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2009年7月10日 (金)

7月9日(木) 反証叶姉妹

 「あの姉妹は叶姉妹のようだ」という仮説が「オッパイを図ってみたらちょっと小さかった」という観測によって反証されるかも知れない。これを反証可能性ならぬ反証叶姉妹という。昨日の水曜日、事務所で日記を書いていたところに若い女性が飛び込んできて「コーヒーのデモンストレーションでーす、サンプルを飲んでみてくださーい。営業じゃありませーん、あくまでデモンストレーションでーす」忙しいと言って帰って貰ったが、いきなり飛び込んできた知らない人間が出すコーヒーとか飲めます?私は飲めないですよ、だって、うっかりこんなコーヒー飲んだら、「あれ、あれれれ、頭がふらふらしてきたぞ・・・」これで事務所の有り金全部持っていかれぐらいならまだいい。どうせほとんど現金など置いてやしないからな(笑)。

 こういう場合、警戒すべきは拉致されてどこかへ連れ去られること。意識が途切れて気がついたら某国だった、某宗教団体のサティアンの中だった、なんてことになったらあなたどうします?

 仕事はまあ、いろいろあった。これでオシマイ(笑)。食ったもの、昼飯に例の100kcalレトルトカレー、ライスなし。夕食はイカ、かつおの刺身、野菜サラダ、出来合いの唐揚げ。ヒレカツ(小さいの)二枚。ビール二缶、ゴハン一膳。〆のコーヒーは如例。

 その後WOWOWでハイビジョン録画しておいた『となり町戦争』を見る。これは惜しい、まったく惜しい。風刺とか戦争批判の部分が目立ちすぎていて映画の肝である「奇妙さ」の効果をスポイルしてしまっている。これをもう少し控えめにしていればシェクリィの短編のような味わいが出たと思うのだが。

 江口洋介は嫌いなのでどうでもいいとして(笑)、原田知世の美しさに参った。味気ない役場の制服から江口洋介の妻を演じる時の私服姿、このギャップの大きさがまったくたまらんかったですなあ、うひひひひ。

 ハイビジョン画質はいまひとつ。HDカメラ撮影なのか黒に粘りがなく、また発色も渋い。解像度の高さはぴかいちだけどあまり好きなタイプの映像ではなかった。音声はステレオ。サラウンド情報は控えめでフロント重視のタイプ。台詞にコクがあってBGMも高品位。

 シャワーを浴びてからぽすれんレンタルDVDの『残酷の沼』(『Torture Garden』 1967)の続き。早速撮影に参加するカーラ。夢がかなって大喜びの彼女は手助けをしてくれたベントンにお礼だといって高級腕時計をプレゼント。しかし、その直後スタジオに怪しい2人組が現れました。これを見たベントンは急にそわそわして、「あ、カーラ、夕食の約束駄目になっちゃった。明日埋め合わせするわ」2人の男と先に出かけてしまったのです。

 取り残されたカーラ、そこに現れたのはエディであります。彼はカーラに「君、ベントンに気があるね、でもやめた方がいい、君には合わないよ」と世界一余計な一言(笑)。この後彼らは例の2人の男が車でベントンを連れ去るのを目撃、エディは驚いて「いかん、あれはギャングだ」その言葉通り次の瞬間額を撃ち抜かれて倒れるベントン。きらりと光ったのは先ほどカーラがプレゼントした時計です。これを見たカーラ、「きゃー、死んだ、死んだ、絶対死んだ」と騒ぐのですがエディはなぜか極めて冷静です。「うんにゃ、大丈夫だ、病院へつれていこう、サンセット診療所だ」

 ベントンの手術を担当したのが院長のハイム博士(バーナード・ケイ)。すると驚くべきことにベントンは助かってしまったのです。「そんな彼は拳銃で頭を撃ち抜かれていたのよ」ハイム博士はにこやかに「そこを助けるのが私の腕というものですよ」カーラ、納得できません。

 しかも3日ほどの入院で撮影に復帰するベントン。カーラの疑惑はますます大きくなり、またエディを問い詰めます。「あれは誰なの、拳銃で撃たれて助かってしかも3日で復帰するなんて信じられないわ」しかしエディはにこやかに笑って「あははは、じゃあ、秘密を教えよう、死んだのはベントンのダブル(代役)さ、あのダブルはギャングの借金を踏み倒して殺されたんだ。ハイム博士は我々が持ち込んだ死体を処理しただけなのさ」しかし、カーラは引き下がりません。「そんなことじゃ誤魔化されないわよ、あたし、新聞社で調べたんだから。あなたもハイム博士の手術を受けているじゃない、1944年のニューポート海岸でのボート事故であなた、ばらばらになりかけたでしょ」「いや、博士は整形手術の大家なんだよ」「いくら大家でも傷跡ひとつないってのはどういうことよ」

 カーラは叫びます。「いいわ、私、今夜ベントンから直接聞かせてもらうから!」

 言葉通り、その夜ベントンの楽屋を訪ねるカーラ。彼女はベントンが自分が送った腕時計をはめていることに気がつきます。「やっぱり代役なんかじゃなかった、撃たれたのはあなたね。私はあなたを愛している、だから本当のことを聞かせて」ベントンの顔に手を当てるカーラ。ベントンがはっとして身を引いた瞬間、ガリッ!カーラの爪が彼の皮膚を剥ぎ取ったのであります。その下にはきらりと光る金属が!カーラ、思わず「ああ、『ゴジラ対メカゴジラ』みたい」と言ったとか、言わなかったとか。

 メカベントン(笑)は観念して真相を告白します。「ハイム博士は脳の老化を止めることに成功したのだ。そして彼は脳を金属の体に移植することによって不老不死の存在、つまり、私やエディを作り上げたのだよ。私はおかげで永遠の二枚目でいられる。その代わり食べること、飲むこと、人を愛することもできなくなってしまったがな」そして彼は恐ろしいことを言い出します。「マイクもこの秘密をかぎ付けて自分を不死にしろと迫ってきたのだ。だから殺されたのだ。秘密を守るためには仕方のないことだった」

 その時いきなり楽屋に入ってきたのがハイム博士とエディ。「最初は殺そうと思っていたけど、君もスター志願だからねえ、僕が仲間にしてしてあげよう」陽気に叫ぶハイム博士、「さあ、手術開始だ!」

 こうしてまた一人、注目の新進女優が誕生したのであります。

 はい、ぱっと元に戻って

 次はカーラの連れであるドロシー(バーバラ・ユーイング)。彼女は雑誌記者か何かでピアニストのレオ(ジョン・スタンディング)のマンションへ通ううちに親密になって、世間一般で言うところの恋人関係になったのでした。でもただひとつ違っていたのはレオは母から買って貰ったピアノにエウテルペと名前をつけて人間のように話しかけたり、母の肖像画をピアノの練習室に飾ったりしているマザコンのキモチ悪い男だったのです(笑)。

 まあ、そんなんでも男女の仲というのは不思議なものでありまして、2人はどんどん仲良くなっていきます。しかし関係が深まるのと同じくして極端なスランプに陥るレオ。ドロシーに「ひたすらに疲れた」なんて愚痴をコボしたりしております。マネージャーのマクシーヌはそんなレオを心配して「あの女のせいよ、あの女はあなたと合わないわ」とまたまた世界一余計な一言を(笑)。レオは「あんたは母さんと同じようなことを言うんだな」察するところ、レオの母やこのマクシーヌは寄ってくる女を片っ端からはねつけていたのでしょう。

 その反発もあって、ますますドロシーとの関係を深めていくレオ。しかしこの頃から怪事が頻発するようになります。ドロシーとレオが仲睦まじく話をしているといきなりピアノの天板がばたーんと落ちたり、せっかくドロシーが持ってきたフレーム入りの彼女の写真が床で粉みじんになったりするのです。そのさまはまるでピアノが2人の仲を嫉妬しているかのようであります。

 レオもなんだかへん。ある日、レオの部屋を訪ねたドロシー、部屋の中からピアノの音が聞こえております。ノックをするとぴたりとピアノの音がやんですぐにドアが開けられた!びっくりしたドロシー、「なんでピアノの音が止まってすぐにドアを開けることができるのよ、ピアノは奥の部屋にあるのよ、いくらなんでも早すぎるわ」でもレオは平然として「だってエウテルペが自分で演奏していたんだもん!」ドロシー、どん引きです(笑)。

 しかし彼女はレオを愛していた。こんなキモチ悪いオタク男を真人間に戻してやろうと考えた。彼女はついにピアノ=エウテルペからレオを引き離そうとします。彼女はマクシーヌにレオが体調不良なのでコンサートを延期するように頼みます。そしてレオに「私と旅行に行きましょう」ウウームとためらうレオ。「旅行に行かないのなら別れる他はないわ」これでついにレオは決意。旅行の準備をするために寝室へ行ったのですが、そのとたんにピアノ練習室のドアがばたんと閉まってドロシーを閉じ込めてしまったのです。ピアノは葬送行進曲を奏でながらずりっずりっと動いてドロシーに迫ります。「ヒーッ」悲鳴を上げて逃げるドロシーって、なんじゃこりゃ(大爆笑)。

 なおもピアノはずりっずりっと動いてついにドロシーに体当たり、ドロシーの体は窓ガラスを破って地上へ落下したのです。彼女の死体の周囲に群がる群集。そんな中、レオはドロシーのことなど忘れたようにピアノを弾いています。その視線の先にあるものは壁に掛けられた母親の肖像画でした・・・。

 はい、ぱっと元に戻って

 今度はパイプの紳士 ロナルド・ワイアット(ジャック・パランス)の番。彼はイギリスでエドガー・アラン・ポー展示会でアメリカの収集家カニング氏(ピーター・カッシング)に出会います。彼の膨大なコレクションに魅了された彼はさらにもっとレアアイテムを見せて貰うべく、アメリカ・メリーランド州の屋敷を訪ねたのであります。

 カッシングが披露する収集品の数々。「ポーが使った鼻紙」「ポーが子供の頃演奏していたフルート」「ポーのふけ」「ポーのスリッパ」「ポーの食器」などポー・オタクのワイアットにはたまらないものでありました。「素晴らしい、うむ、まったく素晴らしい」彼の手放しの賛辞に大喜びのカッシング、酒が入っていたこともあってついつい「もっと凄いものをお見せしましょうか」と言ってしまったのでした。そのもっと凄いものとは地下室においてあったポーの生原稿。ワイアットは驚きます。「え、でも彼の生原稿は全部公的機関で保管されているんじゃないんですか」ワイアット、原稿をちょっと読んで「しぇーっ」と飛び上がります。「ええ?「黒猫の逆襲」って、「黒猫」の続編じゃありませんか。ああ、もっとあるぞ、「黒猫対モルグ街の大猿」 「黒猫の息子」 「黒猫対メカ黒猫」 す、凄い、一体何なのですかこれは」

 ワイアットは原稿を読むうちに奇妙なことに気がつきます。原稿用紙に1966年製造という透かしが入っていたのです。彼はカッシングを睨みつけて「あんた、私をからかっているな、これは1966年の現代の紙じゃないか、あんたが自分で書きなすったんだろう」

 カッシングは首を振ります。「いや、違う、誓って私が書いたのではない。私の祖父は医学の学生たちに死体を売る商売をやっていた。もちろん、死体は墓を暴いて盗んだのだ」いやな商売でございます。「彼は商売を続けるうちに偶然ポーの墓を暴いてしまったのだ。彼の灰を手に入れたのだよ。そしてまた私の祖父は黒魔術の使い手でもあった」

 カッシングはあえぐように「彼はポーの魂を蘇らせたのだ」

 「嘘だ、そんな馬鹿なことがあるか」「信じる信じないは君の勝手だ」ワイアットは地下室を見回します。その彼の目に飛び込んできたのは奥の部屋へ続くと思われるドア。「あそこだ、あそこに何が隠してあるのだ」ドアへ突進するワイアット。カッシング、「わああ、やめてくれ」と彼に飛び掛ります。この後繰り広げられるワイアット対カッシング 地球最大の決戦。ワイアットは蜀台を振り上げて「いつまでもお前の好き勝手にはさせん、正義は必ず勝つ!」ってお前、正義じゃないじゃん(笑)。

 ワイアット、蜀台をカッシングの額に叩きつけます。カッシング死亡。ワイアットは扉を開きます。中へ入ると連動しているらしき隠し扉が開いて現れたのは、おお、本物のエドガー・アラン・ポーだ。ワイアットは憧れの人を前にして胸がどきどき(笑)。「あの、先生の、原稿を発表したいんすけど」「私は呪いに囚われておる、悪魔と取引をして死の世界のことを知ろうとしたのが間違いであった」会話がかみ合ってません(笑)。まあ、それでもポーが死にたがっていること、この呪いを解くためには火が必要であることなどがわかります。

 ワイアット、「よござんす、この私めが先生を解き放とうではありませんか。その代わり原稿のほうをひとつよろしく」彼はライターを取り出して火を放ちます。そのとたんポーは「ワハハハハ」と笑い出して「私の代わりに君が囚われるのだ、このまま永遠に苦しむがよい!」火が地下室全体を覆いつくして・・・

 はい、ぱっと元に戻って・・・

 ディアブロはただ一人残った男に「さあ、今度はあなたの番だ」しかしすっかりおびえ切った男は断固拒否。ディアブロは「それは困りますな、料金を貰った以上体験して貰わないとなりません」「ウルサイ!」逆上した男はあろうことか運命の鋏を取ってディアブロの胸にぐさあ!この惨劇に慌てて逃げ出すお客さんたちです。

 ところが殺された筈のディアブロが「むひひひひ、馬鹿ですね、みんな私が殺されたと思って逃げてしまいましたよ」刺した男も「にしししし、まったく上手く行きましたなあ」 2人のお芝居だった訳ですね。しかし、この様子を一人残っていたワイアットに見られてしまった。ワイアットはにやにやして「やっぱりそういうことだったのか。みんなトリックだったのだな」彼もまた帰っていきます。

 残されたディアブロ、苦笑いしながら「失敗することもあります。これも遊びです。たまに隙を見せて人間を逃がしてやらないと次のカモがきませんからなあ」鋏を女神の蝋人形に戻して、ぱっと振り返るとおお、その顔はまったくのディアブロ(悪魔)ではありませんか。「次はあなた方の番かも知れませんな」

 エンドマーク。スクイーズのワイド仕様。カラー・モノラル。画質・音質にはまったく不満なし。

 その後今までちびちび見ていたハイビジョン録画の『黒い太陽』を最後まで。川地民夫の戦災からの復興に取り残されてしまったようなやけくそな若者像に強い衝撃を受ける。殺人を犯して逃亡中の黒人兵と居場所を求めて彷徨するそのさまは痛々しく、高度成長からはじき出された人間の悲哀を感じさせずにはおかない。しかも少なくとも戻るべき祖国のあった黒人兵とは違い、川地民夫に残されているのは広大な瓦礫の山のみなのである。こんな立場に立たされたらそりゃ、機関銃を乱射したくもなりますわな(笑)。

 ハイビジョン画質は解像度の高さが印象的。主人公が不法占拠していた朽ち果てた教会を実に魅力的に見せてくれる。中盤でこの廃墟が崩されてしまうのが惜しくてたまらなかったほどだ。

 その後だらだらとTV、読書。就寝ちょっと早めの午前1時過ぎ。

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