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2010年1月30日 (土)

『モロン』(『Morons from Outer Space』 1985)

 『モロン』(『Morons from Outer Space』 1985)

 もうタイトルが『外宇宙からやってきた馬鹿(モロン)ですからね。もう史上最低のタイトルと言ってもいいくらいですからね、いつにもましてどうしようもない映画でしたよ。

 警告、警告、このDVDのリージョンは1です。したがって日本国内のDVDプレーヤーでは再生できません。警告、警告。

 広大なる宇宙空間、ナレーションが重々しく「人類は宇宙人の存在について考えてきた。知性的なのか、平和的なのか、それともはたまた好戦的なのか」ずずずずと『スターウォーズ』風に頭上を宇宙船が通過していきます。

 もっともこの宇宙船のデザインはまるでトレーラーハウス。いくつかのモジュールがついていてその間を鎖で繋いでいるという・・・。しゅっと宇宙船のハッチが開き宇宙服姿の宇宙人が出てきた。と、閉まるドアにエアパイプを挟まれてしまいます。ドアをもう1回開けてパイプを抜いて、次のモジュールに行くために鎖をのったりのったり渡る宇宙人。ようやく到着したのですが、こっちのモジュールの中は通常型の重力場になっていたので、ばったり転げ落ちるという・・・。冒頭から脱力間違いなしの素敵なギャグではありませんか。

 このドジな宇宙人はバーナード(メル・スミス)といいましてどうやら故障したヒューズの代わりを探しに行っていたらしい。「さんざん探したけどないよ、ヒューズ」とボヤくバーナード。残りのメンバー、デズモンド(ジミー・ネイル)・サンドラ(ジョアンナ・ピアース)、ジュリアン(ポール・ボーン)、は驚きます。「そんな部品がないって、それじゃ俺たち宇宙の迷子じゃん!」

 ちなみにデズモンドとサンドラは夫婦のようです。

 やけになったデズモンド、丸いハンドルとアクセルがついているトラックみたいなモジュールの操縦席について、いきなり発進させてしまいます。モジュールは本体から離れて急加速、この時、外で無重力ボール遊びをしていたバーナードはもちろん置き去りです(笑)。

 いきなり悲痛な叫び声を上げるデズモンド、「やべ、俺、操縦方法知らなかったんだ!」モジュールはそのまま近くの惑星、地球の大気圏に突入するのでした。そのままイギリス領空に侵入。これをキャッチしたイギリス人たちは大騒ぎになります。

 ロンドンのUKBCテレビはニュース番組を終えたばかりでキャスター達が帰ってしまい留守番のグラハム(グリフ・ライフ・ジョーンズ)以外だれもいません。ここに宇宙船襲来すの知らせが入り、グラハムは不本意ながら取材に出かけるのでした。

 モジュールはよりにもよって高速道路上に滑り込んできます。邪魔な車をクラクションで追い払いつつ(笑)進むモジュール。何台もの車が道路から押し出されてクラッシュ。その中の一台に乗っていた夫婦が「おい、奴のナンバープレート見たか」「いいえみてないわ」と会話を交わすのがオカシイ。

 さて、さんざんにイギリス人に迷惑を掛け捲ったモジュール、ついに高速道路から外れある農場に突っ込みます。

 この知らせは首相官邸で夕食会に出席していたマターソン司令官(ディンスディール・ランドン)に届きます。彼はぱっと立ち上がると「皆さん、行ってきます。もっとも食後のコーヒーまでには戻ってきますが」と言っておでかけ。あんまりカッコよくない台詞であります。この後エイリアン襲来と分かってパニック状態となる夕食会会場。ヒステリックに喚き散らす女性を落ち着かせようとある男性がビンタしたら、逆に殴り返されるという細かいギャグあり。

 UKBCテレビではベンソンディレクター(ジョージ・イネス)がもうかんかん。「こんな重大事件が起こっているのにみんな、パブに行っているとはどういうことだ!」彼はグラハムの置手紙を発見。「なになに、私が取材に行ってきますだと」彼はぱっと顔を上げて「見たまえ、ここにちゃんと記者魂を持ったものがいる!」でもすぐに手紙を書いたのがグラハムであることが分かって「ああ、なんてことだ、あんな馬鹿にこのニュースを任せることになるなんて」喜んだりがっかりしたり、何かと忙しい人であります。

 そして彼の心配はすぐに現実となりました。宇宙船近辺に到着したグラハムは同行したカメラマンが撮影した映像を局に送るのですが、これが音だけで画面はまっくら。「こら、映像出てないぞ」とベンソンが叫ぶと今度は映像が出たものの無音になっちゃった。「ああ、もう」髪の毛をかきむしるベンソンであります。

 そんな中、アメリカ大使館よりCIAのラリビー大佐(ジェームス・シッキング)がヘリコプターで到着。このヘリコプターがデキシーランドジャズを高らかに鳴らしながら飛んでくる『地獄の黙示録』ギャグはあまり面白いものではありません。ラリビーとマターソン、記者団に向って「これは新型ホバークラフトのテスト中の事故である」と発表。真実を隠そうとしたのでした。

 さて、宇宙に一人取り残されたバーナード、さすがに寂しそうにしております。ぶわくしょんとくしゃみをすると宇宙ヘルメットのガラスにたんがびちゃ。ここまでやりますか(大笑い)。そんな彼の前に小型宇宙艇が出現。乗っていたエイリアンは「やっと見つけた、探すのに苦労したよ、信号が弱くってさ」かなりあちこち探し回ってきたらしく、彼自身はミイラ化、また服もぼろぼろ、蜘蛛の巣だらけ。まあ、乗せて貰えるならなんでもいいやと乗り組むバーナードであります。しかし、このエイリアン、さわさわとバーナードの太もも触ってきて「ねえ、君、男?女?」びっくりしたバーナードが「なんだ、キモチ悪いな、男だよ、おれは男」するとエイリアン、「畜生、しくじった」と叫んで上から下がっている紐をひっぱります。ぷしゅーっと音がしたかと思うと、バーナードの椅子がすぽんと下に抜けちゃった。

 バーナード、そのまま地球の大気圏に突入。アリゾナ国立公園の森の中に墜落するのでした。

 この間、軍部は宇宙船を回収、基地の中に運び込んでおります。グラハムも防護服を拝借して潜り込んでいるのですが、基地の電話で報告を入れようとするたびに人がやってきて、駄目というギャグを繰り返すのです。

 ここで新しい登場人物、語学の大家、トロッセアウ教授(アンドルー・マラーネ)が登場。彼が来てくれればエイリアンの言葉が分かると大喜びのラリビーとマターソンですが、この教授がフランス語しか分からないという(笑)。「教授、ひとつよろしく頼みますぞ」「セシボン?」「エイリアンへの通訳をお願いします」「アンドウトロワ?」という具合にまったく会話がかみ合ってません。そうこうするうちに宇宙船の中からうめき声が聞こえてきます。お察しの通りデズモンドとサンドラがやっていたのです。

 これが終わったかと思うと宇宙船のハッチがしずしずと開き始めます。そして途中で一度引っかかって、外れてどすーんと落ちちゃった(大笑い)。そして人々は異星生命体とのファーストコンタクトを体験することになります。ネグリジェ姿のサンドラが出てきたのです。続いてデズモンド、ジュリアンも登場。ジュリアン、落ちたドアを指差して「お前らが壊したんだろ!」 ラリビー、マターソン、そして周囲を取り囲んでいる兵士達がズッコケました(笑)。

 すぐに彼らの身体検査が開始。そして出た結論は「完全な人間」だそうで。そして彼らにいろいろ質問するのですが、これがまたまともな答えが返ってこない。ジュリアンに「君たちがやってきた惑星の名前は」と聞いたら「忘れちゃった」「どんな惑星なんだ」「でっかくて丸くて青い部分や、茶色の部分があって」「それじゃ何だか分からないよ」

 デズモンドに黒板に書いた高等数学の数式を見せて「これを解いてくれないか」デズモンドは不審げな顔をして、「あんたは分かるのかい」「ああ、もちろん」「じゃあ、何で俺に聞くっすか」そしてデズモンド、ポケットからペンを取り出して、「これ、何か分かりますか、こうやって紙の上を滑らせると次が書けるんですよ P,L,A,N,I,I,T ほらプラネットだ、惑星だ」ってテメー、スペル違ってんじゃないかよ(大笑い)。

 バーナードはバーナードで国立公園で見つけたゴミ箱を知性生命体だと思い込んじゃった。なぜなら風でゴミの投入口がぱたんぱたんとなって、まるで喋っているかのように思えるからって、幾らなんでも無理があるだろ。彼はゴミ箱に向って「君らのリーダーに会わせて欲しい」とか言い出す訳ですよ。そして彼はでっかい看板に描かれたでっかいゴミ箱を見て、「おお、あなたがこの星の種族のリーダーですか」だって。ところがこの直後、通りかかった車が彼の足を轢いてしまいます。通報されて救急車に乗せられるバーナード。この救急車の運転が乱暴で、足の先にちょっとした怪我をしただけのバーナードが病院につくころには重傷になっていたという(笑)。

 バーナードは病室でもゴミ箱に話しかけたりするので、看護婦さんによって○○ガ○決定。精神病棟に放り込まれてしまうのでした。彼は病棟の看護婦さんに「この星のリーダーに会いたい」というのですが、何しろここはそういう病棟ですから「何、リーダーだって、シーザーはTV見ているし、ワシントンは寝ているよ、よりどりみどりだ、好きなの選びな」と言われてしまうのでした。

 さて、その頃デズモンドたちを調べた科学者達はある重大な結論に達します。「こいつらは単なるアホです、馬鹿です、間抜けです、もうチンパンジー以下です」ずっこける基地の皆さん。しかし納得しないのがラリビーであります。彼はデズモンドたちがある種の変装をして馬鹿を装っているのではないかと疑うのです。彼はデズモンドを拷問部屋に連れ込んで、顔の皮膚を引っ張り、「こら、変装を解け、人間の皮の下から化けものが出てくるんだろ」デズモンド、悲鳴を上げます。これを聞きつけてやってきた科学者達に「こいつをなんとかしてくれー」

 ラリビーは会議に軍隊を伴って乱入。「作戦の指揮は私が取ることになった」と叫びます。彼は続けて「あの宇宙人たちを放ってはおけない、奴らはマインド・サッカーなのだ」みんなきょとんとしています。「なんだ、君たちは『SF/ボディ・スナッチャー』を見ていないのか」やっぱりみんなはきょとんとしています。「とにかく、奴らは危険だ、殺すのだ」とたんにみんな、わーっと歓声を上げて立ち上がるという・・・。

 この模様を立ち聞きしていたグラハムは大いにあわてて宇宙人たちが監禁されている部屋へ向かいます。そして見張りの兵士の頭をぼかっと殴って昏倒させると宇宙人たちに「おい、ここから逃げるぞ」えー、この脱走劇、グラハムが車を見つけて乗り込んだのはいいですが、後からきた宇宙人たち、車にいったん乗り込んでそのまま反対側のドアから出て行くというむなしいギャグをやったりして実にいらいらさせられます(笑)。その後、今度は軍用のトラックに乗り込んだのですが、そこでラリビーが待ち構えていた。「げはははは、この凶悪宇宙人め、死ぬのだ」ライフルを構えるラリビー、と、いきなりマターソンが彼を射殺したのです。

 マターソンは走り出したトラックの運転席にしがみついて、「ああ、待ってくれ、サンドラ、愛している」そして「ああ、サンドラ、宇宙から訪れし君」と自分で作詞作曲した「サンドラの歌」を歌いだすのでした。もういいから放っておきましょう、このおっさん(笑)。

 グラハムはマターソンを振り落としトラックを爆走させます。そして自分のアパートで宇宙人たちを匿うことになったのでした。

 しかし、すぐに見つかって軍隊に包囲されてしまいます。おまけに暴徒が押し寄せてきて「宇宙人を殺せ、殺せ」投げ込まれたレンガがグラハムの頭を直撃。「いてて、いててて」グラハムは外に飛び出すと宇宙人擁護の大演説。「彼らは化け物でも敵でもありません。彼らは我々の友人です。彼らは平和的な目的できたのです」そのとたん、ジュリアンが弄っていたガスコンロを爆発させるというオチがつきましたけど(笑)。

 とりあえず、この演説で暴徒たちは宇宙人を歓迎するようになります。宇宙人たちは調子に乗ってテレビのトークショーに出演。たちまち人気者になるのでした。

 一方、精神病院に収監されたバーナード、偶然、彼らのニュースを見て脱走を決意します。大男の患者(たぶん、ジョージ・ワシントン)に窓の鉄格子を曲げさせるのですが、力を抜いた瞬間にびよーんと元に戻ってしまうというギャグ。こっちの力も抜けてしまいますわ(笑)。いらついたバーナード、その鉄格子を押すと窓全体が開いてしまいます。な、なんじゃそりゃ。

 この窓から脱走したバーナード、ヒッチハイクで他の三人がいるイギリスを目指すのでした。もっとも乗せて貰ったのはいいけど、その運転手のおじさんに「君はどこの出身かね」と聞かれて「遠くっす、宇宙船で来ました」と答えてけり落とされたりしますが。

 さて、すっかり人気者となった三人、芸能界でひっぱりだこ。グラハムはマネージャーとなってスケジュールを取り仕切っています。

 そんなこととは露知らず、アメリカをさ迷っているバーナード。浮浪者同然の姿になっており、またお腹もぺこぺこ。耐え切れずにあるダイナーに入って残飯をあさり始めます。と、その彼の目に入ったのがテレビのトークショーに出演している三人組。「わお」バーナードは仰天します。「あいつら、人気者じゃん、だったらオレも宇宙人なんだから人気者になれるじゃん!」

 保安官事務所に駆け込んだバーナード、やる気のない顔つきで出迎えた保安官に、「あ、おれ、宇宙人なんです。テレビで知っているでしょ、あの宇宙人、おれ、4番目なんですよ、4番目の適格者なんです」宇宙人、どさくさに紛れてエヴァネタを繰り出すという・・・(笑)。しかし保安官、やっぱりやる気のない顔つきで「あ、そう、じゃあ、あっちの列に並んでね」彼が指差した先には自称宇宙人たちがいっぱい並んでいたのでした。その時、保安官助手が歓声を上げて入ってきます。

 「保安官、あの宇宙人たちがニューヨークライブやるらしいっすよ、チケット、2,000ドルっすよ」

 これを聞いたバーナード、そのライブに押しかけます。ライブ会場のスタジアム入り口で、「おれ、4人目の宇宙人なんだよ、だから入れてよ」と喚くのですが、当然ながら拒否されます。会場入りするサンドラたちを見て「おーい、おーい、オレだよ」と叫ぶのですが、気がついてくれません。やけになったバーナード、裏手のフェンスをえっちらおっちら登ってようやく潜入を果たすのです。

 そしていよいよライブ開始。キッス風の衣装(だよね?)に身を包んだ三人はロケットの形をした乗り物に乗っかって舞台に登場。熱狂的な観客に迎えられた三人はなんだか、よく分からん歌を熱唱・・・、あ、いやいや、デズモンドだけは本番前からウォッカをラッパのみしていたので、もうべろんべろんのろん。あまつさえ気分が悪くなって熱唱しているサンドラの衣装におえーっ。「きゃー、なんてことするのよ、この馬鹿!」サンドラ、デズモンドを情け容赦なく蹴り飛ばします。

 これでライブは一旦休止となって楽屋へ引き上げる三人。彼らはそこで意外な人物を見て立ち尽くします。その人物とはもちろんバーナード、彼はにやっとして「へへへ、ようやく会えたな」ところが三人はバーナードを完全に無視。「あんた、誰」バーナードはびっくりして「おれだよ、オレ、バーナードだよ」しかし、やっぱり三人はバーナードを知らないふりをします。しまいには警備員呼んで「訳の分からないファン入れちゃだめよ」と追い出してしまったのです。警備員にむりやり連れて行かれながら「こりゃまたどういうわけだ、世の中間違っとるよー」と嘆くバーナード。

 スタジアムの観客は「ウイ・ウオント・ジ・エイリアンズ!」の大コール。これに答えて三人は再び舞台に向かうのですが・・・ここで唐突に『未知との遭遇』風の宇宙船が出現。スタジアムに着陸します。ハッチががーっと開いてまばゆい光の中から現れたのは・・・噛みタバコクッチャクッチャやっているツナギ着たオヤジ。観客、一斉にズッコケます。

 オヤジは三人に向かって「あのよう、宇宙船返してくんないかな、レンタルの期限、もう5週間も過ぎてんだけど」三人はぷるぷる首を振って「あの宇宙船、地球人に盗られちゃったんす」オヤジはため息ついて「しょうがないな、じゃ、オレと一緒に来てくれるかい」三人はオヤジと共に宇宙船に乗り込みます。そして唖然としている観客たちを残して離陸。

 バーナードは今回も取り残されてしまいました。呆然としている彼にグラハムが近寄ってきて、「君、バーナードさんだよね、君も宇宙人だって?」今度はバーナードを売り出そうという魂胆なのでしょうなあ。

 宇宙船が飛んでいってしまって観客の皆さんは唖然としていましたが、見ている私だって同じですよ。こんな終わり方あるかって思いましたよ。

 エンドマーク。カラー、スクイーズのワイド仕様。ドルビーサラウンド音声(笑)。画質はややノイジーですが、良好な発色でその欠点も帳消し。ドルビーサラウンド音声はあんまり効果なかったすねー。クローズドキャプションの英語字幕つき。『エイリアンfromLA』(『ALIEN FROM L.A』 1988年)とのダブルフィーチャー。MGMミッドナイトムービーのDVD。

 エロの冒険者
       HOMEPAGE http://homepage3.nifty.com/housei/
      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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