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2009年5月22日 (金)

『サント対邪悪なる脳』(『Santo contra el Cerebro del Mal』 『Brain of Evil』 1958年)

 

『サント対邪悪なる脳』(『Santo contra el Cerebro del Mal』 『Brain of Evil』 1958年)

今までこの作品の日本語タイトルを『サント対悪の頭脳』としておりましたが、1961年の『サント対悪魔の頭脳』(『Santo Contra el Celebro Diabolico』)と非常に間違えやすいと思いまして、『サント対邪悪なる脳』に変えさせて頂きました。

警告、警告、このDVDのリージョンは1です。したがって日本国内のDVDプレーヤーでは再生できません。警告、警告。

 このDVDはスペイン語音声のみ、英語音声・英語字幕は収録されておりません。私はまったくスペイン語が分かりませんので、この映画はいつもと違ってどこかの奇特な方が作って下さっているサント映画のストーリー解説サイト(英語)を参考にこのレビューをでっちあげております。だから実際の映画を誤解しているところもあるかも知れませんが、その辺はどうぞ、この事情を鑑みてご容赦くださるようお願いいたします。 

 平たく言うと、「そんなに文句言うなら辛い辛いチリソースで目を潰してしまうぞ、コノヤロー」ということでございますね。



 メキシコシティの街並みがだらだら映される少々退屈なオープニングクレジット。これは何しろサントの実質的な映画デビュー作。だから名前も出演者の一番最後という新人の扱いになっております。

 このオープニングクレジットが終わったと思ったらいきなり車に乗ったギャングたちに路地へ追い込まれているサントの姿。車から三人のギャングたちが降りてきまして、三人がかりでサントをぼこぼこにしてしまいます。いつもに似合わぬ弱さで失神してしまったサント、ギャングたちは彼を車に押し込み、あ、サントがドアにつっかえたからってんで足で後ろから蹴って押し込んでいる奴がいるぞ(笑)、拉致してしまいます。そのまま悪の科学者カンポス博士(ヨアキン・コルデロ)のアジト兼研究室に連れ込まれたサント、博士によって妖しい注射を打たれた挙句、大型の赤外線灯みたいな装置で光を当てられ洗脳されてしまったのです。

 あっという間にサント、カンポス博士の手先となってしまいました。

 しかし、このカンポス博士、表向きは高名な科学者で警察にも覚えが良いらしい。今日も今日とて、彼はザンブラノ警部(エンリケ・J・ザンブラノ)とレストランでお食事。彼の秘書であるエリサ(ノーマ・スアレズ)、彼女の恋人ジェラルド(アルベルト・インスァ)が同席しております。警部はステーキを頬張りながら「カンポス博士、どうか気をつけてくださいよ、最近、科学者達が次々に誘拐されておりますからな」そう話しているうちに、いまや悪の手先となったサントとギャング達三人がローウェル博士のお屋敷に塀を乗り越えて侵入します。洗脳されたサント、ふらふらしながら歩くのが面白い。

 ギャング達はまず警察の護衛二人に襲い掛かります。後から駆けつけたサントをみて警官達は「あ、銀色のマスクマンが来てくれた」と喜ぶのですが、逆にサントに殴り倒されてしまいましたとさ。そしてギャング達はローウェル博士を車に押し込んで誘拐、はい、あとはアジトに連れ込んで洗脳コースであります。

 この時、診察台に寝かされているローウェルを覗き込むサント、それをカンポスが邪険に追いやって「お前、邪魔だ、あっちへ行ってろ!」だって(笑)。

 さて、ここで新キャラクターが登場。フェルナンド・オセス演じる正義の覆面レスラー、インコグニトであります。警察のエージェントである彼は探知装置を使ってカンポスのアジトを捜索していたのです。もっとも彼が持っている探知装置はどこからどうみてもただのテスターだったりするのですが(大笑い)。この探知装置が洗脳装置のエネルギー?を探知してアジト発見。彼は屋上からアジトの位置を確認します。

 場面ががらりと変わって銀行の前で顔見知りの頭取に「ブエノスディアス」と挨拶するエリサ。しかし頭取、彼女を華麗にがん無視。びっくりするエリサです。実はこの頭取、カンポスの手によってすでに洗脳されていたのですな。彼はそのまま金庫室へ行って金庫をオープン、大金を奪ったのです。ちなみにカンポスはアジトでこの模様を無線モニターで見ておりまして、「計画は成功だ」と大喜び。

 その後カンポスはまたエリサ、ジェラルドと一緒にナイトクラブでフラメンコショーを見ております。その隙にインコグニタは屋上からロープを使って研究室に侵入、書類をあさり始めます。彼は書類の中から一枚抜き取って再びロープで屋上に逃れるのでした。

 次なるカンポスの餌食はなんとエリサでした。彼はずーっと前から彼女に気があったのです。サントとギャングたちはカンポスの指令に従ってゲラルドから車でマンションに送って貰ってきた彼女を襲います。ゲラルドをぼこぼこにして失神させ、例によって車で連れ去ってしまいます。彼女は酒樽が一杯並んでいる醸造所の倉庫みたいな場所に監禁されてしまいました。ということはカンポスのアジト自体が醸造所の倉庫を使っているということなのでしょうかね。

 ザンブラノ警部、彼女の誘拐について「エリサは例の銀行の事件の時に何かを目撃していたから拉致されてしまったのではないか」と考えるのでした。言うまでもなくまったく的外れの推理ですが(笑)。

 さて、再び屋根から実験室に侵入するインコグニタ、って、しかし、やすやすと何回も侵入するねえ、この人ァ。カンポス博士たちも無用心だねえ(笑)。インコグニタ、前回探し当てた書類を見ながら実験室の試験管を使って何かの薬品を調合している様子。覆面レスラーが試験管使っている図というのも珍しい。

 この時、サントが彼を発見します。ここから始まる二人の戦い。息詰まる熱戦となったのですが、結局インコグニタがサントを圧倒、殴り倒して失神させてしまったのです。彼はさっき調合していた薬品をサントに注射します。ああ、そうか、彼が作っていたのは脱洗脳薬だったんだ。みなさん、いろいろ言いたいことがおありでしょうが、もうこれはこういう映画なんです。イチイチ、文句を言っていたらキリがないんです。いいから黙って映画を御覧なさい。

 インコグニタ、「サント、目を覚ませ」と言いながら彼のほっぺたをぴしゃぴしゃ叩きます。そして目覚めるサント、「は、ここはどこでぇ、あっしは誰でぇ」サントようやく洗脳から逃れたようであります。

 ちなみにこれがこの映画におけるサントの初台詞(笑)。

洗脳から目覚めたサント、インコグニタの手を握って「よく助けてくれた、おめえの恩は忘れねえぜ」インコグニタはサントに「そのまま洗脳されているふりをするんだ」と指示、またロープを登って帰っていきます。

 さて、カンポス博士、警護に付けられている刑事二人を尻目に秘密の出口で外出。車で延々走ります。途中パトカーに追いかけられたので「早くもばれたか、彼の企み」と思ったのですが、パトカーのおまわりさん、カンポスに「スピードの出しすぎですよ。気をつけてくださいね」なんだ、それだけかよ(大笑い)。

 この後カンポス、アジトに行きまして外国のスパイと商談。細胞破壊装置の設計図と引き換えに大金を得ましてほくほくしております。ところでこのエージェント、仕事が済んだのだからさっさと帰ればいいのにホテルでくつろいだりなんかしている。そこで偶然行き合わせたゲラルドとザンブラノ警部。ゲラルドがうっかり落としたカバンとエージェントの細胞破壊装置の設計図入りのそれが入れ換わったみたいなのですが・・・、これはもうそのままで終わり後の展開に何の影響も与えません。変な演出だよなあ。

 ゲラルド、カンポスを訪ねます。カンポス、「まあ、エリサのことも心配だろうが、とりあえず一杯やって落ち着きたまえ」酒の用意をするのですが、カンポス、この薬に何やらいけない薬を入れてるぞ。ゲラルド、これにあっさり気がついてびっくりしているぞ(笑)。なんでそんな丸見えのところで薬入れるんだ、カンポス博士!

 しかもゲラルド、薬を入れていることを見ておきながら進められるままに飲んじゃった。フツー、こういう場合は飲んだフリをするのが定石だろう。ゲラルド、みるみるうちに眠くなってきてばたり。にやりとしたカンポス、そのまま本棚の裏にある秘密の出口から外出したのですが・・・、あ、その後ろ姿をゲラルドがひそかにうかがっているぞ、そうか、やっぱり君は薬を飲んでいなかったのか、えらい、ゲラルドと思ったのですが立ち上がった彼はふらふらしているではありませんか。やっぱり薬飲んでいるんじゃないか。彼はもうろうとする意識の中で電話に手を伸ばしザンブラノ警部へ連絡したのです。そして電話が終わるやいなや床にばったり倒れてしまうゲラルド。

 もう何だか凄く変。意味が分かりません(笑)。

 またアジトへ赴くカンポス。しかしこのすぐ後インコグニタが侵入してきました。どうやら警部から命令を受けたらしい。インコグニタ、巨大な酒樽の上からサントに合図。二人示し合わせてカンポス博士と部下達に襲い掛かったのであります。さらにザンブラノ警部率いる警官隊も突入してきました。あっという間に戦意を失い降伏する部下達であります。しかし、カンポス博士は諦めない。彼はエリサを抱きかかえると風のように逃走したのであります。

 でも逃げる先と言ったらこれがやっぱり自宅なんですよね(笑)。カンポスはエリサを人質に立てこもり周囲を包囲した警官隊とサント、インコグニタに向かって「やい、テメーラ、一歩でも近づくと人質のエリサがえらいことになるぞ。あんなことやこんなことしちゃうぞ」あんなことやこんなことをされてはたまりませんから、ザンブラノ警部、悔しそうに「畜生、みんな、下がれ、下がるのだ」そんな中サントに何やら耳打ちしたインコグニタ、一人で進み出ます。「カンポス博士、落ち着け、もう逃げられないぞ」女性を人質に取った凶悪犯を説得しようとする覆面レスラーなんて初めてだ(笑)。

 この隙を狙ってサントは建物の裏へ回ります。彼がインコグニタに気を取られている間に背後から急襲しようという計画らしい。

 カンポス、インコグニタに向かって叫びます。「うるさい、てめー、そんなこと言うなら覆面脱いで素顔を見せろ!」はあ?インコグニタもインコグニタで本当にマスクを脱ぎに掛かったぞ(大爆笑)。これで素顔を見せればさらに面白かったのですが、さすがにレスラーとしての商売上そんな訳にはいかなかったようで、カンポスに拳銃で撃たれてしまったのでした。

 と、その時背後からカンポスに迫る影。サントかと思われたのですが、これがなんと今の今まで気絶していたゲラルドだったという・・・(笑)。彼はこの騒ぎでようやく目を覚ましたのです。しかし、ゲラルドは所詮ひ弱な美青年。背後からカンポスに躍りかかるのですがあっさり反撃されまた失神してしまったのでした。

 ここで真打サントの登場。ゲラルドをやっつけたカンポスに襲い掛かります。しかしカンポス強い、サントと互角に渡り合っております。ああ、カンポスがナイフを取り出した危うしサント!しかしその時銃声が響いてカンポスが倒れます。絶好のタイミングで突入してきたザンブラノ警部の拳銃がカンポスを捉えたのであります。

 瀕死のカンポス、誘拐されてあんなことやこんなことをされそうになっていたくせに彼のことを悲しんで泣いているエリサに「正直、誘拐なんかしてすまんかった。許してくれ」はい、死にました。

 事件は解決しました。ゲラルドとエリサは結婚して今まさに新婚旅行へ出発せんとしております。彼らが乗る飛行機には何故かサントとインコグニタも乗ってます(画面では確認できず)。

 見送りに来たザンブラノ警部と部下。部下は「なんで覆面レスラーが飛行機で外国へ行くんすか。巡業すか」と真っ当至極の疑問を口にしたのに警部が「彼らは世界のために働くのだ。彼らの活躍に国境はないのだよ、彼らは覆面で己の素性を隠し人類のために働いているのだ」と言語道断な答えをしたところでエンドマーク。

 モノクロ・スタンダード モノラル音声。画質はまったく良いところがありません。黒は浮いているしVHS3倍でダビング2回繰り返したような低解像度の世界。物の輪郭も腐ってます。音質もノイズが多くこっちも駄目駄目。スペイン語音声のみ。オプティマフィルムズのDVD。なお、このDVDのケース、蓋を開けただけでふちがばきりと割れてしまいました。私も長いことDVD買っていますがこんなの初めてです(笑)。

 エロの冒険者

       HOMEPAGE http://homepage3.nifty.com/housei/ 
      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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