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2010年2月 4日 (木)

『World Without End』 (1956)

 『World Without End』 (1956)

 未来の地球に迷い込んだ宇宙探検隊の物語。核戦争で絶滅しかけた人類は地下に都市を築いて暮らしており、何故か出てくる女性はみんな美人で探検隊の男達、にやにや。どこかで見たようなストーリーですなあ(笑)。

 警告、警告、このDVDのリージョンは1です。したがって日本国内のDVDプレーヤーでは再生できません。警告、警告。

 シネスコスクイーズのゴージャスな画面がいきなり赤く染まって核爆発。この後地球が映りましてタイトルがでます。そしていきなり人類初の火星探検に出た宇宙船XRM号との連絡が途絶えたという知らせが入るという…。基地は大騒ぎ、駆けつけたクルーの一人、ヘンリー・ハンク・ジェフ(クリストファー・ダーク)の奥さんと子供たちが事情を聞かされてしょんぼり。これを見ていた新聞記者たちが「綺麗な奥さんと賢そうな子供がいるのに、あんなキチガイじみた探検に参加するなんてどうかしているよ」と言うのがおかしい(笑)。

 テレビのニュースもこの事件を伝えております。「エルドン・ガルブリーテ博士(ネルソン・レイ)をリーダーとする人類初の火星探検船XRMが消息を絶ちました。航宙士のヘンリー・ジェフが火星極冠付近に到達せりと通信をしてきたのを最後に連絡が取れなくなったのです」

 えらいことになっとるやないけと思ったら、さにあらず、宇宙船XRM号は無事でした。通信士のハーブ(ロッド・テイラー)によれば火星の磁気フィールドで通信波が遮断されてしまうのだとか。ガルブリーテ博士は「じゃ、火星の周回軌道から抜ければ通信を再開できるな、もう少しで火星の衛星軌道を一周する、そしたら軌道を離脱しよう」

 衛星軌道周回を終了、いよいよ地球へ帰還する時がやってきました。もうジェフなんか大喜び。「あー、おれ、早く奥さんと子供たちに会いてぇ」と叫んでおります。しかし、その願いがかなうことはありませんでした。宇宙船を加速させて軌道を離脱したとたん、巨大な炎の塊が出現。なんだかよく分かりませんが、これに呑まれたXRM号はエンジンが暴走、むちゃくちゃな加速を始めたのです。強大なGによってあっけなく失神する4人のクルーたち。XRMはぐいぐいと加速、とうとう秒速100マイルを突破したのです。その後も加速は続き、ついにはスピードメーターが壊れてしまいました。

 そしてついにどこかの惑星上に不時着したのです。幸いなことにこの地域は大雪で覆われており、これがクッションとなってクルーたちの命を救ったのでした。

 失神から目覚めるクルーたち。いてててと頭をさすりつつ外を見てみると、「わあ、どっかの星だ」「雪だぞ、火星の極冠か」「いやいや重力が地球と同じ1Gだ、それに大気分析器を見てみろ、外には豊富な酸素があるぞ、宇宙服なしで出られるぞ」「それ、なんて、火星?」「馬鹿、だから火星じゃないっての」

 外を探検することになりました。調査してみるとこの周辺には体への悪影響はないものの地球の三倍もの自然放射能が検出されます。またハーブは無線を試すのですが奇妙なことにどの周波数でも空電やノイズすら入らない。「まるでこの宇宙から無線電波がなくなったみたいッスよ」と叫ぶのでした。

 なんか、変だなと思いつつ進むクルーたち。誠に都合の良いことにしばらく行くと雪は消え去り、まるで北米の山の中みたいな雰囲気になります(笑)。途中で洞窟を見つけたクルーたち、こんなところには大概ロクでもないものが出てくるので、よしときゃいいのに、調べに入ってしまいます。その彼らが見たのは巨大な蜘蛛の巣。これまたよせばいいのにその蜘蛛の巣を調べに行っちゃうんだなあ。そしてはい、皆様の期待通り登場しましたのが巨大蜘蛛。非常にぞんないな作りでしかもぴくりとも動かない、洞窟の天井の穴から助監督さんが監督さんの合図でクルーたちに向かってぽいと投げたように見える等々、気になる点がありますがそんなツッコミは無粋というものです。「おお、巨大蜘蛛じゃないか」と素直に驚いて見せるのが「大人の粋」ってなものですぜ。

 さらにもう一匹の巨大蜘蛛が出現。クルーたちは持ってきていたピストルを乱射し、一匹を射殺、もう一匹を撃退します。なんとか危地を脱して洞窟の外へ逃げ出すクルーたち。「ひあああ、酷い目にあった。くたびれたから今日はここで野営しよう」ということになりました。

 しかし、その野営中に次の苦難が待ち構えていたという・・・。彼らの野営地に夜陰に乗じて忍び寄ってきた五つの影。それは毛皮をまとった原始人?でした。彼らはクルーたちに襲い掛かります。しかし、クルーたち、勇敢に反撃し、やっぱりピストルで一人を射殺、残りを追い払ったのでした。この原始人に首を絞められたガルブリーテ博士、「うー、凄い力だったなあ、ピストルなかったらイチコロでやられていたぞ」原始人の死体を調べてみたらびっくり。指は鉤爪で、一つ目だったという、みんな飛び上がって「わあ、キモチわりー!」いったい、何者なのでしょうか、この原始人たちは。

 その答えは意外に早く判明しました。翌日、彼らは墓地を発見するのです。そしてその墓石に刻まれていたのは英語。しかも日付が一番新しいもので2188年!ガルブリーテ博士は叫びます。「ここは地球だ、未来の地球なのだ、我々の宇宙船があまりにスピードを出しすぎたせいで、時間の壁を破って200年以上も先に進んでしまったのだ。エランド博士の説は正しかったのだ」

 これを聞いてジェフはがっかり。「はあ、奥さんと子供100年以上前に死んじゃったのか」

 それはともかくとしてなんで地球がこうなっちゃったのかと言えば、そりゃもちろん核戦争に決まってます。地表の自然放射能の値が高かったのも、核戦争のせい、そしてあの原始人たちは放射能によって生まれたミュータントだったのです。ここまでお約束やってくれるとワンパターンを通り越して嬉しくなってしまいますね。

 ミュータントたち、再び探検隊を襲撃。今度は数が多くてとても敵いません。ピストルの弾もあと30~40発ぐらいしか残っておらず、このままでは殺されてしまいます。思い余ったクルーたちは昨日のとは別の洞窟を見つけて逃げ込んだのでした。するとこの洞窟の奥にはいかにも扉ですよ、これがすっと上にスライドしますよという風情の金属の壁が!みんな驚いてこれを調べるうちに、今度は洞窟の入り口が同じような金属の壁にふさがれてしまったのです。閉じ込められたと思ったのですが、すぐに洞窟の奥の壁が思ったとおりスライドして近代的な通路が現れたのでした。

 「こりゃ、入れってことですな」クルーたちはガルブリーテ博士を先頭に「おじゃましまーす」通路に入ります。しばらく進んでいくうちにテーブルが置いてある小部屋に出ました。ここでいきなり渋い男の声で「武器を置きなさい、そうすれば先へ進めます」テーブルの上にみんなのピストルを置きますと、いかにも未来風な衣装の男が出てきて、「こちらでございます」大きな会議用テーブルが置いてある部屋に連れて行かれて「ここでお待ちください」

 ほどなくやっぱり未来風な衣装を着た年配の人たちが入ってきてテーブルに着きました。一番えらそうな人が「私はティメック(エバレット・グラス)である。ここのリーダーだ」と自己紹介。ガルブリーテ博士も「私たちは1950年代からやってきた火星探検隊です。どうやら事故で時間を超越してしまったようなのです」それを聞いたティメックの側近が「それはエランド博士の理論によるものですな」ガルブリーテ博士はびっくりして「エランド博士をご存知なのですか」「そりゃ、もう、あの博士は偉人ですから」

 なんてことのない会話のようですが、これが後につながる重大な伏線になっております・・・、なっているかな、なってるだろうな、なってればいいな。

 ティメックは探検隊にさらに詳しい説明をしてくれました。「現在は2508年だ。地球はハルマゲドンで滅んだ、我々は放射能を恐れて地下へ移住したのだ。残った人間たちは、ほれ、あのような化け物になってしまったのだ。わしたちはあれらをビーストと呼んでおる」

 ティメックは続いて「君らを賓客として歓迎する」と言い出します。「そして部屋を用意したから、そこで500年分の旅の垢を落としてくれたまえ」この部屋には完全自動のシャワーつき。シャワー室に入るだけで完全に温度調整されたお湯が出てくるというすぐれもの。これだったら垢落とし放題ですよ(笑)。

 おまけに部屋へ案内してくれたティメックの娘ガーネット(ナンシー・ゲイツ)というのがナイスバディの超美人、探検隊に面会に来た科学部女性アシスタントのエルダ(スタンリー・フレイザー)も超美人、給仕をしてくれるディーナ(リサ・モンテル)もツンデレ風の超美人。「うへへへ、未来世界も捨てたもんじゃない」と男たちはニヤニヤ。しょうがねえなあ(笑)。

 ちなみにディーナ、彼女の出身はなんと地表。まともな人類の唯一の生き残りなんだとか。これも伏線になっているような気がしますね。

 さて、ジェフ、ガルブリーテ博士にこんなことを言い出します。「彼ら、エランド博士の理論を知っている訳ですよね、これに彼らの進歩した科学を合わせたら時間をさかのぼることが可能になるんじゃないすか」妻子を思う彼のキモチに打たれながらも、ガルブリーテ博士は首を振って「あまり期待しないほうがいい。仮に彼らが時間をさかのぼる方法を発見していたとしても、あんな状態になった宇宙船をどうやって離陸させるんだ」「そうっすね、やっぱり駄目っすかね」とがっかりするジェフであります。

 さて、一晩ゆっくり休んで、ガルブリーテ博士はティメックとのモーニングミーティングに出席します。

 ガルブリーテ博士はティメックに「宇宙船を修理したい、いや、元の時代に返ろうなんて思っていません、この地球を探検したいと思います、あ、ビーストたちに対抗するための武器もよろしく」と頼むのですが、あっさり拒否されてしまいます。どうやらこの地下世界の人たち、よほど核戦争で懲りたようで武器だの、争いだに盲目的な恐怖を抱いているようなのであります。

 さて、この間にガーネットと急速に仲良くなっていったのが、ジョン・ボーデン(ヒュー・マーロウ)。ガーネットは地下世界の男たちにはない彼のたくましさにすっかりほれ込んでしまったようで、日夜デートを重ねるようになりました。これを面白く思わないのが、モリース(ブルース・コールマン)。彼はどうやらガーネットに心を寄せていたようで、親密になっていく二人を見て激しく嫉妬の焔を燃やしていたのです。

 そんな彼を完全無視して(笑)、今夜はちょっと外へ出て満月を見るお月見デート。突然、ガーネットがこんなことを言い出しました。「私が読んだあなたたちの時代の本は間違っているわ」ジョン、びっくりして「え、どういうこと」と聞き返しますと、「だって、あの本にはこんなロマンチックなシチュエーションだったら、男は女に迫るって書いてあったんだもの」ジョンは苦笑して、「ふふふ、5世紀たってもやっぱり女は女だな」とにやにやしながら彼女にキスをするのでありました。

 えー、この後、さらにディーナとハーブができてしまいます。

 さて、ガルブリーテ博士はディーナからさらに詳しい地上世界の話を聞きだします。ビーストはたまに生まれる普通の人間の子供を殺したり、放逐したりするのだとか。ごく少数だけ手元に残し使役に使っているというのです。ディーナはここから逃げ出してきたのであります。これを聞いたジェフは「やっぱり地表へ出なくちゃ駄目です。この地下都市にいる子供は何人だと思いますか?たった、14人ですよ、大人は2,000人もいるのに。しかもみんなひょろひょろのやせっぽち、もやしっ子だ。もう次の世代になったらここの人間は滅亡してしまうのに違いありません」

 ガルブリーテ博士はウウームと唸って「だがなあ、モリースが反対するからなあ」ここでジョンがわははと笑って、「あいつはしょうがない奴ですよ、オレとガーネットのことを嫉妬して、なんでもいちいち反対しているんですよ」みんな、大爆笑。でもこの会話をモリースが盗聴していたという・・・(笑)。彼は激怒して、ティメックにご注進。「あいつらは武器を持って外に基地作るって言ってますよ、このまま放っておいたら私ら、奴らに武器で占領されて奴隷にされちゃいますよ」

 この後、ガルブリーテ博士とクルーたちは委員会相手に地表進出作戦を提案します。「武器を使ってビーストどもを殲滅した後、地上に基地を作ります。その周囲には電磁柵を張り巡らせるので何者も侵入できませんから、安全に暮らすことができます。太陽の光を浴びれば子供たちも丈夫に育つことでしょう」

 でもモリースの注進のおかげでティメック、あっさりと拒否。そしてモリースは調子に乗って「そんなことは余所者のあんたらに言われなくってもウチの科学者が解決します。それに武器よこせって、あんたら、それで俺たち征服するつもりだろ!」ティメックは重々しく頷いて「モリースが正しい。とにかく我々は協力しない」ってことになっちゃった。

 ガーネットは委員会終了後、ティメックを説得しようとします。「私はジョン・ボーデンを愛しています。モリースはそれに嫉妬してあんなことを言うのです。彼と仲間たちは優しくて賢い人たちです、きっと私たちを幸せにしてくれるわ」ウウームと考え込むティメック。この様子を知ったモリース、こうしちゃいられないってんで次の作戦を開始。彼はクルーたちのピストルを保管しているジェームズの頭をぽかり。撲殺して彼の部屋からピストルを持ち出したのです。そしてそれをジェフのベッドの下に隠しちゃったって、何か、中学生のエロ本の隠し方みたいですけど(笑)。

 これでクルーたちをジェームズ殺人、武器強奪の罪で捕らえようというのです。まんまと騙されたティメックたち、クルーたちに「あ、日没後2時間後にここから追放ね」と言い渡してしまうのでした。「むひひ、これでガーネットはオレのもの」とほくそ笑むモリースですが、そうは問屋が許さないじゃなかった、卸さない。

 ジェフのベッドにエロ本じゃなかった(笑)ピストルを隠そうとしていたところをディーナに見られちゃったんですなあ。彼はディーナを襲って石で頭をごっ!昏倒させて逃げ出します。幸いたいした怪我でなかったディーナから真相を聞いたティメック、クルーたちを釈放、同時にモリース逮捕を命じます。

 逃げるモリース、例の洞窟から地表へ逃げ出した、追っ手は追跡を断念、やったー助かったぞと思ったモリースですが、わらわらと出現したビーストたちによってたかってズッタンタンのギッタンタンにされてしまいましたとさ。

 ティメックはクルーたちに謝罪、そして地表進出作戦へ全面的に協力することを約束します。

 着々と進められる準備、ピストルを作らせてみたのですが、銃身の強度がなくて弾を撃つと破裂してしまいます。その代わりにロケットランチャーを作ることになりました。弾もたくさん作って、さあ、出撃だ。

 ピストルとロケットランチャーでビーストどもを虐殺しながら進むクルーたち。いかに凶悪なミュータントといえどもこれはちょっと酷いのではないか(笑)。そして途中、ディーナと同じ境遇の人間を助け出します。ディーナを呼んできて通訳させると、「洞窟の中にこもっている。彼らにはリーダーのナーガがいる」と言うではありませんか。

 しかし、この洞窟を攻撃するのは難しい。「オレが偵察に行ってきます」と飛び出したジェフは多数のビーストに追い回されあまつさえ、彼らの投げた槍が背中にぐさーっ!幸い命に別状はなかったのですが、これではうかつに近づけません。

 ここで一計を案じたジョン、次のような言葉をディーナに通訳させるのです。「やい、卑怯者の臆病ものめ、出てきて私と一対一の勝負をしろ」洞窟の中から返ってきたのが「いやだ、卑怯なのはそっちではないか、あんな変な武器を使いやがって」(ディーナ通訳)。ジョンは決心してピストルを投げ出します。「おれは斧一つで戦う、それでいいだろう」

 ようやく納得したナーガ、洞窟から出てきてジョンと戦うのですが、あれ、ジョン、いつの間にか手斧の他にナイフ持っているぞ、二刀流になっているぞ、これはちょっとずるいんじゃないか(大笑い)。彼は手斧でナーガを幻惑しつつ、ナイフでさくさくさっくさく。弱ってきたナーガに「いつまでもお前たちの好き勝手にはさせん、正義は必ず勝つ」と叫んで手斧を彼の頭にめり込ませたのでした。

 親玉が倒されてしまったので、あっさりと逃げてしまうビーストたち。

 その後すぐに地表基地建設がスタート。地表の人類も地下都市の人々も一緒に仲良く働いています。弱々しかった地底都市の子供たちも陽光の元で元気いっぱい遊んでいます。ジェフは学校を開いて地表の人類の子供たちに言葉を教えたりしています。

 この光景を満足げに眺めているジョン、ガーネット、ティメック。エンドマーク。

 カラー・スクイーズのワイド仕様 モノラル音声 英語字幕つき。画質・音質も高いレベルを誇っており買ってそんのないソフトだと言えます。『Satellite in the Sky』(1956年)とのダブルフィーチャー。ワーナー・ホーム・ビデオのDVD。

 エロの冒険者
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      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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