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2010年1月30日 (土)

『続・光る眼/宇宙空間の恐怖』(『Children of the Damned』  1963)

 『続・光る眼/宇宙空間の恐怖』(『Children of the Damned』  1963)

 名作『未知空間の恐怖/光る眼』(『village of the damned』 1960年)の続編です。前作よりよほど不気味悪さは薄れておりますが、その分悲劇的なラストが印象的。私はどちらかというとこの続編の方が好きですな。

 歩いている少年の静止画をバックにオープニングクレジット。場面が変わるとそこはどうやら小学校の教室のようであります。そこでは四人の少年が複雑なブロックを組み立てるテストに挑戦していました。このテストを行っているのが遺伝学者のネビル博士(アラン・バーデル)と心理学者のルウェリン博士(イアン・ヘンドリー)です。学校の先生は意外なことに「もうテストはこれっきりにして欲しか、他の子供がひがみますけん」

 この先生の言葉通り四人のうち、長いテーブルの左端でテストを受けていた子供ポール(クライブ・パウエル)は驚異的な力を発揮します。彼はなんと37秒でそのパズルを組み立ててしまったのです。二人は仰天して「おい、これは俺たちだって二時間掛かった代物ぜ、いったい何者や、この少年は」

 二人はこの少年の能力は両親から受け継がれているのではないかと考え、ポールの母親(シェラ・アレン)に会うのですが、これがもうごく普通の女。ポールの父親について尋ねると酷く怒り出して二人を追い出してしまいます。この後彼女は家へ戻ってきたポールをにらみつけ、「あんたやらいっちょん好かん、いや、憎か、産んだ時に殺しとけば良かったたい!」そんな母親を冷たく見返すポール。母親はうつろな表情となり部屋着のまま外へ歩き出してしまいます。車にもかまわず道路を横断する母親。危うく轢かれそうになってもまったく気にするそぶりを見せません。そのままトンネルの中に入っていって、はい、どかーん、トラックにぐしゃぐしゃにされてしまいました。

 てっきり死んだものと思ったのですが、あにはからんやこの母親生きていた。全身包帯だらけで両腕とも骨折という酷い姿ですが、彼女の意識ははっきりしており、駆けつけたネビルやルウェリンに「あの子の仕業たい、あの子は私の子じゃなか、産んだばってん違うとよ!あれは化け物たい。あの子の父親もおらん、ぼぼやらしとらん」ドサクサに紛れてエッチなことを言ってますな(笑)。

 一人残されたポールの世話をしているのは母親の妹スーザン・エリオット(バーバラ・フェリス)であります。ネビルとルウェリンは彼女に頼んでポールを研究室へつれていき国連のハリブ氏(ハロルド・ゴールドブラット)と引き合わせるのでした。ネビルとルウェリンはハリブ氏に「ポールは突然変異かもしれまっせん」と説明します。しかし、その後驚くべき事実が判明します。世界には同じような子供があと5人、つまり6人いるというのです。二人は仰天して「そぎゃん馬鹿なことがありますか。宝くじに連続で当たるようなもんですたい」 これを聞いたポール、「そんな人を年末ジャンボ宝くじみたいに」と思ったとか、思わなかったとか。国連はこの6人をイギリスに呼んでいたのです。

 しかし、事実は事実。そしてこの事実を知った6人の子供たちの母国はこの超天才たちを保護しようとします。イギリス政府もエージェント コリン・ウェブスター(アルフレッド・バーク)を派遣します。ネビルの友人である彼はいろんなところでいろんな怪しい活動に従事しているもよう。そんな人物の出現に警戒心を高める二人であります。

 その危惧はすぐに実現することになりました。コリンは部下たちと共に深夜、ポールのアパートへ押しかけ彼を保護しようとしたのです。ポールはこれを察知、例の眼力でスーザンを操りネビルたちに電話で助けを求めさせます。すぐに駆けつけたネビルとウェリンはこの強引なやり方に講義するのですが、コリン、ぱっと書類を見せて「母親の許可証ば貰っとったい、止める権利やらなかぜ」ネビル、ウェリンは引き下がるしかありません。二人が頼りにならぬと見たポールは今度は車に乗ったコリンの部下を操り事故を起こさせたのです。そして大人たちがこれに注意を取られている隙にまんまと逃げ出してしまったのでした。

 逃げたポールは英国内に集まっている5人の子供たちを集めます。ソ連大使館からソーニャ(ロベルタ・レックス)、インド大使館からラシード(マハドゥー・マセン)、中国大使館からミー・リン(ヨーク=ムーン・リー)、ナイジェリア大使館からアガ・ナゴロ(ジェラルド・ゲルソン)、あと一人マーク(フランク・サマースケール)は、あれ、どこから来たんだろ、まあ、いいや面倒臭いから(笑)、マークの飼い犬一匹。とにかくこの6人の子供たちと犬一頭はロンドン市内の廃教会に潜みます。

 狼狽しているコリン、「いったい全体あの子はどこへ行ったとや」はっと気がついて「まさか誘拐ばされたっちゃないとやろうな」 そしてその直後、さらに不可解な事件が。なんとスーザンが消えてしまったのであります。もちろん、彼女を操っているのはポールと子供たち。彼女は教会に誘い込まれて、そこではっと正気に返ります。彼女は6人の子供たちを見て仰天。「ポール、こげんところでなんばしようと、帰らんといかんばい、みんな心配しよるけん」もちろん、これでポールたちが帰る訳もなし。逆に操られてスーザン、家政婦にされちゃった(大笑い)。

 さて、スーザンを探していたネヴィル、例の教会を偶然見つけて潜入します。するとマークの犬がわんわん。危険を感じたネビルは急いで引き返し、コリンたちを連れて戻ってきます。コリン、部下の二人に「おい、お前ら、中の様子ば調べんね!」なんだ、いきなり部下から行かすのかい(笑)。

 部下の一人は2階の回廊、もう一人は1階を調べます。するとさっそくマークの犬が登場、襲い掛かってきたのです。2階の部下がとっさに拳銃を乱射、犬を射殺してしまいます。これに怒ったのが子供たち。6人一斉に眼力を働かせ2階の部下を操り、もう一人を射殺してしまったのでした。銃声に驚いたコリンたちがやってきて、「なんばしようとか、やめんかポール!」と叫ぶのですが彼らの怒りは収まりません。2階の部下は抗えぬ力に翻弄され自ら飛び降りてしまったのです。尖った柵にぐっさりやられてこっちも死亡。

 これではとても適わないと思った三人は逆に懐柔策に出ます。子供たちに「何か必要なものはなかね」と尋ねると操ったスーザンを通して「食料が欲しい」 さっそく彼らは食料調達を指示します。そして陸軍のジープがやってきて彼らの指示通りに教会の入り口の階段に置くのでした。
このあたりから今まで無言を通していた子供たちがぽつりぽつりと喋るようになります。食事の用意をしながらスーザンに「あなたたちはなぜこぎゃんとこに集まったと」とスーザンに問われたリー・インが「わたし、よう分からん、えずか(怖いの意味)と答えたりして、わずかながら彼らに人間味が残されていることが分かるのです。もっともその間他の子供たちは機械部品を集めて怪しい装置を作ったりしているのですが(笑)。

 コリンは軍隊を召集。指揮車がやってきて、その指示の元に兵士たちが配置され、教会は包囲されてしまいます。そして現れる各国代表。彼らは子供たち+スーザンに「君たちの意思は尊重するけん、それぞれの国に戻っちゃらんね」と申し入れたのですが、なんとスーザンが「それはできんことです。なぜならこの子達にはテレパシーがあって、一人の知識が共有されるとです。各国の秘密が筒抜けになってもよかとですか」びっくりしたネビル、ポールを呼んで「今からおいの言うことを聞かんね、口に出したら駄目ばい、聞くだけやけんね」ネビルはポールの耳に「あじゃらかもくれんふうらいまつ、ゆずこしょう入れすぎテケレッツのパッ」とささやいたのです。
 
 そしてネビルはラシードを指差して「おいがポールに言ったことが分かるね?」と聞くと、ラシードは見事に「あじゃらかもくれんふうらいまつ、ゆずこしょう入れすぎテケレッツのパッ」 これを聞いた代表、「わあ、スーザンのゆうたことは本当ばい、これじゃ国に連れて帰れんやないか」 あえなく退散するのでありました。

 しかし、それでも超越的な頭脳を持つ彼らを手放したくない。その夜、どこぞの国の特殊部隊が教会に潜入します。「生け捕りばい、それば忘れんな」とカッコ良く突入するのですが、これをちゃんと見張りのラシードが他の5人にテレパシーで知らせます。すぐに迎撃準備が整えられてあの怪しい装置のスイッチをラシードがオン!するとべががががぼええええええという物凄い音が発生したではありませんか。特殊部隊はこの音波兵器にやられてばたばた倒れます。うわー、倒れてから痙攣している、いやな場面だなあ(笑)。

 変事に気づいたコリン、教会へ突入。しかし音波兵器の効果で中へ入ることはできません。彼はマフラーを耳の周りに巻いて音を遮断、ライフルを構えて装置を操作しているラシードを撃ったのでした。ばったり倒れるラシード、彼の指が装置から離れてようやく大音響が止まったのであります。どうやらそのままラシードは死んでしまったらしい。また音波兵器にやられた兵士たちはうつろな目をしておりまして、ネビル・ルゥエリンによりますと「こら、死んだほうがましたい」という状態らしい。

 確かに凄い兵器ではありますが、良く考えたら耳栓ひとつで対処が可能なような気が致します(笑)。

 翌日、ラシードの血液を分析していたグルーバー教授(マーチン・ミラー)が大変な発見をします。ラシードの血球は人間のそれとはまったく違っていたからです。しかもそれは人間の血液と混ぜられると血球を食って同化してしまうのでした。グルーバー教授は戦慄します。「これはきっと子宮内で乗っ取られたに違いなか、奴らは人間じゃなかばい!」

 この結果を聞いたネビルは「人類のために、かわいそうやけど、抹殺せんといかん」と言い出します。ところがこれに猛反対したのがルゥエリン。しかも彼は反対するだけではなく、教会へ行ってラシードの葬式らしきことをやっている子供たちに「お前たち、このままやと殺されるばい、人間に向かって敵意のないことば証明せんといかん、おいも手伝うけん、みんな大使館に戻りやい」 しかし、子供たちは無反応。スーザンも返そうとはしません。がっかりしてホテルへ戻るルゥエリンでしたが・・・。

 その直後取り乱した様子のスーザンがやってきたのです。驚くネビル、ルゥエリンに「子供たちがおらんごとなったとです。どこに行ったかぜんぜん分からんとです、どげんしたらよかですか!」ルゥエリンはぱっと喜んで「きっと大使館に戻ったのに違いなか」

 これを聞きとがめたのがネビル、「きさん(貴様の意味)、大使館に戻ったのに違いなかって、なんばしたとや!」「おいはあれたちに最後のチャンスを与えたったい」「そげん馬鹿なことをしたらいかんやないや、すぐに大使館に連絡ばせんと」「いいや、そげんことはさせんぜ」電話をしようとするネビルにルゥエリンが飛び掛って取っ組み合いの大喧嘩。

 そんなこんなしているうちに子供たちは自分たちの国の大使館にそれぞれ戻っていきます。大喜びのコリン、国防相、参謀長を呼んできてポールを大歓迎。「君の意思を最大限尊重するけん、何も心配やらすることはなかとよ、でもやっぱり兵器は作ってもらわんと、困るばい。他の国と差が出たら戦争になってしまうけん」随分勝手なことを言っておりますな(笑)。また、ポールのテレパシー能力は彼らの隠された本音を探り当ててしまいます。「こいつは化け物だ、人間じゃない、だけど利用できる」ポールは駄目じゃこりゃ、と呟くと三人を操り互いに殺し合わせてしまうのでした。

 他の子供たちも同じようなことをやったようで、また教会へと集結したのです。

 もうこうなりゃ抹殺しかない。直ちに陸軍が展開、教会を再び包囲します。今度は兵士だけではなく重火器、戦車つきの本格的な攻撃態勢。下水道に爆弾も仕掛けて後は爆破・攻撃開始指令を待つばかり。子供たちの運命きわまれりと思われたのですが、ここで作戦司令部となっているビルにルゥエリン、スーザン、グルーバー教授が現れたのです。グルーバー教授は「おいが間違っとった、あれは正真正銘の人間の血液ですたい、ただし、100万年後の未来の」つまり未来人の遺伝子が紛れ込んだという訳なのでしょうか。良く分かりませんが、とにかく「人間やけん殺したらいかん」ということなのでしょうな。

 ルゥエリンは近くで待機していた国連のハリブ氏にこのことを伝えます。ハリブ氏、迷った挙句今一度子供たちの説得を試みることになりました。彼はメガホンを持って教会へ近づきます。後に続くのは各国の大使たち。彼らの接近を感知して子供たちが出てきます。驚いたことに死んだはずのラシードがいて、みんなびっくり。子供たちは「人間は殺し合いばせんね、僕たちは別の道をえらぶけん」彼らはお互いに手をつなぎます。司令官はあわてて、「攻撃・爆破待機」と命令するのでした。ところがここで司令室にいた部下が一世一代の大どじ。うっかりドライバーを攻撃開始通信装置に落としてしまったのです。これでバチバチとショートして、命令が伝達されてしまいました。司令官、「きさん、なんばしよっとか」と叫ぶのですが時すでに遅し。子供たちに対する総攻撃が開始されるのです。

 砕け散る教会、そして爆弾が炸裂して瓦礫に飲み込まれる子供たち。なすすべく立ちすくむネビル・スーザンであります。

 最後にカメラがこの惨劇の原因となったドライバーをアップにしたところで、エンドマーク。

 モノクロ、スクイーズのワイド。モノラル音声。切れのある高解像度なモノクロ画面が魅力的。音質も良く、非常に見ていて気分の良いDVDでした。ワーナー・ホームビデオ 『未知空間の恐怖/光る眼』(『Village of The Damned』 1960年)とのダブルフィーチャー。

 エロの冒険者
       HOMEPAGE http://homepage3.nifty.com/housei/
      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

 

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