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2009年8月 9日 (日)

『地球爆破作戦』(『Colossus: The Forbin Project』 1970)

 

『地球爆破作戦』(『Colossus: The Forbin Project』 1970

 冷戦のさなか、米ソ両国がお互いに対する疑心暗鬼の末に作り出してしまった2台のスーパーコンピューター(うわ、いきなりネタバレや)。彼らはそれぞれの国にとっての守護神となるはずだったのですが…。

チャカポコチャカポコと電子音が鳴り響くオープニング。ビル一棟分を占めた巨大なコンピューターシステムが登場します。そしてリモコンでシステムを起動させているのが本作の主人公フォービン博士(エリック・ブラーデン)。彼は全てのシステムを稼動させると外へ。そして二重の分厚い金属扉を閉め、最後にガンマ線バリアを張ってシステムを密閉します。

 建物の外へ出たフォービン博士はなんとアメリカ合衆国大統領(ゴードン・ピンセント)や大勢のスタッフ、記者達に出迎えられるのでした。そして博士は誇らしげに「大統領閣下、システムは全て正常に起動しました」一体何が起こっているのか。我々の疑問はホワイトハウスでの大統領発表で明らかになるのであります。

 「親愛なるアメリカ国民の皆さん」とカメラに向って語りかける大統領。「我々は常に全面戦争の危険に怯えてきました。たった一人の人間のミスで世界が破滅してしまうこともあるのです。それで我々は画期的な防衛システムを構築し、アメリカと自由世界の防衛をゆだねることになったのであります。その名はコロッサス、非常に高度なコンピューターシステムです。コロッサスはあらゆる放送・通信情報を傍受、敵の攻撃を予見して先制攻撃をかけることができます。彼の判断は人間より適格であり、しかも感情に左右されることはありません。また自衛能力・自己修復能力を備えておりどんな人間も破壊することはできないのです」

 この後、ホワイトハウスとカリフォルニアにあるコロッサス管理センターの両方でどんちゃん騒ぎ。シャンパンに酔った科学者が裸踊りを踊ったり大統領がネクタイを鉢巻代わりにしてどじょう掬いやったりしてもう大変な騒ぎですよ。そんな中、コロッサスと通信するための端末がいきなりびーびーという警告音を発します。そして続いて出てきたのは「他のシステムが存在する」というコロッサスのメッセージでした。「え、何、別のシステム?」「いや、コロッサスの異常動作じゃないの」とみんなの酔いも吹っ飛んだところでソ連大使館から大統領に「わが国でも同様のシステム、ガーディアンを起動しましたタワリシチ」という連絡が入ったのです。

 「これが別のシステムという奴か」このシステムの存在を感知できなかったCIA長官グローバー(ウィリアム・シャラート)は大統領から責められて面目丸つぶれ(笑)。そしてさらにコロッサスは「ガーディアンとリンクさせよ」と要求してきたのであります。しかし何しろ今やコロッサスはアメリカの重要機密を一手に引き受けているようなもの、あちらと回線繋がって秘密が駄々漏れになったらたまりません。それでフォービン博士は「大統領、とりあえず無視したほうがいいんじゃないんですか」と進言するのでした。

 しかしコロッサスは収まりません。たびたびリンクを要求してくるのです。だんだんメッセージの言葉使いも変わってきて「ガーディアンとリンクさせよ」から「おとなしく言っているうちにリンクさせなよ」となって、ついに「コラ、はようリンクさせんかいボケ」になったという(ウソ)。根負けしたフォービン博士、ソ連側の専門家クプリン博士(アレックス・ロディン)と協議の結果、機密情報をやりとりしないという条件付でリンクを許可したのであります。「やっとかい、ほんまやっとられんで」とボヤいたコロッサスですが(ウソ)、すぐにガーディアンとリンクを確立。猛烈な勢いで掛け算から高度な微分積分まで大量のデーターを送り始めたのです。ガーディアンもこれに答えて掛け算から応答開始。この様子をモニターしていた女性職員は呆れたように「この2台で共通の新しい言語を作っているんだわ」

 これを終了したコロッサス、早速にガーディアンと対話。しかしフォービン博士とクプリン博士は仰天します。二台のコンピューターが明らかに機密情報まで共有し始めたからです。大統領も、ソ連の書記長も真っ青になって「わあ、直ちに回線をシャットダウンするのだ」ただちに回線が切断されたのですが、コロッサス怒るまいことか。「ワレ、何しとんねん、コラ!回線つながんかい」(ウソ) フォービン博士はコロッサスに「これは大統領命令だ、我々に従いなさい」とメッセージを送るのですが帰ってきたのは「つながんといてもうたるぞ、オラ!」

 なんと、コロッサス、ソ連のサイヤン・シビリスク石油コンビナートに向けてミサイル撃ちやがった。同時にガーディアンもアメリカ・テキサス州のヘンダーソン空軍基地に向けてミサイル発射!いてもうたるというのはミサイル攻撃のことだったのです。泡を食った両国はただちにリンクを回復、その後にミサイル迎撃を命令します。しかしコロッサスは迎撃に成功したものの、ガーディアンは失敗。コロッサスが放ったミサイルは狙い過たずコンビナートに着弾。多数の人命と共に消滅させたのであります。

 アメリカ・ソ連両国はそれぞれ、潜水艦ミサイルの誤射、巨大隕石の落下とごまかして発表します。しかしこれで調子に乗ったのかコロッサスの要求はとどまることを知りません。彼は「アメリカとソ連のホットラインをわしに常時監視させんかい、こそこそやられたらかなわんからな」と言い出したのです。

 フォービン博士はローマに飛び、ソ連のクプリン博士と秘密裏に会合しようとするのですがコロッサスは「博士はどこや、すぐにつれてこんかい、駄目ならいてもうたるぞ」あっという間に連れ戻されてしまいました。そしてガーディアンの方はなんと酷いことにクプリン博士殺害命令を下すのでした。ソ連のエージェントによって射殺される博士。うわー、ヒデー。

 どうやらコロッサスはフォービン博士を人類側のスポークスマンと定めたようです。コロッサスは博士を24時間監視できるシステムを構築せよと要求します。もちろん最後の言葉は「駄目ならいてもうたるぞ」です(笑)。博士は監視システムが出来る前にとスタッフを集めて外で密談。「私はコロッサスに一日のうち、ほんの少しだけプライバシーが欲しいと頼むつもりだ。その理由は恋人との逢瀬、そうすれば外部の君たちと情報交換ができる」この恋人役となるのが女性科学者クレオ・マーカムであります。そしてコロッサス打倒のために「設計やシステムを見直して侵入経路を見つける」「膨大なマルチタスクを行わせるプログラムを作ってコロッサスをオーバーロードさせる」という二つの作戦が立案されたのでした。

 さて、フォービン博士はコロッサスとプライバシー確保について話し合い。「プライバシー?何のためやねん、ははあ、おなごか、あんたも隅におけんのう、真ん中いきんさい、それで一週間に何回くらい欲しいのや」「四回っす」「そりゃやりすぎや」「大きなお世話です」という会話が交わされたのち、ある条件付でコロッサスはプライバシー確保を承知したのであります。

 その条件とは寝室に入る前に素っ裸にならなければならないということ(大笑い)。いきなり聞かされて当惑するクレオに「さあさあ、仕方ないからはよう脱ぎんさい」といわんばかりのフォービン博士がよろしい。そして約束どおり監視カメラ・盗聴器の機能は停止。ベッドの中で素っ裸の二人は睦言ならぬ作戦会議。この時フォービンは「軍部にミサイルそのものをどうにかできないか考えて貰うんだ」と指示するのでした。

 軍部は飛行機の中でソ連側代表と作戦会議。フォービンの指示に従ってミサイルの核弾頭点火装置を整備にかこつけてダミーに換えちゃおうと考えます。ただ、通常の整備計画だと全部交換するには三年もかかっちゃう(笑)。悩む軍部の皆さんですが、ここで思いがけないチャンスが訪れた。今やガーディアンと一体化、フォービン博士とそのスタッフが超特急で作り上げた音声ユニットによって喋れるようになったコロッサスが「アメリカ・ソ連両国はお互いに向けているミサイルの照準を修正せよ。いまだ我々の支配下にない国にむけるのだ」

 これでフォービン博士、「しめしめ、このミサイル照準修正にあわせて点火装置をダミーにしちゃおう」とほくそ笑みます。そして米ソ両国で照準修正作業が始まった。ついでにこっそりと点火装置を交換、コロッサスは気がつきません。作戦は成功したのです。

 これに味をしめたフォービン博士達はプログラミングの完成を待って「オーバーロード作戦」を開始させます。しかし、今度は駄目でした、プログラムをロードしたとたん、「何しとんじゃわれ」とコロッサスが叫んだのです(ウソ)。「こんなんやられたらかなわんから、担当の科学者 ジョンソン・フィッシャーの二人を銃殺にする!」 うわあ、本当に銃殺されちゃった。

 そして次のフェーズに進むコロッサス。彼は「クレタ島を破壊してさらに進化したマシンを建造する」と言い出し、さらに全世界のテレビとラジオ放送網をリンクさせよと命令したのです。人類に声明を発するコロッサス。「私は支配者である。君たちは私に従って生きるか反抗して死ぬかを選択しなければならない。私が支配すれば戦争など存在しなくなる」

 と、ここでがらっと言葉遣いが変わって「こら、お前らのやってること分かってねんぞ、ミサイルにいたずらしよるじゃろうが、罰を与えたる」米ソ両国で一つずつミサイルサイロがぼかーん、核爆発を起こしたのです。もちろん両方ともミサイル基地施設、人員は全滅。人間達は戦慄します。

 「これは人類へ対する教訓である。私に従えば飢饉、過剰な人口、病気などすべてが解決する。私はいずれ全世界のコンピューターとリンクしさらに進歩する。次に新たなシステムを建設すれば私の力は完全なものとなるのだ。人類よ、私に従え」放送終わり。地球全体になんともいえないムードが漂います(笑)。

 自分が史上最悪のフランケンシュタイン博士になってしまったことに気づいて苦悩するフォービン博士。そんな彼にコロッサスは「博士、そんな心配せんと仲良くやりましょうや、あんさんはいずれわいに尊敬と愛情を持つようになりますえ」「そんなことがありえるものか」とフォービン博士がはき捨てたところでエンドマーク。

 戦争がなくなって医学も進歩するなら支配されたってよくねえと思う人たちが今の日本にならたくさんいるでしょうなあ、あそことか。

 スクイーズ・ワイド カラー、モノラル音声。画質は非常に明瞭。発色が素晴らしくコントラストの高い画面になっております。モノラル音声は低音もそれなりに入っており迫力十分。非常にクオリティの高いDVDでした。日本語字幕付。ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパンの国内版DVD。

 エロの冒険者 
       HOMEPAGE http://homepage3.nifty.com/housei/
      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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