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2009年6月22日 (月)

『紀元前100万年』(『One Million Years B.C.』1940年)

 

『紀元前100万年』(『One Million Years B.C.1940年)

 古典トカゲ映画の傑作として好事家の皆さんによく知られている映画であります。カラーだと生々しくて、おまけに安っぽいトカゲ特撮がモノクロだと格調高く見える…なんてことは一切ありませんが(笑)映画自体の面白さに免じて勘弁してあげましょう。

山を登っていた暢気な観光客の皆さん、嵐に襲われて「ひゃあ」ほうほうの態で近くの洞窟に逃げ込みます。その洞窟ではある考古学研究者が壁画をスケッチしておりました。彼は観光客の皆さんの「嵐の間、退屈なので壁画から読み取れた原始人の物語を話してください」というリクエストに応じて、ロック族の若者トゥマク(ヴィクター・マチュア)とシェル族の娘ロアナ(キャロル・ランディス)の物語を語り始めるのです。

 ロック族は山の民、洞窟を住処として動物を狩って暮らしている狩猟民族であります。その性質は獰猛で冷酷無残、仲間同士でしょっちゅういがみ合いをしているような奴ら。食い物だって族長のアクホバ(ロン・チェイニー・ジュニア)が一番に食って女子供には一番最後の食い残ししか回ってこないというなんだか、リバンみたいなって、それは言いすぎか(笑)。親子の情だってありゃしません。アクホバ、息子のトゥマクが食っていた肉を横取りします。そしてこの行為に怒って「パパ、何をするんだ」と飛び掛ってきたトゥマクと大喧嘩。彼をがけ下に蹴落としてしまうのです。

 偶然、柔らかい土の上に落っこちて助かったトゥマク、ほっとする間もなく今度はマストドンに襲われます。踏んだり蹴ったりとはまさにこのこと。「ひゃあ」と悲鳴を上げながらトゥマク、木に登ってマストドンの攻撃を避けようとしたのですが、その木もろとも大河に叩き落されてしまいましたとさ。失神した彼はそのまま流されてしまい、シェル族の村に流れ着いたのでありました。

 このシェル族、ロック族とはうって変わって優しい人たち。族長の娘ロアナが発見したトゥマクを彼らの住居である洞窟に運び込み手当てをしてくれたのです。食事の時もロック族とは大違い。洞窟の床の穴でぐつぐつ煮立てたシチュー?をみな仲良く食べております。さらにロアナはよそ者であるトゥマクにさえシチューをご馳走してくれたのでした。意地汚くシチューをがっつくトゥマク。

 ここで壁画を描いている人が登場。冒頭で出てきた奴です。つまりあの洞窟はシェル族の住居であったということ。それにしちゃ現代の洞窟はずいぶん山の上にあったようですが(笑)。地殻の変動のせいでしょうかねえ。

 さて、ロック族は崖下に転落したトゥマクを探そうともせず、今日も今日とて狩りに出ております。アクホバはいつものように一番乗りで獲物であるバッファローに飛び掛ったのですが、逆襲を食らって「ぐえっ!」押しつぶされてしまいました。瀕死となったアクホバ、族長が役立たずとなったということで、残りの仲間達は早くも次の族長を選出。その後みんなでアクホバを殴り殺そうとしたのですが(酷い!)さすがにロック族の女に止められて命だけは助かったのです。

 パパがそんな目に合ったとはちっとも知らないトゥマク。次第にシェル族に打ち解けていきます。ロアナを巡ってシェル族の若者とちょっと怪しい雰囲気になったりもしますが(笑)そこそこ上手くやっております。と、そんな時、シェル族の村にビーチャ(アロサウルス)が襲来します。みんなはほら貝の合図でいっせいに洞窟に避難したのですが一人、木に登ってリンゴを採ろうとしていた少女ルワナが取り残されてしまったのです。アロサウルスは彼女を標的に定めてがおーっ。ルワナ、絶対のピンチ。

 ここで立ち上がったのが力自慢、腕自慢のトゥマクですよ。彼は槍を取ってアロサウルスに立ち向かいぐっさぐさと滅多刺し!ついにアロサウルスをやっつけてしまったのです。この快挙にシェル族の皆さんは大喜び。

さて、トゥマク、アロサウルスの戦いでせっかく人気者になったのにオータオ(ジョン・ハバード)の槍が欲しくって堪らないらしい。彼は夜中に起き上がると彼の槍を奪おうとしたのですが、目を覚ましたオータオと喧嘩になってしまいます。この騒ぎに激怒した族長、トゥマクにここから出て行けと命令したのでした。

 悄然としてシェル族の洞窟から立ち去るトゥマク。しかし、ロアナは彼を見捨てませんでした。彼女はシェル族をすてて彼と行く道を選んだのです。でもトゥマクは冷たい、リンゴを2個採ったのに自分だけ食ってんの(笑)。まあ、それでも彼女のことを憎からず思っているのでしょう。背が低くて届かない彼女にリンゴを採ってやったのでした。

 その後二人の前にはさまざまな生物が現れます。大蛇が木からにゅー、そしたらアナグマ?マングース?がやってきて蛇をがりぼり食べちゃった。次に現れたのは角をつけられたアルマジロ。二人はこれに追われて木の上へ。そこで一夜を明かします。

 夜のうちに何があったか知りませんがすっかり仲良くなったトゥマクとロアナ、ロック族の洞窟を目指します。そんな二人の前に現れたのはオオトカゲ恐竜と背びれを付けられたワニ恐竜。もちろん戦いが始まりまして双方、ばっくばくかみ合っております。飼ったのはワニ恐竜、倒されたオオトカゲ恐竜、傷口からぴゅっぴゅっと血が噴出しているという酷い姿となって息絶えるのでありました。

 この戦いを見ていたのは二人だけではありません。ロック族の面々もいたのです。このうちの一人、大怪我をしたアクホバに代わって族長になった奴がロアナを見つけます。「おお、ええ女じゃ」と攫おうとするのですが、トゥマクが許すはずもなし。彼は槍を使って族長をやっつけたのです。これでまた族長交代。意外と簡単なシステムですな(笑)。

 トゥマクはロアナと共に彼らを引き連れて洞窟へ凱旋します。

 ロック族にとってシェル族の女、ロアナの優しさは驚きの的でした。彼女は変わり果てた姿になったアクホバを「ああ、パパ、なんてひどい姿に、でも安心して、僕が楽にしてあげるよ」と殺そうとしたトゥマクをとめたのです。そして食事の時にもいきりたつ男達をたしなめながら最初に女・子供、次に老人、アクホバ、一番最後に男達と今まで彼らになかった秩序というものを持ち込んだのであります。

 翌日、ロアナはロック族の女達に「お肉ばかりじゃ栄養が偏っちゃうわ、お野菜や果物も食べないと」野菜や果物の採り方、食べ方を教えるのです。これでさらに彼女の評判が良くなってあっという間に部族に溶け込んでしまいました。アクホバも「ええヨメがきたものじゃ」と目を細めております(笑)。

 しかし、この幸せは長くは続きませんでした。火山が大爆発したのです。同時に溶岩もたっぷり流れてきます。地割れも起きてトカゲ恐竜やワニ恐竜が次々と飲まれていきます。あ、林に燃え移った火にあぶられてもがき苦しんでいるトカゲがいるぞ、これは酷い。

 大混乱に陥るロック族。この混乱で一人の女が子供とはぐれてしまいました。その子供に向かって押し寄せる溶岩!女はやっと子供を見つけて助けようとするのですが逆に自分が溶岩に飲まれちゃった。これを見たロアナはダッシュ!間一髪のところで溶岩から子供を救うことができたのです。ただ、この溶岩のお陰で洞窟へ帰ることができなくなってしまいました。おまけに途中で靴をなくしてしまったのです。噴火が収まった後でこの靴を見つけたトゥマク、わあ、ロアナも溶岩にやられたのかと勘違いして大泣きします。

 落ち込んでいるトゥマク。ロック族も大勢の犠牲者を出して沈んだ雰囲気です。ところがそこにやってきたのがシェル族のオータオでした。彼はトゥマックに会い「シェルの村、恐竜に襲われている、助けて、ロアナもいる」これで元気百倍、ただちに出撃するロック族の男達。

 シェル族の村を襲っていたのはイグアナ恐竜です。これが洞窟の入り口に頑張って離れないものですから水も食料も尽きてしまい、シェル族はみんなはらぺこ。青い顔をしております。そこにロック族の応援部隊が駆けつけてきた。喜ぶシェル族ですが、ロック族の槍による攻撃はまったく効果なし。イグアナ恐竜は動きません。

 ここで知恵を出したのがアクホバです。彼は崖の上を指差して「イグアナ恐竜めに岩を落としてやるのだ」 ロック族の男達は彼の指示に従って崖の上へ。一人残ったトゥマクは囮となってイグアナ恐竜を挑発します。ついに動いたイグアナ恐竜。トゥマクを追って崖下へ。そこへ「さあ、今だ」というアクホバの合図で岩がどんどん落とされたからたまりません。落とされた岩がさらに大規模な山崩れを引き起こしてイグアナ恐竜を埋めてしまったのです。ぴくりとも動かなくなる恐竜。ああ、これも酷い(笑)。

 ロック族はシェル族の村へお引越し。トゥマクとロアナのカップルがきっかけとなって二つの部族がこれから仲良く共存していくことが示唆されて映画は終わります。

 モノクロ・スタンダード モノラル音声。年代を考えれば上等の画質。ノイズが少ないのがなによりです。音声も聞きやすいもの。国内版オルスタックピクチャーズのDVD

エロの冒険者 
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      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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