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2009年3月 3日 (火)

『フランケンシュタインの復讐』(『The Revenge of Frankenstein』 1958)

 

『フランケンシュタインの復讐』(『The Revenge of Frankenstein』 1958

ギロチン台が大写しになるという誠にご陽気なオープニング。続いてテロップでフランケンシュタイン博士はモンスターを作り多数の人間を死に至らしめた罪で1860年に処刑された。世間はこの処刑でやっと安心することができた・・・、めでたし、めでたしってそれじゃ映画が終わっちゃう(笑)。

 ギロチン台に登らされたフランケンシュタイン博士(ピーター・カッシング)、いまや彼の命は風前の灯です。しかし、ここで奇妙な出来事、彼に付き従っていた跛行者と処刑人が妙な目配せを交わしたのです。そしてギロチンがぎりぎりと引き上げられどーんと落ちます。

 その夜さっそく墓場を穿り返す二人の男。墓暴きです。彼らは掘り出した棺おけに「フランケンシュタイン男爵」と刻まれているのを見て「うわ、男爵じゃん、きっと金目のものが入ってるぜ」 二人はほくほくしながら棺おけの蓋を開けたのですが、「げぇっ、これは司祭じゃないか、しかも首がねえぞ」その時突然背後から不気味な声が響きます。「こんばんわ、その棺おけがどうかしたのかね」暗闇より現われたのは処刑された筈のピーター・カッシング!墓暴きのうち一人は悲鳴を上げて逃げ出し、もう一人は持病の心臓をパンクさせて倒れます。その死体を棺おけと一緒に埋めるカッシングであります。

 それから三年が過ぎましてピーター・カッシングはシュタイン博士と名前を変えてカールスブルックという町で開業しております。彼は金持ちばかりではなく貧しい人々を相手に無料の医療を行っていてその名声はうなぎのぼり。最初は彼の開業を妨害しようとした医師協議会もその名声には抗しきれず彼をメンバーに加えようとします。あっさり断られてしまいますけれども(笑)。

 彼の無料診療所は今日も今日とて人相の悪い入院患者でいっぱい。彼は下僕のバーグマン(ジョン・ウェルシュ)とともに彼らを回診。「よし、君は腕を切断しなくちゃならないな。今日の午後5時に手術だ」とやたらに四肢を切断したがるのが気になりますが、まあなかなかに良い医者をやっているようです。そしてへとへとに疲れて自室に戻ったカッシング、遅い夕食を取っておりますと背後から「こんにちわ」「わあっ」と驚いて飛び上がるカッシングです。声を掛けたのはハンサムな若い男。彼はハンス・クレーブ博士(フランシス・マシューズ)と名乗り「私は博士にお会いしたことがありますよ、ベルンシュタイン博士の葬儀でね」ぎくっとするカッシング。「あなたはシュタイン博士ではない。フランケンシュタイン博士だ。私はあなたの医学的知識が欲しい、だから私を助手にしてください」

 カッシングはやむを得ず彼の願いを聞き届けることにします。ちなみにこの後でハンスが「ねえねえ、先生、どうしてシュタイン博士なんて偽名にしたんです、偽名にするならこんな中途半端に似た名前じゃなくってぜんぜん別なものにすれば良かったのに」と尋ねてカッシングにいやな顔をされるという場面が存在したと一部のマニアが言っておりますが、これは定かではありません。

 カッシングは彼を研究室へつれて行きます。そこにいたのがあの跛行の男。彼はカール(マイケル・グゥイン)と言いましてやっぱりカッシングの研究を手伝っているらしい。「カール、頼んでいた荷物は受け取ったか」この荷物というのが、もう皆さんお分かりですね、あのスリから切り取った腕だったのです。「スリの腕だからな、さぞかし手先が器用だろうよ」と嘯くカッシング。やっぱりカッシングはカッシングだ、善意の医者を装ってその裏ではこんなろくでもないことをやっていやがった。道理で患者の四肢をやたらに切断したがるはずだ!

 続いて彼はハンスに自分が作り上げた機械の脳を披露。脳といっても大きな箱がいくつも組み合わせたようなもので、これに水槽に入った目玉と腕が繋がれております。カッシングはマッチをすって目玉に見せ付けます。すると目玉がぎょろぎょろ腕がぴくぴくと動いたではありませんか。「うわあ、これはすごいものですねえ」と感心するハンスでしたがカッシングは不満そうに「しかし、これでは私の創造物には使えない。本物の脳が必要なのだ」

 「私が前に使った脳に損傷がなければあの創造物は完成していた。そして私は天才と称えられることになっていただろう。今度こそ完全なものを作って私を断罪した世間に復讐するのだ」どうも懲りない人であります。

 カッシングは「よし、ハンス、私の自信作を見せてあげよう」カーテンをぱっと開くってぇと現れたのがガラスのカプセルに収められた人造人間。「ふふふ、無料奉仕の見返りってやつだな」ぎょっとするハンスに世にも得意げな顔で説明するカッシングがカワイイ(笑)。「後は人間の脳を入れるだけだ。この研究室の中にその志願者がいる」この台詞を聞いて「しぇーっ」と飛び上がるハンス。「ひょっとして博士は僕を・・・」「早合点をするな、カールだ、彼は自分の不自由な体から逃げ出したがっている。彼は新しい体を欲しているのだよ」

 なるほど、それでカッシングを処刑台から助けたという訳ですか。

 さて、この後カッシングの医院にヴォランティア精神に目覚めた上流階級の娘さん、マーガレット(ユニース・ゲイソン)がやってきます。彼女は貧しい人々のお役に立ちたい、ついてはこの医院で看護婦として雇って欲しいと言うのです。カッシングは苦りきりますが、何しろ彼女の父親が街の有力者なものですから無下に断ることができません。仕方なく彼女を雇うことになってしまいました。この時マーガレットに出会ったカールが彼女に一目ぼれをしたらしいのも気にかかります。

 気を取り直したカッシング、「よし、ハンス、今夜手術を決行するぞ」

 この手術は前作の『フランケンシュタインの逆襲』とは違ってあっさり終了。メスで頭をさーくさく、のこぎりで頭蓋骨をごーりごりを期待していた私にとってはやや拍子抜け。カッシングはいまや新しいボディの持ち主になったカールに電線を接続、怪しい機械を作動させて彼の意識を覚醒させるのでした。

 カールは医院の屋根裏部屋へ運び込まれ、そこでしばらく静養することになります。この様子を下僕のバーグマンがこっそり覗いているのは何かの複線でしょうか。

 数週間が経過しまして、順調に回復したカール、カッシングは彼の拘束を解いて「よし、カール、左腕を動かせ」カール、左腕を持ち上げます。「カール、今度は右腕だ」こっちもOK。カッシングは満足げに頷いて「よしよし、上手く行っているぞ」

さあ、後は体の回復を待つだけだということになったのですが、カッシングに後を任されたハンスが世界一余計なことを言っちゃった。「私はこれからどうなるのでしょう」と不安げに聞いたカールに「忙しくなるぞ。何しろ君は医学上の奇跡といってもいい存在なのだ。世界中の科学者が君を見に来る。そしてシュタイン博士が君と君の元の体を並べて講演するだろう」カールは私は見世物になるのかとげっそり。もうこうなれば彼のやりたいことが分かってしまいますね。

 さて、このほかにももうひとつ事件が。マーガレットがバーグマンより「博士は生きた人間を切り刻んでいるんでさあ」と聞かされたのです。不思議に思った彼女が「どうしてそんなことが分かるの」と聞き返しますと、「博士は屋根裏部屋にその患者を隠しているんでがす」これで好奇心をかきたてられたマーガレットが見に行っちゃうのですな。そしてベッドに拘束されたカールを不憫に思って「直ったら助けてあげる。私の住所を書いてあげるわ」そしてあろうことかカールの頼みに応じて拘束を緩めてしまうのでした。

 ハンスはそんなことが起こっているとは夢にも思わずカッシングによってオラウータンの脳を移植されたというチンパンジー(笑)、オットーを眺めております。カッシングによるとこのチンパンジーは移植以来肉を食うようになったのだとか。本来草食のチンパンジーが肉を食うのは移植の影響かも知れないというのですな。これを聞いたハンスはふと不安に駆られましてカッシングにたずね返します。「ではカールもそのようになるのでは」「今のところそういう傾向はないようだ。それにカールもオットーのことは知っている。だから自分もそうならないように気をつけるだろう」カッシング、肝心のところがいいかげん(笑)。だから毎回毎回トンでもないことになるんだ。

 そしてカッシング、その話題を速攻で忘れてハンスに自分が作り出した人造人間第二号を披露。その顔がカッシングそっくりというのは何の冗談でしょうか。

 カールは拘束を外して立ち上がります。歩くこともできて、しかも体の麻痺もない。鏡を見てじーんと感動しているカールです(笑)。カールは窓から脱出、そしてカッシングとハンスが出かけたのを見計らって研究室に侵入するのです。目的はただひとつ、彼らが保存していた自分の元の体を破壊すること。カールは苦労して自分の元の体を焼却炉に投げ込むのですが、この物音を管理人のおっさんが聞いていた。おっさん、よせばいいのに研究室にやってきてカールを発見、「何やっているんだ、コラ」と殴りかかります。最初は抵抗もできずに一方的に殴られていたカールですが、ついにブチキレ!移植手術を受けたもの特有の凶暴さを発揮しておっさんを絞め殺してしまったのであります。しかもその死体を見ているうちにハンスの口からだらだらとよだれが。「私はこの死体を食いたいと思っている!」彼はこの思いがけない衝動に恐怖し、逃げ出すのでした。

 この後カールはマーガレットの叔母の屋敷へ。馬小屋に隠れていたところを彼女に見つかってしまいます。「シュタイン博士は恐ろしい、絶対言わないで」という彼の願いを聞き入れてカールに助けを求めるマーガレット。ハンスは彼女と急いで馬小屋に向かうのですが、時すでに遅し。カールは再び姿を消してしまっていたのです。カールは馬小屋に隠れている時に再び自分の右半身が麻痺し始めたことを知って絶望のあまり逃げ出したのでした。

 さ迷うカール。彼はカップルに行き当たって、その女の方に襲い掛かり殺してしまいました。カールはカッシングにすべてを話し二人でカールを探し始めます。手始めに音楽会をやっていたマーガレットの家に行って事情聴取。と、その時広間の飛び込んできたのが当のカールですよ。カールはカッシングを見つけると「フランケンシュタイン博士!」と絶叫。「私を助けてください」彼はばたりと倒れてそのまま死んでしまいましたとさ。

 さあ、これでシュタイン博士がフランケンシュタイン博士であるという噂が広がってしまいます。医師協議会はハンスとカッシングを呼び出して問いただします。しかしカッシング、少しも動じず「私があの悪名高きフランケンシュタイン博士ですと、馬鹿馬鹿しい、フランケンシュタインなんて名前の人間はいくらでもいる。そりゃ、フランケンシュタイン博士のことは知ってますよ、だからいらぬ誤解を受けたくないと思ってシュタインと名乗っていたのです。何、人相がそっくり。偶然でしょう。とにかく私をあのフランケンシュタインであるというなら、証拠を持ってきなさい、証拠を」とまくし立てるのでした。

 まあ、この屁理屈が通用すると思っていたのはカッシングだけだったようで(笑)、医師協議会は人をやってフランケンシュタインの墓を暴かせます。そして棺おけに入っていたのが彼ではなく司祭であることを発見したのでした。おまけに貧乏人の入院患者たちは険悪な目つきでカッシングを見ています。一人が「お前はフランケンシュタインだったのだな、この人殺しの人でなしめが」と叫んだのをきっかけに患者たちが決起、カッシングを袋叩きにしてしまったのです。

 まあ、この人は人造人間の部品欲しさに悪くもない手足を切断していましたからな、怨まれていたのも無理はない。

 瀕死となったカッシング、彼を研究室に運び込んだハンスに「もう私はだめだ。君がやるべきことは分かっているな」頷くハンス。そうです、彼はカッシングから脳を摘出、例の人造人間第二号に移植したのでした。この手術が終わって警官たちが押しかけてきます。彼らはハンスに「フランケンシュタインはどこだ、逮捕しにきたぞ」ハンスは黙ってカッシングの死体を指差します。「患者にやられました。頭をやられていて手術で助けようとしたのですが手遅れだったのです」

 それから数年が過ぎましてここは霧の都ロンドン。ハリーストリートでフランク博士というお医者様が開業されております。それはもちろん、ハンスによって死の淵から蘇ったカッシングでした。彼は診察室のドアを開きながら「おはようございます、今日のご加減はいかがですか」と言ったところでエンドマーク。

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