだ子供の癖にポール・クレンプ(ロバート・アークハート)という家庭教師を雇って、高度な教育を受けることにしたのです。その付き合いは彼が長じるまで続き、いつしか、ポールは家庭教師というより共同の研究者という立場になるのでした。

 で、何をやるのかというと決まってます。水槽に沈めた犬の死体に電気を流し復活させるのです。カッシングとポールは「これで長年の研究がついに実った」と大喜び。しかし、この二人、この研究の先に見ているのはまったく別のことでした。ポールはこの技術を応用すれば人体を凍結することができ、手術の福音をもたらすだろう、さっそく学会に発表しようと主張したのですが、カッシングがそんな生ぬるいことで満足するはずはありません。彼は首を振って「いや、ポール、我々は生命の秘密を探り出したのだ。次に進むべき段階は生命の創造なのだ。それも人間のな。すぐに手足と臓器を集めるのだ。これを使って完璧な頭脳と肉体を持つ人間を生み出すのだ!」

 ポール、しぶしぶながらお手伝いすることになります。やめときゃいいのに。

 最初の仕事はベースとなる肉体探し。丁度良く縛り首になった強盗の死体が野ざらしになっていたので、夜中に出かけて盗んでまいります。実験室に運び込んでこの死体を見たポール、「うわ、鳥につつかれて眼と頭半分ないよ」とげんなり。しかしカッシングはそんな些細なことに拘泥しません。あっさりと「いや、頭は必要ないから切っちゃおう。切った頭は塩酸のプールで溶かしてしまえばいい」ごりごりと頭を切っているカッシングに嫌悪の表情を浮かべるポールです。

 翌日、ポールに留守番頼んで出かけるカッシング。「どこに行って何をするのか」は明らかにされませんが、カッシングのことだからロクでもないことに決まってます(笑)。不安に駆られるポール、とこの時玄関でドアチャイムが鳴りました。メイドのジャスティン(ヴァレリー・ガント)が「あ、ご主人様のお帰りだわ」と玄関を開けますとあにはからんやそこに立っていたのは妙齢の美女。彼女はポールに自分はカッシングのいとこ エリザベス(ヘーゼル・コート)と名乗り今日からこの屋敷に滞在することになったというのです。

 このエリザベス、幼少時からずっとカッシングに仕送りをして貰っていたのですが、今回母親が死んだためにこの屋敷に同居することになったそうな。

 帰ってきたカッシング、エリザベスに普段とはうって変わった笑顔を見せて「やあ、よくきたね、お母さんは残念だった。私は研究があるので失礼、夕食の時に会おう」彼女を残してさっさと実験室へ入っちゃった。取り残されて呆然とするエリザベスです。憤慨したポールは彼の後を追って「せっかく来た彼女に冷たいじゃないか」と抗議するのですがカッシング、まったく取り合わずに「それより、ポール、私が手に入れたものを見てくれ」布に包んだものを取り出します。中身を見たポールは驚きのあまり「しぇーっ!」それは切断された両手でした。カッシングは興奮しています。「これはな、著名な彫刻家バルデロの手だ。彼が死んだと聞いて大金を払って手に入れたのだ。あ、言っておくけど、手を手に入れたってシャレじゃないからね」彼はこの両手を強盗の肉体に使おうと考えていたのです。

 あきれ返ったポール、エリザベスに「すぐにこの家から出て行くのだ」と忠告します。「彼の実験は危険だ、どんな実験だか言えないが、とにかく危険だ、すぐ出て行きなさい」エリザベスはきっと表情を硬くして、「私は出て行きません。私はここに住むのです。なぜなら私は彼と結婚するのですから」「しぇー!」再び飛び上がるポール。「そんな子供のころ会ったきりだというのに、結婚なんてそんな」エリザベスは微笑みます。「長いこと会えなかったのは確かですけど、私はあの人を愛しています。あの人だって私を・・・」

 ぱっと画面が切り替わりますとカッシングが廊下の隅っこでメイドのジャスティンとキスをしているという(笑)。

 さて、いろんな波乱の目を含みつつもめでたくカッシングとエリザベスの同居生活の始まりです。しかしカッシングですから甘い恋の囁きなんてものがある筈もない。カッシングは度々出かけて行っては彼の人造人間のためのパーツを買い集めていたのです。その後久しぶりに実験室へポールを呼び出したカッシング、「まあ、とりあえず、私の進行具合を見てくれ」 ポール、それを見て「しぇー!な、なんじゃこりゃ」と三度飛び上がります。彼は真っ青になって「もうやめろ、すぐやめろ、こんな実験は許されん!」カッシングはもちろん馬耳東風。それどころか、「次は脳だな、うん、脳さえちゃんとしたのが手に入れば完璧になる」と呟いております。

 そしてすぐに高名なる科学者バーンシュタイン教授(ポール・ハードマス)を自宅に招いてエリザベスと一緒に接待ですよ。教授、カッシングが「脳だ、脳を手に入れるのだ」なんて呟いていたことなど知る由もありませんから、暢気に「いやあ、私は天涯孤独の身ですから、こうした温かい家庭に招かれるのが凄く嬉しいのです」なんて喜んでおります。そして食事が終わってカッシング、教授を寝室に案内することになります。そして2階へ上がったとき、カッシングがいかにも今、不意に思いついたという体を装いまして、「教授、私の父が手に入れた手術の絵を見てくださいませんか」と言い出します。渡り廊下に飾ってあるその絵を見る教授にカッシング、「もう少し下がった方が良く見えますよ」後ずさりする教授、カッシング、いきなり「あ、アブナイ」と叫んで教授をどんと突き倒します。そのまま柵を突き破って落下する教授。はい、死んでしまいました。

 カッシングはさらに「教授は天涯孤独だからうちの墓所に埋葬しましょう」と言い出します。葬式で同僚の科学者が葬式が終わるなり教授の脳みそをほじりだそうと考えているカッシングに(笑)「こんなことをしてくださるなんてあなたはとても親切な方だ」と言うのがおかしい。

 その夜カッシングはさっそく棺桶を開けて教授の脳みそをほじりだします。ここにやってきたポール、「やっぱりそういうことだったのか、貴様、脳みそのために教授を殺したな」脳をガラス容器に収めたカッシングともみ合いになりました。これでガラス容器ががちゃん。カッシング、半狂乱になりまして「うわー、大事な脳みそが、なんてことをしてくれたんだ、出ていけ、出て行ってくれ」このケンマクに恐れをなしたポール、素直に出て行くのがおかしい(笑)。彼はその足で寝ているエリザベスの寝室へ向います。

 人妻の寝室を夜更けに訪れるという非常識もかまわず、エリザベスに「すぐ出て行くのだ」と言うポール。「彼はとても危険な実験をしている。その実験のためにあなたに危険が及ぶかも知れないんだよ」

ここでエリザベスが「はい、あなたの言うとおりですわ、出て行きます」なんて行っちゃぁ、映画が盛り上がらない(笑)。エリザベス、きっとなって「もう私たちのことに構わないで下さい!」

 そんな中、実験室ではカッシングが脳みそ相手に奮闘中。丹念にピンセットでガラスの破片を取り除き、ふーふー吹いて埃を払って、さあ、実験体に移植だ。これがすんなり行きまして、ある嵐の夜、カッシングはついに再生装置のスイッチを入れたのであります。ランプがちかちか点滅、羽根車の発電機がぐるぐる、実験室内のビーカーやフラスコの中の液体がぼこぼことあわ立ちます。実験体が入っている水槽の中の水もぼこぼこぼこ。しかし、カッシング、何を考えたか急にスイッチを切ってしまいました。「くそ、この装置は二人で操作するように作られている。私一人ではどうにもならぬ、ポールに手伝って貰わなくては」

 カッシング、急いでポールを呼びに行きます。その間、なぜか実験体の水槽の水が減り始めました。カッシングに押しかけられたポール、当然ながら酷くイヤそうな顔をして「もう君の実験には協力せんと言っただろう。もう勘弁してくれ」しかしこんなことでひるむカッシングではありません。「ふーん、そう、じゃいいよ、エリザベスに手伝って貰うから」この決めの一手にあっさり陥落するポールであります。と、実験室に落雷発生。このショックで羽根車の発電装置が動き始めたではありませんか。水槽の水もどんどん減っていってついに実験体の全貌が露になった。そして恐ろしいことに包帯で覆われた実験体の胸がゆっくりと上下し始めたではありませんか。

 カッシングはポールと共に実験室へ戻ります。しかし中でがちゃーんというガラスの割れる音。急いでドアを開けた二人の目に飛び込んできたのは仁王立ちの実験体の姿だったのです。「しぇーっ、な、なんじゃこりゃ」四度飛び上がるポール。実験体はばりばりと顔の包帯を毟り取ります。現れたのは傷だらけで左右の目玉が違い(笑)おまけに水でふやけてぐちゅぐちゅになった顔(クリストファー・リー)。実験体、いやこれからはフランケンシュタイン映画の慣例に従って怪物と呼びましょう、怪物は身も凍るような恐ろしい叫びを上げてカッシングに襲い掛かり首を締め上げます。「げげげ、げげげ」たちまち顔が紫色になるカッシング、大ピンチ。

 しかし、この危機を救ったのはポールでした。彼は椅子を取り上げると力任せに怪物の頭をがん!怪物昏倒します。ポールはカッシングを助け起こすと「すぐ殺すんだ、こんなものを生かしておいてはいけない」まあ、カッシングがこれに従うわけもありません。「何を言っている、凶暴になったのは君が脳に傷をつけたせいだ。私は彼を脳手術して直すつもりだ」

 はい、翌朝、カッシングは怪物が実験室の窓を破って逃げたことを発見するのです。カッシングとポール、ライフル銃を持って怪物の後を追うのでした。さて、その怪物に森で偶然行き会ってしまったのが盲目の老人、介護役の孫が木の実拾いに行ったところにタイミングよく現れまして、老人に迫るのです。怪物、いつの間にかコートを着ております(笑)。恐怖にかられた老人、「お前は誰だ、やめて、たすけて、こっちへくるな、ひー」直接的には描写されませんが、まあ、これは怪物によってぐっちゃんぐっちゃんのびったんたんにされてしまったと解釈するのが妥当でしょう。

 この後、ポールとカッシングがやってきて、よろよろ歩いている怪物を発見。ポール、カッシングが止めるのも構わずライフルを怪物の右目に撃ち込みます(ひーっ)。怪物ばったり倒れて、絶命してしまいました。ポールとカッシングは村人に見つからないうちにとその死体を埋葬します。これでカッシングの恐るべき実験は終わった。エリザベスが巻き込まれることもなくなった。もう心配することなどない。ポールはカッシングと袂を分かつことを決意するのです。ところがカッシングがそんなに簡単に諦める筈がありません。彼は密かに埋葬した怪物を掘り出して回収していたのです。カッシングは吊り下げられた怪物を見ながら「また、お前に命をやるぞ」と呟いております。

 そしていくらも立たぬうちに次の騒動が発生。メイドのジャスティンがカッシングに食って掛かったのです。「ちょっとあんた、エリザベスと結婚するつもりってどういうことなの、私と結婚する約束じゃないの、どうしてくれんのよ」カッシングは冷たく「そんな約束を本気にする馬鹿があるものかね」「そんなこと言ったって、あたしのお腹にはあんたの子供がいるんだよ」カッシング、まったく動じません。「どうせ、村の男とでも作った子供だろ、わしゃ、知らんよ」これで怒り狂ったジャスティン、「じゃ、あんたのやっていることを警察に知らせてやる。証拠を掴んであんたを破滅させてやるからね」

 で、その夜実験室に忍び込む訳ですよ。ところがその彼女を待っていたのはもちろん怪物。ジャスティンは暗がりから現れた怪物を見て「しぇーっ、な、なによ、これ」と逃げようとしたのですが、カッシングが実験室のドアに鍵を掛けてしまったのです。怪物に抱きすくめられるジャスティン。「ひーっ!」静かになりました。カッシングはこの後エリザベスに「ジャスティンは村の男と駆け落ちしたのだろう。心配することはない」なんて言ってます。さすがにこれはヒドイ(笑)。

 さて、それから一週間ほどがたちましていよいよカッシングとエリザベスの結婚式が明日に迫りました。今晩はその前夜祭パーティ。これが滞りなくすんで、お客が帰った後、また研究室にこもるカッシングであります。ところがこの時珍客アリ、招待状は出していたものの、きっと来てはくれないだろうとエリザベスが思い込んでいたポールがふらりと現れたのです。大喜びで彼を迎えるエリザベス。彼女はポールに「カッシングにも会ってやって、是非あなたに見せたいものがあるって言っていましたわ」

 ポール、実験室へ向います。彼の姿を認めたカッシングも大いに喜んで「いやー、ポール、本当に良く来てくれた」「見せたいものってなんだい」カッシングは実験室の屋へ彼をいざないます。その床に鎖で繋がれていたのはもちろん怪物「しぇーっ、な、なんじゃこりゃ」五度飛び上がるポール。「なんてことをするんだ、また生き返らせたのか、本当に懲りない男だな!」カッシングは「まあ、見ていてくれ」彼は怪物に向かって「さあ、立つのだ」と命令、怪物、よろよろと立ち上がります。満足そうに頷いたカッシング、今度は「さあ、座るのだ」怪物、どてんと座り込みます。

 ポールはあきれ果てて「これが君のいう最高の知性かね、完璧な人類かね、話にならん」「脳を傷つけたのは君ではないか、こうなったのも君のせいなのだ。私は彼の脳をまた手術するよ、それでも駄目だったらまた他の脳と入れ替える、どうあっても最高の作品を作ってみせるのだ」

 たまらなくなったポールは叫びます。「君のやっていることは許されない。私は警察へ行く、全てをぶちまけるぞ」ポール、実験室を出て行ってしまいます。後を追いかけるカッシング。この騒動に驚いたのがエリザベス。ポールとカッシングが血相変えて出て行ってけど、実験室で何かあったのかしら。よせばいいのに実験室へ行ってしまうのですねえ。この時怪物、自分の鎖の留め金を引きちぎって窓を破って逃げ出したのです。怪物や屋上に出ます。エリザベス、破られた窓を見てあら、何かしらってんで、本当によせばいいのに自分も屋上に出てしまうのです。

 下で言い争っていたポールとカッシング、屋上に怪物とエリザベスがいるのを見つけて仰天。カッシングはピストルを用意して急いで屋上へ。この時、怪物がエリザベスを見つけて襲い掛かった。ばーん、カッシングピストル撃った!当たった、当たった、エリザベスに(大笑い)。幸い軽傷のようですが、これで怪物はカッシングの方へ向ってきたのです。ピストルを乱射するも効果なし。カッシング、エリザベスが持ってきていたランプを見つけて、これを投げつけます。ランプが割れると同時に火に包まれる怪物・・・。

 ここで場面は冒頭に戻ります。カッシングの顔を気味悪そうに見つめている神父さん。とても信じられない様子です。カッシングは焦って、「いや、みんな本当の話なんです、信じてください」この時牢獄を訪れたのがエリザベスとポール。ポールは彼に面会することになります。カッシングは彼の顔をみて「ポール、ポール、私の友達よ、さあ、あの話が真実だってみんなに言ってくれ、そうして私を助けてくれ」しかし、ポールは冷たく「何の話ですか、私、ちーっとも存じ上げませんなあ」まあ、仮にポールが事実だと証言してもあれだけのことをやらかしたカッシングが極刑を免れるとは思えませんけどね。

 ポールはエリザベスの手をとり帰途に着きます。牢獄から処刑台へ連れていかれるカッシング。牢獄の窓から見えるギロチンの刃がしずしずと上がっていきます。エンドクレジット。

カラー・スクイーズワイド 英語モノラル音声 カラー・スクイーズワイド モノラル音声。画質面に不満はなし。むしろ怪物の顔など高画質すぎてイヤになりました(笑)。音声もクリアで嫌なノイズなどまったくありません。日本語字幕付。ワーナーホームビデオのぽすれんレンタル。 

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2009年1月20日 (火)

『フランケンシュタイン 恐怖の人体実験』(『Frankenstein Must Be Destroyed 』1969)

 

『フランケンシュタイン 恐怖の人体実験』(『Frankenstein Must Be Destroyed 1969

ピーター・カッシングのフランケンシュタイン博士は他のホラーキャラクターのごとく「この実験は神のご意思にそむくのではないか」「いくらなんでもこれをやっちゃ人間として駄目なのではないか」なんて悩みません。

 彼が悩むことといえば「次はどいつを実験台にしようか、脳みそはどこから調達しようか」なんてことばっかり。この非人間的なまでの科学者魂、たいがいラストはろくなことになりませんが(笑)、私はやはりこのカッシング=フランケンシュタインが好きだなあ。

夜の闇に紛れて歩く紳士。彼は何故か奇妙なことにバケツみたいな容器を抱えております。と、紳士は物陰に隠れました。やってきたのは今しがた馬車から降りたばかりの高名な外科医オットー・ハイテック博士。紳士は彼の背後に忍び寄ると鎌のようなナイフを振りかざしてしゅばりゅばどすび!彼の首を掻き切ってしまったのです。バケツのような容器はこの生首を入れるためのものだったのでした。

 一方、お屋敷に忍び込もうとしている泥的。謎の紳士が戻ってきたので慌ててドアを開いて入り込みます。そのまま逃げ場を求めて地下室へ降りたのですが、そこは実験室らしい部屋になっていました。物珍しげに眺める泥的ですが、ガラスケースの中に凍った死体があるのに気付いてぎょっ。たたらを踏んだ拍子にテーブルにぶつかって大きな音を立ててしまいます。これで謎の紳士、侵入者に気付いて襲い掛かった。紳士の顔を見た泥的は再びぎょっ。彼が焼け爛れたような怪奇な顔をしていたからであります。

 これから泥的と紳士の死闘。テーブルや実験器具を跳ね飛ばしながらの大乱闘です。殴られた泥的、紳士の持っていたバケツ容器を倒してしまいます。蓋が外れてごろんと出てきたのが血だらけの生首(笑)。三度驚く泥的です。紳士はまた彼に襲い掛かったのですが、しかし、結局泥的を逃がしてしまったのでした。悔しげに顔面のマスクを剥ぎ取る紳士。現れた顔はもちろんピーター・カッシング!

 ピーター・カッシング=フランケンシュタインは例によって恐ろしい実験に耽っていたのであります。カッシングはこうしちゃいられないとばかりに床に設けられた落とし戸を開き、ガラスケースの死体やら生首やらの証拠をぽんぽん放り込み、あ、ヒデー、生首なんか足で蹴落としてんの(笑)、風のように姿を消したのです。泥的の告発によってこの謎の紳士こそがオットー・ハイテック博士殺害の犯人だと確信したフリッシュ警部(スローリー・ウォータース)に率いられた警官隊が踏み込んだのですが、時、既に遅し。得られた捜査結果は「んー、多分、犯人は医者じゃないですかねえ」という誠に頼りないものだったのです。

 さて、すたこらさっさと逃げ出したピーター・カッシング。フェナーという偽名でアナ・スペングラー(ヴェロニカ・カールソン)といううら若きお嬢さんが経営する下宿家に逗留することになります。だいたい、ピーター・カッシングなんか泊めたら偉いことになるのに決まっているのですが、こうした若い女性はホラー映画の知識などありませんからなあ。うやうやしくカッシングを迎えて「長のご滞在ですか」なんて聞いちゃったりするんです(笑)。

この後場面は一転してこの町にある精神病院の中。「ぎょああえええええ」と絶叫する女性狂人(コレット・オニール)に注射をして大人しくさせているのが、若き精神科医カール・ホルスト(サイモン・ワード)、この精神病院にはもう一人名物キ○○○がおりまして、これがブラント博士(ジョージ・プラウダ)、何でも5年前に脳移植の技術を確立したと発表したために全ての資格を奪われて発狂したというのです。このブラント博士の主治医であるリクター教授(フレディ・ジョーンズ)は助手に向って「ブラント博士はもうアカン。あっちの世界に行ったままでもう帰ってきいへん。奥さんに無駄やからもうお見舞いはやめなはれと連絡してんか」

 このブラント博士と共に脳移植の実験をして国を追放されたのがフランケンシュタイン博士、すなわちピーター・カッシングだったのであります。

 カール・ホルストは実はアナの婚約者。そして彼は重い病気であるアナの母親の治療代を捻出するために精神病院からコカインを横流ししていたのであります。これをカッシングに嗅ぎつけられたのが運のツキ。「おい、ホルスト君、麻薬の横流しは重大犯罪だぜ、少なくとも20年はくらい込むはずさ。お嬢さんの方も共犯になるのだからただではすまない。あんたも10年は刑務所ぐらしだな」カッシング、にやりとして「そうなりたくなければ私の実験に協力するのだ」だから、アナ、そんなピーター・カッシングなんか泊まらせるものじゃないと言ったでしょ(笑)。

 アナ、カッシングに脅されて泣く泣く他の滞在客を追い出してしまいます。そしてカッシングはホルストと共に医療器具会社の倉庫に忍び込んで実験器具や薬品を盗み出そうとします。この時、警備の老人に見つかったホルスト、パニックとなって思わず持っていたナイフで刺し殺してしまったのでありました。カッシングは冷たく言い放ちます。「これで君も人殺しだな」そして、これでホルストはもはや俺の奴隷よとほくそ笑むのです。

 カッシングは次の悪事を計画します。それはなんとあの精神病院からブラント博士を奪還しようというもの。呆れるホルストに向って「彼と私は脳移植を成功させた。次は脳を冷凍保存することだったのだ。ブラントは冷凍保存に関して何か決定的なアイデアを持っていると言っていた。私は会って聞き出すつもりだったのだが、その2日前に彼は発狂してしまったのだ。彼を奪還して、脳手術で治療し、その秘密を聞き出すのだ」ホルスト、反対しますが何しろ殺人と言う弱みを握られているのでどうにもなりません。泣きそうな顔で手伝う羽目になってしまいました。

 さっそく夜の精神病院へ忍び込むカッシングとホルスト。カッシング、ぐーがー寝ている夜警の首に激しい空手チョップを浴びせて昏倒させます。そして鍵を奪ってブラント博士を連れ出そうとしたのですが、ブラント博士、いきなり暴れ始めた。おまけにあの女狂人が騒ぎを聞きつけて「ぎょえひあああへへへ」と絶叫。えらい騒ぎになりました。当然、犬を連れた追っ手が出動するのですがカッシングたちはなんとか逃げ延びることに成功します。ところがブラント博士を下宿屋へ連れ込んでさあ、手術だと張り切ったのはいいのですが、肝心の博士が心臓発作起こしちゃった。もう、これで3日ともたんというような状態になってしまったのであります。カッシングは懊悩した挙句、「よっしゃ、別の肉体に脳を入れ替えようじゃないか。その対象はリクター教授だ!」

 この間、フリッシュ警部は殺された警備の老人を調べたり、誘拐されたブラント博士の奥さんにいろいろ聞いたりするのですがどうもはかがいきません。今現在、彼に分かっているのは同じような研究をしていたフランケンシュタイン=ピーター・カッシングが怪しいということだけです。

 二人は再び出動。リクター教授を誘拐します。倉庫に寝かせておいたのですが、偶然アナが彼を見つけちゃった。騒ぐアナ、カッシングは彼女の寝室に押し入り、「おら、ええやろ、させんかい」と当時、56歳の肉体に鞭打ってレイプ!口封じのためなのですかねー。

 翌日、ついにブラント・リクター間の脳移植手術が開始されます。カッシング、丁寧に二人の頭の毛を剃りまして準備完了。「カール、メスをよこしたまえ」頭の皮をさーくさーくさっくさく。「カール、ノコギリだ」頭蓋骨をごーりごーりごっりごり。

手術そのものは意外に簡単に終わりまして、抜け殻となったブラント博士の死体とリクター教授の脳みそはカッシングとカールが二人がかりで中庭の花壇に埋めてしまいましたとさ(笑)。

 ブラント博士とリクター教授の捜索にやっきとなる警察はついに、町中の家を一軒一軒しらみつぶしに当たり始めたのです。当然アナの下宿にも警察がやってたのですが、巧妙に地下室への入り口を隠しておいたものですから、見つからずにすみました。おまわりさんが中庭に出て花壇を見た時のアナとカールの驚きぶりが笑えます。

 さて、ブラント博士の脳みそを移植されたリクターは順調な回復を見せ、再度の手術にも耐えられそう。カッシングはさっそく、「よし、今度は彼を正気に戻すための手術だ。カール、彼の頭を抑えなさい」そして長い長い針金のような手術用具を頭にずくーっ!カッシングがさらに力を込めて「ぬん」と押し込むのが不気味悪い。この手術も割合あっさりと成功し、後は意識の回復を待つだけとなりました。

 しかしそう調子の良いことばかりが続くわけもない。町をぶらついていたカッシング、ブラント博士夫人のエラ(マキシーン・オードリー)に偶然目撃されてしまいます。彼女はどこかで見たことのある男だと直感、古新聞を漁って夫のブラントと共にポンチ絵になっていたその男の顔を見つけ出したのでした。「やっぱり、あの男はフランケンシュタイン男爵だったのよ!」さらにカッシングが出かけている間、いきなり中庭の花壇から水が吹き上げました。埋設されていた水道管が破裂したのです。そしてその穴から水圧に押されたブラントの死体の手がぷーらぷら(大笑い)。おまけに隣のおばさんが、「あら、大変水道屋を呼んできたげるわ」だって。アナ、恐怖に顔をゆがめながら死体を引っ張り出し、懸命の努力で隠したのであります。

 なんとか見つからなかったものの、アナはもう泥まみれ。「もー、こんな生活たくさん」とボヤいております。

 さて、この騒動が終わってほっとしたのもつかの間、今度はエラがやってきた。彼女はカッシングの後をつけてこの下宿を突き止めていたのです。応対に出たカッシングに「あなた、うちの夫を知っているでしょ、どうしたの、何をしたの、夫はどこ」とかみつくエラ。カッシングはものも言わずにステッキを振り上げて彼女を撲殺・・・なんてことにはなりませんで「奥さん、落ち着いて、ブラント博士は確かにここにおります。私が治療しているのです。精神病院から拉致したのは認めますが、そうでもしないかぎり、彼の治療をすることはできなかった」

 カッシングは彼女を地下室へ案内します。上手い具合に顔面に包帯を巻いてあったので、エラにブラントがリクターに変わっていることなど分かりません。カッシングはエラに「さあ、話しかけてみなさい。彼が左手を使って返事してくれるよ」これでエラ、「わたしよ、エラよ、あなたの妻よ」ブラント、ぴっと左手を上げます。エラは彼本人であることを確認しようとして「私の髪の毛の色は?金色」とわざと違うことを言うと、今度はブラント、左手をぷらぷら振るのでした。これはNOということですね。これでエラはこの包帯男が自分の夫であることを確信し、カッシングに礼を言うのであります。カッシングはにこやかに「法を犯しているのですからな、とにかく秘密厳守に。それから今からいつでも会いに来てくださって結構ですよ」でもエラが帰るやいなや「カール、アナ、荷造りだ、すぐに逃げるぞ」

 馬車で郊外の古城に逃げ込むカッシング一行。その翌日、さっそくカッシングに言われたとおりに夫に会いに来たエラは下宿がもぬけの殻になっていることを発見。警察に通報します。駆けつけてきたフリッシュ警部たちは下宿を捜索。床下に放置されていたブラントの死体を発見するのです。「ひーっ、私の夫が」と悲嘆にくれるエラが哀れ。

 一方、カッシングはブラントに薬を注射、蘇生を早めようとします。いずれ追っ手がかかることを予感して彼から早いところ「脳保存の方法」を聞き出しておくつもりのようであります。カール、アナはこの隙に「奴は一人で逃げるつもりだ、僕たちもとっとと逃げ出そう」と相談。カールが馬車の用意をすることになりました。アナはブラントの蘇生時期を知るために薬の残量を見に行こうとしたのですが、この時すでにブラントは意識を回復、治療台から立ち上がっていたのです。ブラントは頭の包帯を外し頭の鉢をぐるりと取り巻いた惨たらしい傷跡に触れて「な、なんじゃ、こりゃ」さらに銀のお盆の裏で自分の顔を映してみて「な、な、なんじゃ、こりゃ、わし、別人になっとるがな」この時丁度良いタイミングでアナが現れた。ブラントは「一体全体これはどうしたことだ、世の中間違っとるよー」と彼女から訳を聞きだそうとしたのですが、怯えたアナ、思わず傍らのメスを取ってブラントの腹にぐさあ。

 さて、そんなことになっているとは夢にも思わないカール、納屋で馬車の用意をしております。しかし、ここでカッシングに見つかった。「貴様、カール、先に逃げるつもりだな、そうはさせんぞ」カッシング、カールと戦います。カール、頑張ったのですが、ついにカッシングに殴られて失神してしまうのでした。カッシングはこの後、治療室に向かうのですが、肝心のブラントがおらず、しかもメスを持ったアナが呆けたようになっているのを見て、「お前、刺したんか、なんてことをするのだ」怒り狂ったカッシング、アナからメスを取り上げて彼女の胸にぐさあ!カッシングは逃げ出したブラントを馬車でおっかけます。

 失神から目覚めてアナを探しにやってきたカール、息絶えた彼女を発見して絶叫。彼もまた復讐のためにカッシングを馬車で追跡するのです。

 腹を押さえて逃げ出したブラント、途中医者の家を見つけて忍び込み傷を治療、服やお金も入手して乗り合い馬車で自分の家に戻ってきたのです。ブラントは夜になるのを待って自分の屋敷へ侵入します。そしてエラが寝ている寝室へ。翌朝、眼を覚ましたエラはびっくり仰天。衝立の陰からまったく知らぬ声が「いや、おれ、お前の夫なんだよ」と話しかけてきたからであります。そして彼の姿を見て「な、なんじゃ、こりゃ、全然あたしの夫じゃないわよ、別人よ」「私はフランケンシュタインの脳移植の実験台にされてしまったのだ。奴は私の脳保存の秘密を求めてここへやってくる。私は奴に復讐するのだ」

 彼は家中にランプを配置、さらにあちこちに油をぶっかけます。そして本当にカッシングがやってきた。ブラントはエラを裏口から逃し、カッシングに対峙します。「お前は脳保存の書類が欲しいのだろう、書斎に置いてあるから、取れるものなら取ってみな!」ブラントは火をつけたマッチを投げ落とします。ぱあっと広がる炎。カッシング、なんとか書斎から書類を取ってくることに成功したのですが、ピストルを構えたブラントに阻まれて外に出られません。おまけにカールまでやってきた。もっとも、ブラントにピストルで撃たれてすぐに転げ出てしまうのですが(笑)。

 この隙にカッシングも外に飛び出したのですが、彼の腰にカールが飛びついた。ブラントも出てきて、カールを蹴って失神させるとカッシングを担いで燃え盛る屋敷の中へ戻ってしまったのです。「ぎゃあ、ぎゃあ、後生だから助けて、そんなことしないで」と悲鳴を上げるカッシング。二人の頭上に瓦礫が落下したところでエンドマーク。

やっぱりラストはろくなことにならなかったけど(笑)、やっぱりカッシングのフランケンシュタインはカッコいい!

カラー・スクイーズワイド 英語モノラル音声 発色が綺麗なので血の色が鮮やか(笑)。イヤーな高画質です。日本語字幕付。ワーナーホームビデオのぽすれんレンタル。

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『ゴリラの復讐』(『Gorilla at Large』 1954)

 

『ゴリラの復讐』(『Gorilla at Large』 1954

 みみっちい人間の欲望に凶悪なゴリラが絡むというミステリー作品。犯人はゴリラか、それともゴリラの着ぐるみを被った人間かという謎をひっぱって最後まで見るものを飽きさせません。

 警告、警告、このDVDのリージョンは1です。したがって日本国内のDVDプレーヤーでは再生できません。警告、警告。

舞台となるのは遊園地の「邪悪の楽園」(Garden of Evil)。週末ともあって大変賑わっておりますが、その中でも最大の呼び物が「地上最大のゴリラ ゴリアテ」あまりに凶悪・凶暴なために捕獲されるまでに1,000人が犠牲になったといううそ臭い呼び込みにつられて観客が続々と詰め掛けております。その様子を満足げに見ているのがこの遊園地のボス、ミラー(レイモンド・バー)であります。

 さて、いよいよゴリアテショーの始まり、始まり。観客席の前にしつらえられたジャングル風のセット。勿論、ゴリアテの怪力に備えて丈夫な鉄の檻になっております。その内側には鋭いトゲが突き出ておりまして、まずゴリアテには破ることができません。そしてゴリアテの登場です。ゴリアテはいきなりロープにぶら下がって凄まじい吼え声。観客を威嚇します。続いて檻に飛びついてがちゃがちゃと揺らしたもので、もう観客は大騒ぎ。もう入場料の元は取れたってものです(笑)。

 しかし、このショーはこれだけではなかった。ドラムロールがなってなんと、空中ブランコの演技が始まったのです。ゴリラの檻の上で空中ブランコ、この決死の出し物に挑みまするはミラーの妻、ラベーネ(アン・バンクロフト)であります。彼女は軽やかに空中を舞い観客を魅了します。最後はなんと空中ブランコから逆さづりになるという荒業。もうゴリアテが手を伸ばせば届く距離を何度も掠めるのです。大興奮の観客が大拍手を送る中ショーが終了します。この時ミラーはショーの呼び込み係りをやっていたジョーイ・マシューズ(キャメロン・ミッチェル)を呼び出して、「妻が新しい出し物を作りたいといっている。君はそのパートナーをやってくれたまえ。週給50ドル余分に出すからしっかり頼んだよ」

 この遊園地のアルバイトでお金をためてロースクールへ復帰しようと思っているジョーイ、この思いがけない話に大喜び。さっそくモギリをやっている彼の恋人、オードリー・バクスター(シャーロッテ・オースティン)に伝えるのでした。

 ここでこの遊園地で働く人たちのご紹介。まずは広報係りのオーエンス(チャールズ・タネン)、ゴリラの飼育係りのコバックス(ピーター・ホイットニー)、小人のスリム(ビリー・カーティス)、ジョーイとオードリーはすでに紹介済みですね。そしてもう一人、フマジメなモース(ジョン・ケロッグ)というのがおります。この人がもうなまけるわ、アトラクションのアガリを自分のポケットに入れてしまうわ、もうどうしようもない。ついに我慢できなくなったミラーは彼を解雇してしまいます。

 さて、ラベーネの新しい出し物とは一体どんなものでしょうか。彼女は小屋に訪ねてきたジョーイに得意満面で説明します。「あのゴリアテの頭の上を掠める奴だけど、早晩お客に飽きられてしまうと思うのよね。だから、私はいっそゴリラの上に落ちてやろうと思うのよ」いきなりこんなこと言われて驚くジョーイ。ラベーネはくすりと笑って「もちろん、本物のゴリアテじゃなくってよ、私を受け止めるのはゴリラの着ぐるみを被ったあ・な・た」すぐに見破られそうな気がしますけれども、そもそもゴリアテだって着ぐるみ丸分かりのゴリラですから(笑)まあ、かまわんでしょう。

 ラベーネとの打ち合わせを終えたジョーイは「何をやらされるの」と心配しているオードリーを連れてゴリラの小屋へ。ここで演技の説明をしようとしたのです。ジョーイは歩きながら、「とにかく僕がゴリラの着ぐるみを着て、あの檻の中に入って、アー」驚きの声を上げるジョーイ。オードリーも悲鳴を上げます。なんと、先ほどミラーに首にされたモースが檻のトゲに刺さって死んでいるではありませんか。

 彼らの通報によってすぐに警察が駆けつけてきます。捜査の指揮を取るのがガリソン警部(リー・J・コブ)。死体を調べますと直接の死因は首の骨を折られたことだと判明。被害者はジンの空き瓶を持っており、「首にされて自棄酒を飲んで、腹いせにこの遊園地のスターであるゴリラにちょっかいを出そうとして逆にやられたのではないか」ということになります。ところがこれに猛然と反論したのがコバックス。「私はずっとゴリアテの面倒を見ていた。だから奴に人が殺せるはずはない」しかも、なぜかロッカーからジョーイが着ることになっていたゴリラの着ぐるみがなくなっていることが判明。ガリソンは「むむっ、ならばゴリラの着ぐるみを使った者の犯行かもしれない。みんな容疑者になるぞ」いや、人の首折って殺しているのですから、強い力が必要ですよね。そうすると容疑者はどうしても限られてしまうことになってしまうのですが。ほら、ラベーネからゴリラ役を頼まれた誰かさんとか(笑)。

 その夜ミラーの部屋を訪ねてきたのはオーエンスであります。彼はミラーに「奴はジンの空き瓶持っていたってことですけど、あいつ、胃をおかしくしてましてね、酒を飲めなかったんですよ。あの壜は誰かが酔っ払っていたと思わせるためにわざと置いたんですよ」オーエンスはミラーの部屋にあったジンの壜を取り上げると「これ、奴が持っていたのと同じ、ヴァン・パイスターのジンですよね。この遊園地じゃボスしか飲まなかったですよね」ほーら、話が怪しくなってきた。オーエンスはひるむミラーに「当然ながら、このことはガリソン警部に話させて貰いますよ。それが市民の義務ってもんだから」

 さらにジョーイとオードリーの会話から、モースがオードリーに迫っていたこと、怒ったジョーイが彼に「オードリーに近づくな」と警告していたことなどが分かります。この複雑な人間模様が面白いですね(笑)。

 さて、翌日、警察署ではガリソン警部の部下、ジョー(ウォーレン・スティーブンス)が遊園地の人たちについて報告しております。「ジョーイは朝鮮戦争の英雄っすね、他の奴らもまあ、いいとして問題なのはミラーと奥さんですよ。ミラーも前は空中ブランコやっていて、三年前に奥さんのパートナーであったキューピー・アダムスというのが転落死しています。またもう一つ面白いことがあって、ミラーの奥さん、ラベーネは元コバックスの妻だったのです」

 一方、遊園地に出勤してきたジョーイにオードリーが「もうこの仕事やめましょう、深入りしすぎるとろくなことはないわ」でもジョーイは50ドル高くなる週給に拘っています。「いや、お金がたくさん入ればそれだけロースクールに戻るのも君との結婚も早くなるじゃないか」これでオードリー、怒ってしまって、「いいわ、あなたはここで働けばいい。私はやめる」彼女は遊園地を退職してしまうのです。これで焦ったジョーイ、ラベーネのところへ行きましてやめさせて欲しいと頼んだのですが、色気たっぷりに慰留され(笑)、とにかくこの夏まではやると言わされてしまったのです。

 ところがこれを面白く思ってないのがミラー。自分からジョーイに声を掛けたくせにいざ、妻のパートナーになると嫉妬してしまうようですな。すると、三年前の事故にも彼の嫉妬が関係しているのではないかと思うのですが・・・。

 さて、事件以来ゴリラの檻の前におまわりさんが一人頑張っております。ゴリラの餌を取りにいくというコバックスに「あ、じゃ、ついでに僕のランチも頼むよ、コーヒーもお願い」一人になった彼はゴリアテをじっと見ていたのですが、その背後から別のゴリラの手が。これでおまわりさん、殴り倒されてしまいます。そのゴリラの手はゴリアテの檻の鍵を開けてしまいました。ゴリアテ、ごっほごっほと嬉しそうに出て行ってしまうのです。

 その頃、遊園地にガリソン到着。さっそくオーエンスは彼にミラーのジンの壜のことを後注進。この時オードリーは彼に頼まれて電気を消すため鏡の迷路へ。スイッチを探してうろうろするうちに迷ってしまいました。と、そこにゴリアテ出現、オードリー凄まじい悲鳴を上げます。この悲鳴を聞いて駆けつけるオーエンスとガリソン。

オードリーを助けるべく、鏡の迷路館に飛び込んだガリソンとオーエンスでしたが、さすが迷路、二人とも迷ってしまいます(笑)。そうこうするうちにオーエンスの背後からゴリアテが出現。首に手をかけるときゅうっ、絞め殺してしまったのです。ゴリアテはその後オードリーを攫おうとしたのですが、慌ててやってきたコヴァックスに「こら、エテ公、その娘を離せ」と一喝され、しぶしぶ命令に従うのでした。ガリソンはピストルの台尻でガラスを破ってオーエンスと失神したオードリーを発見します。

 さてその頃ジョーイは恋人がそんな目に会っているとは露知らず、楽屋で暢気に髭を剃ったりしております。その時彼の背後でがたっという音。慌てて振り返ってみるといつの間にかゴリラの着ぐるみが戻ってきているではありませんか。しかもタイミングの悪いことにジョーが鏡の迷路館での事件を伝えにやってきた!彼は着ぐるみをじろりと見て、「これはどうしたんだ」ジョーイはもう「いや、いつの間にか戻ってきてたんスよ」と言うほかはありません。ともあれ、これで彼に対する疑いはますます濃くなったのであります。

 ガリソンのところへ連れて行かれたジョーイ、オードリーがゴリラに襲われて入院したことを聞かされ半狂乱。でもガリソンは意地悪く、「お前がゴリラの着ぐるみ被ってやったんじゃないの、え、お前、海兵隊で格闘術習ったろ、それを使えば首の骨を折るくらい簡単だよなあ」この後、ねちねちとした尋問を受けて、ようやく解放されたジョーイはオードリーの病院へ。幸い精神的なショックだけで怪我らしい怪我はなく、すぐにでも退院できるわというオードリーにほっとするジョーイであります。「もう、こんなサーカス、すぐにやめましょう」というオードリーですが、ジョーイはガリソンに疑われていることを話して、「今やめようとしたら、完全に犯人だと思われてしまうよ。もうしばらく我慢してくれ」

 さて、ゴリアテはどこに行ったのでありましょうか。それはもちろん、コバックスが遊園地のアトラクションの一つ、水中探検ショーの乗り物に隠していたのであります。このカプセル状の乗り物にゴリラを入れて水中に沈めておけば絶対誰にも見つからないという寸法です。しかし、このままゴリアテが大人しくしていたら映画が進みません(笑)。園内を見回っていたおまわりさんたち、うっかり乗り物を上下させるレバーに触れてしまいます。このショックでかたん、レバーが倒れて乗り物が浮上。ゴリアテ、再びごっほごほと言いながら逃げ出したのです。

 ゴリアテ、園内を彷徨います。さ迷ううちに各種アトラクションのスイッチを入れてしまい、そのたびにおまわりさんたち大騒ぎ。しかし、なんですな、ああいう遊園地のアトラクションってレバー一つ動かしただけで作動するようになっているのですな(笑)。ゴリアテが最終的に行き着いたのはミラーとラベーネの家。窓から手を差し入れて寝ているラベーネに悪戯を・・・。しかしラベーネが悲鳴を上げたので、おまわりさんたち、コバックスが駆けつけてゴリアテ捕らえられてしまいました。

 この時ミラーが不在だったのを不審に思ったガリソンがラベーネに尋ねると「あの人は最近、キューピー、モース、オーエンスの顔が目の前にちらついて寝られないと申すのです」「そりゃまたどうした訳で」ガリソンのこの問いに答えたのは丁度戻ってきたミラー。「決まってる、みんな俺が殺したからさ、だから、あいつらの顔がちらついて俺を寝られなくしているのだ!」ガリソンはさっそく彼を逮捕、収監します。この唐突な告白で事件は一件落着したかのように思えたのですが・・・。

 翌日、団長が逮捕されたというのに、それも三人も殺されたというのに、その犯人が自分の夫だというのに、レベーネはジョーイを相手に新しいアトラクションの練習です(笑)。打ち合わせどおり空中ブランコからジョーイの腕の中に飛び込むレベーネ。しかし、ジョーイ、彼女を受け止めることはできたのですが、その先、彼女を自分の頭上に上げることができません。それを見ていたコバックス、何を考えたのか「おし、俺がお手本をみせてやるよ」彼はジョーイからレベーネを受け取るとまるで重量挙げの選手のごとく頭上に差し上げたのです。お見事と感服するジョーイでしたが、その先がいけない。コバックス、レベーネをなかなか降ろそうとしません。それどころか投げ落とすようなそぶりさえ見せるのです。恐怖に駆られてレベーネが「降ろして、許して、助けてキャー」と叫んでも知らん振り。

 この後何事もなかったかのようにレベーネを降ろすのですがジョーイはその悪魔的な表情から「犯人はこいつだ」と確信してしまったのでした。ジョーイはすぐにガリソンのところへ行き、このことを話すのですがさすがに信じてくれません。「早くコバックスを真犯人として捕まえないとレベーネがアブナイ」と焦ったジョーイ、一計を案じまして呼び出したミラーに「あの、すんませんが、そこの窓ガラス開けてもらえませんか」ミラー、言われたとおり窓を開けようとしたのですが、これがつっかえていてなかなか開かない。実はミラー、昔、レベーネとの曲芸中に腕を折り、その傷が元で曲芸を引退していたという過去があったのです。

 ジョーイはコレを見て「ほら、ガリソン警部、彼はあんな窓も開けられない。だからモースたちの首の骨を折るなんて芸当はとても無理だったんですよ。彼は自分がコバックスに怨まれていることを知っていた、だから殺されないために自分が犯人だといってわざと捕まったのです」

 では真犯人はコバックスか、彼は今夜の出し物できっと何かやらかすに違いない。慌てて遊園地へ戻るジョーイとガリソン警部たち。ジョーイはそのままアトラクションに参加、警部たちは客席で成り行きを見守ることになります。ジョーイはジャングルのセットの下でコバックスに用心しながらゴリラの着ぐるみを着ようとしたのですが、手に何かが触れました。引き出してみるとそれはテープ。しかもレベーネが空中ブランコの時に手に巻いているやつではありませんか。驚愕するジョーイ。「そ、それでは彼女が犯人だったのか、彼女がこれを着てモース達を襲ったのか、いや、待て、女の身で大の男の首の骨を折るなんて真似は・・・、そうだ、彼女はジュードーを知っていた。ジュードーの技を使ったのだ」ジュードーの技でも絞め落とすぐらいならともかく首の骨をへし折るのは無理だと思いますがね(笑)。コバックスは暗い笑いを浮かべて「ようやく気付いたのか、そうだ、みんなあの女がやったのだ。キューピーを突き落として殺し、それをモースに揺すられて彼も殺し、さらに真犯人も知っていたオーエンスもやっつけたのだ」

 いや、少なくともオーエンスは彼女が真犯人であることを知っていたという描写はかけらもされなかったのですがね。ちょっとミステリーとしてはアンフェアじゃないですかね。

 ショーが始まりました。ここでコバックスがゴリアテを引っ込めて代わりにジョーイが出てくる段取りの筈ですが、コバックスは腕組したまま動こうとはしません。「おい、何をしているんだ、このままだとレベーネがゴリアテに捕まってしまうぞ」コバックス、それでも動かず。ついにゴリアテをジョーイと勘違いしたレベーネが飛んでゴリアテの腕にすぽっ。彼女はそれが着ぐるみではなく本物であることを知って「ひー」ゴリアテ、興奮して彼女を抱いたままジャングルのセットから逃亡したのです。

 美女を抱えたゴリラがこんな時どうするか、決まっています。高いところに登るのです(笑)。ゴリアテはジェットコースターのコースによじ登り始めます。「うわあ、アブナイ」いてもたってもいられなくなったジョーイ、単身ゴリアテの後を追いかけたのでした。そしてゴリアテのすぐ下までくると、ガリソン警部たちに「花火を使って奴の注意をそらしてください、その隙に彼女を救出します」その言葉通りロケット花火が用意されて、ジョーイの合図で発射。ひゅーん、ひゅーんと飛びすぎるロケット花火に手を伸ばすゴリアテ。4発目でついにゴリアテがレベーネから手を離した。この隙にジョーイ、彼女を救出することに成功します。警官たちはゴリアテに向ってライフル・ピストルを「何時までもお前の好き勝手にはさせん、正義は必ず勝つ!」と叫んで乱射します。哀れゴリアテ、蜂の巣となって落下してしまいました。

 事件はようやく終結しました。レベーネが連行されジョーイはオードリーと抱き合ってキス。エンドクレジット。

ウウーム、目出度し、目出度しモード映画は終わってしまいましたが、これはちょっとゴリアテが可哀想じゃないかなあ。

モノクロ・スクイーズワイド 落ち着きのあるモノクロ画像でいやなノイズがないのが宜しい。BGMの品位も高く台詞も聞き取りやすいです。英語字幕、クローズドキャプションつき。Mystery on Monster Island 』(『Misterio en la isla de los monstruos』 『怪獣島の秘密』 1981年)とのカップリング MGMミッドナイトムービーシリーズのDVD 

エロの冒険者 
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『怪獣島の秘密』 (『Mystery on Monster Island 』 『Misterio en la isla de los monstruos』 1981年) 

 

『怪獣島の秘密』 (『Mystery on Monster Island 』 『Misterio en la isla de los monstruos』 1981年) 

 なんだかやたらにカッコ悪い怪獣ばっかり出てくる島だと思ったら、実はこれがあれですべてあの人のあれだったという、すんごい映画でした。皆さんもきっとびっくりすると思いますよ!

  警告、警告、このDVDのリージョンは1です。したがって日本国内のDVDプレーヤーでは再生できません。警告、警告。

時代は19世紀後半から20世紀初頭ぐらい?南洋の島でこの映画は始まります。森の中を必死に逃げている男。それを追っかけるライフルで武装した数人の男。ライフルが発射され逃げている男の右腕を貫きます。男は大量に出血しながらもなんとか洞窟に逃げ込みました。後を追った男たちは、この洞窟からさらに掘り下げた坑道があるのを発見するのです。縄梯子を使って下へ降りてみるとそこにあったのは男の死体。「エリックだ」と男たちの一人バーリング(フランク・ブラナ)が呟きます。そしてみつかったものはこれだけではありませんでした。大量の金塊が積まれていたのです。「ウワー、金だ、たくさんあるぞ、俺たちゃ、大金持ちだ!」しかし、そうは問屋が許さないじゃなかった、卸さない。逃げていた男が隙をみて縄梯子を引き揚げてしまったのです。そして男は「ひひひひ、お前たちはここで死ぬのだ。この金は持っていかせないぞ」バーリングは仲間たちの手を借りて穴をよじ登り、彼に襲い掛かったのですが、間一髪で間に合わない。男が持っていたダイナマイトに点火。どかーん、大爆発が起きて洞窟が埋まってしまいました。一人バーリングのみが生き残り、海で待っていた帆船になんとか戻ってきたのです。

 彼を待ち構えていた船長(テレンス・スタンプ)はバーリングに「おい、他の三人はどうした」「みんな死にました。生き残ったのは私一人です」酷い怪我で瀕死のバーリングですが、船長は容赦しません。「それで金はあったのか」バーリングが意識を失いかけていると見るやげすげすと蹴って「おい、質問に答えるのだ、金はどうなった」バーリングは懐から金塊を一個取り出して船長に渡すと「後はみんな爆発で洞窟の中にうずもれてしまいました」がくりと頭を垂れるヴァーリン。船長はそんな彼を一顧だにせず立ち上がると「くそ、いったんサンフランシスコに戻るのだ。だが私は必ず戻ってくるからな」

 船長、サンフランシスコに戻ると件の島のオークションに参加。売り手が「大自然がいっぱい、風光明媚とはこのことなり。しかも危険な動物はいないのですから、こんなお買い得の島はありません」でも、みんなしぶいの。島ひとつ丸ごとの入札なのに120万ドルしかつけないのです。にやりとした船長、「じゃあ、わし、130万ドルつけるわ」これで落札かと思われたのですが、ここで現れたのがウィリアム・T・コルダーアップ卿(ピーター・カッシング)。彼はすぐに船長を上回る値段140万ドルをつけたのでした。この後、島を競り落とそうと争う二人。そして最終的に勝利を収めたのがピーター・カッシング。彼はなんと500万ドルの値をつけたのでした。船長、彼を睨みつけ「コノウラミハラサデオクベキカ」と呟くと会場を後にしたのです。

 さて、ピーター・カッシングには可愛い甥っ子がおりました。その名はジェフ・モーガン(イアン・セラ)、家庭教師のアータレクト教授(デヴィッド・ハットン)をからかっては怒らせるのが大好きなちょっと困った若者。カッシングは彼を呼び出して「ジェフや、二週間後にメグ(アンナ・オブリゲン)との婚約を発表するぞ、どうじゃ、うれしかろう」しかしジェフは浮かない顔。「叔父さん、確かに僕はメグを愛している。でも結婚の前に自分の可能性を試してみたい、手っ取り早く言うなら諸国漫遊の旅に出たいのです」 こいつ、とんでもなく贅沢なこと言い出しやがった。それに諸国漫遊の旅ってなんだ、お前は水戸黄門か。

 しかしさすがは海運王(多分)のピーター・カッシング、メグの助け舟もあって、この贅六の願いを聞き届けることになります。「なら近々出港する私の船に乗せてあげよう。ただ条件がひとつある。お目付け役としてアータレクト教授も一緒に行くのだ」

 映画とは便利なもので次の場面になるともう船が今まさに出港せんとすというところ。意気揚々と船に乗り込むジェフ。後を追ったアータレクト教授、鶏の入った籠に頭をぶつけまして、「なんじゃ、こりゃ、ノアの箱舟か!」そして汽笛が鳴って船はしずしずと進みだします。カッシングと二人で見送りにきたメグ、船上のジェフを見つめながら、「私、なにやら悪い予感がいたします。もう二度とジェフに会えないのではないかと」

近くには船長もいて、ジェフたちを睨みつけております。彼女の予感はどうやら当たりそう。


 出航後、しばらく平穏な航海が続きます。とはいえ船上生活にまるで不慣れな教授、船酔いでげーげーやったり甲板で滑って転んだり、悲惨な目に会っております。また教授がスッ転んだ。彼は救命ボートの中に落ちたのですが、下から「うわあ、お助けください」という声。なんと中国人の密航者だったのです。この船の船長は密航者には死あるのみ、海へ放り込めと叫ぶのですが、これをジェフがとりなして命を助けることになったのです。中国人は次の港まで厨房で働くことになりました。

 ある夜、船は深い霧に包まれてしまいました。と、ジェフの寝室に飛び込んできた教授、「火事だ、火事だ、ジェフ逃げるぞ」慌てて服を着替えて逃げ出すジェフ。奇妙なことに船内には人がいません。すでに逃げてしまったのだろうかと思って甲板に上がってみると、二人船員が倒れているではありませんか。しかも抱き起こしてみたら「うわー、死んでるぞ」そして、次の瞬間、半漁人が出現。ぶっかぶかの着ぐるみでゴムの質感丸出し、顔も漫画のように緊張感がない素晴らしいモンスター。しかも何を考えたのか手に発炎筒を持っております。「うわあ、出、出たぁ」半漁人の群れに追われて逃げ惑う二人。その間にも船の火災はどんどん酷くなっていきます。もはや、これまでだ、ジェフと教授は暗い海へ身を投げ出したのでした。

 その直後、船は炎に包まれます。そして大爆発が起きて沈没してしまったのでした。

 あまりに半漁人の着ぐるみが不出来で、しかも発炎筒を持っているという不自然さ。これは絶対この船のクルー達が着ぐるみ使って二人を騙して海へ追い払おうとした作戦でしょう。でもあの爆発はどういうことなのでしょうか。

 夜が明けて海岸にジェフが漂着しているというのはこんな無人島映画の定石。幸い教授も近くで見つかりました。もっとも彼の場合は海草まみれになっていましたけど(笑)。二人はここが無人島であることを知って愕然としますが、とにもかくにも周辺を調べてみようということになります。ジャングルをかき分けて進む二人。ジェフはこういう環境に慣れているようですが、教授はそうもいきません。木の枝に顔を打たれて「アイタタタ」、木に巻きついているアナコンダを見て「ひー」とにかくうるさいったらない。

 二人は洞窟を見つけます。中を探検してみると二体の白骨死体が!「これ、人喰い人種じゃないの」と震え上がる教授。しかし、他にいくあてもないので、当分の間、この洞窟を根城にすることになったのです。ジェフは海で貝を採り、教授は火を起こそうとします。当然ながら教授のほうは上手くいきません。教授は手が豆だらけになったとぶつぶつ言いながらジェフの採ってきた貝を生で食べる羽目になりましたとさ。ジェフ、次は木の実を取ろうとして大木に登ります。その時彼が見たものはまごうかたなき煙。「教授、煙だ、人がいるかもしれませんよ」二人は煙が上がっていたと思しき場所に急行。しかし、そこにあったのは朽ち果てた小屋だけだったのです。

 とはいえ、中を調べてみるとトランクがありまして、中には衣類や傘、紅茶、紅茶のセット(笑)があったりして意外に使えそう。おまけにこの小屋にいた人懐っこいチンパンジーが彼らの仲間になるのです。それからしばらくは楽しい無人島生活。洞窟の入り口に扉をつけたり、教授が土器を作ったり。もっともこの土器、チンパンジーが悪戯して発射されたピストルの弾で粉々になってしまうのですが。ジェフもメグの写真を取り出して、乗馬デートやダンスなどの思い出に浸っております。

 この平穏な時間は長くは続きませんでした。彼らが恐れていたことがついに現実になったのです。人喰い土人の襲来です。もっとも彼らを襲いにきた訳ではなく、連れてきた捕虜の男を捌いてパーティをやろうとしているらしい(笑)。ライフルと銃で武装したジェフと教授は彼らの様子を伺います。土人たちは捕虜を吊るしてどんがどんがと太鼓を叩いて踊ってます。そしてその中の呪術師らしき人物が蛮刀を振り上げた。このままでは捕虜の頭がスパッと斬られてころんころんと転がるぞ。

 これを見過ごせなかったジェフ達はライフルと銃で不意打ち。見事蛮族どもを追い払ったのであります。助けられた捕虜の男カリフェトノフは地面に頭をすりつけ、身振り手振りで彼らの生涯の召使になることを誓ったのです。さて、じゃあ、洞窟に帰ろうか、と歩き出したところ、カリフェトノフが騒ぎ出した。彼は地面を指差して何かを叫んでいます。そこにあったのは巨大な足音だったのです。わあと思う間もなくこの足跡の主である思われる怪獣出現。これがまた、ああた、先の半漁人よりも酷い出来。肥満体のティラノサウルスの体にカエルの頭が乗っているような塩梅で、もう何を考えてデザインしたのかと言いたくなるほどカッコ悪い。

 この怪獣が三匹も現れたからたまったものではありません。彼らは洞窟に追いつめられます。ライフルでもカリフェトノフのヤリも効果なし。三人とチンパンジー一匹は洞窟の裏の出口からほうほうの体で這い出し、なんとか逃げることができたのです。これじゃ、洞窟には住めない。怪獣の襲撃にも耐えられるような家を作ろう。これからまたえんえんと家を作る様子がだらだらと何の工夫もなく続きます。いい加減私は飽きてきました。

 その次に彼らは浜に漂着していたボートを見つけて修理。テストのために海に入ろうとしたのですが、またまた怪物が現れた。今度は全身を海草に覆われた海草モンスター。

海草モンスターに追いかけられて逃げ惑う三人。ライフルもピストルもまったく効き目がありません。あ、海草モンスターの下に人間そっくりな足が見えた!三人はどんどん数が増える海草モンスターについに崖の下に追いつめられてしまいます。もうこれで駄目かと思われたのですが、このピンチを救ったのは意外にもチンパンジーでした。彼はどこからか持ち出してきたか知らないけれども、縄梯子を垂らし3人を助けたのでした。

 三人は怪獣襲来に備えて門を強化した洞窟に戻ります。そして昼間の疲れからぐっすりと寝ていたのですがまた新たなる敵が登場。今度はアラブ・ゲリラ風の衣装に身を包んだ男たち。彼らは門を破って侵入すると洞窟の入り口に枯れ草を積み上げて火を放ちます。たちまち煙が洞窟内に充満、目を覚ました三人は「げほ、ごほ、火事だ、逃げろ」洞窟の奥に逃げ込んだのですが、そこには巨大な芋虫怪物が!しかもこれが一匹ではないのです。五匹ばかりもいてなにやらガスのようなものをしゅーしゅーと三人に吹き付けてくるのです。このガスのパワーで洞窟の天井が崩れ落ちてきた。三人はわき道に逃げ込みます。と、ここが妙に明るい。その壁をじっと見つめた教授、驚きに目を見張って「ジェフ、こ、これは金ですぞ」ジェフと二人で「これで僕らは大金持ち」と大喜びしていたのですが、今度は壁の頭からでっかいトカゲが首を出した!

 驚いた教授、洞窟の床に空いた穴から下に落ちてしまいます。そのまま底知れぬ空洞に落ち込んで餓死するまで彷徨い続けるのです・・・となったら面倒がなくっていいのですが(笑)実際は地底の泉にじゃぼん。ジェフとカリフェトノフも教授の後を追ってじゃぼん。彼らは水中に抜け道を発見します。思い切って潜ってみたらこれが海に通じていたという都合の良さ。みんな海中から砂浜へ上陸して、やれやれと腰を下ろすのですが、そんな彼らの目に飛び込んできたのが大型帆船。「教授、船ですよ、合図しましょう、火を炊きましょう」ジェフとカリフェトノフが集めた薪に火をつけようとしたのですが、教授の持っていたマッチが湿って使い物にならなかったという・・・。

 あたふたしているうちに船は行っちゃった。絶望した教授は「ウワー、もう駄目だ、みんな死んじゃうんだ」彼はジェフを睨みつけます。「お前のせいだ、お前が私を巻き込んだんだ。何が冒険だ、何がアドヴェンチャーだ、何が諸国漫遊だ、お前は水戸黄門か」泣き崩れる教授。ジェフとカリフェトノフは彼をなだめてまた山へ戻ろうとします。でも例の洞窟は火事で燃やされちゃったし、どこへ行こう、いやそれより前に腹へったということで食料探し。二人が教授から離れたところで、何故か七面鳥が現れます。教授、さっそく捕まえようとしたのですが、七面鳥もすばしっこく逃げられてしまいます。諦めきれない教授、七面鳥が逃げ込んだ茂みのあたりを調べるのですが・・・、お、羽が見えた、七面鳥だ、今度こそ逃さん。ところが教授が掴んだのは仮面についた羽飾りだったのです。仮面を被った人物がばっと立ち上がったので驚いた教授は逃げ出し、ジェフたちに「化け物七面鳥がいたぞ」 ジェフ達は最初信じようとしないのですが、現場に戻ったところ、七面鳥ではなかったけれども、仮面を被った不審な奴がいた。ジェフ、飛びついて捕らえるのですが、仮面の下から現れた顔を見てこれまた仰天。それは妙齢の金髪美人だったからです。

 彼女の名前はドミニク(ブランカ・エストラーダ)というフランス人。ジェフ達と同じく船が難破してこの島にたどり着いたとか。ところが他に二人いた仲間が人喰い土人にやられてしまったので、彼らを驚かすためにこんな仮面をつけていたというのです。ジェフ達はせっかくのご縁ですから私の洞窟にいらっしゃらないといわれて、彼女についていくのであります。ドミニクの洞窟はさすがに女性らしいインテリア。木の枝を使って作った化粧台や岩のくぼみを利用したバスルームまである(笑)。

 さらには蓄音機まであって、これの音楽に合わせてジェフとドミニクが踊ったりするのです。しかし、こんな暢気なことをやっている間にあのアラブゲリラみたいな謎の一団がまたしても襲来。いち早く身を隠したカリフェトノフを除き、後のみんなはあっさり捕まってしまったのです。謎の一団は彼らを木に縛りつけ、そのリーダーらしき人物が「やい、お前、金のありかを言うのだ。言わないとこの女の顔を松明であぶってしまうぞ」ドミニク、これを聞いて真っ青になりまして、「ひー、ジェフ、喋って、喋って」

 ジェフは以下にも仕方ないという感じでこんなことを言い出しました。「あのダイヤは火山で見つけた。クレーターから中に入れるんだ」もちろん、これは時間稼ぎの嘘。これにまんまと引っかかったリーダー、二人の見張りを残して金探しに急行するのです。この時突然、その火山が爆発。続いてカリフェトノフがこの隙をついて見張を倒しジェフ達を助けます。彼らはそのまま洞窟へ戻り柵を直して謎の一団を迎え撃つ準備を整えるのでした。一方騙されたと知ってリーダーたちは引き返してきます。そしてさらにジェフ達が逃亡しているのを見て怒り狂い見張をドツキ倒すのでした。リーダーは叫びます。「奴らはもとの洞窟に戻ったに違いない。奴らを襲って生け捕りにするのだ」

 これから始まるのが謎の一団対ジェフ達の攻防戦。攻め寄せる一団に対してジェフ達はライフル・ピストル、あらかじめ柵に装備しておいた木の実ガトリングガン、椰子のみ投石器(石じゃないけど)などを使って彼らを翻弄します。木の実が当たってたじたじとなる一団。はっきり言ってしょぼいです(笑)。しかし、ついに木の実、椰子の実がつきて退却するジェフ達。洞窟の入り口に火薬を仕掛けて爆発させます。しかし、謎の一団ひるまずに「追え、追え、生け捕りだ」

 また洞窟の奥へ。今度は芋虫の化け物はでません。しかし後を追ってきた謎の一団。壁がきらきら光っているのを見て「これは金だ、よし、金を見つけたからには奴らは用済みだ、生け捕りなんかすることはない、撃ち殺してしまえ」ジェフは再び爆弾を仕掛けて爆発させると、はい、崖に沿ってあった道が爆破され、ようやく一団から逃れることができたのです。ジェフ達は洞窟のもう一つあった別の入り口から海岸へ逃げ出すのでした。彼らはもう一度山の中に隠れることになります。もう何回同じことを繰り返せば気が済むんだか(笑)。

 この時突然、カリフェトノフが「ジェフ、君のおじさんが来なければ我々はおしまいです」いきなり英語を喋りやがった。「え、何、どういうこと」と呆然とするジェフ、教授。カリフェトノフは二人、それに映画の観客に向って種明かしです。「私実は、あなたのおじさんに雇われたプロの役者なのです。本名をビグビーといいます。あの人喰い土人たちも役者です。付け加えていえばいろいろ出てきたモンスターも全て作り物。あなた方が使っていたライフルやピストルの弾も空砲でした。この島は人工の冒険島なのです」

 やっぱり全て作り物で仕組まれていたのですねー。だったら彼らの乗ってきた船、ドリーム号の爆沈も仕掛けだったの?それにしては随分と派手に爆発していたようですが(笑)。

 ビグビーはにっこりとして「この冒険旅行はメグさんからのプレゼントだったのですよ」

 そしてビグビーはおじさん、ピーター・カッシングとの取り決めで火山を爆発させて合図したら助けに来てくれることになっていたといいます。これを聞いた教授、「火山の爆発も作り物かい」と憮然。「でも、今だ、おじさんたちは到着していない。何かあったのでしょうか」と言ったその口が渇かぬうちに帆船ドリーム号が現れたという・・・。ジェフ達は歓声を上げて砂浜へ。そしてボートから降りてきたカッシング、メグとご対面です。硬く抱き合うジェフとメグ。教授はカッシングに「ところであの賊たちも仕込みなのでしょうか」と聞いたらカッシング、ぽかーん。「いや、何のことか分からないが」

 ここで謎の一団登場ですよ。リーダーはようやく覆面を外して素顔をあらわにします。息を飲むカッシング、「おお、お前はオークションで私と島を争ったタスキナーではないか」分かりきっていたことですけどね(笑)。しかもこの時ドミニカが懐からピストルを取り出してジェフに突きつけます。「ふふふ、あたしもタスキナー船長の仲間なのさ」

 タスキナーは「よし、カッシング、金のありかを教えるのだ、本来は私のものになっていた筈の金をな」突然、どこからともなくキューンと高い音を立てて火矢が飛来、砂浜に突き刺さります。うろたえ騒ぐタスキナー一派。このチャンスを逃がすなとばかり襲い掛かるジェフ達であります。形勢悪しと見たタスキナーが逃げて子分どもは戦意喪失。みんな捕まってしまいました。また、そのタスキナーも何故か両手を挙げて戻ってきます。その背後からピストルを突きつけていたのは誰あろう、あの密航中国人ではありませんか。

 カッシングはにこやかに説明します。「彼はセングユー、爆発の専門家だ。船の爆発も彼の手によるものだ」ははあ、あの火矢はこの人が飛ばしたのですな。何はともあれ、これで一件落着。ジェフとメグは熱いキスを交わします。教授はちょっと調子に乗って「もはや、私には怖いものなどなくなりましたぞ、私は無敵ですぞ」背後から忍び寄ったセングユーが爆竹に火をつけてぽい。爆発音に教授飛び上がって「ひやー、お助けえ」と逃げてしまいます。わはは、わははと笑う一同。エンドクレジット。

 カラー・スクイーズのワイド仕様。モノラル音声。解像度は高いけれども、その分ノイズが目だってしまいます。発色の薄さも気になるところ。音質は特に悪いところはなし。標準的なレベル。英語字幕、クローズドキャプションつき。『ゴリラの復讐』(『Gorilla at Large』 1954とのカップリング。MGMミッドナイトムービーシリーズのDVD 

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